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試行遊戯(前編)
その日、興信所に訪れた男は知らない相手ではなかった。
西園寺という穏やかな雰囲気を漂わせたこの中年の男は、半値である住宅に奇妙な点はないか調べてほしいという調査依頼をはじめとして、興信所へ何度か依頼を持ちかけている。所長たる草間の人徳(?)のせいか、今までの実績のせいか、興信所へ持ちこまれる依頼は変わったものが多いので、依頼内容が微妙である点はまあ仕方がないとして、支払いに関しては問題がないから優良な顧客であるといえるだろう。……怪しげな現象はすぐに政府の陰謀だと断言してしまうのはどうかとは思うが。
「こんにちは、草間さん」
穏やかかつにこやかな表情で西園寺は言うのだが、迎える草間の表情は穏やかでもにこやかでもない。
「75%オフの別荘でも見つけたか?」
「ええ。いい物件がみつかりましたので、こちらで調査をお願いしたいと思いまして。日本家屋なのですが、前の主が一族郎党を刀で皆殺しにしたとか」
その言葉を聞き、草間は呆然とする。
冗談だったのに……!
とその顔は訴えているような気がした。次の動作はなんとなく予測がついたので、シュラインは灰皿を手に取るとさっと草間の前に突き出す。直後、草間はくわえていた煙草をぽろりと落とした。……ナイスキャッチ。
「冗談だろう……?」
「はい」
西園寺はにこやかに、だがはっきりと言い、頷いた。
「冗談……?」
「はい」
「……」
草間は深いため息をつくとくるりと背を向ける。そして、壁に手をつき、うなだれた。
「冷やかしに来たのかしら?」
やれやれ。シュラインはいつもの如くからかわれた草間を見やったあと、西園寺へと向き直る。
「良さそうな別荘をみつけた話は本当ですが、その調査依頼はまた後日にお願いしようと思っています。すぐに売れてしまいそうな物件ではなさそうなので。今日は別件です。こちらにこれを貼らせてはいただけないかと思いまして」
そう言って西園寺は一枚の紙を差し出した。シュラインはそれを受け取り、しげしげと眺める。そこには急募と書いてあった。その下には詳しい……というほど詳しくはないが、募集内容が記載されている。
仕事内容:ゲームのテストプレイ(綺麗なオフィスでのお仕事です)
募集人員:若干名(男女不問・未経験者歓迎)
契約期間:一日から(時間はわりと自由です)
報酬待遇:食事つき、日当一万円(場合により増減します)
特記事項:なんか怪奇現象(?)とか起こったりするみたいです
ひととおり記載内容に目を通したあと、シュラインは顔をあげた。
「求人広告のようだけれど……」
「ええ。こちらの掲示板……と、こちらでは冷蔵庫でしたっけ? そちらに少しの間、貼っておいていただけたらと思いまして」
「貼っておくのは構わないけれど、果たして効果があるかしらねぇ……。ところで、最後の一文が気になるんだけど?」
特記事項にある『なんか怪奇現象(?)とか起こったりするみたいです』という部分が気になるところだ。
「そこに目がいくとは、さすがですね……」
「……誰でも気にすると思うけど」
というか馬鹿にしてる? と訊ねたくなる。シュラインはやや眉間にしわを寄せながら難しい顔で西園寺を見つめた。
「では、順を追って説明しましょう。実は、先程こんなことがありまして……」
そう言って西園寺は話し始めた。
始まりは事務所にかかってきた一本の電話でした。
『イツミはいるか?』
うちの代表取締役、東海堂が名乗る前にそんな言葉が耳に届いたようです。
「……いないです」
がちゃん。東海堂は即座に受話器を置きました。しかし、すぐにまた電話は鳴り響きます。
「どうしたんですか……?」
私は即座に受話器を置き、そのまま動かない東海堂に声をかけました。このまま受話器を取らないつもりでしょうか。ならば、自分が取るかと手を伸ばした途端、東海堂は私を手で制し、受話器を手にしました。
「はい、東海堂人材派遣サービス……」
『イツミ、何故、切る?』
「相手があなただからです」
『ん? 何か言ったか?』
「うう〜、なんでもありませんっ。いったい何の御用ですか、先輩……」
がっくりと肩を落としながら東海堂は答えました。どこか観念したような表情に見えるのは何故なのか……私は黙って東海堂を見守り続けました。
『うむ。イツミはなかなか根性があるな。少し、見なおした』
「は? いきなりなんですか?」
『正直、これほど会社を持たせるとは思わなかった。大抵の場合、これだけ圧力をかければすぐに崩れるのだがな』
「え? 何か言いましたか?」
『いや、こちらの話だ。まあ、そういうわけで、意外と頑張りやさんなイツミに塩を送ってやろうか。涙して受け取るがいいぞ』
「え……遠慮しておきます……っていうか、塩を送るって……俺、先輩の敵ですか?」
『テストプレイヤーを数人派遣してほしい。詳細は添付ファイルを参照だ』
こんなやりとりのあと、一方的に相手からの電話は切れました。
「あ、ちょっとせんぱ……切れちゃったよ……」
東海堂ががっくりした表情で受話器を置くとほぼ同時に、パソコンにメールが届きました。
「メールが届きましたよ」
「早っ。それ、先輩からだと思う。仕事の依頼らしいんだけど……」
「あなたの先輩ですか。さぞかし素敵な方なのでしょうね。……本当に素敵な方のようですね。本当にあなたの先輩なのですか?」
メールを確認してみると、送り主は世界的に有名な企業に身を置いている方でした。正直、驚き、目を疑いました。
「うん。大学のとき、文化祭で知り合ったんだけど……知り合ったことを後悔してるよ、今は。とにかく、めちゃくちゃ強引な人でさ、しきりに会社に来い来い言うんだけど、先輩、オカルトというか、不思議大好きなんだよね……俺、オカルトは嫌いだしさ……」
東海堂はふぅと小さく息をつきました。
「あなたがオカルト嫌いというのは、それはそれでどうなのかと思いますが……それはともかくとして、電話のやりとりからすると強引な方であることは確かであるようですね。……どうやら、制作しているゲームをテストする人材を求めているようですが」
メールの内容はとあるゲームのテストプレイヤーを募集するというものでした。
「うん、テストプレイヤーだとか言ってた」
「エレメンタル・ブレスというファンタジー系ロールプレイングゲームだそうです。神に支配された世界を救うことが最終目的のようですね。各地に封印されている魔物や精霊と契約をかわし、力を身につけ、仲間を増やし、最終的に神を倒す、と。……社会の構造に不満を持つ人ですか?」
「ははは……。でも、先輩が普通の仕事をまわしてくるとは思えないんだよな……」
「では、少し調べてみましょうか」
とりあえず、私はネットを使って情報収集をしてみました。ネット上の情報は不確かなものではありますが、それなりの参考にはなりますので。
「テストプレイはそれなりな時給にも関わらず、長続きしていないようです。採用され、一日だけ出勤して辞めてしまったり、中盤まで進めておいて辞めてしまったり……とりあえず、終盤まで進めた人はいないようですよ」
「うわー、イジメとかあるのかな?」
「怪奇現象が多発しているようですよ。急に電気が消えた……誰もいないのにカチャカチャとキーボードを叩く音がした……廊下を歩く音を聞いた……笑い声を聞いた……背後に気配を感じた……ディスプレイに顔が映った……黒い影を目撃した……耳元で囁かれたとか……まあ、よくある怖い話のようなことを訴えるらしいですね」
「和哉くんが聞いたら喜びそうなのにね……入院してなきゃ、颯爽と出かけて行っただろうなぁ……」
和哉というのはうちのアルバイト事務員です。草間探偵と同じく怪奇現象やそういった類が好きなのですが、現在、入院中なのです。
「この程度の怪奇現象など、疲労が見せる幻ですよ」
そう、この程度、政府の陰謀と言うまでもありません。疲労による幻覚、幻聴です。
「うーん、募集していいのかなぁ……」
「とりあえず、募集にあたってそのあたりのことをきちんと書いておけばいいのではありませんか? ……疲労でしょうが」
「わかった。じゃあ、そうするよ」
「……というわけです」
西園寺が語り終えたところで、零はすっとお茶を差し出した。西園寺はそれを受け取り、一息、いれる。
「ちょっと待て」
「なんでしょうか、草間さん?」
「べつに俺は怪奇現象の類が好きなわけではなく……むしろ、怪奇現象の類は禁止!」
「それほど説得力のない言葉も珍しいですね」
にこやかに西園寺は言い、湯のみに口をつける。草間は小さくうめいたのち、黙った。
「なるほどね。曖昧な言い方なのはそういうことか……怪奇現象も聞いたところ直接危害はないみたいだし、やってみようかしら」
シュラインは少し考えたあと、にこりと笑みを浮かべてそう言った。
「本気か? こいつが持ってくる依頼だぞ?」
「失礼ですね。それはどういう意味ですか、草間さん……?」
しかし、機嫌を損ねた様子も見せず、西園寺は言う。
「言葉そのもの、そういう意味だよ」
そして、ふたりはにこやかな表情(草間はやや引きつり気味ではあるが)で睨みあう。シュラインはため息をつき、そんなふたりの間に割って入った。
「はいはい、そこまで。とりあえず、ゲームのテストプレイをするわけよね?」
「そうです。怪奇現象をなんとかしてくださいという依頼ではありませんよ」
うちに持ち込まれる依頼は草間さんとは違いますからと西園寺は続ける。草間はかちんときたようだが、何も言わなかった。シュラインも何も言わなかった。ここへこの依頼が持ちこまれていたとしたら、八割、いや九割九分九厘、怪奇現象をなんとかしてくださいというものであったに違いない……と思ったから。
「うちとしては、あくまでテストプレイヤーを派遣して欲しいとの要望に応えるだけのこと。ゲームのテストプレイをしていただければ問題はありません。そう、何が起ころうと」
西園寺はそう言い、小さく息をつく。少し間を置いたあと、とはいえ先方でどうにかしてほしいといわれる可能性は否定できませんけどねと微笑み、湯のみに口をつけた。
草間にはあいつはろくな依頼を持って来ない、悪いとことは言わないからやめとけと言われたが、そんな大げさな、これは単なるゲームのテストプレイ、確かに怪奇現象の噂は囁かれてはいるようだが、それも些細な現象で命に関わるようなものでもない、それにこれは『草間興信所』に持ちこまれた依頼ではない……ということで、テストプレイに参加することにした。応募者多数で抽選……ということもなく、あっさりと採用が決まり、派遣されることとなった。
しかし、派遣という特性上、実際にテストプレイを行うことになる今回の依頼を持ちかけてきた企業へと訪れ、面接、そこで問題があれば不採用となることもある。ゲームは初心者というわけではないが、久しぶりである自分は問題ないのかとシュラインが問うと、先方の事情からよほどのことがあっても不採用になることはないでしょうと西園寺はあっさりと言い放った。しかし、それはそれで問題があるような気がする。
「ゲームのテストプレイというからどんな人が集まるのかと思ったけれど……」
集合場所である某派遣会社へ訪れてみるとその顔ぶれに少しばかり驚いた。派遣されるのは自分を含めて、四名。よく見知った顔もある。
海原みなも、13歳。ゲームはあまりやらなさそう。
マリオン=バーカンディ、18歳(外見年齢)。これまたゲームはあまりやらなさそう。
シオン=レ=ハイ、42歳。やっぱりゲームはあまりやらなさそう。
顔ぶれを見やると、自分も含め、普段はあまりゲームの類はやらなさそうに思える。こういうものはゲーム好きが集まるものかしらと思ったが、そういうわけでもなさそうだ。まあ、好きなことは仕事にしない方がいいという言葉もあるし……と思いかけたところで、実は見た目に反して彼らがゲーマーであるという可能性もなきにしもあらずと思いなおす。
「最もこういったゲームを楽しみそうな十代後半から二十代の方はいないようですね」
そう言ったのはマリオンだったが、マリオン自身がそれに当てはまる外見をしている。
「そうですね。意外な気がしましたけど……でも、ちょっと安心しました。ゲーマーさんばかりかなと思っていましたから」
自分はゲーマーではないので少し不安に思っていたとみなもは小さく息をつき、安堵の表情で微笑んだ。
「そうですか。安心してください。私などゲーム初心者ですから。ロールプレイングゲームは、やったことがありません」
シオンはにこりと笑うが、みなもの微笑みは少しだけ引きつった。が、その気持ちはよくわかる。安心させようとして言ったのだろうが、どうにも言葉が微妙だ。
「問題ないですよ。ロールプレイングというものは、基本的に特別な技術を必要としませんからね。操作も楽だし。必要なのは多少の戦略と根気……それと時間くらいかな、と」
そう言ったあと、マリオンは背後を振り返る。声がしたからだ。
「ちょっと待ってくださいよ! 行ってくれるって言っていたじゃないですか!」
東海堂だった。その言葉は正面に立っている西園寺に向けられているらしい。
「そうなのですが、少々状況が変わりました」
先ほど新たな依頼がありましたと東海堂のネクタイを直しながら西園寺は答える。
「そんな……それなら俺が対応するから、」
「駄目です。あなたには荷が重すぎます。……それに、あなたの先輩は大手企業の重要なポストにいます。しかも、何故かあなたを気に入っているというのですから、それを利用しない手立てはありません。今後もご贔屓にしていただくべく上手く立ちまわってくるのですよ」
「ご贔屓になんかされたくないよ……」
「これも仕事。子供のようなことを言わないでください。ほら、皆さんが見ていますよ。あなたがしっかりしないと皆さんが不安になってしまいます。……これでいいでしょう。はい、いってらっしゃい」
ネクタイを直し終えた西園寺は東海堂の胸を軽く叩き、送り出す。
「……はい、いってきます……」
しかし、どうにもその言葉には覇気がない。そういえば、東海堂は今回の仕事を持ちかけてきた先輩のことが苦手であるような話を聞いたような気がする。聞けば草間興信所よろしく経営状態があまりよろしくはないというのに、この態度。先輩とはどういう相手なのかと疑問に思う。
「どうにも会いたくないという雰囲気だけど、その先輩とやらはどういう人なの?」
べつに触れてはいけない部分でもないだろう。シュラインは素直に疑問を口にしてみた。
「悪く言えば自己中心的、良く言えば革新的、平たく言えば変わり者」
「自己中心的かつ革新的で周囲には変わり者という評価と受ける人物なのね」
「それで間違いないかと。最近は顔を合わせていないけど、おそらくそう変わってはいないんじゃないかなぁ……今回の件も一方的だったし」
東海堂はがっくりと首を折り、深いため息をつく。それから、顔をあげ、にこりと笑った。
「でも、本当に皆さんのおかげで助かりました。引き受けてくれる人がいないんじゃないかなと不安だったんですよ。怪奇現象の話もあったし」
「そんなの。よくあることですよ」
マリオンはさらりと答え、穏やかに微笑む。
「モノには造り手の思いが宿るものだと思います。だからこそ、それを見た人が何かしらの感銘なり感動なりを受けるのだと。ゲームというモノにも造り手の様々な思いが宿るのではないでしょうか。制作に携わる人数が多いだけに、それは複雑で……制作現場でしばしば怪奇な現象が起こったとしても、なんだか納得できます」
そう言って、マリオンは言葉を切った。それから、一息を入れたあと、人懐っこい笑みを浮かべる。
「でも、テストプレイの最中にそういう現象が起こったら、何かと煩わしいですよね。気になっちゃいそう。何も起こらないといいですね」
「本当に何も起こらないといいですよね」
みなもが頷き、シオンが頷くそばから東海堂は言った。
「でも、起こるんだろうなぁ。……あ、ごめん……」
面接のために訪れた場所は、都心に近い場所にあるとある高層ビルだった。
「高いですねー。ここが仕事場となるところですか?」
シオンは眩しそうにビルを見あげる。
「そうですね。えーと、資料によると64階だそうです。最上階はレストランになっているみたいですね。派遣社員も利用可。他には……社員用の福利厚生施設も利用できるみたいですよ。ジムやプールがあるそうです。仮眠室は各部屋バストイレ完備とあります」
東海堂はカバンから書類を取り出し、眺めながら言った。
「なんだか、ホテルみたいですね」
みなもの言うことは尤もだった。建物自体がそう見えなくもないし、施設の内容もそれらしい。宴会を行える多目的ホールなどもありそうな雰囲気だ。
「地下に駐車場があるので、車による通勤も可とあります」
「職場の環境は良さそうなんだけど……」
それでも人が辞めてしまうというのは、人間関係が複雑なのか、噂の怪奇現象のせいなのか……労働が過酷ということも考えられる。
「何か問題があったり、嫌がらせを受けたりした場合は、遠慮せず報告してくださいね。即刻、対応しますから。では、行きましょう」
ビルのなかへと入り、受付へと向かう。面接までの流れは東海堂の仕事なので、何をするわけでもそのあとについて行く。受付嬢と言葉を交わすその背を見つめたあと、なんとなく周囲を見まわす。整然とした広いホールの一角はラウンジになっていて、観葉植物や前衛芸術的なオブジェが飾られている。
「30階だそうです」
ホールから少し歩き、エレベータが並ぶ広い通路へと向かう。30階まで直通のものを選び、それに乗りこむ。身体に僅かな負荷を感じながら、なんとなく階層表示パネルを見つめ、30階へと到着。大人が四人ほど横に並んで歩いてもまだまだ余裕がある通路を歩き、とある扉の前までやって来た。
「この扉の向こうです。緊張せず、リラックスしていきましょう」
そう言っている東海堂が最も緊張しているように見える。いや、東海堂だけが緊張しているように見える。心なしか顔色もよろしくないような……。
「あの……顔色があまり良くないようなんですけど、大丈夫ですか……?」
みなもは心配そうに東海堂の顔を覗きこむ。
「エレベータで酔いましたか? ああ、普段よりも高い位置にいるからかも?」
マリオンの言葉に東海堂は苦笑いを浮かべながら頷いた。
「そうかもしれない。普段はマンションの三階にある事務所にいることが多いし、気圧が違うのかな……?」
「山じゃないんだから……とにかく、覚悟を決めて扉を叩いたら? 取って食われるわけじゃないんだし……」
シュラインに促され、東海堂は大きく息をつくと扉をコンコンと叩いた。そのあとで失礼しますと声をかけ、扉を開ける。
「こんにちは。東海堂人材派遣サービスの」
「私とおまえの仲ではないか。カタイ挨拶などまったくもって不要! 友の友は友、よって、部下の部下も部下……と、いうわけでよろしくな。うむ、おまえの部下は美人揃いで羨ましいな」
「誰が部下ですか! 人の話、聞いているんですかっ?!」
「聞いてないみたいですね」
こっそりにっこりとマリオンが囁くと東海堂はがっくりと首を折った。
「能力があれば良いが、ないというのであれば、せめて目の保養程度の役に立ってもらわなければな。……何か言ったか?」
「ええ、言いましたよ……誰が、誰の部下ですか! 俺は、あなたの部下になった覚えはありません、ええ、一秒たりとも! この人たちはあなたの無茶な要求に応えてくれようという心の広い方たちですっ。それを部下扱いして……失礼千万、迷惑至極、市中引き回しの上、はりつけ獄門の刑です!」
力いっぱいそう言いきった東海堂の背中をシュラインはちょんちょんとつつく。
「……あなた、自分で何を言っているのか、わかってる?」
「……最後の方は自分でもちょっとわかりませんでした。とにかく、いきなり失礼なことを言い出さないでください。先輩のルールは先輩のみ有効であって、俺やその他の人々には有効ではありません。……では、改めまして、東海堂人材派遣サービスの東海堂いつみです」
東海堂は名刺を取り出し、両手で差し出す。それを片手でひょいと受け取り、軽く眺めたあとに胸のポケットへと放り入れる。
「そういうところは本当に変わっていないな。……COL社ゲーム開発部門を統括している黒野ありすだ」
やんわりとした笑みを浮かべ、黒野は言った。
「まずはこちらの要請を受けてくれたことに礼を言っておこうか」
ソファに面接を受けるべき四人が並び、その正面に黒野が座る。東海堂は黒野の右手側、言うなればお誕生日席にあたるそこに腰をおろしている。
「開発は順調に進み、完成間近ではあるのだが、デバッグが……ああ、動作確認作業がどうにも遅れている。辞めていくテストプレイヤーたちは体調不良を理由にしているようだが、本当のところは周囲で起こる怪奇な現象に耐えきれなくなったせいだろう」
黒野はそう言って憂鬱な吐息をついた。黒野は二十代後半といった外見で背は高く、さらりとした長い金髪を後頭部で結った目鼻だちの整った青年で、スーツの上に白衣を羽織り、閉じられた状態の扇子を手にしている。それはともかくとして、やたらと広い部屋の壁にえらく達筆な文字で『天下泰平』と書かれた額縁があったり、日本刀があったり、招き猫があったり、番傘があったりするのがよくわからない。妙に和風テイストであることが部屋の落ちつきをなくし、違和感を与えていることだけは確かだ。
「とりあえず、お願いしたいことは無事にテストプレイを終えることだ。通常は仕様に従って動作の確認をしてもらうところなのだが、まずは普通にゲームを楽しんでいただくことにしようか。感想を聞いてみたいしな。……なかなかの自信作だ」
最後の言葉だけは何故か東海堂へと向けられたものであるらしく、黒野は東海堂を見つめる。見つめられた東海堂はよくわからないといった顔で小首を傾げた。
「はぁ? 何か勘違いされていませんか? 俺はテストプレイはしませんよ?」
「なにっ? おまえは参加しないのか……精霊との契約シーンは是非見て欲しかったのだがな……まあ、いい。実際にテストプレイを行う場所は29階だ。詳しいことは現場の人間に訊ねてくれ。何か質問は?」
黒野は残念そうに呟いたあと、シュラインたちの方へと向き直る。
「あの……いいですか?」
みなもは遠慮気味に手をあげた。黒野はみなもに視線を向ける。
「怪奇現象が起こるということでしたが、黒野さんは何かそういった現象を体験されたんですか?」
「いや、私自身はこれといった体験はしていない。強いて言うならば……そうだな、企画を通してから、マシンが壊れた。やけに忙しくなった。おかげでまだ完成間近のゲームをプレイしていない」
黒野はちらりと机の上にあるパソコンに視線をやった。だが、それらは怪奇現象ではないような気がする。
「そうですか……ありがとうございます。あたしからはそれだけです」
「他には?」
「はい」
シオンが小さく手をあげた。黒野はシオンに視線を向ける。
「この内装はあなたの趣味ですか?」
黒野と別れ、実際の仕事場である29階へと向かう。
「どうも、はじめまして。新しいテストプレイヤーさんたちでしょう? 今回、皆さんの上司というか、責任者にあたる藤巻といいます。どうぞ、よろしく」
藤巻と名乗った男は愛想良くそう言ったあと、軽く会釈をする。年齢は二十代半ばといったところだろうか。
「今回はお世話になります」
「いえいえ、こちらこそお世話になります。では、行きましょうか。今回は個室で仕事をしていただくことになります。そのうち、ひとつの部屋で……ということになるのでしょうが、今は部屋が余っているような状態ですからね」
藤巻は廊下を歩きながらそんなことを言う。
「部屋が余っているんですか。それなら、ひと部屋わけてくださいよ」
シオンは神妙な顔でそう言った。本人としては本気かもしれないが、藤巻は当たり前のように冗談と受け取る。
「ははは、今ならひと部屋といわず、フロアすべてを貸しきれますよ」
「フロアすべてということは、例えば、この階層、29階すべてという意味ですか?」
みなもが訊ねると、藤巻はそうですよと頷いた。
「このビルは64階まであるのですが、実質稼動しているのは29階、30階、31階と出入り口である1階、駐車場の地下1階、レストランがある64階くらいですよ。できたばかりなので、すかすかの状態です。今後は向こうからいろいろな部署が入って来るのでしょうが」
「そういえば、COL社は外資系でしたね。最近、こちらへ進出してきたとか……」
ふと思い出したという顔でマリオンは言った。それを聞いた藤巻はにこりと笑う。
「よくご存知ですね。そういうわけで、他のフロアには人がいませんから、驚かないでくださいね。エレベータも30階直通と64階直通しか運転していない状態で、29階へは一度、30階へ行ってからおりてくるというかたちとなります。もちろん、階段を使って1階からのぼってきていただいても結構ですけどね」
「それだけで疲れてしまいそうね」
話を聞いただけでうんざりとしてしまいそう……シュラインは小さく吐息をついた。
「フロアの話が出たついでに言っておきます。64階の展望レストランは一般開放されています。ここだけは一般の方が出入りしていますので開発関係の話をなさるときは注意してください。所謂、社内食堂でもあるので、皆さんがこちらでお仕事をしているうちは無料でご利用いただけます。特に回数制限ということもないので、お腹が空いたと思ったら、足を運んでみてください。それと、テストプレイですが、あまり仕事だと気負らずに無理せず進めてください。疲れたと思ったら適度に休憩を取ってくださいね」
話を聞いていると、やはり雇用側が低姿勢のように思える。企業方針ということも考えられなくはないが、怪奇現象の話を聞いているだけに、なんともいえない気分になる。
「それと……こちらでの噂話はすでにご存知だとは思うのですが……」
藤巻は足を止め、振り返る。
「怪奇現象……ですか?」
東海堂は遠慮気味にその言葉を口にした。藤巻は神妙な表情でゆっくりと深く頷いた。
「現象は様々なのですが、ほとほと困り果てています。どうにかできるものなら、どうにかしてほしいのですが……と、テストプレイヤーさんにお願いすることではありませんよね、すみません」
藤巻の言葉にシュラインたちはお互いに顔をみあわせた。確かに、テストプレイヤーに望むものではないが……しかし、藤巻のその表情を見ていると事態は結構、深刻に思えてくる。どうにかできるならば、どうにかしてあげたいところではあるが……ともかくはテストプレイヤーとしての仕事を果たすことが先決かもしれない。つまりは、ゲームを終わらせるということだが。
「テストプレイはこちらの各個室で行っていただきます。何かわからないことがあったときは、奥の部屋にいますので遠慮なくどうぞ。休憩は各自でお願いします。そこに休憩室がありますし、勿論、部屋で休んでくださっても結構です。気分が悪くなったときはすぐにゲームをやめて、私を呼んでくださいね。いいですか、無理だけはしないでくださいね」
無理をしないことを強調し、ゲーム機の操作の説明をしたあと、藤巻は奥の扉へと去った。それを見送り、東海堂はシュラインたちへと向き直る。
「俺の仕事はここまでだから……皆さんの健闘を祈っています……と、先輩?」
「話は終わったようだな。イツミ、もう少し時間はあるだろう?」
積もる話があるのだと言いながらやって来るのは黒野だった。
「あ……う……」
「あなたの健闘も祈っているわ。頑張ってね、社長さん」
シュラインはひきつった笑みを浮かべる東海堂の背をぽんと押し、送り出した。
そこそこの広さの個室には、当たり前のことだがテストプレイを行うための環境が整っている。ただ、あまり企業であるとは感じさせなかった。ゆったりとしたソファにローテーブル、テレビにゲーム機。応接室という雰囲気で、接待されているような気分に陥りそうになる。
「さて、と……とりあえず、やってみますか……」
まずは普通にゲームを終えてみてくれ、話はそれからだ……と言われているので、とりあえずゲームを起動させてみる。ゲームの背景を語るデモ画面を眺めながら、ローテーブルの上に置いてある仕様書を手に取り、読むではなくぱらぱらとめくる。それによると、主人公は冒険者。各地で様々な事件が起こり、それを追うとなしに追っていくうちに、それぞれの事件の関連性や裏で糸を引く存在に気づき、最終的に巨大な陰謀に立ち向かうことになる……というありがちといえば、ありがち、王道といえば王道というようなストーリーであるらしい。
デモが終わったところで、ゲームをスタートさせてみる。キャラクター作成画面となり、名前を入力することとなった。少し考え、『シュライン』と入力する。名前が決まったあとは、能力値にボーナスを振り分けるらしく、数値が表示されている。どうやら、ランダムであるらしい。平均値がいかほどのものかはわからないが、なんとなく数値は低いより高い方がいい。何度か頑張って、納得のいく数値が出てからそれを振り分けることにした。
「ううーん……」
能力値は全部で七つ。筋力、器用、敏捷、知力、生命力、精神力、運。これは職業によって振り分けた方がよさそうだと仕様書の職業欄を眺める。すると、職業は冒険者とあって、それ以外のことは書かれていない。関連性のありそうな事柄を探してみると、主人公は冒険者であり、技能を取得することによって魔法系にも戦士系にもなれるとあった。技能は戦士、盗賊、神官、魔道士、学者の五つがあるらしい。戦うばかりではつまらないからと学者技能を高めに設定しておくことにした。それに伴い、知識に関連しそうな能力値を中心にボーナスを振り分ける。
最も高い技能が職業とみなされるらしく、完成したキャラクターのステータス画面の職業欄には『冒険者(学者)』とあった。
キャラクターが完成したところで、早速、冒険を開始。基本的には町にある冒険者の酒場に舞いこむ依頼を冒険者が引き受け、依頼を解決、報酬と経験値を手に入れるという流れらしい。
ひとりで依頼を引き受け、解決することも可能ではあるらしいものの、仲間がいた方が楽であることも事実。酒場に同じような冒険者がたむろしているのでそのなかから自分にあった仲間を選ぶこともできるし、自分で仲間キャラクターを作成することもできる。どうせなら草間興信所でかためてみるかと『タケヒコ』と名前をつけ戦士系の技能を高くしたキャラクターを登録、さらに『レイ』と名前をつけ魔道士と神官系の技能を高くしたキャラクターを登録した。
最初の依頼は下級妖魔退治で、平和な農村に突如として現れた下級妖魔を倒すというものだった。最初の依頼であるからそう変に凝った難しいものではなく、簡単に下級妖魔がねぐらとする洞窟に辿り着き、問題なく倒すことができた。そして、以前は平和で下級妖魔が襲ってくることなどなかったのですが……という話を聞いたところで、ひとやすみ。
コントローラを置く。
長時間というほど長時間ではないが、それなりにゲームを続けてみた。しかし、怪奇現象の類は起こっていない。休憩がてら、少し話を聞いてみようかと個室をあとにし、藤巻のところへ行ってみた。
「失礼します」
扉を叩き、声をかけたあとに開く。そこは個室とは比べ物にならないかなり広い部屋で衝立によって、区切られている。数人がそれぞれになんらかの作業を行っているが、何をしているのかはよくわからない。
「何か問題がありましたか?」
入口のそばにいた藤巻が声をかけてくる。
「いえ、そういうわけではなく……とりあえず、今のところ問題はないけれど、ちょっと怪奇現象のことが気になって」
「ああ……その様子だとまだ起こっていないようですね」
「ええ……それって、誰の身にも確実に起こることなのかしら?」
「テストプレイヤーの皆さんは間違いなく、妙なことが起こると訴えかけてきましたよ。そして、体調不良でやめてしまう……無理をさせているつもりはないのですが」
藤巻はそう言って深いため息をつく。
「このゲームの企画で原作、原案となった話というのはあるのかしら? それと、制作開始前後に会社を辞めた方や事故に遭った方……テストプレイに参加する予定であったのに、なんらかの事情で参加できなくなった方の話とかはないかしらね?」
シュラインは思うところを訊ねてみた。このゲームに対し、何らかの思うを抱いているものの仕業ということも考えられる。それこそ、画面に顔が映ったり、声を聞くというのであれば個人を特定できるのではないかと思う。
「この企画は黒野さんがたてたものです。原作になるものがあったのかどうかは黒野さんに聞いてみた方が早いですね。制作開始前後に辞めたり事故に遭ったという話は聞いていませんね。テストプレイを開始するまでは、概ね順調でした。ネットや社内のバイトさんの間ではそれとなく開発中に事故死した人が出るという噂が囁かれていますが、実際にそういう人はいませんから」
私は人事担当ですから間違いはありませんよと藤巻は笑みを浮かべながら言う。それからふと思い出したという顔でこめかみに手をやった。
「ああ、でも。そういえばグラフィックを担当していたバイトさんが辞めていたかな……ちょっと待ってくださいね。……ああ、ひとり辞めています。理由は一身上の都合ということになっていますね」
「その方が辞める前に何か言っていたということは……」
「それは……どうでしょうか。……大崎くん、ちょっと」
藤巻は少し離れたブースにいた男に声をかける。声をかけられた男は振り向いた。
「なんすか?」
「あなたの担当でひとり辞めていた人がいましたよね。何か変わったことは言っていませんでしたか?」
「ああ……あいつか。何か変わったこと、変わったことねぇ……そういや、この図形は何かヤバくありませんかとしきりに訊ねてきたっけ。べつになんでもない図形なんだけどな」
男はなんでもなさそうな口調でそんなことを言った。
「どんな図形なの?」
「ゲームで使用される魔法陣だよ。精霊や魔物と契約するときに画面に映るんだ。あんたはまだそこまでやってないみたいだね。ゲームを進めればそのうちそういう画面が出てくるよ」
なるほど、ゲームを進めればイヤでも目にすることということか。シュラインは頷きながらさらに訊ねた。
「魔法陣……か。その人と話をすることは可能かしら?」
「連絡先は知ってるけど、辞めちまったし、勝手に教えるのもちょっとなぁ……」
確かにそれはそうか。男の言うことも尤もかとシュラインはため息をつく。すると、藤巻は言った。
「書類関係で近く、ここへ訪れるはずですから、そのときに話をしてみてはいかがですか?」
辞めたグラフィック担当のバイトが訪れたときは連絡をもらうことにして、今回の本業たるゲームを進める。
ゲームを終わらせるためにはすべてのイベントや依頼を受ける必要などなく、主要なものを終わらせていけば自然とストーリーは進んでいくのだが、依頼は片っ端から受け、小さなネタももらさずに進めているため、展開は遅い。なかなか魔法陣を見るところまでは進まない。同時期にゲームを始めた他の三人はどうだろうと訊ねてみると、どうやら彼らも割合と慎重派で十分にレベルをあげてから行動するタイプらしく、進行は同程度で魔法陣はまだ拝んでいないらしい。怪奇現象の方もまだ未体験ということだった。
結局、一日目は何事も起こらずに平和に終わり、そして、二日、三日と過ぎてるうちに魔法陣の場面へと進んだ。封印されている精霊と契約を結ぶという場面で、精霊を解放し、その力を得るためには代償として能力値を差し出さなければならないらしい。
「うーん……」
画面にある魔法陣はよくある(?)ものだ。魔法陣に詳しいわけではないから、それがどういったものかということはわからないが、ありがちなデザインだと思う。
「どうしようかしら……」
精霊との契約は強制的なイベントであるため、却下することはできない。能力値を減らすという行為はなんとなく好まないが、仕方がない。筋力を減らすことにして精霊との契約を結ぶことにした。キャラクターの筋力が1ポイント減り、新たな精霊力を手に入れたと表示された途端、何故か急に疲労感を感じた。身体の力が抜けるような奇妙な感覚に、持っていたコントローラを落としてしまう。
「な、なに……今の……?」
思わず、周囲を見まわすが個室には自分ひとりだけ。何も変わった様子はない。だが、確かに疲労している自分がいる。
ゲームを長くやりすぎたから?
それにしては疲労感がいきなりすぎるような気がしなくもない。
「……」
シュラインは画面を見やる。ゲームのせい? まさかそんなことは……と思いつつも辞めたというグラフィック担当のバイトがしきりにこの図形はヤバくないですかと言っていたらしいことが引っかかる。それとも、それを気にしているから疲労感を異常に感じてしまうのだろうか。ただ、蓄積されていたものが不意にあらわれただけのことかもしれないのに。
ともかく、少し休もう。
シュラインは落としたコントローラを拾おうと手を伸ばす。そのとき、どこからか低い笑い声が聞こえたような気がした。
「?」
画面から? だが、笑い声が聞こえるような場面ではない。それでは、今のが噂の怪奇現象……?
シュラインはコントローラを拾い、ローテーブルの上に置いた。そして、画面を見つめる。
このゲーム……。
終わらせた方がいいのか、それともこのままやめた方がいいのか……。
−完−
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0086/シュライン・エマ(しゅらいん・えま)/女/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【4164/マリオン・バーカンディ(まりおん・ばーかんでぃ)/男/275歳/元キュレーター・研究者・研究所所長】
【1252/海原・みなも(うなばら・みなも)/女/13歳/中学生】
【3356/シオン・レ・ハイ(しおん・れ・はい)/男/42歳/びんぼーにん(食住) +α】
(以上、受注順)
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■ ライター通信 ■
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依頼を受けてくださってありがとうございます。
納品が大幅に遅れてしまい、申し訳ありません。
三ヶ月のうちにマシンが二台壊れました……遅れた原因です。
相関図、プレイング内容、キャラクターデータに沿うように、皆様のイメージを壊さないよう気をつけたつもりですが、どうなのか……曲解していたら、すみません。口調ちがうよ、こういうとき、こう行動するよ等がありましたら、遠慮なく仰ってください。次回、努力いたします。楽しんでいただけたら……是幸いです。苦情は真摯に、感想は喜んで受け止めますので、よろしくお願いします。
こんにちは、エマさま。
ゲームの場面ともう少し聞きこみの場面があったのですが、あまりに長いので……というか本当に今回は長すぎですみません。次回はもっとコンパクトにまとめられるようにしたいと思います。
後編は今週中、遅くとも来週には受注開始したいと思っています。プレイングが書きにくい状態かもしれませんが、できましたら後編もご参加くださいませ。
願わくば、この事件が思い出の1ページとなりますように。
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