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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


奇妙な壷の使い道


 神名木高校の向かいに存在する雑貨屋に黒塗りの高級車が止まった。運転席から出てきた青年は青く長い髪を首元で括っている。しかし首から下はとても暑そうな服装だ。そう、彼はタキシードを着ている。これが彼の決まったお仕事スタイルなのだ。彼はサイドミラーで襟を正すと、雑貨屋の中へと入っていく。白手袋に包まれた華奢な手で扉を開き、凛とした声で店主の名を呼んだ。

 「翠明堂様、先日ご連絡差し上げました『アカデミー』の風宮 紫苑です。商品を引き取りに参りました。」
 「あー、はいはい。ちょっと待って下さいね。入ってすぐのところに長椅子があるでしょ、そこでゆっくりしててください。」

 アカデミーという組織から来たという風宮は言われた通りにする。扉を静かに閉じ、長椅子の端にさっと座って店主の登場を待つ。確かに電話越しで聞いた声と同じだ……そんなことを考えながら、風宮は店内を見回した。雑貨屋とは聞いていたが、実に統一感のない物ばかり。店の前には子どもたちのことを考えてか駄菓子やチョコレートが置いてあるが、奥の高いところには破魔の護符が束になって収められている。もっと奥にはそれなりの商品が置かれているのだろう。店主はまだ出てくる気配がなかった。
 一方の店主は店と部屋とを区切るのれんの後ろからじーっと風宮の観察をしていた。年の頃は風宮と同じくらいのその店主の名は皇 翠明。彼もまた数日前の電話でのやり取りを思い出していた。そして不意に自分の足元にある凶々しき瘴気を放つ壷に目をやる。そして『なぜこんなものを売ることになったのでしょうか?』と店主も首を傾げる始末。しかし客はこれを欲している……売らない訳にはいかない。そのためにわざわざ知人から許可を得てこれを用意したのだから。


 話は数日前まで遡る。翠明堂の黒電話がけたたましく鳴り響いたのは昼過ぎだった。受話器の向こうにはあの風宮なる人物がいた。翠明は電話販売や勧誘の類ならすぐに切ってしまおうと思っていたが、逆にどんどん手に力が入っていく。それを耳から放すことができなくなってしまったのだ。風宮は雑貨屋である翠明堂に注文をした。それは『四身の壷』と呼ばれる代物だ。翠明は電話であることをいいことに露骨に眉をひそめ、「そういったものは取り扱っておりませんねぇ」とかわした。ところが話術においては相手の方が一枚も二枚も上手だった。後からわかることだが、彼は『アカデミー』という組織で能力者を勧誘する立場にある人物らしい。腰の低い丁寧な口調で話を自分のペースに持っていく風宮に対し、翠明は四苦八苦するばかり。そこで彼は相手に『四身の壷』がなんであるかを問うてみた。すると風宮は壷に関する伝承をゆっくりと話し始める。

 『四身の壷』は粛瑛なる妖孤が戯れに封じたもので、4匹のあやかしが封じ込められているらしい。全身に刃を持つ剣の怨念から生まれた偉丈夫・斬鉄、純白の理力を操る美しき女・琥珀、稲妻のごとき光を放つ邪悪な狩人・飛電、そして鋼の肉体を持つ金剛の妖怪・鎧甲。これらは単体ならそれほどの力を持たないが、その身を合わせることで強力な妖怪へと変貌するのだ。粛瑛が封じたのは強大な力を持つ『羅刹』であり、壷に封印する際に再びその身を4つに割ったことから由来して『四身の壷』と呼ばれるようになった……

 そんな大変なものを風宮は買うという。翠明がその利用方法を聞いたところ、なんでもその中身のあやかしを完全に消滅させるのが目的らしい。彼は自らが所属する『アカデミー』という組織の説明をし、異能力者を育てる方針を明かした。その教育の一環として、壷の封印を解くという。斬鉄などを意図的に蘇らせ、生徒たちを訓練する。そして最後の仕上げに羅刹に合体させ、全員で戦わせて能力を向上させるという……そんな内容だった。
 粛瑛の話を一通り聞いている翠明は話の途中で呆れたが、中身を倒すというのならいいと思った。封印は封印であり、撃破ではない。そのまま放っておいても、奴らが四散するわけでもない。なら、先方の責任で中身を倒してもらおう。翠明は風宮の申し出に応じ、当日までに壷を用意すると答えたのだった。


 粛瑛から預かった壷は細長いもので、普通の風呂敷で包むにはギリギリの高さだった。ふたの部分に結び目があるので、持ち運びをする際は細心の注意が必要だ。翠明はゆっくりと壷の側面を持ったが、どうも手を滑らしそうで怖い……もうそこまでだからと結び目に指を引っ掛けて風宮に渡そうと、そーっと歩き出した。店主の姿が見えると、風宮も用意した小切手を胸ポケットから取り出す。これですんなり取り引きまでことが運ぶと思われた。ところが、足を引きずって歩く翠明が不意にバランスを崩し、つい包みを持った方の指で壷のふたをズラしてしまったのだ!

 「あっ。」
 「……翠明様、どうかしましたか?」

 ふたりのやり取りを邪魔するかのように、白い霧が立ちこめる! そしてその中から伝承にあった4体のあやかしが蘇ってしまった! さすがの翠明もこれには驚いた。

 『滅砕! 我の封印、解かれたり!』
 『おほほほほほ! 狙うは粛瑛の首よ!!』
 『迅雷の矢をあの面にぶちこんでやるぜ……げへへ。』
 『おおお、おで、がんばる〜!』

 斬鉄たちはその風貌を一瞬だけあらわにしたかと思うと、それぞれの意志を確認して再び霧となって胞衣神社へと飛んでいった。取り残されたふたりはただ呆然と立ち尽くすのみ。翠明は壷を、風宮は小切手を持ったまま立ち尽くしていた。

 「出ちゃいましたね……」
 「出ましたか。」
 「今から授業って訳には……いかないですか。」
 「そんな……準備してるはずないですよ。このままだと被害が出ますねぇ。」

 他人事のように喋る風宮の態度が腹に据えかねたのか、翠明は厳しい口調で問い質す。

 「あなただって能力者なんでしょう。なんとかしたらどうですか?」
 「翠明様、あいにく私の能力は霊とは関係のないものでして……現時点では対処の方法がありません。でも壷を注文したのは私ですし、その責任は私が負いましょう。予定は変更になりますが、アカデミーの名の元に優れた能力者を集めて彼らを退治させます。ところで彼らの行き先はわかりますか?」
 「おそらくこの先の胞衣神社付近だと思いますね〜。でもあの中には入れないでしょうから、その付近にたむろするでしょう。」
 「わかりました、それではそのように連絡しましょう。少し時間を頂けますか?」

 風宮は懐から携帯電話を取り出し、どこかへ連絡をし始めた。再び世に放たれた4体のあやかしを倒すことができるのだろうか?


 あやかしたちは久々の現世を楽しむかのように宙を舞いながら神社へ急ぐ。その道すがら、鎧甲は地面をのたのた歩いているいい贄を見つけた。目指す先には大きな結界が張られており、自分たちがそのままの姿で侵入することはできない。こういう場合は妖怪にとって非常にベタな手段ではあるが、霊力を持つ人間に憑依するのがベストなのだ。

 『あ、あで、降霊師でねぇがぁ〜?』
 『おや、鎧甲。いいもの見つけたねぇ。これを使わない手はないわよ。』
 『胞衣神社への道を開くため、ここは我らが結束する時だ! 飛電、覚悟はいいか!』
 『粛瑛の野郎にこの矢をぶちこめるのなら、羅刹になることもいとわねぇ!』

 さすがにあやかしがこれだけ騒ぐと下も気づく。学生服を着た青年は「野良幽霊か」とつぶやくと、まったく相手にせずに前へ歩いた。実は彼こそが鎧甲に目をつけられた不幸な降霊師・不動 修羅である。地図の上では見ることのできない場所にあるという神格の高いとされる胞衣神社……修羅は興味本位でそこへ向かっている最中だった。そろそろ目的地に着く頃かと、修羅は少し背伸びして先を見る。すると上にいた4人が一斉に彼の身体めがけて飛んできた!

 『変化、羅刹!』
 「う、うぉっ! なんだこいつら、俺に突っ込んでく……うごああぁぁぁぁっ!」

 いくら有能な降霊師いえども、一気に4体のあやかしが憑いたのではなす術もない。修羅はすぐさま意識を失い、全身にうっすらと合体形態の『羅刹』の姿を揺らめかせながらハッキリとした歩調で前へ歩き出した。

 『こやつの力があれば、胞衣神社には入ることができる。粛瑛、待っていろ……!』

 今までの4体とは明らかに違う迫力を醸し出す羅刹なる化物。はたしてこれを調伏する能力者は現れるのだろうか。不気味な笑い声を響かせながら、邪悪な存在は確実に一歩ずつ結界へと向かっていた。


 その頃、翠明堂の軒先にようやく風宮が召集した能力者がやってきた。ところがその人数はたったのふたり。これでは相手の数と合わない。翠明は露骨な嫌味を風宮に向けて遠慮なく言った。

 「アカデミーとは……まぁ、こういうクラスの組織なのですか?」
 「嫌味があまりにも遠回しすぎて返答に困りますね。」
 「しかもこっちのお嬢ちゃん、いやお子さんも……」

 彼の心配はメンツの数よりも質にあったらしい。紫苑の目の前にいる薄く白い下着姿の少女はさっきからずっとクスクスと笑いながら彼らのやり取りを聞いていた。あまりにも心配した翠明が彼女に名前を聞くと「みーちゃん」という返事があった。さすがにあだ名で呼ぶ訳にはいかないと苦笑いすると、風宮が耳元でその名を囁いた。彼女の名は月帝 瑞希という。彼女のうつろな笑みを見ていると、こちらもつられて笑ってしまいそうになる。

 「クスクス。みーちゃん、わるものいるってきいたからここにきたの。ちかくにわるもの、いる?」

 小さなえくぼを見せながら小首を傾げて『わるもの』の居場所を無邪気に尋ねるみーちゃん。翠明も風宮もどうするか悩んでいるところに和服姿の美しい女性が彼女の長い髪をやさしく撫でながら声をかけた。

 「瑞希様。今、わたくしが皆様から聞いて差し上げます。翠明様、風宮様、経緯はお聞きしました。微力ながらこの天薙 撫子、今回のあやかし退治に協力させて頂きますわ。」
 「でも撫子さん、心なしかちょっと困った顔をしてるようにも見えますね。何か腹に据えかねることがあるのですかぁ?」
 「いえいえ、そんなことは……翠明様はお初にお目にかかります。今後ともよろしくお願いいたしますわ。そう、瑞希様もですわね。」
 「みーちゃんもよろしく? クスクスクス。」

 翠明に表情を読まれた撫子はとっさにそれを否定して話をはぐらかしたが、さすがに状況が状況だけに心中は穏やかではない。子どもの前で風宮の説教するのもかわいそうなので、彼のタキシードを引っ張って誰もいない店の端まで引っ張った。彼は一切抵抗せず、そのまま引きずられるだけ。撫子は向こうの瑞希と翠明がこちらに来ないのを確認してからお小言を始めた。

 「風宮様、なぜ封印のあるものを教材に使おうなどと……不用意ではありませんか?」
 「私の車にはちゃんとした装置があって、それを使えばこんな不祥事は起きなかったのです。しかし今回は店主がふたを……」
 「でもそれをご用命になったのは風宮様でしょう。このようなことをするのなら、現世にはびこるあやかしを調伏するようにした方がいくらか住みよい世界になると思いませんの?」
 「撫子様のように皆様がそのような力をお持ちならいいのですが、アカデミーは発展途上の能力者を教育する機関でして……」

 ああ言えばこう言う風宮。この場はなんとしても今回の不祥事が自分の不手際であることを自覚させなければと撫子は必死になる。そんな熱の入ったやり取りは完全に向こうのふたりへの意識を失わせてしまった。ぽつんとそこに残された瑞希は、翠明から『わるもの』の話を聞いて顔をほころばせていた。話し手である翠明が『これ言っちゃまずかったかな?』と即座に後悔する。

 「そのつぼからでたのが、わるものなの?」
 「わ、悪者だよ。それは間違いないけど、みーちゃんはそんなとこ行っちゃダメだよ。さっきのお姉さんに任せておけばいいんだ。」
 「ふーん……クスクスクス、くすくすクス♪」
 「あ、奥にあめ玉があるんだ。みーちゃんにいっぱいあげるね。ちょっと待っててくれるかな。今から持ってくるから。」

 相手は子どもだ。悪者よりもあめ玉の方が好きに決まってる。そんな安易な考えを持ったまま、足を引きずって翠明が店の中に入ろうとみーちゃんに背を向けてしまった。しかしその予想は大きく外れた。誰の視線も受けなくなった時にはもう彼女はその場から姿を消してしまっていたのだ。どうやら瑞希はあめ玉よりもあやかし退治の方がお好みだったらしい。
 翠明はそんなことが起きているなど露知らず、小さな紙袋にいっぱいのあめ玉を詰めて嬉しそうな表情をして戻ってきた。が、そこには彼女の姿がない。彼の顔は一気に青くなった。予想外の展開に柄にもなく大きな声を出してしまう。

 「みーちゃん……みーちゃん?!」
 「封印されているだけでは後世に不安を残します。ですから我々が後々の憂いをですね……」
 「風宮様、少々お待ち下さい。翠明様、瑞希様はどちらへ?」
 「いやぁ……壷の話をしたら興味がそっちに移ったらしく、そのまま胞衣神社の方に行ったと思います。」
 「はぁ、どなた様も安易なお考えをするのがお好きなようですわね。わたくしも胞衣神社へ参ります。瑞希様を探さないと!」

 お小言を中断し、撫子も御神刀・神斬を携えて胞衣神社へと走っていく。舞台は胞衣神社へと移ろうとしていた。翠明もあめ玉の入った袋を外のベンチに置き、店の扉を閉じる。彼もまた胞衣神社へと行こうとしていた。風宮もどこまで役に立てるかわからないが一緒に行こうと心に決めた。ふたりは阿吽の呼吸で翠明堂の臨時休業の準備を始めた。


 胞衣神社にはまだ危機は訪れていない。それどころか平穏な風景が境内を包んでいた。そこには妖狐の粛瑛、そしてキツネの帽子をかぶった少年が手鞠を使って遊んでいる。少年は手鞠と一緒に高く飛び跳ねたかと思うと、でんぐり返しをしながら一緒に転がったりととても楽しそうにしていた。粛瑛もそんな無邪気な笑みをこぼす彼を見て、穏やかな笑みを漏らしている。こんな訪問者ならいつでも大歓迎だ……きっとそんなことを思っているに違いない。
 少年は双尾の子狐で、今は人間の子どもの姿をしている。自分のことを彼瀬 えるもと言っていた。父は神格化された天狐、母は妖孤。由緒正しき妖孤の粛瑛とはいとこのような関係になるのだろうか。粛瑛はなぜか昔を懐かしむかのようにえるもの姿を見ていた。彼もまた親といったところか。

 そんな時、いつものように物騒な客がやってきた。邪悪を阻む結界を万力でこじ開け、ゆっくりと境内の中へと入りこんでくるのはなんと人間の青年だった。しかし粛瑛はすぐさま鼻を利かせ、相手が誰であるかを見破る。そして突然のことに驚くえるもを手元まで引き寄せた。中に侵入したのはもちろん修羅である。正しくはあやかしたちが合体した姿である羅刹であるが、彼の身体を捨てる際にその合体を解いて粛瑛の目の前に現れた。あやかしが抜け出しても修羅の意識は戻らず、糸の切れた人形のようにそのまま倒れこみ後頭部をしこたま地面に打ちつける。その衝撃で起きなかったことが、修羅にとって今日一番の幸運だったのかもしれない。おそらく頭には大きなたんこぶができているだろう。
 宿敵・粛瑛を前にして意気込む4体のあやかし。恨みの言葉だけでなく蘇った身体にも相当な力がみなぎっている。リーダー格である斬鉄がその身にいくつも宿した刃を粛瑛に向けながら叫ぶ。

 『粛瑛! 大した価値もない壷に我らを封じた罰を受けるがいい!』
 「なんでも斬れるといいながら、俺を斬れなかった奴が今さら吠えるな。」
 『ムガーーーッ。お、おではお前の攻撃を防いだぞぉ〜!』
 「お前も『痛い、痛い!』とかわめきながら我慢してただろうが。」

 さすがはキツネ、口は達者だ。彼らの怒りは沸々と湧き上がる。そこにえるもがいかにも子どもらしい疑問を持って話に割って入った。

 「はじめましてなの。えるもはかのせえるもなの。おじちゃんたちはなんていうの?」
 『いかなる物も斬る刃を持つ斬鉄、妖術に長けた女人の琥珀、いかなる敵をも射殺す飛電、そしてどんな攻撃も挫く鎧甲。人の子よ、わかったか。』
 「うんなの。でもでもがいこうちゃんはとってもかたいの? それってざんてつちゃんにきれないくらい?」
 「おお、えるもは賢いぞ。そうだそうだ、お前ら矛盾してるぞ!」

 えるもの言う通り、確かにピックアップされたふたりはおかしな関係だ。高らかに謳った口上が矛盾している。子ども相手ということもあり、斬鉄も鎧甲もずいぶんと困った顔をした。粛瑛がえるもと一緒になってすっかり調子に乗っているのも忘れて、この場をどう取り繕おうか真剣に悩む。しかしそこはキツネの方が何もかもが上手。そこでえるもがある提案をした。

 「じゃあためしてみたらどう? けんかするときは、あとくされなくおもいっきりやれって、おと〜さんもおか〜さんもいってるの!」
 「おお、かわいい手で作った握りこぶしが話を盛り上げる! お前ら、ちょっと付き合ってやれよ。俺が見届けてやる。」

 いたいけな少年のために目の前で結果を出せと煽る粛瑛の言葉に鎧甲は素直に驚いた。

 『お、おでが斬鉄とやるのがー?!』
 「ふたりともけがしないようにおもいっきりがんばるの。」
 『親の顔が見たいわね……ちょっと変わってるわ、この子。』
 『いたしかたあるまい。鎧甲、構えろ。この斬鉄、お前の全力に斬力を叩きこむ!』
 『までまでまでっで! まだ気を溜めてない……ふぅーっ、ぐおーーーーーっ!』

 全身の力を行き届かせるために大きく息を吸いこみ、気合いを入れて斬鉄の攻撃を待つ鎧甲。琥珀も飛電もそれを息を飲んで見守っている。そして斬鉄の集中力が研ぎ澄まされた瞬間、全身の刃が青白く染まった!

 『必殺・夜光一閃、参る! てりゃああああーーーーーーーっ!!』
 『むぐっ、むげぇぇっっっ!!』

 闇夜を切り裂くかのような高速の一閃が鎧甲に襲いかかる。それはまさに瞬きするほどの一瞬の出来事で、気づけばふたりは背中で向き合わせていた。しばし動かず、じっとしているふたり。わくわくした表情を浮かべるえるもと粛瑛。しかし斬鉄の刃はわずかに欠けただけで、鎧甲も身体に小さな傷を負っただけに留まった。これが今回の実験結果である。

 「どっちもきずついたの〜。」
 「中途半端だな〜、お前ら。バーンと砕け散るとか演出があるだろうが、バーンと。」
 『……すっかり忘れていたが、我らはお前を倒しにここまで来たような気がするのだが……』
 『鎧甲のバカが移ったんじゃないだろうねぇ、斬鉄ぅ?』
 『お、お、おではバカじゃねぇべ!』
 「お前らとやっても退屈なだけなんだ。ほら、他に客が来たからあいつに相手してもらえ。」

 粛瑛は空を指差す。するとその間に相当な身の丈がある長髪の男性が現れた。腰には倭刀を携え、その力はあやかしが肌で感じ取ることができるほどすさまじい強さを秘めている。鋭い目つきであやかしを一瞥するとふぅっと息をつき、しっかりした足取りでそのまま近くに立ち並ぶ木々のひとつに身体を預けた。ここまで派手に登場しておきながら、彼らと戦う気はさらさらないらしい。やれやれといった表情で腕組みをして戦いの時を待つ。

 『おいおい、結界を素通りするようなお人が高みの見物かい? いい気なもんだぜ……名を名乗れ。』
 「陸 震だ。戦いたいのならそちらの妖孤とでもやれ。俺はお前らに興味はない。」
 「りぅ・つぇんちゃん、えるもといっしょにてまりであそぶ?」
 「手鞠か……持ってこい。」

 飛電の挑発を軽く受け流した陸ではあるが、えるもに対してはわずかながらのやさしさも見せた。あまり多くを語る性格ではないようだが、そこまで冷徹ではないらしい。ずっとひとりぼっちだった手鞠をぎゅっと大事そうに抱きかかえたえるもがとたとたと陸のところへ走り出したその時、あやかしたちが粛瑛に向かって襲いかかった! そう、陸はこうなることを知ってわざとえるもの誘いを邪険にしなかったのだ。

 「しゅくえいちゃん!」
 「えるも、行くな。巻きこまれるぞ。それより俺から離れるな。」
 『粛瑛……今度はその身に受けるがいい! 必殺!』
 「今日は客が多いなぁ〜。」

 その場から一歩も動かずに飄々と語る粛瑛を見ていると、あやかしたちの怒りは頂点に達する。特に夜光一閃を狙おうとしていた斬鉄は過去の憎しみとともにその身を光に変えようとしていた。ところが、身体の後ろにある刃が引っ張られてしまう! これでは必殺技に移行することができない!

 『くぅ……奥義を妨げる命知らずは何者か!』
 「くすくすクス。みーちゃん、いまからわるものこわすの。」

 斬鉄を止めたのは撫子ではなく、なんと瑞希だった! その小さな身体からはとても想像できないような力を発揮し、左手で斬鉄の動きを封じている。そして右手に持った鉈を高く振り上げ、刃を切り落とさんと振り下ろす!

  がぎぃいぃん!!
 『こっ、この娘の持つ鉈の刃が欠けもしないとは……?!』
 「うふふ、もっとする?」
  がいーーーん、がいーーーーーん!!

 容赦も遠慮もない攻撃にただ驚くだけの斬鉄。今のところは何のダメージもないが、精神的な打撃は相当なものだ。それは琥珀も飛電、そして陸や粛瑛も共有した。驚かないのはえるもくらいである。あまりの衝撃に場が凍りついたところにようやく撫子が現れた。御神刀を持っていることを考慮に入れ、斬鉄と対決しようという目論見はみーちゃんの無邪気な姿にあっけなく打ち砕かれる。

 「瑞希様、大丈……えっ?」
 「わるものこわすのたのしいよ。だいすきだよ。だからみーちゃんはせいぎのみかたなんだよ、わかる?」
 『くうっ、この左手の束縛さえなければ、このような幼き娘に遅れはとらぬ!』

 完全に動きを止められている斬鉄は左足を軸にして瑞希に攻撃を仕掛けるより他にない。しかし斬鉄は身体中に刃を持っている。自分の腕で攻撃しようとすると背面の刃に阻まれて攻撃が届かない。右足で蹴り飛ばしてもいいのだが、相手の身長が小さいので当たるかどうかわからない。しかもチャンスはたったの一回……しくじれば前のめりに倒れてしまい、体勢はますます悪くなる。斬鉄は数歩の距離まで近づかれるとその身が災いして極端に弱くなってしまうのだ。本能がそうさせたのかそれともただの思いつきなのか……みーちゃんは鉈を何度も何度も振り下ろす。

 「あの娘、何やらうちに秘めた物があるらしいが……とにかく有利に戦ってるこの状況が何よりも恐ろしい。」
 「みーちゃん、つよいの?」
 「戦いなれているのは確からしいな。しかしあのような娘にしてやられるとは、個々のあやかしなど大したことはないな。」
 『それは戦ってからお言い! この琥珀が四身のあやかしの力を見せてくれるわ!』
 「ならば、わたくしがお相手いたしますわ。天薙 撫子、参ります!」
 『おやまぁ、これまたご丁寧に。最近じゃこういうのがなくなったって壷の中で聞いてたけど、そうでもないみたいねぇ。』
 「戦いは礼に始まり礼に終わるものですわ。」

 琥珀は撫子の礼儀よさにいたく感動していた。そしてしばらく雑談をしていたが、血気にはやる飛電が「さっさと戦え!」と呼ばわったのを合図に戦闘が始まる。琥珀は白く淀んだ妖気を周囲に充満させ、自らの力を増幅させる大気の結界を作り出すと氷柱を生み出して撫子の心臓を狙う!

 『氷鱗の結界より生み出されし冷たい牙よ! あの娘を貫け!』
 「あれは雲そのもの……とぉわぁっ! はっ、てりゃあっ!!」

 撫子は剣舞を舞うがごとく神斬を振るい、氷柱を砕く。もちろん傍観している陸やえるも、粛瑛に向けて飛ばすようなことはしない。琥珀は攻撃の手を休めない。続けざまに結界から稲妻が轟き、電撃が空間を伝播してきた! 撫子も負けてはいない。抜群の動体視力で電撃の来る場所を即座に判断し、神斬の剣身でそれを跳ね返す。まさに一進一退の攻防だった。


 瑞希の刃折りは根気よく続き、撫子も琥珀と五分の戦いを繰り広げている。陸はそんな人間の奮闘を見ているとどんどんやる気がなくなっていく。人間ごときにこれだけ苦戦するあやかしに興味はない。そんなことを思っていると、なんと無防備なえるもめがけて矢が打ちこまれた! もちろん彼に命中する前に、陸が鋭い蹴りでそれを弾き返した。そして厳しい視線でひとりのあやかしを睨みつける。

 「幼子を手にかけるのはやめろ。みっともない。」
 『その態度が気にくわねぇんだよ、てめぇ! 本気になるまでそのガキが蜂の巣になるまで俺の矢をぶちこんでやるからな!』
 「ふっ……お前、横を見てみろ。いい相手がいるぞ?」
 『ああん? 俺は雑魚とやってる暇なんかねぇんだよ! てめぇを怒らせるのならそんなガキなんか……ぶごあっ!』

 飛電の高笑いに混じってすさまじい打撃音が響いた。その音をはっきりと聞いたのは飛電本人である。そして自分が地面に尻もちをついていることを知った時、陸が忠告通り、自分の目の前に敵がいることに気づいた。そう、それは気絶から復活した修羅だった。あやかしである彼から見れば、修羅は年端も行かぬ脆弱な人間である。しかし今の姿は『荒ぶる神』と呼ばれる須佐之男尊が降臨しており、すさまじい威圧感がその身に宿っていた!

 「てめえら、よくも俺を利用してくれたな。この貸しは高くつくぜ?」
 『み、未熟な降霊師ではなかったようだな……とんだ計算違いだぜ!』

 妖気を満たした矢を打ち出すのを得意とする飛電は斬鉄と同様の弱点を持っていた。つまり接近戦に極端に弱いということである。飛電はとにかく距離を置こうと後ろに下がるが、修羅が前に突き出した七支刀がそれを許さない。剣先で何度もその身をつつき、敵の恐怖を増幅させていく。よく吠えていた飛電もここに来てすいぶんとおとなしくなってしまった。

 「さっきの威勢のよさはどこに行った? 攻撃できないのならお前が負けるだけだ。」
 『くっ、クソガキが……間合いもまともに取らせねぇくせに言うんじゃねぇ!』

 もはやこの戦いも先が見えた。後は鎧甲だけだが、彼の相手はなんとえるもがしていた。しかし別に彼らは戦っている訳ではない。ただ普通に話しているだけなのだ。鎧甲の場合、あまりおつむがよろしくないのが弱点である。そんな彼が子どもの疑問に対して真剣に取り組もうとしているのだから、なんとも涙ぐましい。

 「がいこうちゃんはとじこめられて、たいくつだっただけなの。」
 『そーだなぁ。おでは本当に暇だった!』
 「おはなしすればわかるいいこなの。だからがいこうちゃん、いまはあばれてないの。」
 『はっ! お、おでも戦わないと……でもえるもとはちょっとダメだな。』
 「えるもはやわからいからかんたんにつぶれちゃうの。かんたんなのしてもつまらないの。」
 『そーだそーだ。おでもそう思う!』

 あまりに程度の低いやり取りを見て、陸は額に手を置きながら頭を振った。もう見ちゃいられない。ここまで来ると先の見える戦いに顔を出した自分に腹が立ってくる。

 「……幼子に懐柔されるか、普通?」
 「まーまー、あれが合体するとそれぞれの特徴は見る影もなくなるんだから。しばらく見ておけよ。」
 「粛瑛とか言ったな。貴様、なぜ自分の封じたあやかしを自分で退治せず人に任せる?」
 「そんなことは連中に聞いてくれ。自分で始末をつけようと思ったらみんなでよってたかって人の家でやらかしてるんだ。こっちは迷惑してるんだってことを知ってほしいな。」
 「ふふ……俺はお前とならやってもいいぞ。」

 一瞬、ふたりの間で不穏な空気が流れる……陸の挑発はいかなる形の結果を残すのだろうか?


  バキーーーン!
 『グギャアアァァァァーーーッ! お、折れた……我が自慢の刃が折れた!』

 ついに瑞希の鉈とその力が斬鉄の刃に勝った。一本叩き折ると同時に、全身の刃に宿る研ぎ澄まされた妖気が薄れていくのが誰の目にもわかる。その後の折られっぷりと言ったらなかった。もはやその状況は無残というか残酷というか……瑞希は恍惚とした表情でどんどん刃を割っていく。しかもえるもにけしかけられて鎧甲と勝負したのがここにきて災いした。すでにヒビの入った箇所の刃はいとも簡単に折れてしまうのだ。斬鉄の敗北は火を見るよりも明らかである。飛電はえるもに放った一撃を最後に、一度として修羅に攻撃することを許されないままでいた。それだけならまだしも、修羅は相手の性格にじわじわと効くネチネチした攻撃を繰り返している。もう七支刀を振り下ろすだけで敵を消し去ることができるだろう。

 妖術を駆使する琥珀はさまざまな攻撃で撫子を苦戦させていたが、二度目の氷柱を出したのが運の尽きだった。すさまじい稲妻に針のような水を避けるので防戦一方だった彼女は氷柱が飛んできたのを確認すると、今度はそれを弾き返す前から舞うような仕草をしてから神斬を構える。そして氷柱を砕かず、今度は跳ね返すように剣を振るった。しかし琥珀の結界は水を発生させることもできる……作戦は失敗したかのように思われた。ところが氷柱は溶けることなく琥珀めがけて飛んでいく! そして撫子が空いた手を引っ張ると氷柱は敵の回りを舞い、そのまま何かでその身を束縛してしまった!

 『なっ、なぜ私の身体が動かないの?!』
 「申し訳ありません。あの氷柱にわたくしの妖斬鋼糸を巻きつかせておきましたの。今までの攻撃の中で気づかれずに仕掛けることができるのはこの一瞬しかないと思っておりました。多彩な攻撃をされるので二度目の攻撃があるか心配しておりましたが、なんとか計画通りになって安心しましたわ。」

 安堵の笑みを浮かべる撫子は徐々に三対の翼を持つ天女の姿へとその身を変えていく! それを察してか、瑞希も修羅も最後のとどめを刺そうとそれぞれの武器を振りかざす……しかし、窮地に立たされた斬鉄が叫んだ。

 『かくなる上は……! 琥珀、飛電、鎧甲! 合体だ!!』
 「そうは行くかよ! 何度もコケにさせねぇぜ!」

 合体を阻止すべく斬鉄に反論したのは修羅だった。その瞬間、あやかしたちは『合体できないかもしれない』という不安がよぎる。

 「さっきは4人が一気に入ってきたもんだから気絶したんだ。ふたりなら同時に降霊することは可能なんだぜ、なぁあやかしの皆さんよぉ?」
 『し、しまった! 俺たちはあの降霊師に免疫を与えたようなもんだ! 誰かが降霊して操られることは明白だ!』
 『そ、そういえば……鎧甲っ! 鎧甲はどこに行ったの?!』
 「ここだよ、おふたりさん。須佐之男尊の覇気に負けないようにがんばってるぜ。」

 飛電と琥珀の叫びは胞衣神社の境内の中で空しく響いた。すでに鎧甲は修羅に降霊され、須佐之男尊のすさまじい力に抵抗している最中なのだ。つまりもう羅刹に合体することはできない……斬鉄は目を見開いたままその場に立ち尽くした。絶望という名の、もはや這い上がることのできない場所まで心が落ち込んだその瞬間、刃こぼれひとつしていないあの鉈が自分の身体に大きな傷を刻んだ。痛みさえも感じることができず、ただ小さくうめく斬鉄。耳には少女の微笑みが聞こえた。クスクス、クスクスと。

 『があああぁぁぁぁ……うぬうぅぅ……うごああぁぁぁぁぁ……』

 斬鉄は言葉を発しないまま消え去った。続いて最強の力を発揮した撫子が神斬で琥珀を一閃し、こちらも断末魔の悲鳴を最後に消滅させる。そして腹に気合いを入れた修羅が自らの中に取り込んだ鎧甲を須佐之男尊の力で消滅させ、同じく七支刀の一撃で飛電を倒した。結局、合体する暇を与えずに戦いを終わらせてしまった。まさにアカデミーの注文通りに事は運んだのだった。


 すべてが終わってから事態の経過を翠明と風宮から聞かされた粛瑛はとりあえずふたりに灸を据えた。その隣にはしっかり撫子もいる。壷のものを消滅させるのはいいが、すべての準備を整えてから来るべきだったと風宮に説教する撫子。そして粛瑛はシンプルに「コケるな、慌てるな!」と翠明の頭をポカンと叩いた。風宮は足の悪い翠明の手助けをしながらここまでやってきたので、ここで起こったことはまったく知らない。まさか粛瑛がえるもと一緒になって子どもみたいなことをやっていたとは夢にも思わないだろう。とにかくふたりは謝罪するので精一杯だった。
 修羅は胞衣神社をぐるり見渡しながら感慨にふけり、瑞希は翠明が渡し損ねたあめ玉の袋をもらってそれをひとつ頬張って嬉しそうな表情をしていた。えるもは話の途中になっていた手鞠遊びを陸に披露している。手鞠のようにふわりと飛んだり、手でうまく地面についたりして笑顔を振り撒く。陸はそれを黙って見ていたが、その表情は非常に穏やかだった。ところが説教を終えた粛瑛が肩を叩きながら神社に引っ込もうとすると、空高く飛び上がって腰に下げていた刀・炎皇を抜いて攻撃を仕掛けた! まさにとっさの出来事である!

 「とぉりゃああぁぁぁぁっ!!」
 「ふっ!」

 炎を宿した刀を粛瑛は妖力が十分に通った扇で止めた。誰もが起こり得ないと思っていたことが目の前で繰り広げられ、場の緊張は一気に高まる。粛瑛はそのままの体勢で陸に真意を問い質した。

 「なんだ今さら。お前の戦いは今からか?」
 「ふん……今日のところはこの一太刀で済ませよう。この戦いを止めようとする人間が多過ぎるし……」

 陸が周囲に目をやると、撫子も修羅もすでに戦闘体勢を整えていた。しかし彼らの素早い動作よりも陸の心に効いたのはえるもの驚いた表情だった。彼は再び元の場所まで飛ぶと、えるもが戯れている姿を黙ってまた見始めた。

 「何よりも幼子がいる。」
 「ややこしいんだな、お前は。」
 「いやぁ、粛瑛さんもあの方と同じですよ。」
 「バカ言うな。そんな訳あるか。」
 「そんなもんですよぉ〜?」

 翠明の言葉で場は再び和んだ。あやかしが現れた時とは打って変わって穏やかな時間が胞衣神社の中を包み込んだ。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号/ PC名 /性別/ 年齢 / 職業】

0328/天薙・撫子   /女性/ 18歳/大学生(巫女):天位覚醒者
2592/不動・修羅   /男性/ 17歳/神聖都学園高等部2年生 降霊師
5219/月帝・瑞希   /女性/ 75歳/せいぎのみかた
5085/陸・震     /男性/899歳/天仙
4379/彼瀬・えるも  /男性/  1歳/飼い双尾の子狐


(※登場人物の各種紹介は、受注の順番に掲載させて頂いております。)

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■         ライター通信          ■
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皆さんこんばんわ、市川 智彦です。納品までにお時間を頂き、本当に申し訳ありません。
さて今回はイラストレーターの緋烏さんとのコラボ作品です〜。緊張しました〜(笑)。
うちの風宮紫苑がお邪魔してますが、ほとんど『CHANGE MYSELF!』は関係ないですね。
緋烏さんワールドを市川の要素とテイストで書いたというのが正しい表現でしょうか?

陸さんは初めまして! 今回は雑魚ばっかりで本当に申し訳ありませんでした!
書いていくうちに雑魚がどんどん雑魚になっていくので、それも素直に書きました(笑)。
でも唯一満足させられる存在であろう粛瑛さんとの戦いを演出しました。どうでしょう?

今回は本当にありがとうございました。アカデミー総出演ができて楽しかったです!
また別のコラボ作品や通常依頼、特撮ヒーロー系やご近所異界などでお会いしましょう!