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<東京怪談・PCゲームノベル>


■ドールハウス−マーロウ・ドーリィ−■

 男は飲んだくれていた。
 その酒場は薄暗く、品も良いとは言えなかったが、偶然別件の依頼で顔を出した草間武彦がその男に目がいったのは、その顔に見覚えがあるからだった。
 そう、確か最近までニュースで時々取り上げられていた、妻殺しの犯人、その容疑者の第一候補だった筈である。顔や名前まで出ていたのは、一度は完全に犯人と決められ、指名手配されていたからだ。
 一応証拠不充分ということで釈放されたらしいが、やはり犯人扱いされるのは気分が悪いものなのだろう。確か名前は、陸橋・青(りくはし・しょう)といった。
 武彦は男を気にしながらも、自分の依頼を済まそうと酒場のバーテンダーに聞き込みをし始めた。簡単な依頼だったので、彼の話だけで解決出来そうだ。
 もう一度武彦が陸橋に目をやると、丁度スーツ姿の女性が彼のテーブルにつくところだった。
「……?」
 彼女もどこかで見覚えがある。はてどこで見たかと小首を傾げたところ、喧騒に紛れて陸橋らの会話が聞こえてきた。
「何度もうつのは危険よ……心臓に負担が……から……こ……薬は絶対に……」
「分かって……マーロウ・ドーリィか、これで確かに真犯人の……だな……?」
「ええ、これが他の容疑者の……よ。気をつけて打って……」
 騒がしくて聞き取りにくかったが、「マーロウ・ドーリィ」という単語を聞いて、武彦は酒場を飛び出していた。
 慌しく興信所に戻り、新聞や書類をひっくり返す。
「どうしたの、兄さん」
 零が驚いて見ているが、武彦はようやく見つけた記事を読み返していた。
「マーロウ・ドーリィ……加賀谷・月子(かがや・つきこ)博士の研究段階の記憶蘇生薬」
 記憶蘇生薬。
 それは、生き物ならばなんでもいい、その骨髄液と加賀谷博士が「ドーリィ」と呼ぶ実験薬とを混ぜたもので、「マーロウ・ドーリィ」と呼ばれる、未だ研究段階にある薬品。なんでも、それを注射すると、「その骨髄を持った生き物」の記憶が生まれた時からのもの、全てを注射した生き物(人間でも猫でも鼠でも犬でも)の脳に反映するのだという。だから、「記憶蘇生」なのだ。
 まだ研究段階にある、というのは、打つと様々な欠陥が何かしら出てくるからということだったが───。
「何故あの二人が……? 何をしようとしてるんだ?」
 自分には関係ないと言えば関係ないのだが、どうも嫌な予感がする。
 それに武彦は、以前加賀谷博士とはひょんなことで出会い、すれ違った程度の関係と言っていいのだが、直感で「あまり良くない」印象を持ったのだ。美人で聡明、物腰柔らか。世間はそう評しているが、武彦にとってはあまり近寄りたくない人物である。
 バン、とその時突然扉が開いた。鍵をかけ忘れたと気付いたときには、一人の女が入ってきていた。かなり怯えているようで、手足が震えている。この顔もどこかで見たことがある、と思った時、女が口を開いた。
「ちょ、ちょっと、ここ、興信所でしょ。警察に駆け込むのも嫌だし、調査してくれるところなら、今すぐわたしの依頼を聞いて!」
「ああ……長竹・汐(ながたけ・うしお)さん?」
 武彦が思い出して言うと、彼女はビクッとした。
「そ、そうよ、どうせわたしの顔や名前なんてもう最近テレビで出ちゃってるわよ。あの陸橋って男と一緒に指名手配なんてされちゃったんだから! でもわたし、人殺しなんてしてないわよ!」
「落ち着いて下さい。俺は別に───そう、警察でもなんでもない。そして『貴女は依頼をしにきた』んでしょう?」
 煙草を咥え、「吸っても?」と目と手振りで尋ねると、幾分落ち着いたように長竹・汐は小さく頷き、零が勧めるソファに座った。
「それで───どんなご依頼で?」
「ここの前の通り通ったの、ホントに偶然なんだけど。あの陸橋ともう一人誰か知らない女が来て、陸橋に抑え付けられたのよ、その後暫く気を失ってて───取られたものはないと思うけど、きっと殺しにきたのよあいつ」
「何故? 殺される身の覚えでも?」
「あいつとあいつの女が揉み合ってるとこにわたし、いたんだから」
 動機充分でしょ、とそっぽを向いて彼女は言う。
「なるほど、殺しの現場にいたからあなたも指名手配に一旦されたわけですか」
「そうよ、何が日本の警察は優秀よ、やたらめったら指名手配すればいいってもんじゃないわよ」
 ふと、扉を閉めた零が彼女のアップした髪の辺りに目を何気なくやり、ハッとした表情をしたのを武彦は見た。ちらりと目配せして、零を自分の隣に来させる。
「じゃ、まあ……その陸橋の身元でも洗って、二度と貴女に手出しをしないように───説得でもしてみますよ」
 内心、説得なんかでは無理があると分かっている。それでも汐は頷き、名刺を置いて出て行った。
「あれだけ怯えていて名刺を出していくのは、営業の仕事を持っている人間のクセだな」
 武彦が取り上げた名刺には、「人形量産店ドールハウス営業部担当・長竹汐」と書かれている。
「で、零。どうした?」
 名刺を丁寧にしまい、妹に尋ねると、
「髪の毛アップしてたから、あの人の首の後ろ……見えたんです。小さいけど、注射の跡がありました」
「注射の跡……?」
 頭の中にすぐさま加賀谷博士が浮かぶ。
 だが、何故彼女の骨髄を取る必要があったのだろう。
「こりゃあ……ちょっと人手が必要だな」
 俺の頭だけじゃ足りない、と武彦は呟いた。



■Doll one■

「世間様にも夏休みっ! くっまぁ〜! 遊びにきたよ〜! イカクン持って来たからいっしょに食べようっ!」
 場違いとも言える果てしなく明るい声と共に扉が開かれ、先ほど来たばかりのシオン・レ・ハイにお茶を出していたシュライン・エマは、そこに「あれ?」とその場の空気を読んできょとんとしている海原・みあお(うなばら・─)を認めて、微笑んだ。
「せっかくだし、お茶でも飲んでいって。残念ながら武彦さんと遊ぶわけにはいかない状況だけれど」
「って、事件?」
「難しい点が多すぎるんですよねー……」
 うぅんとうなりながら、自分が図書館から半ば無理矢理借りてきた過去の新聞をいくつか広げて、シオンが睨めっこしながらメモに今回の事件を書き出すというマメなことをしている。
 そこで、みあおも協力したいと表明したので、デスクのパソコンのモニタを見つめていた武彦自らが彼女にも今回の経緯を説明した。
「ん……」
 みあおは少し、淋しげに微笑んだ。
「医者とか研究者って、学問のためなら良識なんてないもんね」
「いい人も中にはいるとは思いますが、とんでもない人もいらっしゃいますから……」
 シオンはいつになく真顔で少し冷めてしまったお茶を飲む。
「私も可能な限りの資料は熟読したのよ。他、陸橋氏と死亡した妻の履歴も知り合いに調査してもらってるわ。今、シオンさんが依頼人を含めた彼らの置かれた状況をメモに分かりやすく書き出してくれてるから、それが終わったら徹底的に情報収集をしようと思うの。
 それと、これは念のため、なんだけど。
 武彦さんがその加賀谷博士にいい印象を持たなかったっていうカンを信用して、万が一の何かのために個人行動は控えるようにしましょ」
 特に武彦さんは面割れしているし、いっそう注意をね、とシュラインは念を押す。内心、心配なので傍で行動し、近寄る足音等警戒しておこうと思っている。
「分かった。
 シオン、こういうマメなことは得意なお前さんのことだ。大体状況っての、洗い出せたか?」
 武彦は、ちゃっかりとみあおが差し出したイカクンをつまむ。
「一応簡単に、ですけど」
 ふう、とシオンは最後の行を書いてやっとペンをコロンと置いた。
「みあおにも見せて」
 ひょいと武彦のところから、みあおがやってくる。
 武彦も立ち上がり、みあおが読み終わるとそれを受け取り、
「うーん……」
 と、頭をかきながら謎解きをするように読み上げた。

 1.ごく最近、陸橋・青の妻、陸橋・渚(みぎわ)が殺された。
 2.その場に居合わせたと確認出来ているのは、一時は犯人扱いされた陸橋・青と長竹・汐である。
 3.陸橋・青は何らかの目的でどのようにしてか加賀谷・月子博士とコンタクトを取り、記憶蘇生薬を使おうとしている「ようだ」。
 4.加賀谷・月子博士のその場合のメリットは謎(もしかしたら金?)。
 5.何故かこの興信所近くを偶然通りかかった長竹・汐が陸橋・青に襲われ、長竹・汐は自分が殺されるのだと怯え、草間氏に助けを求め、依頼をして今に至る。
 6.追記:長竹・汐は「陸橋・青と陸橋・渚がもみ合っている現場」を目撃しているがゆえ、殺されると確信しているようだ。

「単純に考えると、陸橋・青が真犯人を捕まえるために、博士に薬のこと、唆されたりして自分で容疑者の骨髄を入れた薬を打って探そうとしてるって考えられるわよね。あくまでも彼が白であるならば、の判断だけれど」
 と、シュラインが、もう何度も読み返した「記憶蘇生薬」に関するありったけの資料や記事から目を上げながらつぶやく。
「でもそれって、妻殺しの真犯人を量産しようとしている、とも思うんだけど? 取ったんじゃなくて『射れた』、とかね」
 みあおが、残っていたイカクンを食べ終え、冷茶と化した飲み物をなんてことない顔で飲み干しながら、さらりと言う。隣に座っているシオンが、その言葉にぞっとする。
「死んだ人間の骨髄も使用できるのでしょうか」
「ちょっと待って。みあおもそのシュラインのもってる記憶蘇生薬の記事とか、読みたいな」
「いいわよ」
 年のわりに(?)頭の良いみあおに、元から年の差別をしないシュラインは資料や記事を手渡す。あんまり集まらなかったんだけれどね、と付け加えて。
 シオンはまだ、何かを想像してしまいながら自分の肩を抱えた。
「他人の記憶が蘇生されるとはどんな感じなのでしょう……。自分の記憶と区別がつかなくなったり、脳がおかしくならないのでしょうか。記憶蘇生は薬が効いている一定時間だけなのかずっと残るのでしょうか。なんだか恐い薬です。他人に自分の記憶を全て見られるのですから。頭のいい人等の骨髄を入手した場合知識も得られるのでしょうか……」
「そりゃあ」
 武彦が、新しい煙草に手を伸ばす。
「おかしくならんほうがおかしいような薬だよな。想像するだけだと」
「えーっとね」
 みあおが、記事に目を落としながら口を開く。
「死んだ人の骨髄からは、入手不可能みたい。で、入手した骨髄の持ち主の生まれた時からの記憶全てが、否応ナシにってかんじなのかなこれ───射った人間の脳にプラスされるわけだから───」
「通常で考えれば、脳がパンク状態を起こすわね。多数の人間の記憶を入れ込んだりしたら」
 それと、とシュラインが継ぎ足す。
「何故研究段階か、その理由のひとつには『ひとりの人間が多用しすぎると心臓に負担がかかってくるから』というのがあるらしいの。武彦さんが断片的に聞いた台詞に、そんな言葉が混じっているようだけれど」
 ふと、シオンが気づいたように顎に手を当てる。
「もし……加賀谷博士がその薬によって何らかのメリットを必要としているならば、ですよ。自分には絶対に打たない───あ、逆ですね。
 自分は犠牲にしたくないから、その何らかのメリットのために陸橋さんを利用している……?」
「そう考えるのが当たり前だよな」
 俺もそう思った、と武彦がぼやくように言う。
「ただ、まだ分からないことが多いから俺としてもどう行動に移していいものか分からないのが実情だ。ここは俺やシュラインの伝手で警察関係者の知り合い達にも頼んでおいた情報収集の結果を待って、それから捜査だな」
 その所長の言葉を待っていたように、興信所の電話が鳴った。



■Doll two■

 一気に流れてきた情報類をまとめ終えた時には、既に明け方近かった。
 一度仮眠を取ったみあおが起き出す頃には、シュラインは朝食の支度をしていて、シオンと武彦はなにやら推理を始めていた。
「シュラインさんが考えていたこと、加賀谷博士が陸橋・渚さんの検死もしていたのでは、という線は外れましたね」
「じゃ、青と加賀谷博士との繋がりは、この加賀谷・未樹(みき)っていう博士の死んだ従兄弟にあるだけか」
「未樹って……確か、青と大学の同級生で三ヶ月前病気で亡くなったっていう?」
 身体にかけてもらっていたシーツを手に持ち、もう片方の手で目をこすりながら、みあお。
「なんかねぇ」
 味噌汁を人数分運んできながら、シュラインは浮かない顔をする。
「こう、すっきりしないのよ」
「すっきり、ですか?」
 慌てて自分も朝食を運ぶ手伝いをと立ち上がる、シオン。
 ええ、とシュラインは味噌汁をテーブルに並べながら続ける。
「殺人現場も時間も、目撃場所も死亡原因も、送られてきた殺人事件詳細情報で分かったし、渚さんやその他関係のありそうな職場の人間達の、渚さん死亡時刻頃の動向調査も問題なし。
 ただ、加賀谷博士っていう人だけが、『すっきりしない』のよ」
「履歴もこれだけでてるのに?」
 と、みあおがぺらんと紙をめくりながら、シオンから、シュラインが作った香菜入りチーズオムレツを受け取る。
「そいつのメリットってのが結局わからんな」
 武彦が箸を掴む。
「殺人のあった現場は、青の仕事先の事務所。何故妻の渚がそこにいたのかは、赤ん坊が出来た報告をしたかったから、と青の証言。事件のあった時刻は深夜近く、午後23時48分。死亡原因は事務所に置いてあった宅配便に使う頑丈な紐───まあ、青の勤め先が宅配会社ならってのと指紋を残したくないから手では殺さなかったってことだよな。てことは、真犯人は渚を最初から殺すつもりで渚と会ったってことだ」
「青さんの最近の足取り、っていうのもシュラインさんが気になったところですよね。これも書いてありますけど、仕事に復帰せずに自宅にずっといて、ふらりと毎晩いきつけの酒場に現れる───これだけですね」
「ごはん、たべてないのかな?」
 オムレツのつけあわせについていたプチトマトを口に運びながら、何気なく言う、みあお。
「え?」
 シオンも「いただきます」と言って、味噌汁にマイお箸をつけようとして、止まる。
「だって、青の足取りってそれだけなんでしょ? いくらなんでも買出しくらいしないと、冷蔵庫のものだけじゃたいして日にちももたないよ」
「……酒場では酒とほんの少しのつまみくらいだしな」
 武彦が、箸で切ったオムレツを見つめつつ考え込む。
「そんな生活してたんじゃ、もしこれから薬を多用するつもりなら───身体がもっともたなくなるわ」
「そうですよね。尚更身体をつくる、というかせめて食べ物くらいはしっかり摂取しなければそんな冒険はできないと思います」
 シュラインの感慨深そうな顔を見つつ、あ、このオムレツ美味しいです、と付け加えるシオン。
「でも、奥さんのこと愛してたなら、奥さんが殺されて自分も犯人扱いされてっていうので、そんな心境でもないのかも、ね」
 青っていうのがまともな人間ならね、と、みあお。
「陸橋さんの現住所っていうのも、確か送られてきてたわよね」
「ああ。これだな」
 シュラインの言葉に、一枚のメモを取り上げる武彦。
「ここからそう遠くない場所ですよね……」
 シオンも、覗き込む。
「ごちそうさまーっおいしかった!」
 早くも食べ終えたみあおが、武彦に、パソコン使わせて、と頼む。
「何を調べるんだ?」
「青が証拠不十分で無罪になった事情っての、調べたいから。あ、もしかしてそれも情報として届いてる?」
「えーとえーと」
 ちゃっちゃと自分も早めにゴハンを食べ終えてしまい、シオンが急いで情報の山をひっくり返す。
「ありました、これですね。
 元から青さんに渚さんを殺す動機はなかった───」
 シオンが読み上げるところによると。
 確かに長竹・汐の証言通り、何らかの口論で多少青は渚ともみ合ったものの、青が事務所を出て自分の車で帰っていくところを同じ職場の人間数人が目撃していた。
 渚が殺されたのは、時刻的にもその後である。
「目撃者の証言、ね。だとしたら、そのもみ合っているところを窓の外から見たっていう汐さんも殺人犯の候補にあがったのも分かるわ。
 でも、汐さんはどうしてそこにいたのかしら?」
「これじゃないか?」
 もくもくとゴハンを食べながらのシュラインに、武彦がひらりとまた一枚、紙を渡す。何かを読みながらの食事はお行儀が悪いな、と自分でも思いつつ彼女はそれを見る。
「あ───青さんの宅配会社と汐さんの人形店とは、おなじみさんだったのね」
 その日も汐は、いつもどおりに人形店からまっすぐ、人形数点を注文した相手に送るため、会社の車で青の会社に行ったのだ。
「青と汐に面識ってあったのかな?」
「顔を覚えるくらいのもの、というふうに情報ではなっていますね」
 みあおが小首をひねったところへ、情報の続きを読みながら、シオン。
「やっぱり、」
 シュラインが味噌汁を飲み終えたあと、つぶやく。
「加賀谷博士だけが、するっと指の間から抜けてしまうみたいにつかめないのよね。うなぎみたい」
「うなぎ───」
 思わずじゅるりとよだれをこぼしそうになったシオンである。武彦がそれを見て笑い、
「無事に事件解決したら、報酬も入るだろうし、全員にうなぎ御馳走してやる」
 と、太っ腹なことを言ったので、俄然シオンは今までよりも力を入れることになった。



 とりあえず知り合いの警察からも許可をもらったし、現場に行ってみよう、と方針が決まり、午前中のうちに武彦達は興信所を出発した。
「午後になるとあっつくなるもんねぇ」
 タクシーを使って宅配会社につくと、シュラインが用意してきた麦茶を水筒から紙コップに注ぎ、一気に飲み干すみあお。
「今でも充分暑いですよ」
 シオンもみあおに倣って麦茶を飲み、早くも額に吹き出始めた汗を手の甲で拭う。
「みあおちゃんやシオンさんの提案通り、この後、汐さんに聞き込みに行きましょうね」
 借りてきた鍵を取り出すシュライン。
 ん、と武彦がそこでノブを回した。
「あいてるぞ」
 事務所の鍵が、開いている。
 ハッとしたシオンとシュラインが、急いで辺りを見渡す。何か───危険なにおいがする。
 いち早くみあおが、ビルの陰から走り去ろうとする人影を見つけた。
「あそこ!」
 そしてシオンと共に走り出す。シュラインは用心のため、武彦の傍から離れなかった。
 ビルの陰に入ったとき、シオンはそこに、青が息を荒くして座り込んでいるのを発見した。
「えっ───青さん?」
「シオン! 人影が車で逃げちゃう!」
 みあおが言った時にはしかし、既に人影は車のエンジンをふかし、わざわざ影を選んでナンバープレートが見えないようにしつつ、去っていった。
「くっそー、逃げられたっ」
「み、みあおさん、仕方がないです。とりあえず青さんを運んであげないと、」
 とっても具合が悪そうです、とのシオンの言葉に、地団太を踏みそうにしていたみあおは振り返る。
 シオンに抱き上げられた青は暑いためではない汗でぐっしょりと濡れ、顔色は真っ白に近かった。
「えっ……青さん?」
 戻ってきた二人と、シオンに運ばれている青を見つけて、シュラインは眉をひそめる。何か───いやな予感がする。
「……やられた」
 事務所に入っていた武彦が、おもむろにそう言ったのが聞こえる。
 急いで中を覗いた三人はその床に、渚同様に宅配に使う頑丈な紐で絞殺されている汐を認めた。
 ぴく、とシュラインがどこかを振り向く。
「───パトカーのサイレンが聞こえるわ」
 その言葉に、ハッと息を呑む一同。
 恐らく、さっきの人影が武彦達に濡れ衣を着せようとして呼んだのだろう。
 とりあえずここから逃れなければ、と武彦達は事務所から離れたのだった。



■Doll House■

「病院ダメだつってもなあ……俺の知り合いの病院だから、都合はつくし、黙認してほしいっていや黙認もしてくれるトコだぜ?」
 興信所に戻ってきた武彦は、さすがにこんな顔色の人間の前では吸えずに煙草を手で弄んでいる。その真っ白な顔色の人間───陸橋・青は、シュラインの敷いた布団にシオンの手で寝かせられながら、途切れ途切れに言った。
「まだ───真犯人がつかめてねぇんだよ……まだ、あと二人心当たりが残ってる……そいつらの骨髄も手にいれねえと」
 興信所に戻ってきてからもずっと青の様子を見ていたシュラインは、あの短時間の間にだけでも事件現場の霊気を見て一応の判断を下したみあおから意見を聞いたあと、口を開いた。
「青さん───あなた、何人の記憶を自分に入れたの」
 さっき来ていた事務所の警備員でちょうど9人、と答えが返ってくる。
 もしや汐を殺したのはその警備員か、とも思ったが、彼から「昨夜の巡回の警備員から抜き取ったんだ、汐を殺す動機はそいつにはない」と息苦しそうな中聞き、じゃあ、と新しい事実に気がついた。
「昨夜からこんな状態だったわけじゃあないよね? 青はあんなところで、何やってたの?」
 みあおの問いに、青は一度ちらりと全員の瞳を見つめ、
「お前らは……俺の言葉を信じてくれるか」
 と、聞いてきた。
「そうか、お前」
 武彦が、当たり前だよなとでもいうふうにつぶやく。
「あんだけ顔も割れるくらい犯人扱いされてたんなら、誰からも信用されなくなって、職場復帰しようにもできなかったのか。それで……加賀谷博士に、自分で真犯人を探そうって決意のもとコンタクトをとったのか?」
 青は、疲れたように目を閉じ、開く。
「博士の研究段階の記憶蘇生薬───マーロウ・ドーリィしか、もう俺に残された手はないと思った。あの日───」

 あの日。
 渚に暗い顔で赤ん坊ができたって聞かされて、俺も分かったんだ。
 俺はここ数ヶ月忙しくてろくに家にも帰ってなかった。それでも一緒に食事をしたい時は、家に連絡を入れるか渚の携帯に連絡して、かなり遅くなってでも食事をして、渚の幸せそうな顔を見て安心してた。
 誰かに。
 誰かに、渚は暴行されたんだと。それをずっと隠してた、と。渚が自分でそれを言って、その場で死のうとした。ごめんなさいとだけ、俺に言って。
 俺は渚を止めようとした。もみ合って、それでも渚は相手が誰なのか言わなかった。
 あの時は、知らない誰かに暴行されたのかと思ったが、よく考えてみたらそんなはずはない。もしそうなら、赤ん坊ができたと分かる前に、暴行された当日に俺に言うはずだ。俺達は本当に、愛し合っていたから。渚は誰か、知ってるやつに暴行されて、そいつをかばってる、そう思った。
 俺は渚を宥めて、急ぎで仕事を片付けてから一緒に帰って、それからゆっくり話をしようと思った。とにかく渚を落ち着かせなくちゃと思った。
 だけど、事務所に戻ったら渚は誰かに殺されてた。
 見計らったように警察が来て───俺はそのまま、逮捕されたんだ。

「……んで……」
 煙草のかわりにと、シュラインの淹れたコーヒーを飲みながら、武彦。みあおは真剣に、シュラインは何かを考えるように、シオンは心を痛ませながら今はただ聞くのみだ。
「加賀谷博士は、それ相応の何かをと、お前さんに要求してこなかったか?」
「あいつは蛇のような女だ。してこないわけがねぇ」
「それは一体、なんだ?」
 青は一度大きく深呼吸し、言った。
「自分の『ドーリィ』にはまだたくさんの材料……『骨髄』が必要だ、だから多少多めに骨髄を取って、それは打つ分と別にしてその都度自分に渡してほしい、と。それと」
 武彦を、見上げる。
「よりたくさんの人間を見て来ている『骨髄』は殊更に大事だ、と───草間武彦、お前の骨髄もと頼まれた」
「そうか」
 何気なく頷いた武彦は、コーヒーに咽せ、
「なんだって!?」
 と聞き返した。
「どうやら加賀谷博士は前にお前さんに会ったときから、お前さんのことは『骨髄入手リスト』の一番上に載せているくらい───お気に入りらしいぜ」
 未樹が言ってた、と青は懐かしそうに言う。
 やっぱり、とつぶやきかけたシュラインは、だがやはり腑に落ちない様子で、立ち上がる。
「青さん、あとは私達が動くわ。あなたが死んだら、例え真犯人を突き止めたとしても渚さんは喜ばないと思うの。私達を信用して───残りの候補という二人を、教えてもらえないかしら」
「正直みあおは、青が青でいられるか、なんてことも思ってたけど、今ならまだ間に合いそうだしね」
 みあおは、みあお用にと用意されていた甘目の紅茶を飲みながら。
「そうです、奥さんがそんな目にあって、旦那さんまでなんて……あんまりです」
 涙もろいシオンの青い瞳には、はや涙が浮かんでいる。
 長い沈黙の後、分かった、と青は残りの二人の名前と居場所を告白し、武彦の知り合いである病院に行くことになった。
 救急車で運ばれる段階になって、ふと、シュラインが最後に尋ねた。
「ねえ、青さん。
 その、亡くなられた加賀谷・未樹さんと武彦さんて、どこか似ている部分、あった?」
 青はようやく得た心からの味方のおかげで、いくぶん和らいだ表情をしながら、そうだな、ともう一度武彦を見つめる。
「そういやあ……こうしてはっきり見てみると、表情はまるで違うけど───ちょっとメイクしたら未樹に似てるな」
 今まで出会ったやつの中では一番似てる。
 そう言って青は、今度こそ救急車の中へと運ばれた。



 カツン、

 夜の倉庫の中、ハイヒールの音が響き渡る。
 カツン、カツンと歩きながら彼女は、懐中電灯で辺りを照らしながら、時折含み笑いを隠せないようだった。
 パッと倉庫内に電気がついたのは、その時だ。
「!」
 咄嗟にまぶしさに顔を覆った彼女───加賀谷・月子は、そこに4人の姿を認め、すうっと瞳を細めた。
「なあに……あなた達。わたしの研究品を見物に来るのなら事前にアポを取るのが礼儀というものじゃない?」
「人間にも値しない非道な『生き物』にアポなんか取る馬鹿はいないと思うがね」
 武彦が、周囲の大量の人形に囲まれるようにしながら、煙草をくゆらせている。
「なんのことかしら」
 くすくす、と加賀谷は笑う。
 みあおとシオン、そしてシュラインは厳しい表情で彼女を睨みつけている。武彦は、「えーと」と半眼になりつつも、ポケットから一枚の紙を取り出した。つい先ほど、裏のコネで「いくらでも報酬はやる」と啖呵を切るようにして得た情報が書いてある、重要書類である。
「この情報を得るのに随分苦労したんでね。それ相応の報酬は払ってもらうとして───さて、どっから話そうか? 大量殺人を犯してきた頭のネジがどうかしちゃったブラコンさん?」
 加賀谷はただ、笑っているだけである。
 シュラインが、口を開いた。
「悪いけれど。
 貴女のエゴのために、武彦さんの骨髄を渡すわけにはいかないの。世の中全て今までうまくいっていたのでしょうけれど、もう観念することね」
「そーそ。この紙に書いてあること全部、マスコミにも警察にも流してきちゃったし〜」
「貴女の研究も、今日づけで終わることになるでしょう」
 みあおとシオンが、続ける。
 初めて、加賀谷から笑みが消えた。
「そう……バレちゃったの。でもいいわ、そこまでの情報を得たというなら、わたしの家系も割れているんでしょう? 祖父が世界的にも随分な権力を持つ資産家なのも御存知でしょう?」
「やっぱ馬鹿だね、あんた」
 武彦が、ふうっと煙草の煙を吐く。
「自分の研究だけに必死で、自分の祖父さんがとっくに亡くなってるのも気づかなかったっての?」
 サッ、と加賀谷の顔色が変わるのが、全員に分かった。
 ここぞとばかりに、シュラインが一歩、前に出る。
「貴女の両親は早くに亡くなって、貴女が弟さんの未樹さんを育ててきたようなものだったそうね。でも、だからこそ早くに悟ったんでしょう? 未樹さんが不治の病であることを。そして貴女は医者の勉強よりも、お父様がしていた研究のほうに興味を持ち、元来の頭の良さをもって『記憶蘇生薬』をここまでのものにした」
「でも、実はつくってたのは記憶蘇生薬なんかじゃなくって、死んだ人間を何人もの骨髄から甦らせる薬だったんだよね。未樹が死ぬのをみこして、つくってたんでしょ」
「でも骨髄を集めるには、唯一完成させることのできる自分に危険が伴っては元も子もない。だから───未樹さんを唆して、渚さんを襲わせ───貴女が渚さんを自ら手にかけ、青さんに全部罪を着せた、……そうですよね」

 シュラインが「それ」を確信したのは、青の言葉を聴いてからだった。
 もしかしたら『マーロウ・ドーリィ』は記憶蘇生薬なんかじゃなく、死者蘇生薬なのでは、と。
 弟を甦らせたくて、だから大量の骨髄と、そして決め手となる骨髄───武彦の骨髄がリストの一番上に載っていたのでは、と。
 それを聞いた武彦は青褪め、必死になって裏の世界から加賀谷・月子に関する、裏の世界にしか伝わっていない闇の情報を仕入れ───本当のことが分かったのだった。

「青さんの奥さんを狙ったのも、汐さんを殺したのも、全部計画通りのことだったわけだ。汐さんは、彼女自身は気づいていなかった記憶の中に、事務所でもみ合っている青さんと渚さんのほかに人影───あんたを見ていて、それをいつ思い出すかがあんたにはコワかったんだろ? だから何らかの形でおびき出して、殺した。生憎と俺達に罪は着せられなかったがな。あの時、青さんから骨髄を受け取ってわざわざ陰を選んでナンバープレートを見えないようにして車で走り去ったっていうのは、あんたに間違いないだろ」
 武彦が、吸い終わった煙草を床に落とし、靴でもみ消す。
「さかのぼってくと、けっこう遺体のない、犯人もみつかってない殺人事件ってのがうかんできちゃってね」
 みあおが、ひょいと肩を竦める。
「あのとき事務所で、汐さんの霊気が一番はっきりのこってたんだ。加賀谷月子、ってはっきりきこえた。ほかにもいっぱい、霊気はあったけど分散しちゃってたからわかんないけど、宅配の紐つかったのって、絞殺するにはおんなのひとの力じゃできなかったから、だよね」
「得た情報には、貴女が毎晩通っているという場所もありまして───それがここだったというわけです。しかし、何故こんなに大量の人形が?」
 シオンが尋ねると、加賀谷は冷たい瞳で言い放つ。
「それ───壊してみれば?」
 そうしたら分かるわよ、と少しだけ笑みを戻す。
 黙っていたシュラインが、用心深く加賀谷から目を離さないようにしながら、手近な人形一体を手でひっかけ、思い切りよくコンクリートの床に倒した。
「「「「!」」」」
 4人全員が、目を瞠った。
 人形の「殻」の中から、何らかの方法で半ばミイラ化した人間が現れたのだ。
 まさか───ここまでとは。
 加賀谷の笑い声が、狂ったように響き渡る。
「研究が進めば、いずれは死体からも骨髄が取れるようになる。そうすれば、今までそのときのために殺してきたたくさんの骨髄をわたしの可愛い『ドーリィ』の育成の餌にできるのよ」
 人間のことを、骨髄と呼ぶ。
 骨髄のことを、餌と呼ぶ。
 まさか───これほどとは。
 確かに武彦の言うとおり、彼女はもう───「人間」ではなかった。
「……いくらあんたの祖父さんでも、今の会話を聞いたら、あんたを警察の手に引き渡すだろうな」
 え、と加賀谷の瞳が見開かれる。
 みあおが、冷たい瞳でこの狂人を見据える。
「ざぁんねんでしたっ。やっぱ日ごろから研究ばっかしてると、足元すくわれるね。おじいさんがなくなったなんて、真っ赤なウソだよ」
「シオンさん、テープは?」
 シュラインの短い問いに、
「しっかり回っています」
 と、後ろ手に隠し持っていた録音テープレコーダーの音を確かめる。
「ついでにカメラも仕掛けてあるから」
 武彦が、駄目押しをした。
「マスコミのカメラ、中継カメラをね。だからどうせ、このやり取りも場面も全部、生放送で流されちゃってんだよなあ」
 がくり、と加賀谷が膝をつく。
「あなた」
 つぶやきは、小さかった。
「あなた───未樹と似てるのに……ちっとも性格が似てないわ……あんなに優しくない……」
「どうかな」
 武彦は飽くまで、低い声色で答えた。
「未樹くんも『こんなあんた』だと知ってたら、優しく出来なかったと思うがね」



■The Doll of which it dreams■

 幸いというかなんというか、加賀谷・月子の祖父は「まともな」人間だった。
「あ、みて! あの倉庫にとじこめられてた遺体達のとむらい、きょうやるんだ!」
 今日こそはと遊びにきていたみあおが、再びイカクンを持ちつつテレビを指差す。
「よかった……これで皆さん、ちゃんと幸せな場所に逝くことができればホントにいいです……」
 シオンが瞳を潤ませながら、テレビを見る。
 シュラインも微笑みながら、そして再度、デスクに山と積まれた札束を見て、武彦と相談していた。
「確かに相当な事件の解決だったとは思うし、加賀谷さんのお爺様が私達に対しても青さんに対しても悪いと思っていることは分かるけれど……明らかにもらいすぎよ、どうしてこんなに受け取ったの?」
「いやぁ……俺も少しは貯金しとかんと」
「貯金? そんな言葉が武彦さんから出るなんて不思議だわ」
 シュラインの不思議そうな顔に少し赤くなって咳払いし、武彦はちょっと真面目になる。
「それにな、青にも汐の家族にも、そして今までの犠牲者の家族にも分けたらちょうど良くないか」
「それでも多すぎだと思うの」
「だから、それはだなあ……」
「ねえね、もしかして結婚資金?」
「恋人、婚約者のいらっしゃる男性が考える貯金は、他にありませんし、とうとうですかっ!?」
 いつの間にかテレビから離れて、背後に来ていたみあおとシオン。
 図星だったのか、武彦はぎくりとし、「あー」とごまかしつつ立ち上がる。驚いているシュラインに思わず「まあ、まだまだ先の話さ」と照れ隠ししてしまいつつ、
「さ、約束どおり。
 ウナギ食いに行くか!」
 と、景気良く言ったので、シュラインもつい苦笑し、みあおとシオンは「やったぁ!」と手を取って喜んだのだった。


 

《完》
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/シュライン・エマ (しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
1415/海原・みあお (うなばら・みあお)/女性/13歳/小学生
3356/シオン・レ・ハイ (しおん・れ・はい)/男性/42歳/びんぼーにん+高校生+α
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■         ライター通信          ■
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こんにちは、東圭真喜愛(とうこ まきと)です。
今回、ライターとしてこの物語を書かせていただきました。また、ゆっくりと自分のペースで(皆様に御迷惑のかからない程度に)活動をしていこうと思いますので、長い目で見てやってくださると嬉しいです。また、仕事状況や近況等たまにBBS等に書いたりしていますので、OMC用のHPがこちらからリンクされてもいますので、お暇がありましたら一度覗いてやってくださいねv大したものがあるわけでもないのですが;(笑)

さて今回ですが、自分でもまだ慣れていないと自負している推理モノ(もどき)に手を出してみました。なんだか情報集めの部分に文章の大半を使ってしまった気がしますが;真犯人は皆様大体想像はついていたと思うので、筋書きどおりに進めていきました。また、皆さんのプレイングが其々にいいところをついてきてくださったので、スムーズに「次はこの場面」と決めていくことができて、本当に感謝していますv

■シュライン・エマ様:いつもご参加、有り難うございますv やっぱり推理モノといえば徹底的な情報収集はしてくるだろうなあ、と思っていたのですが、わたしが気づかない部分まで指摘してきたので、思わず焦り気味でした(笑)。最後、人形を壊す場面はやはり少し抵抗があったのですが、御気分を害されましたらすみません;
■海原・みあお様:お久しぶりのご参加、有り難うございますv 今回のお話、特に後半部分は女の子にはちょっときつい内容かな、と思ったのですが、内面はしっかりしている女の子だと思っているので、半分心を鬼にして全部の場面、参加して頂きました。もし「ここはまずかった」というのがありましたら遠慮なく仰ってくださいね。今後の参考に致します。
■シオン・レ・ハイ様:いつもご参加、有り難うございますv 一番残念なのは、シオンさんのボケというか、なくてはならない明るさをわたしの力量不足で出せなかったことです;ですが、今回のような話では、シオンさんならばやっぱり真面目に取り組むだろうなと思いつつ書いていました。ウナギはいつぶりでしたでしょうか?(笑)

「夢」と「命」、そして「愛情」はわたしの全ての作品のテーマと言っても過言ではありません。今回はその全てを入れ込むことが出来て、本当にライター冥利に尽きます。本当にありがとうございます。

なにはともあれ、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
これからも魂を込めて頑張って書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します<(_ _)>

それでは☆
2005/08/13 Makito Touko