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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


神の剣 異聞 Invisible Blade 4 飛鷹いずみ編

 衣蒼未刀。彼との出会いは私にとって楽しくそして大切な時間だ。今でもハッキリと覚えている。
 出生が異なりや力のあり方、心のあり方ではなく、論理的に説明できないが、私たちは何か似ていた。
 元々、論理的に説明できるほど私は賢くない。が、これだけは自信持って言えるだろう。
 魂の友であり、兄弟だ。
 其れが何かは今でもわからない、柱であり抑止の座に付き、あらゆる危機を斬る刃になった今でも。
 私は未刀と共に過ごしたかけがえのない友人の事を一生忘れることはない。
 抑止の一、光刃の柱になっていようとも。

                               影斬・現世名 織田義明

 これは、織田義明はまだその“名”を持っていたときの手記か誰かに伝えた言葉である。
 短い時間だったか、それとも長い時間だったのか……。
 彼にとって、衣蒼未刀は未来永劫、心の友で、親友であり兄弟であると言ったのだ。

 彼のこの言葉を聞くか読むのは、かなり先の話。   
 あなたは、義明と未刀と共に過ごした一番の思い出を、残していく。
 それが、『何処か』に記されるだろう。
 彼らと友人としてか仲間としてか、それ以上の存在としてかを過ごしてきたのかを。 




〈数年後のこと〉
 飛鷹いずみちゃんは中学生になった。
 近くのガッコの制服姿を披露してくれるそうなんだけど。
「中学生の制服です」
 と、今までと違うのよ♪と言わんばかりに、笑っている。
「おー似合う、似合う」
「あ〜そのガッコの制服、かわいい♪」
 俺も茜もいずみちゃんの姿を褒めていた。

 ただ呆然と立っているのが衣蒼未刀。
 コメントを考え込んでいる模様だ。

 さぷらいず?
 お約束待ち?

|Д゚)ノ あ、何か言いたげ
 小麦色が何か感付いたようだ。
「いずみ、き、綺麗だ」
「え? 未刀さん……そ、そんな……」
 あ、いずみちゃんと未刀、顔面真っ赤です。
「初々しいなぁ♪」
 茜は友だちであり、妹を持った様なので、いずみちゃんがとても可愛いらしい。
 しかし、スキンシップが頬ずりは行き過ぎじゃないのかと思うのは俺だけ?
 俺から見ても、いずみちゃんと茜はいい友だちであり姉妹に感じる。これはよいことだ。

 これは、俺と茜が大学生で、未刀も19ぐらいになった頃の話だ。
|Д゚) 年齢的誤差は……あるけど、ね


「茜さん、これからどうしようかと思っているんですが」
「ああ、未刀君の事ね」
 と、いずみちゃんは茜となにやら良からぬ会話をしている。
 手には白い日記帳。
 可愛いシステム手帳にも見えるけど。どう見ても日記帳だ。


|Д゚) いつもの事じゃん
|Д゚)ノ きしちゃいけない
 そうだな、お前がいつの間にか居ることも気にしちゃ行けない。
|Д゚) がーん!


 かれこれ1〜2年の間、いずみちゃんと未刀の間はどうなっているかというと、大きく進展しているようでしていないのだ。恋愛関係で鈍感さを意地でも保持していた未刀は、実のところいずみちゃんの暗躍の賜のようだ。実際世界を未だ知らない。流石に未刀も歳の関係上、大検など考えていたのだが……、
 いずみちゃんが嫉妬のオーラを俺に向けている辺り少し問題。


|Д゚) あっはっは(俺に殴られ
|ДT) 痛い


 未刀はこの数年で、色々なことを学び、小さいながらも世界を知っていく。
 彼はモテる要素が多い。いや、その朴念仁さが強いためか、ヤッパリ女性に大ヒットするようだ。未刀の属性と性格で、いずみちゃんはいつもハラハラしているのだ。しかし、彼女の計算高さが功を奏し、なんとかそのトラブルは今まで大きな形ではなかった。
 放っておけない、兄弟であり、大事な人。
 今まで一緒にいたから、絆も深いだろう。
「高校生になるにはあと3年。未刀さんが大検合格して大学に行ったとき……なんとかしないと行けません」
「うんうん」
「やっぱり、今のうちに攻勢にまわるべきなのでしょうか?」
「決め手に欠けるというわけね」
「……えっと、そうですね。できれば16になるまでに……」
 と、かなり深く恐い将来設計を2人で建てている。
 
 その話が全く分かってないのが目標の未刀君。
「何話しているんだ? あの2人?」
 やっぱり、全く分かってないようです。
 知らぬが何とやら……
「いや、大丈夫だ。気にすることはない」
 俺は未刀の肩に軽く手を置いて、そう言った。
「そうか……義明が言うならそうなんだろう」
 素直にそう思っている未刀。


|Д゚) 青春ですか?
「其処までは、ちょっとまだかとおもうけどね」
|Д゚) ふむー


〈中学生活〉
 それからと言うもの、いずみちゃんの行動は、やはり茜の影響や、未刀を思うことで、ほんとうに可愛い女の子になっていく。おそらく、あの未刀の一言にも影響があるのだろう。
 放課後、彼女は部活がおわると、校門前でまっている未刀と一緒に帰ることが多かったが、徐々に同い年の友人が出来て楽しそうだ。多分、自分と“同じ感覚の持ち主”を見つけたのだろう。
 未刀も俺も、そして茜も其れは大いに喜んだ。
 茜から色々料理や、主婦(?)の知恵やらそして買い物に出かける事もあり、正直に能力のことも教えているようだ(俺達の前では、ごまかしはきかないからね)。


 俺に対しての態度は、あまり変わってなかったと思う。向こうは改めようと心がけているのもわかるので複雑だ。恋敵認定なので、感情の方が優先的に動く。俺と未刀が出かけるときは必ず付き添いでくる。彼女のその行動自体が、年相応の女の子なので、逆に安心している。
 こんな会話もあった。
「いずみちゃんは独占欲強いなぁ」
「そんなんじゃありません! 義明さんはですね。えっと……」
「えっと……何?」
「な、何でもないです!」
 頬を赤らめてそっぽを向く。
「いずみ何怒っているんだ?」
「未刀さんに関係ありません!」
 あ、いずみちゃん顔面真っ赤にしながら、(俺を)睨んでいる、睨んでいる。
 

|Д゚) ここ、ハリセンを体得している、ヤヴァイ
「全くだ」
|Д゚) よっしー、慣れている。けど
|Д゚) みっちー、やばい
「そっちかよ」

 お菓子を作ることも楽しいようだ。
 長谷神社で餅つき大会があれば必ずやってきて、一生懸命に手伝いをしてくれていた。
 未刀は食べるだけでは駄目なので、餅つきをさせてみたりする。

 ゆっくりとだが、コレといって大きな前触れはなかった。


〈時を戻し〉
「いずみちゃん。気持ちはわかるけど」
 茜が優しい声でいずみちゃんに何かを話している。
「なんでしょうか?」
「未刀君は、いずみちゃんを大事に思っているから……。ゆっくりと……ゆっくりで絆を深める方が良いと思うよ?」
「……はい。……私、何か焦っていたようです。でも……」
「分かっているって♪ 応援と協力は惜しまないよ♪」
「はい!」
 素直に頷いているいずみちゃんは少し大人びて見える。

 未刀のあの性格は一部問題があるわけだが、それが彼の“味”だ。其れを壊すのは問題がある。
 いずみちゃんも俺たちに心が開いていく中、未刀も少しずつ成長していく。

 故に……“私”がいなくなっても、未刀は過った道は進まないと確信した。

「お前は、大丈夫だ」
「何が?」
「未刀、“私”が居なくなっても大丈夫だ」
 そう言って、私は、微笑んだ。
 

 俺も、茜も、かわうそ?も2人の未来に幸有らんことを願っている。


Fin

■登場人物()内はこのノベルの大体の年齢および、職業
【1271 飛鷹・いずみ 10(12) 女 小学生(中学生)】

【NPC 織田・義昭 18(20) 男 高校生(大学生・装填抑止)】
【NPC 衣蒼・未刀 17(19) 男 妖怪退治屋(家離反)】
【NPC 長谷・茜 18(20) 女 高校生(大学生・巫女)】
【NPC かわうそ? 説明不要】

■ライター通信
 滝照直樹です。
 『神の剣 異聞 Invisible Blade 4』に参加して下さりありがとうございます。
 順序よく入って下さり、まことにありがとうございます。
|Д゚) ←時の狭間であそぶ小麦色
|Д゚) ←異聞で湧いて出てきただけでも嬉しいらしい。
 上のナマモノ登場や、断片的な書き方をしておりますが、如何でしょうか?
 日記帳をプレゼントです。