 |
＜東京怪談ウェブゲーム アンティークショップ・レン＞
|
紅の哀慕〜Side.夜月〜
---------------------------------------------------
重苦しい憂いを隠そうともしない顔で、碧摩蓮は吐息をついた。
その手のひらの上で踊るように転がされているのは、紅い石の嵌った小さな指輪。
石は、おそらくルビーであろう。
鮮血を思わせるその色を美しいと思うか無気味だと思うかは、
人によって意見が別れるかもしれない。
だが今の蓮にとって、石の美しさや雰囲気などはさしたる問題ではないらしい。
ただ厄介なものを持て余すように、彼女はそれを手の中で玩んでいた。
そんな店主に客が声をかけたのは、気まぐれか好奇心か。
顔を上げた蓮は客を見遣り、ゆっくりと口を開いた。
「これかい？ 綺麗な指輪だろう？ でもねぇ、ちょっとこいつはワガママでね」
聞き分けのない子供のことを語るような口調で連は言う。
「これはルビーなんだが、こいつと対になるサファイアの指輪がどこかにあるらしいんだ。
もともとは一緒にあったらしいんだけど、なにかのきっかけでバラバラになっちまって。
それ以来、この指輪は悲しがって泣いているのさ」
我儘だの悲しくて泣いているだの、およそありえない話だ。
だがその話は不思議なほどすんなりと客の意識へと溶け込んでいった。
「あんた、もしヒマならこいつの片割れを探してやってくれないかい？
なんなら礼もするからさ」
先ほどまでの憂い顔はどこへやら、連はどことなく楽しげに口の端を持ち上げた。
---------------------------------------------------
「ふぅん……ま、いいよ。ヒマだし。引き受けようじゃん」
不意に響いたのは、どちらかと言うと陰の雰囲気を持つこの店内にはそぐわないほどの明るい声。
奥のほうで硝子細工の小物を物色していた夜月は、見るとはなしにそちらを向いた。
柔らかそうな金色の髪を躍らせて頷くひとりの少女がそこにいた。
細身の身体は小柄と言ってもなお余りあるほど小さく、見たところ中学生くらいのようだ。
なんとなく興味をそそられた夜月は、静かにそちらへ歩いていった。
「こんにちは、蓮さん」
「ああ、来てたのかい。気付かなくてすまなかったね」
「いえ、好きに見せてもらってましたから」
顔見知りの店主と挨拶を交わしてからちらりと少女のほうを見遣ると、相手もきょとんとこちらを見た。
少女の手の中には紅い石の嵌った小さな指輪がある。
それを目にした途端、何か不思議な感覚が夜月の全身を襲った。
なにか――胸を締め付けられるような、切ないほどの哀しさ。
けれどそんな重苦しさなど微塵も感じていない様子の少女は、明るく言葉を次いだ。
「じゃ、蓮姉さん、これ借りてくね。あ、ところでお礼してくれるってホント？」
「ああ、女に二言はないさ。無事にそいつの片割れを見つけたら、ご希望どおりの礼をするよ」
「よっしゃ、約束だよ！」
真夏の太陽のように笑みを輝かせた少女は、紅い指輪をしっかりと握り締めて意気揚々と店を出て行った。
「……なんの話ですか？」
去り行く少女の背中と店主の顔とを交互に見比べながら、夜月は無意識にそう尋ねていた。
何故だろうかと自分でも不思議に思うほど、あの指輪がなぜか気にかかって仕方ない。
夜月自身にも漠然としか分からないこんな感覚を蓮がどう感じ取ったのかは知れないが、
それでも彼女は指輪にまつわる話を聞かせてくれた。
「へぇ……それは珍しい話ですね」
「だろう？ で、さっきの子に持ちかけてみたら、片割れを探してくれるっていうからさ」
せっかくだから頼んでみたんだよ、と締め括る蓮。
その口調はまるで、子猫の親探しでも頼んだかのような気軽さだった。
「だけど正直、ちょっと不安は残るね……あの子ひとりで大丈夫かな。ま、無理なら無理で仕方ないか」
期待しているのかいないのか、本心の読めない薄笑い。
それを見ていたら、おのずと口から言葉が零れていた。
「あの……良かったらあたしも協力しますけど」
持ち前のお人好しな性格ゆえか、あるいは単なる好奇心か――。
自分でもよく分からなかったけれど、少なくとも心に背いた言葉でないことだけは、はっきりと言える。
「そう？ そりゃありがたいね。じゃあすぐあの子を追いかけたほうがいいかもよ」
言われるまでも無く、ひとつ頭を下げた夜月は踵を返して店を出ていた。
＊
店の前の道が両側にまっすぐ伸びていてくれて助かった。
素早く目を走らせると、少し離れた場所にまだ先ほどの少女がいたのだ。
のんびりと歩きながら自分の手のひらをときどき眺めている。
おそらくその中に例の指輪があるのだろう。
背後から駆け寄っていくと、彼女がなにやらひとりごとを呟いているのが聞こえてきた。
「――よね。あんたも頑張って、しっかり相方を探しなさいよ」
どうやら指輪に語りかけているらしい。
声をかけても良いものかどうか一瞬迷ったが、それより先に少女が振り返った。
「ん？ あれ、さっき店にいたひと？」
「あ、ええ――そう。あの……ものは相談なんだけど」
単刀直入に、夜月は用件を切り出した。
その指輪が何故かとても気になるから、片割れ探しを一緒にさせてもらえないかと。
大きな青い瞳をしきりに瞬きながら黙って聞いていた少女は、夜月の話が終わった途端に微妙に口を尖らせた。
「どうしてもって言うんなら混ぜてあげてもいいけどさ……あんたまさか、報酬横取りしようとか思ってないよね？」
「は？ ……いや、別に報酬とかそういうのはどっちでも……」
欲しくないと言えば嘘になるが、報酬目当ての行動というわけでは決してない。
かぶりをひとつ振る夜月を見るや、少女は屈託無く笑った。
「そうなの？ うん、だったらいいよ。オッケー、これからよろしくね。あたし皆瀬綾っていうんだ」
あまりにあっさりとした快諾に、夜月は思わず面食らった。
しかし自己紹介されたらこちらも名乗らねば礼儀に反すると即座に思い直す。
「あたしは玖珂夜月。高校一年生」
「なんだ、年下じゃん」
「え？」
少女――綾のつまらなさそうなひとことが夜月の心の琴線に触れた。
「年下って……あんた中学生くらいでしょ？」
つい口をついて出てしまった言葉を、夜月はすぐさま後悔することとなった。
目の前の綾の可愛らしい顔が、その刹那に夜叉の形相と化したのだ。
「だ・れ・が、中学生だって!? あたしはハタチだよっ!!」
＊ ＊ ＊
即座に平身低頭した夜月を、綾はいつまでも責めはしなかった。
「んで？ とりあえずどうするのさ」
手のひらでルビーを転がしながら、まるで旧知の仲のような気安さで綾が問う。
そういうさばさばした感じは夜月も嫌いではないので、別段気にすることも無く答える。
「どうって……そもそもどうするつもりだったんですか？」
先に依頼を受けたのは綾だ。
彼女自身はどうやって探すつもりでいたのだろう。
すると綾は、人差し指でこめかみを小さく掻いた。
「うん、別に何か考えてたわけじゃないんだよね。ただテキトーにぶらついてみるつもりでさ。
なんかこいつ不思議な雰囲気があるし、もしかしたら呼び合ったりするかなって」
「それは……そういうこともあるかもしれないけど」
片割れを失って泣くような指輪だ。
その相手と呼び合うことがあってもおかしくないかもしれない。
だから綾の意見を無下に却下する気にはならなかったが、しかし手放しで賛成と言うわけにもいかなかった。
「でもそれだと時間がかかりすぎるでしょう。もっと効率のいい方法を考えたほうがいいと思うんですけど」
「どんな？ っていうかその敬語やめてくんないかなあ。かたっくるしいから普通に喋ってよ」
口を尖らせて話す仕草は、やはりとても年上には見えない。
だからというわけでは決して無いが、敬語撤廃の申し立てに夜月は頷いた。
「じゃあ普通に喋ることにするわ。……で、方法なんだけど」
言いながら、夜月は携帯電話を取り出した。
大きな瞳を瞬く綾の前で、軽やかにボタンを押していく。
現れた画面は電話帳のモバイル検索ページだ。
検索ワード入力ボックスに「骨董品」と入力して検索ボタンを押すと、いくつかの店の名前と電話番号が表示された。
「とりあえず近い店からしらみつぶしに探してみましょう」
画面を綾のほうへ見せながら言う夜月。
綾は腰に手を当てて軽く肩をすくめた。
「なるほどね。ま、ひとまず堅実な方法って言えるかも」
それを同意の印と受け取った夜月は、さっそく一軒目の店の場所を知るべく電話を繋げた。
＊ ＊ ＊
「……今ので六軒目だっけ？」
「七軒目。ちなみに今ので最後」
綾の数え間違いを律儀に訂正してから、夜月は思わず溜息をついた。
そもそも骨董品店などそうざらにあるものではないのだが、それでも七軒もヒットしたのは上出来と言えるだろう。
しかし残念ながら、芳しい結果に結びつく情報は得られなかった。
綾が言っていたように、該当の指輪が見つかればおそらくこのルビーは何らかの形で反応するのではないかと思うが、
どの店のどのサファイアに近づけてみても、ルビーは沈黙を守り続けていた。
時折、痺れを切らした綾がルビーに語りかけたりもしてみたが、店員及び客に不審の目を向けられただけだった。
「もう〜、歩きすぎてクタクタだよ〜！」
身体を折り曲げて悲鳴のような声を吐き出す綾。
七軒の骨董屋はさすがに近場には存在しておらず、二人は町を縦断する勢いで歩き回ったのだ。
綾ほどストレートに不満を露にはしないものの、もちろん夜月も同じように疲れていた。
身体的な疲労と、結果を得られなかった心理的な重みとが全身に圧し掛かってくる。
――と、そのとき。
「えっ……あ！」
綾が小さく声を上げて、握り締めていた片手を開いた。
そこに守られていたルビーの指輪が、微かに震えているように夜月の目にも見えた。
「泣いてる……」
呆然といった体で呟く綾。
ルビーの啜り泣きは夜月の耳にも届いていた。
いや――正確には耳ではなく、もっと別の感覚で感じ取ったのかもしれない。
なんにせよ、指輪は泣いていた。
碧摩蓮の言ったとおりに。
「ごめんね……なかなか見つけてあげられなくて」
つい無意識に、そんな言葉が口を突いて出ていた。
大切な相手が傍にいない寂しさ。
大好きな存在と離れ離れになってしまった切なさ。
幼い頃に両親を亡くした夜月は、そんな感情をいやというほど知っているから。
「必ず探し出してあげるから、もう泣かないで」
幼い子供に語りかけるような口調で、夜月は囁いた。
黙って聞いていた綾は、何か言いたそうな目で夜月を見た後、ぽつりと呟いた。
「……あんた、優しいんだね」
真面目に指輪に語りかけた行動を笑うでもなく。
ただ、眩しそうに目を細めて夜月を見る綾。
「ベ、別に……あんたこそ。最初に依頼を受けたのはそっちでしょ」
やたらと照れくささを感じ、そっけなく言い放つ。
「あたしは別に〜、ヒマだったからってだけで」
両手を頭の後ろで組みながら軽く零れた言葉が、本心なのかそうでないのかは分からなかったけれど。
それ以上追求するのはやめておいた。
「でも骨董屋は全滅だよ。この後どうしよう？」
「そうね……とりあえず歩きながら考えましょうか」
これからの行動についてあれこれ話しながら、二人は繁華街までやってきた。
様々な店が立ち並ぶ中に、路上で物を売る露天商がいくつか店を出している。
その中には、装飾品を扱う者もいた。
「案外、こんなところに紛れてたりしてね」
冗談めかして綾が笑う。
まさか、と笑い返そうとした、そのとき。
「えっ――えっ？」
夜月が瞠目するのと綾が声を上げたのが同時だった。
綾の手の中のルビーが、今までに見せたことのない色で輝いていたのだ。
美しくもあり、切なくもある――胸を打つような淡い光。
思わず呆然と見惚れてしまうような。
「ちょっ――ちょっとおじさん！」
先に我を取り戻したのは綾だった。
掴み掛からんばかりの勢いで露天商に詰め寄る。
「サファイア！ ここにサファイアの指輪あるでしょ！」
問いかけではなく断定する物言いに、しかし露天商は困惑する様子も動じる風も見せなかった。
「ああ、不思議なこともあるもんだね。正に今みたいに夜毎光る薄気味悪いサファイアが、確かにここにあったよ」
ともすれば不審者に見えかねない髭だらけの顔を頷かせる露天商。
夜月は先程ルビーの輝きを目の当たりにしたときよりも更に大きく目を見開いた。
「マジでぇ〜!?」
飛び上がらんばかりの勢いで、綾が歓声を上げる。
「どこっ！ どれっ？ ねぇねぇどれよ！」
目を皿のようにして路上の品物を見渡す綾。
しかし夜月はそこに違和感を感じた。
今のルビーと同じように光るのなら、すぐにそれと分かるはずだ。
それに今、この男は――「あった」と言わなかったか。
「それっぽいのはないよ？ ねぇ夜月、どれだと思う？」
「ちょっと待って、もしかして――」
逸る綾をなんとか制して、露天商へ向き直る。
「――今、ここにはないんでしょう？」
すると彼は再び頷いた。
「ご明察。つい今朝方まではそのへんに並んでたんだけどね」
言いながら顎をしゃくり、言葉を続ける。
「最近は都会も油断ならないね。そこらのカラスが飛んできて、あっという間に持ってっちまったんだよ」
言葉の終わりと同時に、百メートルほど先の木の上を指差す露天商。
夜月と綾は思わず顔を見合わせていた。
「カ……」
「カラスぅ!?」
＊
「ちょっと――ほんとにやる気なの？」
「あったりまえじゃん！ すぐそこにあるかもしれないんだよ！」
件の木の下で大声を交し合う二人は、既に辺りの注目を集め始めている。
しかし今からその視線は、間違いなくもっと増えるだろう。
何故なら――。
「カラスがナンボのもんさ！ 人間様に敵うと思ったら大間違いよ！」
啖呵だかなんだかよく分からない台詞を吐きながら、颯爽と木に飛びついていく綾。
決して低くはない木に、果敢にもよじ登ろうというのだ。
「だ、だけど――」
「あたしネコは大っキライだけど、カラスは別に平気だから」
（そういう問題……？）
微妙に論点がずれているような気もするが、言っている間にもう綾の身体は木の真ん中辺りにいる。
おそらく止めても無駄だろう。
それに――。
（もし本当に、ここにそのサファイアがあるのなら……）
蓮の頼みごとは解決できることになる。
案の定集まり始めた衆人と木の上の綾とを落ち着かない気持ちで交互に見ながら、夜月は思わず祈っていた。
――綾の健闘を。
果たして、数秒の後。
「よっしゃ、コレだよきっと！ 少しだけど光ってる！」
真昼の太陽のような明るい声が頭上から降ってきた。
「夜月っ、やったよー！」
「わ、わかったから気をつけて――」
「合点承知――って、キャーちょっとー！」
歓声がいきなり悲鳴に変わる。
夜月の顔から血の気が引いた。
「あ、綾さん！」
「いたたたちょっとやめてよこいつーっ！」
「……？」
「もうーっ、すぐ降りるからどいてっ！ 痛い、いたいってばーっ！」
――どうやら、住居不法侵入及び窃盗の罪を、家主たるカラスに咎められているらしい。
しかし状況を推測できても、夜月にできることは残念ながら無かった。
「あいたたたた……もー、エラい目にあったー！」
髪に葉っぱを絡ませ、小さな擦り傷をあちこちに作った姿で綾は木から降りてきた。
一応、無事に、と言うべきなのだろうか。
「だ、大丈夫？」
「あー、平気平気。それより、ほらっ」
満面の笑顔とともに開かれた手のひら。
そこには、蓮から預かったルビーと酷似したデザインのサファイアの指輪が載っていた。
豊かな湖面のような青い石は、ほのかに柔らかな光を放っている。
夜月は、木登りする前の綾から預かっていたルビーを取り出した。
サファイアと同じように燐光を放っている、小さなルビー。
その輝きは、先刻露天商の前で見たのともまた違う、優しい色を帯びていた。
夜月には分かった。
このルビーが、唯一の相手に再び巡り会えた喜びを全身で表しているのだと。
ふと見ると、綾も驚くほど穏やかな瞳で二つの指輪を見つめている。
きっと彼女も感じているのだろう。
――二つの指輪の、静かな幸せを。
＊ ＊ ＊
「へぇ、ほんとに見つけてくるとはね」
僅かに目を見開いて、碧摩蓮は嘆息と共に言った。
その手の上で、一緒に転がる二つの指輪。
今もまだ微かに光り続けるそれらは、互いに互いの光で存在を確かめ合っているようにも見える。
「幸せそうだね、どっちもさ。やっと、あるべき姿に戻れたんだ」
穏やかに目を細めて呟く蓮。
そこには、我が子を見つめる親のような慈愛が少なからず見える。
「そうだね、やっと相方と一緒になれたんだもん」
満足そうに綾が頷く。
すると蓮は微妙に口元を緩めた。
「相方っていうか、もともと二つでひとつだったんだよ、こいつらは」
「どういうことですか？」
尋ねる夜月と首を傾げる綾を交互に見て、蓮は言った。
「ふたつ一緒に存在して初めて現れる魔力を、秘めていたんだそうだよ。
信頼関係のある二人が片方ずつ持つことでバランスを保っていたらしいんだが
あるときサファイアだけが盗まれちまったようだね」
それが巡り巡ってあの露天商の手元に渡ったのだろう。
背後にどんなドラマがあったのかは知る由も無いが、知る必要も無いことなのかもしれない。
「さて、とにかくこいつらは二度と離れ離れにならないよう、こうしておくよ」
精緻な作りの小さな宝石箱にそっとふたつの指輪を納めた蓮は、音を立てずにその蓋を閉じた。
――やっとこれにて一件落着というわけだ。
「そうそう、大事なことがまだだったね」
思い出したように顔を上げる蓮。
「成功報酬を支払わなくちゃ。何が欲しい？」
「え……」
予期せぬことを言われて夜月は面食らった。
そういえば最初に綾が礼のことを言っていたような気もするが、夜月はさして気にしていなかったのだ。
「ホント？ あのね蓮姉さん、あたしね〜」
戸惑う夜月を他所に、意気揚々と要求を述べる綾。
苦笑交じりにそれを請け負った蓮は、改めて夜月へ向き直った。
「で、あんたは？」
「あたしは……」
しばし考えを巡らせ、それから夜月は店の奥へと足を運んだ。
この指輪騒動の前に見ていた、硝子細工のオルゴール。
羽を広げた白鳥をかたどった繊細なデザインのそれを、夜月は一目で気に入ってしまっていたのだ。
「これ、戴いてもいいですか？」
両手で包み込むようにしてオルゴールを持っていくと、連は二つ返事で承諾してくれた。
心から礼を述べて、夜月はそれをそっと胸に抱いた。
〜END〜
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
【4250／玖珂 夜月／女性／16歳／高校生】
【3660／皆瀬 綾／女性／20歳／神聖都学園大学部・幽霊学生】
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■ ライター通信 ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
このたびはご参加下さいましてありがとうございました！
お二人の方にご参加戴けましたので、双方のプレイングを混ぜたひとつのストーリーを
それぞれの視点で書かせていただきました。
もう片方のお話も併せて見て戴けると二倍お楽しみ戴ける…かもしれません（^^；
＞玖珂夜月さま
はじめまして。このたびは御発注まことにありがとうございました。
夜月さまの他者を思いやる優しさが表現できておりましたら幸いです。
僅かでも楽しんで頂けましたらこれに勝る喜びはございません。
納期ギリギリになってしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます…！
|
|
 |
