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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


■夢の実■

 不眠症には、誰しも一度はかかるものである。
 草間・零も例外ではなかった。
 原因は分からないが、ふとした拍子に三日前から眠るに眠れなくなってしまったのである。
「日々やつれてく可愛い妹を見ると、胸が痛んでなあ」
 武彦は、寒中見舞いにと訪れた生野・英治郎(しょうの・えいじろう)にすら、いつものように怒鳴る気力もないほど我が愛しの妹を案じていた。
「不眠症ですか。繊細な人間がよくかかると言われていますね。実際私も何百回いや何千回いや何万回かかったことか」
「なあ英治郎」
 英治郎の、武彦の怒髪を天につかせるものの言いようも、今回は効かないようである。
 武彦は、縋るような思いで英治郎に身を乗り出した。
 いつもと、まったく逆の立場である。
「頼む、不眠症を一発で治す、一番副作用のない薬を作ってくれ!」
 よもや武彦の口からこんな台詞が出ようとは、誰が想像しただろう。
 もちろん英治郎は、いつものにこにこ曲者笑顔で、
「悩める親友に協力しない私ではありません。お任せあれ」
 と、頷いた。



 事件が起きたのは、実にその三日後のことだった。
 すぐに「夢の実」という今までよりはまともな名前の、小さな赤い木の実のような「不眠症を一発で治す一番副作用のない薬」を作ってやってきた英治郎に礼を言い、武彦が零に夢の実を食べさせたところ、本当にとたんにぐっすりと眠ってしまったのだが。
 ───そのまま、眠りっぱなしになってしまったのである。
 血色はいいのだが、これはあんまりだ。
「どうしてくれるんだ、副作用が一番ない薬と頼んだだろう!」
「ですからね、武彦。あなたやあなたの仲間たちにも夢の実を食べて頂いて、零さんと同じ夢に辿り着けばいいんです。なに、最初は自分が望んだ夢が見られますが、そのうち零さんの意識と結びつくはずです。基本的にこの『夢の実』は、時間差はあっても『共に飲んだ者』と最終的に夢を共通する作用がありますし」
 英治郎は、そう説明する。
「つまり」
 武彦は、半眼になって確認した。
「今回は、俺の仲間にこの『夢の実』を食べてもらえばいいんだな?」
「ええ。もうごゆるりと、皆さんで夢に落ちて下さい☆」
 にっこりと、英治郎は言った。



■いざ、夢の中へ■

 草間武彦の「緊急徴収」を受けてやってきたシュライン・エマ、初瀬・日和(はつせ・ひより)、羽角・悠宇(はすみ・ゆう)、シオン・レ・ハイは、武彦に渡された夢の実をしげしげと見つめていた。
「これが望む夢をなんでも見られるっていう……」
 悠宇の呟きに、「ああ」と武彦は頷く。
「さっき見てきたけど、本当に零ちゃん、起きないのよね、何しても」
 と、シュライン。
「何してもって、何してきたんですか?」
 実を見ながら、ヘンなところに突っ込みをいれる、シオン。
「望みの夢を見る薬……生野さんの作品にしては随分まともですね」
 サラッとコワいことを言う日和の天然は健在のようである。
「まともじゃない、ちっともまともじゃない!」
 武彦は口から煙草を取って灰皿に押し付ける。
「まあ、そういうわけだからみんな、頼んだぞ」
「その前に、一応みんなの考えをまとめておきたいんだけど、いいかしら。夢の中で言えるかどうか分からないし、零ちゃんを戻せなくなったら本末転倒でしょ?」
 シュラインが、夢の実観察をやめて武彦を見る。
「まあ、そうだが……」
 心配で仕方がないといった風の武彦は、うろうろと熊のように歩き回る。シュラインはまず、自分の考えを他の三人に言ってみた。
「ある意味零ちゃんの身体って、睡眠を取らず維持できる……回復する体質なのよね。それがあんなにやつれて睡眠で顔色良く……でしょ? 何か人に言いにくい、もしくは表現に困っている悩みでやつれて解決したような夢を見て安心した状態になっているのかも。零ちゃんり夢と接触したら、現実との違いを注意深く見ておかなくちゃね。起きたら一緒に改善していけばいいのだし、夢に溺れないでみんなが『起きよう!』って思えば覚醒できるんじゃないかしら。夢を見ていたいだけ見ていられる……それが夢の実の本当の副作用なのでは、と思って」
「私の意見ですけど、というか推測ですけれど」
 と、次いで日和。
「零さんは、案外夢の世界が楽しすぎて現実世界のことも、『草間零』であることも忘れてしまっているのかもしれません。夢の中で男の子になってしまっているとか、まずは忘れているのならご自分が誰なのかをお教えして、次に帰りたいのかどうなのかお気持ちを確認しないといけないと思います。このまま帰らない、となったら草間さんがへこむこと請け合いですし……私も、もし現実でも実行可能そうなことなら現実に帰ってそれにおつきあいする、と約束しますけど。毎日楽しいだけだったら、いつかそのことに飽きちゃうでしょうから……」
 なんとなく、英治郎が拘わっている「事件」にしてはまともな出だしだなと思いつつ、悠宇が口を開く。
「零さんは、案外夢の中で何かに捕まってるとかじゃない? 自分の夢の中に現れた生き物……動くクマのぬいぐるみとかだったら面白すぎるけど、そういうのとかさ。草間さん、たまには零さんのお願い聞いてやってんの? 欲しかったクマが夢の中で零を捕まえてるとかなら面白すぎるよ?」
 そこで、キッと武彦が悠宇を向く。
「羽角、お前よくも人を捕まえてそこまで言えるなあ」
「だからー、俺が喋ってるのはあくまで仮説だから、そんな顔して睨まない。写真撮っちゃうよ?」
 すかさずカメラを構えられて、武彦は反射的に背を向ける。悠宇のこの言動に対し、武彦も「対応の仕方」を覚えてきてしまっているようだ。その二人の様子を見つつ、そっとため息をつく、シュライン。
「何でも望む夢が見られるのでしたら、起きたくなくなるかもしれませんね……。この赤い夢の実……兎さんの目みたいですね。零さんを起こせるとよいのですが……。現実と区別がつかなくなるということはないでしょうか。零さんの夢に辿りついたら、零さんが夢から目覚めない理由を探したいと思います。興信所に帰りましょうと話しかけてみたり……」
 珍しく、特に英治郎が拘わっているにしては真顔で、シオン。この分なら、今回は英治郎絡みでもなんとかシリアスに「まともに」解決できそうだ、と、武彦は内心ぐっと拳を握る。
「じゃ、方向性は決まったし、あとはこの夢の実を食べるだけね」
 シュラインが、全員分の布団や毛布を敷き始める。
「皆さん見たい夢は決まってます?」
 日和が尋ねると、さっきの真顔はどこへやら。シオンが目をきらきらと輝かせる。
「はい! それはもちろんです!」
「俺もまあ、決まってるかな」
 こちらは何気なく、無難な夢をと望んだらしい悠宇。
「私も決まってるわ」
 シュラインが、なんとなく苦笑しながら横になる。
「じゃ、いきましょう」
 そのシュラインの合図で全員は夢の実を口に入れ、あっという間にすやすやと寝息が流れ始めた。



■日和の夢■

 目を覚ますと、そこは興信所ではなかった。
 何故か日和は、野原に川がさらさらと流れ、林檎畑もある雄大な自然の場所に来ていた。
 向こうのほうにはロッジもあり、どうやら観光地についている遊び場のようなところだ、と判断した。
(そっか、私そういえば、小さい頃身体が弱くてできなかったことやってみたいなって思ったんだっけ……)
 そうとなれば、と立ち上がる。スカートだってなんのその、木登りを始めた。
 初めての木登りはなかなかに難しく、だが夢のせいかパワーアップしていた日和はなんとか林檎の木に登ることが出来た。
 ぽかぽかと、陽射しが気持ちいい。春のような陽気だった。
 これで林檎がなっていたらもっと楽しいのにな、と思っていた日和の傍で、ぽんと音がして、見事に熟れてちょうど食べごろの林檎が出現する。
「うわあ、美味しそう」
 誰かに怒られるなんてことは、夢の中だし、ないだろうと分かっていた。ここは日和だけの「望む夢」の中。何をしても怒られたりすることも、ない。
「いただきます」
 林檎をもぎ、映画やドラマで見たように服でちょっと拭いてから、一口かじる。甘い林檎の味が口いっぱいに広がり、思わず笑顔になったその時。
「うわっ、日和! スカート姿で何やってんだ!」
 と、聞き覚えの声がして下を見下ろす。
 悠宇が、顔を真っ赤にさせながら視線をそらしつつ、「早く降りてこい、危ないぞ」と言っていた。
 彼の純情を、日和は完全に分かっていない。もうひとつ出現した林檎をもぎとってから、一気に飛び降りる。悠宇は慌てたが、スカートが多少乱れた程度で怪我はなかった。
「ね、これ食べながら悠宇も一緒に遊ばない?」
 悠宇にもうひとつの林檎を手渡し、もう片方の手で悠宇の手を引っ張り、今度は川へと向かう。
 仕方ないといった風についてくる悠宇の反応も、新鮮で楽しい。
 さらさらと流れる川を前に、日和は少しだけスカートをたくしあげ、ちょうどいいところで結ぶ。靴と靴下も脱いでそろ、と澄み切った川に足を入れると、心地よい冷たさがきて、思わず日和は笑った。
「悠宇、早く!」
 眩しそうに彼女を見ていた悠宇は、黙って同じように素足になり、川に入ってきた。
「んじゃ、川魚でも捕まえようか」
「え、可哀想よ」
「捕まえるだけ。ちゃんと逃がすよ」
 悠宇は手慣れたように、そこらに落ちていた枝で手早く魚を取るための罠を作り、川底にしかける。
 二人はそして、そろそろと少し遠ざかった。
「捕まるかな」
 わくわくと、日和。
「捕まるさ」
 少年のような目の輝きを見せて、悠宇。
 しばらくそのまま時が流れ、やがてじっと目を凝らし続けていた日和が、声を上げた。
「あ、ひっかかった!」
 だが、声と同時にしゃがむようにしていた身体まで勢いよく上げてしまったため、バランスを崩し、倒れそうになる。小さな悲鳴を上げる日和を、がっしりと悠宇が抱きとめた。
「日和、はしゃぎすぎ」
「あ、ありがと───」
 抱きとめられた日和は、逆光でよく見えない彼の表情がやけに大人っぽく見えて、どきりとした。
 そのまま、ゆっくり身体を太い腕で抱きしめられる。
「ゆ、悠宇───?」
 何も言わず、静かに顔が近付いてくる。これは自分が望んでいた夢とは違う、シナリオに入っていないと頭のどこかで分かっていても、心臓の動悸のほうが激しくて、顔のほうが熱すぎて、何も考えられなくなってしまいそうだった───瞬間。
 零の笑い声が聞こえた気がして、日和は我に返った。
(そうだ、零さん)
 ぱっと声がしたほうを振り向いた途端、悠宇の姿は掻き消えた。「本物の彼ではなかった」。まさか英治郎のお茶目なお節介とは知らず、日和は疑問を抱きはしたが、すぐに零が心配になって急いで走って行った。

 

■零だって女の子■

 それぞれに零の笑い声を追ってきた4人は、とある公園でばったりと鉢合わせした。
「あれ、悠宇?」
「日和?」
「シオンさん、なんて格好を……」
「シュラインさん、草間さんと結婚式の最中だったんじゃ」
 一瞬きょとんとした彼らだったが、後ろの茂みから明るすぎる軽快な声が聞こえてきたので、振り返った。
「やあやあ、皆さんお揃いで。零さんいましたねえ」
 武彦を(追いかけさせて)連れてきた、英治郎が立っていた。
 何故ここに英治郎までいるのかと口を開こうとした4人に向け、英治郎は手で制する。
「まあまあ。今は零さんを夢から取り戻すのが先。ね?」
 なんだか「何かを」計られているような気がするシュラインが、それでも零の様子を木陰に皆と隠れて窺う。
「うあ、零さん、知らない男の子と腕組んで楽しそうに歩いてる」
 悠宇が思わず、シャッターを切る。
 そんな悠宇を怒る余裕は今の武彦にはないようだった。何しろ、可愛がっている妹が夢の中とはいえ、全く知らない男と腕を組んでいるのだ。どこからどう見ても、これはデートである。
 そんな零がピクニックの用意を始めると、そこにどこか見覚えのあるキリッとした男性が親しそうに零へ駆け寄ってきた。
「え……」
「マジ?」
「あれって……」
「もしや」
 日和に悠宇、シュラインにシオンの視線が自然と、武彦に注がれる。そして再び零のほうへとそろって見ると、どうやらその男は「草間武彦をもっと男らしくキリッとして身だしなみもよくした男性」のようだった。
 つまり、改良版草間武彦、というわけである。
「ふっ……ふざけやがって!」
 武彦はついに、茂みから飛び出した。
 急いで4人も追いかける。ここで零がかえって意固地になって「現実に戻れなく」なってしまったら今までの意味がない。
「あれ、皆さんどうしたんですか?」
 零はピクニックのお茶を向かいの結構好青年と改良版武彦と共に飲みながら、きょとんとしている。
「どうやら、自分を忘れているわけじゃないようね」
 と、シュライン。
「零さん、興信所に帰りましょう。みんな待っています」
 シオンが言うが、如何せんマサイ族の格好で真顔で言われても説得力がない。
「みんなって、みんなもここにいるじゃないですか」
 更にきょとんと、零。そして、またにこやかに夢の中の二人を相手に話し始める。
「やっぱりここが夢の中とは分かっていても、楽しすぎて……ってことでしょうか」
 日和が小首を傾げる。
「これって零さんが見たかった夢なんだろ? ってことはさ、零さんは『彼氏がほしくて草間さんにももう少しキリッとしてほしい』ってことじゃないのか?」
 悠宇がまとめてみる。
「実現できなくはないわね」
 もっと凄いことだったらどうしよう、と思っていたシュラインはそう呟く。だがその後ろから、武彦が「駄目だ!」とバッテンを出す。
「どうしてですか? 女の子なら、当然の願望だと思います」
「零に彼氏なんて、絶対に! ゆるさーん!」
 兄馬鹿もここまでくると、と頭を抱える一同である。
 そんな武彦を「まあまあ武彦」と押さえ込み四の字固めで諌めつつ、英治郎が笑顔で零に言った。
「零さん。ここは夢の世界なんです。いずれ『ばっくん』という、どんな夢でも食べちゃう動物がやってきますから、目を覚ましてから現実の世界で実現したほうがいいと思いますよ」
 ───ばっくん?
「ちょっと生野さん、そんなものまで夢の実に仕込んでおいたの?」
「ばっくんに私の夢、食べられなくてよかった……」
「俺も」
「私もです」
 シュライン以外は、ホッと息をついている。だが、零には今の英治郎の説得(?)は効いたようである。
「本当に、現実でも実現しますか……?」
 上目遣いに聞いてくる零に、日和が小指を立てて微笑む。
「絶対、ってわけじゃないけど、努力します。私も協力しますから」
「武彦さんも協力するって言ってるわ」
 次いで微笑み、零の頭を撫でる、シュライン。武彦がまたもがもがと何か言いかけたのを、更にコブラツイストで笑顔でしめる英治郎。
「私も協力をお約束します」
 と、シオン。
「右に同じ」
 武彦のその姿をカメラにおさめていた悠宇も、小指を差し出す。
 零は迷っていたようだったが、やがてこくりと頷き、いつもの笑顔に戻り、全員と指きりげんまんをした。
「はい。ご迷惑かけました。わたし、目を覚まします」
 その、途端。
 ぐにゃりと空間が曲がり、全員の意識が暗くなっていった。



■これぞ愛する非日常的日常■

 一同は一斉に目を覚ました。
「あーよく寝た」
 思いっきり背伸びした悠宇は、しっかり右手にカメラを持っていることに気がつく。
「さすが英治郎さんの作ったものですね。現実のカメラまで夢の中で持ち込み使用できるとは」
 寝起きのあくびをしながら、シオン。
「いい夢だったな」
 まだ夢の余韻にひたりながら、日和。
「私は……いい夢だったのかしら」
 ふと、疑問に思うシュライン。ちらりと武彦を見やると、彼もまた零や英治郎と共に起き上がるところだった。
 カーテンの隙間から、朝日が射しこんできている。そのカーテンを思い切りよく開き、
「いい朝ですね。さあ、今日も頑張りましょう!」
 と、幸せそうに微笑む零。
「やっぱり零さんも女の子ですからね、草間さんのだらしなさに耐えられずあんなにやつれたのでしょう」
 シオンのしんみりとしたその言葉に、うんうんと力強く頷いて同意する、悠宇と日和。
 シュラインは苦笑して、立ち上がった。
「でも零ちゃん、本当はこんな『日常』、嫌いじゃないでしょう?」
 一呼吸おいて、零は皆を見渡してから、とびきりの笑顔を見せた。
「はい!」



 その後、武彦がどんな「望む夢」を見たのかだのなんだのと話題になったが。
 あちこちで英治郎が4人と武彦それぞれの様々な写真を撮っていていつもの誰かのように売りさばいたため、しばらく全員が興信所近くをまともに歩けなくなった、という話である。




《完》
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/シュライン・エマ (しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
3524/初瀬・日和 (はつせ・ひより)/女性/16歳/高校生
3525/羽角・悠宇 (はすみ・ゆう)/男性/16歳/高校生
3356/シオン・レ・ハイ (しおん・れ・はい)/男性/42歳/びんぼーにん(食住)+α)
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■         ライター通信          ■
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こんにちは、東圭真喜愛(とうこ まきと)です。
今回、ライターとしてこの物語を書かせていただきました。去年の7月20日まで約一年ほど、身体の不調や父の死去等で仕事を休ませて頂いていたのですが、これからは、身体と相談しながら、確実に、そしていいものを作っていくよう心がけていこうと思っています。覚えていて下さった方々からは、暖かいお迎えのお言葉、本当に嬉しく思いますv また、HPもOMC用のものがリンクされましたので、ご参照くださればと思います(大したものはありませんが;)。

さて今回ですが、生野氏による草間武彦受難シリーズ、第9弾です。今回はこれまでとはまたまた違い、「生野英治郎へ草間武彦からの依頼」というOPでしたが、シナリオの性質上も考えて「一部個別を多くしよう」と考え料金も500円いつもより高く頂いていたのですが、果たして皆様の満腹感を無事に得られたかどうか、非常に心配です;
今回はやっぱり「草間零も普通の女の子だった」というありがちなオチで終わりましたが、今までの受難シリーズの中でも一番平穏で終わったような気がします(笑)。
今回は予告通り、夢の中での部分が一部個別となっております。微妙に絡めたり生野氏による「悪戯」がちょっと入れてありますので、他の皆様のものもご覧になったり探したりしてみると楽しいかもしれません。

■シュライン・エマ様:いつもご参加、有り難うございますv 受難シリーズにしては「まとも」なシナリオになりましたが、実はシュラインさんの夢が一番気苦労が多かったかもしれません(爆)。ですがその分といいますか、零嬢の気持ちもよく分かっているかなと判断し、最後の「本当は零ちゃん〜」の台詞に至ったわけなのですが、如何でしたでしょうか。
■初瀬・日和様:いつもご参加、有り難うございますv 今回、生野氏の悪戯による「偽悠宇さん」を出してちょっとドキドキな展開にしてみたのですが、夢の世界だからこそ日和さんを騙せましたが、現実ではきっと偽者の悠宇さんはすぐに見破られてしまいそうですね(笑)。日和さんらしい可愛い夢の内容で、書いているほうも楽しかったです。
■羽角・悠宇様:いつもご参加、有難うございますv 今回は「ちょっとカッコつけてみたい男の子の心理」を書いてみたかったのですが、なかなか全部書くことができず、ちょっと残念です(笑)。その分と言いますか、こちらも「偽日和さん」に振り回されて頂きました。日和さん同様、現実世界では絶対に見破るとは思いますが、夢の中だからこそ、少しはお二人それぞれにこんな願望があるのでは、とちょっと誇張して書いてみました。最後はいつもと逆(?)に生野氏にやられてしまった悠宇さんですが、しっかりと悠宇さんが夢の中で撮った写真もありますので、ご安心ください(笑)。
■シオン・レ・ハイ様:いつもご参加、有り難うございますv 今回たくさんの夢を書いてきて頂きまして、書いているほうも楽しかったです(笑)。兎さんにも一言だけ喋っていただいたのですが、あとで思うと、全体的にシオンさんの夢の中で兎さんと会話しながら、というのでも楽しかったかなと思います。個人的には駄菓子屋さんのシーンが一番好きでしたが、如何でしたでしょうか。

「夢」と「命」、そして「愛情」はわたしの全ての作品のテーマと言っても過言ではありません。今回は主に「夢」というか、ひとときの「和み」(もっと望むならば今回は笑いも)を草間武彦氏に提供して頂きまして、皆様にも彼にもとても感謝しております(笑)。このサンプルは、個別部分が多いので人数も多くなるときっと書けなくなりそうだと判断しまして、かなり早めに窓を閉じてしまいました。さて、草間氏の「望んだ夢」とは一体なんだったのでしょう(笑)。そしてやはり腹に一物持っていた生野氏でした。
次回受難シリーズは今現在抱えているノベルの進行と季節上、既に受注を頂いているバレンタインネタの「悪戯☆チョコ」の後、ひなまつりネタに走ろうと思います。その次は恐らく、ホワイトデーネタかと。

なにはともあれ、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
これからも魂を込めて頑張って書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します<(_ _)>

それでは☆
2005/01/23 Makito Touko