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<東京怪談・PCゲームノベル>


【Bloody Town】〜学校編〜【前編】

 ☆イレイサー選択

  →亜矢坂9 すばる・・・攻撃
  →片桐 もな・・・守り


□■□■□■【Staet】■□■□■□


 亜矢坂9 すばるは、その日たまたま夢幻館の前を通りかかった。
 ヒラヒラと風に揺れる張り紙を見る・・。
 すばるはそれをピっと取ると、持ったまま夢幻館の中に入って行った。
 「あぁ、いらっしゃいませ・・すばるさん。本日は如何いたしましたか・・?」
 夢幻館の総支配人の沖坂奏都が人のよさそうな笑みを浮かべて穏やかに尋ねる。
 「うむ、この張り紙を見て来たのだである。」
 すばるは言いながら、張り紙を奏都についと差し出した。
 奏都はそれをしばし見つめた後で、いかにも今思い出しましたと言うような顔をして見せた。
 「それでは麗夜さんのところですね。こちらへ・・。」
 奏都がすばるを一つの豪華な扉の前に導く。
 扉はまるですばるの到着を心待ちにしていたとでも言うかのように、前に立った途端に内側に開いた。
 「麗夜さん。お客様です。張り紙を見てこられた・・。」
 ガタリと扉の奥で何かが倒れる音がして、一人の美少年が姿を現した。
 周りのものを閉口させてしまうくらいに整った容姿・・その少年がすばるを見るなりこれまた美しい声で言った。
 「・・・貴方様・・・誰ですか・・??」
 場が凍りつく。
 ・・・はずだが、そうはならなかった。
 「亜矢坂9 すばるなのである。」
 ビシリと敬礼よろしく手を額に当てるすばるを見て、奏都が小さく呟く。
 「・・尾崎紅葉でしょうか・・?」
 「うむ・・?おはぎ玉露がなんだ・・?」
 てんで的外れな回答をすると、すばるは少しだけ小首をかしげた。
 ・・小首を傾げたいのはこっちの方である。
 「それが普通なのですね・・。」
 奏都はそう言うと、ニッコリと微笑んだ。
 尾崎紅葉・・代表作は金色夜叉と多情多恨。
 言文一致運動の二葉亭四迷の“のだ”調と山田美妙の“です・ます”調、尾崎紅葉の“である”調は文学史でたびたび出てくる暗記必須用語だ。
 結局、尾崎紅葉の“である”調で落ち着いたのだが・・。
 “吾輩は猫である”の“である”だ。
 ・・まぁ、そんな事を知っている人はそれほどいない。挙句、すばるがこの経過を知って“である”と語尾につけているわけではない。
 「張り紙を見てこられた、亜矢坂9 すばるさんです。」
 奏都が微笑みながら麗夜にすばるを紹介する。
 かなり特殊な名前だが、生憎それを気にするような繊細な感性の持ち主はこの館にはいない。
 どんなに長い名前だろうが、どんなに特殊な名前だろうが、名前は名前なのだ。それで良いではないか。
 と、言うのがこの館に生きる者達の心持である。
 ようは、細かい事にはこだわってはいけないのだ。
 そう・・この館のおかしな造りとか・・。
 「あぁ!あの・・!・・・それで、どの張り紙ですか・・?」
 麗夜がボケる。この顔でこれが素だというのだから始末が悪い。
 「この張り紙だ。」
 すばるが麗夜の目の前にヒラヒラと紙を振る。
 「な・・っ・・これは・・!??」
 明らかなオーバーリアクションでの驚きとは違い、語尾は明らかに疑問符がついている。
 「すみません、麗夜さんは初めてのお客様には緊張してしまってボケっぷりが酷くなってしまう人なんです。」
 奏都がやんわりと補足をするが、そんな事を言われてもどうしようもない。
 が、すばるにどうにかしようと言う気持ちもない・・。
 ふっと、扉の中から小さな女の子が一人出てきた。
 麗夜の背後に近づき、ビシリと背中を叩く。
 小柄な少女は、麗夜と随分身長差がある・・。
 「麗夜ちゃん!いい加減にそのボケっぷりなおしてよねっ!」
 ツインテールをぶんぶんと振り回しながら、少女が叫ぶ。
 「あ、すばるさん。こちらはもなさんと言って、現実世界での案内役を・・・。」
 「あ〜っ!だれだれ!?お客さん!?」
 奏都の言葉を遮ると、もなが大きな瞳を輝かせてすばるの腕を取った。
 「あたしはもな!片桐もな!もなって呼んであなたは!?」
 「亜矢坂9 すばるなのだ。」
 「じゃぁ、すばるちゃんだね!」
 キラキラと満面の笑みでもながすばるに微笑みかける。
 「すばるちゃんは、今日はどうしたの?現実世界に行きたいの!?でも、今は現実世界が血に染まってるから・・。」
 「もなさん、すばるさんはその依頼できたのですよ。」
 「・・そうなの!?」
 「である。」
 「それじゃぁ、中に入って入って!ほらほら麗夜ちゃん、そんな所に突っ立ってないで、行くよっ!」
 もなが、麗夜の服の裾をつかみながらズルズルと扉の中に連れ込んだ。


 「それで、この依頼の事なのだが・・。」
 すばるは奏都ともな、そして麗夜と向かい合った。
 ソファーの間に挟まれている小さなテーブルには、奏都が淹れてきたダージリンティーが温かな湯気を立てている。
 「どうすれば良のである?」
 「とりあえず、麗夜さんの開く扉の中に入り、元凶を・・。」
 「で、おやつはいくらまでだ?」
 「え・・?」
 「おやつは、いくらまで持って行けるのであるか?」
 すばるが話の腰を折るかのごとく、光速でそう聞き返す。
 せめて音速ならば対処の仕様があったかもしれないが・・光速できかれてしまっては口を挟む暇もない。
 「えぇっと、おやつは・・。」
 「バナナはおやつに入るのか?」
 「えぇっと・・バナナは・・。」
 「すばるちゃん、すばるちゃん、あの町の中でのん気におやつ食べてる時間なんて無いから。」
 もなが、苦笑交じりにすばるにそう告げる。
 「そうか、そんなに忙しいのか。」
 「うん、もうサイッテーなくらい忙しいよ〜。」
 「それでもなさん、すばるさんにあの町の事を話していただけませんか?」
 「良いけど・・。まず、あの町全体が血塗られていたわ。人々の念が渦巻き、生ける屍が町を徘徊していた。本当、最低最悪だった。」
 もなの顔が僅かに歪む。
 それほどまでに酷い有様だったのだろうか・・?
 「未来を遠ざけるためには、一番念の強い所に行って元凶を倒せば良いのだけど・・今回は学校よ。」
 「・・学校ですか・・。」
 奏都が複雑な感情を含んだため息を漏らす。
 「厄介ですね・・。」
 「学校になにかあるのか・・?」
 「幼い子供の影や生ける屍・・ゾンビがいるかもしれません。実に厄介です。」
 確かに言われてみればそうだ・・。
 「・・あたしが見た限りではいなかったけれど・・・もしかしたら・・ね・・。」
 「それですばる様、一応二人一組で動いた方が何かと好都合です。夢幻館の中で俺以外でしたら誰でも連れて行けますが・・。」
 麗夜がよどみなくすばるに問いかける。
 ・・・ちゃんと話せるではないか。
 すばるは小さくため息を吐いた。
 そのため息は明らかに“つまらない”と言っているようだった。
 ・・つまるもつまらないも、麗夜にボケ続けられてはたまらない。
 ボケついでに現実世界に行ったのを忘れ去られ、扉を開けてくれなかった場合・・現実世界の中に隔離されてしまう・・。
 まぁ、そこまで行くとボケではなく痴呆の域に達してしまうが。
 すばるは目の前に座っているもなをチラリと見た。
 「もなと一緒に行くのである。」
 すばるの意見に、麗夜が頷く。
 ・・どっちもどっちでかなりキャラクター的に合っている。
 突込みがいない分、ボケっぱなしで大丈夫なのかと言う心配はあるが、過度のボケにいちいち突っ込みを入れる立場に立ってほしい。
 ここは、ボケボケコンビで良いではないか。
 東京の未来なんてどーにでもなれだ!
 「続けて行く事になるが・・。」
 「うん、あたしは平気!すばるちゃんと一緒だし、心強いよ!なら準備しなくちゃね!」
 もなはそう言うと、トテトテと走り去って行った。
 「それでは、攻撃か守りかをお選びください。」
 「攻撃か守り?」
 「はい。もし、罠があった場合・・攻撃がかかり、守りが解除するという仕組みです。全滅を防ぐための最良の手段です。・・罠がない事を祈りますが・・。」
 「すばるが攻撃、もなが守りなのだ。罠にかかるのは得意だ。」
 麗夜が頷く・・・。
 明らかにそこは頷いてはいけない気がするが・・哀しいかな、奏都ですらもそのボケには突っ込みをしてこない。
 そもそも奏都は突っ込み担当ではないのだ。突っ込めないと言うよりは、ボケに対して気づいていないと言っても良い。
 ・・突っ込み担当になるならば、致命的な欠陥だ・・。
 ふっと、麗夜が小さなネックレスを差し出した。
 淡い桃色に光る宝石がヘッドについている。
 「これは何なのだ・・?」
 「念を吸収する石です。攻撃をして倒した敵の魂・・念を吸い取り浄化します。」
 すばるは頷くと、首から提げた。
 提げついでに少し、首の締め付け具合も試してみる。
 「く・・苦しいのだ・・。」
 「・・当たり前ですっ・・。」
 奏都がワンテンポ遅れてから突っ込み、すばるの頭を軽く叩いた。
 「・・突っ込みは、もっと早く、テンポ良くやって欲しいのだ。」
 「・・・・・・精進します・・・。」
 なんの?
 その問いを、麗夜は必死に意識の奥に押し殺した。
 精進すると言ったら、精進するのだ。そこに突っ込むのは、野暮と言うものではないだろうか・・?
 「えぇっとですね・・ゾンビは物理攻撃しか効きません・・その反面、影は物理攻撃が効かず特殊能力のみでしか攻撃できません。」
 すばるはそれを聞くと、持ち物をゴソゴソと確認し始めた。
 無論すばるは手ぶらだ。
 それでは何をゴソゴソしているかと言うと・・自分だ。
 自分に搭載されているあるとあらゆる武器を確認しているのだ。
 まずは制服。
 学園制服光エネルギー仕様、特殊な太陽エネルギー生成繊維の制服だ。
 背中に装着されているのはロケットパック。小型ロケットエンジン搭載の滑空用主翼だ。
 お次に取り出したのはローラーレッグ。足から車輪がせり出し、高機動戦闘が可能になるという優れものだ。
 多連装式誘導弾発射装置、ミサイルポッド。身体に内蔵した無数の誘導弾を発射する。ちなみに今回はおまけ付だ。
 ちびっ子に大人気の収束ビームアイ。眼部から精密照射可能な怪光線を発する事が可能だ。
 今回はパーツにも力を入れました。
 ドリルハンドは格闘戦、穴掘り、射出も可能な定番パーツだ!
 アームハンマーはドリルハンド同じく、格闘戦、打砕、射出も可能な鉄球。有線誘導式だ!
 確率改変リサーチャーは状況変化のための最短行動を計算するプログラムだ!
 そして極めつけは・・。

 「自爆装置も搭載なのだ。」

 「・・ダメじゃないですか・・。」
 すばるが次々と取り出す、なんと言うか・・戦争でもしに行くかのような装備を前に、奏都の突込みが普段よりも1,5倍くらい遅れる。
 突っ込みは切れとテンポが大切だ。
 それを無視するかのように遅い突込みでは、ボケになってしまう。
 「おっしゃぁ〜!すばるちゃん支度でっきたぁ〜!?」
 もなが勢い良く部屋の中に入ってくると、すばるをマジマジと見つめた。
 「やるじゃ〜ん。って事は、あたしが守りで良いんだよね?」
 「・・・はい。今回はすばるさんが攻撃という事で・・。」
 「わかった。それじゃぁツインで行くね!」
 「・・ツインとな・・?」
 すばるが眉根を寄せてもなの顔を見た。
 もなが笑顔で髪の毛をクイクイと指差す。
 ・・どうやらツインテールの事らしい・・。
 「もなさんは髪を解くと人格が変わるんです。」
 「うむ、それも人それぞれの個人的考えで、男女差別がなくて良い。」
 すばるが納得顔で頷くが、その呟きの意味は不明だ。
 「それじゃぁ、あたしは今回ロケットランチャー持って行くの止める!あれ重いしね〜。」
 「自爆があるから大丈夫だ。」
 すばるがポムポムともなの肩を叩いて頷く。
 自爆・・ダメジャン。
 そんな突っ込みは生憎起こらない。
 夢幻館での突っ込み人数はごく少数だ。そして・・この場に真の突っ込みは・・いない。
 奏都は1日1回突込みが出来るか出来ないかの人だ。その貴重な突っ込みは、もうすでに使い切ってしまっている。それどころかマイナスだ・・。
 「レッツラゴーで・・行くのだ。」
 「ラッジャー!麗夜ちゃん、あっけて〜!」
 もなが片手を勢い良く空に突き上げ、麗夜をせかす。
 部屋の奥、入ってきた扉とはまた違った感じの扉がデンと構えている。
 豪華な装飾だけれども、どこか懐かしい感じがする。
 「それでは、御武運を。」
 「もな様、危険になったらすぐにお呼び下さいね・・。」
 「オーケー!」
 奏都がそっと手を組み祈り、麗夜が微笑む。
 開かれた扉の向こうは光り輝いていた。
 その光がすばるともなを包み込み・・引き入れた・・・。


□■□【First Stage】□■□


 ゆっくりと目を開く・・そこは“東京”の町並みだった。
 立ち並ぶビル、雑多な町並み・・けれどその全てが色褪せくたびれている。
 「ここから2ブロック先を右に曲がって、3ブロック行って左に曲がる。すると目の前に学校が見えてくるから・・そこに入って。」
 一度入った事のあるもなが、的確に指示を飛ばす。
 「分ったのである。」
 すばるは素直に頷くとドリルハンドを装着した。
 凄い腐臭が漂っている。
 視界の端にはチラチラと蠢くものも見える。
 「一応説明するけど、なんかドロってなってるのがゾンビで、黒っぽくボンヤリ見えるのが影だよ・・。」
 「うむ。」
 すばるは頷くと、すっと走り出した。
 足元はモチロン、ローラーレッグだ。
 1ブロックを過ぎ、2ブロック目に差し掛かった時・・左の路地から3体の人影が現れた。
 凄い腐臭と粘液が落ちる音をさせながら近づいてくる、世にも恐ろしい形相の・・ゾンビ・・。
 「じば・・!」
 「それはまだダメ!」
 すばるが高らかに自爆を宣言しようとするのを、もなが止める。
 ボケ担当ながらも、もなには一応の危機意識があるようだ・・。
 すばるはミサイルポッドでゾンビ達を撃ちまくる。
 踊り揺れるゾンビ達は、すばるの攻撃終了と共に地に崩れ落ちた。
 「やっる〜・・って・・!!」
 喜びのあまりすばるに飛びついたもなが、顔に縦三本線を走らせる。
 向こうからは数え切れないほどのゾンビたちが大集合してきている。
 ・・何のミーティングがあるのかは知らないが、いくらなんでも来すぎだ。
 新春バーゲンセール、人気ブランド福袋売り場よりも酷い。
 「すばるちゃん、学校に避難しよう!!」
 「こんな時こそじば・・」
 「ダメだったら!!」
 もながすばるの首根っこをつかんで走り出す。
 右に曲がり、走る。
 ゾンビ達がなにやら奇声を発しながらこちらに走り寄ってくる。
 そのスピードは、おかしい位に速い。
 走る・・2ブロックを過ぎようかとした時、直ぐ横にあった電柱から黒い影が現れた。
 人の形をしたそれは、口の所だけ赤い・・。
 「すばるちゃん、影だよ!!」
 すばるはコクリと頷くと、眼からビームを発射した。
 ・・物理攻撃とは程遠い攻撃なので、影は一瞬にして消滅する。
 物凄いレーザー音が、影の断末魔をかき消す。
 「それにしてもここはサファリパーク、賑やかだな。」
 「・・そうだね、・・これが、そう遠くない東京の現実世界かと思うと吐き気がしてくるよね。」
 もながすばるの言葉を受けて頷き、すばるがもなの言葉を受けて頷く。
 ハタから見ればまったくもってキャッチボールの出来ていない会話だが、2人の中では確実にキャッチボールになっているのだ。
 コレを真似できる者は・・そう多くはないだろう・・。
 3ブロック目を、左に曲がる。
 見えた・・。
 少し先に学校の正門らしきものが見える。
 「すばるちゃん、あそこよ!」
 「分ったのだ!」
 直ぐ背後に、ゾンビ達の気配・・。
 低いうめき声を出しながらワラワラとこちらに走り寄ってくる様は、さながら映画のようだった。
 すばるは速度を速めた。もなもそれに続く・・。
 「すばるちゃん、学校に着いたら直ぐに正門を閉めるから・・!」
 もなが叫ぶ。
 すばるは頷くと、間近に迫ってきた学校の中に滑り込んだ・・。
 もなが直ぐに正門に駆け寄り、小さな身体で門を閉じていく。
 その隙間から、こちらになだれ込んできた3体のゾンビ。
 今度はアームハンマーの出番だ。
 ボカボカとゾンビ達を叩きのめして行く。
 ・・すばるの見かけ上、何故だかその攻撃がかわいらしく見えるのは・・・あえて言わないでおく。
 「すばるちゃん!開いたよ!!」
 もながすばるに呼びかける。
 すばるは迫り来るゾンビの腕をするりと抜けると、もなが開いた扉の中に滑り込んだ。
 内側から鍵をかけ、更に近くにあった机を2人で移動させ扉に立てかけた。
 簡単だがバリケードが作られる。
 低いうめき声を上げながら、ゾンビがガラス戸を叩く。・・強化硝子だ、それくらいでは割れない。
 ドロリとした緑色の粘液が、窓ガラスに付着して滑り落ちる。
 「さて・・と、学校の中に来れたのは良いけど・・あたし達が出られなくなっちゃったね〜。」
 「・・学校の中からって事であるか?」
 「学校の中からもそうだけど・・こっから。」
 「ここから・・?」
 「そう。この町から・・。麗夜ちゃんとか、美麗ちゃんが開く扉って結構繊細で・・こう言う危ない所では開かないんだ。」
 「つまり、扉がここにはこれない・・いこーる、ここから出られないって事であるか?」
 「あったりぃ〜☆しかも、ゾンビって生きてる人間の側に集まるの。だから、あたし達が学校の中をうろうろしている間に外にヤツラは集結する。」
 「完全に包囲されたのであるか・・?」
 「そうゆー事。ま、麗夜ちゃんを呼べば来てくれるだろうし・・夢幻館のヤツラって、結構お人好しが多いから。」
 もなはそう言うと、ニッコリと微笑んだ。
 「突き放す割りに、突き放せないんだよね〜。」
 「うむ。優しさはいっぱい半分なのだ。」
 「そう。だから、麗夜ちゃんを呼べば助けに来てくれるだろうし・・最悪、奏都ちゃんを呼べば・・。」
 もなの表情が急に真剣なものになる。
 瞳の輝き方が明らかに違う・・。
 「まぁ、奏都ちゃんを呼ぶのも、麗夜ちゃんを呼ぶのも・・他に手がなくなったときにしよーね。」
 「最終手段はじば・・。」
 「もう良いってば・・。」
 諦めがちに突っ込むもな。
 小さくぶちぶちと、あたしはボケ担当なのに〜と文句を言う。
 それにしても・・・。
 奏都を呼ぶ事に・・何か不都合があるのだろうか・・?
 夢幻館でいつもにこやかに迎えてくれる細身の青年。
 銀色の髪と、青い瞳・・高い身長、細い体つき・・。
 別段変わった所はない。
 ゾンビが窓ガラスを叩く。
 叩かれる窓ガラスの先、段々とその数が増えてきているのがわかる・・。
 「門もドアも窓も、その場しのぎにしかならないから・・早い所元凶を倒してここから出よ。」
 「・・うむ・・。」
 すばるは頷くと、薄暗い学校の奥へと歩を進めた。
 背後から響く低いうめき声と、中に入れてほしそうに叩く硝子の音が学校内に木霊する・・・。
 

□■□【Second Stage】□■□


 電気の点っていない校舎内は薄暗く、太陽に嫌われたこの町からは光が入ってこない。
 時折何処かから水が落ちる音だけが小さく木霊する。
 耳を澄ませれば低いうめき声が聞こえてきそうなほど静かだ。
 「なぁ〜んか、やたらめったら静かねぇ〜。あたしが来た時はもっとこう・・グワァっとなってたはずなんだけどなぁ・・。」
 「グワぁっとか・・?何故だ?」
 「そりゃぁもう、ここを支配しているヤツが何か考えてるに決まってるわよ。」
 「ここを支配しているヤツ・・?」
 「うん・・なんて言ったら良いのかな・・。渦巻く念の親って言えば良い?東京の未来をコレにしたいやつがココにいるって事よ。」
 「そうか・・。」
 「・・ねぇすばるちゃん。もし途中でそれが誰だか気づいても・・・奏都ちゃんには言わないでね。まだ、麗夜ちゃんも気付いてないから。」
 「うむ?」
 「・・・もし、もしもよ・・。大切な誰かが敵だった場合、すばるちゃんはどう思う?」
 真剣な瞳がすばるを貫く。
 大切な誰かが敵・・その場合、一体どう思うのだろうか・・。
 それよりも、もなは一体何が“見えて”いるのだろうか。
 奏都とここの親になにか因縁でもあるのだろうか・・?
 その親が、奏都の大切な人なのだろうか?
 「・・・それでもね、東京を巻き込むわけにはいかないの。あたしは・・。」
 もなが俯く。
 「もな・・?」
 「あたし達が出来る事は、東京の未来を守ることだもの・・。」
 「うむ。東京を守り、親と話をする。それで万事解決なのだ!」
 すばるが片手を高らかに上げて宣言する。
 もなも小さく微笑む・・。
 すばるはその時、その笑顔の意味を理解する事ができなかった。
 諦めにも似た、それでいて決心を滲ませた・・苦しそうな笑み・・。

 
 「それじゃぁ、まずは何処から入ろうか?」
 もなが右側にずらりと並ぶ教室を指差しながら言った。
 手前から3-5、3-4、3-3、3-2、3-1と教室が並び、廊下の突き当りには科学室とかかれたプレートがぶら下がっている部屋がある。
 3-4と3-3の間には上に続く階段が見える。
 「でも・・とりあえず、1階から見た方が良いかもね。また戻ってくるのもアレだし・・。」
 「うむ、では手前から・・。」
 「おーけぇー!!
 もなが勢い良く言って3-5の扉に手をかけた・・それを左側へスライドさせようとするものの・・開かない・・。
 「ここは、この収束ビームアイで・・。」
 「なるべく、温厚な路線で行こ〜!」
 「仕方ない・・。」
 すばるがもなと場所を代わり、扉に手をかけた時・・スっと扉がスライドした。
 「小指一本、力無用である。」
 「え〜・・あたしがやった時は全然開かなかったのにぃ〜。ズッルーイ。」
 ぶーぶーと文句を言うもなを無視して、すばるは1歩その中に足を踏み入れた。
 途端に何かに服の裾を掴まれたと思うと、一気に部屋の中央まで引きずり込まれた。
 「すばるちゃ・・!!」
 慌てて入って来ようとするもなの手前で、扉はピタリと閉まった。
 その直後に、硝子が割れる音・・。
 あのガラス窓を破ってゾンビ達が入ってきたのだ!!
 しまった。すばるは直ぐに扉に向かおうとしたが、服の裾を引っ張られて、その場で豪快に転んだ。
 服の裾を見てみる・・そこには色の悪い手・・。
 そして、我に返ってみて分る・・酷い腐臭。
 異様に手が伸びたゾンビが2体。それと、狼のような影・・その口元は真っ赤だ。
 3対1だ。
 すばるは直ぐに眼に集中した。
 早い所片付けてもなの所に戻らないと・・!!
 もなはそれほど装備をきちんとして来たわけではない。学校の前に集結したゾンビ達を相手に1人で戦うのは無理だ。
 すばるはすっと敵を一瞥した。
 光り輝く死への絨毯と共に・・。
 黒い影が、鋭い叫びと共に無にかえる。
 動き出した彼らを身軽に避け、更に敵を見つめる。。
 BGMは祝福のメロディー・・結婚式のサウンドだ。
 カレラに続くのは白の光線・・その先に待っているのは結婚相手ではなく安息と言う名の無。
 低い叫びを上げながら、1体が無にかえる。
 すばるはもう1体にも瞳を向けた。
 その生涯を閉じるのは、すばるの光。
 ドサリと、身体を折り、地面に倒れこむ。
 緑色の血を床に流し、とっくの昔に事切れながらも動いていた瞳が、閉じる。
 もう二度と望まない生を得ない事を祈って・・。
 すばるは耳を澄ませた。
 教室のドアからはバンバンとリズミカルな音が響く。
 ・・この教室は既に包囲されているらしい・・。
 もなは確か小さな銃を持っていた・・その音が響かないと言うことは、2つに1つだ。
 その場から脱出したか・・もしくは・・床に倒れているか・・。
 前者である事を祈りたい。
 「さて・・もなをどうするか・・。」
 すばるはグルリと教室内を見渡した。
 ここから出られる場所は・・ドアと窓と・・見渡していたすばるの耳に、硝子の割れる音と、ドサリと何か重たいものが落ちる音が聞こえてきた。
 咄嗟にそちらを振り向く。
 「もな・・!?」
 「いったたた・・失敗失敗・・。」
 硝子のちりばめられた床の上で、もなが涙目になりながらお尻をさすっている。
 すばるは近づいてその腕を取ると、硝子の上から助け出した。
 念のためどこかを切ったりしていないか確認する。
 「あ〜良かった、すばるちゃん無事だったね。」
 「そっちこそ、無事だったのだな・・。」
 チラリと視線を扉に注ぐ。
 蠢く影はゆらりと頼りなさげだ。
 「うん、直ぐに上に上がったから大丈夫だったよ。それよりも・・。」
 もなは床に倒れるゾンビ達を一瞥した後に、すばるの手をとった。
 「直ぐに上に行こう。もうすぐでここの元凶に会える。」
 「・・どういうであるか?」
 「ヤツラは上に上がって来れない。・・怖がってるの。」
 「怖がってる・・?」
 「そう。怖がってる。本能のみに支配される中、それでも本能で怖がる・・それほどまでに、力が強いの。」
 「・・もな・・?」
 「行こう、上へ・・。」
 もなはすばるの手を取ると、窓ごしに垂れ下がっている白い紐をつかんだ。
 上の階のカーテンだろうか・・?
 もながカーテンをスイスイと上っていった。
 前髪を揺らす程度の風が、カーテンをはためかせ、嫌がるように身体をねじる。
 すばるはもなが完全に上ったのを確認した後で、背中に意識を集中した。
 ロケットバッグ・・フワリと身体が浮いた後、すぐに上の階の窓に着地する。
 そこは、下と同じような教室だった。
 ただ違う事は・・そこにいた人物だった。
 黒い靄のようなものを全身に巻きつけながら、優雅に佇む人物。
 もながすばるの前に片手を出し、庇う様に前に立つ。
 すばるも知っている顔・・。
 「なんで・・なんでっ!」
 もなが叫ぶ。
 すばるが、思わずその名前を呟いた・・。


□■□【Final Stage】□■□


 「奏都・・?」
 小さく呟いたつもりが、事のほか大きな音となって耳に伝わる。
 目の前にいる人物は、確かにすばるの知っている奏都そのものだった。
 銀色の髪も、細い身体も・・ただ、瞳だけが違う。
 左が青、で右が金・・。
 金色の瞳が怪しく光り輝くオッドアイ。
 「違うよすばるちゃん。奏都ちゃんじゃない・・。」
 もなの絞り出すような声に、カレがピクリと反応した。
 ゆっくりとした動きでもなとすばるを交互に見つめると、フワリと軽やかに微笑んだ。
 その笑顔ですらも、奏都そのもの・・。
 「こんにちわ、キミ達は奏都を知っているの?」
 もなの肩が震える。
 すばるがとりあえずコクコクと頷く。
 「俺の名前は沖坂 奏芽(おきさか かなめ)。奏都と双子の兄弟なんだ。」
 双子・・。
 だからこんなにも似ているのだ・・。
 「奏都は兄弟がいたのであるか・・?」
 「そう“いた”んだよ。すばるちゃん。奏都ちゃんの双子の弟、奏芽ちゃん。」
 「いた・・?」
 「“いた”んだよ・・・。すばるちゃん・・。」
 もながイヤイヤをするように首を振る。
 髪の毛が大きく左右に揺れ動き、甘い香りを撒き散らす。
 「あれ?その顔・・もなじゃないか〜。なんだよ、言ってくれれば良かったのに〜!あぁ、少し見ないうちに大きくなったね?」
 「近づかないで!!!」
 1歩こちら側に歩み寄ろうとした奏芽の動きを制するように、もなが声を上げた。
 ピタリと奏芽の足が止まる。
 「奏都ちゃんには弟が“いた”んだよ、すばるちゃん。・・この意味が、分る・・?」
 もなの背中を見ながら、すばるはその言葉の意味を探った。
 いた・・いた・・。それは過去の言葉。
 それでは今は・・?
 「いた・・とは・・。」
 「この世界に来れるのは、もう亡くなった人か・・麗夜ちゃんの扉から入ってきた人しかいないんだよ。」
 言葉が冷たく刺さる。
 だから・・奏都の兄弟の事を聞かないのだ。
 誰も故人の話をしないから・・。
 「すばるちゃん。あたし達の出来る事は、東京の未来を守る事だけ。」
 もなが自嘲気味に微笑む。そして、諦めにも似た言葉を吐き出す・・。
 「コイツが親なんだよ、すばるちゃん。」
 『なぜ・・?』
 湧き上がるその疑問を口に出せないまま、心の中で何でも呟く。
 なぜ・・?
 「奏芽ちゃんは、あたしと同じ。この世界の案内人兼ボディーガード。仕事中の不幸な事故で亡くなったの・・。」
 「不幸な事故・・で、片付けるんだな、もなも、麗夜も、奏都も・・。」
 「あれは、仕方が・・!!」
 「東京の未来はいつも変化するものだ!危険な未来にならないように管理するのも夢幻館の仕事だ!」
 奏芽の声に力が増す。
 それに共鳴するかのように、身体の周りを取り巻く黒い影も濃さを増す・・。
 奏都とは違う、感情の起伏。
 真っ直ぐにぶつかってくる心を受け止める術が分らずに、すばるはただその顔をじっと見つめた。
 「あぁ、十分分ってたさ。けどな、あの時俺を置いて行ったのはお前らだ!不幸な事故だと・・?あれはただ見殺しにしただけじゃないか!」
 「ちが・・!!」
 もなが奏芽の方に走り寄ろうとした時・・その身体が右に飛ばされた。
 積み重なった机の上で、もながぐったりと力なく身体を横たえる。
 気を失ってしまったのだ・・!
 すばるが慌てて走り寄ろうとした時、その足元に黒い影が飛んでくるのを見た。
 思わず飛び退く・・。
 「ギリギリ回避である・・。」
 「なぁ、アンタ・・名前なんて言うんだ?」
 奏芽の表情が禍々しく歪む。
 その右手はもなを狙っている・・。名前を言わなければ、もながどうなるのか分らない。
 「亜矢坂9 すばるである・・。」
 「・・微妙な名前だな・・。」
 自分だって微妙な名前なのに、大きなお世話だ。
 「なぁすばる、お前は仲間が危険に陥った時、助けるよな?今みたいに・・。それが“仲間”としての普通の選択だよなぁ?」
 禍々しい微笑み・・。
 そこに隙はない。
 「さっき、もなは俺が死んでるって言ったよな?・・もし、俺がまだ生きてるとしたら、どうする・・?」
 「理解不能である・・。」
 「この世界には、死んだ人間か麗夜の扉を通ってきた人間しか来れねぇ。俺は、麗夜の扉を通ってこっちに来たんだからな・・!」
 奏芽はそう言うと、もなから狙いをはずした。
 黒い靄が奏芽の全身を取り巻き・・そして、ふっと消え去った。
 すばるは靄の残像がなくなるまで見つめた後で、慌ててもなへ駆け寄った。
 「もな、大丈夫であるか!?もな!?」
 「う・・、大丈夫・・。ちょっと息が詰まっただけだから。」
 もなは胸を押さえていた手をはずすと、大きく息を吐いた。
 苦しそうに数度呼吸をした後で、小さな微笑をこぼす。
 「ありがとう、大丈夫だよ!あたしはこの通り元気っ!さ、それよりも奏芽ちゃんを追おう!それでぇ、とっとと奏芽ちゃんを倒しちゃって、夢幻館でお茶しよっ!」
 「もな・・?」
 「何処にいるのかは分かってるから!きっと屋上だよ!ね?行こう?」
 すばるは何も言わずにもなの頭をポムポムと叩いた。
 小さな頭・・。
 「すばるちゃん・・?」
 すばるは何も言わなかった。
 もなの瞳からとめどなく溢れる涙を、黙って受け止める。
 微笑みながら流す涙ほど、心を打つものはない。
 必死に明るく振舞おうとする中で・・思わず零れ落ちる涙を止める術はない・・。
 「そうだよ、すばるちゃん・・。奏芽ちゃんをこの世界に閉じ込めたのはあたし達・・。奏芽ちゃんが死んでないのは分る。けど、奏芽ちゃんは・・。」
 もながそっと微笑む。
 「奏芽ちゃんは、闇が晴れない限り戻って来れない。・・でも、奏芽ちゃんの闇を消せる者は、いないの・・。あたしも、奏都ちゃんも、麗夜ちゃんも・・。」
 窓から湿った風が吹き込んでくる。
 生臭い匂い・・血の匂い・・。
 「ここまで闇が酷くなると、もう手段は一つしかなくなるの・・奇跡でも起きない限り。」
 「どうして奏芽はあんな風にになったのであるか・・・?」
 「東京を守るために、奏芽ちゃんを犠牲にしたって言えば聞こえは良いのかも知れない。けど、そんなんじゃないの。ただ、保身のため。」
 もなが俯く。
 思い出すのですらも苦い過去なのかもしれない。
 それを聞くのは・・今でなくても良い。今は、この世界を遠ざける事だけ。
 「もな、屋上へレッツラゴーである!」
 「うん。」
 もなが顔を上げ、すばるがその手を引いた。
 教室の扉を開け、廊下に出る。・・本当にカレラはいない。
 繋いだ手を放さずに、すばるともなは階段の前で立ち止まった。
 「大丈夫であるか・・?」
 「うん。」
 明るく微笑むもなの、手が震えている。それを、気付かないふりをして。歩き出す。
 「奇跡を信じられないほど、絶望したわけじゃないの。でもね、奇跡を待てるほど時間は無いの。」
 小さく呟くもなの声。手に力を入れる・・。
 1段、また1段と上がっていくうちに、空気が重くなってきているのをすばるは感じた。
 威圧的で強大な力。
 息苦しいまでに、色濃く渦巻く殺意・・。
 また1段上った時、急に視界が白く光り輝いた。
 足元から湧き上がる光に、もなが小さく驚きの声を上げる。
 「これ・・!!夢幻館への・・!!」
 「そうだよ、キミ達には一回帰ってもらう。それで・・気が変わる事を祈るよ。」
 すばるは声のした方に顔を向けた。
 階段の一番上、屋上へと続くドアの前で奏芽が腕組みをしながらその様子をじっと見つめている。
 「こんな事したって、あたし達はすぐに来るわ!時間の無駄じゃない!」
 「・・そうでもないさ。俺も休憩が出来るし、キミ達も休憩が出来る。」
 白い光が視界を遮るように強く輝く・・。
 「さよなら・・。」
 奏芽の呟きを、最後に2人は光に包まれた。
 ・・すばるの目にはしっかりと見えていた。
 奏芽の最後の表情が。・・あれは・・悲しみ・・??


 目を開けたそこは夢幻館だった。
 現実と夢、夢と現実、そして現実と現実が交錯する館。
 「すばるちゃん・・麗夜ちゃんと、奏都ちゃんには、奏芽ちゃんに会ったことは言わないで・・。お願い・・!」
 パタパタと数人の足音が聞こえてくる。
 すばるはあまりに必死な様子のもなに、ただ頷いてあげる事しか出来なかった・・。

    〈Bloody Town 学校編 前編 END〉


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 ■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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 【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

  2748/亜矢坂9 すばる/女性/1歳/日本国文武火学省特務機関特命生徒

  NPC/片桐 もな/女性/16歳/現実世界の案内人兼ガンナー

  NPC/夢宮 麗夜/男性/18歳/現実への扉を開く者
  NPC/沖坂 奏都/男性/23歳/夢幻館の支配人 

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 ■         ライター通信          ■
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  初めまして、この度はご参加ありがとう御座います!
  ライターの宮瀬です。
  Bloody Town〜学校編〜【前編】は如何でしたでしょうか?
  もなとすばる様のナイスコンビネーション(?)をとても楽しく執筆いたしました。
  後編では奏芽との対決がメインになりそうです。
  それと、昔あった夢幻館での“事故”の事も・・・。
  もし宜しければ後編にもご参加ください。

  それでは、またどこかでお逢いしました時はよろしくお願いいたします。