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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


Love&Hate Song act1


○オープニング



 愛してる。貴女のことを愛してる、心の底から愛してる、世界中の誰よりも愛してる、愛してる愛してる愛してる愛してるあいしてるあいシテルアイシテルアイシテルアイシテルアイシテル――

 殺したいほどに、狂おしいほどに――





* * *



「なぁ、今日は何が食べたい?」
「…何でも…」
「んだよ、質問がいのねぇやつだよなぁ」
 二人は、そんな何時もの会話を楽しんでいた。もっぱら話しかけるのはアスカのほうで、玲は眠そうな声でそれに相槌を打つだけなのだが、それが何よりも楽しい。
 アスカはそれでいいと思っているし、玲もただそう答えることが楽しい。平和な日々とは、こういうことを言うのだろう。

「!」
 そんな眠そうだった玲の顔が、一瞬で変わる。
「? どうしたんだ、玲?」
 アスカがその変化に気付く。そんな顔の玲はまず見ることが出来ない。
 しかし玲は答えない。ただ周りを見渡すばかり。
(生物の気配が一切ない。幾ら夜だからといってもこれはおかしい…)
 彼女たちが今立っているところは紛れもない東京都内なのだ。それも人通りはかなり多い。人一人どころか、野良猫すらいないその状況は明らかに異常。
(考えられるのは…結界か)
 そして、すぐさま一つの答えへと辿り着く。
 人払いの結界、それくらいしか考えられない。彼女はさらに思考をめぐらせていく。
「……い…おい、玲ってば、どうしたんだよ!」
 と、自己の思考に埋没していた彼女の意識が、ふっと戻される。見れば、アスカが袖をくいくいっと引っ張っていた。
「悪い…アスカ、すぐにここを立ち去るぞ」
「はっ…?なんだよ、一体どうしたんだよ?」
「いいから」
 戸惑う彼女の返事も聞かず、玲はその細い腕を掴んで走り出した。
 その行動に理由は特にない、ただ何か、嫌な予感がした――





「誰だ、貴様らは」
 無限回廊のように続く闇、道路。その先に、仮面を被った男が二人立っていた。
「……」
 玲の質問に対する答えは何もない。そんなものは必要ないとばかりに、ゆっくりとその足を一つ前に出す。
「おい、玲…」
 アスカが、ギュッとその袖を掴んだ。不安げな彼女の視線の先には、無骨な抜き身の刀身。
 殺気は不思議と感じられない。だが、その手に持つものを見れば、彼らが何を望んでいるのかは予想はつく。
「…心配するな」
 そんなアスカに、玲は微笑んだ。
「お前は、私が守ってやる」



「ひゅっ!」
 玲の放った蹴りが、男の顔面を捉えた。蹴られた瞬間、男は思わずよろめく。
 機を逃さず、玲がさらに連撃を畳み込もうと動き――それはもう一人の男の斬撃によって阻害された。
「そこまで甘くはない、か」
 男たちから少し距離をとり、玲はまた身構えた。

 アスカを守りながらも、玲は戦いを有利に進めていた。
 ハンデを背負いながらそれだけのことが出来るのは、相手との実力差が相当ないと無理だろう。それだけ玲の戦闘能力は高かった。
 程なくして、二人の男は地面に平伏していた。

「…なんだったんだ、こいつらは」
 玲がその仮面を取ろうとしゃがみ込んだその瞬間、
「玲、避けろぉ!」
 アスカの叫びが道路に響き渡った。

「…っ!」
 その声に反応し、咄嗟に玲は体をその場から跳ね飛ばす。
「…っあ…!」
 だが、一瞬の時間差でその左腕と左足に何かが突き刺さっていた。
 熱い痛みに、まともに着地することも出来ずに玲は地面を転がった。

「玲…!てめぇ、なんなんだよ離せよ!」
「情けないな。腕が鈍ったんじゃないか、玲?」
 何かに抵抗するようなアスカの声と、何処かで聞いたことのある女の声。それに、玲はゆっくりと顔を上げた。
「お前は…」
「久しぶりだな、五年ぶりか?」
 アスカの腕を掴んだ女性が、闇にも溶けないどす黒い髪を揺らしながら笑っていた。
「霧生…黒華…」
 目を見開く玲に、霧生黒華はまた笑った。

 黒華はアスカをねめつける。まるで何かを選定するように。
「…なんだよ…そんなことより離せよ!玲を…」
「うるさいやつは嫌いだ」
 次の瞬間、アスカの鳩尾に拳がめり込んでいた。アスカはそのまま気を失った。
「黒華ぁ…!!」
 それを見て、玲から抑えきれない殺気が放たれる。
「そんなにこいつが大切か?」
 そんな玲に見せ付けるように、気を失ったアスカの首筋に黒華は舌を這わせた。その瞬間、玲の身体が弾けた――
「黒華ぁぁぁぁぁ!!」
 その足の傷など何もないかのように、獰猛な獣のように玲は突進していく。
 だがしかし、その手が黒華に届くことはなかった。
「ごめんね」
 玲の耳元で何か小さな声が響く。次の瞬間、玲の体は弾き飛ばされ、壁に激突していた。
 肺が圧迫され、まともに息をすることが出来ない。やっと息が出来たと思った瞬間、また玲の体は飛ばされていた。
 弾き飛ばされ、飛びそうになる意識の中、黒華の前に少女が一人立っているのが見えた。

「結界…師…」
 必死に飛んでいきそうになる意識をつなぎとめる。そんな玲を、少女はただ悲しそうな目で見つめていた。
「そういうことだ。ミラは私のためだけに動く結界師。優秀だろう?」
 アスカをミラに預け、黒華は玲の前に立ち、その顎をもち顔を上げさせた。
「悔しそうだな、あの女を守れなかったことが。憎いだろう、この私が。
 でもなぁ…それは五年前の私だって同じだったことだ」
 何処までも深い闇色の瞳が見開かれた。
「お前が私にそうしてくれたようになぁ!私もお前にそうしてやるんだよ。
 私をこうしたのはお前だ。だから私はお前を私と同じにしてやる」
 黒華に浮かんでいた笑みが消え。そして、浮かんだのは氷のような憎しみ。
「思い出せ、お前のやったことを!忘れたとは言わさんぞ、お前にだけはなぁ!!」
 そして、ボロボロな玲の体を黒華は抱きしめた。
「他のやつには何もさせない…私はお前のことが憎い、殺したいほどに。だから愛しい、誰よりも」
 黒い情愛の色が、その瞳に宿る。
「愛して愛して、もう何も考えられないようになってから殺してやる。お前だけは、私がな」
 そして、動けない玲の唇に、黒華は自分の唇を重ねた。

 玲の体を投げ出し、黒華は立ち上がり、再びアスカを抱えた。
「綺麗な娘じゃないか…この女を殺したとき、お前がどんな顔で泣くか、どんな風に怒り狂うか、どんな憎しみを私に向けるか、考えただけで私は絶頂に達しそうだよ!
 あは、あはははははははっ!!」
 ゲラゲラと、ゲラゲラと。黒華はただ狂ったような笑い声をあげた。

「…出ろ…」
 笑い声をあげる黒華の前、平伏しながら玲は何かを呟く。その瞬間、その手に中に何かが物質化する。
 長い棒のようになったそれを杖代わりに、玲は立ち上がった。
「お前が私を憎むのは当然だろう…」
 その柄を回転させれば、青く輝く鈍色が弧月を描く。
「だが…アスカを傷つけるのなら許しはしない…!」
 フラフラと頼りなく体を揺らしながらも、玲は殺気の篭った蒼月の穂先を黒華に向けた。
「いいぞ、いいぞその殺気!だがなぁ…まだだ、まだだ!もっともっと憎め、私を憎め!」
 嬉しそうな笑みを浮かべ、黒華はアスカを抱えその場を飛び去る。
「もっとだ、私しか考えられなくなるくらいに私を憎め玲!あはははは!!」
「待て黒華ぁ!」
 その黒華を追おうと玲が走り出した瞬間――彼女の体は何かに縛り付けられた。
「結界師…!」
「……」
 ミラと呼ばれた少女は、言葉もなく掌を握り締めた。その瞬間、玲を包んだ結界が一気に収縮する。
「がぁ…!?」
 ボロボロの玲は何もすることが出来ず、今度こそ意識を失った。





* * *



「…雨か?おかしいな、今日は降らないって言ってたのに」
 草間が窓の外を覗けば、大粒の雨が降ってきていた。
 既に土砂降りと呼べる状況に、今日傘を持っていってないやつは可哀想に、などと草間は他人事のように考えた。
「…仕事を頼みたい…」
 そこに、一人の女性がやってきた。雨に打たれたのか、全身が濡れていた。いや、それ以上に、
「お、おい、あんた大丈夫か!」
 その体から流れる赤いものの方が目に付いた。
「私のことは…いい。それよりも、仕事だ…」
「いいじゃないだろ!零、早く手当ての用意を…って、あんたは確か…」
 最早体力は残っていないのか、草間に返事もせずに、女は倒れこむようにソファに座る。
「戦えるやつと…情報を集められるやつを数人集めてくれ…。アスカが…攫われた…」
 それだけ言って、玲の意識はなくなった。





○何処に?



「よう」
 短い男の声が、携帯の向こうから聞こえてくる。
「なんだ」
 その声に、黒華もやはり短くこたえる。このやり取りは何時ものことだ。隣に静かにたたずむミラも大して気にした様子はない。
「奴さん、案の定あの興信所に接触した。お前の読み通りだな。さすがは霧生黒華、と言ったところか?」
 そんなことを言いながら、特に感情の篭っていないその声に、黒華は一つふんと馬鹿にしたようにこたえる。
「あいつとの付き合いは長いんだ、それくらいのことは大体は分かる。
 そんなことはどうでもいい、集まったのは?」
「シュライン・エマ、セレスティ・カーニンガム、鹿沼・デルフェス、日向龍也、立花正義、火宮ケンジの六人だ」
 すぐさま返ってきた答えに、黒華はにやりと笑った。
「なんだ、有名人が多いじゃないか。火宮ケンジとか言うのは知らないが、さすがは草、か。
 いや、楽しい夜になりそうだ…く、くく…はははっ…」
 携帯の向こうの相手に何も言わずそのまま携帯を切り、黒華は楽しそうに笑い続けた。

『…ケンジが興信所に?デルフェスやシュライン、立花の野郎まで…』
 縛り付けられているアスカは、その名前を聞いて不安を覚えていた。知らない名前も混じっているが、草間のところにくるのだから、その腕は考えるまでもないだろう。
 しかし、それでも、何か漠然とした不安がアスカにはあった。何かはよく分からない、何故覚えるのかもよく分からない不安が。
 そんなアスカの前に、黒華が歩いてきた。その顔には、本当に楽しそうな笑みをたたえて。
「さて、折角のお客様の来訪だ。端役であろうと、正装はしておかないといけないな」
「何するつもりだ…てめぇ…!」
 必死に不安を隠して声を出すアスカに、黒華はまたにやりと笑った。



* * *



「何やってたんだよ!!」
 興信所のロビーに、怒声が鳴り響く。
「あんたが一緒にいながら、みすみすアスカさんを連れ去られるなんて…!」
「……」
 火宮ケンジが、玲の袖を掴みながら叫ぶ。そんなケンジに、玲は何も言う事ができなかった。
「ケンジ様、今はそんなことをしている場合じゃ…」
「分かってる!分かってるけど…だからって…畜生…!」
 鹿沼・デルフェスがそれを必死に宥めるが、それでもケンジのやり場のない怒りは収まりそうはなかった。
「ですが…」
 デルフェスは、コーヒーを玲に渡しながら、沈んだ表情を浮かべた。
「わたくしもショックですわ…アスカ様が攫われるなんて…」
 アスカと親交の深い二人にとっては、今回の事件は殊更ショックが大きいようだった。

「ケンジ君の怒りは分かるけど…今は冷静にいきましょう」
 シュライン・エマが玲の目の前に座りながら言った。
「悪ぃ…分かってるけど…ちょっと頭冷やしてくる」
 ケンジは一人ロビーを出ていく。
「青いな、あいつ」
 草間に呼ばれてそこにいた日向龍也の呟きに、「しょうがないわよ」とシュラインは苦笑を浮かべた。

「傷が酷いですね…少し失礼しますね」
 セレスティ・カーニンガムが玲の傷に手を添える。少しずつその傷は癒えていく。
「……?」
 と、その際にセレスティは何か違和感に気がついた。傷が、明らかに何処かおかしいのだ。

 そんなセレスティを余所目に、シュラインは玲に質問を聞き始めた。
「玲さん、アスカちゃんを攫った犯人…霧生黒華? 彼女とは知り合いなのよね?
 彼女とのこと…話してもらってもいい?」
 それに、玲はゆっくりと頷いた。そして、思い出すようにゆっくりと語り始めた。

「黒華は、私の姉だ。正確には義姉、だが」
「義姉…?」
 驚くシュラインに、玲は言葉を続ける。
「あいつとは20年来の親友だった。退魔師として、一緒に死線をくぐってきた仲だ。そして私は…あいつの双子の弟と結婚していた」
「していた、ってことは…」
 この場合、過去形なのには二つの意味が考えられる。一つは離婚、そしてもう一つは…。
「…そういうことだ」
 淡々と玲はそれを認め、言葉を続けた。
「その原因になったのは私だ。だから黒華が私を恨むのも仕方がない。愛している云々は全く知らないがな…」
 それ以上のことを、玲は語ろうとしなかった。

「話は大体聞かせていただきました」
 話が一通り終わったとき、ロビーのドアを開けて、立花正義が入ってきた。
「やれやれ、誘拐犯の捕獲…いや逮捕と聞いていたので簡単な仕事かと思いましたが、どうもそう簡単な仕事では無い様ですね」
 そこにいる龍也を見つけ、少し苦い表情を浮かべた後、正義は大げさに肩を竦めた。そこにいるメンバーから、ただでは終わりそうにないことをすぐさま感じ取る。
 龍也はそんな正義を一瞥して、どかっとソファに座り込んだ。
「ま、やるだけじゃねぇか?」

「玲さん、彼女がいそうな場所とか、心当たりはない?」
 その挑発ぶりといい、黒華が玲にだけ自分の居場所を分かるようにしている可能性は十二分に考えられる。玲はその言葉を受けて、少しだけ考えて口を開く。
「…海かもしれない」
「海?」
「あいつは昔から海が好きだった。理由はそれだけだ、確証は全くない」
 確信するには、あまりに理由が弱すぎる。何か他に情報はないのか、シュラインは少し焦る。
「玲様、教われた場所は?」
「ここからはさほど離れていない。駅前のアーケードを抜けたところにある、なんでもない住宅街の道路だ。…もっとも、結界のせいで少し感覚が狂っていただろうから、それが正しいかどうかは分からないが、な」
 それを聞いて、いてもたってもいられないデルフェスは立ち上がる。
「……こうしてはいられません、わたくし、少し出てきますわ」
「あ、デルフェスさん!ちょっと待って、もう少しだけ話を聞いてから…」
 シュラインの制止の声も聞かず、デルフェスはそのまま興信所を後にする。彼女からすれば、一刻も早くアスカを助けたいのだ。
 それをしょうがなさそうに見送り、シュラインはみなと向き合う。
「それじゃ、私たちは私たちでやりましょうか。特に、セレスティさんと立花さんの情報網には期待してるわよ」
 それに、セレスティは静かに頷き、そして正義は肩をすくめて返事をした。

 一方、興信所を飛び出したデルフェスは、そこでケンジを見つけた。
「探しに行くんだろ?俺も一緒に行くよ」
「…お願い致しますわ」
 そして、二人は走り出した。




 それから数時間、日付が変わる頃。
「霧生黒華28歳…五年前とある事件により双子の弟である玲さんの夫が死亡…それから程なくして所属していた退魔師の組織も瓦解…五年前その姿を消して、今現れて…」
 馴染みの情報屋やアングラからの情報は、全て玲から聞いたものか、五年前までのことばかり。中々有益な情報が集まらない中、シュラインは少し苛立っていた。
 正義やセレスティも同じようで、中々情報が入ってはこないようだった。
「霧生黒華嬢…情報操作が上手なようですね。中々尻尾が見えない…」
「こちらも同じく、です」
 正義が頭をかきながら携帯をしまい、セレスティも黙り込んでしまった。
 そんな中、龍也は一人、不気味なまでに黙り込み、何かを考えていた。



「…ケンジ様、少しこちらへ」
 一方、玲たちが襲われた現場に来ていたデルフェスが、何かを見つけケンジを手招く。
「…誰だ、この人たち?」
 デルフェスの視線の先、電柱にもたれかかるようにして、二人の男が倒れていた。別に酔っ払っている様子でもなく、何か強引に気を失わされたような、そんな感じがした。
 事実、男たちのきているスーツは埃で汚れ、誰かに襲われたのかというくらいに服が乱れていた。
「分かりませんわ。でも、おかしいと思われませんか?」
「…あぁ、そう言えば」
 少し考え、ケンジは何かに思いつく。

 ケンジたちがやってきたとき、まだ現場には結界の残滓と思われる『もの』が残っていた。そのせいか、現場に人が戻ってきた形跡は全くなく、やはり不気味なほどに静まり返っていた。
 ケンジやデルフェスのような能力者ならそれにも気付けるため、二人は難なくその現場を見つけることが出来た。
 つまり、一般人がその残滓を越えて、ここにいること自体が不自然なのだ。それはつまり…?
「この二人が、最初玲さんとアスカさんを襲ったやつらだってことか」
「えぇ、そう考えて十中八九間違いないかと」
 しかし、それはそれで玲の証言に食い違いがあることに二人は気付く。
 玲たちを襲ったのは仮面を被った二人だったはずだ。しかし、目の前の二人はそんなものは全く被っていない。
「とりあえず、興信所の方に連絡を入れておいたほうがいいと思いますわ」
「それもそうだな」
 ケンジは携帯を取り出し、すぐさま興信所へと連絡を入れた。



「分かったわ、今からそっちに合流するわ」
 それだけ言って、シュラインは電話を切る。
「ケンジさんはなんと?」
「現場で玲さんたちを襲ったと思われる二人を見つけたって。ここにいても始まらないし、ケンジ君たちと合流するわ」
「それもそうですね。では行きましょうか」
 セレスティに答えたシュラインに、正義も賛同しソファから立ち上がる。龍也もそれに黙って従った。未だに何かじっと考えているような、そんな仕草で。

「玲さん」
 傷が癒え、一緒に出て行こうとした玲をセレスティが呼び止めた。
「黒華嬢ですか、彼女は『水』を使いませんか?」
 その言葉に、玲がピクリと反応した。
「…よく分かったね」
「えぇ、あなたの傷を見ているうちに、ね」
 玲の傷は何処かおかしかった。何かに抉られたような、しかしそれは明らかに道具を使ったものではなく。気や呪の類をぶつけたにしては、あまりにその残滓がなさすぎた。その証拠を一切残さないものがあるのか?そして、帰ってきた彼女は雨に打たれていたのだ。
「それに、私は『水』の類に関しては人一倍敏感でして、ね」
 それが、人魚たる彼の所以。水を操ることならば、彼の右に出るものはいない。
「黒華は水気を自由に操る。…心強いよ」
 そういう玲に、セレスティは少し微笑んだ。



「…あぁ、襲ってきたのはこいつらで間違いない」
 現場に着いた玲は、開口一番言い放った。
「そうみたいだな。魔力の残滓がほんの少しだけ残ってるぜ」
 それまでは口を開かなかった龍也も、その魔力を感じながら言った。
「じゃ、本人たちにお話を聞いたほうが早そうね」
 言うが早いか、シュラインは男たちを揺さぶった。

「…なるほど、玲さんと戦ったときの記憶は全くない、と。ついでに何でそんなことをしていたのかも分からないと、そう言うわけね」
 男たちの話を聞いて、シュラインが、いやほとんど全員が溜息をついた。
 肝心の男たちは、綺麗さっぱり何も覚えていなかった。自分たちが玲を襲う前、会社に行ったことだけは覚えていたが、それも役に立つ情報ではない。
「はぁ…手詰まりですわね」
 デルフェスの呟きに、ケンジは苛立たしそうに拳を握った。





「さて…お姫様のおめかしも終わったところで、そろそろ主役をパーティに呼ぶとするか」
 黒華の目の前には、気を失い横たわるアスカ。その服装は、豪華なドレスに変わっていた。
 それを満足そうに眺め、黒華は携帯を取り出し、何処かへとメールを打ち始めた。
「これでいいか…ミラ、後はお前が呼んでやれ」
 椅子に座り込んだ黒華に、ミラはただ静かに頷いた。



 それと時を同じくして、シュラインの携帯に着信が入る。
「はい…武彦さん?」
『シュラインか?霧生黒華の情報が入ってきた』
 電話の主は草間だった。草間はシュラインの返事を待たず言葉を続ける。
『黒華が港のほうで誰かと接触していたという情報のタレこみがあった。
 …今まで全く情報がなかったのに、いきなりこんな情報が入ってきたのは怪しいんだが…どうする?』
 心配そうな草間の声に、シュラインはクスッと笑う。
「虎穴にいらずんば虎児を得ず、ってね…危険なのは最初から分かってることだもの。行くわ」
『そうか…気をつけろよ』
「分かってる…ありがとう、武彦さん」
 草間との短いやり取りを終え、シュラインは携帯を戻す。
「皆、情報が入ってきたわ。霧生黒華はおそらく港よ。まぁ、十中八九罠だろうけど…行くでしょ?」
「当たり前だ、こんなところにいてもしょうがないしな」
「聞かれるまでもありませんわね」
 シュラインの問いに、皆が頷くその時。
『!!』
 ぶわっと、何かが広がって体を通り越していく感覚が全員を襲った。
「今のは…結界?」
「あぁ、どうやら奴さんも誘ってやがるみたいだぜ」
 セレスティに、龍也はニヤリと笑った。
「やれやれ、面倒くさいことになりそうですねぇ…さっさと終わらせましょうか」
「…まぁ、立花さんの言うとおり、さっさと行くことには賛成ね。それじゃ、行きましょうか」
 それから、効果があるかどうかは分からないが、やらないよりはマシと結界用に小さな結界を仲間全員に張り、全員港へと歩き始めた。
「俺のセンサーよりも外側から結界を広げるとはな…面白そうじゃねぇか」
 龍也は一人、不敵な笑みを浮かべていた。





○Dancing night



 港はひっそりと静まり返っていた。春が近いとはいえ、潮風の吹く港はやはり肌寒い。
 人の気配は全くしない。一瞬で広範囲に広がった結界は、一行が港に入った瞬間範囲が狭まり、港だけを包むようになっていた。
「…本当にここであってるみたいね」
 不気味なほどに静かなそこを油断なく見渡しながらシュラインが呟く。
「こんなところで待ち伏せる気が知れませんね。私ならもっと違うところに誘い込みますよ」
「今はそんなことどうだっていい、やつらは何処だ…?」
「ケンジさん、焦りすぎですよ」
 何処かふざけたような正義にケンジはイライラしながら答え、それをセレスティに諌められる。
 しかしそれにも答えず、ケンジは一人先を進んでいく。
「そう焦んなよ、すぐに見つかるさ」
 龍也があくまでマイペースに言うが、ケンジには届かない。その気持ちがよく分かるデルフェスもその後に続く。

 綺麗に積まれたコンテナが迷路のように入り組んだ道を作る。その中を一行は歩いていく。やはり人の気配は一切しない。
 その中を歩いていくうちに、対岸に出たのだろうか、潮風が再び彼らに吹き付ける。
「やっときたか。待ちくたびれたじゃないか?」
 防波堤の上、闇にも溶けない黒髪が、同じ黒いドレスの上で揺れていた。

「てめぇか、アスカさんを攫ったのは…アスカさんを何処にやった!」
 叫ぶケンジを、防波堤の上から黒華は面倒くさそうに睨み付ける。
「何だこのキャンキャン叫ぶ犬は…あぁ、連絡の中にあった火宮ケンジとか言うやつか」
 さもどうでもいいかのように言い放つと、黒華は防波堤の上から飛び、軽く地面に着地した。
「そんなにあのお姫様が大事かい?」
 睨み付ける一行を無視するかのように、楽しそうにくっくと笑い声を上げる。
「貴女様の下らない言い分は聞きたくありませんわ。アスカ様をお返しくださいませ」
「嫌だと言ったら?」
 デルフェスの横に、玲が進み出る。
「言うまでもないだろう」
 そこから先に、言葉は必要なかった――。



 真っ先に動いたのは龍也。ノーモーションに、その腕から黒く輝く光球が放たれていく。
「やられたことと同じことをしようってのか、ちっちぇな」
 しかし、黒華はそれを全く避けようとはせず、そのまま光球の中へと突っ込んでいく。
「その認識は間違っているな、日向龍也」
 高重力のそれは、黒華に接触した瞬間、その細身を地面に縛り付ける――はずだった。だがしかし、実際はそれは黒華の目の前で雲散し、掻き消えた。
「確かにあれはきっかけだ…だが本当のところ、もう私は弟のことなどどうでもいい」
 目前まで迫ったその手の中には、鈍く光る何かが握られていた。
「ふん」
 しかし、それでも龍也は全く焦らず、その手の中に一本の剣を発生させ、握る。剣を同時に幾本も発生させるには、あまりに距離がなさすぎたのだ。そして同時に何か嫌な予感を感じ、黒華の背後に剣を発生させることを本能が拒ませた。
 二人の光が交叉する。龍也の握った剣は砕けたが、黒華の握っていた光も同時に砕け散る。それは、水だった。
「私はただ、玲を愛しているだけだよ」
 ふと黒華が優しい笑みを浮かべる、同時にこの上なく壊れた笑みを。
 そして、光が散った瞬間、光は結晶と化して龍也に降り注いだ――。

「日向さん!」
 少し離れたところから、セレスティが叫ぶ。光の結晶が水だと悟ったとき、彼の体は同時に動いていた。
 セレスティは頭の中に、水のイメージを思い浮かべる。人魚たる彼がそうしたとき、全ての水がその支配化におかれる――。

「……っ」
 龍也に降り注ぐはずだった結晶は再び霧散し消えていく。同時に、黒華は体に異変を覚え、すぐさまその場を飛びのいた。
 黒華は冷静に自分の体の状況を考える。突然現れた疲労感、眩暈。そして、すぐさま一つの結論に至る。
「セレスティ・カーニンガム…リンスター財閥総帥の貴様が、まさか水を操れるとはな。貴様、今私の血液を少し操っただろう?」
「よそ見をしてる暇があるのか」
「舐めている訳じゃあないさ」
 玲の槍の刺突を避け、さらには追い討ちのように降り注ぐ龍也の剣を避けながら、それでも黒華は笑っていた。
「うおおおお!」
 身を翻し、着地したところにケンジの炎龍が襲い掛かる。
「まるで猪武者だな…」
 避けられないと確信した瞬間、逆に黒華はその体をケンジにぶつけ、ケンジのバランスを崩す。
「っあ…」
「だがな、気合だけじゃどうしようもないことは幾らでもある」
 バランスの崩れたその足を払ってやれば、ケンジは何も出来ずに地面に転がる。そこに無慈悲な瞳と水の刃が落ちようとした。
「しかし、状況はお前さんが不利だぜ?」
 そこを狙って降り注ぐ剣の雨。それを寸でのところでかわし、黒華は再び距離をとる。
 一つ息を吐き、周りの状況を確認する。
 少し離れて玲、立ち上がったケンジ、さらに召喚する剣の数を増やした龍也。その後ろにいまだ何もしようとしない正義と、油断なく黒華を見つめるセレスティ。
「おい、似非刑事。お前、何もしないなら帰ったらどうだ?」
「似非刑事とは酷いですね、犯罪者さん。まだまだ彼女は手の内を明かしていません、まずはお手並み拝見ですよ。それに、セレスティさんを守る人も必要でしょう?」
 冗談のような龍也と正義のやり取りの中、黒華は違和感に気付く。
 いるべきものが、二人いない。



「シュライン様、こちらですわ」
 その頃、デルフェスとシュラインは、五人とは違うところを走っていた。
 黒華があそこにいて、アスカとミラがいないということから、二人は近くに潜んでいると踏んだのだ。
「お願い、無事でいて…!」
 シュラインの呟きが、静まり返る港の中に響く。



「ほう…あのシュラインとかいう女、やはり頭がいいな」
 しかし、それに焦るわけでもなく、心底感心したように黒華は言う。
「霧生黒華ぁぁぁ!!」
 ケンジの突進を軽くいなし、黒華の黒いドレスが空に舞った。
「面白くなってきたか…しっかりとついてこいよ、玲」
 それだけ言って、その姿は闇の中へと消えていった。
「黒華…!」
 その後を五人は追った。



* * *



「アスカ様!」
 倉庫の手前、ドアにもたれかかるようにアスカは気を失っていた。
 明るく綺麗なドレスが、月明かりを浴びて輝いている。そして、その手には鈍く光るものがあった。
 デルフェスの声に、ピクリとその身体が動く。
「待ってデルフェスさん」
 シュラインが、アスカに駆け寄ろうとするデルフェスをとめる。彼女たちの前で、アスカがゆっくりと立ち上がった。
「シュライン様、何か…」
「あの男たちは、記憶がないって言ってた。それってつまり、操られてたってことじゃない?」
 その言葉に、デルフェスはハッと息を呑んだ。アスカが瞳を開く。赤い瞳には生気が感じられない。
「アスカ様…」
「完全な傀儡、ね」
 シュラインが呟くと同時に、アスカの握っていたナイフが閃いた――。



「なっ…」
 ケンジはその目を疑った。黒華を追ってきたそこで、シュラインたちを襲うアスカを見たからだ。
「アスカ…黒華、アスカに何をした!?」
 玲の叫びに、黒華がニヤリと笑う。
「別に? ただ、お姫様が端役のままでは可哀想だったからな、綺麗におめかしさせて、踊ってもらっているだけだ。綺麗だろう?」
「黒華ぁぁぁぁ!!」
 それに、玲が遂にキレた。



「アスカ様、お気づきになってください!」
 デルフェスの叫びは届かない。アスカはただ黙々と、恐ろしいほど正確な剣筋でナイフを翻す。
 それをシュラインとデルフェスは寸でのところで避けていた。剣はズブの素人の二人、デルフェスはその体から当たっても問題はないだろうが、シュラインは一度当たってしまえば十分致命傷となりうる。
「デルフェスさん、一旦彼女を止めないと!」
「そうですわね…お許しくださいアスカ様……ぁっ!」
 デルフェスがアスカに換石の術をかけようとした瞬間、一瞬その身体が弾ける。
 シュラインが瞬時に周りを見渡せば、そこにはさっきまでいなかった小さな影。
「結界師…!」
 シュラインがミラに気をとられた瞬間、アスカのナイフが彼女に向かって振り下ろされた。
「……!」
 シュラインは思わず目を閉じる。しかし、次の瞬間はやってこなかった。
 ゆっくりと瞳を開ける、そこにはナイフを持ったまま、その手から石へと変わっていくアスカがいた。
「間に合ってよかったですわ…」
 デルフェスがホッと胸をなでおろす。ここに来る前にあらかじめかけておいた結界が、ミラの結界を一度だけ防いでくれていたのだ。
 アスカは言葉もなく石造と化した。石となったアスカに、デルフェスは話しかける。
「少しだけお待ちください…すぐにお戻しいたしますわ」
 そして、キッとその瞳を黒華に向けた。
「これで人質の意味はなくなりましたわ。どうなされますの?」

「人質? また思い違いをしているな」
 それを聞いて、黒華はまたクックと喉を鳴らした。
「私は本当にその女はどうだっていい。ただ玲が怒り狂う様を見たかっただけさ。殺してしまっては、それは一瞬しか見れないだろう?」
「てめぇは何処まで腐ってんだよっ!」
 黒華が楽しそうに言い放った瞬間、ケンジの拳が黒華の顔面を捉えていた。

「っ…」
 ケンジの拳をまともに喰らい、黒華は後ろへとよろめいた。
 ミラが駆け寄ると、それを黒華は強引に振り払った。
「…貴様」
 今までにない殺気でケンジを睨み付けるが、ケンジはそれに怯むこともなく睨み返す。
「さぁ、状況は最悪だな」
 龍也が剣を自分を囲むように召喚する。そしてそのまま前に進み出た。
「出来るんなら人生最初からやり直してきな」
「黙れ」
 黒華の周りにも、海に溢れる海水が集まり始める。
「やらせませんよ」
 しかし、それもセレスティによって雲散させられてしまう。
「どうするよ?」
 その手から剣が降り注ぐ、黒華が避ければ避けるほどに剣が加速していく――!
「…黒華さん…」
「ふん…遊びすぎたか」
 それでも避け続けられるのは、卓越した身体能力と勘がなせるものなのだろうか。
 しかし、流石にそれも限界が近づく。
 黒華がまた龍也の剣を避けたとき、左から玲、右からケンジが同時に迫ってきた。
「黒華ぁぁ!」
「ちぃ…」
 その状況に、黒華は覚悟を決めた。
「ぁ…!」
「おいたはやめておきな、嬢ちゃん」
 黒華を守るために結界を張ろうとしたミラは龍也に牽制され、動くことが出来ない。
 玲の蒼月とケンジの炎龍が、黒華に迫る。三人が交差するその瞬間、銃声が響いた。

「…立花さん?」
 シュラインが信じられない目で正義を見ていた。
 正義の両手には銃が握られていた。左手の銃はセレスティの頭に、右手の銃は玲に。玲に向けられた銃口からは煙があがっていた。
「…どういうつもりだ、てめぇ?」
 玲に放たれた銃弾は、龍也の握っている剣に真っ二つに割られ、玲には届かなかった。
 しかし、正義の行動は全員の動きを止めるのに十分だった。
「いや、実に素晴らしい。素晴らしいですよ貴女」
 怪訝そうに見つめる黒華に正義は言う。
「実はこの仕事、最初から全く気に食わなかったんですよ。何よりも彼らのことが気に入らなかったんですが」
「正義さん貴方は…!」
「何言ってんだよ正義さん、あんた…」
「黙ってくださいセレスティさん、ケンジ君。ここで引き金を引けば、彼はそれで死にますよ? 誰もここなら間に合わないしね」
 正義はそのままセレスティの頭に銃口を突きつけ、なおも話を続ける。
「どうでしょう、貴女の仕事を私にも手伝わせていただけませんか?」
「…好きにしろ。興が冷めた」
 ぶっきらぼうに言い放ち、黒華は動けずにいる玲と向き合う。
「何かであったな。愛情も憎悪も、最初は同じところから始まる…いい言葉じゃないか」
「…黙れ。私はお前を愛してなどいない」
「分かっていないな…まぁいい。もっと私を憎め。次に会うとき、もっと楽しいことになるだろうよ。
 あぁ、そうそう。お姫様は返してやるよ」
 それだけ言い残して、黒華とミラは海の中へとその身を投げ出した。
「逃がすかよ」
「おっと」
 二人に向かって龍也が剣を飛ばすが、正義の作り出した鎖がそれを絡めとる。
「彼女たちをやられると私も都合が悪いのでね。スイマセンね皆さん、私は彼女たちにつきますから」
「正義様、貴方はそれで本当によろしいのですか!」
 デルフェスに、正義は大げさに肩を竦めて見せる。
「デルフェスさん、貴女が何を言いたいのかよく分かりませんね。それでは皆さん、御機嫌よう」
 そうして、正義も闇の中へと消えていった。



* * *



「…まぁ、アスカさんを助け出せただけでも十分よね」
 戦いの緊張が解け、シュラインはふーっと大きく息を吐いた。
「えぇ…このまま終わるとは思えませんけど」
 デルフェスがアスカの頭を撫でながら呟く。既に石化はとかれていた。
 静かな寝息を立てるアスカを見て、ケンジは心底安心したように溜息をついた。
「…今度会ったときは絶対ぶっ倒してやる」
「えぇ、一発殴ってやればいいんですわ」
「ならよく修行しとくんだな。あの顔への一発以外、全部避けられてるんだからな」
「分かってるって…」
 ケンジと龍也のやりとりを見ながら、セレスティはかかってきた電話を聞いていた。
「…分かりました。そのまま調査をお願いします」
「電話、なんて?」
「やはり、霧生黒華嬢の背後には、大掛かりな組織が関わっているようです。まだ詳しいことは分かりませんが、そのうちに分かるでしょう」
 それを聞いたシュラインは、また大きな溜息をつく。
「ホント、まだまだ終わりそうにないわね。これから大変そう…」
「そうか?」
 そんな彼女に、龍也はにやりと笑いかける。
「楽しくなってきたじゃねぇか。パーティはまだまだ始まったばかりってことだ」
 それだけ言い残して、彼は街の闇へと消えていった。
 それを見送りながら、玲は一人考えていた。
(黒華…)
 彼女が何を考えていたのか、まだ誰にも分からなかった。
 静まり返った闇は、彼女の黒髪を思い出させた。





<To be Continude...>



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0086/シュライン・エマ(しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【1883/セレスティ・カーニンガム(せれすてぃ・かーにんがむ/男性/725歳/財閥総帥・占い師・水霊使い】
【2181/鹿沼・デルフェス(かぬま・でるふぇす)/女性/463歳/アンティークショップ・レンの店員】
【2953/日向・龍也(ひゅうが・たつや)/男性/27歳/何でも屋】
【3462/火宮・ケンジ(ひのみや・けんじ)/男性/20歳/大学生】
【3786/立花・正義(たちばな・せいぎ)/男性/25歳/警察庁特殊能力特別対策情報局局長】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちはもしくはこんばんは、何時もお世話になっておりますもしくは初めまして。へっぽこライターEEEです。
 今回は参加本当にありがとうございました。

 初めてシリーズものをやるということで、何処まで何を出せばいいかかなり迷ってしまい、結局ぎりぎりになってしまいました。すいません(土下座
 今回は一応正義さんがあぁいうことになったので、成功ですが決していい結果だったとは言えないかも知れませんね。
 まぁこういう波乱があるのが楽しいのですが(何

 次回は四月中に出せればいいと思っています。また機会がありましたら宜しくお願いします。