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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


物の怪のロミオとジュリエット

 怪奇探偵・草間武彦。
 彼に普通の依頼は殆ど来ない。
 其れは既に知り合い達に常識化しているのだが、頑として其れを否定している武彦。

 前置きは其れぐらいにして、彼にまた怪奇な事件というか、依頼がやってきた。
「私たちは結ばれたいのです。私の家族と彼の家族のいざこざを解決して下さい!」
 と、女性が頼み込んでいる。切れ目の美しい茶色い髪の毛。
 しかし、彼女は実は妖狐の一族であるという。
「結婚相談所や福祉でないんだがなぁ……」
 煙草を取り出し、炎を操る猫に火を付けて貰いながら、溜息混じりで言う。
――この時点で怪奇探偵でもあるのだが。
「結ばれたいんです! 彼と!」
 彼女は、藁も掴む思いで頼み込んでいる。
「兄さん……」
「にゃー」
|Д゚) じー
 零と焔が可哀想だという顔をしている。
 小麦色は何を考えているか分からないが多分……だろう。
 どうも、妖狐にも派閥というか貴族関係などがあるらしく、氏族同士で争いもあるとか。
「ロミオとジュリエットってかんじか。受けよう」
 折れる草間。
「あ、ありがとうございます!」
 コレで食っているのだから、断るにも断れない。
 もし、貴族級の高貴な妖狐の争いが、この事で表面化すると、草間は強硬手段になるだろうと危惧し始める。
「では、何故? あんたの所とその彼の所はいざこざがあるんだ?」
「かつて争ったときから何百年も経っています故、“敵”であるとしか……」
「そうか、なら過去から経緯から調べないと無理かな……達筆な古文書とかと格闘してからかねぇ」
 頭を掻く草間。
「貴族というのだから報酬弾めよ」
「はい! どうか!」


〈過去とは〉
 珈琲をいつもの常連達と草間、この妖狐の白鷺絹江に差し出すシュラインは、
「原因究明して誤解なら解かなくちゃね。でも……」
 と、言う。
 続けて、所用の帰りに興信所にお菓子を持ってきた、天薙撫子が考え込むように、
「何百年の柵を解くことは難しいでしょうけど……難しいでしょうか?」
 と、言った。
 学校の帰りに此処に寄ってこの話を聞いた海原みなもは、握り拳を作って、
「そんな、過去のことで縛られて……、お二人が結ばれないなんておかしいです!」
 と、後ろに熱意を込めて言っている。
「俺的に安心して頼める助手や、臨時バイトがいるが……白鷺、いいか?」
「はい、構いません。退魔の中で有名な天薙の方や、別の視点で見てもらえる知的な女性、そして可愛いお嬢さん……。とても、助かります」
「決定だな。まず遠出になるから準備しないとな」
 草間は煙草をくわえながら、言う。
 零とペット達が“留守は任せて下さい”と頷いている。
「私も行きたいけど」
 五月が言う。
「? どうして?」
 みなもが、五月の目線に合わせて訊いた。
「あやかしの伝承のお手伝いなら私も出来そうだから」
「あ、そうか。五月ちゃんも元々退魔の隠里の出身だったわね。武彦さんが言っているように達筆な文書読めそうよね」
 シュライン、五月の言葉に納得していた。
「では、準備しましょう!」
 みなもはやる気120%だ。
 絹江の手を握り、
「絶対に幸せになって欲しいですので頑張ります! 他の皆さんみたいに文書を読んだり長生きでなかったりですけど……」
「ありがとう。……えっと……たしか……」
「海原みなも、です!」
「よろしくお願いしますね、みなもさん」
 絹江はにっこり笑った。


〈準備と計画〉
「まずは、絹江様の里に向かって資料を探している間に、わたくしの祖父から色々調べて貰いましょうか? 氏族名からして大陸系と思います」
「そうね、その方が良いわね。こっちで出来ることを所から」
 シュラインが頷く。
「じっくり焦らず……ですね」
 みなもが続いて言う。
 長年の付き合いなのでチームワークは完璧だ。
「俺はその連絡待ちでいったんこっちに戻るか……。ファックスかメールがいいのか? 撫子」
 と、草間は車のキーを確認しながら撫子に聞いた。意外に沢山あった、草間の車(そのうち何台かはモノの見事に破壊されているが、キーだけは残っている)。
「携帯が使えなかったら連絡に支障が来しますからね。メディアで届くと思われますので」
「そうか。分かった」
 頷く草間。
「絹江様」
「何でしょうか?」
「お互いの一族で一番の権力を持つ方はおられますか?」
「私の家では、お母様……麗と言います。尊さんの方では……齢300はあるだろうと言われる九尾の妖狐“岩砕”という御方です」
「そうですか」
 と、何かサラサラメモを取る撫子。


〈旅路と里の風景〉
 絹江とかわうそ?が隠れ里まで案内してくれている。絹江の一族と尊の一族の里は別個に存在しているのだ。
 関東の何処かも分からない地図に“無い”場所に里はある。樹海のように薄暗く、人1人が通り抜けられるのか分からない場所。
 大抵の隠れ里とはそう言うものだ。何かの超自然的な力によって隠蔽されている。最も、“其処の地域は必要もない”となれば地図に載らない場所もあるのだが。

 自然と隠し結界の門を通り抜けたあとに……
 江戸時代にタイムスリップしたような街並みが見えた。
「わあ、里じゃなく街では?」
 みなもが驚く。
「すごいですね……」
 他の者もそうだ。
「外敵から身を守るため、閉鎖的な空間で生活しておりますが、我々の一族はそうでもなかったようです」
 と、絹江は貴族関係の妖狐でも開放的な一族はいると言う。
 今まで通った獣道ではなく、その時代に見合ったと思われる舗装された道。

 そして、一行は絹江の住む館に案内されてから
「長旅で疲れたでしょう。詳しいことは明日にでも」
 と、一泊することになった。


〈文章と睨めっこ〉
 シュラインや撫子はすでに書庫で過去の文献を調べている。五月も参加して手伝いだ。
 みなもは、絹江に里の案内をして貰い、絹江の恋人とその貴族についてどういったものかを訊いているようである。
「ヤッパリ達筆よね〜」
 と、シュラインは苦笑しながら書物を読む。
 おそらく、草間あたりだと、ミミズののたくった字にしか見えない。
 なんとかこういったモノを読めるのは撫子、そして200年も存在している五月。生きている(?)辞書だ。
「う〜ん……“悪鬼との戦い”という本かしら?」
「そうだよ」
 五月がシュラインのために辞書役を務めている。
「その戦いの本、気になるわね」
 黙々読み始めてみる。
「系図、戦争の歴史、交流のあった歳のとった妖……と」
 と、かなり時間がかかるだろうシュラインと撫子と五月は書庫で書物と睨めっこしているのであった。


〈絹江とみなも〉
 シュラインと古文書と睨めっこしている間、みなもと絹江が散歩している。彼女はシュラインや撫子が言っていた“関係者”を聞いておく事になっている。
 その前に、みなもとしては絹江や尊のことをよく知りたかったし、先に両親から経緯など聞きたかった。
「開放的と言いますが、尊さんの事になると見境無くなりますので、お気を付けて下さい」
「はい」
 と、散歩をしている間に、此処での心構えの再確認などを絹江から言われる。
 みなもは絹江の母親がいる部屋の入り口の手前で、“押忍”とか小声で気合い入れてみる。
 そして、昨日は顔合わせ程度だったが2度目の対面。
「失礼致します」
「入りなさい」
「外界の方が来てくれて、我らは嬉しい。よく眠られたか?」
 と、絹江の母親が笑って迎え入れてくれた
「はい、とても」
 
「あの、ここに来たのは他でもないのですですが、絹江さんと尊さんのことで……」
 と、みなもが言うと、母親の形相が変わった。
「あの一族は、おそろしく閉鎖的な一族で、我々の考えを真っ向から否定して喧嘩したのです」
「それだけでなのすか? 喧嘩の理由を詳しく……」
 みなもの言葉はとても純粋で熱意が篭もっていたのか、母親は溜息をつき……
「私の知る限りのことは教えましょう……」
 と、口を開く。
「全ては、向こうの長“岩砕”が我らの一族を殺戮したり、理解を示した者同士が一度結ばれるはずの2人に対し、岩砕が呪いをかけたりと、極悪非道なことをしたと言われております」
 と、岩砕について述べていた。
「お母様そんなことが……」
「……今まで隠しておりましたが、私が聞いたところでは、そう言うことです、絹江。私は失いたくないのですよ。まさか、人の手を借りたいとまで想っているとは……許せ……」
 と、泣き崩れる麗であった。
「お母様……」
 絹江も泣いてしまう。
 当然、みなもも、母娘の愛を間近で見ているのだから、貰い泣きをするのだった。
「尊という人物はとても良い青年だと判っておりますが、絹江がよく知っております」
「はい。あ、あっと……未だ生きている精霊種の方っておられますか?」
 みなもは思い出したように尋ねる。
「長年、未だ生きている妖は……つまりは物知り爺さんみたいな存在でしょうか?」
 麗は、考え込む。
「純真の霊木の一族なら知っているかと……遠く離れていても、知識共有は並ならぬ“者”ですから」
「純真の霊木!?」
 みなもはビックリした。
「ごぞんじなのですか?」
 其れは確かにビックリする。
 東京に、生えているのだから。


〈岩砕〉
 純真の霊木と言う言葉で、驚くのはみなもだけではない。
 撫子もシュラインもそうだ。
 なんにせよ、純真の霊木に関わっている者ばかり。
 姿は見ていないが、知り合いにいる。
「まさかあの神社の……ねぇ」
 読解が済んで、お茶を飲んでいるシュラインと撫子が驚いている。
「……長谷神社に出向いておく方がいいですね」
 撫子がいった。
「その前に解読したときに判った事だけど……まとめてみましょ」
 と、三人で早速纏めていく。

 現時点では、陬西の“岩砕”があらゆる事で玄霍の開放的行動を否定し、妨害をしていたこと。其れがきっかけで一度、樹海の何処かで氏族間戦争が勃発、麗が大体伝わっていたことは知っていたのだが娘が呪いにかかって欲しくないために隠していた事。である。
 そして、この妖狐間で交流があったとされる“純真の霊木”一族。情報共有として存在していたらしい。

「あとは、一度尊さんの元にいくべきかどうですね。わたしは尊さんに会ってないから、一度あって詳しく聞きたいです」
 みなもが言う。
「そうよねぇ……武彦さんが三日後に迎えにくれる事だし……絹江さんに尊さんの里を案内して貰いましょう」
「ですね。山の中では案内は絹江様ですね……」

 次の日。
 と、絹江から極普通な惚気話を聞きながら陬西の里に向かう。
 しかし、今回の道はかなり違う。
 かなり閉鎖的な一族なのは確かだ。獣道の様子がおかしい。
 人が通るような道はもとより、獣道自体がないのだ。
「妖気の小径と、部外者をはね除ける結界ですね」
「はい、尊さんは……一度“外”に出る事を許された方です。幼いときに私と出会ってから……ずっと」
 と、合い言葉を言っては、結界を抜けていく一行。
 そして、途中大きな切り株があった。
「これが、純真の霊木の……」
 シュラインが切り株を触る。
「既に“死んでいる”ようですね……」
 撫子が困った顔をする。
「仲介役は茜さんと契約している精霊さんになるのでしょうか?」
 と、みなも。

――また、貴様か! 玄霍! 出て行け!

 と、頭の中で声が木霊する。
 怒気と殺気が込められている声に、みなもはシュラインと撫子の後ろに隠れてしまう。
 撫子は、シュラインや絹江、みなもを庇う様に立ちふさがる。手には妖斬鋼糸を無意識に持っていた。
「話し合いに来たのです! どうか! 岩砕様!」
 
……下界の者もきておるな……しかも座敷童子や……天薙!? 鬼斬の童子!?

 声は驚いている。
――まさか、其処までして……尊と結ばれたいか?
「陬西・岩砕様。言わずともわかっておられますね?」
 撫子が言う。
――話を聞こう。ついて参れ。
 と、岩砕が言ったとたん、道が開かれた。


 辺鄙な村、昔の藁吹き屋根でこぢんまりとした所だった。
 広場に既に“岩砕”と判るぐらいの気配を持つ男が居る。

「尊と絹江のはなしか?」
 ぶっきらぼうに口にする岩砕。
「そうです。その前に……あなた達が何故、争っているのか聞かせて欲しいです」
 撫子が尋ねる。
「知れたこと。人間との融和と言うのは夢物語だ。結果を見ろ。我ら獣から生まれいずる一族は狩られてしまった。策謀や、あやかしと言うだけでの迫害。其れでも人間と融和するなど愚の骨頂ではないか? 天薙よ」
 その言葉に一理ある。
 結果、どれだけの獣や妖狐、人狼、精霊種の鬼が消えているか……。危害を加えない、逆に加護を与える霊木さえも伐ったという……。
「しかし妨害というのは……酷いではありませんか?」
 みなもが言う。
「妨害? 其れは何のことだ?」
 みなもが玄霍の麗から聞いたこと、シュラインが文献から調べた事を説明する。

 岩砕は考え込む。
「儂等は何もしておらぬ。呪いなどもってのほか。確かに玄霍はきらいじゃが、関わり合うなというだけじゃ」
「え? じゃあ?」
 四人は驚く。
「確かに、争いはあった。霊木は死んだ。人と関わり合うことなく静かに暮らしたいだけなのに……人間が……」
 岩砕は話す。
 つまり、争いの発端、は人間の妖狐狩りにあることらしい。玄霍の1人が人と結ばれようとしたときに、それを止めようとした岩砕と陬西氏族。酔うこと判ったとたんに、退魔師の妖狐狩り。危険を知らせた霊木は人に伐採されたというのだ。
「それでお二人が結ばれることを反対するなんて……」
 みなもが考える。
「事の発端が人にあれば、人との融和など目指す氏族に、将来の氏族を任される男子と玄霍の娘と結ぶことはできぬ」
 と、岩砕は言う。
「……」
 撫子は黙っている。

「やはり ここは……」
「ここは、霊木の精霊さんを……呼ばなくちゃ行けませんか…」
 シュラインとみなもが言う。

 玄霍は陬西、陬西は人の責任という。間違った伝わり方をしているのは確かだ。真実を帯びているのは、長寿の九尾の妖狐・岩砕であろう。しかし、情報供給しているあの精霊と、過去の天薙の資料と照らし合わせる事も必要だ。
「尊さんは!?」
 絹江が尋ねる。
「今は妖狐の修行の最中よ」
 尊には会えないらしく、絹江は肩を落とす。
 

 いったん、四人はこの里から出ることにした。


〈真相〉
「人の責もあるというならば、責任はとらなくては……」
 撫子は帰りにそう呟いていた。
 関わりがあるならば、天薙も関わっているはず。
 退魔師であるために、悪しき妖狐と断定し、其れを狩っているならば、贖罪しなければなるまい。

 みなもとシュラインは過去にどういったことがあれ、今の2人を結ばれ、お互いの考えが緩やかになることがよいのだと、思っている。
 それぞれが思いを秘めて、興信所に届けられた天薙家からの伝承を読む。
 確かに、天薙があの2つの氏族と関わった事が判ったが、庇う側だったらしい。
「良かったじゃないですか?」
「しかし守れなかった……です」
「それよりも、此処がおかしいんじゃないかしら?」
 妖狐同士のいざこざを収める側の天薙に反目している退魔一族は大陸の出であるようだ。
「1000年以上の大陸から狩りに出たのかしら? じゃあ? 人と結ばれようとしていた事とは?」
「それは……あの二氏族を捕まえるための演技だったようです」

 つまり、天薙は関係しているが、守れなかったのであろう。敵対退魔一族はその戦いで全滅しているようだ。
「人の身勝手な行動で……」
「これはわたくしの責任でもあります」
「過去にしばられちゃいけないわよ。撫子さん。過去のご先祖様が何とか、二つの氏族を守ったのだから……」
 暗い顔をする撫子に、シュラインが励ます。

「連れてきたぞ、情報源その2を」
 草間が、猫掴みして長谷家の娘を連れてきた。
「ねこじゃなーい!」
 ジタバタする長谷茜。
 室内なのに、樹のさざめきが聞こえる。
「? いるの?」
「静香、恥ずかしいだろうけど……姿見せなさい」
「……わかりました」
 と、茜が言うと、
 白拍子を着た美人が現れた。

「静香と申します」
 と、恭しく挨拶する。
「綺麗〜」
 みなもは感動の声を上げる。
「では……ここで、真実を話すより、岩砕様と麗さま交えてお会いになって話し合いをするべきでしょうね……」
 と、静香は静かに言った。


〈開かれた道〉
 霊木の切り株での会談。
「……と、言うわけですが? 誤解は解けたでしょうか?」
 静香が言う。
「……」
 岩砕と麗2人は黙したままだった。
「あの、昔のことでいがみ合って、ずっとこのままでは悲しいと思うんです。わたしは、えっと、長生きじゃないけど……、呪いをかけたのは既にいなくなった退魔師で、撫子さんのご先祖様は守ろうと頑張ってましたし……えっと、えっと〜」
 なんとか説得しようとして言葉が出ないみなも。
「……静香殿がおっしゃっている事は事実か……たしかに、そこのお嬢の言うとおりかもしれぬが……」
 岩砕は怒気を無くし、溜息をつく。
「……私たちはどうすればいいのでしょうか?」
 麗が尋ねた。
「2人の交際を認めることから始めてみてはいかがでしょう?」
 シュラインは言う。
 元は其れが依頼なのだ。
 誤解は解けたが今までの蟠りを払拭するのは時間がかかるだろうが、コレがきっかけであれば、良いのではないだろうか。
「わたくしはあの時、守れなかったときの責を天薙の名にかけてあなた達を応援します」
 撫子は言う。
 人との融和も今の時代必要だという。
 これからは共に共生することが良いのだと。

「尊を呼ぼう。もし祝言の用意が出来れば、お主達を呼ぶ」
 岩砕がそう言うと、
 今まで黙っていた絹江が泣きながら、
「ありがとうございます!」
 と叫んだ。


〈事務所にて〉
「お役に立てましたでしょうか?」
 静香が姿を消して言葉だけで話す。
「ええ、助かりました」
 シュラインとみなもが言う。
「姿見せて話せよ」
 草間が珈琲を飲んで言う。
「恥ずかしがり屋なのよ、静香は」
 茜が代わりに代弁。
「そうか……うむ、そうだな」
 何か納得した様子の草間武彦3X歳。

「あとは、フォローを皆でするって事かしら?」
 シュラインは珈琲を皆に淹れる。
「そうですね、狐の嫁入りを直に見れるなんて夢みたいです!」
 先の明るい未来に胸躍らせるみなも。
「あ、そうだ。撫子さん。祝言用で手伝ってください」
 長谷茜が撫子の手を引っ張る。
「あ、はい! 茜さん!」
 撫子もやる気満々だ。


 『ロミオとジュリエット』のように悲劇に終わらなかったのは良きことだ、とこの事件に関わった人間達は思ったことだろう。


End

■登場人物
【0086 シュライン・エマ 26 女 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【0328 天薙・撫子 18 女 大学生・巫女(天位覚醒者)】
【1252 海原・みなも 13 女 中学生】

■ライター通信
どうも滝照です
物の怪のロミオとジュリエットに参加していただき、ありがとうございます。
皆さんのプレイングがとても良かったので、全部を入れたかったですが……、
何カ所か抜けているかも知れません。
いつもとても素晴らしいプレイングありがとうございます。
|Д゚) あ、出張んなかった。たけぴーも
確かに小麦色は出なかった。基本シリアスだったしOPだけだったねぇ
|Д゚) まあいいか

では、又機会が有ればお会いしましょう。
|Д゚)ノ ちゃー