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<東京怪談・PCゲームノベル>


|Д゚) ふぁーすとこんたくと? (゚Д|

 春になった。
 長谷神社では相変わらず義明が鍛錬し、長谷茜が神社の掃除をしている。
――彼らの進級など、時間軸については横に置いておこう。

 当然、かわうそ?がそこにいる。
|Д゚) 旦~~
 コレといってすることがないのか、茶をすすってのんびりしているのだ。

 これから面白いことがあるのだが。



 飛鷹いずみは、茜と知り合い、良く買い物に行く仲にまでなる。ある事件がきっかけとも言うだろう。


 念のため、細かい事件との時間関係は省いておこう。
|Д゚) 所詮、かわうそ? の話といいたいんだろ?
 その通り。お前に常識はないからだ。
|Д゚) ショック
|Д゚) 失敬にゃ〜
|Д゚) 常識、一応持ってる
 と、小麦色の戯れ言を聞いている場合ではない。
|Д゚) がーん!



 彼女は今まで、友だちがいない。様々な要因から距離を置いていたためだ。しかし、歳の離れた友人が出来たことにより、少しずつ、そう少しずつ、子供らしさを自覚して素直になってきている。それほど、茜の存在は大きかったのだろう。
 茜自体は年相応の元気な娘である。超常的な能力を持っている事を除けば。
 いずみは、一緒に彼女と遊ぼうかな? どうしようかな? と予定を考えていた。しかし、その予定通りになることは無い。女の子の買い物などはそう言うモノらしい。時間をかけて、かなり買い物をするのだ。英国で統計的な研究をした人がおり、女性同士の買い物では時間がかかるというのだ(散財も多いらしい)。
 そう、其れは日本でも当てはまり、今のいずみにさえも当てはまる。いずみにとって茜は素直に甘えられる“特別な”存在になのだろう。自分でも時々不思議に思うのだが、それも悪くないと笑顔になる。それは、本当に可愛い笑顔だ。

 しかし、
 今日は其れが異なったようである。
 それが良いのか悪いのか……
 義明と茜だけが知る。


「ごめんください」
 と、いずみが声をかけた。
「あ、いずみちゃん♪ こんにちは♪」
「はい、こんにちは」
 にっこり笑って、挨拶する。
 姉のようであり、またあまり歳も関係なく接してくれる茜のまえでは素直になれるのだ。
「あの、今お暇ですか?」
「ん? ココって至って平和だよ。仕事もないし、春休みだし」
「そうですね」
 そろそろ、桜が咲く頃。
 今年の春は極度に気温差が激しく、桜も咲いて良いものか迷っているようだが、少しうすピンクの花びらが見えるのだ。
「あの、此つまらないものですけど」
 と、いずみが自分なりに頑張って作ったクッキーを差し出す。
「ありがと。わあ、美味しそう。お茶にしようか?」
「はい♪」
「よしちゃんも呼ぶね」
「はい」
 いずみと織田義明とは、まだ知り合い程度。良くココで剣の鍛錬をしている人間……否、常識を越えた存在だと思っている。自分も何かしら「力」はあるのだが、合気道によるたまものだと信じ込もうとしている模様。
 義明はかなり天然らしく(ヒョッとするとそう言う風にしているだけ?)、茜との幼なじみ漫才は見ていて飽きなかったし、買い物時には良き運び屋である。彼も彼女のプライドなどを尊重するのか、少し距離を置いてくれているのだ。
 いずみにとって、長谷神社は心が落ちつける場所である。疎外感などもなく、落ちつける空間。少しずつ、自分に素直に変わっていける事。


 その平和なバランスが……
 縁側で茶をすすっている小麦色の為に
 崩壊した。

|Д゚) 茜? 客?
「前にお話ししていた、飛鷹いずみちゃんよ。かわうそ?」
|Д゚)!
「!!」
 いずみの脳裏に、何か特別な矢が刺さったような、第六感とも言うべきなにかが「きゅぴーん」となった様なショックを受けた。
 いずみ、かわうそ? 両者固まる。
 にらみ合いというのか、見つめ合いなのか……。
 

「なんだ? 妙な雰囲気で鍛錬を中断した……って……ああ」
「そう、“未知との遭遇K”体験中なの」
 タオルで汗を拭きながら道場から出てきた織田義明に答える茜。

|Д゚) ……
「……」
 両者対峙して、動かない。
 かわうそ? もいずみの感情や雰囲気に押されてか、お茶を置いてから、動けない。

義明「猫と遭遇したような雰囲気」
茜「そうだねぇ 人それぞれ違うけど。猫って、警戒心あるから、ついついこっちも身構えるとかあるものね」
義明「せんせーのばあい、蓮の間ならぬ、猫の間だったから忘れていたよ」

 と、人外クラス幼なじみ2名は呑気に状況解説している。
 この小麦色との付き合いは長いし、こういう事はよく起きるので、なれている。
 可愛いだけでなく、謎だからいちいち、気にしても始まらない。


 ジリジリ、いずみはかわうそ?に寄っていく。
 動かない小麦色。
|Д゚) ……
|Д゚) ……そ……
|Д゚) 旦~~ ふ〜
|Д゚) ←湯飲みをお盆に置いたらしい。
 しかし、呑気にお茶を飲んでいる。
 いずみは、どう取って良いのかわからない表情のまま、また一歩、一歩と歩み寄る。
 しかし、無意識に合気道の構えになっている

義明「うん、良い構えだ。隙がない」
茜「合気道また始めれば、良いのにねぇ。って、まだやっていたのかな? 後で訊いてみよう」


 そして、既にいずみとかわうそ?の間合いは1フィート。
 いずみは、そっと……
 かわうそ?をそのまま抱きしめた。


義明「何か、面白いオーラが漂っているねぇ」
茜「うん、嬉しいみたい。 静香、いまどんな顔しているか見てくれる?」
静香「わかりました」

 位置的に、2人にはいずみの表情が見えない。
 かろうじて、見えるのは。

|Д゚*) ←相変わらず面食いである、ナマモノの嬉しい顔であった。

静香「とても幸せそうなお顔をしておられます」
茜「そうなんだ」
――静香は、茜や特定の人以外見えない。義明も実は見えない。実はかわうそ?もどうか怪しい。
義明「ということは、いずみちゃんは、自分の感情に少し混乱しても、素直に“アレ”が可愛いと思って抱きしめたい気持ちになったんだ」
茜「みたいね。からかう相手は決まっているし。かわうそ?はいずみちゃんに抱きしめられて嬉しいらしいし」
 また、のんびりと解説をしている。


 どれぐらい経ったのだろう?
 義明や茜にとっては実は3分程度。しかし、いずみにとって其れは1分が1時間のようなものだった。
 かわうそ? から離れるいずみ。
|Д゚*)
|Д゚*)ノ ちゃー おはつ〜
 相変わらずの小麦色。
 いずみは、悦に入っているのか、挨拶できない。いや、混乱しているのだ。
「ねぇ、いずみちゃんは動物が好きなの?」
 茜が尋ねてきてから……
「はい、……そうみたいです」
 自分でも気が付かなかった事を言う。
「かわうそ? 自己紹介を」
|Д゚) かわうそ? のかわうそ? なのだ〜♪
|Д゚*) いずみ〜 かわいい
「……っ!!」
 その言葉に、いずみはまたもかわうそ?を抱きしめた。
|Д゚*) ♪
 両者、ご満悦。


義明「かなり、彼女にとって劇的な出会いなんだなあ。妹か姪っ子ならとても可愛がってる」
茜「たぶん、よしちゃんは、いぢめられる方だろうけど。“影斬”にならない限り」
義明「ひでぇ」
静香「これ、茜。義明様をからかってはいけません。エルハンド様の剣を継がれる大事な御方なのですから」
義明「平和なときは良いのですよ」


 と、お茶の用意をして、縁側にて3人と1匹は並んでいる。静香は核たる霊木に戻ったようである。
 いずみの膝にはかわうそ?が座っている。
|Д゚*) ふふん
 ご機嫌な小麦色。
「……かわいい」
 謎生物の頭を撫でるいずみ。
 会話はあまり無く、ただ、いずみがかわうそ?とのスキンシップに酔いしれているところを、兄姉が暖かく見守っているかのように義明、茜が微笑んでいたのであった。
 そう、言葉はいらない。
 いまは、この雰囲気を楽しむことが良いのだ。


 そして。
「今日はどうもありがとうございました」
 と、深々とお辞儀するいずみ。
「また遊びに来てね」
「またね」
|Д゚)ノ また〜
「はい♪」

|Д゚) ☆ ふふり、もてもて ☆
「いい気になるな、ナマモノ」
 本当にいい気になっているナマモノのこめかみ辺りをグリグリする義明。
|ДT) いたい〜!
「義明さん、かわうそ?さんを虐めてはいけません。怨みもないでしょう? ただの嫉妬にしか見えません!」
 いずみは、義明に注意する。
「ううん。いずみちゃん、あれがいつものコミュニケーションだから。彼は彼で楽しんでいるの」
「え? そ、そうなんですか?」
 茜の言葉に驚くいずみ。
「でもね、かわうそ?はいずみちゃんが好きだから、いぢめちゃだめよ? また、抱きしめて上げると、とてもかわうそ?は喜ぶからね」
 茜は笑って、いずみに言う。
 庭では、もう小麦色と義明が追いかけっこしている。
 確かに、お互い楽しんでいるようだった。見た目、低次元なのだが、かなり高等な戦いに見える。
――訓練も兼ねているのでしょうか?
 それをみて、何となく、かわうそ?も義明もかなり親しみやすい“特別”な人(と動物)に見えた。
「また、来てね」
「はい! また遊びに来ます!」
 いずみは元気よく茜に答えた。

――極上の、年相応の笑顔で。


End




■登場人物紹介
【1271 飛鷹・いずみ 10 女 小学生】

【NPC かわうそ? ? ? かわうそ?】
【NPC 織田・義明 18 男 神聖都学園高等部・天空剣剣士】
【NPC 長谷・茜 18 女 神聖都学園高等部・巫女(長谷家継承者)】
【NPC 静香 ? 女 精霊】


■|Д゚) 通信
|Д゚) かわうそ?と愉快な仲間達の世界にようこそ
|Д゚) 半パラレル「神の剣 異聞」で、かわうそ? 出られる雰囲気じゃなく……
|Д=) こうして会いに来てくれて、うれしいでごわす
|Д゚*) いずみ可愛い♪

|Д゚) これらかもよしなに〜