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■夢の実■
不眠症には、誰しも一度はかかるものである。
草間・零も例外ではなかった。
原因は分からないが、ふとした拍子に三日前から眠るに眠れなくなってしまったのである。
「日々やつれてく可愛い妹を見ると、胸が痛んでなあ」
武彦は、寒中見舞いにと訪れた生野・英治郎(しょうの・えいじろう)にすら、いつものように怒鳴る気力もないほど我が愛しの妹を案じていた。
「不眠症ですか。繊細な人間がよくかかると言われていますね。実際私も何百回いや何千回いや何万回かかったことか」
「なあ英治郎」
英治郎の、武彦の怒髪を天につかせるものの言いようも、今回は効かないようである。
武彦は、縋るような思いで英治郎に身を乗り出した。
いつもと、まったく逆の立場である。
「頼む、不眠症を一発で治す、一番副作用のない薬を作ってくれ!」
よもや武彦の口からこんな台詞が出ようとは、誰が想像しただろう。
もちろん英治郎は、いつものにこにこ曲者笑顔で、
「悩める親友に協力しない私ではありません。お任せあれ」
と、頷いた。
◇
事件が起きたのは、実にその三日後のことだった。
すぐに「夢の実」という今までよりはまともな名前の、小さな赤い木の実のような「不眠症を一発で治す一番副作用のない薬」を作ってやってきた英治郎に礼を言い、武彦が零に夢の実を食べさせたところ、本当にとたんにぐっすりと眠ってしまったのだが。
───そのまま、眠りっぱなしになってしまったのである。
血色はいいのだが、これはあんまりだ。
「どうしてくれるんだ、副作用が一番ない薬と頼んだだろう!」
「ですからね、武彦。あなたやあなたの仲間たちにも夢の実を食べて頂いて、零さんと同じ夢に辿り着けばいいんです。なに、最初は自分が望んだ夢が見られますが、そのうち零さんの意識と結びつくはずです。基本的にこの『夢の実』は、時間差はあっても『共に飲んだ者』と最終的に夢を共通する作用がありますし」
英治郎は、そう説明する。
「つまり」
武彦は、半眼になって確認した。
「今回は、俺の仲間にこの『夢の実』を食べてもらえばいいんだな?」
「ええ。もうごゆるりと、皆さんで夢に落ちて下さい☆」
にっこりと、英治郎は言った。
■いざ、夢の中へ■
草間武彦の「緊急徴収」を受けてやってきたシュライン・エマ、初瀬・日和(はつせ・ひより)、羽角・悠宇(はすみ・ゆう)、シオン・レ・ハイは、武彦に渡された夢の実をしげしげと見つめていた。
「これが望む夢をなんでも見られるっていう……」
悠宇の呟きに、「ああ」と武彦は頷く。
「さっき見てきたけど、本当に零ちゃん、起きないのよね、何しても」
と、シュライン。
「何してもって、何してきたんですか?」
実を見ながら、ヘンなところに突っ込みをいれる、シオン。
「望みの夢を見る薬……生野さんの作品にしては随分まともですね」
サラッとコワいことを言う日和の天然は健在のようである。
「まともじゃない、ちっともまともじゃない!」
武彦は口から煙草を取って灰皿に押し付ける。
「まあ、そういうわけだからみんな、頼んだぞ」
「その前に、一応みんなの考えをまとめておきたいんだけど、いいかしら。夢の中で言えるかどうか分からないし、零ちゃんを戻せなくなったら本末転倒でしょ?」
シュラインが、夢の実観察をやめて武彦を見る。
「まあ、そうだが……」
心配で仕方がないといった風の武彦は、うろうろと熊のように歩き回る。シュラインはまず、自分の考えを他の三人に言ってみた。
「ある意味零ちゃんの身体って、睡眠を取らず維持できる……回復する体質なのよね。それがあんなにやつれて睡眠で顔色良く……でしょ? 何か人に言いにくい、もしくは表現に困っている悩みでやつれて解決したような夢を見て安心した状態になっているのかも。零ちゃんり夢と接触したら、現実との違いを注意深く見ておかなくちゃね。起きたら一緒に改善していけばいいのだし、夢に溺れないでみんなが『起きよう!』って思えば覚醒できるんじゃないかしら。夢を見ていたいだけ見ていられる……それが夢の実の本当の副作用なのでは、と思って」
「私の意見ですけど、というか推測ですけれど」
と、次いで日和。
「零さんは、案外夢の世界が楽しすぎて現実世界のことも、『草間零』であることも忘れてしまっているのかもしれません。夢の中で男の子になってしまっているとか、まずは忘れているのならご自分が誰なのかをお教えして、次に帰りたいのかどうなのかお気持ちを確認しないといけないと思います。このまま帰らない、となったら草間さんがへこむこと請け合いですし……私も、もし現実でも実行可能そうなことなら現実に帰ってそれにおつきあいする、と約束しますけど。毎日楽しいだけだったら、いつかそのことに飽きちゃうでしょうから……」
なんとなく、英治郎が拘わっている「事件」にしてはまともな出だしだなと思いつつ、悠宇が口を開く。
「零さんは、案外夢の中で何かに捕まってるとかじゃない? 自分の夢の中に現れた生き物……動くクマのぬいぐるみとかだったら面白すぎるけど、そういうのとかさ。草間さん、たまには零さんのお願い聞いてやってんの? 欲しかったクマが夢の中で零を捕まえてるとかなら面白すぎるよ?」
そこで、キッと武彦が悠宇を向く。
「羽角、お前よくも人を捕まえてそこまで言えるなあ」
「だからー、俺が喋ってるのはあくまで仮説だから、そんな顔して睨まない。写真撮っちゃうよ?」
すかさずカメラを構えられて、武彦は反射的に背を向ける。悠宇のこの言動に対し、武彦も「対応の仕方」を覚えてきてしまっているようだ。その二人の様子を見つつ、そっとため息をつく、シュライン。
「何でも望む夢が見られるのでしたら、起きたくなくなるかもしれませんね……。この赤い夢の実……兎さんの目みたいですね。零さんを起こせるとよいのですが……。現実と区別がつかなくなるということはないでしょうか。零さんの夢に辿りついたら、零さんが夢から目覚めない理由を探したいと思います。興信所に帰りましょうと話しかけてみたり……」
珍しく、特に英治郎が拘わっているにしては真顔で、シオン。この分なら、今回は英治郎絡みでもなんとかシリアスに「まともに」解決できそうだ、と、武彦は内心ぐっと拳を握る。
「じゃ、方向性は決まったし、あとはこの夢の実を食べるだけね」
シュラインが、全員分の布団や毛布を敷き始める。
「皆さん見たい夢は決まってます?」
日和が尋ねると、さっきの真顔はどこへやら。シオンが目をきらきらと輝かせる。
「はい! それはもちろんです!」
「俺もまあ、決まってるかな」
こちらは何気なく、無難な夢をと望んだらしい悠宇。
「私も決まってるわ」
シュラインが、なんとなく苦笑しながら横になる。
「じゃ、いきましょう」
そのシュラインの合図で全員は夢の実を口に入れ、あっという間にすやすやと寝息が流れ始めた。
■シュラインの夢■
目を覚ますと、シュラインはいつものように興信所にいた。
デスクのほうを見ると、所長の椅子にこれまたいつものように武彦が座って新聞を読んでいる。
その脇で、お茶を置きながら零が楽しそうに武彦と笑っていた。
(そうだったわ……私の望む夢って)
こんな日常風景だった、とシュラインは微笑んでいた。
こんな風景に、いつの間にか馴染んでいた。だからこそ、こんな夢を望んだのかもしれない。
それは、確かに未来の夢に関しては、こんな日常に執着や未練があるわけではないけれど結婚できたら、とかいつか子供がほしいな、とは思ったりする。
だがそれは、自分で叶えなければと思うからこそ、「眠る夢」の中には出てこなかったのだ。
シュラインは立ち上がり、武彦のもとへ行こうとし───ふと、「待て待て」という声に振り向いた。
だが、誰もいない。武彦や零には聴こえていないらしく、兄妹の歓談を続けている。
「ここじゃここじゃ」
見ると、年季の入ったソファが喋っているようだった。
(そういえば、興信所のものと話せたら楽しいかも、とかも思ったわ)
何しろ、赤字続きのおかげでろくに買い替えも出来ない、ある意味愛着のある家具たちである。家庭的な彼女らしいといえばそうだった。
「えっと……ソファさん。何かしら?」
「ワシはソファではない。ちゃんと名前がある」
「ごめんなさい、お名前は?」
思わず笑みを零したシュラインの顔が、次の瞬間ちょっとだけこわばった。
「ワシの名はマックド。ワシの相棒のそれ、そこのテーブルはナルドという」
───さすが、生野さんが作っただけのことはあるわね、この夢の実。
一筋縄じゃいかないみたい、と思いつつ、シュラインは無理に微笑みを維持する。
「マックドさんと、ナルドさんね。いつも役に立ってくれてありがとう」
「それがのう」
ふう、と今度はナルドがため息をつく。
「ワシら、大分足腰にきてしもうて。どうじゃね、身体全部取り替えるのではさすがに家計にも響くじゃろうし、部品だけ取り替えてくれるというのは」
それを聞き、電話や冷蔵庫らも声を出してきた。
「私も言いたいことあります! 私は電話のバームと申しますが、いつもかけてくるあの方。あの方の声ってすごく電話の耳に響くんですよね。できればあの方の電話は出ないでいただけます?」
「俺の名はクーヘンというんだが、最近冷凍庫の部分が微妙に壊れてきているんだよ。取り替えてくれないかね」
りんりんと鈴のような声で文句を言う電話のバームに、憂いを含んだ声の冷蔵庫、クーヘン。
「待って待って、皆さんちょっと……耳が痛くて。一人ずつ話していただけるかしら」
シュラインの言葉に静まり返り、それから彼女は家具の「一人一人」、順番に愚痴や要望を聞くハメになった。
やがて何時間も経つ頃、持っていたノートいっぱいに書かれた彼らの「改善してほしい点」等を改めて読んでいたシュラインは、ため息をついた。
「これを全部、かなえるとすると……何年も食費だけじゃなく、色々なものを経費削減しなければならないわ」
そして、電卓とにらめっこし始める。これでは本当に、いつもしていることと変わらない。
「おいおい、俺もなんとかしてくれよ。『9』のボタンの部分が取れかかってるんだよ」
と、電卓まで文句を言う始末である。
ため息をつくシュラインの後ろでは、集まった家具たち(どうやら移動もできるらしい)が「昔はワシも男前だったんじゃ」「あら、わたくしだって」等と昔話を懐かしそうにしている。
まるで同窓会みたい、とシュラインは微笑ましく思う。
その時、シュラインの目の端に、あり得ない光景が映った。場所も興信所からいつの間にか、教会へと向かうコンクリートの道路に変わっている。
その道路に、一瞬マサイ族の格好をしたシオンの姿が横切った気がしたが、シュラインの脳にまでしっかり到達していたかどうか。問題は、道路を花婿姿でウェディングドレスを着た長髪の女性と歩いている、我が恋人の草間武彦の幸せそうな笑顔である。
「ちょっ……ちょっと武彦さん!」
シュラインは追いかけるが、知り合いや友人たちの歓声に邪魔されて声がかき消される。
いずれは結婚と、暗黙の約束になっていたのに。
いくら夢とはいえ、見過ごし出来ない。やっとシュラインが追いつき、武彦の連れている女性の顔を見た時、呆然とした。
それは、自分自身だったのだ。
「……あり得ないわ」
何故なら、先述したとおり結婚等は自分でかなえるものだと思っているから、「望む夢が見られる」という「夢の実」の夢の中では、こんな場面は出てこないはずだ。
となると、これは───誰かの、夢……?
その時、シュラインはハッと左側を向いた。
零の笑い声が聞こえた気がしたのだ。
「この夢」はさておいて、そっちのほうへ走り出すシュラインだった。
■零だって女の子■
それぞれに零の笑い声を追ってきた4人は、とある公園でばったりと鉢合わせした。
「あれ、悠宇?」
「日和?」
「シオンさん、なんて格好を……」
「シュラインさん、草間さんと結婚式の最中だったんじゃ」
一瞬きょとんとした彼らだったが、後ろの茂みから明るすぎる軽快な声が聞こえてきたので、振り返った。
「やあやあ、皆さんお揃いで。零さんいましたねえ」
武彦を(追いかけさせて)連れてきた、英治郎が立っていた。
何故ここに英治郎までいるのかと口を開こうとした4人に向け、英治郎は手で制する。
「まあまあ。今は零さんを夢から取り戻すのが先。ね?」
なんだか「何かを」計られているような気がするシュラインが、それでも零の様子を木陰に皆と隠れて窺う。
「うあ、零さん、知らない男の子と腕組んで楽しそうに歩いてる」
悠宇が思わず、シャッターを切る。
そんな悠宇を怒る余裕は今の武彦にはないようだった。何しろ、可愛がっている妹が夢の中とはいえ、全く知らない男と腕を組んでいるのだ。どこからどう見ても、これはデートである。
そんな零がピクニックの用意を始めると、そこにどこか見覚えのあるキリッとした男性が親しそうに零へ駆け寄ってきた。
「え……」
「マジ?」
「あれって……」
「もしや」
日和に悠宇、シュラインにシオンの視線が自然と、武彦に注がれる。そして再び零のほうへとそろって見ると、どうやらその男は「草間武彦をもっと男らしくキリッとして身だしなみもよくした男性」のようだった。
つまり、改良版草間武彦、というわけである。
「ふっ……ふざけやがって!」
武彦はついに、茂みから飛び出した。
急いで4人も追いかける。ここで零がかえって意固地になって「現実に戻れなく」なってしまったら今までの意味がない。
「あれ、皆さんどうしたんですか?」
零はピクニックのお茶を向かいの結構好青年と改良版武彦と共に飲みながら、きょとんとしている。
「どうやら、自分を忘れているわけじゃないようね」
と、シュライン。
「零さん、興信所に帰りましょう。みんな待っています」
シオンが言うが、如何せんマサイ族の格好で真顔で言われても説得力がない。
「みんなって、みんなもここにいるじゃないですか」
更にきょとんと、零。そして、またにこやかに夢の中の二人を相手に話し始める。
「やっぱりここが夢の中とは分かっていても、楽しすぎて……ってことでしょうか」
日和が小首を傾げる。
「これって零さんが見たかった夢なんだろ? ってことはさ、零さんは『彼氏がほしくて草間さんにももう少しキリッとしてほしい』ってことじゃないのか?」
悠宇がまとめてみる。
「実現できなくはないわね」
もっと凄いことだったらどうしよう、と思っていたシュラインはそう呟く。だがその後ろから、武彦が「駄目だ!」とバッテンを出す。
「どうしてですか? 女の子なら、当然の願望だと思います」
「零に彼氏なんて、絶対に! ゆるさーん!」
兄馬鹿もここまでくると、と頭を抱える一同である。
そんな武彦を「まあまあ武彦」と押さえ込み四の字固めで諌めつつ、英治郎が笑顔で零に言った。
「零さん。ここは夢の世界なんです。いずれ『ばっくん』という、どんな夢でも食べちゃう動物がやってきますから、目を覚ましてから現実の世界で実現したほうがいいと思いますよ」
───ばっくん?
「ちょっと生野さん、そんなものまで夢の実に仕込んでおいたの?」
「ばっくんに私の夢、食べられなくてよかった……」
「俺も」
「私もです」
シュライン以外は、ホッと息をついている。だが、零には今の英治郎の説得(?)は効いたようである。
「本当に、現実でも実現しますか……?」
上目遣いに聞いてくる零に、日和が小指を立てて微笑む。
「絶対、ってわけじゃないけど、努力します。私も協力しますから」
「武彦さんも協力するって言ってるわ」
次いで微笑み、零の頭を撫でる、シュライン。武彦がまたもがもがと何か言いかけたのを、更にコブラツイストで笑顔でしめる英治郎。
「私も協力をお約束します」
と、シオン。
「右に同じ」
武彦のその姿をカメラにおさめていた悠宇も、小指を差し出す。
零は迷っていたようだったが、やがてこくりと頷き、いつもの笑顔に戻り、全員と指きりげんまんをした。
「はい。ご迷惑かけました。わたし、目を覚まします」
その、途端。
ぐにゃりと空間が曲がり、全員の意識が暗くなっていった。
■これぞ愛する非日常的日常■
一同は一斉に目を覚ました。
「あーよく寝た」
思いっきり背伸びした悠宇は、しっかり右手にカメラを持っていることに気がつく。
「さすが英治郎さんの作ったものですね。現実のカメラまで夢の中で持ち込み使用できるとは」
寝起きのあくびをしながら、シオン。
「いい夢だったな」
まだ夢の余韻にひたりながら、日和。
「私は……いい夢だったのかしら」
ふと、疑問に思うシュライン。ちらりと武彦を見やると、彼もまた零や英治郎と共に起き上がるところだった。
カーテンの隙間から、朝日が射しこんできている。そのカーテンを思い切りよく開き、
「いい朝ですね。さあ、今日も頑張りましょう!」
と、幸せそうに微笑む零。
「やっぱり零さんも女の子ですからね、草間さんのだらしなさに耐えられずあんなにやつれたのでしょう」
シオンのしんみりとしたその言葉に、うんうんと力強く頷いて同意する、悠宇と日和。
シュラインは苦笑して、立ち上がった。
「でも零ちゃん、本当はこんな『日常』、嫌いじゃないでしょう?」
一呼吸おいて、零は皆を見渡してから、とびきりの笑顔を見せた。
「はい!」
その後、武彦がどんな「望む夢」を見たのかだのなんだのと話題になったが。
あちこちで英治郎が4人と武彦それぞれの様々な写真を撮っていていつもの誰かのように売りさばいたため、しばらく全員が興信所近くをまともに歩けなくなった、という話である。
《完》
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/シュライン・エマ (しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
3524/初瀬・日和 (はつせ・ひより)/女性/16歳/高校生
3525/羽角・悠宇 (はすみ・ゆう)/男性/16歳/高校生
3356/シオン・レ・ハイ (しおん・れ・はい)/男性/42歳/びんぼーにん(食住)+α)
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■ ライター通信 ■
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こんにちは、東圭真喜愛(とうこ まきと)です。
今回、ライターとしてこの物語を書かせていただきました。去年の7月20日まで約一年ほど、身体の不調や父の死去等で仕事を休ませて頂いていたのですが、これからは、身体と相談しながら、確実に、そしていいものを作っていくよう心がけていこうと思っています。覚えていて下さった方々からは、暖かいお迎えのお言葉、本当に嬉しく思いますv また、HPもOMC用のものがリンクされましたので、ご参照くださればと思います(大したものはありませんが;)。
さて今回ですが、生野氏による草間武彦受難シリーズ、第9弾です。今回はこれまでとはまたまた違い、「生野英治郎へ草間武彦からの依頼」というOPでしたが、シナリオの性質上も考えて「一部個別を多くしよう」と考え料金も500円いつもより高く頂いていたのですが、果たして皆様の満腹感を無事に得られたかどうか、非常に心配です;
今回はやっぱり「草間零も普通の女の子だった」というありがちなオチで終わりましたが、今までの受難シリーズの中でも一番平穏で終わったような気がします(笑)。
今回は予告通り、夢の中での部分が一部個別となっております。微妙に絡めたり生野氏による「悪戯」がちょっと入れてありますので、他の皆様のものもご覧になったり探したりしてみると楽しいかもしれません。
■シュライン・エマ様:いつもご参加、有り難うございますv 受難シリーズにしては「まとも」なシナリオになりましたが、実はシュラインさんの夢が一番気苦労が多かったかもしれません(爆)。ですがその分といいますか、零嬢の気持ちもよく分かっているかなと判断し、最後の「本当は零ちゃん〜」の台詞に至ったわけなのですが、如何でしたでしょうか。
■初瀬・日和様:いつもご参加、有り難うございますv 今回、生野氏の悪戯による「偽悠宇さん」を出してちょっとドキドキな展開にしてみたのですが、夢の世界だからこそ日和さんを騙せましたが、現実ではきっと偽者の悠宇さんはすぐに見破られてしまいそうですね(笑)。日和さんらしい可愛い夢の内容で、書いているほうも楽しかったです。
■羽角・悠宇様:いつもご参加、有難うございますv 今回は「ちょっとカッコつけてみたい男の子の心理」を書いてみたかったのですが、なかなか全部書くことができず、ちょっと残念です(笑)。その分と言いますか、こちらも「偽日和さん」に振り回されて頂きました。日和さん同様、現実世界では絶対に見破るとは思いますが、夢の中だからこそ、少しはお二人それぞれにこんな願望があるのでは、とちょっと誇張して書いてみました。最後はいつもと逆(?)に生野氏にやられてしまった悠宇さんですが、しっかりと悠宇さんが夢の中で撮った写真もありますので、ご安心ください(笑)。
■シオン・レ・ハイ様:いつもご参加、有り難うございますv 今回たくさんの夢を書いてきて頂きまして、書いているほうも楽しかったです(笑)。兎さんにも一言だけ喋っていただいたのですが、あとで思うと、全体的にシオンさんの夢の中で兎さんと会話しながら、というのでも楽しかったかなと思います。個人的には駄菓子屋さんのシーンが一番好きでしたが、如何でしたでしょうか。
「夢」と「命」、そして「愛情」はわたしの全ての作品のテーマと言っても過言ではありません。今回は主に「夢」というか、ひとときの「和み」(もっと望むならば今回は笑いも)を草間武彦氏に提供して頂きまして、皆様にも彼にもとても感謝しております(笑)。このサンプルは、個別部分が多いので人数も多くなるときっと書けなくなりそうだと判断しまして、かなり早めに窓を閉じてしまいました。さて、草間氏の「望んだ夢」とは一体なんだったのでしょう(笑)。そしてやはり腹に一物持っていた生野氏でした。
次回受難シリーズは今現在抱えているノベルの進行と季節上、既に受注を頂いているバレンタインネタの「悪戯☆チョコ」の後、ひなまつりネタに走ろうと思います。その次は恐らく、ホワイトデーネタかと。
なにはともあれ、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
これからも魂を込めて頑張って書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します<(_ _)>
それでは☆
2005/01/23 Makito Touko
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