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<白銀の姫・PCクエストノベル>


青白き馬を見よ

■ 0 ■

 はるかなる世界アスガルド。
 4柱の女神がしろしめす地に降り立ったものは、まず、兵装都市ジャンゴのものものしい外壁を見上げるだろう。
 アスガルド各地からの旅人や冒険者がいきかう、当地随一の大都市は、今では、異世界からの勇者たちをも受け入れている。
 この街の片隅に、機骸市場と呼ばれる場所がある。生活必需品から武具までが扱われる市場は、いつも住民や旅人たちが多数、行き交い、賑わっていた。
 事の発端は、そんな機骸市場からだった。

 ひとりの男が、よろよろとおぼつかない足取りで機骸市場の通りを歩いていた。そうかと思えば、どう、と地面に倒れ伏す。
「おい、あんた、大丈夫か……?」
 親切な誰かが声をかけたが、返ってくるのは、低い呻き声ばかり。助け起こせば、男は顔色が真っ青で、脂汗にまみれ、がくがくと震えているのだった。血走った目は何も見ていない。
「具合が悪そうだな。誰か、医者を――」
 言いも果てず――
 高く迸った血しぶきに、人々はその瞬間の声を失った。男の身体を無残にも突き破り、それがあらわれたのである。
「……」
 助け起こしたほうの男は、助けた旅人の血にまみれながら、驚愕に目を見張った。彼の腕の中で、旅人は絶命していた。かわって、男の身体から無数に突き出した銃火器の砲や銃身が、一斉に火を吹き、周囲の人々を容赦なく殲滅してゆくのだった。

「これも……、予定にないイベントです」
 度重なる想定外の出来事に、アリアンロッドの表情は重い。
 モンスターの襲来によるジャンゴの破壊も哀しむべきことだったが、ひとたび、敵が去ってしまいさえすれば、当面の危機はない。だが、今度のそれは、いまだ原因はおろか、その全貌すらつかめず、静かに、目に見えぬところで徐々に都市をむしばんでいくような、不気味さを孕んでいるのだった。
 すでに、ジャンゴ全域で、突然、体調を崩して倒れる人々が続出しはじめている。かれらは三日程度、苦しんだあげくに、モンスターのような姿に変わって、周囲を攻撃しはじめるという。
(人を魔物にかえる病――)
 奇怪な出来事は、不安な噂のささやきとなって、燎原の火のごとく人々のあいだを奔る。
 さらに、アリアンロッドの眉をひそめさせているのは、頼みとするNPCの神官やヒーラーたちの力や、治療アイテムの数々が、この病に対してまったく効果をおよぼさなかったことだ。それもまた、本来の、この世界のありようから考えると、あってはならないことなのだった。
「やはりこれも、発生した歪みの一種なのでは?」
 零の意見に、アリアンロッドは頷く。
「そうかもしれません。…………これほどまでに、状況が混乱し、切迫しているとなると……あるいは、《ありえざる地下迷宮》の扉を開いて調べるべきかも――」
 女神の瞳に、逡巡まじりの、しかし、決意の火が灯った。

「あんたもようやくのご出馬か。遅かったじゃないか。――八島さん?」
 冒険者たちがたむろする酒場の片隅。煙草を揉み消しながら、草間は男を出迎える。ゲームの中の世界……中世欧州の文化と機械文明が奇妙に混在する異世界であっても、草間は顔見知りと次々出会う。たとえばこの、いつもの黒眼鏡に、一見、遠目にはスーツに見えるが、よく見れば薄い板金が重なった黒い鎧をまとった、アンバランスな格好の八島真などがそうだ。
 だが、その後ろに続く、対照的に白い鎧の青年は、草間は面識がない。
「そっちは」
「あ、紹介します。『二係』の新人で弓成くん」
「弓成大輔です」
 紹介された男が頭を下げる。
「それより、草間さん、妙なことになっているようですね。疫病と聞きました。中世ヨーロッパの都市における最大の敵は疫病です。ずいぶんリアルな設定ですね」
「それが、シナリオの予定にはない現象で、女神たちも混乱しているらしい。零の話では、アリアンロッドが《ありえざる地下迷宮》とかいう、隠しダンジョンをオープンして冒険者を送り込むって話だ」
「それは、どういう……?」
「よくわからんが、このジャンゴの地下に秘密のダンジョン・ステージが隠されているらしい。本来はPCが立ち入る場所じゃなく、女神たちだけがその存在を知っているとか。《知恵の環》には表向きの設定に関する情報がすべてあるが、そこには、逆に、裏設定や隠された情報の断片があるらしい。アリアンロッドは、謎の疫病に関する手がかりが、その《ありえざる地下迷宮》に隠されているんじゃないかと考えているようだ」

■ 1 ■

「クロウ・クルーハの復活と、なにか関係が?」
 訊ねたのは光月羽澄である。彼女のほっそりした肢体は、僧服とも軍服ともつかぬ黒い衣裳につつまれ、不思議なあわい光を帯びた聖帯が、羽衣のようにふわりとまとわりついている。
「わかりません。ですが、邪竜のやり方は、基本的に配下のモンスターを送り込み、直接攻撃してくるのが主体ですから」
 アリアンロッドは応えた。
「その迷宮にある手がかりがどんなものかはわかっているのかしら」
「情報であれば、書物やスクロールのような形のアイテムとして具現化するでしょうね。普通なら」
「ともなく、行ってみるしかないわけね」
「急ぎましょう。苦しむ人たちを救う方法をはやく見つけなければ」
 それはシオン・レ・ハイだった。彼がみじろぎすると、甲冑というよりはなにかあやしい深海生物の甲殻を思わせる防具と、背負った大剣が音を立てた。
「よい報告を待っています」
「――女神さまはいらっしゃらないので?」
「わたしたちといえども《ありえざる地下迷宮》に足を踏み入れるのは困難をともないます。文字通り、そこは《ありえざる》場所。そうであるからこそ、本来、この世界に《ありえざる》存在であるみなさんの力が必要なのです」
「わかりました。では」
 表情をひきしめるシオン。羽澄と連れ立って歩きます。
「おい――」
「行きましょう、藍原さん」
「藍原さんだァ」
 そりゃ藍原には違いないが、と、藍原和馬は微妙な表情になった。
「…………なんか、あのふたり、微妙にキャラ違わないか。特にシオン」
 すこし離れて話を聞いていた和馬である。羽澄とシオンの背中を見ながら、そんなことを言った。
「それが『コンバート』というやつなのじゃないの」
 隣では、瀬崎耀司がしたり顔でうなずく。
「僕たちだって、ほら」
「そりゃまあ、そうだが」
 瀬崎耀司はいつもの和装ではなかった。中世ヨーロッパの騎士のものに似た黒い鎧に、血のような緋色のマントが映える。一方、藍原和馬もいつもの黒スーツではなく、忍者装束のような格好だった。
「ダンジョンそのものに関する情報はないわけか?」
 和馬はアリアンロッドに問いかけたが、美しい女神は静かに首を横に振るだけだった。
 やれやれ、といった調子で肩をすくめる。
「隠されていた謎のダンジョン。まさにゲームの醍醐味じゃないか」
 にやり、と耀司が口元をゆるめるのだった。

「なんじゃとゥ?」
 本人としては、ほんのすこし、声に力をこめただけだったのかもしれないが、それが空気を震わす咆哮となった。
 酒場の人々の恐怖の視線とざわめき。動じていないのは、そのテーブルの面々だけだった。
「わしはここではアリアとは敵同士じゃ。胸くそ悪い」
 言い捨てたのは羅火……だったのだろう。燃えるような赤い鱗に全身を覆われた人と竜のなかばのような異形の姿であったとしても。それが人造六面王・羅火の本性であることを知っていたものはどのくらいいただろうか。
 それでも、本来ならはるかに巨大な体躯を人間の巨漢程度には抑え、余分の頭はとりあえずひっこめてはいるのだった。
「もっとも、存分に暴れられるのなら行ってやってもよいぞ。だいたい、ここの連中は」
 ぎろり、と金眼が酒場を見回す。
「わしが世界の《歪み》に関係しとると思うておるやつらまでいる始末。いいかげん迷惑なのだ」
「それはきっと、クロウ・クルーハの眷属だと思われているからではないですか」
 セレスティ・カーニンガムが穏やかな微笑を浮かべた。
「そのお姿では無知な人々が誤解されるのも致し方ないかと」
 じろりと睨み返されても平然と表情を変えず、セレスティは語った。ちらと視線を向けた先――酒場の隅には、さきほど羅火に襲い掛かって返り討ちにあった素行の悪い冒険者が伸びていた。かれらが羅火を、いくらモンスターじみているからといってPKの対象に選んだのはまったく不幸なことと言うよりなかった。
 ふん、と鼻を鳴らして、赤鱗の竜は、目の前の甘味に意識を戻した。なぜだか羅火は甘味好きの竜だった。
「……ともあれ、わたしはもうすこし《知恵の環》で調べものをしようと思います。気になることもありますし」
「私もつきあうわ」
 シロップ漬けフルーツをつつく手をとめて同調したのはシュライン・エマだ。
「疫病の対策はなんといっても感染経路の特定よ。どうやって伝染していくのか……、感染者に共通点などがないか調べていけば、ひとまずは予防を試みられるわ。中世ヨーロッパの都市が打撃を受けたのはその知識がなかったからだもの。もっとも――」
 青い瞳が曇る。
「私たち自身も……こうしているあいだに危機にさらされているかもしれないのよね。モンスターの姿に変わるということは、キャラクターとしてのデータを書き換えられているのじゃないかと推測できるわ。今まで、アスガルドで死んだ冒険者は、現実世界に戻されるだけだったけど、万一、そうならなくなったら……これは文字通り死の病になる」
「いえ、それがですね」
 八島が、神妙な顔つきで言った。
「どうも感染しているのはすべてNPCの住人のようなのですよ」
「えっ。それじゃあ、現実世界から来たひとじゃない……?」
「それもなにかの手がかりかもしれないのですが――、あ、弓成くん。どうでした」
 白い鎧の青年がテーブルにあらわれた。
「《迷宮》の場所はわかりました。すでに女神による探索隊や、フリーの冒険者も足を踏み入れているようです」
「じゃあ、私たちも行きますか」

 それは――
 女神の社のフロアの一画に忽然とその入口を出現させていた。
 それも、普通、想像しうるような「入口」ではない。ただぽっかりと、なにもない中空に四角く区切られた『穴』があき、まったく別の空間へとつながっているのである。
「本当に、『本来はなかったのだ』って感じですねえ、これ」
 八島、弓成、羅火の3人は、その『穴』をくぐった。
 向こう側は、どうということはない、石造りの壁と床がつづく地下道(?)だった。灯火などはなかったが、ぼんやりと壁が発光しており、暗いが視界の妨げにはならなかった。
 しばらく、その路を往く。
 やがて、路は随所で枝分かれをし、ここがかなり複雑な構造の迷宮であることがわかってくる。そして。
「なにかおるぞ」
 すん、と羅火が空気の匂いを嗅いだ。
「血の匂いじゃ」
 めき、とか、ばき、といったなにかを潰すような音が、角の向こうから聞こえてくる。
 かれらは顔を見合わせ、覚悟を決めると一気に飛び出す。
 そしてそこに、血と機械油にまみれた、モンスターの無残な死骸をみとめた。
「あれ……」
「あら」
 そして、手にした刃物でそれを解体している、地獄の調理人もかくやといわんばかりの姿の女。
「八島さぁ〜ん! わたしを助けにきてくださったのね!」
「はいー!? なんの話ですか、って、ちょっと、血まみれじゃないですか……黒澤さん!」
「……お知り合いですか」
 弓成のひややか視線をものともせずに、黒澤早百合は八島ににじりよって来ていた。

■ 2 ■

「どれも違うようですね……」
 ぽつり、と、セレスティが呟く。
 顔を上げたシュラインに、
「モンスターについて調べていたのです」
 と、山と積まれた書物を示した。
 螺旋状に、果てが見えないほどの高さにまでつづく書架。セレスティとシュラインはアスガルドの叡智の集結する場所――《知恵の環》で、膨大な書物と格闘している。
「感染した人はモンスターの姿に変わります。同じか似ている姿のモンスターがいないかと。もしかすると、そのモンスターが感染源かもしれませんから」
 セレスティの繊細な指が頁を繰ってゆく。そのたびに、頁には生物と機械のいまわしいキメラである、アスガルドのモンスターたちの絵姿があらわれる。
「なるほど。ペストは鼠が媒介したけれど、モンスターが病原菌をバラまいているというわけね」
「ええ……あくまで可能性ですが。それにしても気になっているのです。今まで、このジャンゴを脅かしているのは、外からのモンスターの攻撃でした。それが、まるで内側からの攻撃に切り替わったような……」
「NPCがモンスターに変わってしまうなんて、この世界の基盤を揺るがしてしまうような出来事よね」
「そうです。それなのに……、アリアンロッド以外の女神さまたちはどうでしょうか」
 そう言って、セレスティが視線を投げかけた先には――
「……」
 4柱の女神のひとり、ネヴァンが、柱の影でびくりと身をすくませていた。
「ネヴァン……。よかった、話を聞きたかったのよ」
「こわがらないで、こちらへどうぞ」
 ふたりに招かれて、ようやく、その幼い姿を見せる。
「なぜ他の女神のみなさんは、この未曾有の危機に行動なさらないのですか」
「……なにもしてないわけじゃないの」
 うつむき加減にネヴァンは応えた。
「でも、こんなことはじめてで……。マッハはあまり気にしてないみたい。モリガンはこれもクロウ・クルーハの陰謀だと思ってる。でもね……クロウ・クルーハにもこんなこと出来っこない。NPCさんたちがモンスターに変わっちゃうなんて、ジャンゴが他の場所に変わっちゃうのと同じことだもの。本当なら創造主さんにしか出来ないようなことなの」
「やっぱり、データの書き換えが起こってるんだわ」
 シュラインが硬い声で言った。
「感染者の出た場所と時間をまとめてみたの」
 ジャンゴの地図を広げ、シュラインは『妖精の花飾り』の蔓を接続する。ぽっ、ぽっ、と地図上に光の点が灯っていった。
「おおむねランダムに見えるけれど……いくつか、発症が集中している地域もあるわ。機骸市場もそうだし、女神の社周辺もよ」
 だがその地図を覗き込んだネヴァンが、はっと目を見開いた。
「これ……、《ありえざる地下迷宮》のリンクポイント!」
「リンクポイントって?」
「つまり……《ありえざる地下迷宮》への入口を開けられる場所のこと。それができるのは私たち女神だけだけど……」
「ではやはり例の迷宮に関係が……、つまりアリアンロッド嬢の推測が正しかったと? ネヴァンさんはあのモンスターのような姿に心当たりはないのですか? 《知恵の環》の資料では似たモンスターは見つからないのですが……」
「ここにデータがないモンスターは《ありえざる》モンスターだけ。あの迷宮には、地上にないものだけがあるの」

 一刀両断――。
 シオンの剣に切り裂かれたモンスターがどう、と倒れ伏す。
 同時に、和馬の黒い刀が別のモンスターにとどめを刺していた。
「ふむ」
 耀司の赤と黒の瞳がひらめいた。
「地上のステージでは見ないモンスターばかりのようだね」
「つうか、これ……」
 動かなくなった異形の死骸を、和馬がつついた。
「アサルトゴブリンに似てるが……そのモデル違いって感じだな。そっちのも、微妙にジェノサイドエンジェルに似ているわけだが、ちょっと違う」
「ここは裏設定などにかかわる情報があると言っていたね」
 耀司は言った。
「もしかして……試作品ということはないかな」
「モンスターの? あー、つまり……」
「地上で動いているモンスターのプロトタイプということですね、瀬崎さん?」
 羽澄が言葉を引き取った。
「そう。アリアンロッドのいう意味がわかったよ。そしてこの迷宮の存在意義が。ここはあくまでも『舞台裏』なんだ。だから、表舞台で動くキャストである女神やNPCは立ち入れない。その必要がないからね」
「ふぅん。ゲームの正規の進行には必要ない情報ってこったな。それでメインフィールドからは普段はリンクもされてない、と。しっかし、もしここに例の病気の情報があるんだとしたら、それって――」
 そのとき、シオンは、暗い戸口をくぐった先に、奇妙なものを発見していた。
「……これは、いったい」
 いったい、いったい、いったい――シオンの独り言が反響する。
 そこにはドーム状の高い天井をもつ広い部屋が広がっていた。屋内であるにもかかわらず、忽然と、樹がはえているのである。そして細いがしっかりした枝ぶりには、いくつも、見たこともない果実が下がっているのだった。果実はぼんやりとした光を放っており、それが無数になっているさまは、幻想的な風景だった。
「みなさん、ちょっと来てください」
 後ろに声をかけておいて、シオンは樹のひとつに近付いた。
 ちょうどよかった。ジャンゴで食料を暢達するはずが、持ち合わせがなくて果たせなかったのである。これは食べられるだろうか。シオンは、果実に手を伸ばした。
 そのとき――!

「わたし、アスガルドに来てから、結婚運がよくなるアイテムとかないかと思って探してたのよね」
「……はぁ?」
 黒澤早百合は、モンスターの死骸を解体しながら、語るのだった。
 その手に握られているのは、包丁とも鉈ともつかぬ凶悪そうな刃である。
「わたしモリガンのところの冒険者だったのよ。でもモリガンったら――」
(そんな都合のいいアイテムなんてあるわけないじゃなァい? そうねぇ。結婚ロールしたいひとはこまめに交流するか、同背後PCぶちこんで結婚させたりしてるわよ?)
「――って、まるで相手にしてくれないのよ。そんなとき、この迷宮の話を聞いたの。ここなら、地上では普通、手に入らないようなものもあるかと思って」
「そ、それはいいですが、あの、これ」
「ああ、これ? 食べられるかと思って解体してるのよ。鳥型のモンスターだったから、もも肉とか、手羽先とか。機械の部分とよりわけるのが大変なんだけど……」
「……」
「それより、八島さんたちも結婚運増強アイテムを探しにきたの?」
「いや、まさか」
「おい、八島」
 ずっと黙っていた(というか、呆れてものも言えないでいた)羅火が、うっそりと声をかけた。
「あら、このドラゴン喋ったわ。八島さん、モンスターを仲魔にしたの? このゲームってそんなことできるのね」
「うるさいわ、女! おまえを喰ってやろうか!!」
「きゃぁ〜〜〜〜ん。八島さん、さゆり、こわぁ〜〜〜い」
「うわ、ちょっと、血だらけで近付かないで! っていうか、黒澤さん、なんかキャラ変わってませんか。……えっと、何でしたっけ、羅火さん?」
「弓成とやらがおらぬ」
「えっ? あ、本当だ」
「さっきの白い鎧の人? 彼ったら、さっきひとりで奥のほうへ行ったわよ。あの人だぁれ? 見かけない顔だけど、いくつ? 独身?」
 そのときだった。弓成が姿を消したという迷宮の奥から、はげしい戦闘を思わせる音が聞こえてきたのは。

■ 3 ■

「不正アクセス! 不正アクセス! 不正アクセス!」
「こ、これは!」
 はばたきとともに、降下してくるもの。
「《禁断の知恵の果実》ニ、認証ナク触レルコトハ許可シナイ」
 巨大な鷲の身体から機械部品をはやしたモンスターだ。銃身のような部位から、青白い光線が迸った。
「危ない!」
 羽澄の叫びとともに、虚空に、蒼い炎が燃え盛った。それは一瞬で、翼を持つ狼に姿を変え、光線とシオンのあいだに飛び込んで、身を挺して彼を護った。
「なんだよ、これ」
 和馬が不思議な果実の群れを見回す。
「わからないが、あのモンスターがこれを護っていることはわかる」
 と耀司。
「レーザー光線を武器にする巨大な鳥……さしづめロック鳥だな。レーザーロックでどうだい。そのままだけど」
「なんでもいい! どうせ倒すんだろうが」
「だろうね。ガーディアンのモンスターを倒して必要なアイテムを入手する。これ、基本だよ!」
 言いながら、ふたりも臨戦体勢に移行する。
「蛇に喰われろ!」
 舞い降りてきた怪鳥の翼に耀司のランス《シグルド》が突き立った。血が出ることはなく、かわりに腐食するように組織が鋼色の槍に吸収されていく。
 ギャッ、と耳障りな悲鳴を、怪鳥はあげたが、片翼の一部を奪われて飛び上がることができない。それは苦し紛れにレーザー光線を発射する。
「おっと!」
 和馬が俊敏にそれをかいくぐり、シオンは大剣で弾き返しながら、地上に引きずり降ろされた敵に攻撃を浴びせた。
 とどめは、羽澄のけしかけた狼の一撃だった。
 羽毛と機械の部品が断末魔の叫びとともに散り、狼はそれを確認すると、ふわりと羽澄のもとに戻ってから、空気に溶けるように姿を消した。その頭をそっと撫でた羽澄の指先に、名残りのような紅い薔薇の花びらだけを残して。
「《禁断の知恵の果実》――そう言ってたわ」
「これが?」
 ふむ、と耀司は光る不思議な果実を見た。
「わたしがこれに触れるのを阻止するように襲ってきました」
 シオンは、手袋を嵌めた手で、そおっとそれに触れた。すると……
「おおっ?」
 和馬が声をあげる。
 果実からふわりと光が広がり、かれらはその中に、映像を見たからである。
「なんだ、こいつぁ」
「ジャンゴ」
 シオンがぽつりと呟く。なるほどそれは兵装都市ジャンゴの風景のようだった。 
「いや、でも違う。女神の社を中心にして同心円状に街区が広がっているはずだけど、これはほら、片側に城みたいなのがあって……、第一、ジャンゴは平地にあるからこんな勾配はないだろ」
「すると……」
「これもプロトタイプということじゃないかしら」
「そうか! それで《禁断の知恵》。ここが裏設定や、使われなかったボツ設定の貯蔵庫なんだ」
「この実が全部……?」
「……これ、食べられないのですね」
 シオンが真顔のまま言った。真顔のままだったが、低音のヴォイスにはどこかしら残念さがにじみ出ていた。
「それはいいけどよ。それと今回の件がどう繋がるんだよ。まさかこんなにある《実》の中から関係するものを探せっていわれても」
「待って。誰かくる」
 羽澄が制した。
 かれらがやってきたのとは別のアーチ状の戸口をくぐり、姿を見せたのは八島と早百合、そして羅火の一行であった。
「あれ、藍原さんに光月さん……?」
「八島さんも来てたのか。……って、うお、おまえ羅火か。そんな格好でうろついてたらモンスターと間違われて退治されるぞ」
「どいつもこいつも煩いぞ! 齧られたいらしいな、この狼男め!」
「ンだと、やんのか、コラ」
「まあまあ、ちょっと待って。みなさんはここでいったい何を――」
「見てください!」
 ふいに、シオンが声をあげた。
 淡く光る《果実》の群れを眺めていた彼である。その中に、様子が違うものを見つけたのだ。
「これ……、ほら、この実、虫がついてます」
「虫……!? 情報の果実に虫がつくのかい?」
 耀司が興味を示して、シオンの指した果実を見た。うっすらと透き通る実の中に、不吉な、回虫のような影がうごめいているのが、たしかに見てとれた。
「いや〜ん、気持ち悪〜い。さゆり、虫、こーわーいー」
「黒澤さん……あの……微妙過ぎてどうすればいいかわかりません」
「虫か。まさかこれが文字通り“バグ”だなんてオチじゃないだろうね」
 そのときだ。
「触らないでください!」
「あ。弓成くん」
 駆け込んでくる白い鎧の姿。
「これが――」
 そのサーベルが、一刀のもとに、果実を叩き斬った。
「疫病の原因です」

「整理してみましょう」
 シュラインは言った。
「疫病の正体が何であれ、それは《ありえざる地下迷宮》内にある情報に関係しているのはあきらかだわ。感染者が姿を変えられるのが、《ありえざる地下迷宮》に貯蔵されているボツモンスターの姿であること、感染者の増加が《ありえざる地下迷宮》とのリンクポイントを中心に広まっていることが裏付けよ」
「ですが件の迷宮には、アスガルドのNPCさんたちは入れません。女神さま方や、クロウ・クルーハの眷属も含めて。そして、疫病もまた、NPCだけを犠牲者に選んでいる」
 セレスティが言葉を付け加える。
「アスガルドを滅ぼす疫病……アスガルドのものだけを……。外からきた私たちには影響がなく、外からきた私たちしか立ち入れない迷宮と関係している……」
「誰かが、アスガルドを……、このゲームの世界を滅ぼそうとして?」
「そんな……」
 ネヴァンは青ざめた面持ちで、異界からの冒険者たちの横顔を見比べた。
「疫病――感染――ウィルス…………ウィルス!?」
 はっ、とシュラインとセレスティは顔を見合わせた。
「コンピュータウィルス!」
「このゲームのシステムが……ウィルスに感染したのだとしたら。それでどんどんデータを書き換えられて行っている……?」
「そんなこと……、この世界は創造主さんのつくった防壁で護られてるって」
 すがるようにネヴァンは言った。
「いいえ」
 シュラインはかぶりを振る。
「この世界は、もう何人も、私たちのように外界からの存在を受け入れているのよ」
「私たちの世界から来た冒険者たちの中に、感染したものがいたか、あるいは、最初からこれが目的で、ウィルスを持ち込んだ人がいたのですね。……いわばトロイの木馬として」

■ 4 ■

 弓成のサーベルが斬り裂いた果実は、じゅッと音を立てて蒸発した。
「弓成くん、どこに行ってたんですか!」
「申し訳ありません」
「疫病の原因ってどういうことなの?」
 羽澄が問うた。 
「言葉通りですよ。《禁断の知恵の果実》として保存されている情報を不正にコピーすることで、疫病は蔓延するのです」
 弓成の言葉が終わるか終わらぬかのうちに、その不吉な蹄の音が響いてきた。
「あれは……!」
「どうやら、ボスキャラの登場――、みたいだねぇ」
 耀司が、ばさりとマントを翻した。
「面白い。やっと暴れられる。ここでは……あの忌々しい鎖もないからの!」
 があっ、と竜が吠えた。心なしかその身体が一回り大きさを増したようである。
 そして、《禁断の果実》の林を駆け抜けて、それが黒い旋風のようにあらわれた! 
「し、死神――」
 八島が呻くように言った。
「死の舞踏、か……これがウィルスの――キャリアーなのか!」

  見ていると青白き馬があらわれた
  それに乗るものの名は《死》といい、
  あとに地獄を従えていた

 それは、ぼろぼろの黒衣の裾を長く引き、鉄骨を固めて造ったような《馬》を駆っている。まさに死神そのものの巨大な鎌が得物のようだ。顔はフードに隠れて見えないが、その影の中からふたつの赤い光が、燃え盛るようにらんらんと輝いていた。
 それは鎌を振り回しながら、一行へと迫ってくる。
 ギィン!と、シオンの剣が鎌の一撃を受け止めた。
 しかし、その黒衣の騎手の勢いが止まることはない。
 羅火の腕が、ぼこりと膨れ上がったかと思うと、もうひとつの竜の頭が、人面疽よろしく浮かび上がる。あまつさえ、それはかッと口を裂けんばかりに開くと、その喉の奥から黒々とした鋼の銃身を吐き出したのである。その銃自体、生物の組織のような意匠の、ありていにいってグロテクスな外観だった。
「ふんッ!」
 竜の口から出た銃身が火を吹いた。
 銃弾の雨が黒い騎手を撃つ。衝撃で、襤褸をまとった姿が馬から落ちた。乗り手を失った鉄骨の馬が、いななきながら、木立のあいだを縫ってゆく。
 そちらに向けて動いたのはシオンと和馬である。
「てやっ!」
 ロデオのように、和馬が鉄骨の馬に跨がった。振り落とそうとあばれる馬の首すじに、黒い刀を突き立てる。どぼどぼと、濁った機械油を、それは撒き散らした。
「和馬さん!」
 シオンが声を張り上げる。彼はおもむろに左手の手袋をはずすと、素手で、大剣を握り直した。ごう、と青白い炎のような輝きが刀身を這い、凄まじい熱気が迸る。じゅう、と何かが焼ける音が柄を握り込んだシオンのてのひらの内で弾け、シオンの端正な顔が一瞬、苦痛の色を反映して揺らいだ。
「大人しく、しやがれ!」
 暴れる馬の手綱を必死で操る。それが突進してくるのもものともせず、シオンが立ちふさがる。蒼く燃える刃で、彼は薙いだ! 

 機骸市場の片隅に、それが忽然と口をあける。
 アリアンロッドが女神の社に開いたものと同じ……《ありえざる地下迷宮》への門である。これを開いたのは、不安げな目でその中へ消えてゆくシュラインとセレスティを見つめているネヴァンであった。
「気を……つけて……」
「ええ、お気遣いありがとうございます」
 にっこりと、これから危険なダンジョンへ降りていこうとする冒険者とも思われない表情で、セレスティが笑った。そして、ふたりもまた、地下の迷宮へと赴いたのだった。
「《禁断の知恵の園》――そう言いましたね」 
「ええ。そこにある《永遠の秘薬》を手に入れるの。八島さんたちが行っているはずだから、位置を追跡してみるわ」
 シュラインは、妖精の花飾りにそっと手をふれた。

 一撃のもとに、粉砕され、バラバラの鉄屑へと帰す、鉄骨の馬。
「おわたぁ!」
 あおりをくらって和馬も吹き飛ぶ。その身体を受け止めたのは――
「大丈夫ですか」
「ああ、すまねぇ……って、あ――」
「…………」
 弓成大輔の銀色の瞳が、きろり、と和馬を見つめていた。
「あらあら、派手にやったわねえ」
 早百合が、屑鉄の山をのぞきこむ。
「気をつけて。復活しないとも限りません」
 シオンが注意を促すが、早百合は涼しい顔だ。
「こっちは平気みたいよ。……んー、肉の部分がないわ。馬刺は無理ね」   
 こっちは平気――、そう言った早百合の言葉は、すなわち、馬から落ちた騎手の末路のことを指しているのだろう。
 羅火の銃撃で蜂の巣になったかに見えた騎手は、襤褸をつきやぶってはやした鉄骨の脚を蜘蛛のように動かし、驚くほどの俊敏さで反撃に転じていた。
 羅火が異形の怪物と化した敵に組み付き、至近距離から銃弾を放つ。硝煙の匂いがあたりに充ちた。
「これじゃ怪獣大戦争だ」
 耀司が辟易したように言った。
「ゲームの内容が変わってきたって感じ……、ああ、光月さん、へたに近付かないほうが――」
 羽澄がまとう帯が、ふわりと白い光を放つ羽にかたちを変えた。なかば透き通った、妖精じみた羽で空中へと彼女を運ぶ。その手の中で、ロザリオが、十字架部分を柄にした、光のレイピアへと変わった。
「ほう」
 耀司が、見とれるようにそれを眺めた。
 いまや鋼鉄の昆虫めいた異形とかした敵と、はげしい取っ組み合いを演じ得ている赤い多頭竜(しだいに、腕以外の場所からも、隠れていた頭が姿を見せ始めていた)。そしてその二者の上を舞う妖精めいた少女。それはなかなかに幻想的な光景と言えた。
 羽澄が、滑空するように舞い降りて、鋭い一撃を的に与えた。そしてそれがつくった一瞬の隙をのがさず、組み付いた羅火の怪力が、鋼鉄の身体を引き裂く。機械油の飛沫。――ジャンゴの地底にひそみ、名も知れぬ疫病を撒き散らしていたという病魔の、それが最期だった。

■ 6 ■

「このモンスターが……原因?」
 セレスティは、そう言って、機械油に汚れた残骸と化したものを見下ろす。
 彼とシュラインが合流し、一同は、《禁断の知恵の園》の木立に散って、ネヴァンから得た情報にもとづくアイテムの探索を行っていた。
「そうなのですか?」
「何か腑に落ちないことが?」 
 耀司が訊ねた。
「いえ……ただ、この疫病は、アスガルドの外から持ち込まれたもののようでしたから……。あるいはそれが、なんらかの理由で、このモンスターの形をとっていたのでしょうか……」

「で、その《永遠の秘薬》の形とかわからないの?」
 と早百合。
「残念ながら。だって実際にはゲームに登場しない、企画段階でボツになったアイテムだもの」
「ボツアイテムが病気に効くって変ねェ」
「《永遠の秘薬》は『どんな状態異常からも回復させる』効果を持つレアアイテムという設定だったそうなの。でも便利過ぎるから、ってボツになって。例の疫病は、既存の回復アイテムでは対抗できないから、アンチウィルス情報をその《永遠の秘薬》に書き加えて、いわばワクチンアイテムをつくろうってことなのよ」
 かれらは《禁断の知恵の果実》をひとつひとつ覗き込んでゆく。半透明の光る果実に目をこらせば、その中に収納されている情報が透けて見える。その中から、件のアイテムを探し出そうというのだ。
「じゃあそのワクチンができても、住民に行き渡らせないとダメね。……薬草シチューにでもして振る舞ったらどうかしら。八島さん、わたしのアスガルド版のレパートリィなのよ。あの薬草売りのルチルアって娘に教わったの。帰ったらご馳走するわね。某狼男忍者さんなんか、よっぽど日頃ろくなもの食べてないみたいで、あまりの美味さに失神していたほどよ」
「はあ、そうなんですか……」
 早百合の肩ごしに、その狼男忍者が、はげしく首を横に振って、なにかを否定しているのを、八島は見た。
「これじゃないかしら」
 羽澄の声に、一同は振り向く。安堵の息があちこちであがった。


 ほどなく、アリアンロッドの手によって作成され、大量に複製された薬が、ジャンゴ中に流布することなる。
「クエスト完了――、というところかな。お祝いの葡萄酒でもどう?」
 耀司が瓶を手に言ったが、
「甘味のほうがいいわい」
 と羅火がにべもなかった。
「『勇者の泉』ですか? わたしも行きます。光月さんもどうですか」
「ええ、ご一緒するわ」
 連れ立って出掛けていく人々を見送りながらシュラインはアリアンロッドに、
「今回はネヴァンが協力してくれたのよ」
 と告げた。
 しかし女神は表情ひとつ変えず、
「アスガルドが滅亡しては、元も子もないのですから」
 と答えるのみであった。
「アリアンロッドってば、無表情で何考えてるかわかんないコ。あーあ、モリガンのほうがまだマシだったかしらねェ。さて、と。わたしは八島さんにシチューをご馳走してあげなくっちゃ。……って、姿が見えないわね。まあいいわ、ちょっとつきあいなさいよ、あなた」
 早百合は、こそこそと隠れようとしていた和馬の襟首を掴んでいた。
「あ、いや、おれは……」
「遠慮しないでいいから」
 一方、セレスティは。
(もしも……あのモンスターこそが『トロイの木馬』だったとしたら)
 深遠な瞳に思索の色を乗せて、最後の違和感のもとを追っている。
(わたしたちは結局、ウィルスのおおもとのデータを、あのモンスターごと破壊してしまった。それが、あるいはウィルスの出所を隠すための方策だったのかも……)

  *

「では戻りましょうか」
「はい」
「報告書は今週中に」
「了解であります」
「……それはそうと」
「はい?」
「これはきみの独断と理解してよかったのですよね?」
「…………何のことでしょうか」
「あのウィルスに決まってるでしょう。アスガルドを潰すことに誰がどんな利益を持つと思います?」
「IO2などはどうでしょう」
「そりゃいい。報告書ではそういうことにしておいてもいいですよ」
「……」
「…………」
「……界境現象の拡大は好ましいことではありません」
「ずっと『一係』はその線だったものねぇ」
「自分個人の判断で行いました。独断が過ぎたことは認めます」
「いちおう今のきみは『二係』の所属であること、それと異界つぶしには民間人を巻き込むおそれが常にあること、その2点について、わかってもらえれば、今回のことは気づかなかったことにします」
「……申し訳ありません」
「では、そういうことで。おつかれさまでした」
「おつかれさまでした」



【白銀の姫】青白き馬を見よ[EOF]

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0086/シュライン・エマ/女/26歳/翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【1282/光月・羽澄/女/18歳/高校生・歌手・調達屋胡弓堂バイト店員】
【1533/藍原・和馬/男/920歳/フリーター(何でも屋)】
【1538/人造六面王・羅火/男/428歳/何でも屋兼用心棒】
【1883/セレスティ・カーニンガム/男/725歳/財閥総帥・占い師・水霊使い】
【2098/黒澤・早百合/女/29歳/暗殺組織の首領】
【3356/シオン・レ・ハイ/男/42歳/びんぼーにん(食住)+α】
【4487/瀬崎・耀司/男/38歳/考古学者】

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■         ライター通信          ■
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お待たせいたしました。
白銀の姫クエストノベル『青白き馬を見よ』をお届けします。

せっかくの『白銀の姫』ということで、
ダンジョン探索+モンスターとのバトルを中心に、展開自体はオーソドックスなものにしてみました。そのかわり、微妙にこれアリなのか?みたいなオチになっているわけですが……(汗)。

>シュライン・エマさま
情報収集アクションに徹されるところが、まあ、シュラインさまらしい! 妖精の花飾り、素敵なアイテムですね。それなのに、ときどき「鼻飾り」になるこのPCの辞書が憎い!!

>光月・羽澄さま
(疑似)コンバート図がまた素晴らしく、ビジュアル面でのギミック満載で楽しく書かせていただきました。ちょっとクールな聖戦士(神聖騎士……?)、といったイメージです。

>藍原・和馬さま
忍者キターー。無理矢理シチューネタもひっぱりつつ(せっかく某様もいらっしゃいましたし)、お気に入りは弓成くんと無言で見つめ合う場面です(笑)。

>人造六面王・羅火さま
竜形態を書かせていただくのは、ヒーローショウに続く二度目ということで、なんだかスペシャルな感じがしますね。今回はかなり本気だ!みたいな。甘味好き設定が素敵です!

>セレスティ・カーニンガムさま
他の女神は、基本、プレイングがなければ出さないつもりだったので、おかげさまでネヴァンを書くことができました。セレスティさまだけは、裏の真相にうっすら気がつかれているのかもしれません。

>黒澤・早百合さま
「虫、こーわーいー」などの台詞は語尾上げ気味によろしくです。今回は全編にわたってちょっとぶっとんだ感じになってしまっております。これもコンバートということで……。

>シオン・レ・ハイさま
素敵過ぎるコンバート図の数々に見とれておりましたので、ご参加いただけてうれしいです。お箸ネタを入れようかどうか結構迷いました(笑)が今回はシリアスモードで。

>瀬崎・耀司さま
洋装の瀬崎さまも新鮮ですね。ノベルゆえ「画」で見られないのが残念なくらいです。ちなみに八島さんと初対面(実は)になるので、こっそり名刺をお渡ししています。

このたびはご参加ありがとうございました。