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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


草間兄妹の海水浴 私を海に連れてって (1日目/3日間)

0.もう一人の妹が出来た草間さんの夏
「ターケーヒーコー♪」
 元気な新しい妹エヴァが、草間武彦に甘えるようなこえで呼んでいる。
「なんだ? 今は、確かに草間武彦だ」
「もう、あっち側とは縁きってるの〜!」
「で、何用だ? 零の我が儘なら聞くがお前の我が儘は聞かない」
「うわ、酷い!」
 と、仲が悪いというのか単なる漫才なのか、猫と五月、零は微笑んでみている。

「海に連れてって――! 姉さんが行ったところ――!」
 あの穴場の空を飛ぶ鯨の神様を見たいとか。
 しかし、あの海水浴場、去年に人気を博してしまったんじゃ?
「あのなー。今忙しい 来年だ来年」
 野良犬を追っ払うように草間はしっしっと手を振った。
「うわ、姉さんとの態度全く違うよ……」
「酷いね〜、エヴァ。兄さん、どうせ、怪奇事件依頼がなかったら此処って暇なんですからいいじゃないですか」
 零がムスッとする。しかし言っていることはかなり草間にダメージを与える。
「ダメなモノはダメだ! まだエヴァは保護観察扱いだろうが! なら、俺は別件の仕事に戻る。又ややこしくなったって聞いたからな!」
「えーいやだ! いやだい! いやだい!」
 零とエヴァが子供みたいにじたんだを踏んだり、手足をばたつかせた。草間には彼女らが二等身のデフォルメキャラに見えるのは、錯覚かと思ってしまう。
 その考えは、となりにいるかわうそ?がマルボロを開けているところで止めた。
 妹が増えたことで、零の性格がどんどん変わるし、色々なおまけが付いて騒がしい興信所。
「分かった! 分かった! いつものスケジュールで行くから用意しておけ!」
「やったー!」
 喜ぶ姉妹。
 やっぱり俺は妹に甘いのかねとかわうそ?から渡されたマルボロをくわえた。
 
「エヴァ、決してスクール水着って言うのは着てはダメですよ」
「は―い。って其れって何?」
 ……不安だ(草間の声)。


1.興信所での賑わい。
 シュラインは妹の零の言葉に笑いながら、
「スク水着ちゃ駄目って良く覚えていたわね」
 と、零の頭を撫でた。
「はい♪ 何か良からぬ事がありますから」
 元気に答える零ちゃん。
 エヴァとしては解らずじまいで首を傾げる。
 そして、草間の頬をむに〜っと引っ張り
「年頃の女の子を手で追い払う仕草するとは何事かしら〜?」
「ひゃめろ〜ひひゃひゃ」(訳:やめろー、いたたた)
「素直で良い子じゃないの、もう」
 未だ引っ張り続けているシュラインさん。いやもう草間武彦は彼女に逆らえることは出来ないだろう。
「シリに好かれるとはこういう事?」
 などと、エヴァが2人の関係を零に訊いた。
「そうですね」

「わたくしもまた参加したいですね」
「あたしも行きたいです。おうちの方はお母さん……もといお父さんに任せますし」
「俺もだな」
 と、此処までの状況を一部始終聞いているのは、榊船亜真知と海原みなも、黒澄龍、そして鈴代ゆゆである。
「あたしも行きたいなぁ。エルハンドも誘うんだよね? エヴァ」
「うん、そうだよ恩人だもん」
「やった♪」
 しかし、すこしまだ、頬を引っ張られている草間をみてゆゆは、
「まず“空飛ぶ鯨”っていう神様が興味あるなぁ……でも……」
「ひぇも?」(訳:でも?)
「いつものスケジュールって分からない〜」
「ほっと、すみゃん。ゆゆふぁ、ふぁじめぇて……」
「シュラインさん、もうほっぺから離した方が……」
「あら、そうね」
 草間で遊ぶのが楽しかったのか、そのままにしていたようだ。シュラインが探偵の頬から手を離すと、草間は仕切なおしたかのように。
「ゆゆや他の参加者の一部も初めてだろうから零やシュライン、亜真知に訊けばいいだろう」
「うん」
「にゃ――」
「え? 焔もしっているの?」
 ゆゆの頭上にいつの間にか乗っている猫、草間焔がにゃあといっている。
「にゃ――」
「確かに知っているのは知っているよね〜」
 苦笑するシュラインさんと零。

「わたくしも武彦様が留守の間、伊達に零様の手伝いをしていたわけじゃありませんわ」
 と、妙なオーラを発しながら、台所から鹿沼デルフェスがやってくる。
「デルフェスも行きたいの?」
「ええ、正直申せばそうです」
 上目遣いで、一行の一応リーダーである草間を見る。
 草間は肯定の意味で頷いたと分かるや、また妙なオーラを発して、
「エヴァ様にスクール水着など愚の骨頂! 零様、安心して下さい。エヴァ様には超ハイレグビキニを来ていただき、スクール水着の誘惑から守って見せます!」
 と、自分の世界に入っている。握り拳つき、しかも
「デルフェス……鼻血が出てるわよ」
 と、シュラインさんに素で突っこまれる。
「あ、きゃぁ恥ずかしい〜」
 と、彼女はそのまま奥に逃げていった。

 と、応接間で賑わいを見せているとき、
「夏が……海が……私を呼んでるぜいっ!!」
 元気よく興信所のドアを蹴破ったかのように現れる女性が一人。後ろには天然そうな女性がいる。
「あの? どちらサマで?」
「あ、すまない。私はこういうもので、実は、話をこの小麦色に聞いたんだけど」
 と、かわいい名刺見たいなものをシュラインに渡して、かわうそ?を猫づかみしている。
「ロックバンド“スティルインラヴ”のサックス兼ヴォーカルの八重吹マミさんですね……どこかで聞いたようで、無いような〜」
|Д゚) あうーまいなー
「確か今、人気急上昇ロックバンドだと聞いたことがあります」
 と、みなもがフォローを入れる。
「……仲間だけでは2人参加だけ……ど……」
 後ろに服装はロック系だが美人な女性が言う。彼女は同バンドのギター/ヴォーカルの宮本まさお。
「と、いうと……人数は……」
 草間は数を数え始めた。10人程度が去年参加者だったからその辺を考えると、また10人以上になるのだろう。いつの間にか猫が彼の頭に乗っている。

 けたたましい電話のベルが鳴ったのはその時だった。
「もしもし、草間興信所でございます」
「もしもし〜、あ〜零さんですかぁ?」
「その声は、千春さん!」
「わたしも〜いきます〜かわうそ?さんから聞きました〜」
 ……少し間が空く。
草間は、ナマモノを掴み、首を締め上げる。
「お〜ま〜え〜。盗み聞きして何処まで言いふらした〜」
|ДT)ノ 動物虐待はんた〜い
「別にいいじゃありませんか、草間さん、皆さんで楽しく出来れば♪」
 みなもがかわうそ?を助ける。
「う、そうだな……で、他にいるかな?」
 と、おもったら、またドアが開く音。
「火急の用事って何ですか? 亜真知サマ!」
 息を切らした和服美人の天薙撫子と
「あら、あらら元気のいいことで私も参加しますわ♪ エヴァが行きたいと言っていますもの」
 と、相変わらずな調子の隠岐智恵美であった。
「義明くんが来るのは本当ですか?」
「エヴァが誘うって言っていますから」
「……お弁当は腕によりをかけて作ります……」
 赤面しながら撫子は言う。
 撫子の弁当の味はかなりの代物なので皆楽しみにしている。まぁ一部分かっているのは義明なる人物の為120%だからだろう。

「んーと、16名か? 大所帯だな。電車ではキツいな。折角の旅行もトラブルが続いたらかなわん」
「どうしましょう」
「なんかこう、トラブルの種を持っているヤツが居るがむげにできん」
「誰だよ、そのトラブルの種って」
「龍、お前だ。此処まで出るときに喧嘩など遭ったらたまったもんじゃない」
「向こうが売ってくるだけだ……」
「……少しスケジュールを変更、ナマモノ、バスの手配頼む」
|Д゚)ノ ぉぅぃぇ〜
「ナマモノに頼むお前が一番危ないわ!」
 龍に思いっきり突っこまれる草間だった。
 ――いや|Д゚) だから深く考えない方が良いだろう(よくない)。


2−1準備と出発
 まず、各自が準備に取りかかる。ゆゆがどうするか分からないと言うから、シュラインとみなもが親切に説明する。つまり必要な宿泊道具を持ち、集合場所はこの興信所、行き先は“深淵”という草間が好んで行っていた海水浴場で民宿の人達とは知り合いだという。後は3日間終わるまで自由で、2日目には何か草間の思いつきで、参加者で楽しむことをするということだ。前回は空鯨の祠を利用しての肝試しだったが、色々都合があり今回はしないみたいだ。
「楽しそう♪」
 普通まとまりがないメンツで遊ぶには、自由行動がいいという草間なりの考えである。実のところ、龍と草間だけならまさしく女性ばっかりなので、ある意味海水浴場は女性を守るため草間は頑張らなきゃいけない。しかし、メンバーを見ていれば……
 
  1.巫女さんと神さま着物姉妹
  2.人魚さんだけど心の強い女の子
  3.幻影使いの鈴蘭の精
  4.自分より格段強い妹と真の支配者である女性事務員
  5.予知夢天然娘
  6.妹その2が呼んだ人は神と神になりかけ少年
  7.得体の知れないシスター(サバイバル能力は草間も凌ぐ)
  8.エヴァご執心なゴーレム
  9.喧嘩は強い14歳男

 ――現地についたらナマモノや、エヴァが呼んだ神様がいるからだいじょうぶだろう。
 そう結論が出たのだった。
 
 女性陣は買い物に出かける。ゆゆについては問題ないらしいジュースをかい出す程度らしい。隠岐に至っては、孤児院から役に立つものと自分用の支度をサクサク決めるそうである。
「これがスクール水着ですよ〜、エヴァさま。ほらエヴァ様に全然似合いません」
「見せないでください!」
 と、エヴァに教えるデルフェスだが、零に怒られる。
「あら、あらら」
 のんびりその光景を見ている智恵美さん。
「そうかなー。紺とか好きなんだけどな〜」
「だめですよ、エヴァさん、萌え者さんはいっぱい居ます」
「うーん」
「はいはい、皆さん、そう言うのを着ると海水浴場で萌え者がよってくるから着ない方が良いわよ」
 シュラインが4人を止めた、
「萌え者?」
「知らない方が良いかも……なんて説明すればいいのかなぁ……」
 苦笑する3人。
「だからエヴァ様には……」
「デルフェスさん、又鼻血が出てます」
「はう!」
 みなもにティッシュを渡され、急いで鼻血を止める妄想いっぱい状態で止められないデルフェスだった。

 一方、撫子組では、既に神社で忙しく動いている。
「えーっと。前に義明くんの好きなモノは聞いたから〜コレとあれと〜」
 と、献立など忙しい撫子さん。
「父様と一緒♪ でも、水着は何が良いかなぁ〜」
 ソワソワしている亜真知。何か企んでいるのか?
「あああ!」
 いきなり家に響き渡るほどの、撫子さんの声。
「どうされました! 姉様!」
「浴衣は新調しましたが、み、水着〜!」
 あたふたしている従姉。
「そうですねぇ、義明くんが参加決定ですから〜」
「ど、どうしましょう亜真知サマ」
「うーん。それは、まぁ義明くんが鼻血で倒れるような……」
 と、亜真知様がいうのだが、撫子に睨まれ……。
「いえ、姉様らしい良いモノを選んだ方が良いと思います。でも……零さんが言っている通りあれは駄目ですからね」
 冷や汗をかいて、何とかその場を凌ぐ亜真知サマ。流石に恋する乙女にかなわないようだ。
「分かっています!」
 と、動きやすい洋服に着替えて買いに出かけに行った。


 男性陣は、車の手配が済んだ後、前回使用した道具一式が仕えるかチェックして修理等をし、他の足りないモノを買いに行く。
「俺の具現化能力使えばいいのにさ」
 龍が言う。
「無駄に能力を使うわけにもいかんだろう」
 と、草間
「ふむ、さしあたっては、ゴミ袋などの消耗品だな。あと、同じ場所というなら感謝を込めてお土産を買うべきだろう」
 エルハンドは案を出す。
「その方はシュラインや皆もが気を利かすだろう」
「男性陣は荷物持ちか? 其れではつまらないではないか」
「あのさ、何で……こんなヤツが」
 龍はエルハンドを見て、すこし警戒している。異世界存在に対して生じる本能である。
「きにするな、時期になれる」
 と、草間は龍の頭をポンポン叩いた。
「ガキあつかいするんじゃねぇ!」
 龍は草間の手を払いのけた。


 集合の日。
 さて、皆さんの服装を見ましょう。大体の方々は夏に相応しい格好である。草間は相変わらずのアロハシャツに短パン、サンダルと焔が頭に乗っている間抜けスタイル。亜真知さまが珍しく白いワンピースという出で立ちで皆を驚かせた。着物姉妹がイメチェン? とかなんとか。
 かわうそ?から調達したマイクロバスに一行は乗り、一路“深淵”に向かった。コレといったトラブルもなく(途中、かわうそ?が飛んで言っている風景を見た気もするが気のせいだろう……)無事、穴場であった、海水浴場の民宿“深淵”に着いた。
「こんちわー」
「いらっしゃいませ、お久しぶりです」
「又お世話になります、夏美さん。あ、これはつまらないものですが」
 と、前回参加したシュラインとみなもが和気藹々として話をしている。
「さて、雪ちゃーん」
 と、元気な声で夏美という女性は妹・雪を呼んだ
「はい……、……お久しぶりです草間様」
 と、男女別れて部屋に案内してくれる。
「夕食には暫くかかりますので、ごゆっくりしてください」
 深々とお辞儀をして去っていく。
「やっぱり、去年と変わらないねぇ」
 シュラインが言うと亜真知、みなもも頷いた。
「凄い綺麗な景色―」
 ゆゆ、マミ、まさおやデルフェスも感動している。関東内でもなかなかお目にかかれない絶景なのだ。
「でも、妙な建物があるけどあれは一体なんでしょうか?」
 海水浴場の一カ所に櫓のようないや城塞のようなものが建っている。中央にはバリスタが設置されており不気味だ。
「確か村おこしで作られた“風雲萌え者城”だと思います。びっくりハウス兼、オモチャ箱みたいなものですよ。中に色々仕掛けてあって、ゴールにたどり着かなかったら、罰として、沖近くまでバリスタで飛ばされます」
 経験したみなもと零、亜真知が説明する。
 その時デルフェスは……心が凍り付いてしまった。
(行かない方が良いなぁ)
「楽しそうですねぇ〜」
 相変わらずの千春であった。
「さてさて、準備して行きましょう〜」
「おー!」




3.海です
 まず、一行は昼食を撫子さん特製弁当で舌鼓を打ち、少し休憩してから海に向かった。
 「きれい〜」
 と、女性陣は各々の水着に着替えて、夏用の上着をきて感動している。東京では見ることの出来ない青い海。カモメなど海鳥の鳴き声がしていた。
「準備運動してからね」
「はーい」
 と、一緒に準備運動する一方、男性陣がパラソルなど組み立てて特等席を陣取る。
 調べたところイベントの建物は出入り禁止になっているようだ、まだ使わないのだろう。
「さて、これからは自由時間だが……注意事項が……。って、聞いてからいけぇ!」
 草間は全員に注意事項を言うつもりが、もう海に入っていく妹たちであった。
|Д゚) いげんなっしんぐ
「うるさいナマモノ。ビール用意しとけ」
|Д゚) う゛ぁー


3E.パニック!(デルフェス、エヴァ、亜真知、智恵美、千春)
 さて、エヴァと遊ぶ為にあまり先に行かないデルフェスとエヴァ、亜真知、智恵美に千春。
 萌え者城は時期的に開催がまだだったようで、医務室などの設備になっている。しかしバリスタだけは起動するらしい。たまに、ジャンプ台の代わりに、飛んでいく客がいるからである。
 エヴァが着ているのは結局の所、普通の黄色地花柄ビキニであり、買い物の時デルフェスのハイレグは零によって止められたのであった、その時のデルフェスは膝をついてどんよりしていたのである。しかし、普通の者でも、問題なかったようだ。
 千春は、紫のビキニというある意味殺人的な格好であり、人の眼を奪う。其れでは健康上宜しくないため、途中であったかわうそ?がパーカーをわたすのであった。
 智恵美の姿は皆を驚かせた。46歳なのに肌が30。若返っている。パーカーで背中を隠しているが、それでもスタイルが良いのであった。
 ――密かに鍛えているからだろう。
 かわうそ?多忙で此処にはいないため、千春に泳ぎを教えるのは智恵美に亜真知、また砂浜にてビーチボールで遊んだり、砂の城やオブジェを作ったりと和やかな雰囲気で皆は楽しんでいた。
「あのぉ〜甲羅干ししたいのですけど〜」
「あたしもー」
 と、千春とエヴァが甲羅干しを提案。何の反対もなく
「すみませーん、義明さん、オイル塗ってくれませんかぁ」
 と、千春がよっしー誘惑する(本人その気全くなし)。
 当然、よっしーは遠くで×サインを送って断った。
 ――気を利かせなさいな、千春。
「もう千春さん、姉様がヤキモチ妬いちゃうじゃないですか」
「え? そうなんですかぁ?」
「そうなんです」
 亜真知サマご立腹。
「あら、あらら」
 と、のんびり甲羅干しして、1時間経過。

「あぁ困りました〜」
「困ったようには見えないけど」
 千春の声にエヴァが突っこむ。
「ビキニのブラが無くなったんです〜」
 と、困ってないように言う千春。
「……あ! 私のブラも!」
 今度はエヴァも困っていた
「其れは大変ですわ! 皆で探しましょう!」
 又鼻血を出しているデルフェスが言う。
 考えてみれば少し風が吹いていた気もしないわけでもない。其れに飛ばされたのだろう。
 紫と黄色だから結構目立つのかヒョッとしたら目立たないかのどちらかだ。
「あ、ありました!」
 亜真知が指さす方向は……萌え者城のバリスタ(カタパルト)
「一度上がらないと行けませんわね。待っていて下さい。エヴァ様」
 と、デルフェスが中に入っていく。
 事情を言って、特別に上がる。
「なかなか………怖いですわね……」
 バリスタとはいっても、カタパルトのようなものもある。簡単に沖までとばせる凄い凶悪な代物だ。良くコレで怪我人が出ないのか不思議である。発射台は潮の満ち引き関係なく常に水面が下にあるように設置されているのだ。
水着は其れの端にあるため、バランスを取りながらデルフェスが其れをとろうと頑張る。
「がんばってくださいー」
「デルフェス〜」
「もうひといきですよ〜」
 下で応援が。
 亜真知は何かおもしろおかしいことがありそうな気がしてワクワクしている。
 その予感か的中。
 風が又吹いた。それで、水着は宙を舞う。
「ああ!」
 追いかけようとするが、足が滑って、デルフェスは、海に落ちてしまった。大きな水柱と悲鳴。
「わ、わたくし……お……およげ……」
 と、過去の肉体の名残で、泳げないデルフェスだった。そのまま沈む。
「あら、あらら」
 智恵美さんは困った様子もなく、パーカーを脱いで、彼女を救った。
「溺死だけは……いやですわ」
「あら焔ちゃん。取ってくれたの?」
 と、2つのブラを持ってくる猫。其れに気付いた亜真知サマ
「よかったですぅ」
「一件落着ですね」
「死ぬかと思いましたわ……」
「デルフェスありがとう」
「エヴァ様〜」
 デルフェスは愛しい霊鬼兵に抱きついた。
「わーデルフェスあまり力入れないでー!」
「あら、あらら」
 事件は収まったので平和であった。


4.無事終了?
 色々トラブルがあったものの、夕食には誰一人怪我もなく集まった。
 何故か鞘子は此処でもバイトして(住み込み可能な宿が此処しか無かったようで)、一時まさおとかわうそ?の奪い合いがあったとかなかったとか(漁夫の利で千春がげっと)?
 
 そのあと、みなものが観光地価格で買った花火で涼みながら楽しんでいる。マミは危なっかしい遊びをするところをまさおに止められる事もあり……(人に花火を向けるなど)。
 
「あしたの事、何も考えていないな……」
 と、草間はぼやく。
「まぁ、いつものことでしょ? エヴァちゃんが何か思いつかも知れないじゃない」
「そうだな」
 煙草をふかしながら、暫くのんびりしようと思う草間だった。

|Д゚) マミ
「なに? ナマモノ?」
|Д゚) マミ、けっこう胸……ぎゅう
「巨乳って言うなぁ!」
 殴るマミ。自分のスタイルにコンプレックスを抱いています。
|ДT)ノ 龍が……龍が……いってた。
「なにー!」
 龍に問いつめるマミ。何か喧嘩をしているらしい。しかし直ぐに事は収まったようだ。

 そのあと、マミはまだハイテンションで、枕投げ大会などやってしまう。
 静かに夜を過ごしたい一部の人は、別の部屋を借りて避難した。

 と、賑やかな1日目となった。


2日目に続く。


■登場人物
【0086 シュライン・エマ 26 女 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【0170 大曽根・千春 17 女 メイドな高校生】
【0328 天薙・撫子 18 女 大学生】
【0428 鈴代・ゆゆ 10 女 鈴蘭の精】
【1252 海原・みなも 13 女 中学生】
【1535 黒澄・龍 14 男 中学生/シマのリーダー】
【1593 榊船・亜真知 999 女 超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
【2005 牧・鞘子 19 女 人形師見習い兼拝み屋】
【2181 鹿沼・デルフェス 463 女 アンティークショップの店員】
【2390 隠岐・智恵美 46 女 教会のシスター】
【2865 宮本・まさお 22 女 ロックバンド】
【2869 八重咲・マミ 22 女 ロックバンド】

■ライターの代わりにナマモノが伝言
|Д゚)ノ さんきゅー!
|Д゚) 2日目も楽しみに待ってくれべいべーw

※黒澄様、宮本様、八重吹様参加ありがとうございます