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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


静寂の館―お買い物編―


静寂の始まりは一つの終わり。
小さな館には全ての終わりと始まりが詰まっている。
その館には4人の人が住み着いている。
静寂を司るその館で。

「そろそろ食料庫の食料が尽きてきましたね…」
「では、そろそろ仕入れが必要ですか?」
「そうなります、主様。私の手が空いていればいったのですが…」
「一人では確かに無理そうですね」
マイがフムリと頷く。
仕方がない。誰かを誘うかという話になる。
ご馳走すると言えば誰かしら手伝ってくれるかも知れない。
「それに、カイルとシオンが暇でしょうから。彼等をお供に連れて行って貰えばよろしいですね」
「クァレル。貴方、扱いが酷くなってきてますね。あの二人の?」
「少しは働いて貰いませんとね?」
怖い笑みが見えた。

「と、いうわけでお願いしますね」
「主にそういわれると断るわけにも…」
「でも何故俺が貴公に使われているのだろうか、クァレル?」
「貴方が一番迷惑かけているからですよ、主様に」
どきっぱりと言われた。
職業が職業なだけに言い返せない…。

とにもかくにも、食材確保が今回の大切な任務だッ!


「と、息巻いて出てきたのはいいんだけどさ…」
「いうな、シオン。俺もあまり気が乗り気ではないっ!」
「だって、俺召喚した覚えねぇよ…」
「…貴公は魔法みたいな代物は使えないはずだったな…?」
二人は一人の少女とも見られる少年を見やって話す。
メイド服に首輪に鎌。…どう見ても…。
「おかしいだろ、コレ?」
「まぁ、買い物には人手も必要だという事にしておこうか」
「しかし鎌はしまわせた方がいいんでない?」
「それは無論だ」
カイルがそう言うと、シオンは少年…ニルグガル・―にそう頼む。
少年は頷き、鎌をしまいやっと外見まだマシになった。
しかしやはり首輪が目立つ。
「まるで俺が飼い主みたいに見られるじゃねぇか…」
「今日一日飼い主してやればいい。どうせこいつは…」
カイルがニルグガルの目を見やり、呟く。
「こいつは俺達と似たような境遇らしいからなぁ…?」
…この少年を何を読み取ったのか。しかしカイルはそれ以外答えはしない。
そして、それを悟ったのかシオンも小さく頷いて買い物へ行くことにした。

しかし、そんな二人を待ち構えていたのはニルグガルと同じくメイドの服を着た少年…
ゼハール・―の存在だった。
やはり二人は絶句する。
「…これも俺が呼んだとか言うのか?」
「いえ、私はニルグガルのサポートをと思いまして」
「…サポートって…単なる荷物もちにするつもりだが?」
「はい、それならば従わせて頂きます」
ゼハールが言う。シオンもカイルもいきなり疲れたと言わんばかりの表情だ。
確かに「手伝える人材」を探した。しかし…。
「荷物持ちするってだけでこんなにもいるのか、人?」
「…ま、大半は貴公が持て。そうすれば問題は解決されることだ」
カイルがそっけなく突き放す。
シオンはもうどうにでもなれとヤケになっているようだ。

さて、かくして四人は街へと繰り出す。
しかし向かう先は何故か電気街が多い。
その理由はゼハールである。
電気街が好きらしく、何故かそっちへフラついていく。
「…おい。これで何軒目だ?」
「…12件目」
「…で。俺達が買いに来たのはなんだったか?」
「食材」
「…なのに何故ここにいる?」
二人の単純な会話。しかしゼハールは少し楽しそうだ。
目的を見失っていないかどうか、確かめたいものの確かめる気もうせている。
それにニルグガルもゼハールに従うように歩いている為、どうしようもない。
「…そろそろ止めた方がいいんだろうか」
「貴公が止めろ。貴公に召喚されたって言うんだから」
「やれやれ。…おい、二人とも。そろそろ目的の場所に行くぞ」
「え…でももう一軒…」
「俺達の目的は電気じゃなくて食料だ!…ったく…行くぞ!」

買い物は波乱あふれるものとなっていった。
ゼハールはこっそりと電気街へ行くわ、ニルグガルはそれについていこうとするわ
落ち着いて買い物が出来ない状態。
もう買い物どころじゃない状態だ。
「俺、疲れた」
「いや、俺もだ。しかしこれを持って帰らん事にはクァレルがな…」
「でも俺アレの子守すんのやだ」
シオンが指差す先には電気街に入り浸るゼハールの姿。
そりゃやる気もうせる。

「俺はもう知らん!この荷物持って帰るぞ、俺はッ!」
「貴公はもう少し忍耐をつけるべきだとは思うが…ま、それも仕方ない…待っていても日が暮れる」
「クァレルにはなんて報告するんだ?客人は連れて来いっていってたろ?」
「ダメだ、あいつ等は。…俺達と同じ匂いがする、気づいていただろうが」
「…堕の匂い、ね」
シオンがそう言うと、二人はニルグガル達に気づかれないように姿を消した。
同じ匂いがする者に深く関わるな。
それが主の教えであるのだから。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

4563/ゼハール・―/男/15/堕天使
5054/ニルグガル・―/男/15/堕天使

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■         ライター通信          ■
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初めまして、神無月鎌です。
この度の発注、誠にありがとうございました。
少し短いのですが、これで完成とさせて頂きます。
プレイングがちょっと難あった為、こうなってしまいました。
次回からの発注の際は、もう少しやりたい事などを思いっきり書いてください。
そうすれば私も愉しみながら書けますので。

そして、こんなへっぽこぴーなライターにキャラを書かせて頂きまして
本当にありがとうございました。感謝の嵐でございます☆
また機会があれば、書かせてくださいですっ!

ではではっ