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うさぎのきもち。
■うさぎのきもち。
「はー、やっと捕獲成功」
行儀悪く足でリビングのドアを開きながら、天城・鉄太はよっこらしょと両腕で宙ぶらりんに抱きかかえていた一人の少女を床の上に下ろす。
「……随分時間がかかったのね?」
「んな非難がましい目で見るなよな。そもそもこの家の広さを考えてみろってんだ。この嬢ちゃんだって予想以上にすばしっこいし」
とんっと軽い音をたてて爪先から降り立った純白の少女は、自分をここまで運んできた鉄太と、その会話の相手――天城・緑子を交互に眺めて、くすんと鼻を鳴らした。
「あの……ですね、あの…なんですけれど。『夜』がいなくなってしまったみたい……なんです。だから、ですね。わたし、探さないといけないと思うんです」
紡がれる言葉は微妙に不器用な響きを帯びている。
それもそのはず。銀というより白に近いふわふわの髪の少女――アッシュは外見こそ14歳程度ではあるものの、つい先ごろ自我に目覚めたばかりなのだ。
「あのウサギったら、また逃げ出したのね――仕方ないわね」
『夜』とはアッシュが常に傍に置いている白ウサギのことである。しかもこの世に二羽といないような、特徴的な外見を持った。
「なぁ……『夜』ってたくさんいたりはしなかったよな?」
怯えるウサギのようにフルフルと体を震わすアッシュの髪を、緑子がそっと撫でる姿を見ていた鉄太が不意に硬直する。
「鉄太、当たり前のこと聞かないでちょうだい」
「……んじゃ、アレは何だ?」
ゆっくりと持ち上げられた手が指し示すのは、ガラス張りのドアの向こうで跳ねる二羽のウサギの姿――しかも、両方とも立派なふわふわもこもこアフロヘアー。
「夜!」
「こら、ちょっと待ちなさい」
すかさず走り出そうとしたアッシュの腕を緑子が捕らえる。当然、大切な友人を目の前に行動を邪魔されたアッシュは、澄んだ紫色の瞳に溢れんばかりの涙を浮かべて緑子を振り返り見上げた。
「気持ちはね、分かるんだけど。でも貴女はまだ知らない事が多すぎて一人で行動させるのは危険なの。だからせめて鉄太をお供に連れて行ってちょうだい」
「って、俺かよ! つかどう見てもあのウサギ増えてるだろっ! つまり俺一人じゃ全然無理っぽいだろっ!! 幾ら頭脳派だからって、お前も手伝えよ」
「私はいつ美和様からお呼びがかかるか分からないから、待機してなきゃいけないのよ。助けが必要なら、その辺歩いてる人に声かけてらっしゃい」
*** ***
俺は『夜』。
以前出会った少女の名前から一文字頂いた素敵な名を持つ、通称アフロウサギだ。
トレードマークは白の燕尾服にシルクハット。そして一度抱き締めたら忘れられなくなるふわっふわでもこもこのその名の通りのアフロヘアー。
特技は無限増殖。気が向くままに幾らだって増えられる――忙しいときにはぜひ一家に一人欲しい有能なウサギだ。
現在俺がいるのは『みわさま』と呼ばれている少女が所有者らしい、やたらとデカイ家。どれくらいデカイ家かと言うと、ワケの分からん部屋がたくさんあるくらいデカイ。きっと巷ではこれを『豪邸』と言うに違いない。
そんな所でこの俺が何をしているか、というとだな。親愛なる友人であるアッシュの教育なのだ。
アッシュはまだ産まれたばかりも同然で、世間様ってのを知らない。だからこそ俺がこの都合の良い家を利用して色々な事を教えてやろうとしているのだが――どうにも鉄太とか言う男と、緑子とか言う女が邪魔をする。
全く、頭の固い連中には本当に困る。一箇所に閉じ込めて言葉で教えて何になるというんだ。百聞は一見にしかず、見て触れて経験してみる事ほど有効な教育手段はないんだぞ。
どうだ、諸君。俺と一緒にアッシュに色々な事を教えてみないか?
ちなみにこの家は『常識』を教えるには最適の場だ。何せ家の中に横断歩道を模したセットまであるくらいだからな。
……ところで、念のために注意しておくが。間違っても嘘は教えるなよ? 嘘は。
アッシュは疑う事を知らない。それでいて知識の吸収力は凄まじい――つまり、嘘を教えたら永遠にその『嘘』を『真実』として覚えてしまうからだ。
あ? ウサギなのにその喋り方は何かって?
ウサギだって偶にはハードボイルドを気取りたい日だってあるんだもん。
手にしているのは購入したての分別収集用の地域指定ゴミ袋と来年の家計簿。
当然、これらは彼女の私有物ではない――いや、資金の出所は彼女の財布だが、納まる場所は彼女の自宅ではなく某興信所。
所長がだらしないと、所員がそういうことが得意になるのは当然のことかもしれないが、彼女の場合は『得意』の域を超えて『特化』していると言っても過言ではないだろう。
彼女なくして、経理と衛生の管理は語れまい。
そんなこんなで、気がついたらゴミ袋の残りが随分少なくなっている事に気付いたその日、お天気の良さも手伝ってシュラインは少々の遠出を試みた。
時は金なり、というけれど。時間に余裕がある時は、近場の割高商品よりも、新聞広告に入っていた売り出し商品。
ついでに立ち寄った本屋で、来年の家計簿を発見しさっくり購入。最近はパソコンで家計簿管理というのも増えてきているようだが、いざというときの為にやはりアナログな手段は欠かせない。
すっかり冬模様を呈してきた高い空を見上げて、青い目を細める。
非日常的な事件が日常的に舞い込む興信所の手伝いをするようになって、それなりの時間が過ぎた。今では『古参』と呼ばれる存在だ――影の御大、というのも似合いかもしれないが。
だからその分、色々な経験をしてきた。こんなありきたりの毎日に紛れ込ませて。
今日と同じような明日が約束されていない事も、よく知っている。
冷たい風に、長い黒髪が攫われていく。
不意に頬に刻まれていた穏やかな笑みが固く強張った。
何の気なしに入り込んだ道。閑静な住宅街が続く、その先に見覚えのある顔。彼女が知っているのは、彼の方ではない。しかし以前依頼で少しだけ出会った天城緑子という女性と明らかな血縁を予想させる顔立ち。
間違いない、確信に至るため記憶を辿るのは慣れっこだ。
「こんにちは。突然ですけど、あなた緑子さんのご兄弟か何かかしら?」
唇が描くのは、初対面の人物を決して怯えさせない穏やかな曲線。これもこの仕事を手伝うようになって身につけた便利技。
「へ? あ? あ! ゴのつくアレが苦手なシュラインさん! ちょうど良かった、これも偶然、手伝ってくれないかな」
ピキリ――と一瞬彼女のこめかみに青い筋が浮かんだのはきっと気のせいだろう。
「あ、そうだ。そうそう、俺は緑子の双子の鉄太。あんま似てないって言われるのに良く分かったなぁ」
言いつつ、既に鉄太はシュラインの手荷物を受け取り、ずいずいと邸宅内へと背中を押している。
「……構えかけた私が馬鹿みたいじゃない。結局、あの人が絡んだ事件に縁のある人に、真っ当な人間はいないって事かしら?」
仕方ないわね、とすっかり巻き込まれ慣れしているシュラインは、軽い溜息一つで鉄太の強引な招きに応じる事に了承の意を返す。
あはは、やっぱりシュラインさんはシュラインさんだなぁ。
どこかで飄々と笑う声が聞こえた気がした。
■初戦 in キッチン
「まずは最初に注意させといてもらうな。捕まえて欲しいのはふわふわもこもこのアフロウサギ。本体は燕尾服にシルクハットなんて被ってるが、それ以外の連中はどんな恰好してるか分からない。どれくらいいるかも、だ」
鉄太の呼びかけ、ないし強引な引き込みによりアフロウサギ捕獲に狩り出されたのは、通りすがりの苑上蜜生、桐谷龍央、シュライン・エマ、八雲純華の計四名。
「改めて、俺は鉄太でこっちのがウサギの飼い主のアッシュ。ちょっとばかし過剰な箱入りで、世間知らずの極地だから何をしでかすか分からん。悪いがその辺も気をつけといてもらえると嬉しい」
「アッシュ、です。よろしくおねがいします、です」
ちょこんと頭を下げたのは、ふわふわの白い髪が特徴的な少女だった。鉄太の説明通り、どこか浮世離れした雰囲気を放っている――というか、生まれたばかりの赤ん坊のような気配と言った方がより近いかもしれない。
「じゃ、どこから探し始めようか?」
「えっと、多分キッチンがいいんじゃないかと思います。だってほら、餌とかたくさんありそうだし」
言い出しっぺは純華。どうやらぴんっと乙女の勘が働いたらしい。
その光景は、少々奇妙と言えば奇妙なものだった。
一般家庭にあるソレとは、明らかに一線を隔したキッチン――つまり、レストランなどで見かける本格的な――に、制服姿の現役高校生が男女一名づつ、金髪青眼なのに和服に前掛け姿の女性が一人、料理をする恰好とは思えないきっちりスーツ姿の女性が一人、それにふわふわの白のワンピースに身を包んだ少女が一人と、その少女を抱えたラフな姿の長身男性が一人。
しかも、所狭しと駆け回っているのだ。
想像してみよう。
ステンレス製の厨房機材の合間を、これだけの人数が料理をするでなしに右往左往する図を。
「ほら、今度はそっちよ!」
「あ、こっちにも一羽いました!」
「一羽って言うな、ウサギの数え方は一匹、二匹!」
シュラインの指示に従い走るには明らかに適していない通路幅に躓きかけた純華の視界に、新たなアフロが飛び込んでくる。
しかし、発見された新たなウサギは龍央の指摘の声に、びくりと身を弾かせて純華の眼の届く範囲から一瞬で消えてしまった。
「そもそもウサギは鳥に似てるってんで、四足が喰えない仏教徒でも食べても良し――なんてことにするために、一羽二羽って数えるんだ。喰うんだぞ? 可哀想だろ。だから一匹二匹に以後統一」
「いや、うん、確かに微妙な拘りポイントだとは思うけどな」
ぷらんぷらんと地面に届かない足を宙で泳がせるアッシュを抱かかえた鉄太が、うんうんと龍央の意見に首を縦に振る。
「はい。私もウサギさんは食べたらいけないんだと思うんです」
だって大事な夜もウサギさんですから、とはアッシュの弁。だがしかし、冷静に二人に同意されてしまった龍央は、思わずぽろりと零れてしまった本音に慌てて蓋をするように、ふいっとそっぽを向いた。
目立たず、地味に、ひっそり平凡に。これこそが彼のポリシー――成功しているか否かは別として。
「えっと……桐谷君だっけ? うん、そういう理由なら私もウサギは一匹二匹って数えた方がいいと思う。物知りなんだね」
制服姿であることから、自分と同い年くらいであろうと判断した龍央の思わぬ博識っぷりに、純華も手を止めて笑みを返す。
「ウサギは一匹、二匹と数える、ですね。はい、私ちゃんと覚えるんです」
「はいはい、そこ。ほのぼのするのも悪くはないけど、今はウサギを捕まえるのが先決よ」
「……シュラインさん、ちょっと失礼します」
縁側に座布団を敷いて、お茶を片手の日向ぼっこのような雰囲気になっている若者連中(+鉄太)にシュラインが檄を飛ばす。と、その横を蜜生が何とはなしにすれ違った。
「さっき純華さんが見つけたウサギ、冷蔵庫の後ろに逃げ込んだみたいですね」
蜜生の青い瞳が、一点を見据える。彼女以外の人間には巨大な業務用の冷蔵庫の陰になって見えない部分だったが、それを視る能力が彼女にはあった。
「それは厄介ね。怯えちゃってるみたいだから、どうやって………」
ひょい。
はしっ。
「はい、一匹捕獲成功です」
擬音を使って表現するなら、まさにそんな感じ。
あまりに一瞬、かつ平然と、不自然さを感じさせない動きで蜜生はあっさりと冷蔵庫裏に隠れてしまったアフロウサギを一匹――以後、一羽二羽ではなく、敢えて一匹二匹で統一させて頂きます――捕まえて、細い両腕の中に大事そうに抱き込んだ。
その過程で、彼女が冷蔵庫を軽々と持ち上げたように視えたのは――
「……八雲っつったっけ。なぁ、今の目の錯覚じゃねぇよな?」
気のせいではなかったらしい。
呆然と立ち尽くした龍央が、隣に立つ純華に問い掛ける。彼が目撃した現象は、彼の常識の範疇に収まる内容ではなかった。
ジンと頭の芯が痺れるような感覚に襲われる。
「そうだね。世の中って色々な人がいるから。冷蔵庫、持ち上げちゃうくらい、きっとなんてことないよ」
「あぁあぁ……違う、なんてことないなんてない」
非常識な出来事に、思わず両手で目を覆いたい衝動に駆られる龍央だったが、結局それは実行されずに終わった。
なぜなら、彼の目前を新たなアフロウサギが横切ったから。
「ったく、マジで何匹いるんだよ!」
頭の部分だけ異様に毛がふわふわのアフロウサギ。どうやらこのキッチンにいるのは、変な衣装を着ていたりはしないらしい。ということは、夜本人ではないということだが。
「桐谷くーん、もう一匹そっちに行ったよ」
「了解」
「あ、苑上さん。そっちの大鍋もどけてもらえますか?」
「分かりました」
「ってー! なんでみんなそんなに馴染むのが早いんだよっ!!」
「せっかくだし――アッシュちゃん、いらっしゃい」
結局、このキッチン内だけで捕獲したアフロウサギは計八匹。それらを鉄太が専用のケージに移す作業を横目に、不意にシュラインがアッシュに向って手招きをする。
「はい、何ですか?」
鉄太が作業中のため、自由を得たアッシュがシュラインの呼びかけに、ほてほてっと走り寄った。一歩踏み出すごとにふわふわと弾む白い髪は、アフロウサギの毛並によく似ている。
「アッシュちゃんはゴミの分別収集って知ってるかしら?」
どこからともなく取り出されたのは、地域指定のゴミ袋。
「ぶんべつしゅうしゅう……ですか?」
「そう、分別収集。ゴミにもいろいろな種類があるの。一番の基本は燃えるゴミと燃えないゴミ」
「え……っと?」
「言葉で説明するのは難しいわね。ちょっと待ってね、折角だから実践してみましょう」
例えどんなに大きなキッチンであろうとも、物をしまってある場所というのは、なんとなく予想がつくもの。ましてや相手は捜査慣れしたシュラインである。あれよあれよと言う間に様々な種類のゴミが掻き集められていく。
その様子が面白そうなのか、アッシュも彼女の後を追い、細々とした物を拾い出す。
「まずはこれ、お肉やお刺身を買うとついてくるトレー。これはプラスチック」
「ぷらすちっく、ですか?」
「そう、プラスチック。これは店頭で回収してたりする事もあるリサイクルゴミ。だから燃えるゴミに混ぜちゃいけないの」
「……燃えるゴミって何、ですか?」
そこから始まるゴミの分別講座。
熱く語るシュラインに、素直に頷きながら聞き続けるアッシュ。その光景がどれほどの時間続いたのかは、すっかり片付いてしまったウサギケージと、それに寄りかかるようにして立つ残りの四人の姿が物語っていた。
「地域とかによって分け方は色々だけど、これは知っておいて損はないわよ。生活の一番の基本だし。それとね、まな板やスポンジの殺菌は使う直前にやった方がいいって言うのも覚えておくといいわね」
「生活の基本、なんですね。はい、覚えました。殺菌は直前に……殺菌、て何ですか?」
「あら、えーっとそれはね……」
「……なぁ、俺たち次のウサギ探しに行った方がいいじゃないか?」
「いや、何気に俺も勉強になってるし」
「そうですね。でも椅子とかあった方がいいかしら」
「殺菌は使用直前に………なるほどー」
小一時間は充分続いたシュラインのお台所基本講座。最後に彼女の手からアッシュの手に、何故か家計簿が手渡された。
「あのー……なんで家計簿なんでしょうか?」
思わず突っ込んだ龍央に返されたシュラインの言葉は――
「だってこれも基本中の基本でしょ。本当は光熱費節約術とかも教えてあげたかったんだけど……」
「シュラインさん、シュラインさん。それはちょこっと難しいと思います!」
律儀に挙手した純華が、さらにツッコミを重ねたのも仕方ないだろう。
■中盤戦 in 不思議の部屋
「此方の部屋への立ち入りは遠慮していただきます」
キッチンに引き続きアフロウサギ捕獲ご一行様が、蜜生の先導で訪れたのはとある扉の前。
見た限り普通の部屋への入り口のようなのだが、その前にはしかめっ面で仁王立ちするビジネススーツ姿の女性が一人。一団の最後尾では「やっぱそうだよなぁ」と苦笑いを浮かべる鉄太と、何処かしら顔立ちが似通っている。
「でもさ緑子、この部屋の中にも紛れ込んでるって言うし。あ、こいつは俺の双子の妹の緑子な」
「そんな説明をしている場合じゃないでしょう」
協力者達にとりあえず妹の紹介を、と顎でしゃくって見せる鉄太に緑子の厳しい声が飛ぶ。勿論困ったのはウサギ探しの手伝いをお願いされた面々の方。
「でも、ウサギ捕まえないといけないんでしょ?」
鉄太がケージを抱えている為、代わりにアッシュの手を引いているシュラインが緑子の前に進み出る。
「それとこれとは別。この部屋はこの家の主の部屋、主の許しなく入ることは許されません」
「でもそれじゃ、頼みごと完遂できないだろ」
「そういう問題ではないのよ」
どこか納得の行かない表情で、ぼそりと呟いた龍央の言葉にも、ピシャリと緑子の言葉が被せられた。しかし、そこまで頭ごなしに拒絶されれば、逆に反抗心を揺り起こされるのが、この年代の良いところでもあり、悪いところでもある。当然、大人しく引き下がったりはしない。
「そういう問題じゃないって、最初に依頼してきたのはあんたの兄貴だろ?」
「鉄太は昔から考えなしで――」
「おい、緑子!」
「……緑子、構いません。良い機会……です、屋敷内のものは皆様のご自由にして頂いて下さい」
扉の前で一触即発の事態が展開されそうな直前、閉ざされていたそれは不意に内側から開かれた。
顔を出したのは、黒のワンピースに白いカーディガンを羽織った小柄な少女。結い上げてもなお長い黒髪は、アッシュと並べるとその美しさを増しそうな濡れた輝きを帯びている。
「「美和さま!」」
鉄太と緑子が二人揃って驚きに表情を強張らせた。そのあまりの劇的な変化ぶりに、龍央さえも引き摺られて、表情に戸惑いが浮かぶ。
「……悪く思わないで下さい。緑子も……わたくしの事を思って、のことですから。申し遅れましたが、わたくしは西斎院美和。若輩の身ではありますが、この館の主を務めさせて頂いております――さぁ、貴方達は貴方たちの成すべき事を」
見た目は純華とそう変わらない年齢だと思われる少女は、一言一言の言葉の重みを考えるように、ゆっくりと頭を垂れた。
美和の私室として紹介されたその部屋は『館の主』の部屋という事だけあって、広さはこの邸宅の外見を裏切らないものだった。
外からの直接の光を遮る為か、引かれた薄いカーテンによってぼやかされた夕方の赤い日差しが、室内を不可思議な色に染め上げている。
机も本棚もパソコンもない部屋、並べられているのは無数のアンティークドールや日本人形。きちんと手入れをされているらしく、新品同様状態で招きいれられた客人に向って淡い微笑を向けていた。
「この人形……一体一体に何かが込められているのね」
大騒ぎしている龍央や、それを見守る純華、豪快な手段でアフロウサギを捕獲していく蜜生の様子を眺めながら、シュラインは美和の傍らに立つ緑子に語りかけた。
四方の壁を埋め尽くすように並べられた人形達、そのどれもが有機的な温かみと、命の音を発している。
「それは人の想いです。無闇に触れぬほうが良いですよ。弱い人間は引き込まれて戻れなくなりますから」
シュラインのすぐ近くにあった人形を、緑子がさり気なく退かした。
「緑子さん――でしたっけ。一度お会いした事、ありますよね?」
「……一瞬でしたけど。よく分かりましたね」
「見た目の年齢は違うけれど、雰囲気はそのままだもの。分からない方がおかしいわ」
軽く握った拳を口元に当て、シュラインは軽く笑う。人形の合間に出来た隙間に体重を預けると、肌が小刻みに泡立つ。誰かの残留思念に触れたような、そんな不思議な感覚。
「そちらのお嬢さん……美和さん、だったわよね。多分……貴女にも会った事、あるんじゃないかしら?」
緑子の隣に立つ美和に、体を折って視線の高さを合わせる。しかしその表情は無感動で、瞳はここではない何処かを見つめているようだった。
直接の面識は――ない。それははっきりと分かっている。けれど彼女の持つ何かが、シュラインの第六感に訴えかけていた。その少女が、幾度か自分達のすぐ近くにあったことがあるのではないか、ということを。
「ひとつ、質問してもいいかしら? 美和さんは、天秤は釣り合うべきか、傾くべきか、それとも揺らめき続けるべきか、どう思う?」
なぜ彼女にそんな質問をしようという気になったかは分からなかった。けれど、この少女の言葉に、何かの真実が得られるのではないかという期待がシュラインを突き動かす。
ふっと美和の瞳の焦点が、シュラインを捉える。
「……わたくしには、その質問に答える言葉はありません。ただ、運命とは人の成すべき先にあること――定められし道の上にあろうと、貴女が貴女であるように」
「――?」
「美和さまは、問い掛けに答えることはありません。ただ、救いを求める手に光を示すだけ」
要領を得ない美和の言葉に、シュラインが更に言葉を募らせようとしたのを、緑子が遮った。静かに横に振られる首が、緑子の言葉に嘘がないことを意味している。
気がつけば、部屋の中にいたアフロウサギは大方ケージの中に納まっているようだった。龍央は相変わらず部屋を走り回っていたが。
「私は私の道を行け――そういうことかしらね。あ、そうだ。ひょっとして、なんだけど。美和さんって以前、近くに来て私たちのこと助けてくれたことあるんじゃないかしら? 憶測だけど、当たってたらありがとう」
■最終ラウンド in クローゼット
その部屋に足を踏み入れた途端、まずは純華の目が点になった。
「うわぁぁぁぁ……すごい!」
頬をほんのり紅潮させ、本日二度目の感嘆の声を上げる。それもそのはず、そこは色とりどりの衣装が仕舞われた部屋――つまりはクローゼットだった。
「こりゃまたすげぇなぁ……」
龍央でも高く感じる天井。そこから幾重にも様々な衣装が垂れ下げられている。可愛らしいワンピースから、平安の世を思わせる十二単のような豪奢な和服まで。
全てが、箪笥などにしまわれるのではなく、広い空間を埋め尽くすようにはためいていた。
「ここは美和さまの衣装部屋です。こちらにもあまり誰も立ち入らないのですが……」
少しだけ非難めいた色を帯びた緑子の視線を軽く受け流し、蜜生が柔らかな金色の髪をふわりと躍らせ微笑む。
「間違いないです。夜さん……と仰るのでしたっけ? そのウサギさんは此方の部屋にいらっしゃいます」
キッチン、美和の私室を経て、移動中にも次から次へと邸宅内に蔓延したアフロウサギを捕獲したが、結局その中に燕尾服にシルクハット姿の『夜』本体はいなかった。
いったいどれくらいに分裂したんだ、と鉄太がケージ――余談だが、サイズにして1m四方のサイズのケージ一つで全然納まらず、結局五つ目が引っ張り出された――の中を動き回るもふもふの集団を必死に数えた結果、現在49匹。
何がどうなってこんなに分裂したんだか、と龍央も溜息混じりに呟いた。が、いつの間にやら五匹ほど幸せそうに抱きかかえていては、その溜息の説得力は微妙に薄かった。
常識・平凡を愛する龍央も、たとえ非常識に分裂していようが、アフロウサギの魅惑には勝てなかったらしい。
「あら、美和さまは?」
鉄太と緑子の呼び方を真似たシュラインが目の前に下がっていた帯を慎重に避けながら、緑子を振り返る。気がつけばかなりの大所帯、しかしお付きの二人がウサギ探索に揃って参加しているにも係わらず、いつの間にか美和の姿だけ消えていた。
「お忙しい方ですから。お呼びがかかったのでしょう。こうなると私にも暫く用はありませんから、皆さまとご一緒させて頂きました」
暗に「皆が美和さまの衣装を傷つけたり汚したりしないようついて来た」と匂わせ、緑子が鉄太の進む先にあった薄紅色の衣装についっと手を伸ばして引き寄せる。
「ところで苑上さん、夜は何処にいるんですか?」
先ほどと同じような問いを、緑子は再び蜜生に投げかけた。
「……此方のお衣装、不思議な術がかけてあるものがありませんか? それに邪魔されて――」
つい先ほどまでは確かに見えていたのに。
さっそく掴まえようと部屋を縦断するため歩みを進める途中で、視界を覆った衣装を払いのけた瞬間、蜜生の目にも夜の姿は映らなくなっていた。
微かな違和が、蜜生の白い肌を刺激する。心の琴線に触れる、何かの気配。人ならぬものの、普通ならざる力。
困ったように眉根を寄せて、くるりと首を巡らせる。
衣裳部屋というだけあって照明を控えられた薄暗い室内。
シュラインもじっと息を殺し耳をそばだてるが、近くにいる分裂アフロウサギ集団の気配が邪魔をして、上手く最後の一匹――夜の存在を示す音を聞き取ることができない。
「美和さまのお衣装ですから、術が施されたものもないとは言いませんが。貴方の勘違い、なんてことはないですよね?」
「あの、ですね。あの……えっと」
微妙に気まずい雰囲気が漂い始めようとした瞬間、それを打ち破ったのはアッシュだった。背伸びしても届かない位置に下がっている若草色のワンピースを指差して、一人一人の顔を覗き込む。
「あ、可愛い! ねぇねぇ、緑子さん。せっかくだからアッシュちゃんにアレ着せてあげたら駄目ですか? 絶対に似合うと思うの」
可愛いものに敏感に反応する純華が、真っ先にアッシュの望みを察して、緑子の手を取る。正直、自分も着てみたいな、と思う服がたくさんこの部屋にはあるのだ。同じ「女の子」の気持ちは、誰よりもよく分かるつもりだ。
「しかし……」
「緑子、たまにはいいんじゃん? こいつ等なら害はない――それくらい分かるだろ」
「鉄太!」
「何なら汚しちゃったりした時のクリーニング代くらいなら責任もって払うわよ? 今回のお手伝い料からだけど」
にやりと唇の端に切り込むような笑みを浮かべたのはシュライン。チラリと流すように目線を向ければ、そこにはやや憮然とした表情の緑子の姿。
「別にちょっと着るくらいは平気だろ? それにさっき西斎院さんも『ご自由に』って言ってたし」
龍央の口から繰り返された、先ほどの美和の言葉。緑子はその言葉に仕方なさげに頷きを返す。
「――衣装を動かせば、術に隠れた夜も見つけやすくなるかもしれませんね」
「こっちも綺麗じゃないですか?」
自分の瞳と同じ色をした振袖に身を包んだ純華が、海の色を写したような青色に染め上げられたワンピースを手に、蜜生の元へとやってくる。
結局、体型から室内にある衣装を着ることが出来たのは、アッシュと純華だけだった。そして、せっかくだから一緒に、というアッシュの無邪気な誘いを純華が断れるはずなどあるわけなく。
「本当に、綺麗な青ですね」
「ねぇ……『あお』ってなに、ですか?」
傍らで冷や冷やしている緑子を尻目に、少女二人が興味を示す衣装に着替えるのを手伝っていた蜜生。その彼女の瞳と同じ色をしたワンピースに、蜜生が目を細めた時、少し離れた所で二人の会話を聞いていたアッシュがこくりと首を傾げる。
「あぁ……アッシュさんは、『色』というものもよくお分かりにならないんですね」
この少女が、なぜこんなに一般常識といわれるものが欠落しているのか、その点に関して蜜生は疑問を抱くことは何故かなかった。遥か遠い彼方の記憶、かつて『誰か』もそんな風であったような――『誰か』が誰だったのか、覚えていないけれど。
「いらっしゃい、アッシュさん。『色』の持つ意味をご説明差し上げます」
純華が持ってきたワンピースを受け取り、純白の少女に手招きをする。
「例えばこのワンピース、これの『色』を『青』と言います。ほら、これとは何かが違うでしょう?」
近くにあった同じようなデザインの黄色のワンピースと比較させ、蜜生はアッシュの紫色の瞳をゆっくりと覗きこんだ。その輝きは『色』に対する概念の理解が始まった事を教えている。
「青とは、主に海や空と同じである事から、自由や解放というイメージを人に印象付けます。同時に、冷たいという雰囲気も。ほら、水は冷たいでしょう?」
蜜生の問いに、アッシュは暫し考え込み、それから何かに思い至ったようにぱんっと手を打ち鳴らす。
「お庭のお花に上げるのですね。はい、冷たいです」
花が綻ぶような笑顔を見せるアッシュに、蜜生もつられて鮮やかな笑みを面に刻む。一つ一つ何かを理解し憶えていく事、それは世界が広がっていく事。生きていると実感できる事。
「そうです。色とは不思議な物で人間にたくさんの影響を与えるんです」
「ほら、これなんか見てると暖かくなってこない? それって火とかと同じ色だからだよ」
蜜生の説明に興味を惹かれたらしい純華が、茜色の裾をひらりと翻し、アッシュと目線を合わせるために少しだけ背を屈める。
「そしてね、ほら私の目とも同じ色」
「純華さんの目はあったかい、ですか?」
「あくまで雰囲気よ。そうね、これなんかどうかしら?」
今度はシュラインが足元に転がっていた薄緑色の手毬を、軽くアッシュに向って転がした。
「これは芽が出たばかりの植物の色と同じ色。いきいきとした命とか、柔らかで人の心を和ませる――そんな感じはしない?」
「ちなみに白は幸せの色な。だって見ろ、幸せそうだろ?」
相変わらずアフロウサギを数匹抱えたままの龍央が、その内の一匹をアッシュの頭にぽふっと乗せる。
白い髪に埋もれる、ふわふわ毛並の白いウサギ。
「桐谷君、言ってる事は間違ってないけど、なんだかちょっと違う!」
「えとえと……色を憶えるのって、楽しいですね」
純華の鋭いツッコミに、ワケはあまり分からないままのようだが、アッシュが声を上げて笑い出す。
微笑ましい光景に、シュラインと蜜生も顔を見合わせクスリと小さく笑った。
「何、緑子?」
「いえ……あんな風にあの子を人に触れさせて育てていいのかしらって」
「美和さまが彼女達を拒まなかったのは、そういう意味だろ。例えアッシュがアイツの片鱗であろうと、同じになるとは――あ、夜発見!」
■うさぎのきもち。それから、そして……
俺の名前は夜。
アッシュに色々物を覚えさせたくて、分裂なんて荒業使ってしまう健気で気遣い上手のアフロウサギだ。
俺の細やかな心配りに気付いて、色々手伝ってくれた諸君、心から感謝する。ついでに俺の魅力にどっぷり惚れこんでくれると嬉しいんだが――いや、惚れすぎても困るがな。
んー……こほん。
今回アッシュが覚えたことだが。
まず最初は『台所における基本マナーと、ゴミの分別収集』だな。
ふむ、確かにこれはこれからの地球の事を考えると非常に重要なことだろう。これでアッシュがこの館の台所マスターになる日も近いな(うんうん)。
そのうちきっとスキルアップして光熱費削減術も修得するだろう――って、待て待て。アッシュは主婦になるのだろうか?
次に憶えたのが『人間に大事に扱われた物には魂が宿る事もある』という事だな。
コレに関してはちょうど良い現物が身近にあることだし、それになにより――いや、ここから先は今は語るのはやめておこう。
続きは何れ、多くを語らずとも知る運命にあるだろうし。
そしてだな……ふーむ……うーん……『自分を追いかけてくるものには攻撃をしても構わない』か。
確かに昨今物騒だから、見ず知らずの他人に追いかけられたら反撃はしてもいいんだろうが……いや、うん、そうだな。アッシュくらい愛らしいとそれもあり、ということにしておこう。
が――今度からアッシュの後ろを歩くときには注意しよう。
そして最後が『色の持つ力』について。うん、これはアッシュのメンタル面な部分や、外界で行動するときの判断基準においても、非常に役にたつ学習だったと俺は思う。
多分、信号とかも見分けられるようになったと思うしな。
それ以外にも色々細々とした事を覚えたようだ。ちなみにウサギの数え方は『一匹二匹』で記憶したみたいだな。うん、これも実にウサギ的に素晴らしいことだ。
そういうわけで、協力者の皆、本当にありがとう。
はぁ………今夜は温泉にでもゆっくりつかりたいんだもん。
「まったく……変なところで似てるのね」
クローゼットで行われた『色』についての解釈を一通り終えた頃、まるで時を見計らったように燕尾服にシルクハット姿のアフロウサギ『夜』はひょっこり顔を出した。
別段、逃げ回る風でもなく自然とアッシュの腕の中に収まり、この大騒動は無事に幕を下ろすこととなった。
そして辿りついた帰路。偶然通りかかった小さな児童公園のブランコに、ひっそりと座る美和の姿をみつけ、シュラインは小さく嘆息した。
こういう風に、一仕事終わった帰り道にふらりと現れるのは、どこかの誰かに良く似ている。
「否――わたくしには、彼の者のように空を渡る能力はありませんから……ここにあるは幻、現実にあって現実になき器」
歩み寄るシュラインに気がついたのか、美和がゆっくりと立ち上がる。身に纏うのは先ほどのような普通のワンピースではない、古めかしい、けれどどこか機械的な印象を抱かせる不可思議なデザインの十二単のような着物。
それが重さを感じさせる事なく、この公園に吹いている風ではない大気の流れにゆっくりとはためいた。
「まぁ、これくらいじゃ驚いたりはしないけれどね」
溜息をもう一つ。未知との遭遇なんて、興信所の手伝いをするようになってからは日常茶飯事だ。
「わたくしには、問い掛けに答えることは出来ません。けれど、貴女の胸の内側にある燻りに光を与える事は……出来ます」
掲げた両手に、淡い発光を帯びた紫色の手毬が出現する。
それにも動じず、シュラインは美和まであと少しという距離で足を止めた。
「……彼の者は、苦痛の中には在りません。ただ封じられているだけ、自ら動く事を」
ふっと美和が鞠から手を離す。重力に引かれた紫色の鞠は、てんてんと幾度か弾んで、夜闇の中へと消えて行く。
「……わたくし達、斎の血に連なる者は、紫鬼と対極にございます。我が方の斎は、真実を見、歪められる事を止めるが役目――わたくしは、そのためにここに在る」
坦々と紡がれる言葉は酷く不親切で、多くの説明を欠いたままだった。けれどシュラインには、それが彼女なりの精一杯である事をなんとなく理解した。
人にはそれぞれの役目がある――そしてそれぞれの制約も。
「なぜ私にそんな事を教えてくれるのかしら……って、そうだった。こういう質問には答えてくれないんだったわね」
無表情のまま反らされた視線が、美和からの答え。
なんだか随分ややこしい事に巻き込まれてしまったようだ。というか、なぜこんなにもややこしい者に懐かれてしまうのだろう。
そんな事を考え、でも案外普通に人間と接するのもややこしいわね、とシュラインは心の中でだけこそりと笑う。
「ま、いいわ。巻き込まれたのも何かのご縁でしょ、頼まれちゃったこともあるし、私は私なりの選択でやらせてもらうわ」
「……それこそが唯一無二の真実……この世の理」
ゆらりと美和の姿が揺らぐ。彼女の体の向こうに透けて公園の奥にある鉄棒が見え始める。
「あら、帰っちゃうのね。今日は楽しかったわ、夜さんにも分裂はほどほどにって伝えておいて」
消える姿に向ってひらりと手を振った。完全に見えなくなる前に、美和の表情がうっすらと微笑を浮かべたように見えたのは幻か。
再び一人きりになった夜の帳の中で、シュラインは美和が座っていたブランコに歩み寄る。そして見つけたのは、先ほど美和が手にしていた手毬と同じ色の折り紙で折られた小さな鶴。
「こんな所まで似てるのね。お礼……なのかしら?」
軽く摘み上げるが、消えたりはせず、確かな質量感がシュラインの手の中に残る。こういう一見ワケのわからないものを置き土産にするところが、目の前で消えた誰かを彷彿とさせて何故か可笑しかった。
「全く、世の中には手のかかる人が多いこと。とりあえず、無事ってらしいから、その辺は安心しときましょうか」
折鶴を壊さないように注意深く財布の中にしまいながら、星の少ない都心の空を振り仰ぐ。深い紫にも見えるその天空から、「お手数おかけします」と全く悪びれた風もなく笑う誰かの声が聞こえる気がした。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名】
≫≫性別 / 年齢 / 職業
≫≫≫【関係者相関度 / 構成レベル】
【0086 / シュライン・エマ】
≫≫女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
≫≫≫【鉄太+1 緑子+1 アッシュ+2 GK+2 紫胤+2/ A】
【0857 / 桐谷・龍央 (きりたに・るおう)】
≫≫男 / 17 / 桐谷さん家のデカ息子
≫≫≫【鉄太+1 緑子+1 アッシュ+2/ E】
【1660 / 八雲・純華 (やくも・すみか)】
≫≫女 / 17 / 高校生
≫≫≫【鉄太+2 緑子+1 アッシュ+1 GK+2/ D】
【4233 / 苑上・蜜生 (そのえ・みつき)】
≫≫女 / 19 / 煎餅屋
≫≫≫【鉄太+1 緑子+2 アッシュ+1/ E】
※GK……ゲートキーパー略
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■ ライター通信 ■
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こんにちは。ライターの観空ハツキです。
この度は『うさぎのきもち。』にご参加下さいましてありがとうございました。そして……既に毎度恒例行事になりつつあるのですが(初めましてさんにはお初ですが…)、今回も納期ぎりぎりになってしまい申し訳ありませんでした。
今回こそは! と思っていたのですが……やはり野望は野望のままで終わってしまいました。
『うさぎのきもち。』なんて可愛らしいタイトルのわりに、中身はアレになってしまい、拍子抜けでしたら申し訳ございません。ギャグに走るべきか、ほのぼの路線で留まるべきか悩んだ結果、どっち付かずになってしまった気が……(汗)
さて言い訳はさて置きまして、少しでも皆さまに楽しんで頂ける部分があることを祈っております。
シュライン・エマさま
こんにちは、毎度お世話になっております。
えっと、この度は色々お気遣い頂きましたようで、ありがとうございました。というかです、余計な不安材料を与えてしまったようで申し訳ないです。
前回の紫のアレですが、確かに当初の予定より早くはありましたが、いずれはきっとあぁなるだろうと思っておりましたので、その引き金をシュラインさんに引いて頂け、私としてはとても嬉しかったくらいです。
困った子がどんどん増えてきているような現状ですが、宜しければ今後ともお付き合い頂けますと幸いです。遠い空の下で(?)きっと某暇人も「よろしく〜」なんて手を振っている事と思います。
誤字脱字等には注意はしておりますが、お目汚しの部分残っておりましたら申し訳ございません。
ご意見、ご要望などございましたらクリエーターズルームやテラコンからお気軽にお送り頂けますと幸いです。
それでは今回は本当にありがとうございました。
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