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神の剣 異聞 Invisible Blade 2 麗龍公主編
環境など違った者。
先日に織田義明と衣蒼未刀と出会った。
あなたの目からすれば顔もなーんも似てはいないようで、似ている。
趣旨趣向などでなく、反応だ。
其れがお互い可笑しいのか、意気投合している模様。
「遊びに行くか?」
「遊び? なにを?」
と、義明が未刀を誘う。
「まあ、お互い親睦を深めるために。」
「そうだな……」
と、未刀は立ち上がる。
「義明」
「何?」
「服買いたいんだけど」
「じゃ、その関係に行くか」
あなたも、彼ら(特に世間知らずの未刀?)が心配で仕方なく、付いていくのであった。
〈仙人、未刀より……世間を知らず?〉
「義明に任せるかの」
と、麗龍公主は少しぎこちなく言った。
「はい、じゃ、まず武器屋というか、武具店に」
何の疑問もなく義明はすたすた向かう。
「武器屋がこの世にあるのか?」
首を傾げる公主。
「義明から訊けば、剣道や他の武道の道具を売っている店と、店主の趣味でモデルガンやら古着を置いているらしいんだ」
未刀が教えた。
「な、なるほどの」
一応納得したらしい。
――しかし、そこに何の用があるのだろうか?
疑問はある。
「あと、財布番は私なのか?」
公主が訊く。
「いや、各自自由にと言うこと、で」
さらっと言う義明。
「む、それなら問題はないが……未刀は」
「僕も考えて行動する。もし、義明や龍華が止めろというなら、やめる」
未刀が答えた。
確かに武具店は混沌としているイメージがあったが、しっかり種類別に別れている。
剣道、空手、柔道、中国武術の練習用具や稽古着、古着、業物の武具、等々。
店は見た目小さい割には、奥に色々あるようだ。
「霊的な物はないの」
「当たり前です。曰く物はエルハンドか長谷神社に直行ですよ?」
「むぅ、そのようだな」
彼女は義明の言葉に納得する。
義明がここに来たのは習性と戦いや道場に必要な道具の補充で来ているようだ。
他にどういうサービスがあるのか非常に気になるが、ま、その辺は考えない。
其れは決して、店主があの小麦色の謎生物ではないのでご注意。
古着と言っても、着物の類が多い。
「と、言うわけで、和に統一して試着というのはどう?」
義明が2人に訊く。
「どうしようか……」
「その辺は任せるかのう。着物の着付けぐらいは……和の雅は良いものだからのう、うむ」
と、思い思いで和服(袴姿と着流し、公主は晴れ着みたいなのから何故か義明・未刀の策略にはまり巫女服に)を着替えて遊んでそこで時間を潰した。
「なにゆえ、私が巫女服を!」
「見た目が若いからさ」
「どんな風なのか見てみたかった」
と、公主は逆に男2人の玩具になってしまった。
――からかうつもりだったのに、からかわれるとはなんたる!
公主は複雑な心境になった。
〈公主様、カジュアルを着る〉
値段的に問題ない、衣服店に向かう3人。
「コレは多いのう……」
と、服の多さに圧倒される公主。
「さて、目的の未刀の服だけど……あ、アイツ自分で考え込んでいる」
未刀は、好きな色合いのシャツを自分で選んでいた。
公主も、混じろうと思ったが……
「美少年の並ぶ姿もなかなか美しいものだ」
と、少し傍観。
それは、他の客 〜女性や男性〜 も、2人の仲の良さ、雰囲気が“何となくステキ♪”、“なんかドキドキする”という気を感じ取ってのことらしい。
此処で自分が割り込めば、“何、あの人”という痛い視線を受けるだろう。
普通なら、受け流すはずだが、彼女にとって此処は異様な異世界。気合いが入らない。
前もって、「私は未刀には黒か蒼が良いかと思うが」と言っていたので問題はないし、この時勢の服などはわからない。
とりあえず、スタンダードに黒と紺の綿パンとシャツ数着、デニムセット、どっちでも似合うジャンバーで纏めた未刀であるが、
「龍華、何か買わないのか?」
と、公主に訊く。
「え? そ、未刀が言うなら……着ないわけでもないが……」
少し照れる公主。
「崑崙に連れて行ってくれたお礼をしたいし、僕にはたいしたことはできないけど」
と、少し恥ずかしい感じに女性服を見ている。
義明は、公主をニヤリと笑い未刀に色々教えている。
――義明! おぬしか! 意外に策士か!?
赤面している公主。
恥ずかしさと怒りがせめぎ合っている。
流石に公衆の場で大声が上げられないので、プルプル震えている意外何もできない。
結局、武具店での古着着替え会同様、着せ替え人形になってしまう。
ある意味危ないのだが、端から見たら、公主が着たい服を選んで、自分で着替えているという風景になっているが不思議である。
「コレは少し恥ずかしいのじゃが……」
初めて着るワンピースやら、ミニスカ、デニム、とカルチャーショックで頭がおかしくなりそうな公主。
「いつもの服装より、マシと思うけどねぇ」
義明が腕を組んで頷いている。
其れには未刀も賛同している。
露出度では、通常の公主の服は凶悪ではなかろうか? と言う2人。
「似合っているよ、龍華」
その言葉で、更に顔を赤らめる公主
「あの“しっく”な服装はないのか!?」
と、試着コーナーのカーテンを閉めた。
――まさか此処で、からかわれの仕返しをされようとは。
立場的に不利である公主さんでありました。
と、何となく黒と紺、蒼の地味というかカジュアルかロックなのか微妙ではあるが、大体同じ感じの3人になって軽い昼食をとる。
ファーストフードは未刀もよく知っているが、公主は知らないので。
「“せるふ・さーびす”とはなんぞや?」
とか、過去の未刀を思わせる質問をするしまつ。
優しく未刀が、知っている限りのことを教えてくれる。
そこで、嘘や曲解を態と教えるのが義明。しかし、其れは未刀のツッコミが入る。
遊ばれている、公主と未刀。
これ以上カルチャーショックで公主が倒れかねないため、義明はゲームショップには寄ることはやめて、レコード店に向かった。
「私は今時の音楽はよく知らぬ」
「俺は、洋楽でも限定だけどねぇ」
と、あまり試聴できない代物を2人に訊かせる。
当然、ロック、中でもヘヴィメタである。
「何か騒がしいけど、何か良い感じだな」
「むぅ。私には雑音にしか聞こえないのじゃが?」
不評なのだかどうかわからないが、2人は最後まで訊いていた。
公主が好きな雅楽的なものは、少し違うかも知れないけど今人気の楽団が良く流れているので、
「たまにはこういう意外な物を聴くのは良いものじゃ」
と機嫌が良いようだ。
義明は、好きなバンドのアルバムを買い、未刀はかわなかったが、公主のために中国の有名楽団のアルバムを買ってあげた。
「いいのか?」
「良くはわからないけど、龍華はこれが似合いそうだ」
「うれしいぞ〜」
と、公主は未刀を抱きしめる。
「いちゃつくのは別のところでやってくれ」
義明は苦笑した。
〈普通の屋台にリンゴあめは?〉
「何!? リンゴあめがないとな!?」
「縁日でもないから、少し探すのには骨が折れそうだけどなぁ」
ショックを受けているのは公主、溜息を吐いて困っているのは義明。
「あることはあるけど、難しい。綿菓子なんて多分ない」
と、未刀も言う。
仙人だからか、主義なのか、生臭(魚肉)は食べないようだ。
「やきもろこしなどならあるけどねぇ。玉子もむりなのか……」
「むぅ。すまぬのう」
|Д゚) いらはい〜 いらはい〜 リンゴあめや駄菓子あるにょ〜ん
公主は固まった。
未刀も固まる。
今や大人気(なのか?)小麦色登場。
「タイミング良く現れるな、かわうそ?」
義明は慣れているのでこのナマモノに挨拶をかわす。
|Д゚)v どうだー!
「どうだ、じゃない!」
我に返って、怒鳴る公主。
|Д゚)ノ りんごあめいる?
流石動じない、ナマモノ。一番で気が良いと思われるリンゴあめを見せる。
「む、い、いただこう。いくらじゃ?」
|Д゚) 300万円
「そんな金無いわ! 崑崙まで其れ相応の……」
「いや、それギャグだから……」
真面目に反応する公主に、苦笑して止める義明。
一方、未刀は、固まっても、この謎生物に釘ツケ。
|Д゚*) そんなに見つめちゃいやん
とか、言う謎物体K。
かわうそ?から駄菓子とジュースなどかって、河川敷でゆっくりする3人。
「むぅ」
公主は、心労か何かで疲れている模様だ。
なので、この喧噪から離れた河川敷は心地がよい。
義明も、未刀も、春の訪れを感じさせる暖かい風をうけて、のんびりしている。
終始無言ではないが、この沈黙が心地良かった。
からかうことはできなかったが、コレもまた楽しいと思った公主。
今度は、未刀と共に遊びたいと思う。
――義明抜きで。
影斬未完全なのか義明は、すっかり昼寝モード。無責任なのか、気持ちよさに負けたのか眠っている。
実際、今回の遊びに出掛けるのは此処が終着なのだ。
「未刀」
「龍華」
と、同時に声をかけた。
「おぬしから……」
「いや、龍華から」
「んじゃ……またこうして遊びたい物じゃな」
「僕もそう思った」
2人はニコリと笑った。
義明は相変わらず眠っているみたいだが、2人は彼が起きるまで、この河川敷の草原でゆったり時間を過ごした。
■登場人物
【1913 麗龍・公主 400 女 催命仙姑】
【NPC 織田・義昭 18 男 神聖都学園高校生・天空剣士】
【NPC 衣蒼・未刀 17 男 妖怪退治屋(家離反)】
【NPC かわうそ? もう言わなくてもわかる?】
■ライター通信
滝照直樹です。
『神の剣 異聞 Invisible Blade 2』に参加して下さりありがとうございます。
今回は逆に玩具にされましたが、如何でしたでしょうか?
3話目も宜しくお願いします。バリバリシリアス戦闘編かもしれません……。
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