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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


CHANGE MYSELF!〜urban game〜


 偉大なる能力者の皆様へ

  常日頃からアカデミーに多大なるご理解を頂き、誠にありがとうございます。
  この度、アカデミー日本支部は『虚無の境界』の不穏な動きを察知いたしました。
  教頭の指揮の元、教師一同がこれを殲滅すべく準備を進めている最中です。
  今回はぜひ優秀な皆様に、この作戦に参加して頂きたくご連絡させて頂きました。


  心霊テロ組織『虚無の境界』は東京の片隅にある小さな村を秘密裏に占拠しました。
  指揮官の藤沢率いる特殊部隊は小高い山に建つ鉄塔にある仕掛けを施しました。
  それはいわば『霊波動増幅装置』であり、すでに村全体がその影響下にあります。
  嘔吐や発熱を繰り返す村人たちは、ある日を境に異能力を身につけてしまいます。
  彼らは霊波動によって能力者として無理やり覚醒し、その力を身に宿すのです。
  「村をさまよう浮遊霊がごく自然に見える」というのが、彼らの代表的な症状です。

  しかし、問題はここからなのです。
  その覚醒した村人たちが無害であるはずの浮遊霊に殺されるという事件が起きました。
  あの装置が浮遊霊にも大きな力を与える霊波動が放たれているのがすべての原因です。
  本来、偉大な能力者に救われるべき存在である彼らの無念は察するに余りあります。
  不幸は重なるもので、この波動は電線を伝って徐々に東京中心部に向かっています。
  今すぐにでもこれを破壊しなければ、東京中がパニックになってしまうでしょう。
  それを阻止すべく、皆様方のお力を教師にお貸し願えないかとお手紙した次第です。


  指揮官の藤沢以下数名の部下と狂暴化した霊、そして霊波動増幅装置……
  これらすべてを撃破し、破壊することが今回のアカデミーの方針です。
  もちろん参加して頂く能力者の皆様にはアカデミーから報酬をお支払いします。
  また皆様は参加される場合、教師は全力でバックアップに努めることをお約束します。
  決行は来週の木曜日深夜の予定です。集合場所は村にひとつしかないバス停前です。
  ぜひ皆様にはご一考頂き、快く我々にお力添えして下さいますようお願いいたします。

  詳しくはアカデミー日本支部の教師・風宮 紫苑までご連絡下さいませ。
  ご質問や装備に関しての相談や質問は、個別で対応させて頂きます。
  心霊テロを未然に防ぐため、皆様のご協力を重ねてお願いいたします。


 手紙の最後に書かれた集合場所へわざわざタクシーを使って向かうのは、いつもはアカデミーと敵対することが多い天薙 撫子である。集合場所がバス停だから本当はバスで行きたかったのだが、集合時間が深夜なので都合が合わなかった。それで仕方なくタクシーを使ったとまぁこういうことである。また実家に伝わる御神刀『神斬』を安全に持ちこむにはこの選択しかなかったのも事実。運転手には『剣道部で使っている物ですから』と言って後部座席に積んでもらった。相手も彼女の出で立ちが和服に鉢巻、襷がけだったので疑う理由など微塵もない。そして車は目的地に着くと、彼女は遠慮気味にあらかじめ用意していた言葉を口にした。

 「あの……申し訳ありませんが、領収書を切って頂けませんか。上様で結構ですので……」
 「はいよ〜。」

 支払いを済ませた撫子が助手席から降りて後部座席から神斬をそーっと持ち出そうとする間、運転手は達筆でさらさらと領収書を作っていた。本来なら彼女のしている作業は彼がすべきことだが、彼女は敢えて自分からそれをする。撫子は相手に気を遣わせまいとしたのではない。これは常人がたやすく扱える物ではないので、自分で車内から出したのだ。
 再び自動で助手席のドアが開くと、運転手は身を乗り出して領収書を彼女に手渡す。そして「お気をつけて」と意味深な一言を添えると、その場から逃げるようにして去っていった。撫子は彼の指摘通り、すでに周囲の異様な雰囲気に気づいている。それを確認しようと村へと続く道を眼鏡越しに眺める彼女の背後からひとりの男が声をかけた。

 「ご協力感謝いたします……撫子様。」
 「こんばんわ、紫苑様。もうアカデミーの皆さんはお揃いですのね。」

 今回の作戦を指揮する立場にある紫苑が真っ先に挨拶に来た。撫子はそんな彼にさっそく一時休戦を申し入れ、『虚無の境界』との戦いに集中することを約束する。もちろん紫苑は手放しに喜んだ。アカデミーの歓迎ムードに彼女も胸を撫で下ろすと、電灯もない真っ暗なバスの待合室の中から愛用の槍を携えたリィールが出てきた。こちらもいつもの調子である。

 「やっとマトモなのが来たか。」
 「マトモ……と申しますと、どうかされましたか?」

 リィールが指差す先は待合室の裏だった。さまざまな存在が混在するこの場所で気配を探るというのはなかなか難しい。渋谷や新宿などの雑踏とはまったく違う、別の騒がしさが撫子の感覚に滑りこんでくる。そしてようやく、ふたりほどの人間が裏で動いているのを感じた。その答えはおのずとわかる。彼らは仲間として手を組む人間の輪の中にやってきたからだ。先頭はメビウス、後ろは身長が2メートル以上もある巨漢の男である。メビウスが片手で耳を塞ぎながら困った顔をしているところを見ると、相手の男に何やらやかましく言われているらしい。彼はさっさと紫苑の後ろに隠れると、男に向かって見えるように大きなアクションで青い髪を指差した。

 「お前な、さっきからそんなこと言うけどさ。今回の作戦の招待状、それはこいつが送ったんだからな。だから俺に文句とか苦情とか言われても困るんだよ。俺は教師の中でも実働部隊なんだからさ。難しい話は全部こいつに任せてんの!」
 「しかしメビウスさんの上司がうちの子と会っているのですから、その辺は情報として伝達されているはずでしょう?」

 『ああ言えばこう言う』といった感じで、ふたりの問答は留まるところを知らない。そして指名された紫苑もわざわざ『呪縛の毒蛇』を使って、頭のてっぺんに向けられたメビウスの指をやさしく髪で持ち上げて横に逸らす。しかし何がなんでも責任転嫁したい彼は強引にその指を戻した。
 撫子は状況がよくわからず置いてきぼりになってしまいそうだったので、近くにいたリィールに事情を聞いてみた。

 「リ、リィール様。これはいったいどうなってるのでしょうか。」
 「あの男は彼瀬 蔵人。霊に関してさまざまな能力を保持している。今回は戦いにやって来た訳ではないようだ。」
 「と、申されますと?」
 「蔵人は幼い子どもと同居しているそうだ。紫苑はその子どもにも今回の手紙を出したらしく、それを奴が読んで文句を言いに来たというわけだ。」
 「も、もしかして前の事件の時にいた、あのキツネのお帽子をかぶったあの子のことかしら……」
 「らしいな。私は写真を見ていないからなんとも言えないが……その苦情を延々となぜかメビウスにぶつけているというわけだ。」

 パフェを嬉しそうに頬張っていたあのいたいけな子のことを思うと、今から行く場所はとても遠足気分で行ける場所ではない。さすがの撫子も「困りましたわね」と眉をひそめながら紫苑を見た。能力者至上主義はアカデミーの掲げるモットーだから百歩譲って文句を言わないにしても、今度からは年齢制限くらいは設けた方がいいのではないかと思った。前の事件も中学生ほどの少年が被害に遭っている。人間として自立した思考をしっかり教えるつもりは当然あるのだろうが、幼児や小学生ではそうもいかないだろう。教師が親以上の存在になるというのはあまり喜ばしいことではないはず。撫子は目の前で繰り広げられる論争を目の当たりにしながら、胸中でそんなことを考えていた。そこだけ見ていると、まるで大学の講義を受けているような錯覚に陥る。
 しかしそんなしみじみした感情はいつまでも持っているわけにはいかない。問題の村のかなり手前でもこれだけの霊波動が伝わってくる……相手はよほどすさまじい装置を設置したのだろう。とりあえずメビウスと蔵人の論争は横において、撫子は帯の中に潜ませておいた村の地図を開きながら紫苑と作戦会議を始めた。

 「ここから鉄塔までは高低差や原生林、建物などの障害物を一切考えないのなら、本当に一直線ですわ。その周りに村人や凶悪化した浮遊霊、そして虚無の境界のメンバーがいるのですね……」
 「撫子様は一気に正面突破で、鉄塔に向かわれますか?」
 「すべての元凶はここにあると思っていますわ。わたくしがこの任を担います。」
 「わかりました。リィール、あなたは撫子さんのサポートをよろしくお願いします。」

 紫苑の何気ない言葉に撫子は驚いた。敵対しているアカデミーの教師と一緒に戦うなど、いったい誰が予想しただろう。彼女は同じ立ち位置にまで出てきたリィールにひとまず「よろしくお願いしますわ」と挨拶すると、相手も「ああ」と小さく返事をした。アカデミーは『遺恨』などという言葉には無頓着なのだろうか。撫子はふとそんなことを考えていると、紫苑が話を続けた。この作戦会議はまだ終わっていないらしい。

 「提携先から派遣される方は後で合流するとのことですので、そちらはサポートなしで。蔵人様は我々アカデミーにお力添え頂けませんでしょうか? もちろん十分な報酬などもご用意させて頂きます。」
 「僕がすればいいことはあの手紙を読んだからわかってます。それを見過ごせないのも自分でわかってます。ですが誘い方に納得がいかないので、僕はメビウスさんにその辺を聞きながらお手伝いしますよ。あ、アカデミーへの勧誘はお断りですからね。」
 「おいおい、なんでお前がそこんとこ決めるんだ? だから責任者は紫苑だってーの!」
 「それはさっきから何度も聞きましたよ。」
 「なら、そっちの説明で納得しろよな〜!」

 ここまで来るともはや押し問答。結局なし崩し的に、いや必然的に蔵人とメビウスはタッグを組むことになった。そうすると作戦を指揮する紫苑が余ってしまう。ここはひとりで戦いの様子を偉そうに見物……かと思いきや、彼もある人物と組んで村人の脱出や救護を担当するらしい。その話になって突然、紫苑の足元からひとりの少年が現れた。背中には小さな身体とは不釣合いなリュックを背負っている。中身は武器なのだろうか……リュックはパンパンに膨れ上がっていた。

 「やーやーやー。俺、鈴森 鎮ね。今回の回復役は任せてくれよ!」
 「ということで、私は鎮様と一緒に援護する立場になろうかと考えております。超加速は自分ひとりにしか効果はありませんし、髪で敵を切るのもあまり得意ではないのです。直接的に戦うとなると、私は皆さんの邪魔になりますので。」
 「こんなシビアな戦いなら、ひとりかふたりくらい地味っぽい役に回らなきゃダメだろ?」
 「ごもっともですわ。心強い限りです。」

 撫子が最高の賛辞を送ると、鎮も胸を張って喜ぶ。少年が動くたびにリュックの中から陶器がかち合う音が小さく響いた。懇々と説教する蔵人もその奇妙な音には気づいていたが、それよりもこの場に出てきたのが子どもだったことがもっと気になっていた。彼が目線を逸らした隙にメビウスが地面の影を伝ってさっさとバス停の中まで逃げる。

 「ふぅ……ったく、やかましいオッサンだぜ。」
 「メビウスさん、ほら〜。あの手紙を見て子どもが来たじゃないですか。いくら後方支援でも危険に巻きこむ可能性が高いんですから、協力を大々的に求めちゃいけませんと何度も言ってるじゃないですか。」
 「うわっ! お、お前、いつの間に!」

 バス停の中で再び始まった説教大会をよそに、皆がさまざまな力が渦巻く村の中へと歩いていく。前へ踏み出す一歩には心なしか微弱な抵抗があり、侵入者を外へ追いやろうとする意志のようなものを感じる。メビウスは全員が作戦決行のために動き始めたのを知ると、両手で耳に栓をしながら後ろから追いかけた。もちろん蔵人もそれに付き合う。戦いの火蓋は切って落とされようとしていた。


 村の入口を指し示す道標は強固な石柱でできている。ここから先が村の中だ。まず集落を見て驚くのが、割れてない窓ガラスがひとつもないことだ。おそらくすさまじい勢いで飛んでいる浮遊霊たちが悪意を持って建物の中に飛びこんだ結果だろう。中にいた人間がどうなったか……それを想像するのは非常に心苦しいことである。そのせいか、ほとんど人の気配が感じられない。視界にはっきりと幽霊が見えているせいもあるのだろう。感じるよりも見る方がはるかにわかりやすいからだ。
 このまま説教コンビのままでいなければならないのかと悲痛な表情を見せるメビウスに向かって、蔵人は突然として奇妙な指示を出す。それは事態に対して非常に前向きな発言で、撫子もその言葉を聞いて素直に驚いた。

 「メビウスさん。さっきの能力で水の流れるところ……そう、小川でいいので探せませんか。数が多すぎてやりづらいんです。もし見つけたらその場所を私に案内してください。よろしくお願いします。」
 「おっと、説教終わり? だったら嬉しいんだけどよ。今は夜だから探し放題だな。何を考えてるかは知らんが了解したぜ。んじゃ、後は頼むわ。」
 「メビウスさん。『虚無の境界』が視界分析装置で影の中まで感知する装備を持っているかも知れないですから、十分に気をつけて下さいね。」
 「教師に説教か。それも変な構図だな、作戦部隊長さんよ。蔵人、ちょっと待っててくれよ。」

 メビウスはそう言い残すと、さっそく影の中を入り込んで相方の望むものを探しに行った。ところが蔵人は仲間から離れようと街中を歩き始める。リィールがそれを止めようとすると、珍しく紫苑が大きな声でそれを制した。

 「リィール、いけません! 蔵人様はそのままにしておいてください! 後はメビウスに任せるんです!」
 「お、お前……その反応は。あいつについて何か知っているな?」
 「ええ。死霊使いであるあなたとは相反する存在、とでも言っておきましょうか。いや、あなたから彼を遠ざけたのはそれだけの理由ではありません。この状況、霊波動増幅装置によってもたらされた特殊な地場だからこその問題でもあるのです。複雑に入り組んださまざまな要素という名の糸をほどいた時に見える結論……私はそれを推測してあなたを止めました。」

 リィールはもちろん、撫子も鎮もそんな説明で納得できるはずがない。どれだけ紫苑がそれらしく論理立てて説明したところで肝心の部分を隠したまま話しているのだから説得力などあるはずがないのだ。それでも止められた側は素直に納得し、逆十字の仮面の奥から落ちついた声を出した。

 「ああ。わかった。私には撫子のサポートがあるからな。」
 「ありがとうございます。それでは皆様、参りましょうか。」
 「ホ、ホントにあの人は放っといていいの?」
 「むしろ逆ですよ。放っておかないといけないんです。メビウスも今にそれを知るでしょうから、それなりの対応をするでしょう。我々の仕事は……霊波動増幅器の効果が都内に伝達する前に破壊することです。」

 紫苑が先に言った遠回しな表現はその場凌ぎではなかったというわけだ。彼とは付き合いの長いリィールはそれを察して、あっさりと妥協したというわけだ。鎮もなんとなくそれを察したようで、それ以上のことを紫苑から聞き出さなかった。
 ゆっくりとした歩調で村の奥へ、そして鉄塔に向かう山道に接近する面々。すると突然、バラバラに動いていたはずの浮遊霊が彼らめがけてぶつかってきた! この手の奇襲は撫子やリィールは絶対に起こり得ると踏んでいたので、自然と身体が動いた。目にも止まらぬ早さで神斬を抜き、それを振りかざすことで哀れな霊を昇天させる撫子。そして愛用の銀の槍を風車のように回し、その輝きで飛びこんでくる霊を打ち砕くリィール。ふたりの反応は抜群だ。
 しかし意外にも、紫苑がこれに対応しきれなかった。おそらく超加速を使ってはいたのだろうが、複数の敵に手間取ったのか右腕に2箇所ほど傷を受けていた。撫子はいつもの紫苑とは思えない動きを目の当たりにして驚く。

 「紫苑様……!」
 「わ、私の毒蛇は……霊体には効かないんです。」

 その言葉で初めて、彼女は紫苑の長く美しい青い髪が乱されたことを知る。彼は自分の持っている能力をすべて駆使しても霊体には勝てないという意外な弱点を持っていた。鎮は血の滴る紫苑の腕を見てリュックを地面に下ろし、中から手のひらに収まるくらいの大きさの陶器の壷を取り出す。そしてそれに指を突っ込んで乳白色の軟膏を取り出し、それを紫苑の腕にまんべんなく塗りつけた。その刹那、紫苑は痛みで身体を震わせる。それを見て、鎮は笑顔で言った。

 「良薬、口に苦し。塗っても痛くない傷薬なんて治りも遅いってもんだ。ほらよっと!」
 「鎮様……それはいい言葉ですね。覚えておきましょう。」
 「それは塗り薬か?」
 「ああ。怪我したら言えよ、すぐに飛んでいくからさ。まー、もともと俺はこれが専門だから。他にもいろんな薬を作ってきたからリクエストがあれば聞くよ。」

 鎮の正体は鎌鼬の参番手。人を転ばせ、斬り、血止めして去っていく妖怪である。彼は血止め専門。だからさまざまな薬の製法に精通しているという道理である。バス停でおかしな音を響かせていたのは、この壷をリュックに入れていたからである。実は奥の奥には秘密兵器が忍ばせてあるのだが、これについては今の時点では振れられることはなかった。
 鎮が紫苑の治療をしている最中も四方八方、縦横無尽に浮遊霊たちが装置から放たれる霊波動を受けて悪意を持って襲いかかってくる。力はそれほど強くはないが、とにかく数が多い。鎮は紫苑の治療をしているので、撫子もリィールも前に進めずにいた。リィールが前、撫子が後ろを守る。リィールは隙あらば山の上まで駆け上がらんとしていたが、パートナーの撫子はそのつもりがないらしく迫り来る敵をただ叩くだけ。こんなことをしていてもきりがないのは承知の上である。ここで痺れを切らしたリィールが思わず声を荒げた。

 「はっ、ふんっ! おい、装置を壊さねば意味がない!」
 「はあーっ! わ、わかっています。しかし、ここには虚無の境界がどこかに潜んでいます。たあっ! もしかしたら村人に紛れこんでいる可能性も……」
 「……この様を見ている、ということか?」
 「あくまでわたくしの憶測ですわ。心霊テロ組織を名乗る以上、その可能性を頭に入れておくことは必要だと思いませんか。」
 「必要もないのに派手な立ち振る舞いで霊を倒していたのはそのせいか。その連中なら紫苑が素早く対応できるはずだが……」

 ふたりの作戦を聞いた紫苑は鎮に短く感謝の言葉を告げると、すっくと立ち上がる。そして彼は次の瞬間、リィールの向かおうとしていた先へ超加速で出ていった。外円にいた浮遊霊はふらふらと移動した紫苑の動きを追った。敵は超加速を理解することはできないだろう。だが、紫苑もこの霊団と戦う術はない。
 紫苑に向かって霊が襲いかかろうとした瞬間、両脇にある高く伸びた木の上からそれぞれひとりずつ藤沢の部下が飛びかかってきた! 頭からつま先まで黒尽くめで、その上から防弾チョッキを羽織った彼らは笑いを噛み殺しながら手に持ったナイフを振るい上げる。ところが紫苑も同じような笑みを浮かべた。そして人間の気配を感じた彼は即座に超加速を発動させ、ひとりの背後に迫る……しかもその時には青く長い髪は毒蛇のように怪しく蠢き、すべてを切り裂かんとしていた!

 「がっ、消え……?!」
 「私には霊に対する攻撃手段を持たない。しかし、人間であるあなた方を倒すことは……できるんですよ。」
 「後ろ……あ、あがひゃあぁぁぁ!」
 「うっ、なん……がばあぁぁっ!!」

 ふたつの悲鳴がほとんど同時に木霊する。超加速中に鋭利な刃物と化したしなやかな髪で部下の装備を容赦なくずたずたにした紫苑は、また鎮のいるところまで瞬時に戻ってきた。その髪は相手の返り血で少し朱く染まっている。その端正な顔にも赤い飛沫が跳ねていた。浮遊霊たちは紫苑が元の場所に戻ったことにも気づかず、そのまま倒れこんだふたりの身体を得ようと愚かな争いを始めた。鉄塔に向かうのなら、今がチャンスだ。撫子は思わず素直な感想を口にする。

 「紫苑さんがお味方ですと、本当に心強いですわ。」
 「ご勧誘は後ほど。今なら鉄塔まで楽に行けるはずです。私は鎮様と共に村の皆様の様子を伺ってきます。なんでも診療所が野戦病院さながららしいですから。」
 「うわっ、そうなの? 薬いっぱい用意してきてよかった〜!」
 「ここは任せた。撫子、行く……待て、何か来る!」

 再びリィールが霊を跳ね除けるために槍を回転させようとした瞬間、はるか彼方から心地よいエンジン音がわずかに木霊した。そしてそれが周囲を騒がしくし始めたあたりにようやくその姿が現れる。撫子がいち早くその姿を確認した。黒光りする全身スーツに身を包んだ戦士がバイクを巧みに操っている!

 「あれは……」
 「闇の狩人が、来ましたね。彼の名はザ・レギオン、またの名をコマンダー・リバース。魔導強化服『バール』に身を包んだ味方ですよ。」
 「しかしあの力は……」
 「凶々しき匂いを感じる。撫子の言葉を借りるなら、味方でよかったと言ったところか。」

 そんなことを囁かれているのを知ってか知らずか、バールは彼らの横を通り過ぎる時、一方的に紫苑にこう言い放った。

 『テクニカルインターフェース社の提携契約で俺が来た。藤沢は任せろ。暇だったら装置も壊す。』
 「では、藤沢はお任せしました。」

 バールはそのまま山道を専用マシン・シャドウガストで突っ込んでいく。だが、その正面には浮遊霊が群れていた。その瞬間、胸のプレートが怪しげな光を放つ。するとそれは一気に霊を吸いこみ始めた! その装置はまるで磁石のように霊を呼び寄せ、全身でそれを吸収する……その光は徐々に全身に広がろうとしていた。バールのおかげで撫子たちの通り道はできたが、起こった出来事はそれ以上に重大なものに感じられて仕方がない。この期に乗じて走るのが上策なのだろうが、どうしてもそんな気分になれなかったというのがその場にいた仲間たちの素直な感想だった。

 「あ、あいつさ。ゆ、幽霊を……そ、その、く、食ってなかった?」
 「撫子、行くか。虚無の境界はバールに任せよう。まったく今日に限ってはテロリストに同情してしまう。」
 「あのバールなる人は、本当に恐ろしい力を秘めていますわね。狂気とも受け取れる、そんな力を感じましたわ。」
 「では予定通り、装置の破壊をお願いします。我々は救護に回りますので。」

 黒い存在が通り過ぎた後でも作戦に変更はなかった。彼らは自分たちの成すべきこと達成するために動き出した。


 その頃、蔵人は街中をぐるり一周していた。彼の周囲はおろか、後ろにはすっかりおとなしくなった霊がぞろぞろと大行進している。彼らは蔵人に危害を加えることはなかった。そこにいい結果を手土産に影から出てきたメビウスは思わず驚きの声を上げる。

 「うわっと! あ、あんた何やってんの?!」
 「ちょっと村っていうから散歩したらこの有様ですよ。ところで……お願いしたものはありましたか?」
 「すぐ近くにあるけどさ……こいつら、俺に襲ってくるってことはねーだろうな。」
 「ああ、おとなしいものですよ。元々、彼らはここにいるべき存在じゃない。探してもらったものも、実は彼らを送るためにあるんですよ。ささ、メビウスさん。早く案内してください。」
 「おっかねーなぁ。ちょっと距離を取りながら案内するぜ。気を悪くすんなよ。」

 ふたりの、いや蔵人の仕事はまだまだこれからだ。メビウスに手伝えと言えないあたりが苦しいが、とにかく今は黙ってメビウスの後を追いかける。ポケットに突っ込んだ手の中には黒い帳面が握られており、自分だけがその変化をなんとなく感じていた。

 「装置が壊れてからが、本当の仕事なのかもな。」

 蔵人の独り言はメビウスには届かない。さまよう霊に戻った彼らの姿を見て、彼はふとそう思った。


 バールは見事なドライビングテクニックで山道を駆け抜け、山の中腹あたりにある開けた場所でシャドウガストを止める。怪しげな輝きを放つ足を地面につけ、数歩前に出ると仮面の奥から不敵な笑みを響かせた。彼がバイクを止めた理由……それは目の前に敵がいたからである。拳銃を構えるふたりの部下を両脇に従え、特殊な銃弾を備えたサブマシンガンを手にした藤沢が立っていた。
 バールは地面を踏みしめながら歩き、右腕をゆっくりと伸ばしその手首を自分に向かって何度か振った。そう、彼は敵を挑発しているのである。遊んでいると言い換えた方が正しいのかもしれないが……激昂した部下が銃を撃つが、そんな攻撃が聞くはずがない。森を縫って飛んできた霊を吸収しながら、バールは藤沢の前に立ちはだかった部下たちに向かって霊圧のエネルギーに変換しそれをぶつけた! 胸から放たれる分厚い邪悪なオーラは部下のふたりはおろか、藤沢まで巻きこんで後方へ吹き飛ばす!

  ゴウゥゥ………ゥゥッッ!!
 「う、うぎゃあばかぁぁぁぁっ!」
 「おぼわぁぁーーーーーーっっ!」
 「ぐっ、ばはっ! くっ、や、役立たずどもめ! これでは装置が守れんではないか!」

 その一撃で部下を失い、ついにひとりとなった藤沢。サブマシンガンを手放さなかったところは、さすがリーダーというべきか。だがバールは不敵な笑みを漏らしている。それは部下を仕留めたことを喜ぶ笑いではない。彼らが犯した罪を嘲笑うものだった。

 『ふふふ、はっははは! 貴様らは愚か者だ。自らが設置した装置で具現化した霊で滅ぶとはな。これほどの不運は他にない。』
 「ふ、ふざけるな! まだ俺が残っている……この特殊銃弾で蜂の巣にしてくれるわ!」
 『ああ、いいだろう。お前らのおかげで俺はこれが必要なくなった。装甲を解いて戦いに望むとするか。はああぁぁぁぁーーーっ!』

 特殊強化服のすべてのパーツが目映い光とともに消え去ると、その中からは信じられない異形の悪魔が出現した。それを目撃した藤沢は絶句し、その身を恐怖でガタガタと震わせる。すべての霊を吸収して生み出された姿がこれだというのか。だとすれば、人間はどこまで悪魔に近づけるのか。もはや藤沢の思考は常人のそれを超えることしか考えられなくなっていた。
 左肩から伸びる長い角、隙間なく敷き詰められたカニの硬質な鎧、額から伸びる黒き龍の角……そして悪魔を想起させるコウモリの翼。その姿は十数体の動物が融合したキマイラフォームとも呼べる存在だった。彼は決して走ったりはしない。今度は長く伸びた虎の爪を怪しくかき鳴らしながら、藤沢の元へと歩いていく。恐怖を極限まで高められた人間がすること、それは悪あがきしかない。絶対に効かないとわかっていても、振るえる手が自然とサブマシンガンを操るのだ。自慢のコーティングブリッドはバールであったレギオンの身体に傷ひとつつけることができない。1分もしないうちにすべての弾丸を撃ち尽くしてしまうが、藤沢は尻もちをつきながら必死にレギオンから逃げようとする。そして彼に迫ったレギオンは容赦なく両脚めがけて爪を振るった!

 「う、うっぎゃああぁぁぁぁぁーーーーーっ!」
 「これで逃げれまい……ふふふ。」

 その言葉とともに姿を消したレギオン。深く刻み込まれた傷跡から全身に響く痛みに耐え切れず、藤沢はただ泣き叫ぶだけ。しかしレギオンはゲームに飽きてそこから去ったわけではない。なんと最後のとどめを刺そうと空中に舞い上がっていたのだ! 彼はカメレオンの能力を使って自分の移動先を藤沢に察知されないようにしていたのである。そして重ねた両腕を赤龍と黒龍に変化させ、その両手から炎と瘴気を合成して発射する『ドラグスマッシャー』を撃とうと狙いを定める。その最強の龍の咆哮が狙う先……それはなんと霊波動増幅装置だった!

 「うあ、あが、やめろ、やめてくれぇえぇ! あれはこの世にひとつしかない装置なんだ! 俺のすべてなんだぁぁぁっ!」
 「これで貴様を消すのがもったいない。俺はあれを、いやあの辺すべてを消す。ははは……ん?」

 装置の恩恵で奪った浮遊霊を力に変え、それを吹き飛ばそうとするレギオンの視界にあるものが入ってきた。それは空飛ぶ能力者である! 片方はプテラノドンの骨格を身にまとったリィール、そしてもうひとりは『天位覚醒』で3対の翼を持つ女神となった撫子だ。彼女は装置から発生する浮遊霊を封じるために妖斬鋼糸をいくつか結び付け、それを使って即席の結界を作り出した。いかんせん装置は空中にあるため、それそのものに括りつけることでしか発生を弱めることができない。本来の使い方ではなかったが、撫子は一瞬の閃きでそれを実行した。

 「リィール様、今はあの程度までしか抑えられませんわ!」
 「わかった。今から私は渾身の一撃を加える。最後はお前に任せた。」

 そういうと彼女はおもむろに仮面を脱ぐ。その瞬間、口元から頬に刻まれた文様が全身を覆い、すさまじい力がリィールの精神に宿る! そして妖斬鋼糸の結び目を避け、死霊の飛行を利用して槍の強烈な一突きを見舞った!

  ガガギ……ッ!
 「い、今だ! とどめを刺せ!」
 「行きます! とぉわあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!」

 目映いばかりの光に包まれた撫子は背から伸びる美しい翼で鉄塔に近づき、両手で持った神斬で装置を力強く一閃する!

  シャキーーーーーン!
  バリバリ、ババババリバリバリッ!

 装置からはいくつもの電撃がほとばしり、その効果は完全に失われた。今にそれ自体が爆発するのも時間の問題だろう。撫子もリィールも安心して顔を合わせようとした瞬間、すさまじい威力の赤黒いエネルギーが鉄塔ごと消し去ろうと飛んできた! この軌道だとふたりとも巻き込まれてしまう!

 「そ、そんなバカなっ! 藤沢はバールが倒したはずでは……?!」
 「はっ……!」

 ふたりが放った力を超えるエネルギーは途中で完全に四散してしまった。これは撫子の力だった。自分たちを巻きこんでの装置を破壊しようとする攻撃を手の一振りで無効化してしまったのだ。その後で装置は情けない音を立てて爆発し、頑丈な箱はボロボロと崩れていった。もちろん中身も完全にショートしており、突然振り出した雨のように個々の部品が地面に落ちていく……
 電線を伝っていたあの波動も徐々に収まり、空中で四散した。その様子を見ながらリィールは仮面を再び口元に戻しながら言った。

 「終わったな。」
 「ええ……」

 ふたりの中にはなんとも言えない不安が残っていた。それはもちろんあの超パワーのエネルギー波のことである。心当たりがないわけではないが、それを断定しても仕方がない。事件はすでに解決しているのだから。ふたりは村がどうなったかを伺うために下へと向かった。

 一方、ドラグクラッシャーを放ったレギオンはエネルギーそのものをキャンセルされるとは思っていなかった。装置や鉄塔はおろか山をもえぐり、藤沢の心を絶望一色して殺すつもりだったのだ。しかしそれが失敗に終わったことを知ると、興ざめしたらしく彼は再びバールの装甲を身にまとい、傷ついて歩けない藤沢をその場に置いて去ろうとした。

 『つまらん。貴様、命拾いしたな……おや?』

 さっきから情けない声で泣いていないと思っていたら、すでに藤沢は計画の失敗を悟って薬を飲んで自害していた。仰向けになって身動きひとつせず倒れる彼の姿を見て、バールはさらに不機嫌な声で言い放つ。

 『貴様の魂はここをさまよえ。我がエレメンタルスレイブの一部になることも許されない愚かな存在よ。救われぬ魂となって装置の欠片にでも憑け。』

 彼はアカデミーに対して戦果を報告することなく、そのまま自分のいるべき場所へと帰っていった。シャドウガストは空飛ぶ女性ふたりとはまったく違うルートで山を駆け下りる……


 撫子とリィールが村に戻ると、すっかり浮遊霊の姿はなくなっていた。紫苑が言うには、装置に攻撃を仕掛けた時間と平行して徐々に狂暴化する浮遊霊の数が減り、我先にとある場所へ向かっていったそうだ。『虚無の境界』のメンバーに関しては本格的に山を調査をしてみないとわからないが、劣勢になっても姿を現さないということは失敗したと悟ってあっさり逃げたのかもしれないとの説明があった。残党の捜索はアカデミーだけでも調査できるので、とりあえず撫子や鎮の協力はここまでということになった。ともかく村に害がなくなったのは結構なことである。撫子は「ふうっ」と息をついた。そんな彼女に対してリィールは冷たい缶ジュースを渡す。撫子は微笑みながらそれを受け取った。
 今、彼らのいるところは野戦病院と表現されていたあの診療所である。鎮と紫苑は霊障などの原因でやけどを負った患者に塗り薬を塗ったり、敵が窓ガラスから侵入した時に鎮が鎌鼬の姿になって斬ったりしていたそうだ。「こっちはこっちで大変だったんだから」とは鎮の弁だ。それを言われて苦笑いをするのは紫苑である。その場では薬を塗る以外に役に立つようなことは何ひとつしていないのでばつが悪いらしい。ところが、そこは紫苑のうまく取り繕う。

 「でも鎮様。いくら言うこと聞かないからと言っても傷口にからしを塗るのはいけません。」
 「あらあら、そんないたずらをしたんですか?」
 「いたずらじゃないって! せっかく助けに来たってのに、ガンコな爺さんが『やけどなんか放っておけば治る!』とか意地張るからちょっとありがたみをわからせるのにちょこっとだけ……」
 「あの後、ヒーヒー言って泣き叫んでたんですよ。そのお爺様。まぁ、その後で素直にはなりましたけど……ならざるを得ないですよね。」
 「お前も味方でよかった部類の奴だな。」

 リィールにそう言われ、今さらになってかわい子ぶる鎮であった。診療所の中にも笑いがこぼれる。


 浮遊霊たちの行った先……それは村の脇を流れる小川だった。ここに並ぶ連中は皆、救いを求めている。今は高ぶる気持ちもなく、ただ静かに順番を待っている。その様子を遠巻きに見ているのはメビウスだ。彼は蔵人を川まで案内した後、「列の長さを見てくる」とウソをついて蔵人の影に侵入した。彼が何者かを知るために。しかし彼は数秒しか影の中にいることができなかった。影から影へ抜け出した瞬間、彼は背筋に冷たいものを感じた。幾度となく戦いで死を覚悟したことのあるメビウスだったが、蔵人の影の中はそんなものなど比較にならないほど恐ろしい空気が支配していたのだ。それを体験してからというもの、メビウスは彼の自由にやらせることにした。
 まだまだ続く浮遊霊の列だが、確実に少なくなっている。蔵人が小川から彼らを行くべき場所へと送っているからだ。川辺にあった大きな石にどっかりを腰をかけ、彼は下流を見ながら霊が送られていくのを静かに見守っていた。蛍のように光を放ち輝く魂たちの流れもまた、なんとも言えない美しさを醸し出している。もしかしたらメビウスは蔵人の好きにやらせているわけではないのかもしれない。これが最良だと思い、彼にすべてをゆだねたのかもしれない……流れていく霊がすべて消えた時、この事件は終わったといえるだろうか。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号/ PC名 /性別/ 年齢 / 職業】

0328/天薙・撫子      /女性/ 18歳/大学生(巫女):天位覚醒者
3421/コマンダー・リバース /男性/  1歳/TI社特殊強化服装着員
4321/彼瀬・蔵人      /男性/ 28歳/合気道家 死神
2320/鈴森・鎮       /男性/497歳/鎌鼬参番手

(※登場人物の各種紹介は、受注の順番に掲載させて頂いております。)

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■         ライター通信          ■
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毎度のご発注、本当にありがとうございます。シナリオライターの市川 智彦です。
今回は「CHANGE MYSELF!」の第8話ということですが、敵はなんと「虚無の境界」!
市川智彦がこの組織を扱うのは初めて。おかげさまで面白い視点の作品が書けました。

鎮くんは「CHANGE MYSELF!」ではもしかして初めてなんでしょうか?(笑)
なんか書いててすごく新鮮だったので……今回は本業の薬塗りが生きましたね〜!
ちゃっかりいたずらもやってます。実はこれが書きたかったってのもあります(笑)。

今回は本当にありがとうございました。皆さんのおかげで書いてて楽しかったです!
それではまた、別の形式の依頼やシチュノベでお会いできる日を待ってます!