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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


■実の生る風鈴■

「風鈴が各家に鈴生りですって?」
 三下の仕入れて来た情報に、碇麗香は眉をひそめた。
「は、はい。それもただの風鈴ではなくて───」
 三下の言うところによると。
 普通に暮らしているのに、いつの間にかこの寒い季節に、どこかの部屋に透き通った透明の何の模様もない風鈴が、比較的高い場所の壁に刺さっている。引き抜こうとしても決してどんなやり方でも引き抜けず、そのまま放置しているといつの間にか寒くなってくる。駆除を試みているうちに、どんどん風鈴がまるで樹が実をつけるように生り、増えていき、不幸な家はそのまま凍てついてしまったという。
 被害は無差別に起きている。
 今のところ、凍てついてしまったものを含め、100軒以上もの家が被害にあっている───。
「霊媒師でも警察でも樹医でもどうにもいかない、となると───」
 調査ね、と麗香はいつもどおり目を光らせる。
「ついでに解決をお願いしたいところだわ。解決兼それに至るまでの記事を書けば、これは大スクープよ!」
「は、はあ……」
 冷や汗を垂らす三下に、麗香はいつになく気の入った上機嫌な声でいつもの命令を下した。
「さあ、協力者を募りなさい! 報酬はわたしの常識をこえたものでなければ、なんでもOKよ!」
 そしてまた、三下が依頼メールをカタカタと打ち始めたのだった。



■風鈴の声■

 幸い、三下の依頼メールを見て興味を持ち、三人の人材が集まってくれた。
 そのうちの二人は、「被害にあった家」を目の前にしている。
 周囲の家も殆ど風鈴のために凍ってしまっている。もちろん、住民たちは避難済みだ。
「これが……風鈴……ですか……。まるで果実のようです……」
 一応シャッターを切っている三下をよそに、四宮・灯火(しのみや・とうか)がぽつりと呟いたが、その隣で風鈴のひとつに手を添えていたセレスティ・カーニンガムは、全くその通りだと思った。
「こうしてみていると、美しいですけれどね」
 最初は硝子製かと思っていたのだが、そうでもないらしい。少なくとも、セレスティの記憶にある風鈴のどれでもない。
「あっ、来ました」
 三下がカメラのレンズ越しに最後の一人の依頼参加人を目撃し、手を振った。
 書類を入れたファイルを手に持った蜂須賀・大六(はちすか・だいろく)は、「アトラス編集部に行って現状を確認してきまシタ」という。
「それ、見せて頂いても?」
 セレスティが尋ねると、もちろん、と大六は手渡した。既に自分は目を通していたので、灯火の脇に行って彼女と共に被害に遭った家を見上げた。
「寒いのがより一層寒くなりマスネ」
 大六が言う通り、確かに風鈴に「やられた」家々が立ち並ぶこの周囲は、氷の空気と言ってもいいくらいだった。
「『アイス・エイジ・ベル』というデーモンの能力に似ていると思うんですケドネ……どこか違うような気がシマス」
 一通り書類に目を通したセレスティは、振り返る。
「『アイス・エイジ・ベル』?」
「はい。過去にそういうデーモンの能力があったんですが、デーモンの仕業ではないようデス」
「冷気が固まって……出来てるような気も、します……」
 灯火はそう言って、初めて仲間二人と三下とを見た。
「その冷気が固まって、更に冷気を生み出し……どんどん増えているのかもしれません……」
 どうやら灯火の思った通り、大六が調査してきたことがピタリと当てはまる。
 というのは、「冷気の塊のようなもの=風鈴」が隣へ隣へと場所を変え、最初は一箇所だったのがそうして移動し、範囲を広げていっているのである。
「しかし、風鈴というのですからさぞかし騒音となっていると思ったのですが、静かなものですね」
 セレスティの言う通りだった。
 これだけの数の風鈴があるのに、どの風鈴も動いてはいない。風が吹いても、ゆらりとも動かない。手に取り揺らしてみても、音がしないのだ。
「ちょっとそこを開けて頂けませんか」
 第三者の声に、4人は振り返った。
 母子連れが立っていて、哀しそうに家を見上げている。
「娘がぬいぐるみを忘れたというので戻ってきたんですが……玄関までこんなに凍結してしまったんですね」
 その母親の言葉を聴いた、まだ幼い女の子が泣き始める。
「にげないでいれば、たすけられたの」
「そうね、あのぬいぐるみは早智子(さちこ)ちゃんの宝物だったものね。助けられなくて、ごめんね」
「ちがうの、さちこ、きいたの。ふうりんのこえ」
 その言葉に、セレスティに大六、灯火は其々に早智子という女の子を見下ろす。
「失礼ですが、あなた方はこの家の最初の被害者……ですか?」
 セレスティの質問に、母親が頷く。
「急に家の真ん中の客間から風鈴が一本生えて。最初は早智子がどこかから持ってきて、さしたと思ったんです。でも寝ている間に、一晩で家全体を覆ってしまって」
「早智子さん、でしたヨネ。あなたはなんという声を聞いたのデスカ?」
 大六の顔を見て怯えつつも、早智子は答えた。
「『しんじゃう……しんじゃう……たすけて』って」
 風鈴みんなで言ってたよ、と。
 セレスティは神妙な面持ちで風鈴に触れ、本格的に能力を使って、何か分かるかどうか探っている。大六は書類を調べてこの家のと周囲に最近何か事件が起きていなかったかをもう一度見直し、そして灯火は、壁からこちらも能力を使って状況を「聴こう」と試みた。
「───早智子さんが言った台詞しか聴こえませんし、他に読み取れませんね」
 セレスティは一つため息をついて風鈴から手を離し、冷たくなった指を反対側の手で温める。
「わたくしの、ほうも……セレスティ様と、同じです……壁は、こたえてくれません……」
 灯火も、閉じていた目を開き、もう一度家を見上げる。
「では、わたし達はこれで……」
 母子が、今寝床としている公民館に帰ろうとするところに、大六が声をかけた。
「何故、早智子さんだけにその声がこえたんデショウ?」
 母親は悩んでいたようだったが、思い当たることはひとつ、と言った。
 それは、早智子がちょうど一年前、家族三人で旅行に行った時のことだった。旅行先は雪国で、まだスキーも出来ないので雪遊びをしていて吹雪にあい、はぐれてしまって幸い発見されて一命は取り留めたものの、何日も寝込んだことがあった。
 それ以来、雪が降る日に、不思議な雪の精霊や冬ならではの精霊等と会話をしたり精霊達の姿が見えるのだという。
「三下くん」
「はいっ」
 セレスティは話を聞き終わると三下を呼び、三下は名前を呼ばれると条件反射なのだろうか、背筋をぴんと伸ばした拍子に首をぐきっとやってしまい、痛がっていた。それを知っていて何もいわず、かわりにセレスティは尋ねた。
「最近でも過去でも、この家もしくは周辺で、何か事件はありませんでしたか?」
「え、えーとそれはですね、蜂須賀さんが書類全部あるはずですので……」
 灯火はまだ可愛いが、セレスティと大六はそれぞれ別の意味で、三下にとってはコワい。二人の間をちらちらと動く三下の視線を、大六はうざったそうに書類を振り下ろしてぶった切るようにした。
「うぅ、やっぱりこなきゃよかった……」
 泣く三下を、なんとなく灯火が、背をよいしょというふうに伸ばして無表情に、彼の頭を「いいこいいこ」するのだった。



■哀しき娘御想いは既に凍り果て■

 それから更に大六が部下に携帯で指示し、裏社会のほうからも情報を集め、三下が持ってきていたノートパソコンに送らせた。さすが三下と名のつくだけはある。いや、彼の場合は名は体を現す、のほうだろうか。
「これ、引っかかりますね」
 大六、灯火と共に見ていたセレスティが、ひとつの記事データを指差した。
 それは、この地域。いや、早智子という女の子家族が住んでいる家、その土地に関する記事だった。
 約100年前、雪国からはるばる降りてきた、人間の男性に恋をした雪女の話である。
「ただの伝承……でないことを祈ります……」
 灯火はそう言いつつ、記事を読み込んでいる。
「中に入ってみればはっきり感知できるんじゃないデスカ?」
 と、大六。
 だがその前に、この「心当たる記事の推定」をある程度しておかなければ、もしかしたら危険な目に遭うかもしれない。
 記事、というのは至って簡単な内容だ。
 100年の昔、この土地に古い家があり、男が住んでいた。男はある時雪山へ行き、雪女と出会い、恋をした。先に家に帰って待っているからという男を信じ、同類から謗りを受けつつも雪女は決心し、雪国、その山から降りて男の家にやってきた。
 そして幸せに暮らしていたのだが、ある日ぷつりと雪女は人々の前に姿を見せなくなった。
 そのことがあって以来暫くの間、雪が原因で「能力」が出始めた人間にのみ、雪女は姿を現し、哀しい瞳をしてはまた消えていくのだという。
「とにかく、吹雪いてきたら一斉に逃げましょう」
 セレスティが言い、大六と灯火は頷いて、風鈴をかきわけつつ、なんとか狭い入り口を探し、勝手口まで辿り着くことができた。
「風鈴と風鈴の間……凍っていますね……」
 灯火が言う通り、勝手扉の僅かな隙間にも氷が詰まっている。これくらいなら能力で水にしても「支障」はないだろうと、セレスティは扉が開く分だけ氷を溶かし、三人は中に入ることが出来た。三下は外で待っている、と言っていたが、セレスティの絶対零度の微笑みを見て震え上がり、ぎこちない笑みを見せて泣く泣く続いた。
「寒いデス!」
 大六が途端に悲鳴を上げる。
 灯火は寒さを感じないようだったが、セレスティも口から白い息を吐き出していた。
「最初に風鈴がささったという客間にいってみましょう」
 床も雪と氷で無残になってはいたが、なんとか客間に辿り着いた。
 風鈴だらけの中、何かの力によって吹雪いてはいるのに、恐ろしいほどに静かだ。
「うわあ!」
 その時、そろそろと風鈴一つ一つをシャッターに収めていた三下が、床の上に厚く張られた氷で足を滑らせ、すってんころりんと転び、辺りに雪を撒き散らした。
「気をつけないと……風鈴や家が怒ってしまうかもしれません……」
「大丈夫ですか?」
「取材ですから、頑張ってクダサイヨ」
 灯火、セレスティ、大六の三人からそれぞれ「労い」の言葉をかけられ、三下は「やっぱりこなきゃよかった……」とべそをかきそうになった、その時。
 灯火が、がばっと三下が撒き散らしてむき出しになった氷の向こうの床を見下ろした。
「灯火さん、どうかしましたか」
 セレスティもしゃがみ、同じところを見てみる。同じようにした大六が、「あっ」と声を上げた。
「ここだけ他よりも異様に冷たいデス!」
「───もしかして」
 セレスティは考え込み、三下と灯火、そして大六に「ちょっとのいていてください」と言い置き、指揮を執るように両手を挙げた。
 瞬く間に雪という雪が鋭く厚い巨大な氷柱の群れとなり、氷柱のブルドーザーの如く床を氷ごと掘っていく。
 やがて出来た「彼女」を見て、三下も思わず息を呑んだ。
 ───そこには、恐らく「当時」と変わらぬ美しさを持った、白銀の長い髪に透き通るほどの白い肌の着物の女性が、まるで何かに護られているかのように眠っていた。
「……生きてはいらっしゃるようですが……」
 セレスティが脈をとりながら言うと、その美女が姿を現すのを待ち望んでいたかのように、風鈴が一斉に鳴り響き始めた。

 リィン、リィン、リィン───

 何かを、訴えようとしているかのように。
 灯火が風鈴のひとつに近付き、今度こそ「聴くことが出来た」。
「風鈴たちは雪女……氷之樹(ひのき)についてきた、氷之樹の仲間……。ゆいいつの、仲間です……。でも、いつまでも年を取らないでいる氷之樹を邪魔に思った旦那様が……氷之樹を刺して土の中に埋め……誰も知らないうちに100年の時がすぎた……そうです……」
 セレスティも片方の耳だけでも、と抑えながらもう片方の手でステッキを持ちつつ、風鈴に触れてみる。
「今日がちょうど100年のその日。この雪女さんの『一族』は特殊で、致命傷となっても100年以内に傷を癒すことが出来れば、人間になれるのですね……」
 セレスティのその言葉に、大六は推理する。
「だから早智子さんには風鈴の声、つまり『助けてほしい』という内容の声が聞こえ、誰も真実をわかってくれないので増殖を続け、その二つしか助けを求める術が風鈴たちには能力的になかったため、こんな事態になったのデスネ」
 三下は、記事を書くのをすっかり忘れて、「どうしましょう」と腕時計を見ている。
「もう夕方近くです、急患で運びましょう」
 三下のその案を、セレスティは却下とした。
 何故なら、雪女の「傷」というのは肉体的なものだけとは限らなかったし、肉体も人間のものとは違うと触れた時に情報として分かったため、たとえ普通の手術をしても生きて人間となれるだろうか、というのだ。
「では、どうしたら?」
 大六が、自問自答のように呟き考える。
 ふと、灯火が顔を上げた。
「本人に……聞けませんでしょうか……。起こして、聞けませんでしょうか……」
 セレスティと大六は互いに考え込んでいたが、
「やってみましょう」
「駄目元デス」
 ほぼ同時に、頷いた。



■その罰は冷たく暖かく世間に愛しみの風を吹かす■

 雪女は、軽く揺さぶり続けると、やがて瞳をゆっくりと開いた。銀色の、不思議な瞳だった。
 止まっていた時が動き出したからだろう、胸から藍色の血が流れてきていたが、「失礼」と言ってセレスティがそこに手を当て、少しの間だけでもと、血を固形化した。
 三人は、長い間、雪女・氷之樹と話し合った。
 そして、彼女が「仲間から抜けた罰と、男から愛され抜くことが出来なかった『生き物としての罰』、その二つの深い罰は拭いきれない、仲間の氷の風鈴たちの気持ちは嬉しいけれどこのまま死にたい」という意志が強固だったため、4人は暫く黙り込んだ。
 いつしか氷風鈴も音を鳴らすのをやめていた。
 その静寂を破ったのは、4人が入ってきて出来た道から入ったのだろう、早智子だった。
「あいされないと、それは、ばつなの? いけないことなの?」
 氷之樹が、はっとする気配がした。
「さちこは、このふうりんたちの声、きこえるよ。『しなないで、しなないで』って、ないてるよ。さちこは、このまちがだいすき。このおうちもだいすき」
 ───それだけじゃいけないの───?
 そんな問いが、まだ幼い早智子には言葉に出来なかったが、確かに瞳と声にこめられていた。
 灯火は、ふっと目を伏せる。
「意志というものは……不思議なものです……。わたくしが意志を持ったのも……愛する人を思うがゆえでした……」
 大六が、天井から、ここまでくると芸術だと思えるほどの氷風鈴がぶらさがっているのを見上げる。
「俺は元凶は排除しようと思っていマシタガ……本来の目的は風鈴の増殖を止めることなので」
 あえて、そこまでしか言わない。
 セレスティが最後に、氷之樹に微笑んだ。
「罰だと感じるのであれば、尚更生きるべきなのではないでしょうか。
 もう少し生きてみて、今、あなたがこの世をどのように感じるか、私はとても興味深いのですが」
 ぽたりと、氷之樹の瞳から、透明の雫が、流れ落ちた。



 それから急いで待たせていたセレスティの車で、やはりこういう時のために彼が確保してある病院に氷之樹を連れて行き、幸い「雪女や不思議系生物のあらゆる手術能力に長けている」院長がまだ病院にいたため、頼み込んだ。

 そして、その数日後───。

「麗香さーん!」
 三下が、いつになく笑顔で現像した写真と記事にしたものをデスクに持ってくる。
 三下くんが笑顔だと世も末ね、などと内心酷いことを思ってしまう麗香だが、彼の笑顔の理由が分かっているため、何も言わないで記事を受け取った。
 「あの後」、ぱったりと風鈴は増殖をやめ、次々に溶けていき、不思議と家は殆ど元通りになっていたという。
「やっと仕上がりました! 雪女伝説と、そしてそれに纏わる100年前の殺人事件の記事!」
「おめでとう。ご苦労様。これはいい記事になるわね」
 そして、記事からちらりと視線を三下へ戻す。
「ところで、その後───彼女は?」
 三下は、嬉しそうに笑った。
「はい! 元気に花屋さんを切り盛りしています!」



 取材を要求したのはこちらだから、とアトラス編集部からの「報酬」がわりとして、今回誰も報酬を要求してこなかったこともあり、無事に人間として生まれ変わることのできた彼女───氷之樹は、その「報酬がわり」に建てられた、小さな、本当に小さな花屋を営んでいた。
 美しい着物の彼女は最初街の者も近寄りがたかったようだが、最近では「妙に懐かしい雰囲気がする」と独身男性、そして老婆等が会社帰りや昼の暇な時に花屋にとりつけられたお客様用椅子に座っては、彼女と雑談していく。
 氷之樹は思うのだ。
 氷の樹は、陽の光を浴びたら溶けてしまう。
 だから、二度と陽の光を浴びることは出来ないと思っていた。
 だが、こうして毎日を送っていると、たった数日なのに、人々がこうも愛しく感じる。
 花を枯らせないようにと、雪山にいた時も妙なそんな能力を持って菜園を作っていただけのことはあり、彼女の店の花は、心底うきうきと元気がよい。
 彼女は改めて、自分を本当の意味で救ってくれた三人に感謝し、今日もまた、自分との話を楽しみにして来てくれる「お客」のために、店を開けるのだった。


 ───ひのき、ひのき。いきて。
 ───たとえ人間になって、わたしたちの声がきこえなくなっても、そんな可能性があったとしても。
 ───わたしたちはひのきが危険なときはいつだって、
                        あのときのように、声をはりあげてたすけをよぶから───



《完》
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0630/蜂須賀・大六 (はちすか・だいろく)/男性/28歳/街のチンピラでデーモン使いの殺し屋
1883/セレスティ・カーニンガム (せれすてぃ・かーにんがむ)/男性/725歳/財閥総帥・占い師・水霊使い
3041/四宮・灯火 (しのみや・とうか)/女性/1歳/人形
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■         ライター通信          ■
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こんにちは、東圭真喜愛(とうこ まきと)です。
今回、ライターとしてこの物語を書かせていただきました。去年の7月20日まで約一年ほど、身体の不調や父の死去等で仕事を休ませて頂いていたのですが、これからは、身体と相談しながら、確実に、そしていいものを作っていくよう心がけていこうと思っています。覚えていて下さった方々からは、暖かいお迎えのお言葉、本当に嬉しく思いますv また、HPもOMC用のものがリンクされましたので、ご参照くださればと思います(大したものはありませんが;)。

さて今回ですが、特にラストのほう、PC様ではない終わり方、NPCである「氷之樹」がPC様のことを想うという終わり方にしましたが、如何でしたでしょうか。
ありがちなネタとオチだったかもしれませんが;
実は「氷之樹」という名前、そして彼女がラストあたりに心の中で独白する「氷の樹は〜」という文章は、出版されている本の登場人物から名前を借り、言葉も借りています。ネタがかわりになかったというわけではなく、最初からそのつもりで考えてはいたのですが、皆様のプレイングをまとめて筋書きにするのは、今年初めての風邪を引いたせいもあるのか、今までで久し振りに難しかったです。
ですが、わたしとしてはとても書きたかったものであり、満足もしていますv 有り難うございます♪

■蜂須賀・大六様:二度目のご参加、有り難うございますv 本当には、こちらのノベルのほうが「初めまして」なのですね。そしてPL様としてはいつもご参加有り難うございますv 今回は大六さんなら無闇に標的をキャッチしても排除しない、寧ろ目的が達成出来ればOKみたいなところがあるんじゃないかな、と思いましてこんな展開になりましたが、如何でしたでしょうか。
■セレスティ・カーニンガム様:いつもご参加、有り難うございますv 調査方法といいますか、調査したい人間が向こうからやってきたといいますか(笑)。今回も少し、ラストのほう、セレスティさんの背景設定の財閥としてのものに頼らせて頂きました。そして今回は頭脳もですが能力ある意味結構使っていたので、その後疲労はなさらなかったか心配です;
■四宮・灯火様:初のご参加、有り難うございますv 灯火さんのキャラはわりと掴みやすく、すいすいと書くことが出来ましたが、こんなイメージじゃないよということでしたら、遠慮なく仰ってくださいね;今後の参考にさせて頂きますv 灯火さんの能力を介して(人形さんということで寒さや音による耳・鼓膜の痛みがなかったことも幸いし)、「氷風鈴」の意志といいますか、「助けを求める声」を言って頂きましたが、如何でしたでしょうか。ある意味今回の「氷風鈴」は灯火さんの設定にあります「持ち主に会いたいという〜」という、あの辺りと似ているのかな、とも思いました。

「夢」と「命」、そして「愛情」はわたしの全ての作品のテーマと言っても過言ではありません。今回はその全てを入れ込むことが出来て、本当にライター冥利に尽きます。本当にありがとうございます。また改めて、雪女の話を書いてみたいなと思っています。ネタらしきものがありますので(笑)。そんなに大したノベルにはならないかもしれませんが;
とりあえず、皆様、風邪には充分お気をつけ下さい……。

なにはともあれ、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
これからも魂を込めて頑張って書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します<(_ _)>

それでは☆
2005/02/03 Makito Touko