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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


ダンスゲームでGOGO−GO

 とあるアーケードに幽霊のダンスチームがダンスゲームで対戦を申し込むという話がサイトゴーストネットOFFに書き込まれていた。
「おもしろそうだなぁ。元気な幽霊さんだ」
 SHIZUKUは神聖都で其れを纏めている最中。
 単に楽しむだけで魂を盗るとかそんな厄介なものではないらしいが、賭けとしてプレイ料金を奢るモノらしい。
 それで破産したヤツもいるとかいないとか。幽霊だからお金を持っていないのかどうかわからないが……。
 
 その幽霊達はチームを組んでおり、ユニークな性格らしい。
 過去、何処かでダンスゲームの伝説を打ち出したチャンピオンダンサー・イシイ(イッシー)
 踊りを武術として取り入れていたという美人女性・神取(カトリーヌ)
 謎の踊り名人老人幽霊・幻
  

「実際行って確認とってみるのが良いかなぁ?」
 とりあえず、SHIZUKUはゲームに興味のある人や知り合いにメール。

 成仏するのかしないのか知らないが、楽しんでいつの間にか消えてくれたら其れで良い感じだ。
 今のところ無敗らしいし……。
 力尽くにて成仏させるのは可哀想だし。
 |Д゚) うむ
 コレも何故か彼女の頭の上に乗っていて、ネットの掲示板で書き込んでいるのであまり堅苦しくない方がいいだろう。


 ■ダンスゲームルール
 3d6(6面ダイス3つ)を使用して判定していきます。
 まず対戦相手と、初級、中級、上級を決めて下さい。
 あと、何か楽しい演出を書いて下さればOKです。
 
 1回目にどのタイミングで踏むかの目を出し、2回目を振って巧く踏めたか(同じ目を出せたか)算出。
 目がぴったりだとグレート成功 ±1差だとグッド成功 其れより差が大きいと失敗です。
 グレート成功数から失敗数の差を合計とし、幽霊と競います。
 対戦一回に付き、5回行います。
 初級だと2回目判定時に6d6 振れます(それだけ同じ目が出やすい)
 中級だと5d6、上級だと4d6、Professionalは3d6です。
 
 また設定などにより、WR判断で隠し修正(ダイスの目の弄り具合か隠し追加ダイス)が入ります。
 ○数字は機種異存なので、振る個数d6としております。 




1.初心者の集まり
 SHIZUKUは少しこまっていた。
「上手い人はいないのかぁ?」
|Д゚) うにゅ
|Д゚>ヾ(゚Д| うにゅーん
「暇そうだね? かわうそ?ちゃん」
|Д゚) そう?
 鈴代ゆゆ、鹿沼デルフェス、櫻紫桜がやってきた。
 全員ダンスゲームをやったことが無いという。
「わたくしはダンスが得意ですの♪」
 と、鹿沼デルフェスがニコニコ言っている。
「でも其れって、舞踏会のダンスじゃない? このゲーム違うんだから……」
 溜息をつくSHIZUKU。
「違うのでしょうか?」
「こういう音楽に合わせて踊るんだから。スポーツみたいなものだよ」
 と、ポータブルフラッシュメモリからHIP-HOPの音楽を聞かせる。
「あ、あたしはこれ知ってる!」
 と、ゆゆは手を挙げた。
 しかし、ゆゆの姿は何処かおかしい。
 ダンスゲームの服装にと思い、髪の毛はしっかりヘアピンで留めている。70年代ヒッピーと今のルーズファッションのごちゃ混ぜだ。
 そして、紫桜はというと……、
|Д゚) ……
「……」
 と、小麦色をみては固まっている。


「まずは、現地に行く前に練習かな〜」
 と、SHIZUKUが言った。
「其れは良い事ですわ♪」

|Д゚)ノ ほれこっち

 かわうそ?が近くのゲーセンまで案内してくれた。
「まずはどんなものかを教えるね」
 と、SHIZUKUとかわうそ?がコインを入れる
 Professionalでスタートのようだ。
 見事なステップで、指定されたダンスシートを踏んでいくSHIZUKU。
 舞踏とはほど遠いリズムである。
「そうかー」
 かわうそ?は器用に後ろ足でステップを踏むのも可愛いものだ。
「こんなかんじだよ」
 と、数曲踊って汗だくになるSHIZUKUに小麦色。

 【結果】
  SHIZUKU 9
  かわうそ?   10

|Д゚;) いい汗掻いた〜


 次に、全員どんなものかを体験するために少しだけ練習をする。
「さて、休憩終わったらいきましょう♪」
「「はーい」」
 



2.メイドっぽい死神
 さて、その幽霊が出るゲームセンターに着いた一行。
|Д゚) あ、いる
「え? どこどこ?」
「何処におられるのでしょうか?」
 と、ゆゆとデルフェスが辺りを見渡す。
|Д゚) いんや、メイドの死神
 確かに、フワフワと鎖で身体を縛っている女の死神が居る。
「?」
 向こうも気がついたようだ。
「あ」
「あ」
 皆の声が重なった。
「どうしたんですか?」
 紫桜が尋ねる。
「此処に力がある霊が……いますので……」
 と、答える死神。
|Д゚) ところで
「はい?」
 死神が小麦色をみて首を傾げる
|Д゚) ちみ、陵辱プレイ趣味?
「……違います」
 苦笑するしかない、死神。
 この直後、SHIZUKUとデルフェス他数名に叩かれる小麦色。
|ДT) 痛い
 死神はメルディナという。元・死神だそうだ。
 気を取り直し、ダンスゲーム筐体に向かうと、確かにフワフワ3人幽霊が居る。
『あ、挑戦者かな?』
『近頃からだが鈍っておってのう』
『あら、可愛い人達♪』
 と、それぞれ声を出す。
 このゲームセンターの店員は肝が据わっているのか、この3人の幽霊を気にもしていない、いや、壁には心霊写真のツーショットなどもあるのだから驚きだ。
「あたし達、楽しくダンスをしようかなと思ってきたんだけど」
『其れは歓迎だよ。霊界は暇なんだよね……』
 と、交渉OKでダンスゲームが始まった。



3A.ゆゆ 対 神取(カトリーヌ)
「あたし初めてだけど、だいじょうぶかな?」
『勝負とか関係なければ楽しいよ♪』
 と、カトリーヌとゆゆが話をしている。

『若い者はいいのう』
 幻は何かお茶をすすっている。
 紫桜も其れに倣って、ゲーセンのお茶を飲んでいる。
「いえいえ、平和は良いことです」

 2人は難易度・初級、ポップス感覚の曲を選び、
「んじゃ、スタート!」
 と、同時にステップを踏む。
 武術特有の息づかいに、同足歩行で培った軽やかなステップの神取に対して、ゆゆは、
「あ、あわわ!」
 と、指定足ボタンに惑わされてあたふたしている。バッドの音が連続して起こる。
『落ち着いて』
「落ち着きましょう、ゆゆさま!」
 と、応援の声も挙がる。

 【結果】
  鈴代ゆゆ 6
  神取   14

「わー、すごーい」
 ゆゆはビックリした。
『初めてにしては上手かったね』
 と、神取は褒めてくれた。


3B.デルフェス 対 神取
『おなごと一局やってみたいものよのう』
 と、出てきたのはジジィの幻。
 デルフェスは神取をずっと見ていたのだが、台に立ったのは爺さんだった。
「あ、いえ、その……わたくしは、カトリーヌさんとダンスをしたいのですが」
『残念じゃ』
 と、トボトボ定位置に戻る老人幽霊。
『ご指命とあれば♪』
 と、軽やかにワイヤーアクションばりの跳躍を見せて、ゲーム台に立つ神取。
「すこし、レクチャーして頂けると助かります」
『いいわよ♪』
 と、数曲だけ練習をする事に。
 その間に、ゆゆはかわうそ?とクレーンゲームで遊んでいたり、紫桜と幻はまったりお茶を飲みながら、近くの将棋ゲームをしたり、個々の時間を潰していた。

『さて、始めますか』
「そろそろ?」
 時間を潰していた連中も戻ってきて、ゲーム開始のようだ。
「はいですわ」

 と、コインを入れてダンスが始まった。
 神取は相変わらず見事なステップを踏み、其れに合わせて華麗な手の舞を披露している。
 幽霊であるが故に出来る芸当だ(非実体ゆえに邪魔にならないのだ)。
 デルフェスは、何度か練習をしたためか同じ曲でなら、大体分かってきたし、元からダンスが好きなので楽しく踊っている。

 【結果】
  デルフェス 9
  神取    15

「まけましたわ。でも楽しかったですわ〜」
『楽しいことは良い事よ』


3C. 紫桜 対 神取
『神取の人気だな』
『羨ましいのう』
 幽霊2名が言う。
『人気があるのは良いことなの♪』
「武術をたしなんでいると聞いてますが」
 と、紫桜が尋ねる。
『見て分かるとおり、呼吸法と足さばきだけよ?』
「では、演舞は?」
『舞はオーバーアクションだから流石にProfessionalで舞や演舞は出来ないわ。それに、初心者のものでも演舞するほど余裕はないわよ? 実際難しいわ』
「なるほど……演舞は無理ですか」
 少し残念そうな紫桜。

|Д゚) 幽霊、呼吸、なにも減ったくれ……
 小麦色の言葉にSHIZUKUが肘鉄を食らわした。
|ДT) 痛い

 そして、初心者でスタート。
 お互い、接戦のようだ。
 軽やかに無駄のないステップを踏み、お互い同時ともいえる。
 ギャラリーも出来るほどだ。

 【結果】
  紫桜 12
  神取 12

「引き分けですね」
『ええ、楽しかったわ』



3D. メルディナ 対 イシイ
 メルディナはイシイに向かって声を掛ける。
「なにか、心残りでもあるのでしょうか?」
 イシイは警戒心を露わにしているが、メルディナが穏やかに言う。
「故があり、わたしは死神としての役目を持っておりません」
『そうか……』
 少しだけ緊張を解いた。
『他の2人走らないけどさ、俺はずっとダンスを踊りたいんだよね……』
「しかし、あなたはもう……」
『分かっているって。でも、幽界とか天界とかさ、ダンスゲームがないんだ。退屈で仕方ないんだよ』
「……そうなのですか……」

 と、何に未練があるのかを問おうとしても、彼らは口を噤む。
 理由は分からない。
 どんな過去があったのか分からない、ならば
「踊りましょうか」
『踊るのならOK』

 と、2人はProfessionalで挑む。
 メルディナは2秒先の踏み足を先読みするが、読み込む相手が機械であるため少しぼやけているし、非実体である彼女にすれば、足のステップが速い事を除けば、オーバーアクションにて足に合わせて舞を踊る様にすることは可能だが、流石に其れは無理だった。
 ゲーム筐体は狭い。元々、大きく舞をする様に出来ていない。
 そう、非実体同士でも、同じエーテルに身を置いている為、邪魔になるのだ。相手に当たる。
 このゲームは超越者でも幽霊でも一緒の土俵になるのだ。

 【結果】
  メルディナ 9
  イシイ   11

 接戦だったが……。

『上手いね』
「……ありがとうございます」


4.それから
 取り敢えず惨敗と言うこともなかったが。負けで、SHIZUKUが幽霊分のお金を払う。
「うーん、まけたー」
『次期待しているわね』
 神取がにっこり笑う。
「幻さまがいじけておられますわ」
『ワシは暇じゃったのう』
 幻は、隅の方で“の”の字を書いている。

 それからは、ゲーセンで一緒に写真を撮ったり、デルフェスは神取をスカウトしようと交渉したり、ゆゆは必死にクレーンゲームで遊んでいたり、老人じみた紫桜はゆっくり茶をすすっていたりと様々楽しんでいる。
 いつの間にかメルディナは居なくなっていた。

『今度は上手くなってきてネー』
 と、幽霊と別れ、一行は帰っていった。

「楽しかったね〜」
「ね〜」
「楽しかったですわ」
「平和が一番だ。」
|Д゚) むそり
|Д゚) メイド死神どこ?
「「いつの間にか居なくなった……」」

|Д゚) 謎。メイド死神
「「いや、あんたよりマシ」」
|Д゚) がーん!

 今日も平和な日であった。


End


■登場人物
【0428 鈴代・ゆゆ 10 女 鈴蘭の精】
【2181 鹿沼・デルフェス 463 女 アンティークショップの店員】
【3020 死神・メルディナ 999 女 禁忌を犯しし死神】
【5453 櫻・紫桜 15 男 高校生】

■ライターの変わりに|Д゚) 通信
|Д゚)ノ いよー
|Д゚) かわうそ? の かわうそ? なのだ!
|Д゚) ダンスゲームでGOGO-GOさんか有り難し
|Д゚) 櫻紫桜、死神メルディナ初参加ありがとん

|Д゚) ゲーム筐体の関係上、ゆったりした舞はむりっひ。残念
|Д゚) 盆踊りダンスゲーだと、可能だったかもかも……
|Д゚) そんとき、浴衣で。

|Д゚)人(゚Д| またー