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<東京怪談・PCゲームノベル>


§この先どうしますか?

 黒い車が長谷神社に停まる。
「なにかしら?」
 長谷茜は、巫女服で庭を掃除しており、車を見て首を傾げている。
 リムジンではないが高級車なのは確かだ。
 黒い車から、黒スーツの女性2が降りてきて神社に入ってくる。
 茜が見たところでも、“出来る”人物だ。
「ごめんください。長谷茜さん、ですね?」
 女性が話しかけてくる。
「あ、はい」
 どこかで感じた雰囲気。
「宮小路綾霞様がお待ちしております。ついてきて下さいませんか?」
「え? ええっ!? あの人のお母さんが!?」
 驚く茜であった。


 遠くの方では
「物騒じゃのう」
|Д゚) まったくー
「いや、お前はいいから。一枚噛んでいるじゃろ?」
|Д゚) あ、バレた
 長谷平八郎とかわうそ?が呑気に会話していた。
 霊木と言えば、笑っている。



 巫女服姿では何なので、からかうオモチャ存在(?)から奪った、きちんとした服を来て、車に乗った。
「うう、いきなりだから緊張しちゃう」
 と、小声で呟く。
 茜の恋人は宮小路綾霞の息子である。
 つまり、玉の輿。
 しかしながら、まだ母親の方には報告してなかったと言う、失態である。
「うう、断られたらどうしよう」
 しおしお〜となる茜であった。


 車が宮小路家の大きな屋敷に入り(都心から離れているのかどうかさておき、庭にしても屋敷にしても大きい)、黒い服の女性に連れられる。
 そして、応接室。
 如何にもと言うばかりの豪華さで、別世界に来た感じの茜。そこで待っている女性が座っている。
 宮小路綾霞その人である。
「御免なさいね、いきなり来て貰って、宮小路綾霞よ」
「え、えっと、長谷茜です。お、お招き戴き……あ、あああ」
 冷静な綾霞と、緊張と恐怖(?)でどもってしまう茜。
「お座りなさい。話があります」
 綾霞は、ソファーに腰掛けるよう促す。

 緊張感が張りつめる中に二人がいる。
 綾霞が、テーブルに写真を並べる。
どこから手に入れたのかわからない綾霞の息子と茜のデート写真。
|Д゚) ←が一枚噛んでいるのはもろばれであるが、気にしない方向で。
 つまり、綾霞は今の息子の相手を調べる
 気迫のある声で、綾霞は聞いた。
「で、私と息子とはこの先どうするつもり?」
「あ、はい……え、えっと」
 紅茶を優雅に飲む綾霞に、しどろもどろの茜。

「とても優しくて、頼りになって、……えっと、その愛し合っています、はい」
 と、何とか赤面しながらも、しっかり言う茜。
 深呼吸し、気を引き締めて茜は綾霞を見る。
「私、色々迷惑かけましたが、えっと、彼はとても親身になってくれて、本当に愛してくれています。私が家出した時に助けてくれて……あの、そのあと……えっと」
 色々言いたいようだが、茜の顔は赤面して湯気が立っている。
 効果音では“ぼふっ”と言うものだ。
 しかし、最後に、
「報告遅れて済みませんでした。あの人と、一緒に道をすすんでいきたいと思います。その気持ちは変わりありません!」
 と、ある種の強さを持った目をして茜は口にだす。

 5秒が1時間ほどに思える。緊張感……。
「あははははははは」
「!? え? ええ?」
 大爆笑する綾霞に戸惑う茜。
「もう、昔の私達に似ているかも、あはははは」
「あの〜」
「いえ、そこまで真剣になるなんて。でも、安心したわ〜」
 あの、気迫さが無くなった綾霞は親しみやすさを出している。
「あの、それでは?」
「大丈夫よ、なにも責めたりはしません」
「ありがとうございます!」
 赤面して礼を言う茜。

|Д゚)ノ せんせー コレは逆だとおもいます! 綾霞の息子がへいはっちー(平八郎に)に言うべきかと思われます!
 と、次元の狭間で覗き見しているナマモノは言う(聞こえないけど)。

「『女性に対しいい人』止まりな息子の事で心配していたのよ。従妹と仲はよいけどね。これで安心だわ」
 綾霞が、本当に安堵していることがわかる。
「確かに、他の人にも優しいですね、妬いちゃうことはない程度ですが」
 緊張が解けたので、率直に感想を述べる茜。
「ふふふ、この先、息子がどの道を行こうとも大丈夫そうね」
 と、綾霞は微笑んだ。
 この言葉に茜はぱっと明るくなる。

|Д゚) 長谷家に婿養子? それとも茜が玉の輿? ←まだ覗いているナマモノ。

 そのあと、綾霞は茜のことを“茜ちゃん”、本来なら「義母さん」のところ茜は“綾霞さん”というようになるほど、意気投合して仲が良くなった。

「綾霞様、お話し中失礼します……」
 SPの女性が入ってくる。
「あの子は?」
「申し訳ありません、見失いました。流石に奥の手を使われると、GPSやネット関係では……」
 女性は謝る。
「困ったわねぇ。宮小路家の年末進行をすっぽかされるのは困るわ。ありがとう」
「そう言う時期ですか?」
「財閥も何かと忙しいのよ。表も裏もね」
 苦笑する綾霞。
「……」
 茜は考えている。
「あ、一寸済みません」
 バックからスケジュール帳を取り出して、
「この日が、デート……このままでは……」
「あら」
「え?」
 綾霞とSPが少しだけ驚く。
「約束は破ったこと無いですけど……この状況では……」
 茜はムムムと考え込む。
「わかりました」
 綾霞は、ニコリと(いや、ニヤリと)笑い、
「息子捜索は茜ちゃんに全権利を任せるわ。里美、優花、茜ちゃんの行動従いなさい」
 SPに命じた。
「わかりました。綾霞様」
 つまり、茜も立派な宮小路の御曹司君に首輪つけることが可能になったのである。


(゚Д゚) ←楽しそうな以下略。


「はい、任せて下さい!」
 茜は自身を持って返事した。
「では、予想ルートと、茜ちゃんは奥の手を使っても良いから、作戦を」
「はい♪」
 既に、母娘のようで親友のような感じで、放蕩息子捕獲作戦を話し始める二人だった。


 これは、オカルトアイドルSHIZUKUが大阪にロケに向かう一寸前の話である。
 

 二人に幸有らんことを……。


 End

■登場人物
【2335 宮小路・綾霞 43 女 財閥副総帥(陰陽師一族宗家当主)/主婦】

【NPC 長谷・茜 18 女 神聖都学園高等部・巫女(長谷家後継者)】
【NPC 長谷・平八郎 65 男 長谷神社宮司】
【NPC かわうそ? ? ? かわうそ?】

■|Д゚) ←かわうそ通信
|Д゚)ノ うぃー
|Д゚) 尻に敷かれるのね、息子♪
|Д゚)ノ 首輪と鎖、手綱とり、茜は巧いかも。
|Д゚) 旦~~ ま、不安解消おつ。

|Д゚)ノ でわまたー♪


かわうそ? & 滝照直樹拝