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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


■草間武彦の童心■

 草間興信所、いつも通りの日常。
 その中でも特に平和な日のうち───の筈だった。その昔馴染みが来るまでは。
「お前が来るといつもロクなことないんだよな」
 夕方になって現れた昔馴染みに対し───今は山篭りをしている風変わりな薬剤師だったのだが───武彦は零の淹れてくれたお茶を飲みながら呟いた。
 薬剤師、生野・英治郎(しょうの・えいじろう)は山から降りてここに来るまでの間に銭湯に行って来たらしく、武彦と似たような凛々しさを感じさせた。にこやかに上品に、微笑んでみせる。
「失敬な。何を根拠にそんなことを」
「お前、昔からいつも新しい薬作ったつっちゃ、俺を実験台にしてたろ」
「イヤだなあ、実験台なんて。人聞きの悪い坊ちゃんですね」
 にこにこと言う英治郎の顔が、やけに高く見える。
「───? お前、まさかまた」
 ハッと気付く、武彦。
「零が淹れたお茶に今度は何の薬を入れやがった!」
 その言葉が、草間武彦の最後の言葉だった───「大人としての」。
「英治郎さん、今日は泊まっていかれるんですか? って……あれ、兄さん? あれれ……その子は……?」
 零が台所から顔を出し、戸惑う。
 兄の姿はなく、ソファには3歳ほどの男の子がひっくひっくと泣いている。
 英治郎は、にこやかに言った。
「ぼくの新しく作った薬の通りなら、武彦は今、3歳以上の記憶は無くなっている。あったとしても雀の涙ほどだろうね」
「そ、そんな……じゃ、どうやったら兄さんは元に戻るんですか?」
 英治郎のすることに慣れている零が聞きながら武彦を抱き上げる。
「元に戻る、というより。そこにいるのは武彦の『童心』、つまり子供心しか残っていない。人間皆遊び心がないなと思って子供心を出す薬を作ってみたら、姿も子供になっちゃったわけか。んー」
 英治郎は一頻り考えた後、
「うん。解毒剤は一応作ってみますけど、多分無理だろうね。元に戻すには、子供の武彦の『したいこと』をさせてやることだね。つまり、『子供心を満足させてやる』こと。じゃ、後はよろしく」
「えっあっ、まっ待ってください〜」
 逃げるようにそそくさとドアを閉めた英治郎に声をかけたが、遅かった。多分解毒剤は作ってくれるのは確かだろうが───それにしても。
「そういえば……兄さんの子供時代って、どんなんだったんだろう?」
 寧ろそっちのほうに興味が行き始めている、零だった。



■3歳の草間武彦■

 困った零と、聴き慣れない子供の泣き声に一番最初に気付いたのは、買い出しから帰ってきたシュライン・エマだった。
「あっ……しゅ、シュラインさん、この子は実は……」
 事情を手短に聴き、とにかく泣き止ませないと、と零から小さくなってしまった武彦を受け取り、優しく抱っこして、シュラインはソファに座った。零が、
「じゃ、わたしは今のうちにお茶淹れてきます」
 と言うのを聞きながら、泣いている武彦の頭や背中を撫でている。そのうち少しずつ泣き声がおさまってきた───と思ったら、いつの間に入ってきていたのか、羽角・悠宇(はすみ・ゆう)と初瀬・日和(はつせ・ひより)が立っていた。
「シュラインさん───いつの間に草間さんとの子供生んだんだ!?」
 思わず、武彦の背を撫でていたシュラインの手が硬直する。目を真ん丸くしている悠宇の隣で、日和が慌てて、
「悠宇っ! そんなはずないでしょっ!」
 と、小声で恥ずかしそうに窘めている。
「だってそっくりだぜ、草間さんに」
「それはそうだけど」
 零が慌ててお茶をシュラインの前に置き、手早く事情を説明する。
「こんにちはー! ここには前から、面白い人がたくさんいるってきいてたから、一度きてみてよかったです〜♪」
 一緒に聞いていたらしいキウィ・シラトが、悠宇の足の間からにょきっと顔を出す。
「よ、容疑は晴れたかしら」
 ふるふると震えるシュラインの手が、お茶に延びる。ふと、じーっと自分を見上げている武彦に気がつき、にっこり優しい微笑みを見せた。
「やっと泣き止んだのね。よしよし」
 そんなシュラインに、ぴしっと人差し指をつきつけ、武彦は言い放った。
「気に入った! お前おれのつまにする!」
 再び硬直する、シュライン。否、シュライン以外の面々もソファに座った途端にその台詞を聞き、固まっている。ただひとり、キウィだけが、
「くさまちゃん可愛い♪ いっしょにあそびます!」
 と、ぎゅーっと横から武彦をぬいぐるみにでもするように抱きしめたのだった。



「く、草間さんて三歳の頃マセてたんだな……」
「そ、そうみたいね……」
 悠宇と日和は動揺を隠せないままお茶を飲んでいたが、シュラインは一番早くに立ち直った。
「武彦さ……武彦くん、何かしたいこととか、ある? 今興味を持っていることとか」
 そう、それが重要なのである。
 シュラインに言われて零が出してきた冷蔵庫の中のお菓子を食べながら、武彦は考える。
 そして、今度は一転して子供らしいことを上げ連ねた。
「大好物のものもたべたいし、おもいっきりあそびたいし、遊園地にもいきたい」
「それくらいならなんとかなりそうだな」
 悠宇が言い、日和も頷く。キウィも遊び相手としては一番年が近いし、いいかもしれない。
「大好物のものってなあに?」
 シュラインが一応聴いてみる。大人になった時の味覚とはやはり違うだろう。思惑通り、
「お子様ランチ、ハンバーグ、ミートソーススパゲティ、チョコレートパフェ!」
 と返って来て、思わず笑いそうになるのを全員なんとか堪えた。
「できれば全部、元に戻るまでの草間さん、ビデオにとっときてぇ……」
 くっくっと肩で笑う悠宇に、「駄目よそんなことしちゃ」と、こちらは口元を歪ませるだけにとどめた日和である。
 シュラインは微笑ましげに自分の膝の上の武彦を見下ろして、うーんと考えた。
「さっき買出しに行って来た中だけじゃ足りないから、追加で買ってくるわ」
 立ち上がりかけたのを、武彦がむんずと掴む。
「おれ、かいものいきたい。まだ、一回もいったことない」
 そうだ、この武彦は3歳以上の記憶はほぼないのだ。
「頼んでもいいけど、武彦くんだけじゃ心配だから……キウィちゃん、ついていってあげてくれる?」
 しばらく考えた後シュラインが言い、キウィは喜んで、
「はい!」
 と頷いて大事な財布を受け取ったのだった。



■煙草は二十歳を過ぎてから■

 キウィと武彦が買い物に行っている間、作れるものだけでも作っておこうとシュラインは台所に向かう。日和と悠宇は、それぞれに思うところがあるらしく、一度出て行った。日和は、「戻ってきたらお料理お手伝いします」と言っていたが、その頃には買い物に行った子供達も戻ってきているだろう。
「えーっと、お子様ランチの材料はあるから……チョコパフェはさすがに専用の機械がないと本格的なのは作れないから、あとで皆で食べにいくとでもして……」
 よし、と早速台所で食材を手に腕を振るい始める。
(スパゲティは確か賞味期限がまだのが戸棚にあったし、卵も大丈夫だったし)
 なんとなく、いつもの料理作りより楽しい。
 知らず鼻歌を唄いながらの彼女は、予定より手早く作り終えてしまった。
「あとはハンバーグの挽肉とミートソースの材料だけね……」
 ん? とそこでシュラインは、こちらも早く帰ってきたらしい武彦を玄関に見つける。
「いいにおい! シュラインはりょうりじょうずなんだな!」
「え、ええ……ありがとう。ところで、その紙袋は……? それに、キウィちゃんは?」
 武彦はなにやら、本屋や玩具屋の紙袋を手にしている。
「うん。キウィと話して、きがあったから、いろんな漫画やキウィのえらんだオモチャ、かってきたんだ」
(ま、また興信所が赤字に……)
 いや、「初めてのお買い物」を頼んだ自分にも責任がある。シュラインは引きつりつつも、なんとか笑顔を作った。
「じゃ、手を洗ってきなさいね。それで、キウィちゃんは?」
「なんか、服とりにいくって、とちゅうでさよならしたぞ」
 言いつつ、早速玩具の箱を開け、電車を組み立てる武彦。その視線がふと、「それ」に注がれた。
(ふーん、服ねえ……確かに、元に戻るまで同じ服っていうのも可哀想な気が……)
 そこまで思ったシュラインは、武彦が手にしているものを見てギョッとした。
 大人の時のものが残っていたのだろう、煙草をいじっている。
「煙草なんて吸っちゃだめでしょう!」
 ものすごい剣幕で武彦から煙草を取り上げ、叱るシュライン。子供ながらに煙草に目をつけるとはさすがに武彦さん、とは思ったが、こういうことにはとことん厳しい。武彦は目を真ん丸くしていたが、やがて、わあんと盛大に泣き始めた。
「いい? この煙草っていうのはね、二十歳になるまで触るのは禁止よ! 子供の玩具じゃないの!」
「だって……たのしそうだったから……」
 泣き声が大きくなる。
 そこへ、キウィ、日和、悠宇とあわせて帰ってきた。
 武彦が一番最初に会った時よりも激しく泣いていることに驚き、「なんだなんだ」、「何があったの?」「くさまちゃん、どうしたの?」と、部屋に駆けつける。
 シュラインは困ったように武彦に両手を差し伸べた。
「もう触らないっていうのならもう怒らないから、いらっしゃい」
 優しく言ったにもかかわらず、武彦は立ち上がり、てててっと悠宇の陰に隠れてぐすぐすと泣く。その頭を、ぺんっと悠宇が軽く叩いた。
「男だろ、いつまでもメソメソしてんな。遊んでやっから」
「女の人の陰に隠れないのはさすが草間さんですね」
 と感心していた日和だが、シュラインの持っている煙草を見て事情を察し、分からないままのキウィに話してきかせた。
「くさまちゃん、きがえすれば気分もかわりますよ。おうちから持ってきたから、すきなのにきがえましょう!」
 と、びらっとキウィが出してみせたのは、確かに三歳児用の洋服だったが───。
「おっ」
 武彦は泣くのも忘れ、シュラインの膝に昇ってキウィより背を高くしようとしてから、言った。
「おれはじょそーのシュミはないっ!」
「でもくさまちゃん、可愛いからすっごくにあうと思うんです〜」
「にあってもイヤだっ!」
 悠宇が面白がり、「まあまあ、一度は経験してみるのもいいと思うぜ」とかなんとか言いながら武彦を抑えつけ、キウィが着せている間に、シュラインは日和と台所へ。
「ふう……子供って元気があるわね」
「ホントですね。悠宇もだけど。あ、これ……残りの料理の材料ですね。手伝います」
 日和が、武彦が持っていた紙袋の中から食材を見つけ、取り出す。
 そして小声で、
「止めなくていいんですか?」
 と聴くとシュラインは苦笑して、
「子供達にはかなわないわ」
 と尤もな意見を言ったのだった。



■元に戻るか?草間武彦■

 その後、日和やキウィやらが色々様々なことをしてから、皆で料理を食べてから遊園地に行くことになった。実はさっき二人で悠宇と武彦がどこかに行って来たらしいのだが、二人とも傷だらけで戻ってきた。だが武彦的には実に楽しかった模様で、しみる、と言いつつもお土産、と言ってシュラインやキウィに籠に入れたトンボを得意げに差し出したものだ。悠宇は悠宇で、日和に、もみじのまだ青いものや山の花を取って来ていたのだが、何故貝殻もあるのかと日和は不思議だった。海にも行って来たのだろうが、あの短時間でよく行けたものである。
「近くのテーマパーク、まだやっているわよね?」
 時計を見つつ、シュライン。
「ああやってる、ちゃんとポスター見てきたからな、さっき」
 悠宇が、ぬかりないといった感じで応える。
「じゃ、キウィちゃんも草間さんも、みんなでいきましょうか」
 日和がキウィの手をとって言うと、
「はい! みんなで遊園地、たのしそうです!」
 と、元気にキウィ。
 零は、英治郎が来るかもしれないからということで、留守番をするようだ。
 夕方を過ぎてから一番近くのテーマパークに行くと、平日だというのに混んでいた。
「そーいや夏休みまだ終わってなかったなー……」
 悠宇がだるそうに言うと、武彦の手をひきながら、シュラインが日和の分と共にチケットを渡してくる。
 これも興信所の経費で落とすのだろう。これは誰がどう考えても英治郎から「報酬」をふんだくらねばと、皆が考えているに違いなかった。
「ま、あんな散らかった如何にも不健康な場所よりかはマシだよな」
 悠宇は気を取り直したように言い、早速武彦にねだられて風船を買う。
 その間に日和はキウィと共にアイスを人数分買って来て、武彦と悠宇、そしてシュラインに渡そうとして、「あれ」と言った。視界の範囲に、シュラインがいない。
「こっちこっち。みんな、笑って」
 いつの間にか、人通りが少ない間に、と、シュラインのカメラを構えた姿があった。反射的にポーズを取ってしまうのは人としての性だろうか。パシャッと音がして、二枚ほど写真は撮られた。
「それじゃシュラインさんだけあまっちゃいます」
 キウィが言い、日和が武彦の零しそうなアイスをティッシュで拭きつつ、
「じゃ、タイマーにしてみんなでいろんなとこでうつしましょう」
 と提案すると、それはいい考えだとたくさんの賛同の声を得た。多分みんな考えていることは同じだろう。
 ジェットコースターは生憎年齢が達していなかったため駄目で武彦が駄々をこねる一場面もあったが、メリーゴーランド、ボーリング(これは武彦はボールがもてなかったため、見ているだけだったがそれだけでも楽しそうだった)、ミラーハウス、オバケ屋敷、ボート乗りと一通り遊ぶと、やがてパレードの時間になった。
 因みにボート乗りはシュラインにキウィと武彦、悠宇と日和という組み合わせで乗ったのだが、悠宇と日和は周囲から「可愛いカップルね」と微笑まれて赤くなり、シュラインとキウィは、何故かこちらも親子と思われ「美人のお母さんに可愛いお子さん達ね」と言われ、シュラインはもはや乾いた笑いを返すしかなかった───キウィは喜んでいたが。
「うわあ、ほしがいっぱいだ!」
 悠宇に肩車された武彦が、パレードを見て目を輝かせる。キウィも背が足りなくて背伸びしていたところを、シュラインが抱き上げた。悠宇は肩車しながらも、はぐれないよう日和の手を掴むのも忘れない。
「ほんと、星がいっぱいね、武彦くん」
 あの武彦から、こんなに可愛らしい台詞が出てくるとは。
 どこかこそばゆいような気持ちになりながら、シュライン。悠宇は自分も童心に戻ったようにこちらも目を輝かせて笑った。
「どの星が一番好きだ?」
「あのくちのながいあひる!」
 聴くと、そんな一生懸命な答えが返って来て、そうか武彦はドナルドが好きなのかと笑いを堪える一同へ、懸命に武彦がドナルドの口(声)真似をしたりしていて、更に笑い転げずにいられない一同だった。
 パレードが終わる頃には、悠宇から降ろされながら、武彦はうとうとしているようだった。
「童心といっても疲れるのね」
 シュラインが言い、抱き上げる。
「キウィもねむくなりました〜……」
 キウィのほうは、悠宇がひょいと抱き上げた。
 興信所に戻ると、日和と零とで布団を引っ張り出し、武彦を寝かせる。キウィもと思ったのだが、彼女は「ソファでいいです」と、こてんとソファで横になってしまった。
「そうそう、武彦さん、お風呂今のうちに入れちゃ駄目かしら」
 シュラインの意見も尤もである。遊びの勲章とばかりに幼い武彦の身体中、泥だらけと言ってもいい。だが、もうすやすやと寝息を立てていたので、起きてからでいいか、ということになり、ほかの皆は零の淹れたお茶を飲む。
「遊び疲れたってことなら……元に戻る可能性ありよね」
 シュラインの言葉に、悠宇はアイスティーをストローでかき混ぜる。
「あーでも、チョコパフェだけまだ喰わせてやってねえな」
「そういえば……」
 日和も思ったが、その心配はいらなかったらしい。
 玄関のチャイムが鳴る音と、幼い武彦が寝ていたはずの部屋から、聞き慣れた声がした。
「誰だ? こんな遅くに……」
 言葉と共にぼさぼさ頭で出てきた「大人」の武彦に(服も大人のものに戻っていた)、チャイムの音で起きたらしいキウィも加わった一同は感極まった声を上げる。
「マジで世の中、不思議で満ち満ちてるな……」
 悠宇の声に、うんうんと同意して頷く一同。
「ん? なんだ、皆して。何か依頼でも入ったのか?」
 尋ねる草間はそして、「ん」と何か気懸かりそうな声を出した。
「どうしたの? 武彦さん」
 微笑ましく尋ねるシュラインに、武彦は応える。
「いや───何故か無性にチョコレートパフェが食べたいんだ。何故だ?」
 全員が爆笑する。キウィがそれでも無邪気に、
「くさまちゃんは、ドナルドが好きなんですよね?」
 と聴くと、武彦はきょとんとする。
「何で知ってんだ? 誰にも言わなかったのに」
「それは、もう」
 日和がこみ上げて来る笑いに負けて続きを言えずにいると、悠宇がここぞとばかりに今まで撮り溜めていた写真とビデオを出してみせた。
「ビデオまで……」
 シュラインまでも珍しく笑っている。それが不思議らしく、インスタントで現像したその写真を何気なく見ていた武彦は、次第に赤くなっていく。
「だっ誰だこんなの撮ったヤツはっ! つか俺は少ししか思い出せんのに卑怯だぞお前らっ!」
「いやあ、童心の記憶は少ししか残らないのが難点ですか。薬に改善の余地あり、と」
 零に通されて玄関に佇みながら、微笑みつつメモする英治郎。
「解毒剤は作りましたけど、これはまた今度の時にとっておきましょうか」
「てめえ英治郎っ! 零っそんなヤツ二度と敷居をまたがせるなっ!」
「あれ、それじゃ報酬も払わないでいいのかな?」
 にこにこと笑う英治郎の襟を、シュラインがむんずと掴む。
「それはきっちり支払ってもらうわ」
「あ、ついでにビデオと写真代もね」
「オモチャとマンガのもです」
「駄目ですよ、お友達に悪い実験しちゃ」
 シュラインに続いて、悠宇にキウィ、日和。
 そして。
「英治郎〜、今日という今日は赦さん! 逃がすか!」
 草間のドスの聞いた声が続いたが、
「ボク、ドナルド。ドナルド」
 武彦のやったドナルドの声真似を更に真似た悠宇に、また爆笑せずにいられない一同だった。


 その後、数日間、笑いすぎで全員の腹筋が筋肉痛になったのは言うまでもない。
 ───ただ一人、草間武彦を除いて。




《完》



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/シュライン・エマ (しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
3801/キウィ・シラト (きうぃ・しらと)/女性/7歳/たくさん遊ぶこと☆
3525/羽角・悠宇 (はすみ・ゆう)/男性/16歳/高校生
3524/初瀬・日和 (はつせ・ひより)/女性/16歳/高校生
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■         ライター通信          ■
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こんにちは、東瑠真黒逢(とうりゅう まくあ)改め東圭真喜愛(とうこ まきと)です。
今回、ライターとしてこの物語を書かせていただきました。今まで約一年ほど、身体の不調や父の死去等で仕事を休ませて頂いていたのですが、これからは、身体と相談しながら、確実に、そしていいものを作っていくよう心がけていこうと思っています。覚えていて下さった方々からは、暖かいお迎えのお言葉、本当に嬉しく思いますv

さて今回ですが、「もしも草間武彦が子供に戻ったら」という単なるそれだけの思いつきで出来たものです。たまには、こんな何気ない日常もあってもいいかなと思いまして(笑)。なお、残ったビデオや写真は皆様のお好きなようにしてくださいませ☆ 今回は、少しばかり個別になっておりますので、是非お暇がありましたら、他の参加者様のも読んでみてください☆

■シュライン・エマ様:連続のご参加、有難うございますv 最初は「お約束」で始めさせて頂きました(笑)。写真、という一言で最後のシメともなったのですが、今回は如何でしたでしょうか。けれど、意外と(?)子供の扱いがお上手なのだな、と感じました。これで将来(?)も安泰でしょうか?
■キウィ・シラト様:初のご参加、有難うございますv 同じ子供同士、ということで個別の部分ではほのぼのが強くなった気がしますが、如何でしたでしょうか。口調などは可愛らしく敬語にしましたが、一緒にゲームしたりする部分があったりしたらもっと楽しかったかもと思う東圭です(笑)。
■羽角・悠宇様:連続のご参加、有難うございますv 山などの部分では、少し悠宇さんも童心に返しすぎたかな、それとももう少ししてもよかったのかなと思いましたが、如何でしたでしょうか。最後、ドナルドの真似をする幼い草間氏の更に真似をして頂きましたが、本当は悠宇さんはこんなにふざけない人かなとも思うのでドキドキです。
■初瀬・日和様:連続のご参加、有難うございますv 一緒におやつ作りというかその部分を見せる、というシチュエーションが中々うまく描写できなかった感じがありますが、お姉さん的存在とさせて頂きました。如何でしたでしょうか。お散歩の犬の名前を呼ばせませんでしたが、もっと詳しく調べれば犬の名前もあったのかもと思い、少しばかり心残りです;

「夢」と「命」、そして「愛情」はわたしの全ての作品のテーマと言っても過言ではありません。今回は主に「夢」というか、ひとときの「和み」を草間武彦氏にして頂きまして、皆様にも彼にもとても感謝しております(笑)。しかし、3歳児とはいえ、結構男っぽい草間氏でした。

なにはともあれ、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
これからも魂を込めて頑張って書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します<(_ _)>

それでは☆