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萌の憂鬱
「あーしんどい〜でもたのし〜」
アイドルと学生を両立して頑張っているSHIZUKUも流石に年末年始のスケジュールでヘロヘロだった。
「おつかれ、暫くオフですか?」
影沼ヒミコが、彼女に紙パックジュースを渡す。
「ありがとう。まぁ暫くはフツーに学生〜。勉強も楽しくなってきたし〜」
ストローをさしてちゅーちゅー飲むSHIZUKU。
確かに、色々な学科がある神聖都学園。オカルトや不思議現象に重要な学科を選んでいる彼女にとってこれからが楽しい。
サイトのゴーストネットOFFを管理するにはITは欠かせないのである。
今では、教室でこうして自然とかわうそ?を枕代わりにして年末年始の疲れを解消している毎日だ。
「気楽でいいなあ……」
通りすがる茂枝萌がぼやく。
二人は気が付いていない。
萌は、毎日が仕事であった。
「まあ、望んでこの仕事に就いたんだから良いけど……日本に来てからというもの……」
通常手段では太刀打ちできない相手と戦う日々。
で、こうして学校に来ている時は普通に暮らせる。
それはいい。
ただ、問題なのが。
パートナーの渡辺美佐だ。 何かとセクハラまがい行為をする彼女でほとほと困っているのである。
しかも、「パートナー云々」と言っては一緒に住もうと言いだし、何とか色々な意味での危機を回避できた。
ただ、同じマンションの隣という事で夜な夜な美佐がやってくるのであまり眠れない。
「どうしよう〜」
彼女は本当に“親友”と呼べる人が居ないし、仕事の関係上愚痴が言えない。
未成年なのでお酒は飲めない。
もう一つと言えば……年相応の女の子の趣味を知らないのだった。
「どうしたらいいのだろう」
はぁとため息吐く萌は……。
いつの間にか茜と一緒に第14音楽室で昼食をとっていたとき、彼女に愚痴っていた。
「大変ね……そーいうの」
なんとなーくそのきもちがわかる茜。
「あう、しまった……民間人に」
気が付き、更に落ち込む萌。
「もう、こっちも足突っこんでいるし、あまり気にしないほうがいいよ。うん」
頭を撫でる茜。
「どうしたらいいのかなー?」
少し頭を撫でられることに不満そうだが、萌は訊く。
「あの人をどうにかするんだよね?」
「うん。でもSHIZUKUさんたちも茜さんも危ないですよ」
「う〜ん」
二人で皺を寄せ悩む。
兎に角、IO2でなく隣人が迷惑なので個人的に解決したいという方法を練るのであった。
1 |Д゚) あつめたなり
昼食を共にしている神聖都学園生徒である榊船亜真知も考えた。
「私の仮初めの姿も……美佐さんには?」
「ええ、そうですね。それに亜真知さんだと……」
萌は亜真知に言った
「はうう」
やはり困る亜真知サマ。
「あまり能力を使わずぎゃふんと言わしめることですか、うーん」
と、3人で考え込む。
いきなりだが14音楽室の気温が数度下がった気がした。
しかもロック用の教室、空調もあるし前は変な男が眠っていたところ。
しかし、この気温低下は何か?
「ふふふ」
「で、デルフェスさん」
萌と茜が原因の女性の名を呼ぶ。
鹿沼デルフェスが優雅に流麗に笑っている。しかし、その笑い声が低く怒気をはらんでいる為、2人に寒気を覚えたのだ。今のデルフェスに触れば逆に、怒気で大抵のモノを燃やせるだろう。
「美佐様! わたくしの萌様にあーんなことやこーんなこと事ばかりか、同棲しようとは! うら……、はしたないことを!」
本音を言いそうになるところ一度止めて、叫ぶ。
萌はそれで、かなり退いたようで亜真知の陰に隠れる。今はかなり精神的に“美佐の野望もしくは欲望”に似た感情を持つ人に警戒している。故に、愛情なども誤解するようだ。
「萌様?」
「デルフェスさん、羨ましいって言いかけたでしょう? ……いやです」
がくがく震える萌。
よっぽど怖かった模様。
怒気は無くなり、ショックにより落ち込んでしまうデルフェス。
「あ、灰になって燃え尽きてる?」
「みたいですね」
茜と亜真知サマ状況に冷静。デルフェスの反応が面白かったので、冷静さを取り戻し、呑気にお茶を飲んでいた。
「萌様、萌様……ああ」
茜はデルフェスが入り口で燃え尽きているのは邪魔なので、適当なところに抱えて彼女を寝かした。
|Д゚) ……色々悩みあるようで
小麦色登場。
「いえ、かわうそ?さんが来なくても……」
萌が、ジトメで言う。
|Д゚) にゃあ、にゃあ、にゃあー
「猫じゃないっでしょ」
|Д゚) うむ かわうそ? はかわうそ? でも、手助け必要? 違う
小麦色の言葉に悩む萌達。
|Д゚) 斡旋業してる、無問題
考えてみれば、このナマモノ色々バイトしていたのだ。しかも自分で謎のなんでも屋をしている。
|Д゚) 神聖都生徒以外からでも募集〜いてきま
と、親切心か只の好奇心なのかわからない事で小麦色は四足ででかけていった。
「とんでもない状態にならなきゃ良いのですけど……」
亜真知が苦笑している。
放課後に、亜矢坂9すばる、修繕寺美童を引っ張ってきたナマモノだった。
|Д゚) どー?
――いやどうっていわれても……
「協力するよ!」
と美童。なにか自信たっぷりだ。
見た目可愛い少女っぽいからだろうか?
「そう言うプレイベートにとやかく言える立場ではないが、何となくわかる。懲らしめるには賛同するし協力する」
すばるは無表情ながら協力を申し出た。
「では、美佐様をぎゃふんと言わせましょう!」
デルフェスは小麦色がこっそり渡した萌のブロマイドを貰って復活している。
一方そのころ、
「あら、あらら」
と、養母から萌の状況を知っていた隠岐明日菜が苦笑していた。
「困っているだろうから、あれかなぁ」
と、校門前で萌をみてから
「萌ちゃん、いっつも大変だね!」
「きゃあああ!」
明日菜は萌に抱きついた。
「は、はなしてください」
「あ、あなたって方は! 何と羨ましい!」
「そう言う問題ではない」
校門がうるさかった。
2.|Д゚) 作戦練り練り
人数が多くなったので、ひとまず14音楽室で作戦を練ることに。
小麦色は単に人を呼んできただけらしく、既にいなかった。
デルフェスは嫉妬の焔を燃え上がらせて暖をとれるので便利だった(触るとかなり熱いので、一応アルミホイルを包んだサツマイモを周りにおいている)。
マンションの地図、間取りを見せて貰い、皆考えていく。
「現場の写真を撮り、逮捕というのが良い」
「其れは一寸、たいしたこと無いし……」
すばるの言葉に萌がとめる。
「個人的に解決すると言うことで逮捕や民事で大きくしたくないという訳ですね」
亜真知が言う。
「しかし、それでは渡辺美佐は反省しないのではないか?」
すばるは淡々と語る。
「まあまあ、なんというかその、自粛して貰えば言い訳でしょう?」
美童が険悪になりそうなところ、割り込んだ。
とりあえず、すばるは証拠写真を掴むが、仲介などで誓約書を書かせる事に落ち着く。
ほかの状況も考慮し、萌をどうするかだ。
「わたくしが萌様の護衛を!」
デルフェスが息巻いて言った。
「大却下」
萌が言う。
「がーん!」
換石を使わず石化してしまうデルフェス。
「萌ちゃん、もてもてだねー」
明日菜が萌をまた抱きしめる。
「でも、さっき、凄く邪な……悪寒がしたのって抱きつかないで下さい!」
萌が、明日菜から逃げる。
「違うと思う。かなり人間不信か、萌?」
と、すばる。
「かなり、酷いかも」
茜が代弁。
明日菜の行動で石化を何とか解いて、デルフェスは、
「わたくしは、女性用ボディガードとして作られております。しっかりメイドの訓練も受けています」
と、言った。
「萌様の危険の為にガードを務めますわ!」
確かに、美佐とは顔見知りだから、何とかなるのではとおもわれる。
あまりにも不安であるが、萌としても信頼のおける人が側にいるのが良いだろう。
「じゃあ、あれだね。美佐嬢をぎゃふんと言わせる方法をもう少し詳しく突き詰めようよ」
「そうですね」
美童と亜真知が言った。
「ボクが女装して、美佐嬢に接近して教育的指導するよ!」
美童が自信たっぷりに言う。
「盗聴マイクなどもつけているから其れを証拠に〜」
「良いアイデアだけど、大丈夫かな?」
明日菜が不安になる。
「成功の可能性として60%かと」
すべるが少し考え答えた。
「わたくしは茜様を生け贄に……いたー!」
茜が青筋立てて、デルフェスにハリセンで叩く。
「酷い人ですね!」
「デルフェスさん最低です」
萌と亜真知が言う。
「うう、御免なさい」
血涙するデルフェス。
どうも、萌とエヴァに関わると人格が変わるようだ。
それほど大事なのはいいのだが、其れは行きすぎではないだろうか?
「あたしは、萌ちゃんの恋人がいいかな〜」
「だから却下です!」
と、萌が反論。
だいたい、萌にその気はない。
「いやだなー。あたしだって美佐さんみたいな趣向無いわよ〜」
「あのでっかい弟に似て厄介な」
茜がハッキリ言う。
「痛いことを……なら茜ちゃんがする?」
「どうする?」
「いやそう言われても……」
溜息つく茜と萌。
ひとまず美童の作戦を実行する方向にした。
亜真知サマは何か考えており、何も答えなかった。
3.作戦開始
美童が家出少女の変装した。服を汚して演技能力をご披露。
「わたし、家に……家に帰りたくない!」
と、迫真の演技。
皆、パチパチ拍手する。
「あー助かったよー。美童くん。危うく囮にされそうだったから」
茜は感謝している。
「わたしは演技得意なのよ〜♪」
もう、ノリノリである。
「盗聴器などの提供は、私がする。他の市販品より優秀だ」
すばるが美童にマイク、受信機をそれぞれ渡す。
あとは、カメラの設置などだ。そこら辺はすばるがするそうだ。
神聖都でできる範囲の準備をしたのち、萌のボディガードとして帰っていく。
今回は、“萌の友だち”として家にお邪魔する、すばる、茜だった。
亜真知サマは何かじっくり考えたいと言って、離れる。
萌の電話がなる。
「もえちゃーん」
「み、美佐さん!」
「あのねーあたし、残業で遅くなるの〜くすん」
「ご愁傷様です」
「冷たいよ〜 帰ってきたらあたためて〜」
「いやです! あなたがいつも、いつも……」
となにか、5分程度言い合いして電話を切る。美佐の発言はかなりヤバかったかも知れない。
「こういう状態です」
萌が溜息をつく。
全員溜息をつく。デルフェスだけは怒気を抑えて、メイド服で皆にお茶を配っている。
「何とかしないと……ですねぇ」
萌の話では、美佐は残業で遅れて帰ってくるそうだ。
丁度、隠しカメラなどを設置するには良い状況である。
「此方、“友だち”班準備OK」
すばるが明日菜に連絡。
「はい、では情報混乱の手段はあたしがするね」
と、明日菜は返答する。
マンションや美佐の帰り道の死角に車を止めており、応答。膝にはモバイルが置かれている。
車の後ろには既に美童少女バージョンが、今か今かと待ちかまえている。
美佐が帰ってきた。
「もえちゃ――――ん! ただいまー」
「おかえりなさい。でも、いちいち来なくても良いじゃない」
「毎日、顔を見ないといやだもーん」
駄々っ子かと言わんばかり、萌に抱きつこうとするが止めた。
見知った顔2、知らない顔1と言うこと、更には1名怒気をはらんでいるからだ。
「はい、お泊まりで遊ぼうと言うことで」
と、萌とすばる、茜が言う。
女の子らしくない部屋に一寸可愛い食器を並べてお食事し、何かしらボードゲームをしている。
この状態では、美佐は手を出せないようだ。いや牽制しなくては行けない。
萌の隣には、デルフェスがいる。
「お茶が入りました。どうぞ」
と、ボディガードというよりメイドである。
「あ、じゃ、皆さん楽しんでね。萌ちゃんを宜しく……またね」
と、美佐は萌の家からすごすご出て行った。
「一応大丈夫かな? 今日は」
「いきなりする?」
「どうしよう」
小声で話す。
「わたしとしてはすぐに〜」
無線で美童が女状態で意見。
「え〜?」
デルフェスさん不満げ。
「確かに、早期解決が望ましい。しかし焦っては失敗する」
すばるが言う。
「それに、亜真知という少女の行動も何か引っかかる」
「亜真知ちゃんは悪いことはしないから。策士だけど」
知っている茜や萌、デルフェスは言う。
「科学に頼る他にこっそり能力使わない、お互い危ないからね」
明日菜(無線)が言った。
すばるにしても、急いですることもない。今は準備だけだ。
と言うことで、今日はお泊まり。
女の子が集まればなんというか色々楽しい会話が弾むようだ。
特に、デルフェスは萌が大好きだから尚更だし、すばるにしても一応感情はあるようだ。
茜は何故かノリツッコミ。
自然と楽しい会話が無線に流れる。
「あー楽しそう」
美童、羨ましがっている。
「あらあらら」
明日菜苦笑。
車でアンパンとコーヒーで夜食をとる2名。声を聞いて苦笑している。
「とりあえず……帰るね」
と美童はとっとと着替えて帰っていく。
「はい、お疲れ様」
まずは1日目終了だった。
朝、茜とデルフェスは職業柄早起きだ。
「おはようございましゅー」
寝ぼけていても、茜は台所に向かって朝ご飯の支度をする。
「おはようございます。まだ5時ですね」
デルフェスもメイド服になり萌を起こす前に掃除をする。
6時半に萌とすばるを起こすのだが、デルフェスは萌の部屋から入って、暫く出てこない。
気になった2人はそっと萌の部屋を覗く。
「あ、萌えている」
「……」
無防備な萌のヤギパジャマ姿と寝顔にうっとりしているデルフェスさん。
「危害を加えているわけではないし、まあいいのだろう」
複雑な気分らしいすばる。
「朝ご飯を食べて行こう」
苦笑してデルフェスが戻り、萌が戻るまで、ぼんやりする。
朝ご飯を食べている最中。
「遅刻、遅刻〜!」
と、ターゲットは慌ただしいらしい。
比較的平和の朝らしく、萌は心なしかご機嫌だった。
数日、デルフェスとすばる達の友だちという名の護衛などが付いているため、美佐は萌に手を出せない。
更に、明日菜が割り込んで萌をからかうと、デルフェスが怒り始め、茜がハリセン装備をして萌をガードする。どつき漫才状態である。
「愛しの萌ちゃんが他の女と〜」
ハンカチを噛み、血涙する美佐。
欲求不満になる美佐。
大きな事件がないので、萌に仕事が来ない。それ以外ではたまに仕事場に顔を出す程度ですむ、萌。
すばるの戦闘能力はわからないが、何かとできそうと女のカンがうったえているし、茜とデルフェスは“強い”と前からわかっている。
それを隠れて見ているのが亜真知であった。
「そろそろですね〜」
念のため、茜や萌に「幻影ショック療法」で対応すると言っているモノの
「療法ともOKに転んだらどうするの?」
と、突っこまれたが、
「それは、ま、大丈夫でしょう」
と、顔が引きつり、笑顔でごまかしていた。
そして、ある日の夜。美童の作戦が実行された。
萌とデルフェスは自宅に。そして、数名ワゴンで待機する。
亜真知と茜は別地点に。
美佐が帰宅途中に美童が道ばたに座り込んでいた。
「どうしたの?」
と、駆け寄る美佐。
なんと、萌似女の子が、泣いているではないか。
「わ、わたしお腹減って……」
「お家は? どこから来たの?」
流石に警察機構的存在に努めている美佐。
職務質問をするのだが、萌に似ているため欲望と戦っている。
美童は、職務質問をごまかす感じで話していくが……
「わ、わたし。お家に帰りたくない! お姉さんのところにいたい!」
と、泣き出す。
コレがトドメであった。
全く、萌とのコミュニケーション(?)が取れない状態で欲求不満だったのだ。
「いいわ、おいで。でも明日には警察の少年課行きましょうね……」
と、優しく抱きしめてから、彼女(一応こういう表現に)立たせて、家路についた。
明日菜「成功したようね」
すばる「あとは、彼の演技力。演技では素晴らしい。詰めが甘かったら……」
茜「そうは言っても、彼楽しそうだし……」
萌&デルフェス「そう言う問題じゃないけど」
亜真知「彼が失敗しても大丈夫かと」
すばるの予感は的中した。
美童がシャワーを浴びて正体をばらし、
「じゃ〜ん! キミがロリコンレズの美佐さんだね? いけないなぁ、夜の教育的指導をしてあげ……ぎゃああああ!」
「この変態〜!」
と、言ったとき、彼が悲鳴を上げた。
男の大事な部分を強烈に攻撃されたようだ。
どう見ても殴られ、投げられ暴れている音がする。
暫くしたのち、無線に彼の声が……。
「こちら美童。任務失敗……敵は強敵。救出頼む」
と、息絶えたような声がする。
――彼がどうなったのか……想像におまかせする。
〈無線〉
すばる「どうする?」
亜真知「うーん困りましたねぇ」
デルフェス「やはり此処は茜様に」
茜「えー!」
亜真知「いいじゃないですか」
茜「あまちちゃーん」
明日菜「今、動けるのはあなたしかいないしぃ」
デルフェス「茜様、あなたの犠牲は、1日は忘れませんわ。美童様の貴い犠牲はあと5分」
茜「って1日だって、デルフェスさん!」
と、愛は盲目なのでしょうか?
|Д゚) 違うと思う。
結局、茜が“近くにいた”と言う言い訳の元(いや実際近くに居たのだが)、萌と合流し、
「どうしたんですか美佐さん!」
と、部屋に入ってくる。
美佐は
「変態が! 変態が! 私を騙して!」
と、ある意味瀕死の美童を指さして茜に抱きついた。
しかし、何か感覚が違う。
「どうしたんですか?」
「ひょとして、茜さんも実は男ですか?」
混乱する美佐。
「あれ? 美佐さん? どうしたんです? 私女ですよ?」
「え? え?」
「大丈夫? 美佐さん」
怖ず怖ず心配そうに近寄る萌。
後ろではデルフェスが見ている。
「萌ちゃん……あれ? !!」
抱きついたはずの萌は“萌似の男の子”だった。
亜真知は萌と茜に一種の幻影装置を施している。一寸した疑似科学である。
流石に、今の美佐にシルバールーク改の遠隔鑑定機など持ってはいない。
「あああ!」
正気チェック失敗の美佐。
欲求不満に美童の騒動、更に萌が“男の子”と勘違いしている為だろう。
亜真知「混乱してますね」
明日菜「かなりやばくない?」
すばる「確かに危険だ」
|Д゚) 大丈夫と思う
待機組「いつから割り込む! ナマモノ!」
更に美佐が暴れてはご近所迷惑だし、色々マズいので、デルフェスが混乱している美佐を換石の術で石化させた。
無線にて「此方実行組、至急此方に」とデルフェスが連絡を入れる。
4.長い夜
とりあえず、美童はたいしたことは無かったが、トラウマか何かを背負ったのは確かだろう。暫く、カウンセリングに通っているという話をきく。
すばると、明日菜が別々でこの騒動を差し替え作業しておく。すばるにとってたいしたことのない展開になったため、逮捕する気にもならなかった。
「とりあえず、これでおわり!」
「……大げさではない話になったな」
まず、IO2と文武が手を組むことはないだろう。
美佐は目が覚めたのは知らない病室の天井だった。
そこには、白衣の美人女医とナースがいて、
「大丈夫?」
と、ほほえみかける。
「わ、私は?」
「いきなり倒れたので、友だちやご近所さんに此処に運ばれたのよ」
「うう、すみません」
――夢?
「えっと、仕事疲れで……とこの子が」
と、女医が萌を呼ぶ。後ろにはすばる、茜、デルフェスがいる。
――ん? 本物の萌ちゃんだ。
「萌ちゃん?」
何故か身体が動かないため、声だけで甘えるよう言う。
拘束具ではなく、本当に力が入らないようだ。
「疲れているから、それでだよ」
――ああ、多分……夢だったか……
「ありがとう萌ちゃん」
と、彼女は深い眠りについた。
アレからと言うもの、美佐はあまり萌にセクハラ紛いのスキンシップをしないように務めている。
“友だち”が自分に色々やった事はわかるが、立場的に完全此方が不利のようであると考えているか、ほんの少し萌の気持ちがわかったのかどうか、実際の所わからない。
目に見えてわかる理由としては邪魔が居る事だ。
デルフェスや明日菜が萌と共に良くいると言うのも、要因であろうか。
それに、すばるの所属存在も気になっている……。
しかし、彼女が野望を捨てたわけではないのは誰が見ても明かだ。
「凄い精神力ですね〜」
|Д゚) そーいうもん
亜真知と小麦色はのんびり、病院の中庭で猫とくつろいでいた。
結構平和な午後であった。
End
■登場人物
【0635 修善寺・美童 16 男 魂収集家のデーモン使い(高校生)】
【1593 榊船・亜真知 999 女 超高位次元知的生命体…神さま!?】
【2181 鹿沼・デルフェス 463 女 アンティークショップの店員】
【2748 亜矢坂9・すばる 1 女 日本国文武火学省特務機関特命生徒】
【2922 隠岐・明日菜 26 女 何でも屋】
■代理で|Д゚)がお送りします
|Д゚) おつかれさまー
|Д゚) 萌の憂鬱さんかThanks
|Д=) 個別にすべきか悩んだとか滝照いっているけど、ま、こんな感じでどうでした?
|Д゚)ノ 滝照「美童様、すばる様、明日菜様、参加ありがとう」と伝言。
|Д゚) では、また縁があれば〜
|Д゚) ふふふ
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