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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


四辻ノ歌
●2−2資料――噂
――歌が聞こえるという。
 誰もいない場所。人通りの消えた道から。
 誰かを想う歌が。忘れた何かを思い出そうという声が。
――歌を聴いた人は言う。
 行った場所には誰もいなかった。誰かがいた様子もなかった。
 初めて聞いた曲だけれど、どこかで聞いたことがあるような気もする。
 下手にも聞こえるし、上手い歌にも聞こえる。
――ある人は言う。
 この声は、どこかで聞いたことがあるような気がする、と。
――ある人は言う。
 まるで、どこからか響いてきたやまびこのような声だと。
――ある人は言う。
 歌が聞こえるところに住んでいた人が、別の人の様になっていた、と。
――ある人は言う。
 まるで、海の精霊が歌う歌声のようだと。

●草間興信所――落チ着キノ無イ男子中学生
「なんで請け負ってくれないんだ! あんたは怪奇探偵なんだろ!?」
「俺は怪奇探偵なんかじゃない。何度言ったら分かる? そんな事はネットの掲示板で相談でもしてろ。確か近くにあるネットカフェが――」
「そこで紹介を受けたんだけど」
「……近くの雑誌会社に怪奇関連の事に飢えている記者達がいてだな――」
「そこでネットカフェの事聞いたんだよ」
「じゃあ、学園だ。そこの生徒会長が確か……」
「学園でアンティークショップの事を聞いて、アンティークショップで雑誌会社の事を聞いた」
「………なんで誰も請け負わないんだ……」
 草間は敬語という物を知らない中学生を前に、天井を仰いだ。

 自分の彼女が突然本を読みふける様になった。今までは本の事を「匂いが嫌」などと公言していた女の子だ。これは何か良くない物がついたに違いない。
 今日、草間の前に訪れた男子中学生の言葉をまとめるとこうなる。
「突然趣味に目覚めただけだと思うんだが……」
「でも、今まで馬鹿にしていたんだぞ!? 僕が面白いと思って薦めた本を、2・3ページめくっただけでもう手放してたんだ! なのに今は、僕も知らない本を読みふけり始めて……」
「彼女と共通の話題を持てるようになったんだから良いじゃないか」
「僕のこともかえりみずに本ばっかり読んでるんだ! この間本を読んでいるときに話しかけたら思いっきり怒られたぐらいに本に夢中みたいなんだよ!」
 それはお前が変な事を言ったからじゃないのか? 思わず浮かんだ言葉をぐっとこらえながら、草間は大人の対応として、ひとつの言葉を目の前の男の子に捧げる。
「とりあえずな。精神科に行って鎮静剤貰って来い」

●草間興信所――蒼井明良
「まっとうな依頼は来ないのか……」
 男の子を何とか落ち着かせて家へと帰すと、草間はぼやきながら煙草に火をつけた。
 口から吐き出される煙が、天井に昇っていく。
 実際、まともな依頼が来ていないわけでもない。ただ、怪奇関係で依頼に来る人物が依頼人の半分以上を占めており、まともな依頼と思って調査に出たら超常関係であった事が八割を占める。それだけの事である。
「なんでまた俺の所にばかり来るんだか……」
「それはですね、草間・武彦。怪奇探偵として有名だからです」
「おーい、零。塩持ってきてくれ、塩。疫病神だ」
 ドアの開く音と共に入ってきた女性の顔を見るや否や、草間は奥にいる草間・零へと力なく声をかける。
「疫病神とはなんですか、草間武彦。仕事を持ってきたというのに」
「その仕事に怪奇は関係するか?」
「はじめからそれと分かる物は、そうそう民間には委託出来ませんよ」
 私達を何者だと思っているのか。IO2捜査官の一人、蒼井・明良は笑いを含んだ声で草間に反論する。
「少し手が足りないので、ある事に関して調査を行っていただきたいのですよ、草間武彦。予想しているとおり、怪異の関係を完全に否定できる依頼ではありません。よって、もし怪異が関係していた場合、そしてその解決を行っていただいた場合は、別途に報酬を用意しましょう」
「あー……」
「仕方ありませんね。では、こうしましょう。こちらの依頼に関する事を説明する書類を置いていきますので、依頼を請け負うか否かは、これを確認してから、という事で。連絡先もこちらに書き添えてありますので、請け負うときはご連絡ください……そうそう、草間武彦。請け負わない場合は他の方に仕事を紹介してくださっても結構ですよ?」
「……そっちが狙いじゃないだろうな……」
 思わず草間が漏らした言葉には、読心の術が無くてもそれと分かるほどの肯定の笑みが浮かんでいた。

●夜ノ唄
 声が聞こえている。
――月が綺麗だった
 周りには、自分以外には誰もいない。
――旅人は少し離れたところから来たといっていた
 空には月。街灯の無い道で一番頼りになる明かり。
――変な本を一冊だけ持ったその人はやけに暗い
 ふしをつけて語られる声はまるで歌のように思える。
――来た次の日にその人は本をひょいと開いて
 ふと、先の交差点にまで目を向けた。
――お墓の前に立って歌った
 そこには、月を見上げるようにして、一人の女の子が立っている。
 何をしてるのか、声をかけようとすると、女の子はこちらに眼を向けた
――みんな、変わっちゃえ
 目の前から、何もかもが消えた。

●書類
・依頼目的
 女性(水淵・空 14歳)の近況及び「噂」との関連性の調査
・依頼内容
 IO2が保護した少女の検査が終わった為、先日より社会復帰をさせている。この少女の近況を調査していただきたい。少女の預けられた施設は別途書類に記載する。(資料2−1参照)
 同地域で流されている噂(発生時期・流布者不明)の調査。現時点での噂の内容は2−2資料を参照。
・依頼注意事項
 少女はIO2ならびに、事件での記憶を失わせている。これが復帰した場合、しかるべき処置をとる事となる為、思い出させる事の無いように。
 噂が事実であった場合。速やかに撤退をするように。






●虎穴――電話回線 
 通話音
――はい、こちら
 相手が出た瞬間、ジュジュ・ミュージーは電話回線を通して自分のデーモンを送り込む。
「モシモシ、チョット、よろしいデスカァ?」
 回線を通ったデーモンが電話口のあちら側にいる相手に入り込む様子を感じながら、ジュジュは相手を操る時間を稼ぐ為に適当な話題を振る。
「キキタイ事、アリマシテ……」
 デーモンが相手に入り込み、意識を掌握する。
 眼を閉じると、視界はどこかの会社のオフィスのような場所へと変わる。軽く指を動かして意識を完全に掌握した事を確認すると、ジュジュは次にもぐりこむ相手を探そうと体を立ち上げさせ――目の前に立った女性に、動きを止められた。
「持ち場を離れて、どこに行こうというの?」
「ア――」
 ちょっとトイレに――ジュジュがそう言わせる前に、女性は意味ありげな笑みを浮かべながら、口を開く。
「どこにも行く必要はありませんよ。知りたい事はここにあるのですから」
「――何のことですか?」
 眉をひそめ、訝しげにたずね返す。何者なのかと『入っている人』の記憶を検索しながら操る。
 セミロングの長さの髪。整った顔立ちをした女性。何もかもを見通すような眼。黒いサングラスが胸ポケットにささった、黒いジャケットに、黒のパンツ。黒でない服装は、ジャケットの下のワイシャツだけ。
 動きが止まる。息を飲む。目の前の女性が誰かを『記憶』が告げる。
「私の事を思い出しましたか?」
「蒼井・明良IO2捜査官……」
 依頼の事を聞いた時、男性であると思っていた相手。ただの役所にいるはずの無い相手。今まさに探し出そうと思っていた相手が、目の前に立っている。
「えぇ、先ほど自己紹介したのに忘れられてしまうとは心外ですね。もっとも、今の貴女は私の事を知らなかったのだから、仕方が無いのかもしれませんが」
 気取られぬように注意をした筈――そんな思いが頭をよぎる。
 依頼を受けた、という連絡は行っていない。第一、どこからか自分がこの依頼を受けた事を知っていたとしても、自分の能力の事を知らない限り、ここに現れるわけが無い。そこまで調べがついていたとしても、自分がどこにいるか知らない限り今この場所に自分がデーモンを憑依させている事など知りようが無いはず。
――もしやただの鎌かけか――
「ただのプロファイリングと組織の暴力ですよ。些細な事です……能力持ちの暗殺者の動向は常に押さえる必要もありますしね。IO2は。何か、疑問はありますか? ジュジュ・ミュージー」
 誰が書類に触れたかは書類を監視していれば良い。能力については、一度でも仕事をしていれば、ある程度の人には知れてしまう。居場所は元よりIO2が押さえている。どこに電話をするかは、手にする事が出来る電話番号を限定してしまえば特定できる。
 淡々と語る蒼井を前に、ジュジュは一瞬迷ったあと、この場を抜けようとデーモンを引かせかけ、
「あぁ、ですから。質問があるのではないですか? ジュジュ・ミュージー。ここに来たのも、私から情報を引き出すための一段階なのでしょう? 問われたら答えますよ、何も無理やりに情報を引き出そうとせずとも、ね……おそらくは問題の女の子の事かとは思いますが」
 違いますか? という蒼井の言葉に、ジュジュは黙って肩を竦めた。

●男子中学生――草間興信所 
 歌の聞こえる場所にいた人が、別人のようになっていた。
 実際にこれが関係しているかどうかは分からない。性格が変化したのは歌とは関係の無いまったく別の要因かもしれないし、歌は怪異とは無関係であり、ただ夜に歌を歌うものがいるだけかもしれない。問題を解決するためには、まずこの関係性について、確実に調べておかなくてはならない。
「だから、今は関係ないかもしれないけれど、あの男子中学生に話をして、彼女と実際に会いたいと思うのだけど」
「あの中学生の彼女に起こった変化を調べる事で、分かるかもしれない、か…ほら」
 考えた事を口にするシュライン・エマの前に、一枚の紙が突き出される。
「これは――身上書?」
「あの中学生の、な。とりあえずアレに関しては頼んだ。俺は他に影響を受けた奴がいないかを探る事にしよう」
 手分けをした方が早い、と言う草間に、エマは頷きを返す。
「それじゃあ、お互いにある程度進んだら落ち合って報告としましょ」
「了解………やれやれ、怪異と無関係に終わるといいんだが――零! 留守を頼むぞ!」
「分かりました、兄さん」
 奥から出てきた草間・零に見送られながら、二人は調査を開始する。

●本――或ル図書館 
――では、頼んだ
「分かりました。――男子中学生が来ていた、と言っていましたよね? その本の題名は分かりますか? 」
――題名? すまない、分からん。調べがつき次第伝えよう
「よろしくお願いします……」
 草間・武彦からの電話を切ると、綾和泉・汐耶は一つため息をついた。
 突然彼女の性格が変わった、と男子中学生は言っていたという。それは彼女が『噂』の被害を受けた人物であるか、もしくは
――手に取った本が、本来の人格を封印し、操られている状態と言う事――
 自分の彼女に本を薦めて何度も断られた事がある男子中学生。その彼が知らない本と言う事は、少なくとも有名ではない本であるし、もしかしたら一般社会で知られない類の本なのかもしれない。
 先日の事件が、綾和泉の頭をよぎる。
 曰く付の本を持ち、魔に取り付かれた男。男の使った呪により滅びた村。そして、男に魔がとり憑くきっかけを作った、何者か。奇妙な点をたどる事で、黒幕がいる事までは解いたが、黒幕を捕まえる事はかなわなかった。
 今回もまた『本』と『人が変わる』と言う事。なら、背後にいる人物も同じなのかもしれない。
――待っている間、怪異と直接当たることになる時の為に備えをしておこう――
 綾和泉は『噂』の内容から何が必要であるかを考え始める。

●沈思黙考ス―事務所 
 男子中学生が知らないと言っていた本は、普通に販売されている本で彼がその事を知らないのか、それとも一般に流通していない本であるのか。そして、その彼女が変化を起こしたと言うのはいつなのか。
――後は調べておくべきなのは、IO2の保護した少女についてでしょうか――
 セレスティ・カーニンガムは依頼の書類を前に、質問事項のとりまとめをしていた。
 事務所に蒼井・明良が来る前に来ていたと言う少年の彼女。もし、彼女が噂の元となった人物であれば、少年が言っていた「彼の知らない本」に何らかの原因があるのではないだろうか。知らない本が一般に流通していない為に知られていないのならば、それが今回の原因になっているのでは無いか。
 そして、IO2の保護した水瀬・空と言う存在。今回の依頼の軸となっている少女はあの事件が起こった後、どのような変化が見られているのか。IO2が自分達に依頼をしてくる前にどこまで調べがついているのか。
――行動によっては、彼女が事件に関係している可能性もありますしね――
 目の前に置かれている書類に書かれている、少女についての事柄に眼を通す。
 彼女が能力を持っていた、などの報告はまったく書かれてはいない。だが、能力などと言うものは実際に発現しなくては分からない物。その内容もそれに同じ。可能性だけで言うのならば、今の段階ではまったく知らない人間が今回の噂の源かもしれない。
「なんにせよ、もう少し調べておくべきですか――もしもし? すこし頼みたい事が――」
 セレスティは一つつぶやくと、受話器を手に取った。

●茶――草間興信所 
「――上手くなりましたわね、零さん」
「ありがとうございます」
 湯のみを置きながら榊舟・亜真知が言うと、草間・零は微笑みながら―これもはじめのころは無かった物だ―礼を見せた。
「それで、兄さんはその依頼で外に出ているんです」
「なるほど。中学生の男の子の件も考えると、忙しそうですわね」
 榊舟の視線が、草間の机に置かれた一束の書類に止まる。
「こちらがその依頼の書類ですか?」
「はい、そうです。そちらが、蒼井様が置かれていった書類となります」
 亜真知は腰を上げると、書類を手に取る。
「宜しければ、お手伝い致しましょうか? 手は多い方が良いでしょう?」
「そうして頂くと、兄さんも喜ぶかと思います」
 興信所に、紙がめくられる音が響いた。

●自動人形――草間興信所 
 鈴の音
――今日は本当にお客が多い――
 開くドアに、草間・零は振り向きながら思う。
 見た事のない少年に、零は挨拶をしようとし――ふと、気がつく。
――この人、人間じゃない――
 どのように振舞えばいいのだろうか。思わず迷いを抱く零を無視するように少年は口を開く。
「蒼井・明良の依頼を受けに来た」
「……あ、はい」
「連絡をお願いする」
「分かりました、兄さんに話しておきま――」
「では、失礼する」
 鈴の音
 さえぎるように、笑みらしきものを浮かべながら少年、PROTO―T・SIRIUSは事務所から姿を消した。

●保護サレシ少女――或ル役場
 水淵・空
 保護された少女は、よく歌をうたっていたと言う。
 誰も聞いた事の無い歌。
 誰もが聞き覚えのある歌。
 歌と言うより、御伽噺のような、詩のようなウタ。
 一回として同じときは無く。一回も違う事は無い。
 印象は真逆。印象は等質。
 先日。施設で彼女の歌を毎日の様に聞いていた局員が、遺書も残さずに自殺をしたという。
 首の折れたギター。鍵盤の外れたキーボード。穴の開いたドラム。二つになったハーモニカ。捻じ曲げられたサックス。
 演奏を趣味としていたその局員の部屋は、自らの才に絶望をしたような有様であった。
 局員が参加していたグループのメンバーには、現在、音楽活動を行っている者はいない。

 これだけの事件が起これば、水淵の歌に何か問題があると言う事は確実である。
 しかし。水淵は、事件が起こっているにも関わらず、一般社会へと復帰を果たした。そして、更なる被害を発現させている。
「汚点……そう言われても否定は出来ません…あぁ、ジュジュ・ミュージー。何故私がこんな重要事項を明かさなかったのかと考えていますね?」
 水淵空が起こしたと思われる最初の事件について一通り話すと、脈絡も無く蒼井はジュジュに確認するような言葉を口にのせた。
 眉を寄せながら頷くジュジュに、蒼井は苦い笑みを向ける。
「IO2もメンツが大事だと言う事です。自分達が手を出せないと分かった事でも、そのことをなるべく隠そうとする。まぁ、対怪異を最優先とするとは言え……役所ですからね。 血の巡りが悪くなりがちなのです」
「他ハどんナ事件があるのデスカ?」
「似たり寄ったりですね。どれも歌を聴いたものが異常をきたしたというものです。程度に差がありますが……差が出る原因は不明です。そのあたりを把握するには被害者の数が足りないので……」
「事件があッタ最初の地域ハ分かりマスカ?」
「そうですね…あくまでもこちらで確認した限りで、とはなりますが――」
 水淵が入っている施設の地名が挙げられる。
 偶然の一致と言うには出来すぎている。
 疑わない理由すら見当たらない。
――黒、デスカ――
「さて、ジュジュ・ミュージー。見込んで話があります」
 蒼井の声が冷気を帯び、ジュジュにそれまでとはまったく違う視線が投げかけられる。
「要件は一つ。IO2からの依頼です。犯人が、これ以上能力を使うのであれば、速やかに殺害していただきたい。別口の方に頼む予定でしたが……助かりましたよ、ジュジュ・ミュージー。はるかにこういうことに向いている方が居てくれて……」
 どこまでも本気の目で、言葉が語られる。
 ジュジュ自身、水淵が悪意を持って能力を行使しているのであれば、彼女を殺害する事も考えていた。だから、蒼井の言うこの依頼も、ある意味渡りに船ではある。
「分かりきっている事かと思いますが、IO2は民間人を怪異から守る組織です」
 一瞬の逡巡をするジュジュに、声がかかる。
「私はその本筋からやや外れたところに居がちな人間ですが、その思いは変わりません――はっきり言うと、安全装置のかからない銃、鞘から独りでに抜けてしまう剣、そんな物は、たとえ銃や剣に意思があったとしても壊れてしまえば良い、そう思っています。さて……ジュジュ・ミュージー。受けるつもりなら、後ほどご連絡をください」
 それでは、失礼します。そういい残して、黒服の女性は目の前の席を立った。

●安達・沙良――或ル喫茶店・壱
「これが、彼女の沙良です!」
 喜色満面の表情を隠さずに横に座る女の子を紹介する男子中学生――小宮・優。
「……………」
 そんな彼氏を一向にかえりみず、彼女――安達・沙良は手に持つ書を読みふける。
――やはり、水淵様とは別人だったのですね――
 榊舟・亜真知は横に座るシュライン・エマが言っていた事を思い返す。
 安達沙良。小宮優とは小学校時代からの同級生の間柄。陸上部に所属し、都大会において100m及び200mで幾度かの入賞した経験を持つ。学業の成績は軒並み低く、高校には陸上での推薦入学を目指していると言う。なお、小宮との恋愛関係は、同級生達も知ってはいなかった。
 彼女が変わったのは、一週間ほど前に部活動がグラウンドの都合により三時間ほど延長した日から、との事である。次の日、陸上部の顧問が、安達が部活動に出席していない事を不審に思って調べると、彼女は気が触れたように図書館で本を読みふけっていた、と言う。
――すると、水淵様は…――
「さっそくだけど」
 横に持っていたバックから一枚の写真を取り出しながら、エマが口を開く。
「この人に見覚えは無い?」
 特に、安達さん。そう続くかのように、写真は主に安達へと向けられるように差し出される。
 写真に写っているのは、水瀬・空。IO2の依頼の女の子である。
「…この女の子は……僕は見た事無いな。沙良、見た事はある?」
「―――」
 彼女の視線が本から上げられ、写真へと注がれる。
 有名ではないが、本に詳しい者ならば、知っているような題名。著者も魔術師などではなく、ただ一昔前にすこしだけはやった事のある物書きの一人。書は、そんな物書きの唯一の代表作と言われる物だった。
――特別、おかしな本ではありませんね――
 運動ばかりしていた者が読むにしては怪しい本であるが、別に『魔』の気配がする本ではない。こういった本をいつも読んでいるのなら、安達はただの性格を歪められた、被害者なのかもしれない。榊舟が安達を見ながら考えていると、写真を見ていた彼女の口が開かれた。
「『みんな、いなくなった』」
「沙良?」
 小宮が訝しげな声を上げるが、それを気にしないように彼女は音を紡ぐ。
「『みんな、変わった。生きる、また生きる、またまた生きる。頭に何が当たっても。おなかに何が当たっても。足から、手から、顔から、たくさんのものをこぼしているのに。生きて、生きて、生きて、生きて――』」
 何者かに憑かれた様に告げられる言葉。明らかに歪められ、口から紡がれる台詞。
 彼女の後ろに見えるもの。
 椅子が、はねる。
「っ……」
「沙良!?」
 思わず腰を浮かせた榊舟の前で、安達が力を失い、倒れる。
 横で同じように動きかけたエマと眼が合う。
「大丈夫?! おい、沙良、大丈夫か!?」
 小宮の叫びを聞き取ったか、喫茶店の奥からは病院へと電話をする声が響いていた。

 病院での診断結果は、精神的過労。昏睡状態、とまではいかなかったものの、数日間は眠ったままではないか、と言うことである。
 一瞬、榊舟の視界に垣間見えた姿。彼女の紡ぐ詞の裏に隠れるように居た姿。それは先の事件で幾度も祓った気配を凝縮したような相手であった。

●情報整理――或ル喫茶店・弐
「本についての話がやはり多いのですが――」
 読んでいる本には、問題は無いようです。セレスティ・カーニンガムの言葉に、綾和泉・汐耶は相槌を打った。
「そのようですね。少々、病んでいるような本が並んでいましたが、特異というほどのものでもありませんでしたし」
 安達・沙良がこれまでに読んだ本。そして、同じように性格が変わったと言われている『被害者』達――彼らも本を偏執的に読んでいた――の読んでいた本。どちらも、作風が全体的に暗いものであるのみで、いわゆる怪異の類と関係する書が見られる事は無かった。
「怪異の元となった人に本に関する思いでもあったのかしら?」
「かもしれませんね。それまでの、本に興味の有無に関係なく、ここまで性格を変えているのですから」
 セレスティの相槌を聞きながら、綾和泉は先日の事件を思い返す。
 先日の事件では、ある古書店の息子が魔導書に囚われ、一つの村を滅ぼすほどの事件を起こしていた。村の人は、ほとんどが死者か不死者となり、怪異を消そうとIO2が派遣したバスターズ達をも巻き込み、最後には店主の息子が死ぬ事で終わった事件。その後ろには、黒幕がいた、と言われている。
――前回の事件に影響を受けた人の犯行?――
 なら、犯人は決まりきっている。前回の事件に関係した者は、草間興信所からの依頼を受けた五人、草間武彦、IO2捜査官と称する蒼井明良、そして、保護された少女。この中で今回の犯人になりうる者は、保護された少女――水淵・空だけ。
 しかし、この考えには一つの問題がある。
 彼女は、IO2で処理を受けている。事件の記憶は無く、トラウマすらも消えていておかしくないはず。IO2の処理とはそういう事なのだから。
 これを解消する論理は一つ。
――今回も、黒幕がいる――
 綾和泉が考えたことを言うと、セレスティは興味深そうに眉根をあげて頷いた。
「ありそうですね。私は、本が問題の女性に憑き事件を起こしたのでは、と思ったのですが、前回と同様に黒幕がなんらかの力を用いて彼女に『力』を与え、事件を起こしたのだとした方が、理屈が通ります」
 IO2が彼女の能力を確認していない、と言っていた事の理由にもなりますしね、とセレスティは言葉を切る。
 IO2が保護した者に対し、真っ先に行う事。それが保護した相手の能力の有無の確認である。潜在的に持っていた能力がトラウマをきっかけにして発現することがあり、トラウマを持った能力者が多くの場合は事件を起こしかねないのならば、IO2の存在意義として当然、対象を抹消する必要があるからである。
 しかし、今回の事件では、第一の容疑者である人物には事前に調査が行われ、その時点では能力が無い事がはっきりしていた。どのタイミングで発現したとしても、それを使いこなすには時間が必要なはず。つまり、今回のような短い期間では、たとえ彼女が犯人だったとしても、現時点のような被害状況では納まらないはず。よって、彼女は犯人ではない可能性が高い。しかし、疑いを捨て切る事は困難である、そのため調査をする必要がある。
 結局、状況証拠では黒であるが、有効的な証拠は存在していない為、水淵空は灰色である。これが、公式のIO2の調査結果である。――もっとも、捜査官には彼女を完全に黒として、抹消すべきである、と唱える者もいるが。
「黒幕を突き止めるのなら、彼女自身に話を聴かなくてはならないでしょうね……」
 彼女を捕まえるのなら、使ってくるだろう能力への対処法を考えなければならない。
 どんな能力だろうか、と考え込む綾和泉に、向かいに腰掛けるセレスティから声がかかる。
「本人と直接会って確かめた方がいいかもしれませんよ。『力』を使うと言うのは、噂によるといつも夜の様子。なら、昼の彼女は安全なのでしょう」
 確かに、被害は出ていない。もっとも、前例が無いだけであり、昼に『力』が振るわれる事は無いと断言できるほどのことでは無いが。
「そうですね。噂の通りの力しか彼女が持っていないのなら、簡単に対処できそうですし」
 今回の相手が使っている『力』は「歌を聞いた人の人格を書き換える」というもの。歌を耳にしなければただの音に過ぎないと言う可能性が高い。注意深いに越した事は無いが、『歌』が始まったところで耳をふさぐ、程度で対処できるだろう。
「では、参りましょう。車を用意してあります」
 席を立つセレスティに頷きを返しながら、綾和泉は、耳栓は薬局に売っているだろうか、と思いをめぐらせた。

●逢魔ヶ刻――路地裏
 裏に確実に何者かがいる。主の言葉を聴いたPROTO―T・SIRIUSは、草間興信所を出ると、闇の濃い場所を探りながら、街の路地裏にまで足を伸ばしていた。
 日が長い季節とは言え、時刻は日が暮れ始める頃となっている。
 逢魔ヶ刻。PROTOの頭にそんな言葉がよぎる。

 魔が現れる刻、人が魔と逢う刻。
 人が少しずつ減っていき、いつの間にか自分一人となる。辺りを見渡してみても誰もいない空間を沈もうとする紅い光がうつしだす。
 ふと、寂しさがこみ上げる瞬間。誰かが後ろに立つ気配がする。
 何カ 恐ロシイ 者ガ イルヨウナ 気配
 人ではありえない気配。自分を闇に引きずり込み、光の当たる場所に二度と戻れなくするような気配。
 思わず、駆け足になり、家路を急ぐ。
 ついてくる気配に追い立てられるように、ただひたすらに前へと足を進め――
 懐かしい匂いに足を止める。
――良かった、自分は帰れたのだ――
 そんな思いを抱く後ろから、どこか、馴染みある気配がしてくる。
 知り合いだろう。そう思い、息を抜き、後ろをついてきた気配の事を忘れて振り向き――

 ふと、PROTOは我に返った。
 自分ではありえない情景の広がり。まるで、自分が人間のような思い。しかし、どこかで経験した事のあるような――
 後ロカラノ、気配。
「ッ?!」
 戦闘待機モードに入っていた体が反射的に動く。
――対『禍神』用システム:SOV起動――
 相手の攻撃を無効化。腕から引き出した高電圧スタンロッドで相手を叩き伏せ――
「酷いな、後ろに立っただけで攻撃をしてくるなんて」
 わけも無く、片腕で受け止められる。
 かけられている電圧を無視するように、身に纏った黒色のローブの下から、微笑を向ける男。
 ロッドを収納しながら、PROTOは胴から銃を引き抜き、目の前の相手に向かい発砲する。銃声と共に、殺害の意思を持ち相手の脳髄を抉らんとする弾丸が、首を傾けるだけでよけられる。首、胴、腿、足、肩、腕、膝、肘、再び返って頭――胴から次から次と銃を引き出しながらPROTOは弾丸を放ち――全て避けられる。
「悪いね、散々狙われているから、荒事には慣れているんだ…まだ続けるかい――お?」
 PROTOが背から引き出して手に持った大口径の砲に、男が面白い、と言わんばかりの声を上げる。
「なるほどなるほど。それなら、その口径の砲なら、人間は、人間大の相手は粉々に消滅する、いっぺんも残さず、塵にかえる――が」
 ソレハ、本当ニ、通用スルノカ?
 疑いも無く、相手を殲滅せんと引き金を引くPROTOに逡巡が産まれる。
 周りに散らばる銃。自分が放つ弾丸を全て避けきった相手。避ける場所が無くなるように、と撃ち続けたはずの弾丸は、相手の服に一つの穴をあける事すらできていない。
 なら、今度もまた避けられ、いなされ、無効化されるのではないか。
 意思を持つ物でなければ抱かないだろう感傷。完全に機械で無いがゆえに、抱いた思い。
「迷ったな?」
「!!」
 あわてて引き金を引く。塵になれと、全力で思いを抱きながら。
 轟音
 もうもうと立ち込める煙。辺りから、これまでいなかった一般の人間達の『反応』が返ってくる。
 だが、煙の向こう側には、何も残っていなかった。
「―――」
 失敗した――そんな思いと同時に、主の命令が思い出される。
 逢魔ヶ刻について思いをめぐらせる前までは常に意識し続けていた思い。黒幕を確保、話を聞け、と言う指令。
 そもそも、自分は草間興信所に訪れた男子中学生の彼女に会うという事になっていたはずである。それにも関わらず、なぜ自分はこの様な路地裏にまで来て、戦闘を行ったのだろうか。
――任務終了後、主に相談しなくては――
 騒がしくなり始めた辺りを一瞥すると、PROTOは元の目標に向けて移動を開始した。

●夕刻
 エマと榊舟が会っていた安達が倒れた。
 蒼井が去った後、ジュジュの耳にそんな情報が入った。
 状況を聞いたところによると、彼女達が水淵の写真を安達に見せた事に反応し、噂に言われているような『歌』を口にした後倒れたと言う。
――口封じ――
 話を聞いたジュジュの頭に言葉がよぎった。
 自分の姿を見た者に対し、呪をかけて思い出せないようにし、再び自分の姿を認識しようとした時点で拒否反応を発生させる。これが能力のうちなのか、それとも彼女が自らの意思でそれを行っているのか。口封じの為に能力を使ったと言うのなら、当然その力は後者の可能性が高い。無意識で行うのなら、拒否反応など発生させる必要は無く、ただ記憶を失わせるだけの能力となるはずであるからだ。
 ゆえに、彼女は悪意を持ち、能力を用いている者である。
 たとえ、何かの精神的外傷から今回のような事件を起こし、一定の条件を持つ人物に能力を用いるようになった、などと言う良くある話であってもそれは変わらない。自らの悪意で人を傷つけるのなら、それはただ自らを正当化しながら人を傷つけようとする醜い者であるだけ。
 故に、殺害対象。図らずも、蒼井の依頼を受ける形となるが、草間武彦やこの依頼を同じように受けた仲間たちを守るためにも、操り、自殺しなければならない。
 水淵にあう、という他の者達との待ち合わせ場所に立つ。
 クロスロードブルース。
 ある世界的に有名なブルースミュージシャンが、綿花畑の中央の十字路に立ち、自らの魂と引き換えに悪魔から曲とギターテクニックを手に入れたと言う。
 水淵もまた同じように、魂を売り渡して『力』を手に入れたと言うのなら。
――デーモン使いの自分が、支払いを受け取りに行こう――
 視線を上げたジュジュの視界に、歩み寄るほかの面々の姿が映った。

 魔導書がまた影響しているのではないだろうか、という榊舟の考えは、水淵空を直接前にした所で修正を加えなければならなくなった。
 目の前にいる大人たちを茫とした目つきで見る彼女には、確かに以前の事件で出会ったような気配が色濃く出ている。しかし、それは魔導書の残滓――不死者についていた様な気配ではない。
――これは、安達沙良についていた気配――
 他者の事を一片もかえりみず、ただ自分の思うがままに、どのような犠牲が起こっても哂う事しかしない妖しげな気配。
 榊舟が思わず、祓おうかと考えていると、水淵が口を開いた。
「誰…ですか?」
「私達は――」
 横に立っていたエマが、打ち合わせの通りに、自分達が相手に害意を持つ相手でない事を伝える。
「貴方達は……本を持っている人じゃない」
「本?」
 思わず、といった風に声を上げるセレスティの声を聞きながら、榊舟は魔導書の事だろうか、と思った。
「秘密の本。何でも出来る本……旅人さんが持っていた本。『あの人』は、私に本をくれる、って言ってた。貴方達は『あの人』の知り合いじゃないの?」
「どんな人のこと? いろんな人と会っているから――」
「『あの人』は『あの人』。私に歌を教えてくれた、黒い人。知らないの?」
 綾和泉の言葉に、どこか舌っ足らずの口調で答える水淵。
 14歳、と言う事に思わず疑問を覚える者を尻目に、言葉が続く。
「知らないんだ。だって、貴方達。知っているなら私に聞くはずが無いもの」
 空気が変わる。
 水淵を取り巻いていた気配が、より濃くなる。
 まだ、夜には間があったはず――顔にそんな言葉を浮べながら外を見るセレスティ。
「……雲、ですか」
 彼の体の横からは、突然張り出した大きな雲に光をさえぎられて行く空がうつっている。
「なら――
 みんなみんなみんな、忘れちゃえ、変わっちゃえ」
 手に集めた浄化の風を舞わせる間もなく。音が響いた。

●夜
 日が落ちる。
 生温い風が、魔がそこに在る事を告げる。
 音が力を帯び、人を惑わす世界を作りあげる。
 世界が、偽りの姿を見せる。

―――
 何かが潰れる音がした。
 昨日来たと言う旅人が墓場に立っている。
 どうかしたのだろうか、と思って、声をかけようとして。墓場の地面が少し盛り上がっている事に気がついた。
 白いナニカが見える。地面から出てきた棒のようなものに、白いナニカがまとわりついている。
 なんだろうか、と思う。どこかから、気がついてはいけない、と言う声がする。
 地面から出てきた腕はなんなのか。
 白いものはなんなのか。
 それの目の前に立っている、あの旅人はなんなのか。
 どこかから、ぶぅん、と言う羽音が聞こえてくる。
 その音で気がついた。なんだ、あの白いものは――
―――

 次の瞬間。綾和泉は自分の耳に封印をかけた。
 視界には、目がどこかうつろになっている仲間達と、今の今まで綾和泉も虜としていた歌を口に載せる水淵の姿がある。
 元に戻った。そう気づくと、綾和泉は封印の力を、水淵の声へと向けた。
 音が聞こえなくなればこの力から逃れられるのなら、相手の音を封じてしまえば良い。後手に回ったものの、考えてあった対処法の通りに力を発動させ――激しい抵抗にぶつかる。
 水淵が、自分が幻から抜けた事に気がついたのか、かけられる声の圧が増す。
 意識が遠ざかりかける中、自分の力にすがるように封印の力をかけ――視界の隅で、仲間の一人が目に力を取り戻し、拡声器を片手に持つ様子が目に入る。
 自分への注意が増したためなのか、それとも、彼女――ジュジュも自分と同じように対策を立てていた為なのか。意味の無い考えが綾和泉の頭をよぎった。
 拡声器が水淵に向けられる。口に当てるのではなく、ただ真っ直ぐに腕を伸ばして向けられ――水淵の全身から、力が抜ける。
 様子を見ながら耳の封印を解くと、どこからか、蝉の鳴き声が聞こえた。
 息を抜きながら仲間達に目を移すと、頭を押さえているものの、大事には至っていないように見える。
「なんとかなったようですね」
 これで確保完了――黒幕に関しても、調べられるだろう。綾和泉は息を吐き、水淵に視線を戻し。それに気がついた。
「え?」
 思わず声が出た。
 いない。ジュジュにより動きを止められていたはずの水淵空は今の今までいた場所からすでに姿を消していた。
 逃げられた――? あわてて辺りに視線を配る。
「どうかしましたか……?」
 先ほどの影響が残っているのか、若干苦しそうな表情のセレスティが声をかけてくる。
「動きが止まっていたはずなのですが――」
 状況を簡潔に説明する。
「……急いで、探しましょう。また事件が起きたら大変な事になります」
 綾和泉の説明を聞くとすぐに、セレスティは懐から携帯電話を取り出し、どこかに連絡を取り始めた。
 辺りには、夏の暑い空気が漂っていた。

 深夜。一つのニュースが流れた。
 女子中学生の身投げのニュースである。
 女子中学生は、歩道橋から国道へと飛び降り、通りがかったトラックにひかれたと言う。
 トラックの運転手の連絡により呼ばれた救急車により、病院へと搬送されるが、病院について間もなく死亡。トラックの運転手によると、明らかにブレーキが間に合わないタイミングを狙って身を投げていたと言う。
 警察の調べによると、彼女は最近家族を亡くしており、そのショックから今回の発作的な自殺に出たのではないか、と言われている。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/シュライン・エマ/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
0585/ジュジュ・ミュージー/女性/21歳/デーモン使いの何でも屋(特に暗殺)
1449/綾和泉・汐耶/女性/23歳/都立図書館司書
1593/榊舟・亜真知/女性/999歳/超高位次元知的生命体・・・神さま!?
1883/セレスティ・カーニンガム/男性/725歳/財閥総帥・占い師・水霊使い
5521/PROTO−T・SIRIUS/10歳/男性/試作起動中実験体
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■         ライター通信          ■
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藍乃字です。
やや書き方が変化しているような気がしていますが……どうでしょうか。
皆様のご期待に沿える物となっていれば幸いです。
次回は、22日から26日にかけてのOP公開を予定しています。
なお、この期間中にOP公開が行われなかった場合、おそらく公開は9月10日前後となる事と思われます。
よろしければ、またご参加ください。

また、今回はやや常とは異なり、6人の方からの発注を受け付けていますが、次回は再び5人の方からの受注とさせていただくつもりなので、よろしくお願い致します。

それでは、失礼いたします。