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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


草間兄妹の海水浴 私を海に連れてって (最終日/3日目)

 前回のあらすじ
 零とエヴァの可愛い我が儘で又“深淵”に海水浴に向かった。
 現地に着いた草間ご一行様は各々バカンスを楽しんで2日を過ごした。
 今日が最終日である。

 朝日の光が草間を起こした。
「兄さん、あさだよ〜」
 起こしに来たのは零だった。カーテンを開けている。
「そうか」
「皆、下で待ってるわ、いそいでね」
「ああ、わかった」
 今回の海水浴は彼女にどういう風に見えたのだろうか。
「タケヒコー」
 と、エヴァが抱きついてくる。
「もう終わりなの? まだいようよ」
「だーめーだー!」
「ぶー」
「エヴァ、だめよ。帰った後は片づけなどで忙しくなるんだから」
「はぁい」

 零にはだいぶ素直になったエヴァである。

 さて、昼迄に珍騒動はあるのか? 平和に過ごすことが出来るのか? である。
 

1a.平和な朝日
 海原みなもは、日の出前に起きた。
 昨日は疲れていたのかというわけでなく、久々に見る海からの日の出を見たかったのだ。
「砂浜に行こう」
 と、軽やかに宿を出て砂浜を散歩する。
 途中紅い猫、焔もついてきていた。
 心地よい潮風に彼女の髪が揺れる。
 そして、見晴らしの良い砂浜に向かい、日の出をまつ。
 
 少し太陽が顔を出してきた
 幻想的で都会ではまず見ることは出来ない景色。
「綺麗」
「にゃぁ」
 皆が起きる時間までみなもはその朝日に魅入っていた。

 帰りには、打ち上げられた貝殻や砂を瓶に詰めて家族のお土産の一つとして持って帰るみなも。

 そのあと、彼女は朝ご飯の手伝いを申し出て、厨房に上がり手伝った。
 そのころ、上では色々悲鳴、叫び声が聞こえるのだが、
「なにか色々ありますね」
 昨日のことも考えて首を突っこむのはやめておいた。


2.朝ご飯で会話色々あります。
「何故かえるの〜」
「スケジュールだ。仕事も残っている」
「ブー! 納得いかない!」
 と、エヴァの我が儘を聞き流し、草間は朝食を食べている。
「名残惜しいのが良いのよ、エヴァ」
「そうなのかな?」
「そう言うものよ」
 シュラインさんはエヴァを宥める。
 

「帰りの軽食作ろうかしら」
 シュライン・エマがぽつりという。
「シュラインのご飯美味しいから楽しみ!」
 エヴァがニコリと笑う。
「エヴァ、どんな食べ物が好き?」
「んっと、ねぇ」
 箸を器用に持って、好物は何か悩んでいる。
 実際霊鬼兵は食事をとらなくて良い。趣向で食べることはできるのだ。味覚もしっかりある。
「ウィンナーとビール」
「野球観戦でもするの? えっと、ウィンナーね。」
 苦笑するシュラインさん。
 アーリア人素体だから、多少趣向が残っているのだろう。
「んーっと、あまり好き嫌いがないの。嫌いと言えば、納豆」
「確かに納豆は人を選ぶわね」
 と、仲が良い姉妹というか友達な感覚で会話が弾む。
「兄さん、兄さん」
「何だ?」
「エヴァに優しくできないんですか?」
「……」
 零の質問を無視し朝食に集中する草間。
「こら―! 武彦さん。ちゃんと質問には答えるのよ」
 シュラインさんが肘で彼を小突いた。
「……」
 それでも、頑固に食べているので、シュラインと零は溜息をつく。

「しかし、なんでこんなものおくるんやろう?」
 と、飯合さねとは携帯で食事を携帯で撮す。
 ――ナマモノ撮ってきてね。
 と、メンバーから頼まれてのことだ。
 しかし、誰も突っこまない。此処の思い出で撮っているのだろうと勘違いしている。内容を知っているのは同じメンバー松田真赤のみ。
 さねとが写真を撮っている時、真赤はかわうそ?をどう撮ろうか考えていた。
 某メイド魔神が母親の説教を見物している小麦色を一回撮ってみたら……。
 映ったのは、何故か自分の幼いときの写真だった。
 おそらく、アレの許可無く写真を撮ることは不可能だというのだろう。
「あとで、かわうそ?呼んでみよう」
 と、美味しいご飯を食べて、さねとのおかずも少々頂く。
「あー、うちのごはんがー」
 間抜けな声で、さねとが不平をこぼした。


3.さて最後のバカンス
 食事の後、シュラインさんは草間と零の荷物を先にまとめていたり、草間はその間に夕方には帰るから其れまでは自由時間と言うことを皆に告げていたり、撫子さんは、又今朝の出来事を不安がっており、義明にくっついている。厨房で下ごしらえの時も、まるで大切な人に首輪を付けているかのよう妖斬鋼糸がキラリと光っていた。
 当のメイドの悪魔は義明に近づきたいのだが、事が事なので、近づけない。
 メイド魔神の方はと言うと……まだ智恵美さんに説教されている。解放される時間はまだ先のようだ。

「焼けた肌がひりひりしていたいですぅ〜☆ ほら……こんなにも焼けちゃったんですよ」
 と、千春は恥ずかしさも見せずにビキニをはだけさせて見せようとするが、女性陣に止められ……。
「あれ〜」
 連行されました、まる
 黒澄龍は、(しっかり千春の背中とか見て)なにやら決意をもって先に海辺に向かって出て行った。おそらく……あの小麦色をぎゃふんと言わせるつもりなのだろう……。

3a.デルフェスさん暴走!?(デルフェス、亜真知、みなも、智恵美)
「エヴァ様――!今日という今日は、此のハイレグビキニを!」
 と、もう我慢の限界なのか、デルフェスはエヴァに詰め寄る。
 エヴァは何故か悪寒さえ感じ、
「うん着るけど、どうしたの? そんなに血眼になって……きゃぁ!」
 ああ、時既に遅し。

「エヴァ 海に行き……あああ!」
 エヴァはなんとデルフェスに石化させられて亜真知サマ硬直。
「デルフェスさん! お気を確かにっ!」
 |Д゚)ノ デルフェス御乱心♪
「ナマモノ! 呑気に言ってる場合じゃないでしょう!」
 デルフェスは石化した水着姿のエヴァを抱え、軽々と走って逃げたのだった。
 支度中のみなもさんは、ぽつり
「臨界点突破されたのですね……」
 と、昨日のことを思い出した。
「まぁ、亜真知さんここはデルフェスさんのストレスをとってあげないと行けませんね」
「ええ、今回尋常じゃないです。あそこまで暴走するデルフェスさんは初めてですし……行き先が……」
「萌え者城……」
 零が水着にパーカー姿でやってきて言った。
「エヴァさん救出作戦と言うことでぱぁっと遊びますか」
 |Д゚)ノ おういえ〜
「いや、君はいいから」
 (⊃Д`) あうー

 さて、今回最後まで出番がなかったと思われた風雲萌え者城。まさか最終日で使われるとは、著者自体思ってみなかった。デルフェスはコレを最も有効的に使い始めた。いつの間にか発射台は5機にも増えて、内部のトラップも、改造されている。一種の軍事要塞と思わせるものだ。
「コレがスイッチですわね」
 すでに頂上に登っているデルフェス。隣にはハイレグビキニを着ているエヴァの石像。
「魔王デルフェス、エヴァ姫を帰しなさい!」
 亜真知サマはビキニ鎧のようなコスプレで叫んでいる。 ノリノリだ。
「ほっーほっほっほっ! エヴァ様は私のものよ〜」
「そうはいきません! この海の平和のために!」
 みなもちゃんもノリノリ。魔法使い風にアレンジしているパーカーで中はスク水。
「あら、あらら。エヴァも人気ね」
 智恵美お母さん、モノキニ水着で背中が見えるので隠すためにパーカーですが、そのパーカーファンタジックな色合いになってます。
 因みにみなもが用意したわけではなく、メイド魔神のトランクの中から失敬しているので念のため。

 まず第1突貫。高度な網掛トラップ(制作者かわうそ?)により智恵美さんの奥の手が使えず、救出パーティ。萌え者城から沖まで飛ばされました。
「かわうそ?〜!!」
 |Д゚) ?
「味方なのかどっちかハッキリシナサイ!」
 |Д゚) 謎でOK?
「駄目!」
 亜真知サマ|Д゚) をけっ飛ばし星となりました。いや、直ぐに戻ってくるので良いのです。
 |Д゚) ……近頃、かわうそ?蔑ろ……。

 色々、難関を乗り越え、デルフェスの換石の術を使う間を与えずに、救出成功。
「きゃーいやー! 沈むからやめてー」
 バリスタに簀巻きにされている魔王デルフェス。
「魔王は、海に沈んで滅ぼされるというシナリオなのですよ」
 と、亜真知サマとみなもちゃん、ニコニコわらって楽しんでいます。
「もう、デルフェス強引すぎ! 嫌い!」
 エヴァのその一言で、デルフェスさん石化です。
「ああ、よっぽどショックなのですね」
 零が呟く。
 いや、お望みのエヴァのハイレグビキニ姿を拝めただけでも良かったではないかと、思えば……。
 そのまま沖まで飛ばされたゴーレムさんでした。
 石化したデルフェスさんをこの地の人魚さんが持ってきてくれたので、みなもは
「お姉様方ありがとう」
「本当はオブジェにしたかったけどね。こっちもギャラリーとして楽しかったわ♪」
 とかなんとなーく酷い会話をして一件落着。

 落着か? おい。
 |Д゚) しらんよ


4a.終わりに
 夕方近くになった。
 みなもはおみやげ屋で、深淵饅頭やら、父親用に根性と書かれたお土産セットを買い込んで、うきうきしていた。また、一寸したお菓子も調達して、帰りも皆で楽しむことにする。
「海産物は、此処のお姉様達が用意して下さったし♪」

「さて、皆帰り支度は済んだか?」
 車のチェックを終えた草間が、宿の前で叫んでいる。
「武彦さん、点呼はあたしがするわ。はい、コレあなたと零ちゃんの分」
「サンキュ」
 荷物と軽食を渡し、シュラインはまた宿の方に。
「今年もありがとうございました」
 と、シュラインとみなも、亜真知が深淵の兄妹に礼を言って、暫く談笑する。ま、急ぐわけでもない。草間は草間で半日は寝ていたのだ。長距離運転するためか、単に歳のせいであるか、両方だろう。

「あ! タケヒコ! デルフェス! 亜真知! あ、あれ!?」
 空に何かを見つけたエヴァが草間と
「お、空鯨か」
「アレが空鯨?」
「そうだ。見送ってくれるんだよ」
「へぇ」
 感動するエヴァ。
 世界には色々あるんだと、純真無垢な瞳が輝いている。
「ステキですわね」
「又来年ですね」
 初めて見た一行も去年も見た者も、空を泳ぐ鯨を眺めていた。

「ありがとうございました〜」
 宿では夏美が見送り、空では鯨が泳ぐ。
 不思議な何と落ち着く感覚。
 草間の車が動き出した。
 
 皆がシュラインの軽食やみなもの用意したお菓子で余韻を感じながら楽しんでいるなか、ゆゆは疲れですやすやと眠っている。流石に潮風に当たりすぎなのだろう。エルハンドが付き添っている。
「仲が良いですね。良い感じで。“きょうだい”というかステキな感じです師」
「そうか?」
 義明が師に言う。少し微笑んで返すエルハンド。
「今年は暫く波乱がありそうです」
 と、義明の隣で撫子がぼやく。
 別の意味で波乱なんだろうな、義明は苦笑した。

「今度はメンバー全員でいけたらいいなぁ」
 さねとが、遠くなる深淵をみて言った。
「そうだね。いっそ来年あそこでライブって言うのも良いかも」
「いいかもなぁ。でもライブだと忙しくなるで?」
 真赤の言葉に突っこんでみるさねとだった。
 
 色々あったが、夏の充電は終わり、又日常に戻るわけである。





END

■参加人物紹介
【0086 シュライン・エマ 26 女 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【0170 大曽根・千春 17 女 メイドな高校生】
【0328 天薙・撫子 18 女 大学生】
【0428 鈴代・ゆゆ 10 女 鈴蘭の精】
【1098 田中・裕介 18 男 孤児院手伝い/何でも屋+メイド魔神】
【1252 海原・みなも 13 女 中学生】
【1535 黒澄・龍 14 男 中学生/シマのリーダー】
【1593 榊船・亜真知 999 女 超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
【2181 鹿沼・デルフェス 463 女 アンティークショップの店員】
【2390 隠岐・智恵美 46 女 教会のシスター】
【2849 松田・真赤 22 女 ロックバンド】
【2867 飯合・さねと 22 女 ロックバンド】
【3670 内藤祐子 22 女 迷子の預言者+メイドの悪魔】


■ライター通信ならぬ、かわうそ?通信
|Д゚) 皆、おつかれまんもす
|Д゚) どきどきぱにっく
|Д゚) しかし、家つくまで旅行、みなも、いっている

|Д゚)ノ またどっかであえれば、かわうそ? うれしい♪