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<東京怪談ウェブゲーム あやかし荘>


真夏への扉
●オープニング【0】
 それは11月も中頃となったある日のことだった。
「あれ……?」
 廊下の掃除途中だったあやかし荘の管理人・因幡恵美は、とある部屋の扉の前でふと足を止めた。
「ここに部屋なんてあったかなあ?」
 首を傾げる恵美。どうもこの部屋に見覚えがないのだ。念のため部屋の名前を確認するが、その札もない。
「どうしたのー?」
 そこへぴょこんと顔を出したのが、子供の妖狐・柚葉である。
「ここに入るの? だったら開けてあげるねー♪」
 恵美が部屋に入ると思ったのだろう。親切心を起こした柚葉が、目の前の扉に手をかけた。
「あ、ちょっと待っ……」
「えーいっ!」
 恵美の制止の声よりも一瞬早く、柚葉が勢いよく扉を開いた。次の瞬間――。
「熱っ!!」
「うわっ、何これ〜っ!」
 驚きの声を上げる2人。何と部屋の中から、物凄い熱気が流れてきたのである。慌てて扉を閉めようとする柚葉。ところが、だ。
「あっ、閉まんないよっ!!」
 変な開け方をしてしまったのか、扉が閉まらない。恵美が手伝っても閉まらなかった。
「熱気で中にも入れないよ〜っ!!」
 部屋の中を覗こうとした柚葉が悲鳴を上げた。
 それから10分もしないうちに――あやかし荘の敷地内は真夏と化したのである。
 すみません、誰か何とかしてください……って、そこ! ここぞとばかりに真夏を満喫するんじゃないっ!!

●嬉璃の怒り【1】
 べち。
 べちべち。
 べちべちべち。
 べちべちべちべちっ。
 べちべちべちべちべちっ!!
「大馬鹿者か、お主はっ!!」
 管理人室に嬉璃の一喝する声が響き渡った。対象となったのは言うまでもなく柚葉で、嬉璃によって何度もべちべちと頭を叩かれていた。
「だって〜……」
「伊達も徳川もないのぢゃ! もう少し思慮というものを覚えぬかっ!!」
 べちべちべちべちべちべち……と、全盛期の某T橋名人を凌駕するがごとくの勢いで、嬉璃は柚葉の頭を叩き続けた。
「も、もうそのくらいで」
 恵美がそう嬉璃に言って、柚葉に助け舟を出す。その姿は上はTシャツで、下がショートパンツ。あまりにもの暑さに、わざわざ仕舞った夏服をまた引っぱり出してきたのである。
「お主の短慮のせいで、真夏並みの暑さが戻ってきてたまらぬわ!!」
 最後に一発、大きくばちーんっと柚葉の頭を叩く嬉璃。この暑さで、どうもきれてしまっているようだ。
「いったぁーーーーいっ!!」
 頭を抱え、柚葉はごろごろと畳の上を転げ回った。かなりきつい一発だった模様である。
「全く……」
 転げ回る柚葉を横目に、憮然とした表情のまま嬉璃は溜息を吐いた。
「外……どうしよう」
 窓の外の光景を見つめ、恵美がぼそりとつぶやいた。窓の外からは、何やら妙に賑やかな声が聞こえてきていた。あやかし荘が真夏になったことを聞き付けて、多くの者たちがやってきていたのだ。
「わしは知らぬ。お主たちで何とかするのぢゃな」
 嬉璃はきっぱり言い放つと、そのまま管理人室を出ていってしまった。残されたのは困った様子の恵美と、未だに転げ回っている柚葉だけであった。

●真夏を楽しむ人々【2】
 さて――庭先に目を転じてみると、そこはまさに真夏の風景が広がっていた。
「すっごーい! 夏なんて那織ちょーかんどー!!」
 両手のこぶしを顎の辺りに当て、感嘆の声を発していたのは金髪縦巻ロールの美少女であった。麦わら帽子に半袖ブラウス、そして腰にパレオを巻き付けた出で立ちで立っている。
 身体にまとわりつく空気は間違いなく真夏のそれ、そして日射しの強さもまた同様であった。冬へ向かってまっしぐらな時期であるにも関わらず、だ。
「まさしく常夏気分ってかんじー? エヘ♪」
 そう言ってぺろっと可愛らしく舌を出した美少女――由比那織は、そそくさとその場にパラソルを立て始めた。日焼け対策にパラソルは欠かせない物である。
「また夏が来るとは思わなかったな〜」
 そんな那織の近くから、水の音とともに少年の声が聞こえてきた。見れば、ビニールプールの中でビーチボールをもてあそびながら浸かっている癖のある黒髪の少年の姿がある。
「あーっ、いいなぁっ☆」
 水着姿の少年を、いやビニールプールをうらやましそうに見る那織。那織も夏グッズは色々と持ってきてはいたが、さすがにビニールプールまでは持ってはきていなかった。
「那織も探してこようかなぁ♪」
 と言い残し、那織はどこかへ行ってしまった。……どこで探すのだ、どこで。
「そろそろいいか」
 少年――梅成功は身を少しビニールプールの外へ乗り出すと、傍らに置いてあったクーラーボックスを開いた。ひんやりと冷たい空気が流れ出す中から取り出したのは、マンゴープリンとスプーンだ。
 成功はスプーンでマンゴープリンを一口すくうと、そのまま口へと運んだ。
「ん〜……」
 満面の笑みを浮かべる成功。ほどよく冷えたマンゴープリンを真夏に食べる……至福の瞬間である。
「やっぱ、うちの店のマンゴープリンって旨いよなー」
 店の商品持ち出しかいっ!! この分じゃ、他に何を持ち出してきているか分かったもんじゃない。
「……後で屋台も回ってみるかー」
 もぎゅもぎゅとマンゴープリンを食べながら、庭を見回す成功。そう、庭に居るのは何も成功やどこかへ消えてしまった那織だけではない。何故か庭に、屋台がずらりと並んでいたのである。
 屋台にはそれなりに客がついており、数10人の者たちが屋台の間を歩いている。あやかし荘の住人だけでこの人数は考えられないので、恐らくは近所の者たちもやってきたに違いない。
「はい、そこの兄ちゃん焼そばどうだい。今ならちょっとおまけするぜ〜」
「お嬢ちゃん、金魚すくいやんないかい。すくえなくても1匹サービス!」
「暑い時にゃかき氷! シロップかけ放題だぜ!!」
「甘くて旨いベビーカステラ、10個200円からだよ〜」
 あちこちの屋台から、客引きの声が聞こえてくる。見た所、どこの屋台も年季の入った者たちばかりである。……ひょっとして、これがテキ屋だとか香具師とか呼ばれる者たちか。
 しかし香具師であっても、勝手にやってきて屋台を出すという真似はまずしない。彼らが生きるのは縄張りや上下関係が厳しい世界であるのだから、そういう真似をしていてはどうなるかは自明である。
 となると、当然この場の元締めというか、香具師たちを引き込んだ者が居る訳で……。
(フフ……狙いは成功デスネェ)
 そんな賑わう屋台を横目に、ほくそ笑む豊満な黒人女性の姿があった。ジュジュ・ミュージーである。
 ジュジュは庭先にどこから持ってきたのかチェストを出して、その上にオイルを塗ってうつ伏せに寝っ転がっていた。思うに、サンビーチのつもりではないだろうか。
 ちなみに、上半身には何もつけてはいない。これがどういうことか……さあ、想像してもらおう。補足するなら、うつ伏せになっているので大きな胸はチェストにぎゅむっと押し付けられる形で(以下略)。
(ミーがこうして寝てる間にも、小銭が溜まってくデース。グッジョブ、ミー!)
 自画自賛するジュジュ。そう、香具師たちを引き込んだのはこのジュジュであった。そして自らが元締めをやり、売り上げのいくばくかを香具師たちに納めさせるようにしたのだ。
 まあ、こういう裏事情は客にはあまり関係ない。せいぜい関係するのは値段と商品の質くらいだ。それを除けば、客は普通に屋台を楽しむのである。
「ああ、暑いですね〜」
 そんな客の中に、1人の元気そうな小柄な少女が居た。少女は額の汗を拭い、こう言葉を続けた。
「でも、何だか田舎を思い出します〜」
 屋台をあれこれと見る少女――葛城ともえ。今のこの空気もさることながら、客で賑わう屋台を見ていたら田舎での夏祭りをつい思い出したのである。
 ともえが何故ここに居るかというと、学校――神聖都学園の高等部に通っているのだ――の友人がこのあやかし荘に住んでいるので、ちょうど遊びに来ていたからであった。
 急に真夏になって、ともえは驚かなかったのか。答えは『驚かなかった』だ。来る度に大小問わず何がしかの奇妙な現象に遭遇しているのだ、このくらい今更驚くようなことでもなかった。
「えーと。何を食べようかなぁ?」
 ともあれ、とりあえず危険はなさそうなので今の状況を楽しもうと、ともえは屋台を見て歩くことにしたのだった。

●無念なり、シオン【3A】
 ではここで、再びあやかし荘の中に視点を戻してみよう。
 何も真夏を満喫している者ばかりではない。管理人室には対策を取ろうという者たちが、数は非常に少ないけれども集まってきていたのだ。
「玄関がここ。管理人室はここ。廊下がこうで、問題の扉はここでいいのよね?」
 テーブルに大きな紙を広げ、あやかし荘の見取り図を描いているのはシュライン・エマである。恵美に確認を取りながら、すっすっとペンを走らせていた。
「ええ、そうです。位置関係はそれで合ってます」
「となると、この扉があるのは西側になるのね。……夏だと東とか南ってイメージあるけど、違うのかしら」
 ペンを置き、思案するシュライン。
「で、中には入れないのよね?」
「ええ。熱くてどうにも入ることが出来ないんです」
 シュラインが尋ねると、恵美はこくんと頷いた。『暑い』ではなく『熱い』なのだから、程度が分かるというものであろう。
「ところでシュラインさん」
「ん、何かしら」
「その、後ろに見えてる大きな袋は……」
「あ」
 反射的に視線を逸らすシュライン。シュラインの後ろには、下着や衣服がぎっしり詰まった袋が置かれていたのだ。
「……最近洗濯物の乾きが悪いから、ここで干させてもらおうかなって。武彦さん、出さずに溜め込んでたから……。あ、端の方でいいのよ?」
 いやあ、あなたも動機が不純ですね、シュラインさん。
「別に構いませんけど……」
 恵美としては、そう答えるより他になかった。
「夏にあっては冬を恋し、冬にあっては夏を恋するというが……。まさか本当に夏がやってくるとはな」
 その時、それまで黙っていた真名神慶悟が唐突に口を開いた。ちなみに上着はとっくに脱いで畳の上に放っている。
「何か気付いたことがあるの?」
「五行では夏は火気を象徴し、秋は金気、冬は水気を象徴する」
 シュラインが尋ねると、慶悟が陰陽道における五行の説明を始めた。
「もし五行の気が乱れているのなら、それを呪と儀式で正しく律すればよいが……」
「が?」
 恵美が慶悟の言葉の続きを促す。
「……真夏に飲むビールは格別に旨い」
 そう言って慶悟は、どんとテーブルによく冷えた缶ビールを置いた。恵美の目が点になっている。
「一口……まあ5本くらい飲んでからでも遅くはあるまい」
 プルトップを開け、ごくごくとビールを流し込みのどを鳴らす慶悟。って、あんたもそうかーっ!!
「アイス〜、アイスクリームいかがですか〜」
 そこへひょっこりと顔を出した男が居た。クーラーボックスを抱えたシオン・レ・ハイだ。
「うさぎや猫や熊など、可愛い形のアイスクリームですよ〜、1本100円、いかがですか〜」
 にこやかに管理人室の中に居た3人へアピールするシオン。それに対し、恵美が不思議そうにシオンへ尋ねた。
「あの」
「はい! うさぎですか、猫ですか。それとも熊で……」
「そうじゃなくてですね」
「はい? じゃあ……こっちの手作りのうちわの方ですか?」
 ごそごそとうちわを取り出すシオン。何とうさぎのイラスト入りである。……このイラストもお手製なのだろうか?
「それでもなくてですね」
「はい」
「……暑くないんですか?」
 恵美がシオンの服装を指差して尋ねた。言いそびれていたが今のシオンの格好は、普段と全く変わっていない。上下ともにしゅっとした格好で、左手の黒手袋もいつも通りだ。
「暑いですねえ」
 シオンがさらりと答えた。そうは言うものの、特別汗をかいているようにも見えないのが不思議な所。さすがは自称紳士といったところなのだろうか。
「とりあえず、3本ください。うさぎ、猫、熊1本ずつで」
 暑さに参っていた恵美は、ここに居る人数分のアイスを買うことにした。
「はい、300円です」
 300円と引き換えに、恵美がシオンからアイスを受け取った。そしてシュラインと慶悟にもアイスが行き渡る。
「庭で売った方がもっと売れるんじゃない?」
 アイスに噛り付きながら、シュラインがシオンに言った。それもそうだ、人の多さは今なら庭の方が圧倒的である。だのに何故、シオンは中に居るのだろう。
「最初は庭で売ってたんですけどね。怒られてしまいまして」
 苦笑するシオン。いわゆるあれだ、『てめぇ、誰に断ってここで商売してんだよ。ああ?』と強面のお兄さんたちに言われたのだ。
「しかし、これで100円は良心的だな」
 アイスを噛りつつ、ビールを飲む慶悟。これはこれで意外にゆけるらしい。
「原価いくらかかってるんです?」
 何気なく恵美が尋ねると、シオンは指折り数えて計算してからこう答えた。
「たぶん……105円ほどでしょうか」
「え?」
 シュラインが怪訝な表情を浮かべた。
「原価が105円?」
「はい。だいたいその前後かと」
「それで1本100円で売ってるのよね」
「はい? そうですよ。今のでちょうど30本売れましたが」
「……それ、赤字って言わないかしら」
「…………」
 シュラインの論理的な指摘に黙り込むシオン。おもむろに頭を抱え、その場へしゃがみ込んだ。
「そうです、言われてみれば……!」
 どうやらシオン、アイスやうちわの準備に気を取られて、途中で原価のことが頭から吹っ飛んでいた模様である。なおここまでで150円の赤字だ。
「次から200円で売りましょ……うん」
 シュラインはそう言ってシオンを慰めたのだった。

●夏といえば……【4A】
 シオンがまだ頭を抱えてしゃがみ込んでいる時、扉が開け放たれて見えていた廊下をパタパタと走り抜けてゆく者たちが居た。柚葉と、赤いリボンとジャンパースカート姿の小柄な小学校くらいの少女が、氷の入った金の洗面器を抱えて走っていったのだ。
「あら、美猫ちゃん。……またおばあちゃんの調子が悪いのかしら」
 少女――中藤美猫の姿を見て、恵美がぽつりとつぶやいた。
「どういうこと?」
「ああ、実はですね。美猫ちゃんのおばあちゃんの仕事場がここにあるんです。ほら、今年の夏は猛暑だったじゃないですか。それで体調崩していたのを、あたしも見てますから……きっと美猫ちゃんも心配なんだと思うんです」
 恐らく氷は、そのおばあちゃんのために使うのであろう。柚葉はその手伝いをしていると思われる。
「そうか。やはり何とかしないとならないな……」
 神妙な面持ちで、慶悟が言った。
「その前にもう1本ビールを」
 おいおいおいっ! それでもまだ飲みますかっ!!
「あ、いいわねー」
 その時、うらやましそうな声が扉の方から聞こえてきた。見れば妙に大きな鞄を肩にかけた女性、大和鮎がひょっこり顔を出していたではないか。
「話に聞いてみて見たんだけど、本当に暑いのねー」
 手でパタパタと顔を扇ぎ、げんなりした顔で管理人室へ上がってくる鮎。そしてこの場に居た皆の顔を、ぐるりと見回した。
「猛暑が終わってやっと涼しくなったのに物好きね」
「物好きも何も、ここに住んでいますから……」
 恵美が困ったような表情を見せて言った。そりゃそうだ。
「まあビールやアイスもいいけど、こんな暑い時はコレよ、コレ!」
 鮎は鞄を畳の上に置くと、中からおもむろにペンギン型のかき氷機を取り出してみせた。いやあ、昔懐かしい代物だ。
「どうしたの、それ?」
 シュラインが尋ねると、鮎は少し得意げな笑みを浮かべた。
「んふふふ。夏にフリマに行った時に見付けて買ってきたのよ。んふ、まさか年内に使うことになるとは思ってなかったけど」
 無論、持ってきたのはかき氷機だけではない。かき氷といえば、当然シロップが付き物で。
「イチゴでしょ、メロンでしょ、ブルーハワイでしょ、ミルクでしょ……」
 次から次にシロップが出てくる鮎の鞄。思わず、どこぞの4次元なポケットかと突っ込みを入れたくが、それはそれとして。
「あのー……そういう暑さへの対処法じゃなくて、根本的に何とかしてほしいんですけど」
「え、何とかしてって?」
 一瞬きょとんとなり、鮎はじーっと恵美の顔を見た。
「……んー、してあげたいのは山々だけど、こうなっちゃったからには楽しんだ者勝ちでしょ。同じ過ごすなら、楽しい方がよくないかしら?」
「それはそうですけど……」
 一応鮎の言葉も正論ではある。しかし、恵美にも管理人としての責任がある。この状態を放置する訳にはいかないのだ。
「何なのよっ、これはぁーーーっ!!!」
 とそこへ、玄関から女性の絶叫が聞こえてきた。見なくとも声だけで誰かは分かる。村上涼の叫びだ。きっと足を踏み入れた瞬間にこの暑さだから、叫んでしまったに違いない。
 だがその後に、こんな絶叫が続いてきたのである。
「何で玄関開けたら2秒で南の島になってんのよーっ!!」
 ……はい? そりゃどういうことですか?

●パワフル涼さん【5A】
「あっ、廊下が……」
 扉から見える光景に気付き、恵美が絶句した。何せ壁のあった所が青い海に、廊下である所が白い砂浜と化していたのだから。
「あー……天井は青い空になってるわね」
 部屋から扉の外を覗き込み、シュラインがつぶやいた。入れ替わりに、缶ビール片手の慶悟もこの光景を目にした。
「誰か幻術を施したか」
 白い砂浜に見える所をぺたぺたと叩き、冷静に慶悟が言った。さすがに慶悟、酒が入っていても見るべき所は見ているようである。
「害はない、安心しろ」
 慶悟はそう恵美に言うと、ぐいと缶ビールを飲み干した。
「しかしこれで、ますます旨いビールが飲めるようになったか……」
 ちょっとまてい。
「……ふ。今年の夏は暑かったわね」
 管理人室の一同が景色の変化に気を取られている間に、涼が部屋の前までやってきていた。
「そりゃもう暑かった上に、何故かどてら羽織って鍋とかやったわよね……うふふふふふふふふ……」
「ええ、あれは惨劇だったわ……」
 続く涼の言葉に、シュラインが非常に遠い目をした。ざっと10000マイルほどの。……おーい、帰ってこーい。
「うふふふふふふふふ……よっしゃぁっ、その喧嘩買ったあああああっ!!!」
 不敵な笑みを浮かべていたかと思うと豹変、涼はぎゅうっとこぶしを握って叫んだ。漫画かアニメならきっと、『ぷっつん』と何かが切れる効果音の後に涼の背後で爆発が起こっていたであろう。それほどまでに迫力ある叫びであった。
「何夏に逆戻りしてんのよだらっだらに汗流して食欲完全減退したのにアイス食いすぎで2キロも増えておまけに食欲の秋ってんでダイエットもままなってないのよ見た目変わってないけどっ!!」
 ここまでを一息で一気に言い放つ涼。他の一同は、呆気に取られた顔をしていた。やー……人間って、怒りのパワーがあるとここまでやれるもんなんですね。
「とりあえずまず水着! あるなら貸して、ないなら買いに行くわよ! それから蚊取り豚と風鈴とかき氷は用意しといて! たらいに氷水も忘れちゃ行けないわよねっ!」
 一息間を置いてから、涼は立て続けに指示をした。喧嘩するのか、楽しむ気なのか、いまいち分かりにくい指示なのは気のせいだったろうか。
「イチゴ? メロン? ブルーミント? 色々あるけど?」
「あるだけ全部よっ!!」
 鮎の問いかけに、涼が即答した。
「はーい、毎度どうもー☆」
 くすりと微笑む鮎。するとようやく落ち込みから立ち直ったらしいシオンも、涼に尋ねた。
「あの、アイスは……。うちわもありますが」
「アイスもリベンジするから全部! うちわも以下同文!!」
「おお……!」
 涼の言葉に、シオンの表情がぱーっと明るくなった。
「あの、水着は私のだとたぶん合わないんじゃないかと」
 恵美が困ったように涼へ言った。背の高さが違えば、体型もちと違う。涼は標準くらいだが、恵美は細身なのだ。
「じゃこれから買ってくるわ! 首洗って待ってなさい、夏!!」
 言うが早いか、涼は玄関に向かって駆け出していた。いやはや、何ともパワフルなことで――。

●シャリシャリズム【7】
「部屋の中には何があるんでしょうか。真夏化した原因なだけに、気になるんですが」
 シャリシャリシャリ。
「んー……例えばよ、季節の精霊が居て、季節を間違えちゃったとか? ねえ、それとは別に何か最近、そうねえ……卓上ゲームが見付かったなんて話はないかしら、ここ?」
 シャリシャリシャリ。
「いえ、別に何も。前触れは何もなくて……急にですし」
 シャリシャリシャリ。
「はぁーい、真名神さん、あーん☆」
 シャリシャリシャリ。
「や、自分で食べられるんだが……」
 シャリシャリシャリ。
「えー? 遠慮しなくていいのにぃ? 那織のお勧めダメですかぁー?」
 シャリシャリシャリ。
「むう……」
 シャリシャリシャリ。
「はいっ、1人分完成♪ まずは恵美さんに。イチゴだった?」
 シャリシャリという音が止まった直後、鮎が恵美に尋ねた。そう、シャリシャリという音は鮎がかき氷を作っていた音だったのだ。
 その間に、シオンとシュラインが恵美にあれこれと質問していたり、いつの間にか管理人室へ来ていた那織が未だに缶ビールを飲んでいる慶悟にフルーツ盛り合わせを食べさせてあげようとしていたりという状況であった。ちなみにどこから持ってきたのか、慶悟と那織には扇風機の風が当たっていた。
「あ、すみません。イチゴです」
 恵美がそう答えると、鮎は出来上がったかき氷の上にイチゴのシロップをかけてあげた。いやあ、実に美味しそうだ。
「はいどうぞー」
「すみません、いただきまーす」
 スプーンを手に、かき氷を食べ始めようとする恵美。その前に、鮎がすっと右手を差し出した。
「はい? 何ですか、この手?」
 恵美がきょとんとなった。
「え? やーねー、決まってるじゃない。もちろんタダじゃないわよ」
 にっこりと言い放つ鮎。……悪魔ですか、あんた。
「うう、ぼったくりかき氷屋さんですか……解決する気も見えないし……」
 泣く泣く財布を取り出す恵美。それを聞いて鮎がさらりと答えた。
「えー? だって自分の家じゃないし」
 悪魔やっ、あんさんほんまに悪魔やっ!!
「えー? 夏って嫌いなのぉー?」
 間髪入れず、那織が恵美に話しかけてきた。「夏は冬に比べたらずーっと開放的だし♪ それにここだけが夏、っていうなら別にいいと思わない? 真夏のテーマパークって感じで……☆」
「……熱が取り置き可能にならないかしら?」
 真顔でつぶやくシュライン。何ですかシュラインさん、事務所の冬の暖房にしたいつもりですか、それは。
「シュラインさん!」
 恵美がシュラインを窘める。その顔は管理人としてのそれだった。
「冗談よ、言ってみただけ」
 いいや、目が本気だったぞ?
「お金取ったら商売になると思うし♪ あ、これは那織の案じゃなくて、別の人が言ってただけだからね♪ はい、あーん☆」
 那織はそう言ってフォークにパイナップルを刺して、慶悟の口元へ運んでいった。
「…………」
 無言でパイナップルを食べる慶悟。気のせいか、複雑な表情に見える。
「不思議ですねえ。こんな光景、どこかで見たような気がします」
 シオンが首を傾げた。
「……それはきっと『キ』で始まって『ラ』で終わる所じゃない? ここ、チャージだけでいくらかかるのかしら」
 シュラインがぼそっと答える。那織はべたべたと慶悟にまとわりついている。確かにそう店での光景に見えなくもなかった。何か、トロピカルジュースらしき物も見えてるし。
「お待たせっ!!」
 そこへ準備の終わった涼が戻ってきた。着ているのは黒のツーピースの水着、おへそがしっかりと見えている。ただ不思議なことに小脇に大工道具を抱えて、何故か金属バットまで持っていたのだが……。
「よーしっ、その部屋とやらへ行こうじゃないの!」
「……どうする気なんですか?」
 恵美が涼に怪訝な視線を向けていた。正確には、大工道具と金属バットに。
「そんなの決まってるじゃない。ドアが閉まらないっていうなら、閉める努力をするべきなのよ。ダメなら板でも打ち付けてやりゃあいいのよ!」
 うわ、乱暴な考え方。そもそも、それで根本的な解決になるのだろうか?
「どっち、案内して!」
 そう涼が言った瞬間だった。美猫が恐怖におののいた表情で、管理人室へ走ってきたのは。
「管理人さんっ、大変ですーっ! 三下さんが……三下さんがっ!!」
 息を切らせ、恵美に向かって叫ぶ美猫。美猫の表情からしてただごとではない様子である。
「分かったわ!」
 美猫の言葉を聞いてピンときたのか、涼が言った。
「私の推理によると、三下さんが邪魔してるのね! 夏に逆戻りしたのも、2キロ増えたのも、全部三下さんのせいなのよっ!!」
 うわお、責任転嫁。というか、推理になってないよーな気が。
「……とにかく三下くんに何か起こったみたいね。行ってみましょ」
 そうシュラインが言い、美猫の案内でシュライン、シオン、恵美、そして涼の4人が件の場所へと向かっていった。

●結末はあっという間に【8】
「……斬新なファッションですねえ」
 それが今の三下を目の当たりにした時のシオンの感想であった。
 どんな格好かというと、ねじりハチマキに懐中電灯2本を角のように挟み、手には日本刀とライフル銃を持っている。おまけに身体には剣道の胴着まで着込んでいるという有り様。それでいて、開けっ放しになっている扉の前に陣取っているのだ。
「頭痛い……」
 額を押さえるシュライン。そりゃまあ、こういう格好を見せられては頭くらい痛くなるだろう。どう考えてもこの格好は、あの作品のオマージュにしか見えない。ちなみに、タイトルが分かっても表立って言わないように。約束だぞ?
「三下さん! 何をして……」
 恵美が三下に近付こうとした。次の瞬間、三下は銃口を恵美に向け――。
「危ない!」
 はっとしたシオンが、即座に恵美の腕をつかんで引き寄せた。同時に銃口から弾丸が発射されて、青い海と化している壁に当たって落ちた。
「邪魔スル奴……倒ス……」
 ぼそぼそと喋る三下。どう見ても、普通の状態ではなかった。まるで何かに操られているかのような、そんな感じがする。
「……実弾じゃないみたいね」
 落ちた弾丸をちらっと見て、シュラインがつぶやいた。壁に食い込んでいないことからして、ゴム弾か何かの可能性が高いかもしれない。もっとも当たれば十分に痛い訳だが。
 そして、三下が一同の方へ向き直り歩みを進めようとした時である。嬉璃の声が響き渡ったのは。
「三下! 何をしておるのぢゃ!!」
 びくっと三下の身体が反応した。気付けば嬉璃が、三下の後方に立っていた。
「うふふふふふ……私の推理は正しかったわね」
 涼がゆらりと三下の前へと進み出る。当然、金属バットを手にしたまま。
「大丈夫、これで全て解決だから……うふふふふふふ……2キロの恨み思い知れえええええええっ!!!」
 問答無用とばかりに、金属バットを大きく振りかぶった涼が三下に襲いかかっていった。
「ヒ、ヒィッ!!」
 逃げる三下。嬉璃の脇をすり抜け、廊下をばたばたと走って逃げてゆく。その後を涼が、そして嬉璃も追いかけていった。
「……何だったのかしら……」
 呆気に取られるシュライン。すると、である。開け放たれたまま動かないはずの扉が、ゆっくりとゆっくりと閉まり始めたではないか。
「あっ、扉が……」
 最初に気付いた美猫が扉を指差した。やがて扉は完全に閉まってしまい、同時に熱気が徐々に消え失せてゆくのをこの場に居た一同は感じていた。
「……禁呪とは動きを縛るのみにあらず」
 一同の後ろから、慶悟の声が聞こえてきた。見れば少しほろ酔い加減の慶悟と、腕をつかんでいる那織の姿があった。
「ものを禁じる呪をいう。動きを禁じるから動きが止まる。そして儘あることを禁じれば、その儘であることは禁じられる」
「それって……どういうことなんですか……?」
 美猫が首を傾げ、慶悟に尋ねた。小学生の美猫には、ちょっと難しい言い回しであった。
「すなわち、開いたままの戸に対し『開き続けること』を『禁じた』ならば……閉まる。それだけのことだ」
 少し言葉遊びに聞こえる部分があるかもしれないが、理屈としてはそういうことだ。
「よかったぁ……」
 ようやく慶悟の言葉の意味を理解し、ほっと安堵の息を吐く美猫。これで祖母が倒れる心配がなくなった訳である。

●大混乱【9A】
「そう……れっ!」
 ともえはすっと上げたビーチボールを、勢いよく右手で打った。そのビーチボールを成功は手には当てたものの、返すことが出来ずに地面へ落としてしまった。
「うわっ、失敗!」
 悔しそうな顔を見せる成功。対するともえはバンザイのポーズを取っていた。
「やったっ☆ マンゴープリン獲得〜☆」
 これはどういう状況かというと、マンゴープリンを食べていた成功がともえの視線に気付き、マンゴープリンを賭けての3ポイント先取ビーチバレー対決を提案したのであった。成功としてはビニールプールに居るだけでなく、そろそろ身体も動かしたくなってきた頃合だったのだ。
「ちぇ、おまえ強いなあ」
 クーラーボックスからマンゴープリンを持ってきて、ともえに手渡す成功。
「あたし運動嫌いじゃないから。いただきまーす」
 スプーンを手に、マンゴープリンを食べ始めようとするともえ。すると、屋台の客たちがざわめき始めた。
「何あれ!」
「おい、刀持ってるぞ!」
「ライフルまで!!」
「逃げろーっ!!」
 一斉に逃げ始める客たち。騒ぎに気付き、ともえと成功が振り返ると――向こうから、日本刀とライフル銃を持った三下が必死に走ってきていた。
「き、きゃーっ!?」
「何だよ、あれっ!!」
 ともえと成功も、客たちに混じって慌てて逃げ出す。
「待たぬか、三下!」
「待てえええええっ、2キロの恨みいいいいいいっ!!」
 走る三下の後ろから、嬉璃と涼が追いかけていた。えー……たぶんあなた方が追いかけるから、三下も逃げていると思われます。
 屋台の香具師たちは、慌てて屋台の片付けを始めていた……。

●季節はまた元に【10】
 さてさて、扉が閉められて瞬く間に元の気候を取り戻したあやかし荘。扉は板で厳重に塞がれた上、慶悟によってお札を張られていた。では、今の管理人室を覗いてみよう。
「はいはい、恐かったわねえ」
 シュラインはそう言い、自分にぴったりとくっついているともえの頭を撫でてあげていた。
「…………」
 無言でこくこく頷くともえ。ようやく落ち着いた模様である。
「たく、斬られるかと思ったぜ……」
 成功はぶつぶつとまだ文句を言っている。なお三下は、嬉璃と涼に捕まってぼろぼろになったため、自分の部屋で横になっていた。
「難儀ぢゃったな。これで旨い物でも食べて帰るといいぢゃろう」
 嬉璃がそう言って財布を取り出し、2人に5000円ずつ手渡した。
「あれ、その財布……三下さんのじゃ?」
「彼奴がわびに使ってくれと言うのぢゃ」
 ニヤリと恵美に笑う嬉璃。……嘘か本当かは分からない。
「ねえねえ。何かねー、食べ物がなくなったって人が何人か居るんだけどー」
 柚葉が元気よく管理人室へ飛び込んできた。と、同時に那織が何かを思い出したかのように叫んだ。
「あーっ、いっけなーい! 那織、用事あるの忘れてましたぁ! それじゃあ那織はこれで失礼しまぁーす☆」
 そそくさと部屋を出てゆく那織。すみません……あなた何かやりましたか?
「おばあちゃん元気が戻ってよかったね☆」
「うんっ!!」
 柚葉の言葉に大きく頷く美猫。美猫としては、問題が解決して何よりであった。
「うんうん、よかったわ、ほんと。2キロの恨みも晴らせたし」
 満足げに言い放つ涼。そこへ、鮎とシオンの手が伸びてきた。
「へ、何なの、この手?」
「かき氷の代金」
 鮎がにっこり微笑み涼に告げる。
「アイスとうちわの代金を。ああ、アイスは1本200円です」
 こちらもにこにこと涼に告げるシオン。涼は呆気に取られてしまう。
「……そんな約束したっけ?」
 そんな涼の言葉に対し、こくこくと頷く鮎とシオン。
「約束は守らないとな」
 ぽつりと慶悟が言い、残っていた缶ビールを飲み干した。
「……今度はこの恨みを……」
 涼がゆらりと立ち上がろうとしたが、嬉璃がそれを止めた。
「それも三下が払うと言っておったぞ」
「恨みなしっ」
 すぐさま涼は座り直した――。

●こりない狐【11】
 騒動終結の翌日。
「あれ……?」
 廊下の掃除途中だった恵美は、とある部屋の扉の前でふと足を止めた。
「ここに部屋なんてあったかなあ?」
 首を傾げる恵美。どうもこの部屋に見覚えがないのだ。念のため部屋の名前を確認するが、その札もない。
「どうしたのー?」
 そこへぴょこんと顔を出した柚葉。
「ここに入るの? だったら開けてあげるねー♪」
 恵美が部屋に入ると思ったのだろう。親切心を起こした柚葉が、目の前の扉に手をかけた。
「あ、ちょっと待っ……」
「やめんかっ、大馬鹿者っ!」
 いつの間にやら来ていた嬉璃が、柚葉の後頭部を思いきり叩いた。廊下にとてもいい音が響き渡った。

【真夏への扉 了】


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【 整理番号 / PC名(読み) 
                   / 性別 / 年齢 / 職業 】
【 0086 / シュライン・エマ(しゅらいん・えま)
     / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員 】
【 0381 / 村上・涼(むらかみ・りょう)
                    / 女 / 22 / 学生 】
【 0389 / 真名神・慶悟(まながみ・けいご)
                   / 男 / 20 / 陰陽師 】
【 0585 / ジュジュ・ミュージー(ジュジュ・ミュージー)
     / 女 / 21 / デーモン使いの何でも屋(特に暗殺) 】
【 2449 / 中藤・美猫(なかふじ・みねこ)
                 / 女 / 7 / 小学生・半妖 】
【 3356 / シオン・レ・ハイ(しおん・れ・はい)
          / 男 / 42 / びんぼーにん(食住)+α 】
【 3507 / 梅・成功(めい・ちぇんごん)
                   / 男 / 15 / 中学生 】
【 3580 / 大和・鮎(やまと・あゆ)
                    / 女 / 21 / OL 】
【 3967 / 由比・那織(ゆい・なおり)
           / 美少女? / 20 / 喫茶店アルバイト 】
【 4170 / 葛城・ともえ(かつらぎ・ともえ)
                   / 女 / 16 / 高校生 】


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■         ライター通信          ■
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・『東京怪談ウェブゲーム』へのご参加ありがとうございます。本依頼の担当ライター、高原恵です。
・高原は原則としてPCを名で表記するようにしています。
・各タイトルの後ろには英数字がついていますが、数字は時間軸の流れを、英字が同時間帯別場面を意味します。ですので、1から始まっていなかったり、途中の数字が飛んでいる場合もあります。
・なお、本依頼の文章は(オープニングを除き)全16場面で構成されています。他の参加者の方の文章に目を通す機会がありましたら、本依頼の全体像がより見えてくるかもしれません。
・今回の参加者一覧は整理番号順で固定しています。
・大変お待たせさせてしまい申し訳ありませんでした。ここに真夏と化したあやかし荘の顛末をお届けいたします。結果として扉は閉められた訳ですが……実は結構ぎりぎりな所だったり。
・扉についてですが、本文を読んでみてどのように思われましたか? 答えはあるんですが、今回明確には書かずにおこうと思います。分かる方はピンとくるかと思いますけれども。
・シュライン・エマさん、86度目のご参加ありがとうございます。熱気の取り置きは難しいかなと思いますが。位置とかそういうのは、今回関係ありませんでした、残念。
・感想等ありましたら、お気軽にテラコン等よりお送りください。きちんと目を通させていただき、今後の参考といたしますので。
・それでは、また別の依頼でお会いできることを願って。