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『子の無い母』
カーテンが締め切られた部屋。
その部屋を満たすのは線香の香り。
哀しい線香の香りを濃密に孕んだ空気を震わせる女性のすすり泣き。おそらくはずっと泣いているのだろう、その声は枯れていた。
喪服を着た女性は小さな骨壷を抱きしめながら、声にならない声で泣いていた。
彼女以外には誰もいない部屋。
だけどその部屋の空気が、ざわりと震えた。
骨壷を抱きしめながら泣いていた彼女の声が小さくなり…途切れる。
ぎしっと軋む床板。
感じた気配。
振り返る。
そこにいたのは………
＊＊＊＊＊＊
草間探偵事務所のドアをノックすると、草間零が出迎えてくれた。だが心無しかその赤い瞳が泣き出す寸前に見えるのは果たして気のせいだろうか？
大丈夫？ と訊くと、彼女は花束をくしゃくしゃに丸めたかのような表情を浮かべた。無理しているのがまるわかりだ。
事務所に入ると、ソファーに座るこの草間探偵事務所の所長である草間武彦が左手をあげた。彼の右腕は白い包帯で吊られていた。それだけでなく彼の額にも白い包帯が痛々しいぐらいに巻かれているし、左頬にも大きなばんそうこうが貼られていた。
その彼の姿に眉根を寄せると、彼は苦笑いを浮かべて、ソファーの前に置かれたテーブルの上のくしゃくしゃの煙草の箱に手を伸ばそうとする。
びくぅっと、背筋を悪寒が走ったのと、煙草に手を伸ばしていた草間が凍りついたのとが同時であった。
振り返ると、零が赤い眼を大きく瞠って草間を睨んでいる。滲み出した涙が頬を伝う。
「怪我、してる時に煙草はダメだよな」
彼はそう言うと、不恰好な笑みを浮かべながら手を引っ込めた。頷く零。
肩をすくめて、ソファーに座る。
で、何があったのか？ と、訊くと、
彼は説明を始めた。
昨日、彼の下に依頼が持ち込まれた。
依頼主は杜若ゆき。１０歳の女の子。そして幽霊。
彼女は四日前に交通事故で死に、
そして彼女の死を悲しむこの世でたった独りの母親杜若れいはその心の隙間につけこまれてしまった…悪魔に！
依頼とは母親をその悪魔から助け出す事。
草間はローマの教皇庁から派遣された悪魔払い専門の神父たちとその悪魔を倒さんと、杜若家に向かうが、しかし、悪魔に取り憑かれた母親の超能力によって神父たちは皆殺しにされ…
「そして俺もこうやって重症を負った。まさしくぎりぎりだったよ」
そう言う声はおどけているように聞こえたが、彼の瞳は真剣そのものだった。
無意識に体が緊張に硬くなる。
「それでな、今回、おまえに来てもらったのはその悪魔払いをおまえに引き継いでもらうためだ。どうだ、やってくれるか？ 見ての通りに危険な…命がけのミッションだが？」
――――――――――――――――――
【Begin Tale】
【T】
「なるほどね、それで僕に声がかかったんですか」
――――僕は納得すると、草間さんの隣の零さんを見た。彼女の赤い瞳はまだ涙に潤んでいて、やはり心配そうに彼を見ている。
僕は妹を思い出した。
そして苦笑しながら僕は彼に申し出るのだ。
「一先ず、草間さんの怪我を治しましょうか。零さんも心配してる事ですし」
僕は彼の体に手をかざし、イメージする。
退魔能力はあまりにも強大な力を使うと、それは反動となって僕に返ってくるが、それでも治癒能力はその危険性は少ないし、それに彼はこの僕が自主的にその能力を扱ってもいいと思える人物であった。
「はい、治りましたよ、草間さん」
「ああ、すまなかったな。助かったよ」
「ええ、でも煙草はしばらく控えてくださいね。怪我は治っても体力とかの面は落ちたままですから」
僕がウインクしながらそう言うと草間さんは苦笑し、零さんはにこりと笑った。
「さてと、それでですがその件、引き継ごうと想います。ですから、母親の詳しい状況や使っていた能力をなるべく詳しく教えてください。僕の退魔の能力は有効でしょうが、しかし使い道を誤れば母親の方にダメージが行ってしまいますし」
「そうだな。その能力だが強力なサイコキネシスだった。自分から悪魔が化けた娘を取り上げようとする者への敵意がそのまま牙となって襲ってきたよ」
「なるほど。それは一筋縄では行かなさそうだ」
「そうだな。ああ、それとおまえの助っ人もこちらで用意しておいた。間もなく来ると想うが？」
ちょうどその時にピンポーンとインターホンが鳴った。
零さんが立ち上がり玄関へと行って、そして会話をする声がし、そして二人分の気配がこちらへとやって来た。
「こんにちは」
そう言ったのは長い艶やかな黒髪が印象的な少女であった。
「綾瀬まあやです」
「綾和泉匡乃です。よろしく」
「よろしくお願いします」
そう言う綾瀬まあやは見た感じは本当に普通の少女であった。
草間探偵事務所に出入りしているのだからその彼女が普通の女子高生な訳はない。おそらくは何かしらの能力者なのだろう。しかしそうだとしても今回の依頼は………
「綾瀬まあやさん、あなたは何ができる？」
僕がそう言うと、彼女は切れ長な瞳を細めた。
その横で草間さんも苦笑を浮かべる。
「いやね、この依頼は仮にも悪魔と戦うのです。中途半端な能力者ではかえって邪魔となる。足手まといはいりません。僕もおそらくは自分の事で手一杯でしょうから」
「なるほど。だから能力を見せろ、と。でも、どうせ見せるのであれば綾和泉さんも実戦での能力を見た方が納得いきますでしょう。だったら外で見せます。ちょうど、外には良い感じのお人たちがいますので」
眉根を寄せた僕に彼女は不敵に微笑んで見せた。
＋
草間探偵事務所の前に８人の男達がいた。
そこにいたのは僧服に身を包んだ巡回神父と言われる神父たちだ。
「あなたたちは？」
「我らはローマから派遣された異端審問官だ」
「異端審問官？」
どこか異端審問という言葉に不吉な物を感じながら繰り返す僕に彼らは頷いた。
そこにいる８人の神父達は誰も精悍な顔つきをしていた。
何の汚れもない神の地上代行者たるローマ教皇に忠誠を誓う彼らは普段はその口で神の愛を人々に説いているのだろう。
しかし彼らが僕を前にして口にしたのは……
「我らはローマより悪魔に囚われた杜若礼を神の名の元に抹殺するためにやってきた」
「本気で言っているんですか？」
訊き返すまでも無いだろう事をそれでも敢えて僕は訊いた。
しかしその事に対して密かに願っていた僕の想いは無下に踏み躙られる。
「無論本気だ。我らは彼女を殺す。そしてここに来たのはあなたたちを止めるため。邪魔をされぬためにな」
「そう、宗教に無頓着でアバウトな日本人などには到底我らの想いはわかろうはずもないから」
確かに日本人は宗教に対しては無頓着でアバウトだ。結婚式はキリスト教で、葬式は仏教。その他にも神教なんかにも依存する行事があるし、とにかく日本人は宗教に対する崇高なる想いなどは無いだろう。
だがそれでも………
「確かに宗教に対する想いはあなた方神に仕える神父たちには劣るでしょうが、しかし人を想う心は負けておりませんし、また助けられる見込みのある人を見殺しにするような人でなしではないのでね」
僕は一歩前に出て、そして能力を発動させるべくイメージする。神父達を必要最小限の力で動けなくする程度の力を。
しかしその僕のイメージを掻き消す音色が隣で奏でられた。
「あたしは闇の調律師。音色によって世界の奏でる音楽を調律もすれば、人の心が奏でる音楽も調律して、そうしてその人を行動不能にもする事ができる」
綾瀬まあやは僕の前に一歩出ると、リュートを鳴らし始めた。
異端審問官たちの顔に衝撃が走り、そして懐から銃を取り出すが、しかしそれは遅かった。なんとその手から銃が落ち、そうして異端審問官たちはその場に頭を両手で抱え込んで崩れ込んだのだ。
一体彼らはその音色に何を見るのであろうか？
「さあ、これでご安心してもらえたかしら？」
「ああ」
僕は彼女ににこりと笑い、そして手を前に出して、彼女と握手した。
【U】
その家は瀟洒な今風の家であった。
しかしその家を取り囲むオーラはとても禍々しく、犬や猫、鳥といったモノ達は一行に近寄ろうとはしないし、それにその家の庭に植えられいる草木もそっと何かが通り過ぎるのを待っているかのように息を潜めていた。
カーテンが閉められている窓の向こうには人の気配はしない。
だが………
「これが悪魔の気配か？」
「そうですね。耳が痛くなるような禍々しい音色。だけど…」
「だけど？」
「その禍々しい音色の奥底にはとても悲しみに満ちた音色もある」
「そうだね。だからこそ、僕らは来た。彼女を助けるために」
「ええ、そうですね。でもどのように？」
「正気づかせて彼女に自分から悪魔を追い出す方向にもっていくのが一番だと想う」
「なるほど。ならばそれは綾和泉さんに任せます。あたしはあなたのサポートに回りますね。あなたが彼女を説得できるように。だけど…」
「だけど？」
「彼女がそれで説得できなかったらどうしますか？」
「その時は…」僕は真っ直ぐに僕を見る彼女に頷いた。「その時は無理やりといった形で彼女から悪魔を取り払う」
「なるほど」
「気を抜かずに行こう」
「ええ」
そして僕は玄関のドアノブに触れようとしたが、しかしそれはまさしくどこぞの三流ホラー映画のように獰猛な牙を剥いて噛み付いてくる口となって、襲ってきた。
「ちぃ」
間一髪僕は手を後ろに引いてそれをかわす。
そしてリュートを次元から取り出した彼女に手を上げてそれを制させた。
「今度は僕の番かな」
目を瞬かせる彼女に僕は不敵に微笑んで見せる。
そうして再び僕に噛みつかんとしてくる扉の前に立つと僕は拳を握り締め、その拳をオーラが包み込んでいるイメージをする。そしてその拳が扉をぶち破るイメージをしながらオーラを纏った拳を扉に叩き込むのだ。
「だぁー」
ぶち割った。
「お見事」
玄関の扉はただの扉となって、その破片は家の中へと散って、
そして俺と綾瀬まあやは杜若家に入った。
【V】
二階から聞こえてくるのは有名な童謡だった。
都立図書館の司書をしている妹が確かそう言えばその童謡が作られた経緯、本当の意味だとかそういうモノを書いた本を読んでいた。それによればこの童謡は死んでしまった子どもを想って作られた歌であったはずだ。
それがなんとも僕に切なさを感じさせた。
おそらくはそこに彼女は居るのだろう。
「綾和泉さん。さっそく好意的なお出迎えがしてもらえるようですよ」
階段から降りてくるのは小さなアンティークドールだった。
そしてそれは口を開く。
「いらっしゃい、お客様。今、誰も居ないの。だからあたしがお出迎えをするわ」
アンティークドールの黒い硝子の瞳が妖しく輝く。そしてそれはすぐさまそれに訂正を入れた。
「いいえ、あたしたちが、かしら？」
小首を傾げてそれが言った時、その玄関の周りに置かれた人形たちが動き出した。
僕の周りで綾瀬まあやが肩を竦める。
「あたしがここは請け負います。ですから綾和泉さんは上に。杜若礼を」
「だが…」
「大丈夫ですよ。それにこの家を取り囲んでいる新たな気配にも気付いています？」
「ああ。どうやら異端審問官の本隊も動き出したようだね」
「そういう事です。さっさとお人形さんたちを倒したら、今度はあたしがここに立つ壁となって彼らを足止めしますから、だから綾和泉さんは彼女を助けてあげて。彼女、いえ、ゆきちゃんのためにも」
「ああ。わかったよ」
そして僕は再び拳に溜めたオーラを、拳を突き出すと同時に前方に放ち、それが階段を満たしていた人形をぶち倒すと同時に僕はその階段を走り上った。
【W】
可愛らしいドアのプレートに書かれたゆき、という名前。
そのノブにはただいま使用中などというプレートがかけられている。そういえば幼い時の妹もよくこうやって自分の部屋のノブにプレートを付けたがっていた。部屋に入ろうものならよく怒られたものだ。
そして童謡を歌う声はその子ども部屋の扉の向こうから聞こえてきていた。
僕はドアノブに手をかける。
ドアノブは柔らかに回り、そしてドアを奥へと押すと、ドアは開いた。
「やあ、こんにちは、杜若礼さん」
僕がそう声をかけても彼女は反応せず、ただ腕の中にいる古めかしい人形に童謡を聞かせている。
そう、ただ彼女は童謡を歌っている。
だけどそれは………
「そう、そうやってまだ逃げ続けるのですか？ 杜若礼さん、あなたの本当の娘のゆきちゃんは泣いていますよ」
僕には見えていた。古めかしい人形を抱きながら童謡を歌う彼女にしがみついて泣くゆきちゃんの姿が。
そう、そうやって彼女はずっと母親を守っていたのだ。
「逃げちゃダメだ」
僕がそう言うと、母親は唇を動かした。
そして転瞬、部屋にある人形たちが僕に襲い掛かる。
しかし…
「こんなモノで」
僕はそれをオーラを溜めた拳ですべて打ち落とした。
力を使うたびにその反動として僕の手には擦過傷のようなモノができていく。だがそれが何だ。そんな物はゆきちゃんの、そして礼さんの痛みに比べれば…
「大した事は無い」
僕は残り最後の一体を倒した。
だが僕の拳によって腹が裂けたそのクマのぬいぐるみから溢れ出したのは綿ではなく、どろどろの黒く濁った腐敗した血であった。
しかもそれは止まる事無くどんどんと溢れていき、部屋を満たしていくのだ。足、膝、腰、胸、肩、首、もがこうとしても粘性を持つそれは体に絡み付いて、とてもではないが泳ぐ事も出来ず、僕はついにはその血溜まりの中に沈んでしまう。
息も出来ず、
しかもその血が体中の毛穴という毛穴すべてから体のうちへと染み込んで、
そうしてその黒く汚れた血に僕の体は内側から腐敗していくような感じがして、
それに僕は絶望して、
頭がどうにかなって、
頭の中身も狂って、
まともな判断なんて何一つ出来なくって、
もう本当に廃人になってしまうその一歩手前だった。
だけど………
――――――――――――――聞こえたんだ、その時に声が…。
負けないで。
負けないで。
どうか悪魔なんかに負けないで。
あなたが負けてしまったら、
そしたらママが！！！
だからどうかお願いします。
負けないで。
負けない、お兄ちゃん。
負けないで！！！
ああ、それは声にならない声で紡がれた悲しみの声。
願い。
ゆきの声。
だから僕の心は正気を取り戻した。
そう、聞いてしまったから、その杜若ゆきの声を。
ならばもう迷う必要はどこにも無い。
そう、躊躇う事は何も無いのだ。
たとえこの体が粉々に打ち砕かれようとも！！！
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
そして僕は一気に解放する。すべての能力を。
今までは拳だけがオーラに包まれているイメージをしていた。
だが今は体すべてがオーラに包み込まれているイメージをしている。
それは最大限フルパワーの能力解放だ。
それで引き起こされる反動は凄まじいものだろう。だがしかし、それでもそれをするための理由はあった。
「ゆきちゃん。今、君を笑わせてあげるよ」
そう、彼女はずっと泣いていた。
死んで泣いていた。
母が悪魔に魅入られたのが悲しいから、悲しみの涙を。
そしてそれは自分が死んだからだから、自分を責める涙を。
幼い女の子にそんな涙を流させていいはずがある訳がないではないか。
だから僕はああ、彼女を笑わせてあげたいな、と想い、だからそうするんだ。
部屋を満たしたのは血が蒸発して出来た赤い霧。そしてそれが薄れて消えると、そこには杜若礼がいた。まだ自分にすがりついて泣く娘にも気付かずに。
「いい加減にしなさい。気付かない訳が無いでしょう、あなたは母親なのだから。おそらくはあなたが悪魔に魅入られたその時からずっとそうやって泣いている本当のゆきちゃんに。ねえ、そしてこれにも気がついていますか？ あなたがそうやってゆきちゃんを無視すると言う事は、本当のゆきちゃんをまた殺す事だって」
僕がそう言った瞬間に、
杜若礼は大きく目を見開き、
「うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ」
そして泣き叫んだ。まるで悲鳴をあげるように。
その瞬間に彼女を魅入っていた悪魔の誘惑は弾け飛び、
そうして彼女がずっと抱いていた古めかしい人形が僕へと襲い掛かってくる。鋭い牙を剥いて。
だけど僕にはもう力は残っていない。
右腕はボロボロであげる事はできなかった。
それでも………
杜若礼のその唇の動きが僕のその右腕を動かしたんだ。
「ゆき、ごめんね」
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉりゃぁー」
残りわずかな力をすべて右手に集めるイメージ。
そうすれば僕の右手は熱く輝き、轟き叫ぶ。
哀れな母娘を助けろと。
だからこそ、僕はそれができたのだ。
光輝くその右手は、僕に襲い掛かって来たその人形を見事に打ち砕いた。
【ラスト】
「それで右手の調子はいかがですか？」
「ああ、おかげさまで順調だよ。あの時、ゆきちゃんが治してくれたおかげでね」
そう、あの時は人形を打ち砕いた事で悪魔も退治できた。
そして母親が救われた事を知った杜若ゆきは黄金色の光に包まれながら空へと昇っていった。
その時に、もはや力の使いすぎで、限界であった僕の体を温かな気が包み込み、体力をすべて回復させるところまでは行かなかったが、それでも傷は回復していた。
―――――それはせめてものゆきちゃんの恩返しであったのだろう。
「それで、杜若礼さんは？」
「ええ、元気よ。とてもね。何もかも忘れて、今はゆきちゃんのために強く生きている」
「そうか。本当によかった」
僕は脳裏に幸せそうに笑う礼さんの姿を浮かび上がらせ、微笑んだ。
その光景は容易に想像できた。なぜならゆきちゃんは礼さんにそっくりだったのだから。そう、だから何度も僕にお礼を言いながら幸せそうに微笑むゆきちゃんが成長した姿を想像すればそれは自然と礼さんが幸せそうに微笑む姿となる。
「さてと、それではあたしはそろそろと行くわね」
綾瀬まあやはにこりと笑って自分の分のお金を置くと席を立った。
「今回はありがとう、綾和泉さん。また、何かのご依頼でご一緒できるかしら？」
「ああ。僕の気が向いて、お会いした時は宜しく」
「ええ」
そして僕は席につきながら彼女が店から出て行くのを見送ると、紅茶を静かに啜った。
― ｆｉｎ ―
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
【 １５３７ ／ 綾和泉・匡乃 ／ 男性 ／ ２７歳 ／ 予備校講師 】
【 ＮＰＣ ／ 綾瀬・まあや 】
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■ ライター通信 ■
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こんにちは、綾和泉・匡乃さま。
はじめまして。
このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。
このたびはご依頼ありがとうございました。
色々と書きたい事はたくさんあるのですが、まずは何よりも綾和泉さんの設定を上手く描写できたかなー、と想う事です。
綾和泉さんの能力の条件設定はすごく魅力的で書いていて楽しかったです。
ちょっと熱い感じに書きすぎてしまったかな？ という感はあるのですが、そういう部分も喜んでもらえたらと想います。＾＾
あとはゆきとの触れあいのシーンも好きですね。
綾和泉さんの魅力は出せましたでしょうか？＾＾
今回の物語、お気に召していただけましたら作者冥利に尽きます。＾＾
それでは今回はこの辺で失礼しますね。
本当にありがとうございました。
失礼します。
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