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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


鏡の雫

 芸能界スカウトで、アイドル修行中多忙の雫。
「もうへろへろだよう〜」
 と、パソコンの前でグッタリしている。
「あ、携帯が……」 
 彼女らしいのか、着メロはお化け屋敷のBGMだったりする。あの人魂が出そうなあの音。
「もしもし、あ、葛城さん!」
 そう葛城輝から電話があった。
 話としては、彼の恋人早乙女礼子が何か不思議体験の噂がある場所をゴーストネットOFF杯に書き込もうとしていたそうだ。
 しかし、丁度雫のデビューの糧になるかもしれないので実際体験してみては? と言う誘いである。
 同じ事務所でも、部署が違うのに良くしてくれる葛城の好意を無駄にするわけにはいかない雫。
 既に雫のマネージャーにも、連絡が入っているらしく、そっちに向かっているとのことだ。

「両立というか三足草鞋というか、いそがし〜」
 |Д゚)
「なによ、愚痴はあたしに似合わないって言うの? ナマモノ」
 |Д゚) ←そうらしい
「むー」
 などと、謎の生き物と会話して、その不思議体験ができるという「場所」まで誰かと行くことになった雫だった。

 と、忘れては行けない事は、その不思議体験とは……
 ――異なる自分と出会い殺されるか、過去にあった忌まわしい出来事の再体験出来る〈鏡面通り〉という。
 その原因は……謎である。


0.その前に。
「まてー!」
 と、豊満な女性がある青年を追いかけている風景を目にする、雫とかわうそ?
「あれは美紗さん?」
|Д゚) !
 流石に、相手の足が速いのか、美佐は息を切らしてその場に留まっている。
「ちくしょう〜私の素晴らしい胸をツルペタですってぇ!」
 様子からして、逃げていった青年が美佐を何か馬鹿にしたからと言うことは、傍観している雫からも見てとれた。
「平和だなぁ。でも、あの男、許せないよね」
|Д゚) うむ。
 美佐はぶつくさ言いながら、携帯を取り出し何か喋っている。
「わかる?」
|Д゚) 多分、凹るどころか、捕まえるとかなんとか。んー殺しかねないかも。
 流石ナマモノ、読唇術も上手いらしい。
「まぁ、あの青年がどうなろうと自業自得だよねぇ」
|Д゚) うむ。

 ――もっとも美佐はIO2の職員だし、彼女が追いかけていたのは超常現象指名手配犯殺人鬼の七瀬凛なのだが……そんなこと知る必要は雫にはない。雫は超常現象など詳しいとしても、至って普通の女の子なのだ。
|Д゚) ……
 しかし、ナマモノは……“謎”で知った。
|Д゚#) ……美人、侮辱する、だめっぷ。

 と、葛城の連絡が入る数週間前の出来事。


1.集合、準備。
 雫とデルフェスは共にアイドルの訓練を受けているために、大体一緒である。
「今回は護衛ですわ♪」
 なにかと、嬉しい顔をしているデルフェス。メインリポーターが雫と言うことなので護衛に回るということらしい。彼女はガーディアンとして作られたので本当の任務が出来る事は嬉しいのだ。
「鏡通りがどんなものか分かりませんから……私も付いていきます」
 と、宮小路皇騎も名乗り出ている。情報交換などはメールのやりとりで行っているので直ぐに駆けつけたのだ。
 葛城にとって、皇騎は恩人なので、さらに心強いだろう。

 まずは、事務所で3人と葛城輝、早乙女礼子との大体の打ち合わせをする中、皇騎は出来る限り、鏡通りの噂や情報をかき集める。こうした危険な仕事は前もって安全策をとる。霊能力者が居ることで鏡通りの謎を後々知ることが出来るのだ。表だって皇騎が悪霊を始末するシーンは撮さないことにして、あくまで鏡面通りの神秘性をレポする事になっている。
 
 そして何故か、七瀬凛はADとして潜り込んでいる。
「まさか、こんな所に潜り込んでいるなんてお釈迦様でも思うまい」
 と、心の中で威張っていたとしても、神様仏様よりご都合な謎生命体を知らない凛。
 |Д゚) ←これである
 ま、そんなことはどうでも良いのだが。所詮はナマモノだ。気にすることも無かろう。
 |Д゚) ! ←ショックらしい


「《鏡面通り》は、ショーウィンドウが多く立ち並ぶショッピング街、〜つい最近のモノでなく、昔からの〜にあるようですね。噂などを集めてみると、その《鏡面通り》と言われる所は一定時刻に霧が発生して鏡の世界に迷い込む。そして過去の出来事の再体験か自分に会ってしまうと言うことです。原因などを究明した人のサイトはないですね」
 皇騎が今までの情報をまとめて言う。所謂鏡の世界の入り口が昔からの商店街発展系通りの一部と繋がると推測した。
「確かに、あの通りは古い所ですね。どうしてでしょう?」
 早乙女礼子が首を傾げる。
 大きなショーウィンドウがミラーハウスになる為にあるのか、その通りの店に入り口を作る媒体があるのかの情報は全くない。大抵は再体験で逃げて帰ってきている者や、目の前で友人が友人に殺されたと言う報告しかないのだ。もちろん雫のサイト「ゴーストネットOFF」で調べても同じであった。
「やっぱり、何かに欠けるよ」
「ですわね……雫様」
「実際、本当に事が起こると厄介だし風評被害も防ぎたい。……雫さんの幅広い知識や勇気でオカルト関係のスペシャリストとして育成したいのですよ、事務所は。」
「頑張る!」
 葛城の言葉にガッツポーズをする雫だった。
「術師としては、密かに謎を暴いて無害なモノにしておくと言うところでしょうか?」
「はい。廃墟でない以上、人が住んでいる場所です。厄介なものは排除した方が良いでしょう」
 皇騎の言葉に礼子は答える。
 ――私も少しはサポート出来ます。
 ――分かりました。
 礼子は念話で皇騎にこっそり伝えた。
 礼子自身が葛城の命をつなぎ止めている。其れは関係者には知っている。しかし、葛城はその事を知らない。知ると術が解けるのだ。礼子の存在が葛城の生命を左右するのである(逆に礼子が術を行使している間は、葛城はほぼ不死にちかいのである)。
 
 そして、今回付いてくるカメラマン達との会議を滞り無くすませ、雫のレポート練習にはいった。
「さぁ、此処が噂の《鏡面通り》……。ミラーハウスより怖い体験ができるという噂でいっぱいなのです!」

「ノリノリでございますわ、雫様!」
「雫さんは、この手に関してとても熱心になれますからね」
 と、練習を見学しているデルフェスと皇騎が感想を漏らす。
 大体の所は全て台本があるのだが、彼女の度胸でトラブルなどをアドリブで出来るように、AD達は内緒でこの練習に対したことのないトラブルを発生させるのだ。しかしカメラ側として配属されているADの凛はその役は回ってこない。
「おい! 新入り! こっちにあれもってこい!」
「はい!」
「遅いよ! とろいぞ!」
「すみません!」
 つまり使いパシリなのだ。
 ここで異能力を使うと、たぶんあの人が殴り込んできそうなので、凛は我慢して通常より少し上で働いているのであった。
 |Д゚) ←これと全く出会ってない。
 まぁ、ナマモノだし。
 |ДT)

 2日間の練習とアドリブを終了し、いざ《鏡面通り》に向かう一行であった。


2.鏡面通り
「うわ、タイミング良すぎ」
 マイクロバスの窓から《鏡面通り》を見た雫の声。
「僅かに力を感じます」
 皇騎は窓から『和尚』『御隠居』を飛ばす。礼子やデルフェスには見えたが他には見えない。
 |Д゚) ←一応これもだが。
 既に、取材許可は下りているし、深夜と言うこともあるのであまり音を立てない方向である。
 ――人の心の深層心理を映し出す程度なら良いのですが……。
 皇騎はおもった。
 |Д゚) 多分……そうでありたい。
「いや……キミは関係ないですし、謎生物。それに勝手に人の心読まないで欲しいですね……」
 |Д゚) がーん!
「って、どうしてキミが!?」
「考えない方が良いと思いますわ……皇騎様」
 いつの間にか居るナマモノにビックリする皇騎にデルフェスが首を振って答える。
 |Д゚) なんかないがしろー(棒読み)

 準備万端の雫レポーター。今にも飛び出していきたい気持ち万全である。
「あ、ちょっとまって雫さん」
「なんでしょうか? 葛城さん」
「コレが名刺ね。芸名が書いているから」
「……SHIZUKU……はい! ありがとうございます!」
「これからは常にこの芸名を使うようにね」
「分かりました!」
 やる気が出てきた雫、いやSHIZUKU。
 母親のような目で見るデルフェスがいたりする。

 少し遠く離れたところに、謎の鉄塊が仁王立ちしていた。
「目標発見……見てなさいよぅ殺人鬼! いや女の敵!」
「本当にいたんだ……。確かに、指名手配だけど。普通ナマモノの言葉信じる?」
 14歳のNINJAが美佐に訊く。
「ナマモノでも果物でも! 重要な情報源よ! 乙女のプライドにかけてアレを仕留めるの! 良い? 萌ちゃん?」
「まぁ、 何か厄介な武装もしていると報告書にあるから……ってこの一角壊れちゃうじゃない今回の武装……。全部日本に持ち込む事ぎりぎりな代物じゃない……。相手が“絶対神秘防御”の武装と能力をしていると言っても……」
「其れを使わない為に、“ナマモノ”向こうに居るみたいだし、指名手配の前に女性の敵よ! デリートよ!」
 何かと燃えている美佐。
「どの神秘にも属さないし全く分からない“謎”に頼るなんて……日本に来てからコレばっかり」
 ため息吐く少女。
「さてさて、バレないように仕事、仕事」
 と、NINJA少女は霧の中に消えていった。


 霊的な感知を出来る一行は、別段危険性はないのだが。
 ADの数人が何かに怯えはじめた。
 其れで幻覚であると分かった皇騎。
「なる程……この霧の発生源を調べないと、皆幻覚で大変なことに」
 ADの一人を当て身し気絶させた皇騎が言った。
「流石にわたくしの能力でお守りできるのは肉体方面……術を使うには……」
 他人の幻覚は見えないのである。これほど厄介な者はない。
「一部の情報に嘘があったってことだね……」
 SHIZUKUが言う。
 「いや、そうでもないですわ。『目の前で友人が鏡の友人に殺されたと』言う報告でしょう? それが、報告者の過去の出来事としたら……実は元から過去の怪奇現象がそこで再現……」
 デルフェスはSHIZUKUと話をしているときにどんどん意識が遠くなっていく。
 ――し、しまった……。
 外側のデルフェスはへたりとその場で跪いて、そして悲鳴を上げた……。
「デルフェスさん! しっかり!」
 SHIZUKUは彼女の肩をもって前後に振る。
 デルフェスは、作り主の娘を護衛して、守りきれなかった過去を間近に見ているのだ。彼女は素体が“変更された”だけなので、精神までもそこまで発達していないのだ。
「彼女の魔法抵抗力が上がっている……精神にそのまま介入は……」
 皇騎は、周りに結界を張り、霧の遮断をする。
 とたんに、混乱していたデルフェスは気を失った。
「やはり霧が原因か……」
「みたいだね……」
「大丈夫なのですか? 雫さん」
「んー、多分。これが……」
 と、背中のバックにナマモノがいて呑気に眠っていた。
 というより泣いて気絶している。
「あたしの代わりに、酷い体験を体験してくれたみたい」
「あ、あはは……」
 乾いた笑いをする皇騎。
 数分後に気が付いたデルフェス。
「わたくしとしたことが……雫様をお守りすべき所!」
 意気消沈気味のデルフェスに雫がタックルをするように抱きつく。
「弱気なデルフェスさんは見たくない! ドンマイ! ドンマイ!」
「ありがとうございます」
 感動して泣くデルフェス。
 他のAD達は礼子と葛城の的確な指示で退避しているようだ。結界内のスタッフは無事であるが。
 ただ、一人だけ、皇騎の術の恩恵を受けていない者が居た。
 
 撮影スタッフに紛れ込んでいた七瀬凛である。
 彼は、絶対神秘防御物質を持っているため、神や魔の力を受け付けないのだ。見えないところに、其の防具IO2が作った絶対神魔力防御防具『神騎兵』を身につけている。しかし、魔術や魔法とはかけ離れた力“超能力・サイオニクス”には彼の持つ装備では無意味である。その神騎兵の装甲や剣の材料であったのは“超能力”からかけ離れていた存在なのだ。
 彼はIO2に能力の使い方を教わるために付いていった、しかしそこは虐殺や拷問以外何でもない地獄絵巻だった。IO2自体超常現象を隠蔽する事にある。極端に走りすぎた部署は能力者の完全虐殺を行うのである。組織の中に過激派と穏健派が出来るのは当たり前で、彼が捕まったのは過激派なのだ。そして、自分の元からある能力を使い、施設を破壊したのである。
 そこで彼は悲しみのあまり……涙していた。
「全ては終わったことだ」
 右手を天に掲げる……。
 その魔力たるや、尋常なものでなかった……。
 ――神話狩りと言われる異能力。

「あの男危ない! 霧を全て吸い込むつもりだ!」
 皇騎は、かなり魔力の強い結界を、術を吸い込みかねない名も知らないAD“凛”以外にかける。デルフェスも換石の術の連続起動で皆をこれから起こるであろう危機に備えた。
 そして、デルフェスは、いきなり
「目をさましなさああい! そこのAD!」
 と、《鏡面通り》の幻覚で伸びているナマモノを掴み全力投球。魔力が直接効かないと言うならば、魔法とか超能力とかそう言う属性に囚われない、謎物体で対抗するのみ。
「ごべしゃぁ!」
 神騎兵の防御対象になっていない顔面にクリーンヒット。そのまますっ飛ぶ凛。
 |Д゚) あ、変な音。首が折れたかもー
 目が覚めるナマモノ。即座に現状把握。
 そして、凛はと言うと、ネズミ花火みたいに“破壊の手”から魔力を噴出しどこかに行ってしまった。
 向かう先は……後ほど。
「まさか、能力者……霊感さえも感じさせない者がいたなんて」
 皇騎は驚いていた。
 |Д゚)ノ まぁ仕方なかろう。絶対神魔力防御の長所で欠点なり〜。あのADの暴走でこの霧の効果が分かっただけでも御の字〜。
「確かに、能力的に霊力や魔力を使う人じゃない場合がありますからね……ってナマモノに説明されてどうするんだ!」
「まぁまぁ……何とか一番危険なことはなかったのですから」
「え、そうですが……」
 皇騎がかわうそ?と言い合いをしていると、デルフェスが仲介に入っていた。
「それに、SHIZUKU様と他の皆さんが無事で何よりです」
「ですね……」
 雫はその間も、自分のカメラと直ぐに動けるスタッフと出来事についてアドリブも込めてレポをしていた。なかなか肝の据わった少女だ。

 収録後に、式神の大梟が、霧の原因を突き止めたのか戻ってきた。見窄らしいロケットを持ってきたのである。
「コレが……あ、これは中に沢山の精神作用系の超能力を引き出す宝石がありますね。霧の放出は霊力基板のようですが……」
 と、皇騎が直ぐに効果を見極める。
「昔聞いたことがありますわ。超能力者は一般の人からでも魔術師や錬金術師達に忌み嫌われている。自分より“優れた者”や“選ばれた者”を憎むからだそうです。人とは悲しいものですね。其れを身につけて自分を守る事もあるのでしょう。もしくはその忌み嫌われる人々に対抗する為に作り出されたとか……」
 それでも、其れは封印した方が良いでしょう。それが2人の思いだった。

 数日後、長時間の編集を終え、オカルト特集でSHIZUKUの名前がデビューとなった。
「やりましたよ、雫様!」
「やった!」
「ほう、頑張ったんだ。えらいな」
「ナマモノがさりげなく映っているね」
 と、第14音楽室でのんびりお茶をしてTVを見ている神聖都のいつものメンバーだった。

 皇騎は、式神が見つけたロケットを調査封印するために忙しいらしい。同じ物が出回っていると厄介極まりないからだ。


0−2.さて、異能力者の凛は?
 そのまま腕の魔力が尽きるまでゴロゴロ転がっていく七瀬凛。
 霧が晴れたが、実は首を痛めて(実は折れて危うい所)思うように動かない。
 何か鉄塊のようなモノに止められる。
「な、何が起こったんだろう?」
 首が痛いので動かせない。
「まさか、あう言う形で彼が役に立つなんて……。さすが〜だよね」
「感心している場合じゃないわよ」
 ――どこかで聞いた声……。
「えーっと、ヒョッとして? 美佐さん?」
「ええ、そうよ? 誓いを果たしに、き・た・わ・よ♪ 殺人鬼♪」
「その鉄巨人持って来て……なの?」
「そうみたいよ、普通は、持ってこないし私も来なかったわ。ディテクターか鬼鮫に組めば良かったのに。特に鬼鮫なら嬉々として……この人殺すけど」
 諦め口調で、NINJAの少女が彼に素顔を見せないように喋る。
「いえ、女の敵は女の手で殺すもの!」
 もう、トリップしています美佐嬢。
「あ、ボク終わり? ねぇ?」
「たぶん。あ、その前に呪物は返して貰うね。安心して処分するから」
 と、ささっと、リンが隠している武装(鎧は無理だったのでそのまま)を回収してから、ある範囲から離れていくNINJA。
「た、助けて〜」
「しらない〜。生きていたら立派に更生する事ねぇ〜運が良かったら記憶操作かしら〜」
 と、少女はそのまま去っていった。今回は本当に首を突っこみたくないようだ。
「ふふふふ……」
 今は鉄塊に乗っているキレた女性しかいない。
 鉄塊の特殊砲撃と悲鳴がどこからともなく聞こえているが、どこかのお節介が防音していたのであった。
 とりあえず、凛は……美佐嬢から逃げる事は出来なかった。
 神騎兵の装甲は純粋科学力……しかも城塞を一撃で破壊できる力に非常に弱い。ルシファーフォーク級は一機で、城塞を破壊できる様設計されている。特に主砲はそうである。本当は任務失敗時、もみ消しで使うのであるが。
 破壊されても暫くすると再生はするだろうが……。絶対神魔系魔法防御の最大の欠点である。
「主砲発射!」
 爆音。衝撃。熱風が渦巻いた。
 しかし、逃亡生活の経験により凛も負けていない。撃破される前に何とか逃げ出せたのだ。
「まだ、神騎兵装甲が保つまで! って、ぎゃぁ!」
 鉄塊の主砲をぎりぎり躱す。既に神騎兵完全装備の凛。
「まてぇ! 絶対ぼこるわよ! この女の敵!」
「ぼこるって! その武装はないだろう!」
「神騎兵装備しているなら、純粋科学力でチリにするまでよ、ほほほほっ!」
「これだから〜。其れにボクは殺人鬼じゃ……ぎゃぁああああ」
 主砲がもろに当たったようだ。首の骨がいかれているなら仕方ないことである。
 これからも、彼らの追いかけっこは続くかもしれない。

 |Д゚)ノ ま、仲良く喧嘩しな。
 

End


 遠くで、キレた美佐と馬鹿殺人鬼の追いかけっこを傍観するしかない(危険だから)ヴィルトカッツェがカメラ目線で読者に言いたいらしい。
「私が《鏡面通り》の幻影をみていたと美佐さんが分かったら直ぐに電気ショックしてくれて元に戻っていたの。念のために言っておくね」


■登場人物

【0461 宮小路・皇騎 20 男 大学生(財閥御曹司・陰陽師)】
【2181 鹿沼・デルフェス 463 女 アンティークショップの店員】
【3839 七瀬・凛 18 男 反IO2戦闘者】

■ライター通信
 滝照直樹です。
 『鏡の雫』に参加して下さりありがとうございます。



 では機会が有れば又お会いしましょう。

滝照直樹拝