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神の剣 異聞 Invisible Blade 2 セレスティ・カーニンガム編
環境など違った者。
先日に織田義明は衣蒼未刀と出会った。
あなたの目からすれば顔もなんにも似てはいないようで、似ている。
趣旨趣向などでなく、反応だ。
其れがお互い可笑しいのか、意気投合している模様。
「遊びに行くか?」
「遊び? なにを?」
と、義明が未刀を誘う。
「まあ、お互い親睦を深めるために。」
「そうだな……」
と、未刀は立ち上がる。
「義明」
「何?」
「服買いたいんだけど」
「じゃ、その関係に行くか」
あなたも、彼ら(特に世間知らずの未刀?)が心配で仕方なく、付いていくのであった。
〈セレブのお誘い〉
「遊びに出かけるのですね?」
ほほえみかける、杖をついて歩くセレスティ・カーニンガム。
「はい」
2人はまた同時に反応する。
顔や癖などもおなじなら、双子と間違えてもおかしくないだろうか。
それは、前からわかっていたので置いておく。
未刀は、セレスの首に何かが巻き付いているのを見て
「で、セレスティ……その、其れなんだ?」
と訊いた。
|Д゚)ノ いよー
「かわうそ?さん、ですよ」
|Д゚) かわうそ? の かわうそ? なのだー!
|Д゚) いまは襟巻きだけど
未刀は彼の言葉を聞かず、小麦色を見つめている。
|Д゚*) 照れちゃう
「てれんでいい」
義明の言葉で、襟巻きはセレスから離れ元のかわうそ?に戻った。
「?? 何なんだ?!」
未刀は驚くばかり。
「いや、深く考えない方がいい。“其れ”について深く考えない方がいい」
と、義明が未刀の肩を軽く叩く。
「義明がそう言うなら、そうするが……」
――やっぱり、気になる。
妖気も霊気も感じないのに、しっかり二足歩行しており、人語を理解し喋ると言うことが好奇心をかき立てるのである。
「さて、服を見に行きましょう」
セレスが、小麦色を先頭にして、2人を連れて行く形になった。
〈服〉
「まず必要なもの、未刀の服だな」
と、義明は考える。
「義明くんもかんがえるのですね? 趣味の店などは行かないのでしょうか?」
「ええ、服選びは結構時間がかかると思うし、其れに俺のセンスが、彼に合うか判らないですから」
セレスの言葉にかなり真剣に考える義明。
「俺は普通のシャツで良いよ……」
未刀は遠慮している。
かわうそ?が、セレスを車いすに座らせて、押している。
どうやって押しているのか謎であるが、所詮は、かわうそ?なので考えないでおこう。
「ホントにどれが良いかな?」
と、未刀は2人に訊く。
「俺は、黒基準だから、あと、ロック系なんだけどね」
「そうか。ロックはよく知らないが」
「それは今の義明くんの格好を見れば分かりますよ」
と、セレスが言った。
つまり、黒基調の革ジャン、デニムにシルバーアクセサリー姿であるのだ。
義明は童顔なので、アンバランスと言えばアンバランスであるが……。
「僕は……そこまで派手好みじゃない……でも……」
「結構便利そうですよ。彼の革ジャケットは」
セレスが微笑みながら未刀に言う。
「え? そうなの?」
「表裏にポケットなどがあるから、いざというときの道具や武器が入るよ。アクセサリーのチェーンで相手の腕等を絡めて押さえる“道具”になるし♪」
「そうなのか……」
悩む未刀。
「テーマは、簡単な物が良いかな……俺の服は一寸行きすぎだけどね」
苦笑する義明。
仕事と普段着などは義明の好みに準じたものに決まった。
ブランド物ではなく、良くある良質安売りの服屋で、極普通の黒いシャツに綿パンとデニムを数着買ったのだ。
「私が買いますね」
「「え?」」
セレスの言葉に2人は同じ反応、固まる。
「遠慮なさらず。そうだ。私からの贈り物と言うことで、もう一件まいりましょう」
|Д゚)ノ あい・さー
と、セレスは1人、車いすで移動して会計を済まし、かわうそ?が義明と未刀を押していく。
「ど、どこにいくんだ? セレスティさん?」
未刀はなにか困り気味……。
義明は、何となくわかったようなので、付いていくが、緊張している。
行った先は男物高級オーダーメイド専門店。
義明と未刀は、セレスの言うフォーマルの服一式を買って貰った。
「こ、こんな高価なもの……もらっていいのか?」
「い、頂きます」
驚く未刀に、緊張している義明。
「似合っていますよ」
クスクス笑うセレス。
未刀はまだ世間がわかっていないが、感覚でコレは手が届かないものだと理解して、義明は未刀より理解しているつもりが、予想以上の物を貰ったので驚いているわけである。
義明は既に成長期は終わったらしいが、未刀は不明である。成長期というのは個人差があるものだ。
「その服は、いつかディナーに着て頂きましょう」
マイペースなセレスさん。
もちろんあの小麦色も、あのチワワ宜しくフォーマルな服を着こなしていた(自腹であるが)。
その後、セレスと義明は、未刀に音楽など聴かせた。
クラッシックはセレスが詳しいので、義明は好きなヘビィメタルを未刀に試聴させる。
流石にあの電脳街に行くには、セレスには動きにくいこと、何より人混みを嫌う未刀なので、行くことはなかった。
近場のネットカフェでネット体験、バリアフリーのゲーセンで時間を過ごした。
「こんなに、あるんだな……凄い」
と、未刀は驚いていた。
〈河川敷で〉
途中、出店と屋台などが並ぶ街角をとおる3人と1匹。
「茜さんがいますね」
「え?」
セレスの声で義明が目をこらす。
茜が、タイヤキいっぱいの袋を手にしていた。
「よしちゃん、セレスさん、未刀君、こんにちは」
「どうした? 1人で?」
義明が訊いた。
「ん? そろそろ此処を通るとかわうそ?から連絡はいったから、人数分頼んでいたの」
にっこりと笑う茜。
「それは、それは。実は、茜さんを呼ぼうと思っていたのですよ」
セレスがニコリと微笑む。
「あ、そ、そうだったんですか!」
ぺこりとお辞儀する茜。
|Д゚) ここのタイヤキ( ゚Д゚)ウマー
と、小麦色は推薦している。
餡子とクリームの香りが、未刀の鼻をくすぐる。
「……美味しそうだ」
「そうだよ」
茜は未刀に微笑むと、未刀は少し照れた。
「私は屋台などで食事は初めてですね」
セレスはタイヤキを貰って頬張る。
「美味しいですね」
セレスが言った。
「ですよね。雑誌に載っていないですけどね。でも、雑誌に載っていない口コミだけの屋台などが実は美味しいんですよ」
茜はニコリと笑って答える。
そして、適当に食べ物をその通りで買ってから、河川敷でゆったりする4人と1匹。
夕食の時間にはまだまだだ。
義明は気持ちよさそうに草むらに寝っ転がっている。かわうそ?を枕にして。
「どうでしたか? 未刀君」
セレスが訊いた。
「楽しかった。独りではこんな事があるなんて知らなかったから」
「実は私も、未だわからないことが沢山あります」
セレスもクスリと笑う。
「世界は広い。知ることはいっぱいある。息抜きも必要だとかなんとか、せんせーのセリフだけどね」
「そうなのか? 変わった神だな」
義明の言葉に未刀は笑う。
〈夕日が落ちてきた頃〉
夜になる。
屋台で買った鯛焼きもたこ焼きも尽き、只時間に任せて雑談していた。
そこに、1本の桜の木がある。
「あ、咲いている」
茜が指さした。
「ああ、感じます」
セレスがホットココアを貰って、桜が咲いていることを感じ取る。
まだ、咲いたばかり数輪しかないが、春の訪れを感じさせるには十分である。
「「春なんだな」」
義明と未刀はまた同じ反応をした。
「これからどうしますか?」
セレスが訊いた。
「茜のところで、ごちそうになるのも良いけど、かわうそ? 何か情報は?」
義明が小麦色に訊く。
|Д゚) あ、今日は“井口や”で活きの良い魚入ったとか言った。
「“井口や”?」
セレスが首を傾げる。
「屋台の名前です。鮨屋風の屋台なんですけどね」
「屋台ですか。楽しみです」
セレスは笑う。
「じゃ、決定ね。いきましょう」
「はい、いきましょうか……」
茜がセレスを支えるように、セレスは未刀と義明の仲を微笑ましく見るよう、かわうそ?の先導で屋台に向かった。
To Be Continued
■登場人物
【1883 セレスティ・カーニンガム 725 男 財閥総帥・占い師・水霊使い】
【NPC 織田・義明 18 男 神聖都学園高等部・天空剣剣士】
【NPC 衣蒼・未刀 17 男 妖怪退治屋(家離反)】
【NPC 長谷・茜 18 女 神聖都高校生・長谷家継承者】
【NPC かわうそ? 既に説明不要】
■ライター通信
滝照直樹です。
『神の剣 異聞 Invisible Blade 2』に参加して下さりありがとうございます。
服選びは結構時間がかかるもので、其れに比例して文章も多くなりました。
庶民がセレブに浸る瞬間の驚き様、世間知らずの天然さの表情をこの文章で想像してくれると幸いです。
3話目は戦闘シリアス物予定です。どういう風になるか……。
ではまたお待ちしております。
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