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<東京怪談ウェブゲーム あやかし荘>


婦警さん迷子物語

 とある、交番からの物語。
「え? 道に迷ったの?」
 洋服を着た女の子が泣きながら婦警の氷雨雪野に抱きついていた。
 落ち着かせて訊くと、なんとあやかし荘の子供らしい。
「えっと、お父さんとお母さんはいないの?」
 女の子は首を振る。
「ちょっ止まってね、一緒に付いてってあげる」
 彼女は上司に言ってから、許可を貰い
 しかし、忘れごと1つ
「管理人に電話すればよかったんじゃねーのか?」
 と、上司は彼女の遠くなる姿を見送って呟いた。

 無事にあやかし荘についた女の子と雪野。
「ごめんくださーい」
 と、挨拶するがいっこうに返事がない。
 玄関を開ける。
 其れが雪野の恐怖体験の始まりだった。
 あやかし荘。巨大アパートにして異空間に良く繋がる不可思議な所。
 とたんに彼女は真っ暗な空間に放り込まれた!
「こ、ここはど、何処!? あ、五月ちゃんがいない!」
 いきなり迷い込んでしまいまった。彼女はいきなり独りぼっち。
「こここ、ここってどこなのー?」
 目が慣れてくると、入り組んだ迷宮の景色に驚きパニックに陥っている雪野さんであった 

「む、客人? いないのぢゃ……って五月か?」 
「うん、迷って女のお巡りさんに着いてきて貰ったんだけど……とたんに姿が」
「うーむ、三下をいぢめる為にエルハンドの持っている巻物を失敬して“迷宮”を罠として貼っていたのぢゃが」
「だめだよー。私のこと只の女の子と思っているぐらいの人なんだから〜でも霊感は強いよー」
「うむぅ。発動設定にミスがあったのかのう。三下だけを取り込むだけじゃったのだが、何か似ていたから誤作動したのぢゃろう」
 五月が嬉璃を睨んでいる
「嬉璃〜。エルハンド兄さんに言いつけるよ!」
 その言葉で嬉璃は汗をかく。エルハンドはマジキレすると怖いのだ。
「わ、わかった! なんとかミノタウロスやら危険を排除してその婦警とやらを助ける手筈を整える! だ、だからあのくそ真面目な神には内緒にしてくれ!」
 と、言うことで、哀れな雪野さんの救出に向かうのであった。
「ミノタウロスも召喚してるの! もう!」

 |Д゚) ゆきのん……あぶない
 現れた小麦色。いや、大好きな雪野を救うために来たんだろう。


1.集まった救出隊
 エヴァと遊ぶために来ていた。鹿沼デルフェスと榊船亜真知は異様な感覚を感じ、玄関にやってきた。
「あらまぁ空間が歪んでいますわ」
「ですねー」
 と、まぁ呑気なお二人。
「あら、あらら、大変そうですね」
 同じく隠岐智恵美もエヴァに会うために来たのだが、五月を抱っこして事の事情を聞く。
「婦警さんが……」
「そうですか。困りましたね」
 3人は嬉璃と五月から事情を聞いて色々策を練る。
 いきなりだが、外から何かかが着地する音がして玄関の扉が開くと……
「かわうそ?ちゃんに人助けで来ました!」
 そこで、かわうそ?を襟巻きにしてやってきた、ドリルガール(銀野らせん)だった。
|Д゚#)ノ かわうそ? えりまきちゃう!
 と、すんなりきまった救出隊であった。

「では……まずこの迷宮に入る方法を考えないと行けませんね」
 亜真知が言う。
「空間歪曲なら、あたしが!」
「お願いしますね」
 入り方はわかった、後はどう捜すかが問題になるが……
 神クラスが3名も居たら何とかなるだろう。問題なし、うん。
「探査方法を各自の能力で、と言うわけですね」
「ねーねー! わたしも!」
 エヴァも参加したいらしい。
「だめです」
 智恵美さんが止めた。
「はーい、五月ちゃんまってよ」
「うん」
 素直なエヴァ。

「さて、あけますよ!」
 ドリルガールがトラップの箇所を空間歪曲でこじ開けた。


2.移り変わるメイズ
 空間を抜けると、確かに昔のミノス宮殿ばりの迷宮だ。
 大理石の様なダンジョンに、ほのかに光る魔法の光。
 戦いなれている4名と謎の生命体1匹は色々居るとわかる。
「こまったですわ」
 デルフェスが換石の術の応用にて、雪野を捜そうとするが、壁の中に鉛板を入れているのか探知できない模様。
「ドリルで解析します」
 ドリルガールはゴーグルから、この迷宮全般のシステムを解析し始めた。
「少し戦力ダウンしますけど」
「わたくしたちは、迷わない様、そしてミノタウロスを回避していきましょうか」
 亜真知、智恵美は気をつけながら、残る2人を庇いつつすすむことに。
 壁がいきなり現れて分断される事を恐れてだ。
 迷宮幅と高さは3メートルほど、かなり日本人からすれば大きいだろう(多分な)。亜真知は随行神を連れて、邪魔するミノタウロスを蹴散らしていく。
 智恵美も不意打ちで現れるミノタウロスを懲らしめる。
「迷宮完全解析に5分かかります」
「急がないと、雪野様があぶないですわ」
 |ДT)ノ ゆきのーん!
 それから5分、流石に神さまクラスでも、迷うときは迷い……。
「お父様……ヒョッとしてコレお父様が封印した疑似世界に融合してるのではないのでしょうか?」
 と、亜真知とデルフェスが、迷わない様にしていた目印を見てがっくりする。
 その間に倒したミノタウロスの数36体、幽霊関係13体、幸いデーモンに遭わず。それでも普通は疲れます。
「わ、若いのには負けて……ふらふら〜」
 智恵美さん、歳にはかないません。
「だ、大丈夫ですか?」
 体力疲労していないのは、デルフェスさんぐらいであった。
「解析終了! 生命反応もわかったわ!」
 ドリルガールが皆に告げる。
「では、情報共有を……」
 ドリルガールの手を握る亜真知が理力で、皆に状況を伝えた。
「ふむふむ、此処から数キロでしょうか?」
 亜真知が呟く
「動いていますわ……何かに襲われて逃げているようですわ……」
 デルフェスも生命探知が働いたもよう。
 一方智恵美さんは……
「あー きもちいい……。でも急がないと」
 |Д゚) お客さん、こってますねー
「困った息子がいますからねぇ。あとで嬉璃ちゃんにお説教ですね……」
 再度作戦会議中に、小麦色にあんまして貰っている有様。

 そして、再び一行は、迷いながらも極力急いで雪野救出に向かうのだった。


3.発見! しかし!
「あと、100m! そのまま婦警さんが止まっています!」
 走る4人。
 因みに小麦色はドリルガールの服の中から顔を出して、亜真知の随行神を威嚇している。
 徐々に悲鳴が聞こえている。
「あの角を右に!!」
 そこで皆が見た物は……。

 2メートルはあろうかと言う巨体の牛頭人間を合気道で動かない様固めていたのだった。

 固まる4名+α。
 |Д゚) ←なーんも感じてないナマモノ

「きゃー! きゃー! なによこれー! もういい加減にして〜!」
 ゆきのん、バーサーク状態でミノタウロスを締め上げています。完全に決まっている。
「人間、キレると何かできるかわかりませんね」
 誰が言ったかわからないがそんな声がした。

「ぐおおお!」
 ただ、ミノタウロスと雪野の悲鳴、そしてミシミシと骨の音が迷宮に響いていた。


 と、雪野を無事発見し、なんとか彼女を落ち着かせること数分。
「えー! そ、そうだったのですか!? あ、ありがとうございます」
「はい、ご無事で良かったですわ」
 デルフェスがニコリと微笑む。
「では、一緒に帰りましょう。もう迷うことはないですし」
「は、はぁ」
 安堵したのか雪野は気を失ってしまう。
 |ДT)ノ ゆきのーん!
「あら、あらら」
 智恵美さんが、母親の様に彼女を支えた。
「では……かえりま……」
 ドリルガールが帰りの方向をみると、爆発音で驚く。
 壁は壊され、そこから現れたのは……。
 3対の腕に武器を持ったとヘビの胴体をもった女と、大型剣と無知をもった如何にも悪魔という出で立ちの存在が6体ほどやってきたのだ。
「お父様――!」
 亜真知さんとデルフェスさんその場にいない神に叫ぶ。
 流石に疲労、魔力消耗状態で、この数はキツい。いや普通死ねます。
「迷宮で死んで、ミノタウロスに喰われちゃうのっていやだー!」
 ドリルガール半ベソ。
 雪野の様に気を失っていた方が幸せだったかも知れない。

「ふふふふ……」
 あ、誰かキレた。
「嬉璃ちゃん……あとで覚えてナサイ」
 智恵美さんのご様子。
「エルハンドさんも、もう少し管理を……」
 そういって、雪野をデルフェスにたくし、オリジナルの結界術『七法結界陣』を亜真知とデルフェスに書けた。
「私一人でやります」
 キレたお母さんは怖いです。
「あ、あたしも、た、戦います! 正義の味方がボケッとしている訳にはいかない!」
 ドリルガールはドリルを構える。
 |Д゚)ノ ぉぅぃぇ〜 がんばーw
「いきますよ!!」
「はい!」
 二人が、デーモンに立ち向かっていった。
 亜真知のサポートがあるのだが、流石に疲弊しているので、苦戦する一行。デルフェスは換石の術で牽制と自らを盾にする。
 なんとか、徐々に敵の減らすのだが、ドリルガールは迷宮全体のスキャンなどでエンジェルフォームになれなく苦戦している。
「このー!」
 デーモンに攻撃するが全く歯が立たなく、殴られて吹き飛ばされた。
「きゃー!」
 |ДT) いやー!
 その時! ドリルにかわうそ?があたると、光沢のある茶色い光に包まれたドリルガール。
 その奇妙な光でデーモン達は怯む。
 光が収まった時、その場にいたのは………




 かわうそ? の着ぐるみになって茶色くなったロックドガントレットに固定された螺旋剣を持ったドリルガールだった
 |Д゚) どりるがーる かわうそ? ふぉーむ?
 着ぐるみが喋る。生きてます、この着ぐるみ。
「あの特撮の格好いいのが良かったよー! 金色の鎧の……」
 と、泣き崩れるドリルガール。
 デーモンも皆さんも完全に沈黙し、

 迷宮中が大爆笑の渦となった。

「か、かわいい!」
「ステキすぎますわ。なんて……」
「あら、あらら……」
「人間界にはこんな奇妙なのが!」
 もう、敵味方関係がない。
 恥ずかしさのあまり、ドリルガールは……
「わらわないでー!」
 と、泣き叫んで走って逃げてしまった。

 しかも、壁などすり抜け、遭遇したミノタウロスを蹴散らして……。

 |Д゚)ノ また、あやかし荘で〜

 何のために来たのかわからないわけでなく……、何故か、その穴が出口に直結していたのだった。
丁度人が通れるぐらい。
まだ、デーモンが笑い転げているうちに、一行は笑いながら彼女の後を追って、しっかりこの“世界”を閉じたのであった。



4.それから
 智恵美さんは、嬉璃に説教すると言うことで管理人室なので、エヴァの部屋でお茶会。
「かわいい!」
 エヴァがドリルガールK?フォームに抱きつく。
「アレから解けないのー」
 |Д゚) うひゃー
 実のところ、アレから1時間このままなのだ。
「かわうそ?クン……ヤッパリおかしいわ。でもかわいいですよ、ドリルガールさん」
 雪野が慰める。
「とんだ災難でしたですね」
「でも、何とか皆無事で良かったですわ」
「よかったー」
 亜真知、デルフェス、五月が口にする。
「なんとかしてよー」
 彼女は左手でお茶をのむ。
「皆さんご迷惑かけて済みません」
 しおしおと崩れる雪野。
「いえいえ、氷雨雪野様、コレも何かの縁、これから困ったことがあったら微力ながらお助け致します」
 デルフェスがニコリと笑う。
「はい、そうですね。美味しいお菓子とお茶、どうぞ」
「ありがとうございます」
 と、なんだかんだと、和気藹々なお茶会に。

 管理人室では嬉璃の断末魔が聞こえた。
 何故かは知る人だけで充分だろう。


End

■登場人物
【1593 榊船・亜真知 999 女 超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
【2066 銀野・らせん 16 女 ドリルガール】
【2181 鹿沼・デルフェス 463 女 アンティークショップの店員】
【2390 隠岐・智恵美 46 女 教会のシスター】


■ライター通信
 こんにちは、滝照です。
 『婦警さん迷子物語』に参加して頂きありがとうございます。
 皆さん色々活躍できているのか、満足して頂けるものなのか、不安です。
 |Д゚) ←コレが来たあたりでノベルの結果は支離滅裂に近いギャグになります。
 銀野らせんさん、暫く小麦色のまんまかもしれませんが別件では元に戻っていると思いますので、ご安心下さい(解き方が謎に)。

 では、また機会が有れば……

 滝照直樹拝