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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


■(オープニング) (有)フレンドラインエージェンシー


木枯らしが、痛い。
草間武彦は、髭の辺りを撫でながら、事務所までの道を戻っていた。
やはり、外出直前に髭なんか剃るものじゃない。この時期は寒風が剃り後に染みるのだ。
しかも、・・・こういうときに限って懐も寒い。せめて煙草銭くらいは何とかしないと、煙が切れたら息の根が止まってしまう。自分にとって煙草は呼吸補助装置みたいなものだ。くわえてないと息もまともに吸えない。
思いながら扉までたどりつく。そうして、気づく。
「・・・・・・・・・・・・・・」
変な、チラシが刺さっている。
扉の隙間、その間に、薄緑色の。
気の無い顔で草間はそのチラシを開く。印刷が粗悪なのか、インクが滲んでいる。
その内容を、ぼんやりと眺めやって。
しばし考える。
・・・確かに、金は無い。
チラシには書いてある。2時間で1万円。そこそこ割は良い。そこらで猫探しなんか依頼されるよりはマシそうだ。そんなに時間も拘束されない。
「・・・・・・・・・・・」
考える口元から、ほろりと灰が落ちて。
それは、こんな内容だった。

『急募:結婚式の代理出席者 

(有)フレンドラインエージェンシーでは、
次の日曜日に結婚式に代理出席していただける方を募集します
親族・友人どちらの役も問いません。
新郎新婦の関係者として、席に着いていただければ結構です。
また、年齢・性別等も特に制限ございません。
(歌・踊りなど、一芸ある方優遇)
仕事は簡単です。奮ってご応募ください。

時給  一万円/2時間
連絡先 090-XXXX-XXXX




■出発前に。


「何を着て、行こうかな。」
海原みなもは。
母親の姿見の前で、もう長いこと考え込んでいた。
中学生なのだし、制服で行っても全く問題ないのだけれど。
「始めてだもんね、結婚式行くの・・・。」
本当は、始めてじゃない。
小さい頃、親戚の結婚式に行った事が、あるらしい。写真も残っているけれど、良く覚えていない。
お祝いはどうするのだろうと考えて、みなもは小さく笑った。これはバイトなのだ。本当に招かれたのとは違う。でも。
「ドレス綺麗だろうな、すっごく楽しみ。・・」
にこにこと。
嬉しそうに、みなもはありたっけの服を引っ張り出した。
そうして、向こう側であきれて見ている母親に、声をかけた。
「ねえ、お父さんとお母さんの結婚式って、どんなだった?」
そう問うと。
「何を馬鹿な事言ってるの。」
母親の、朗らかな笑い声が返って来た。



■花嫁現わる!?



「ああ、遅くなった。」
翌週の、日曜日。午後の陽光が少し傾きかけた頃。
到着したそのホテルのロビーに、最後に到着した松浦・大史(まつうら・ひろし)は、慌ててそこに待つものに声をかけた。
「フレンドラインのバイトで来てる人達って、どこにいます?」
ロビーで大声をあげる。あちこちに散らばっていた者のうちから、何人かが顔をあげ、こちらに近づいて来る。「フレンドラインエージェンシーから来た松浦大史っていうんだけど、よろしく。あ、俺もバイトなんだけどさ。」
名簿と赤ボールペンを手にすると、松浦は全員の顔を見遣る。それから、へら、と気の抜けた笑みを見せた。
「悪いけど、名前言って貰える?あ、あと自己紹介とか。チェックするんで。」
ええと、と譲り合うようにお互いに目線があって。
仕方なく、男が口を切った。
「草間、武彦。」
「あ、父親役?」
「・・・俺を幾つだと思って話しているんだ?」
まあ何でもいいやと、適当に相槌されて武彦は息をついた。
「マリオン・バーガンディ(まりおん・ばーがんでぃ)です、初めまして。」
人懐こい笑みを浮かべて、マリオンは名を告げる。つられたように松浦も笑う。
「短い時間だけど、今日は宜しく。英国紳士君」
英国紳士、と鸚鵡返しに聞いて、マリオンは笑った。どうやら、自分のこの格好の事らしい。シルクハットやステッキが、そう見えるのだろう。
「宜しくお願いお願いしますね。・・・面白くなる事を願ってます。」
「面白いって・・」
武彦が、小さく突っ込みを入れた。
それから。
「シュライン・エマ(しゅらいん・えま)。・・・宜しく。」
黒に胡蝶の振袖を纏って、シュラインが名を名乗った。
その手を松浦が取る。憮然とした面持ちで、シュラインは松浦を見返す。
「・・・なに?」
「・・・仲良くしてください、素敵なお姉さん。青い目がとっても美しいです。」
振り切るように、武彦がシュラインの手を引いた。無表情のまま、シュラインは松浦を見、それからゆっくりと武彦を眺めやった。
その様を見遣って、取り繕うようにあわててみなもが自己紹介をした。
「海原・みなも(うなばら・みなも)です。ええと、13歳です。」
「中学生?可愛いね、肌真っ白だし。」
松浦が言うと、みなもは困ったように笑いかけた。それから、助けを求めるように、まだ名を告げていない振袖姿の、恐らく自分より年上の少女を見遣る。
「藤菜・水女(ふじな・みずめ)と申します。」
「あ、よろしく。こっちも可愛いね。可愛い子ばっかり。ラッキー。」
どうも、この松浦と言う方、要らぬ一言が多いようです。
みなもと同じくあいまいに笑いながら、水女はそう思った。髪と同色の晴れ着が、ホテルの柔らかい光に映える。
「ええーと。」
ぽりぽりと頭をかいて、松浦は全員を見遣った。
「今日の役回りなんだけど、みなもちゃんが新婦の後輩、水女さんとバーガンディさんが新婦の友人、・・・シュラインさんと草間さんは、もう友人夫婦って事でいいや。いいよな。皆一緒のテーブルがいいしね。」
「え、夫婦なの?」
シュラインが問い返す。
「駄目かな、」
「・・・そんな事は無いけれど、」
武彦と目を合わせて、シュラインは少しだけ見つめあう。困ったように、武彦が肩をすくめて見せた。
「じゃあ決定。皆さん、今日は一つ宜しく。」
簡単に挨拶すると、松浦が離れていこうとする。割といい加減な性格らしい。
「あの、出来れば、」
みなもは、その背中に慌てて声をかけた。
「何?」
「新郎新婦のお二人に、お話をお伺いしたいのですけれど。」
何も知らずに式場に入るのは、さすがに少し躊躇われる。
「・・・それもそうね。」
シュラインが同意する。頷く彼女に、みなもは微笑み返した。
「花嫁さんの綺麗な姿、見たいですし。」
「それもそうか、じゃあ、」
名簿をポケットに押し込むと。
松浦は全員を伴って、新郎新婦の控え室に向かった。



「井筒様 八島様 ご両家様控え室」
そんな札のささったその部屋のドアを、開け。
全員で部屋へと入る。
控え室に、一人ぽつんと腰掛ける白タキシードの男。年齢は23〜4と言ったところか。
更に何故か、その正面の椅子に純白の美しいウェディングドレスだけが、不自然な姿で置き去られている。不自然というのは、・・・何というか、布団から抜け出した時に、人の形がそのまま残ることがあるだろう、それに似ている。袖や裾が、そこからすっぽり花嫁だけ抜け落ちたように、ふくらみを保ったままなのだ。
・・・奇妙だ。
不意に入ってきた人影に、男は驚いて立ち上がった。慌てて、松浦が用件を口にする。
「式の出席、頼まれて来たんだけど。」
近づきながら、フレンドラインエージェンシーに届いた依頼FAXをひらひらと振ってみせる。ああ、と息を吐くようにそう声にして、男は安心したように笑みを向けた。
「・・・貴方が今回の花婿さん?」
綺麗な切れ長の目元を少しだけ不審に歪め、シュラインは男に声をかけた。それから、もう一度部屋を探るように周囲を見回す。やはり、本当に誰もいない。
こういう場合、新郎新婦は親兄弟や親族に取り囲まれているのが普通だ。それなのに、男は一人きりなのだ。花嫁すら、姿が無い。
「尋ねて、良いですか?」
好奇心に駆られて口を開いたのは、マリオンだった。何が起こったのか、聞きたくてうずうずしていたのだ。
「ええ、」
「一体、・・・何故こんな事になっちゃったんですか。」
そう言うと。
井筒は、ぺたんと椅子に座り込んだ。溜息と苦笑いの後、皆の顔をちらりと見遣り。
「・・・実は、こういう理由なんです。」
口にしたのは、こんな話だった。
井筒義文は、一代で会社を興した男を、父に持つ。小さな薬問屋だった家業を、国内でも名の知れた製薬会社にまで育てた彼の父親は、会社起業と同じ労力を注いで、早くに死別した妻に代わって、立派に一人息子を育て上げた。妻がいない事もあり、男ばかりのこの家に嫁が来る日が来たら、きっと大事にしようと決めていた。それがどんな女性であっても、息子が選らんだ人間なら間違いないと喜べる自信もあった。だから、・・・息子が結婚したいと言い出した時、相手がどんな人物かも知らずに、大喜びで親族に話し、式場の予約まで取り付けてしまったのだ。ところが。
「・・・彼女の事を話した途端、父は突然猛反発したんです。」
一転して。
父親はその八島唯との結婚に反対し、親族に断りの電話を入れた挙句に折角取った式場の予約まで取り消してしまう。元来一人で会社を起こしただけの事はあって、少々ワンマンな処がある父親ではあった。それでも今までは父子折り合いをつけて家も仕事もこなしてきたが、今回ばかりは息子・義文も折れる訳にいかなかった。父親の所業に激怒した結果、なんとしてでも結婚式を執り行おうと意地になってしまったのだ。
「それで、・・・今回の式になったと?」
「ええ・・。」
何しろ、急に決めた式だから、知人に出欠を取る余裕すら無かった。しかも父親に猛反対されている手前、親族も参加出来ない事になり。その上、彼女には身寄りが無かった。両親共に他界していたし、友達もごく少ないときていた。
「お父さん、酷いです。」
水女が、息をつきながら呟いた。
生を受けてすぐ殺されかけた過去を持つ水女にとって、他人の事ながら身内との確執は胸にこたえる。しかも晴れの席でこうあっては、花嫁も辛いだろうと、そう思うとやりきれなかった。
どうして、仲良く出来ないのだろう。
「で、仕方なく、皆さんにお願いする事にしたんです。」
なんとしてでも、式を成功させなければならなかった。
勝手に式を予約し、勝手に式を解約した父親へのあてつけもあった。同時に、祝福されない結婚に対する、彼女の悲しみを少しでも和らげたかった。
「・・・事情は、なんとなく飲み込めましたけど。」
怪訝そうな面持ちで、みなもが問う。
「その、・・・肝心の、花嫁さんはどちらにいらっしゃるんでしょう。」
あるのは、ドレスだけ。
花嫁の姿は、どこにも見当たらない。
その言葉に。
「・・・・え、」
「何、どうなって・・・」
ウェディング、ドレスが。
さら、と音を立てた。それから。
「・・・なんで、ドレスが起き上がって・・・・」
ゆらゆらと純白のレースを揺らしながら、ドレスが立ち上がった。
立ち上がったドレスがゆっくりと前に、折れて、・・・まるで、お辞儀するように・・・。
義文が、苦笑いする。
「・・・います、ここに、彼女。」
どこかから、声が、した。気弱そうな、おとなしそうな、・・・小さな声。
「初めまして、・・・ご挨拶するタイミングを失ってしまったのですけれど・・・」
「これ、って・・・」
シュラインが、息を呑んで。
花嫁は。
透明人間、だったのだ。



■お酌は巡る、よどみなく


そんな、訳で。
とにもかくにも、結婚式は、始まった。
タキシード姿の新郎と、純白のウェディングドレス・・・もといドレス姿の新婦とが、厳かに入場する。
とはいっても、ドレスと新郎の入場に見えるから、奇妙なことこの上ない。
新郎の叔父という男が乾杯の音頭を取り、新郎側の友人が挨拶を始める。誰もが微妙な顔つきだった。もしかすると、この人たちもみな代理なのかもしれない。
挨拶が一通り終わった頃、みなもはビール瓶をもって立ち上がった。
アルバイトなんだし、頑張らなくちゃ。
うん、と一人頷いて、みなもはビールを手に歩き出した。
さっき新郎側の挨拶をした中年の男が、料理を口に頬張っている。あそこから回ろう。
そのテーブルに近づいて、みなもは小さく会釈した。
「こんにちは、ええと、本日はおめでとうございます。」
ビールを差し出すと、男は笑った。グラスにビールを注ぐ。零さないように気をつけながらグラスを満たすと、ほっとしたようにみなもは笑った。
「ありがとう。」
男は言った。それから耳元で、小さく囁きかける。
「君達も、本当は代理なんだろ?」
「え・・・」
あいまいに笑い返して、みなもは男を見る。君たちも、っていうということは、この人達もそうなのだ。多分。「だよなあ、幾らなんでも透明人間の友達なんか、来ないよなあ。」
勝手に納得すると、男が言った。
「あの新郎も変わってるよな、見えもしない女と、結婚しようってんだから。」
「そんな事、無いです。」
かすかな声で、でもはっきりと。
みなもはそう言い切ると、男の顔を小さくにらみ付けた。
「きっと、そんな事無いです。義文さんと唯さんとは、絶対お似合いです。」
だって。
義文さんは、唯さんの人となりを好きになったんだと思う。姿かたちは分からなくても、唯さんは優しくて、とても魅力的な人なのだ。だから、そんな唯さんを義文さんは好きになった筈。だから、結婚しようって思った筈。顔かたちで選んだ訳じゃなくて、心で選んだ。・・・そのほうが、顔が綺麗な事よりも、ずっとずっと素敵だと思う。
にらみ付けるみなもに、気圧されるように。
目線を外すと、男が小声で言い捨てる。
「・・・君も、変わった子だよな。友達でも無いのに。」
「そんな事、ありません。」
きっぱり、そう口にする。
「たとえ今日始めて会ったんだとしても、・・・私達、お友達ですから。」



■酒宴も巡る、とめどなく。


「では次は、友人代表の、藤菜、水女さんです。」
自分の番が、来た。水女そう思いながら、席を立ち移動した。
少し膝を折って、開いた扇を下向きに翳す。目線は扇より右向き、少し顎を引いて。
金子銀子取り混ぜた屏風の前で、曲にあわせてゆるりと立ち上がる。腰を溜めてゆっくりと腕を伸ばし、軸をずらさずに綺麗に回す。背後の光に、朱の袖がひらりと舞った。おお、と客席からどよめきが上がった。
だが。
(・・・間違って、しまいました・・・。)
うっすらと美しい微笑を浮かべたまま、心の内で水女は呟いた。
焦りが顔に出なくて良かった。笑顔を崩さずに水女は思う。バイトでの修行の賜物が、こんな形で生きるとは。最初の一動作、それがすっぽり抜け落ちている。結果として、数拍、動きがずれたのだ。
(・・・どうしましょう、もう一度やり直すって訳にもいかないし・・)
難し目の曲を選んだのが失敗だった。変拍子の曲なものだから、ずれた分のリズムを合わせるのが酷く難しい。だからといって、リズムを合わせようと止まってしまえば間違ったのがばれる。
(・・・ええい、このまま何とか押し切ってしまいましょう・・。)
ふわり、ふわり、扇が空を切る。その深紫に光が溜まると、朱の晴れ着に黒蝶の舞い飛ぶ姿にも見えた。
「なんて、きれい・・・」
ほう、とみなもが溜息をついた。
その声に顔を向け、それからまじまじとシュラインは水女の舞へ目を向けた。
「・・・少し、リズムがおかしい気がするわね・・・」
それから、・・・眉をひそめて、そう呟く。
「そうですか?綺麗だし、すごく上手に思えますけど・・・」
きょとんと、大きな目を向けてみなもがシュラインを見返した。それに微笑み返すと、シュラインはワインに口をつける。
「気のせいかも知れないわ。それより、彼女の舞と料理を楽しみましょう。」
「はい、そうしましょう。」
にっこりと微笑み返しながら、みなもは小作りに品良く盛られた料理にナイフを入れる。比較的女性向な料理なのか、野菜が多く添えられているのもみなもには好ましかった。お肉やお魚より、野菜の方が好きだ。寒い季節は、ほくほく暖かい温野野菜だと、嬉しい。
みなもから視線を外し、シュラインは水女を見遣る。そうしてふっと笑う。・・・やっぱり、間違っている。
その瞬間、・・・水女と目が合って。
(・・・ああ、・・・もしかして、シュラインさんにはばれてしまったのでは・・・)
舞を止めるわけにも行かず、心の底で水女は溜息をついた。
(何とかして、ごまかす方法はないものでしょうか・・・)
ごまかす、と言ったところで。
舞っている途中に出来る事といったら、・・・そうして、間違いなんかかき消してしまう程インパクトのある事と言ったら、・・・一体何があるというのだろう。
(・・・・あ、)
ふと思いついたその案に、水女は勝負をかけてみることにした。
これなら、お祝いの席にも相応しい。皆が驚くのも間違いないし。
緩く柔らかく視線を投げると、水女は新郎新婦の二人を見た。
「・・お二人に龍神のご加護を、」
声が、二人に届いたかどうかは分からない。
しゃんとひとつ足で拍を刻み、それを合図に水女は扇を高く掲げた。
タイミングを合わせたように。
「お、おお!?」
「何、何これ?」
あちこちの出席者から声が上がる。
「まあ、」
みなもも、声をあげた。
「これは・・・」
シュラインの目も、・・・自分のグラスに吸い寄せられる。
・・・グラスのワインが、くるくると渦巻いて。
その渦がひらりとグラスの上に舞い上がると、ごく小さな龍の姿をかたどった。赤ワインの色がテーブルの蝋燭に透けて、ゆらゆらと幻想的な影を描き出す。
「可愛い、オレンジの龍さんです。」
みなものはしゃいだ声に、シュラインが目を向けた。
みなものグラスの上には、小さなオレンジ色の龍が踊っている。オレンジジュースを飲んでいたからだ。みなもがそっと指を出すと、挨拶するように、ちょんと鼻先をみなもの指先に触れさせた。
「・・・水の力を司る者同士だからでしょうか、・・・なんだか親しい気がします。」
龍と目を合わせて、にっこりと笑う。
つられたように、シュラインもにっこりと微笑んだ。
とりどりの色の水龍は、曲に合わせて空で舞い踊った。ひらひらと鱗の一枚一枚に、蝋燭だの天井の明かりだのが翻る。さながら小さなプリズムのようだった。
驚きと簡単の溜息が、一頻り静まって。
間を一つ取ると、水女は深く息を吐いた。
音も立てずに。
水龍達は、おのおのグラスの元へと戻った。元の飲み物が、グラスにはあるだけだった。
また、出席者から声があがった。その客席と新郎新婦に向かって、水女はゆっくりとお辞儀をした。
割れんばかりの拍手に、水女はほっと安堵の息をついた。



■花嫁、不在?


事件は、起こった。
丁度、マリオンの手品が始まった時だった。
「・・・今日は、本当におめでとうございます。」
いかにもそれらしく恭しいお辞儀をすると、マリオンは被っていたシルクハットを取った。くるりと回して中を確認させると、わざと真剣な顔を作って、胸のハンカチーフをシルクハットに被せる。ステッキでとんとんと叩くと、中から鳩が飛び出した。
「すごいですわ、」
水女が目を丸くした。みなもも、その横で拍手する。
出した鳩にちゅ、と口付けをすると、マリオンは鳩をハットに戻した。このまま出しっぱなしにする訳にもいかない。またもやチーフで上を覆って、ステッキでとんとんと上から小突く。
「はい、今度は消してみました!」
ハットを皆にかざすと、感嘆の声が上がった。
が、すぐに人々の視線が、背後に向いた。
「・・・?」
怪訝そうにマリオンも振り返る。何故か慌てて、新郎義文が控え室に消えてゆく。
ふと、司会者がマリオンの側に近寄って来た。場つなぎのために、少し長くやってもらえないかという話だった。
「・・・構いませんけど、」
言うと、司会者がすみませんと詫びる。
続けるのは構わない。ただ、・・・何が起こったのかが気になる。
思いながら、マリオンは武彦の背後に立った。にっこりと微笑みかけると、武彦が嫌な顔をした。
「・・・なんだ、」
「いえ、お手伝いいただけたらな、と思って。」
「・・・断る。」
「あ、でも、もう手伝ってもらっちゃってます。・・・ポケットに手を入れて貰えますか?」
マリオンの言葉に、怪訝そうに武彦がポケットに手を入れた。・・・触れたものに、怪訝な顔が溜息に変わった。
「・・・いつの間に、こんな・・・・。」
するり、と、武彦が引き出したのは。
手品といえばこれ、と誰もが思い浮かべる品物だった。
「さっき、ちょっと仕込ませて貰いました。」
微笑みながら、武彦が先端だけ引き出したものを受け取る。ぐいと引っ張れば、・・・それはどこまでも続く万国旗だった。その引っ張り出したとりどりの国旗を、ぐるぐるぐると武彦にまきつける。憮然とした武彦に、皆がどうと笑い転げた。
「あ、なんかお祭りぽくて素敵です、草間さん。」
悪びれずに微笑むと、ぐるぐる巻きのまま武彦がマリオンを見遣った。
「・・・あのな・・・。」
「すみません、時間引き伸ばせって言われてるから、もうちょっと手伝って下さいね。」
当然・・・わざとだ。別に引き伸ばされ無くても、草間武彦から旗が出るのは決まっていたし。
マリオンが襟足に手を突っ込む。引っ張り出したのはお決まりの花束。しかも次から次へと出てくる。拍手が起こった。マリオンは可愛らしくお辞儀した。
しかし、
マリオンが武彦の襟から万国旗だのカードだの花だのを取り出してまで間をもたせたのに、二人が出てこないのだ。
それでも戻ってこないものだから、さすがにみんな不安になった。
「・・・ちょっと、行ってみましょうか。」
巻きつけた万国旗を、回収しながら。
マリオンが言った台詞に、全員が頷いた。



さて。
向かった先は、先ほど新郎新婦と面会した、控え室。そこでは。
「結局、本当に祝福して欲しい人は、来て下さらないもの。」
新婦が、泣いていた。
それを新郎が、おろおろとなだめていた。
「出席者の方も、誰一人本当の知り合いはいないのよ、」
「そんな事を言うものじゃないよ、」
「でも、でも、・・・どうしたって、お父さんは来て下さらないんでしょう、」
涙声だった。
花嫁が泣くのはうれし泣きと決まっているのに、こういう涙は少し辛い。
それを見て。
マリオンは、ふうと溜息をついた。
折角面白いかもと思って参加したのに、湿っぽくなるのは嫌だ。何より、折角だから幸せになって貰いたいし。だから。
「・・・僕が連絡するよ。」
おせっかいかもしれないけどね。小さく苦笑しながら、マリオンは武彦にそう告げた。
「連絡って、」
「『ここ』にいなくても、テレビ電話で会話する事くらいはできるでしょう。」
そう言って、ちょいちょいと松浦を呼び出す。近づいた松浦に、こう告げた。
「式場に、スクリーンあるでしょう。一番後ろの壁のところ。」
「あるよ。新郎新婦の馴れ初めとかビデオで流す為の、でっかいやつ。」
それに、携帯のテレビ電話つけて見てください。映りますから。」
レンズつき携帯を松浦に手渡す。なるほど、と松浦が口にした。
「・・・確かに、テレビ電話なら会話可能よね・・。」
言いながら、シュラインは思案を巡らせた。テレビ電話で会話できると言っても、唯が映らないのは同じだ。・・・なんとかならないものか。
「ねえ、水女さん。」
シュラインが、水女を見遣る。
「さっきの水芸、あれでこんなものを作れないかしら。」
手で、作ってもらいたいものをかたちどる。それから、自分の思いついた案を、話し始めた。
ううん、と小さく唸って、水女は顎に手を添え、考え込んだ。
「出来なくはないと思いますわ・・・、でも、沢山の水を同時に操らなくてはなりませんから、わたくし一人で上手に出来るでしょうか・・。」
少しだけ不安そうに、水女が言った。
「あっ、あの、」
その袖を、みなもが引く。
「あの、あたしも、水芸っていうか、・・・水を操れます。」
「みなもちゃんも?」
「ええ、あの、・・・こんなふうに、手品、みたいなものですけど・・・」」
たた、とみなもは控え室の外へと走り出る。戻ってきた時には、手に小さなコップを手にしていた。
コップの水を、少しだけ手の内にたらす。しゅうと煙るような音を立て、水はそのまま霧状に変化した。
「あ、すごい。」
水女が口に出すと、みなもは恥ずかしそうに俯いた。
「・・・では、二人でお願いするわ。」
「ええ、分かりました。」
「はい、頑張ります。」
「あ、それから、」
マリオンの方を向いて、シュラインが時計を指差し、時間を告げる。分かったというように、マリオンは首肯した。
「じゃあ、ちょっと連絡してきます。」
そそくさと。
マリオンは、控え室の義文に走り寄る。連絡先を聞こうというのだろうか。
その姿を見送って。
他の全員は頭をつき合わせて、ひそひそと打ち合わせを始めたのだった。



■そして、花嫁現わる


「・・・次は、」
全員、式場内に戻って。
いつの間にか、松浦がスクリーンの端に携帯を繋いだことなど、誰一人気付く由無く。。
なんとか戻ってきた新郎新婦を前に、式は淡々と進んで行った。
新婦が沈んでいるものだから、盛り上がりには今ひとつ欠ける。見えなくても、感情は伝播するようだった。
でも、もしかすると。
この雰囲気を払拭する機会を、全員息を詰めて待つ。
そうして。
「・・・友人代表として、シュライン・エマ様が一曲披露されます。」
その瞬間が、来た。
司会の言葉に合わせて、シュラインは立ち上がった。式場端のマイクを手に取る。本当はマイクなしでも歌えたが、・・・後の事を考えたら、最初は少し音をセーブしたほうが良い。
シュラインは、マイクを手に立つ位置を確認する。前過ぎてもいけないし、下がりすぎても不味い。
それから、少し息を吸い込んで。
「・・・・・・」
発した音に、ほうと武彦が息をついた。上手い。上手いと言うより、上質だ。
「大したもんだよな、」
松浦が、ささやきかけるのに、頷き返し。
でも本当は、こんなものじゃない。・・・そのうち分かる。
歌が始まった途端、皆は移動を開始した。
水女とみなもは、新郎新婦の横側に歩み寄る。武彦と松浦が、出入り口側に移動する。
マリオンは、・・・先ほどからずっといなかった。新郎の父を説得すべく、姿を消したままだからだ。
時間は合わせてあるが、・・・果たして間に合うか。
「・・・・」
ごくんと息を飲み込んだのは、みなもだった。
その横で、小さく、水女は自らの護り神へ加護を願う。どうかうまくいきますよう。
「いきます。」
すう、と息を吸う。緊張したように、みなもが頷き返す。目で合図を送った。武彦と松浦が、ばたんと式場のドアを開けた。
ざあ、と。
ばけつの水をひっくり返したような大量の水が飛び込んでくる。
水女は息を詰めた。集中を切らさないこと。床や壁も、濡らさないよう。
水はそのまま、新郎新婦の前に四角いスクリーンのように広がった。
そのスクリーンの端に、みなもは走り寄った。しゃがみこむと、水の壁の右端に手をかける。手に触れた水に強く意識を集めると、まるでガラスのように、水の壁が研ぎ澄まされる。
幾ら水女が水を操る能力があるといっても、大量の水を空中に安定して置くのは、酷く集中力がいる。
みなもの方は、通常、触れていない水を上手に操ることが出来ない。
だから二人で話して決めたのだ。
水女は水の壁を作る事だけに、集中する。
みなもはその宙に浮いた水の分子を、沈めて安定させる。
力が上手に噛み合って、今目の前に水のガラスが出現した訳だ。
それを見計らって。
シュラインが、マイクを置いた。
同時に発したその声に、出席者は目を剥いた。
それは、今まで歌っていたものとは全く別の歌だった。いや曲は同じなのだが、そうして今までも十分すばらしかったのだが、そんなレベルではなかったのだ。
迫力も、音域も、響きも。
今まで聞いていたのは、シュラインにとってはほんの咳払いほどの口ずさみに過ぎなかったのだと、皆思い知った。強いビブラートを伴って、シュラインは無息で旋律を奏でる。アルトからソプラノにかかる中間の音、どこまでも伸びやかで響きの良い声が、会場の端から端まで広がって。
すう、と、一瞬シュラインが息を吸い込み。
その声を放った瞬間、出席者は我が目を疑った。
「ああ!?」
思わず、松浦が声をあげた。
どういった、仕組みなのだろう。
水女とみなもが作った水の壁に、像が映し出されている。・・・新郎と、・・・新婦の、像が。
新婦は、長い髪をまっすぐ垂らしたままだった。切りそろえた前髪の下に、二重のアーモンド形の目が見え隠れしていた。鼻は少し低かったが、可愛らしい顔立ちだった。色までは分からない、だけど、確かに、見えない筈の花嫁の姿が、その水のスクリーンに映し出されたのだ。
「あ、あれ、一体どうなって・・・」
ぽっかりと。
口を開けた松浦が、武彦を見て問うた。
「ああ。」
その間抜け面をくつくつと笑いながら、武彦は説明を始める。
「超音波って、分かるか。」
「分かるけど分かんねえ。音っていうか振動だろ?それが何でああなるんだよ。」
「反射だよ。」
シュラインの類まれなる声と、水のスクリーンがあってこそ出来た、方法だった。
シュラインの声から発せられる音波を使って、その反射を水の分子にぶつけているのだ。跳ね返った振動分、水の壁をごく少量くぼませる。その微細な凹凸が、水のスクリーンに影を映し出す。
「音波を使っての形状取得は可能なんだ。超音波探傷装置なんてものが、あるくらいだからな。」
魚群探知機もそうだ、・・・そう説明すると、ははあ、と松浦が分かったような分からないような顔をした。
自分の姿が移っていると気付いて、唯は驚いたようだった。
そうして、・・・・自分たちの向かい側の壁、・・・そこに現れ出た者に、息を、呑んだ。
「ただいま、あ、デザートだ。間に合って良かった。」
マリオンが、戻って来る。テーブルのアイスクリームとフルーツ盛り合わせを手に取り、ちょこんと武彦のそばに座り込む。
「連絡付きましたよ。ほら、スクリーン。お父さんの博隆さんです。」
「ああ、ご苦労だったな。」
唯は、見た。そうして、皆が。
大きく、壁にかかったスクリーンの向こうで。
その姿が、動いた。相手も、酷く驚いているのが分かった。
「・・・親父、」
あ然と口にしたのは、新郎の義文だった。
映し出された像を目にして、水女とみなもは頷きあう。それからシュラインを見遣った。かちあった目が笑っていた。ここまでは、うまくいった。マリオンもちゃんと父親を呼んできてくれた。
さあ、ここから先は。
「・・・親父、」
義文が口を開く。
「僕は、この人と結婚したい。この人とじゃなければ幸せにはなれない。親父がどう思っていても、僕は、唯が一番なんだ。」
義文は、はっきりと言い切った。
そうでなくては、そう思いながらシュラインは声を調節する。旋律はより柔らかく。そうして、耳は博隆の返事を待つ。
だが。
「お前のような男は、・・・息子とは思わない。」
低く、博隆が唸った。
緊張した空気が、式場に流れた。
やっぱり、認めては貰えないのだろうか。透明人間では、嫁に相応しくないと思うのだろうか。
シュラインの声が響き渡るのに、沈黙が降りたように空気が凍って。
だが。
次に男が発したのは、こんな、言葉だった。
「自分の大事な妻になる人を、うちの、嫁になる人を、・・・製薬会社の人間ともあろうお前が、こんな、姿の見えないままにしておいて。」
「・・・あ、」
小さく、みなもが声をあげる。
今の、言葉は。
「唯さんを、『嫁』、って言った・・・」
嬉しそうに、水女も呟いて。
「彼女の、『病気』を治す薬を発明するまで!俺の息子とは認めないし、この会社も継がせないからな!」
ほう、と。
誰もの口から、息が漏れた。そうして、皆、微笑む。
「・・・お父さん、お父さん、ありがとう、ござい、ます。」
その言葉を、心にとどめて、
花嫁の声が、幸せそうに震えた。



■Good Wedding For You


式が、終わり。
他の出席者が解散したのを見計らって、皆は式場の外に出た。
出席者を送り出す為に入り口に立っていた新郎新婦が、姿を見た途端声をあげた。
「ああ、皆さん、・・・本当にありがとうございます。」
「本当に、素敵な式にしていただきました。」
義文はとても幸せそうだった。唯も、・・・きっと幸せな顔をしているに違いなかった。
「うまくいって、本当に良かったです。」
にこにこと。
満面の笑みをうかべて、みなもが頬を紅潮させた。
「唯さんも美しかったですしね。」
ぱちんと扇を鳴らし、嬉しそうに水女が応じる。
「まさか、・・・まさかあんな事が出来るなんて、思いも寄りませんでした。」
唯の声が響いた。
「シュラインさんの、発案なんですよ。」
みなもが言った。急に名を呼ばれて、気付いたシュラインが目を合わせた。
「本当に、ありがとうございました、」
「皆の『一芸』が、丁度噛み合ったからだわ。私一人で何とかなる話ではないもの。」
そう口にしながら、水女、みなも、マリオンを見遣る。
「二人がお似合いだったのが、一番の成功の理由ですよ、きっと。」
マリオンが、可愛らしく笑いながらそう言った。
「そうね、」
「・・・お似合いだったわ、二人とも。」
そう言って笑いあう。
ほのぼのと暖かい笑い声が、ロビーを包んで。
「本当に、」
ゆっくりと、唯が言葉を切った。
泣いているのが分かった。たとえ見えなくても。
「本当にありがとう、私の、大切な『お友達』。」



「終わった終わったー。」
うーん、と伸びをして。
松浦が皆を、ロビーの端へと呼んだ。
「そういや、バイト代だけど、」
松浦が、がさがさとバッグから何かを出す。
金の入っているらしい茶封筒を人数分取り出すと、表に書かれた名前を確認してぽいぽいと封筒を押し付ける。「ちゅうわけで、今日は解散。時々バイトの募集出すから、そんときはまた手伝ってよ。」
あんたたち、面白そうだし。女の人はみんな可愛いし美人だしさ。
屈託の無い顔で、松浦が笑った。そのまま走り去って行くのを、皆で見送って。
「折角だから、一緒に帰りませんか?お母さんが近くまで買い物に来ているらしくて、ここまで迎えに来てくれるんです。」
みなもが、皆に声をかけた。
ちらりと時計を見遣り、武彦が頭をかいた。
「悪いが、これから別の仕事があるんだ。」
「あら、そうなの武彦さん。」
じゃあご一緒します、そう告げると、シュラインはみなもと水女、マリオンに手を振った。
「では、また何処かで会えれば良いわね。」
「ええ、本当に。」
「お疲れ様でした。」
シュラインと武彦が去っていく後姿に、手を振って。
「じゃあ、帰りましょう。」
3人は顔を見合わせると、楽しそうに笑いあった。



-完-

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/シュライン・エマ (しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
1252/マリオン・バーガンディ (まりおん・ばーがんでぃ)/男性/275歳/元キュレーター・研究者・研究所所長
1252/海原・みなも (うなばら・みなも)/女性/13歳/中学生
3069/藤菜・水女 (ふじな・みずめ)/女性/17歳/高校生(アルバイター)


公式NP/草間・武彦 (くさま・たけひこ)/男性/草間興信所所長、探偵
NPC2203/松浦・大史(まつうら・ひろし)/男性/19歳/大学生

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■         ライター通信          ■
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お初にお目にかかります。新人ライターのKCOと申します。
このたびは、本当に本当にご参加ありがとうございました!
これが最初のオーダなので、色々と不手際な点等あるかもしれませんが、笑って許していただければありがたいです。正直、難しくていっぱいいっぱいでした。皆様のプレイングに、本当にたすけていただきました。
プレイングの落ちについては、皆さん特殊な能力をお持ちでしたので、それを活用させて頂くようなシナリオにさせていただいています。また、各PC様ごとに少しずつ異なったシーンが挿入されていますので、他の皆様のものも見比べていただければ、より楽しんでいただけるかと思います。

■シュライン・エマ様
初めまして、この度はご参加、ありがとうございました(深々)。シュライン様が一番最初のご参加でした!
落ちを牽引する役目を担っていただき、シュライン様の能力である音、および一芸(笑)を、このような形で使わせていただきましたが、いかがだったでしょうか?それから、草間氏との関係は、「恋人のようだけどまだちょっと微妙な関係」に設定させていただいています。知性を兼ね備えた大人の魅力、を表現できていたら、嬉しく思います。


■マリオン・バーガンディ様
初めまして、この度はご参加、ありがとうございました(深々)。とても嬉しく思います。
マリオン様は表立って能力を使われていないようでしたので、一見表に出ない細工(?)をさせていただきました。(マリオン様のプレイングにのみ、その部分の種明かしが入っています)。実は一番の年長者(笑)として、父親を説得すると言う役どころをお願いしました。楽しんでいただければ幸いです。


■海原・みなも様
初めまして、この度はご参加、ありがとうございました(深々)。
本来お酌は親族代理にやってもらう予定でしたが、友人役であるにもかかわらず、海原様にやっていただくことになりました。あのくだりで、『仮の友達』が『本当の友達』に変わって行く様を、表現できたらな、と思います。海原様の真摯な感じが表現できていれば嬉しいです。また、水系能力者のあわせ技、という力技を繰り出してしまいましたこと、ご容赦くださいませ。



■藤菜・水女様
初めまして、この度はご参加、ありがとうございました(深々)。
水龍のサイズがえらく小さくなってしまいましたが(苦笑)問題なかったでしょうか・・。水女様が水芸(?)を披露して下さらなければ、あの落ちは無かったものと思います。素敵なプレイングを、ありがとうございました。舞のシーンは、いかにきらびやかに華麗に描くかがポイントになっていますが、上手くいっているでしょうか?また、海原様との合体技、笑ってお許しいただければ幸いです。




それでは、ご参加してくださった皆様が、どうかこの作品を楽しんでくださいますよう。
そうして、また、お目にかかれれば、幸いです。