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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


小さなクリスマス

#01
●少年との出会い
 いつもその少年はその公園のベンチに座っていた。
 秋篠宮静奈(あきしのみや・しずな)はいつも学校帰りの途中、いつもその少年が座っているベンチを見てしまう習慣がついてしまうくらいいつもの事であった。
「また……、あの子あそこに座ってる。」
 いつもなんとなく気になりながらもその子がどうしたのか聞けないでいた静奈であった。
 そして雪のちらつき始めたとある日、寒そうにしているその少年に静奈は声をかけた。
「ねぇ、君どうしたの?いつもずっとそこに座ってるけど、誰かを待ってるの?」
 静奈はしゃがみこんで少年の顔を真正面から見るような姿でその少年に問う。
 少年はうつむいていた顔を少しだけ上げて静奈の視線を真正面から見据えて、静奈に答える。
「僕はクリスマスを待ってるんだ。」
「クリスマスを待っている?」
「うん。」
「もし良かったらお姉さんに話してもらえる?」
 静奈は少年の隣の開いてる場所に座りながら少年の『クリスマスを待っている』と言う言葉の意味を聞こうとした。
 隣に座った静奈の方をちらっと見たあと少年は冬らしい、遠い空を見上げながら静奈に答える。
「僕ね、いつもクリスマスがやってくるのを待っていたんだ。お母さんがきっと今年こそはパーティをやってくれるんじゃないか?ってみんなと一緒に楽しい時間がすごせるんじゃないか?って。僕はクリスマスはいつも独りぼっちだったから……。」
 少年の寂しそうなその言葉に静奈は思わずしばらくの間なにも言えなくなってしまった。
 そしてしばらくたってから静奈の口から言葉が漏れる。
「それじゃお姉ちゃん達と一緒にクリスマス、やろうか?記念に残るような楽しいやつを。」
 その静奈の誘いに少年は嬉しそうな声で答える。
「ほんと?本当に楽しいクリスマスが過ごせるの?」
「うん、ボク達と一緒に楽しいクリスマス過ごそうよ。」
「ほんとのほんとの本当?」
「ええ、ほんとのほんとの本当だよ。なんなら指切りしようか?」
「うん、それじゃ指きり
 静奈の言葉に少年は本当に嬉しそうな顔を顔一杯に浮かべ静奈と指切りをして約束を交わす。
「嘘つーいたーらはりせんぼーんのーますっと、指きった!僕は、幸也っていうんだ、お姉ちゃんは?」
「ボクは静奈、秋篠宮静奈。」
「それじゃ静奈おねえちゃん約束だよ?」
「ええ、約束ね。でもほんとのクリスマスは忙しいかもだから今度の週末で良いかな?」
「うん、ボクは全然かまわないよ。またここで待ってるから、絶対に約束だからね?」
 そう言って少年、幸也はベンチから降りると雑踏の中へと走って消えていった。
 そして静奈には一瞬幸也の後姿がぼやけた様に見えたが、気のせいだと思い直し今後のことを考え始めた。
「クリスマス、かぁ。ボク一人だけじゃ大変だから誰かに手伝ってもらおうかな?」
 そう言って静奈は歩き出し、草間興信所へと向かうのであった。

#02
●電話
 秋篠宮静奈(あきしのみや・しずな)が幸也と出合ったその晩、天薙撫子(あまなぎ・なでしこ)と連絡を取り合っていた。
 二人は秋篠神社での再会の後たまに連絡を取り合うようになっていた。
 ちょうどその日ちょっとした用事があり、撫子に静奈は電話をしていた。
 勉強机に座って伸びをしながら静奈は電話の子機を手に持って今日あった事を簡単に説明する。
「うん、それでさ僕はあまりクリスマスとかって詳しくないから撫子さんにもちょっと手伝ってもらえないかな?って思って。」
「そういう事なら是非にお手伝いさせてもらいますわ。」
「ありがとう、助かるよ。」
 二人はその後しばらく雑談をした後、『また今度』と再会を約して電話を切るのであった。

●興信所
 その翌日、静奈はクリスマスパーティについて話を聞こうと草間興信所へ顔を出す。
 更新所には草間兄妹の姿は無く、代わりにシュライン・エマとモーリス・ラジアルの姿があった。
「あ、今日は二人だけなの?珍しい取り合わせだね。」
 思わず静奈は普段二人だけであまりいる事の無いシュラインとモーリスを見て軽い驚きを隠せなかった。
「たまたま私はこちらの方に野暮用がありまして、静奈さんこそどうしたんですか?」
「あ、ううん、ボクもちょっと聞きたい事があってここなら誰かいるかな?と思ってきてみたんだけど……。」
 静奈はパーティショップに先に行ってみようと思って歩いてきていたが、気がついたら更新所の前に来てしまっていた事はおくびにも出さずにモーリスに答える。
「私達に聞きたい事?」
 シュラインがわざわざ改まって話そうとしている静奈に不思議そうに聞き返す。
「あ、うんちょっとクリスマスパーティについて聞きたくって……。」
「クリスマスパーティ?なんでそんな事を?」
 わざわざ改まってそんな事を聞きに来たのかと不思議そうにシュラインは聞き返す。
 静奈はシュラインとモーリスに昨日あった出来事を話して聞かせる
「なるほど、その子の為にクリスマスパーティを開いてあげたい、と。判りました、私も手伝いましょう。」
「そうね、そういう事なら私も協力させてもらうわね。」
 モーリスは即答でシュラインが少し考えた様子の後静奈に了承の意を伝える。
 だが静奈は気がついていなかった、モーリスの瞳がどこかおもちゃを与えられた子供の様なそれでいて邪な様な輝きを放っていた事に。
「それじゃボクはまだちょっと用事があるからそろそろ行くね。」
 しばらく談笑しながらクリスマスパーティについての話をしていたが、そう言って静奈は席を立つ。
「ええ、判りました。クリスマスパーティぜひ成功させましょうね。」
 モーリスがそう言って更新所出て行くを静奈を見送る。
 静奈が出て行った後シュラインも壁に掛けてあったコートを手に取り外に出る準備をする。
「ちょっと出かけてくるわ。モーリス、後はよろしくね。」
「どうしたんですか?そんな急に……。」
「ちょっとさっきの静奈ちゃんの話に引っかかる所があってね、少し調べ事よ。」
「そうですか、判りました。行ってらっしゃい。帰って来る頃には温かい珈琲でも煎れておきますよ」
「ありがとう、楽しみにしてるわ。」
 そう言葉を交わしてシュラインは更新所を出て行った。

●偶然
 海原みなも(うなばら・−)がそれに出会ったのはたまたまであった。
 いつもと違う道で帰ってみようと思い、たまたま静奈がなにやら手一杯の買い物と出会っただけであった。
「あら?静奈さんどうしたんですか?」
「あ、みなもさんお久しぶり。何ってボクは今パーティの準備中なんだよ。」
「パーティ、ですか?」
「うん、クリスマスパーティをね、ちょっと早いけど開こうと思って。」
「クリスマスパーティですか?本当にちょっと早いですね。」
「あ、そうだ、もし良かったらちょっとみなもさんにも手伝って欲しいんだけど……いいかな?」
「私でできる事であればお手伝いしますよ。」
「あ、ほんと?それじゃまずこの手に持ってる袋のどっちか持つの手伝って貰えるとうれしいな。」
「そんな事でしたら喜んで。」
 そう言って微笑んでみなもは静奈の手に持っている手提げを一つ手に取る。
 そしてみなもと静奈はゆっくりと歩き出し、道すがら静奈はみなもにパーティを開く事になった経緯を説明する。
「それじゃ私もそのパーティ行ってもいいかな?」
 ひとしきり経緯を聞いたみなもは静奈に提案する。
「うん、パーティは皆でやった方が楽しいし、僕は全然構わないよ。」
 みなもの提案を静奈は快く了承する。
「それじゃさっさとこれを運んで当日の準備に入ろうか。」
 そう言って静奈は少し歩くのを早め、みなももそれに続いていき、二人は街の雑踏の中に消えていった。

●パーティ
 そしてパーティを約束した当日、静奈モーリスに頼んで予約を入れて貰った小さな喫茶店に皆は集まっていた。
 シュラインだけが少し野暮用があるとの事で、到着するのが遅くなってしまったが、パーティの開始時までは何とか間に合っていた。
 みなもと撫子の頑張りがあって、喫茶店はターキーや色とりどりのサラダやシュラインが作ってきたキッシュなど様々な料理や部屋の中にはシュラインが作ったという小さなクリスマスツリー等の飾り付けでにぎわっていた。
 その中に普段あまりクリスマスには見ることが出来ない和食の類も多々見受けられた、他の誰でもない撫子の作ったものである。
「クリスマスって和食はちょっと違うとあたしは思うんだけどな。」
 みなもはついつい和食に拘った撫子に対してそんな事を言ってしまう。
「西洋のお祭りとはいっても、そこにいるのは同じ人です。その料理の種類ではなくその心持ちが重要だとわたくしは思います。」
 微笑みながらみなもにそう言う撫子にみなもは思わずバツの悪いことを言った、という表情になって撫子に謝る。
「確かにそうだね、西洋の事だからってその通りにしなくちゃいけないって事もないからね。」
「ええ、そうですよ。用はその人の心持ち次第です。」
 そこまで言って撫子は幸也のことを見て思わず心の中で呟く。
『この子にはお正月が来ないのかもしれないから、だから……。』
 そんな風にして皆で作り上げたパーティ会場はお金を掛け捲ったわけではないが、それでも皆で一生懸命趣向を凝らしたパーティ会場は、どんなにお金をかけただけの空々しいパーティ会場よりも暖かく贅沢なものであった。
 パーティ会場の様子に少年、幸也(ゆきや)は驚きを隠せないでいた。
「ねぇ、静奈おねえちゃん、本当に僕が参加していいの??」
 どこか不安げに幸也は静奈に問いかける。
「ええ、幸也君と一緒にみんなでクリスマスを楽しもうって事で開いたパーティだもの当たり前だよ。」
 その言葉にその場にいた面々が皆うなずく。
 それを見て幸也少年の表情がぱぁっと明るくなる。
「ありがとう。僕凄くうれしいよ。」
 幸也がそう言っているとモーリスがその場を仕切るかのように話し出す。
「それじゃ早速の料理も冷めてしまっては勿体無いですし、早速パーティを始めましょう。皆さんカップを手に取ってください。」
 そのモーリスの言葉で皆はそれぞれ自分達が自分の席の前にあるカップを手に取る。
 モーリスは皆がカップを手に取ったのを確認すると音頭を取った。

「メリークリスマス!!」

 モーリスのその言葉に皆が一斉に『メリークリスマス』を唱和する。
 そして少し早めのクリスマスパーティが始まった。

……
………
…………

 そしてパーティの盛り上がりもたけなわになった頃、モーリスの提案でクリスマスプレゼントを幸也に渡すことになった。
 皆がそれぞれ自分なりに考え、幸也に喜んでもらおうと思い持ってきたものばかりだった。
「私は医者をやっていまして、折角なのでこういうものを持ってきてみました。」
 そう言ってモーリスが幸也に渡したものはラッピングされた『お医者さんセット』であった。
「まったく、あなたらしいわね。」
「何を言うんですか、シュラインさんにはこれに詰まったロマンが判らないんですか?」
「はいはい。」
 モーリスのその言葉についついシュラインは苦笑してしまう。
 二人のそんな様子を見ながら撫子の持ってきた紙袋から出してきたプレゼントは自身の編んだ手編みのマフラーであった。
「ちょっと急いで作ったので、凝った物は作れなかったのですが……。」
 そう言って撫子が幸也の首にその綺麗な青い色のマフラーを巻いてあげる。
「やっぱり、この色が良くお似合いですね、静奈さんから話を聞いたときからきっとこの色が似合うと思ったので。」
「ありがとう、マフラーはあったかいし、玩具は……。」
 そこまで言うと幸也は思わず言葉が出てこなくなってしまう。
 けれどその場にいた人間には幸也が言葉などなくともどういう気持ちなのか、よく判っていた。
 そして話している皆の後ろから「カラン」という喫茶店の扉が開く音が聞こえてきた。
 そして聞きなれない二人の男女の声が皆の耳に入ってくる。
「本当にここなのか?」
「ええ、あなた、確かにあの手紙にはここの喫茶店だと……。」
 その言葉を聞いてシュラインが屈みこんで幸也と目を合わせる。
「お姉ちゃんからのプレゼントよ幸也君。多分貴方が一番欲しがっていたものを……。」
 そこまで言うとシュラインは幸也を声のした方へとゆっくりと連れて行った。

●来訪
 シュラインに連れられて幸也はやってきた男女の元へやってきた。
 やってきたのは三十台半ばであろうか、一組の夫婦であった。
 シュラインに連れられてやってきた幸也を見て、その夫婦は驚きの表情を隠せないでいた。
「あなた……、幸也が……幸也が……。」
 夫婦の女性の方が幸也の姿に気がつき思わず、震える声で男性に話しかける。
 その声を聞いて幸也がシュラインのそばを離れ、夫婦の元へと走っていった。
「お父さんお母さん!!」
 後からやってきた他の面々は幸也が二人の夫婦に向かって掛けていくところをを見た。
 そしてその夫婦に幸也は抱きしめられる。
「ただいま、お父さんお母さん。」
「お帰り、幸也……。」
 幸也の両親は、そう言って幸也のことを迎えた。
 そしてその言葉を聞いた幸也は一瞬嬉しそうに微笑むと光に包まれる。
 そして光に包まれた幸也は後ろにいるシュライン達の方を向く。
『ありがとう、とても楽しかった。僕の最後のクリスマス。』
 そしてその言葉を残して幸也は光の欠片となって消えていった。

……
………
…………

「あ……れ?幸也君どうしちゃったの?」
 しばらくしてみなもが幸也のことを探す。
「幸也君は行くべき所へ帰ったのですよ。そうですよね?」
 撫子がみなもにそう言うと夫婦に対して問いかける。
「ええ、そうだと……思います。この手紙はあなたが?」
 幸也の父親はそう言って懐から一つの封筒を取り出す。
「いえ、それはどうするか悩んだのですが、私が書いて届けました。やっぱり、私の考えは間違っていなかったのですね。」
 少し辛そうにシュラインが夫婦に問いかける。
「あの……何がどうなったのか、私にも説明をお願いできますか?」
 モーリスが夫婦とシュラインと撫子にそう話す。
「そうですね、ちゃんと皆さんにも話をした方が良いかとわたくしも思います。」
 撫子がそう言って、皆をテーブルに促した。

●幸也
 皆がテーブルについた頃、静奈が皆に珈琲を煎れて戻ってきた。
 皆の前に珈琲を配ると静奈も席につく。
「幸也君のご両親で間違い無いのですね?」
 シュラインが夫婦にそう問うと夫婦はその言葉を肯定する様にうなずく。
「ええ、そうです。幸也は私達の大切な一人息子『でした』……。」
 過去形で皆に幸也の父親が、皆に話す。
「やはり、そう言う事でしたか……。」
「ここからは辛いでしょうから、私が話しますわ。」
 シュライン達のやり取りを聞いて撫子は自分の考えがあっていた事を知り、シュラインは幸也の両親を思いはかって、代わりに説明を買って出る。
「私は静奈さんの話を聞いた後少し幸也君の事を調べさせていただいたのです。失礼かと思いましたが……。」
「ああ、それであの後興信所を出て行ったのですね。」
「ええ、そういう事よ。」
 モーリスがシュラインが静奈が帰った後どこかへ出かけた事を思い出す。
 その時シュラインが調べてきたことは昨年のクリスマス前の事であった。
 静奈が幸也とであったあの公園の近くで、一人の少年が交通事故にあっていた。
 その少年は、何年ぶりかに家族で楽しめるクリスマスが来ることに喜んでいたが、交差点で信号待ちしている時につこんで来た車に轢かれてこの世を去っていた事件の事であった。
「ええ、それが、私達の幸也でした。シュラインさんに聞くまで、ずっとあそこで幸也がクリスマスが来る事を待っていたなんて全然気がつかなくて……。」
 幸也の母親が涙の混じった声でそれが幸也であった事を肯定する。
「でも……きっと幸也君は幸せだったと思うよ。だって最後にお父さんお母さんに会えたんだもん……。」
 みなもが必死に涙をこらえながら、幸也の事を思う。
 たった一日の出会いであったが、彼の嬉しそうな笑顔は一生忘れないだろう。
「本当に皆さんには感謝しています。幸也に最後に楽しい思いでをくれて、最後が辛い思い出じゃなくて本当に良かった……。」
「そうだよね。幸也君はきっと幸せだったんだよね。お父さんお母さんにも会えたんだし……。」
 今までずっと黙っていた静奈はさっきまで幸也が座っていた椅子を見つめながらそっと呟く。
 しばらく無言の時間が続くが、幸也の両親はそっと席を立つ。
「それじゃ私達はこの辺で失礼させていただきますよ。少し用事もありますから……、幸也にちゃんとこの事を報告してきてあげないといけないですから。」
「もしお墓参りに行くというのであれば、連れて行っていただけませんか?」
 その父親の言葉にシュラインが同行を申し出る。
「ええ、それはもう喜んで。幸也もきっと喜ぶでしょう。」
 幸也の母親のその言葉にみなもと撫子も同行を申し出る。
「ボクはここのかたずけもあるし、残るよ。みんな幸也君の事よろしくね。」
「それじゃ私も残りますよ。一人でかたずけるのも大変でしょうから手伝います。」
 モーリスがそう名乗り出たときにシュラインはまたか、といった様子でモーリスを見るが何も言わなかった。
「それじゃ行きましょうか。」
 シュラインがそう皆を促して静奈とモーリスを残して一同は喫茶店を後にした。

●別離
 喫茶店を出た後、幸也の墓に向かう途中撫子にシュラインはそっと問いかける。
 「あなたも何かずっと感じていたのかしら?」
「ええ、あの子がひょっとしたらそうなんじゃないか?というのは感じていました。」
「そう……。」
「二人とも何を話してるんですか?」
 みなもがそう二人に不思議そうに話しかける。
「いいえ、なんでもないわ。幸也君が安らかに休めると良いわね、と話していたのよ。」
 シュラインはそうみなもにごまかす。
 こうなる事を予想していたとは言わない方が良いだろう、と心に秘めながら。
 そして幸也の墓の前についた一行は幸也のお墓に一人一人お参りをする。
「幸也、みんなが来てくれたわよ。私達はいつでも幸也の事を見守ってるからね。」
 手を合わせながらそう呟く母親の言葉を皆は同じように思っていた。

●クリスマス
 そして喫茶店に残った静奈とモーリスはかたずけを始める。
 しばらく二人で黙々と片づけをしていたが、幸也の座っていた椅子を片付けようと静奈が手をかけたときに急に静奈の瞳から涙がこぼれる。
「ボク……、全然幸也君の事想ってあげられなかった。どこかで気づいていた筈なのに……。」
 そんな静奈をモーリスはそっと肩に手を置く。
「大丈夫ですよ。静奈さんのそういう気持ちはちゃんと伝わりますから……。」
 モーリスはそう言うとそっと静奈に熊のぬいぐるみを手渡す。
「これは私からのクリスマスプレゼントです。静奈さんは泣いてるよりも笑っていた方が似合いますよ。折角のクリスマスパーティです、幸也君と楽しいパーティにすると約束したんでしょう?」
 そう言って差し出されたぬいぐるみを静奈はそっと手に取る。
「そうだね、泣いてちゃダメだよね。」
「そうですよ。折角のパーティなんですから。」
 モーリスの言葉に静奈はようやく微笑を取り戻す。
 そして静奈は、空にいる幸也に向かって笑顔で話しかける。

「メリークリスマス!!」

 ……と。


Fin

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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≪PC≫
■ 海原・みなも
整理番号:1252 性別:女 年齢:13
職業:中学生

■ モーリス・ラジアル
整理番号:2318 性別:男 年齢:527
職業:ガードナー・医師・調和者

■ 天薙・撫子
整理番号:0328 性別:女 年齢:18
職業:大学生(巫女):天位覚醒者

■ シュライン・エマ
整理番号:0086 性別:女 年齢:26
職業:翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員

≪NPC≫
■ 秋篠宮・静奈
職業:高校生兼巫女

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■         ライター通信          ■
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 どうも初めまして&こん○○わライターの藤杜錬です。
 この度は草間興信所の依頼『小さなクリスマス』への御参加ありがとうございました。
 皆さんのプレイングのお陰で幸也君は楽しいクリスマスを過ごせたようです。
 皆さんも楽しめていただけたら幸いです。

●海原みなも様
 いつも御参加ありがとうございます。
 今回はこのような結果になりましたけど如何だったでしょうか?

●モーリス・ラジアル様
 いつも御参加ありがとうございます。
 一番おいしい所を持っていけたかもしれません。
 如何だったでしょうか?
 
●天薙撫子様
 参拝日誌に続いての御参加ありがとうございます。
 今回はどちらかと言うと影から支える役になりましたが、如何だったでしょうか?

●シュライン・エマ様
 初めまして、ご参加ありがとうございます。
 シュラインさんの行動があってこのような結末を迎えることが出来ました。
 
 皆さんもよきクリスマスが過ごせるといいですね。
 それでは本当に御参加ありがとうございました。
 
2004.12.15.
Written by Ren Fujimori