コミュニティトップへ
高峰心霊学研究所トップへ 最新レポート クリエーター別で見る 商品別一覧 ゲームノベル・ゲームコミックを見る 前のページへ

<東京怪談ウェブゲーム アンティークショップ・レン>


ミルクの愛、珈琲の恋〜Cinema likes coffee talkie〜

 蠱惑的なアンティークが立ち並ぶ店内。
 ありとあらゆる時代の歴史がひしめき合い、ある時は審美眼を酔わせるために少し奇妙な蒐集物を求め、ある時は骨董品に秘められた内なる何か≠求めるために、訪れる好事家は後を絶たない。
 古びた木箱。
 廃れた刻と共に埃が降り積もったコッファーの中で、一本のフィルムが収められている。
 それはかつて無名の監督が第二次世界大戦中に収めた無声映画である。制作者は戦時中に命を落とし、その孤独なアニマがフィルムに収められていると美麗の店主が宣うのである。

「この映画は純粋なラブストーリィ、愛の話さ。冴えない主人公が心機一転、箱入り娘を演じる女優に恋をする。でも、その恋路を邪魔する悪党がいて、擦った揉んだする話なんだ」

 カウンタで気怠そうに頬杖をつく碧摩・蓮(へきま・れん)が、紫煙を薫らせた。

「もし、これが欲しいんなら謝礼はいらないよ。ただ、気をつけた方がいい。これに吸い取られた魂は主人公の恋が成就するまで解放されない。まぁ、無事出て来られたら愉快な話を後から聞かせておくれ」

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

 静寂に包まれた館に、入り組んだ迷路。
 歪なモノクロームの世界が広がる。
 時折現れるノイズがスクリーン上を走って融解する。
 現実と幻想の境。
 珈琲とミルクのように混じり合い、二度と元に戻らない形。
 それは自身を象る自我と記憶が拡散するように―――。
 壊れたオルゴールが再び歯車を回し始めたように―――。
 花畑に囲まれた教会。
 溶けて、揺れて―――。
 荘厳な雰囲気に包まれた賛美歌が背中を押して。
 生まれて、沈んで―――。
 きついコルセットを巻いたワンピースドレスの自分が俯いて歩いてる。
 朽ちて、消える―――。
 誰かの手を握っていた………。
 この手。
 クミノはスクリーンから目を移して自分の掌を見つめた。
 蘇り、繰り返す記憶の残映。
 闇に眠る抱擁は優しくて――。
 蝶を危なっかしい足取りで追う自分。
 白昼の夢は温かくて――。
 微笑みを湛えながら眺める男と女。
 人の影絵は揺らめいていて――。
 川辺の土手を歩いて、麦わら帽が通り風に乗って飛んでいく。
 映写機の白光はフィルムを照らす――。
 一面真っ青な空を仰ぐ。
 そこにはまだ光があった。
 目の焦点が合わず、白濁した意識で目頭を押さえる。
 ササキビ・クミノ。
 その名前は誰かが自分を呼ぶために、たったそれだけのために―――名付けたもの。
 商品のラベルのように無味乾燥な音韻。
 それが自分を形作る壁。
 生きる上で必要な壁。
 子供の時作った積み木のように不安定で、脈絡のない形。
 障壁≠ヘ自分という存在に閾を与えて、白地の紙を線にそって切り取るように自分という形が現れる。でも、そこには自分はいなかった。ただ白地に切り取られた虚無の形が、誰かの存在を示すだけ。反転してしまえば最初からそうであったような、稚拙な騙し絵。そうやって自分を騙して、錯覚して人は生きている。

(名前…?私の本当の名前?)

 何時だったか、思い出せない憧憬。
 両親の記憶なんて忘れた。もう思い出さないそう誓ったはず。それなのに、それなのに……生暖かい何かが溢れてくる。
 クミノは頭を振って、それ≠追い払う。

(名前なんて無いじゃない)

「何故、私の記憶が此所に……」

 短く呟いた言葉は、白黒の虚空へと吸い込まれていった。 

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

 喪服のようにずっしりと重苦しい雰囲気のオートモービル。まるで象の鼾のような騒音をがなり立ててはサイドストリートを通り抜けていきます。なんとまぁ、車体から吐き出されるもくもくとした黒煙は上品な貴婦人の真っ白な濃い化粧を見る間もなく黒くしてしまったではありませんか!
 ほら、ご覧なさい。
 今し方通り過ぎた可愛らしいドレスの娘が機工夫が使う雑巾のようになってしまいました。
 そんなこと何所吹く風。
 ラサールと呼ばれたオープンモービルが鼻を高くして走る中―――。
 クミノ中佐はとても、とても眠い様子です。
 まるで車の揺れが、老婆の子守歌のように。
 うつらうつら揺りかごに揺られて……。
 頭を古時計の錘のように揺らせて……。
 夢と現世の波間を揺蕩って……。
 微睡みの中を彷徨する―――。

『中佐殿!』

 馬のように長面の兵卒――ハワード――が、運転席で鼻をひくつかせてクミノ中佐に声を掛けます。そこに映るのは、無防備なまま惰眠に臥した可愛らしい寝顔。ところで、心地好い眠りは彼女の部下によって引き裂かれましたところ、クミノ中佐は鼻提灯に針を刺されて、不機嫌そうにひゅっと飛び上がり……。

『何?』

 とんでもない形相!ハワードは尻にテコでも敷かれているのでしょうか。クミノ中佐が椅子に着地した途端、飛び上がってしまいました。中佐殿は涎を制服の裾で拭いながら、鋭い目でハワードを睨め付けます。兵卒のハワードは蛇に睨まれた蛙。今にも頭を呑み込まれそうなハワードは恐怖に戦き、目を皿のようにして自分の身体を眺めました。己の体躯に風穴が空いてないかと心配だったのです!
 対する娘は恋のこ≠フ字も知らない鉄の女。
 神はこの娘に花を渡す代わりに、銃を持たせてしまったのです―――ああ、不運。
 さらなる不運はやってきます。
 喪服のようなオートモービルが通れば当然不吉な匂い。
 殺人事件?
 密室殺人?
 誘拐?
 それとも火星人襲来事件?

『あそこに容疑者が!』

 巷を賑わす出来事はたちまち紙面に印刷され街にばらまかれるでしょう。銀行強盗事件、オペラ歌手殺害事件、発明王がついに天の玉音を物言う機械を開発、モルグに蘇るフランケンシュタイン……。
 そう、明日の新聞には驚愕の事実が描かれているでしょう。皆さんの朝食時にはそのおどろおどろしい文面が並び、胃袋を縮ませるのです。バターナイフをうっかり足先に落とさないように!

『飛び降り自殺のようです!』

 他人の不幸は蜜の味。つま先立ち、覗き、手を翳し、蟻のように新聞記者達が詰め寄ってます。そこは五階建ての建造物はアパートメントのようです。向かいに大きな銀行が建っております。銀行支配人も、靴磨き屋も、郵便配達人も顔を上げて、男の鬱々とした表情を見守っています―――しかし――――その男は今にも勇雄なイカロスのように輝かしい太陽に向かって飛び立とうとしているじゃありませんか!
 大変、大変、さあ―――大変!
 この高さで飛んでしまえば、空を掴んだライト氏にさえなれないでしょう!
 また機知に富んだ哲学者達は死とは何ぞやと滔々と連ねるではないでしょうか。

『止めろ』

 クミノ中佐は冷淡な声でハワードに止まるよう指示しました。ハワードは慌ててペダルを踏むと、車体がつんのめるくらい急なブレーキ!
 皆さん、運転は安全第一です。
 燻ったエンジンが食後のようにげっぷを吐いて二寸先でようやく止まると思いきや、クミノ中佐は軽快な音でステップを踏んでゲートルを鳴らし、路面にかっぽかっぽと降り立っていきます。

『自殺なんて許さないわ。ギルバート。地獄の果てまで追い駆けてやる』

 開口一番、そんな言葉を言い放って、周りの記者や消防士を震え上がらせました。その胸のバッジ―――射撃技能を指し示す―――が悪魔の微笑みのようにきらりと光っています。ピストルを片手に歩道を闊歩するや否や、蜘蛛の子を散らすように皆クミノ中佐の我が行く道を避けていくではありませんか。

『これはこれは街一番の美人で剛勇なクミノ中佐。これは何の騒ぎで?』

 雑草のような髭を蓄えた保安官が警棒で叩けば音が出るくらいの太鼓腹を揺らせて出迎えました。クミノ中佐を見ると紳士のように帽子を脱ぎ、軽く会釈すると、中佐は例の蛇のような目で保安官を見据えて口角を曲ぐのでした。恐ろしい微笑みを見てしまった保安官はメデューサに睨まれたように固まり、今し方吐いた皮肉を訂正しました。何と恐ろしい笑顔でしょう!

『警察には関係ない。あの男は軍が預かる』

 クミノ中佐は保安官の言葉を一蹴して、ピストルを天高く掲げたのでした。それを見た皆は一様にプレッツェルを丸ごと含める大きさまで顎を下ろして、背筋をぞっとさせました。
 暫くして―――。
 リスが胡桃を割るような乾いた音!
 パン、パパン。
 堰を切ったように黄色い声の雨あられ!走る、跳ねる、転ぶ、倒れる、諸手を上げて遁走する老若男女達。バスケットか零れ落ちるリンゴのように、坂の舗装をすってん転んで止まることを知らず、インディアンの雄叫びを聞いた子鹿、あるいは猛犬が羊の群れを追うように、我先とその場を逃れようとして騒然と揉みくちゃになってるではありませんか。
 そんな中、疎らな見物人、新聞記者、幾らか肝の据わった人々だけが麗らかな午後の珍事を見守っていました。

『ギルバート!降りてきなさい。今すぐに』

 クミノ中佐は小さな背格好に似合わず、通るような声で恫喝しました。
 そんな騒ぎもつゆ知らず、アパートメントの窓から乗り出す一人の男。
 目も眩むような高さに半身突き出して恐怖に戦くわけでもなく。
 むしろ笑っているではありませんか!

『僕に相応しい最後の舞台のようだ。何せ、歓声が聞こえるようだからね』

 男の名前はギルバート――――小さな映画会社の監督兼俳優。巨大ハリウッドの名に隠れて細々と作る作品、満身創痍、作品に労と汗を注ぎ込んだものの如何せん、売れないのです。今や時代はトーキーの真っ盛り。そんな中声の出ない映画を作るなんて、カウボーイハットを被ってタンゴを踊るようなものです!
 ギルバートはいよいよ、地獄の門を潜ることを決意した様子。
 もっと光を!と叫ぶように天に拳を振り上げ………まぁ、なんと品のない格好でしょう。お尻を突き出して右往左往。解れたポケットから希望の欠片がきらきらと落ちていきます。よく見るととても小さな貨幣。こんな小銭で貧窮生活なんて、一日も経たず餓死してしまうでしょう。
 さて、ギルバートの不思議なポケットには何が入ってるのでしょう?

『尻がむず痒いな』

 皆様、まずはよくご覧下さい。
 各地から集めた請求書の数々が蝶のように舞っていきます。無理な買い物が嵩んだ挙げ句に、ゼロが沢山書かれた借金の紙切れは明後日の彼方へ。
 続いて、お昼食べようとしたシナモンクッキーの片割れ。鳥が飛んできてはギルバートのお尻を啄んでいるではありませんか。

『あいたたた。鳥君、君と僕はお知り合いじゃないよ!』

 おや、どこから持ってきたのか衣装の下着がお尻から尾を引いてます。
 それからそれから、チャイナ風の付け髭。数珠繋ぎの国旗のように長く長く、鳥が突いたお尻から生えてきます。頭隠して尻隠さず、ギルバートはあまりの高さに尻込みし、必死にお尻を振っております!それに連なるように、長い長い尾はどんどん芽を伸ばしていきます。ジャックのマメの木はどこまで伸びるのでしょう!
 続々と現れるギルバートの奇妙な蒐集物達。涙を拭くためのハンカチーフ、捻れた黒タイ、蛇のハリボテ、穴の空いたソックス、釣り糸から、ズボンのサスペンダー―――最後にギルバート自身スラックスから解れた糸が続くのでした………。

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

『あらまぁ、ギルバート!』

 ところで、騒ぎは意外なところで大きくなっていたのです。風の便りを聞きつけてやってきたさる未亡人が息を切らせては、彼の名を呼び、五階建てのアパートメントに駆け寄ります。
 煌びやかなドレスの裾を持ち上げて駆けてくる一風変わった貴婦人――――ではなく、奇婦人。

『私の可愛い坊や、なんて変わり果てた姿に!』

 益荒男のような声色でそう叫ぶのはかの有名なフランス生まれの仕立屋、シオン・レ・ハイ婦人。彼女は沢山の針子を従えて、当時のモードで一世を風靡した芸術家でした。ある時は舞台の袖で自ら創作した作品を職人の瞳で眺め、ある時は恋の上下左右に差別なしとばかりに有名俳優から、赤貧の作家まで抱え込む悩み多き乙女――――容姿はどうあれども正統なパリジェンヌ。
 クミノ中佐は目の色も変えずに、後ろ手を組み、ダチョウの羽をあしらった帽子の貴婦人に向かって、背筋をぴんと伸ばしました。

『あのうつけ者の知り合い?部外者は下がってなさい』

 シオン婦人は地団駄を踏んで、頭を振って中佐の揶揄を糾弾しました。

『うつけ者ですって!?』

 そう、シオン婦人はギルバート映画会社を懇意にしていた仕立屋だったのです。映画俳優、女優の衣装を手がけ、売れない赤貧の映画屋に対して助力を惜しまない、何とも親切で淑やかな女性。しかし、その形相は変化し、足のつま先から頭の天辺までぶるぶると震わせて、クミノ中佐の小顔に向かってガラスを擦り併せたようにきいきいと喚き立てました。
 そうしている合間に―――。
 小心者のギルバートは高さの恐怖と丁々発止、格闘を続けていたのでした。足を滑らせ、あがきもがき、歯を食いしばり!上の階から花壇の水が降り注ぎ、あわや!というところでしがみついていたのです。もはや、この男の運命尽きたり……。
 ところでギルバートの尾は向かいの銀行屋根までに伸び、鉄格子に運良く引っかかっていました。
 しかし、ギルバートのポケットから、小さな小さな小動物、ネズミが躍り出て、渡された即席の綱を、サーカス団道化よろしく渡って行くではありませんか!
 まぁ、これを見た貴婦人も中佐も呆れ顔。
 それだけではありません!
 ギルバートの部屋に住み込んでいた沢山の猫たちが牙と爪を光らせて興奮し、大所帯で追って行くではありませんか。頭を踏みつけられ、足蹴にされ、綱を渡って珍行列――――。
 ギルバートはてんやわんやで目を回し、繋がれたお尻を浮かせて、しっかり建物の淵を掴みます。その階下で、煉獄から顔を覗かしたハデスのように、死が待ち構えていました。

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

 そんな愉快痛快な騒ぎの渦中。
 暗澹たる空気がこの街を覆っていました。暗い暗い、海底二万里から沸き立つ泡のように。静かに表舞台へと姿を現そうとしています。輝かしい太陽の表情にも沈痛さを表すように薄暗い雲がかかり、街に差す翳りの色。
 突如!空気を揺るがす爆発!
 アパートメント向かいの銀行を作る壁は粉々に打ち砕かれ、瓦礫が路上に散乱しました。皆、顔に恐怖の色を浮かべ、頭を抱えて地に臥せ、ある人は失神したように倒れました。これは神の悪戯でしょうか、はたまた世界の終末、最後の審判、ハルマゲドンがやってきたのでしょうか。おやおや可哀想に今の衝撃に吃驚してしまい、猫達が屋根から退散していきます。

『何だ!』

 何だかんだと言われて見に行かない訳にはいきません!向かいの銀行で銃声が沸き上がりました!クミノ中佐は冷静かつ悠揚迫らぬ態度で歩き出し、銀行の方へ視線を移します。するとどうでしょう、恐怖に怯えた銀行員や商談していたバイヤー達が続々と出口から吐き出され、諸手を上げて一散していきます。その奥でまた突き抜ける音と焦臭い匂い。
 駐屯していた保安官達が一斉に銀行の出口を囲い込み、混沌とした街の一角で続く事件に頭を悩ませました。

『一体何が起こってるんだ!こんな滅茶苦茶な強盗は見たことないぞ』

 その中の一人、老練の警部は舌打ちして、肩を怒らせ、指を部下達の眉間に叩きつけるようにして叱咤しました。

『警部!どうやらギャングの一味のようです!』

 保安官の一人が警部に向かって敬礼しながら、そう告げると警部は尋常ならぬ予感がして雲行きの怪しくなった天を仰ぎました。そこに颯爽と現れた黒い人影。三角屋根の尾根で膝の上に腕を載せ、警部達を覗き込んでいました。
 覆面を脱ぎ捨てるとそこには美少女を思わせる面持ちが現れ、感慨深げに彼らを一瞥すると後ろを振り向いて、何かを振りかざします。吹き荒ぶ風に靡いたトレンチコートが空を舞い、身体のラインに合わせて新調されたホワイトシャツとベストが猫のように艶やかな身を引き締まらせて――――その戦慄の黒筒を片手に男装した少女は上体を低くし、屋根づたいにひゅっと向かいのアパートメントへ跳躍していきます。

『あそこだ!』

 記者達の一人が指を差して、叫びます。
 さてさて、この街では芋づる式に次から次へと事件が起こっていきます。まず第一に、ギルバートと呼ばれた映画会社経営をしている青年の自殺未遂。第二にギャングの強盗事件!そして第三に――――。
 
『中佐!危ない』

 流れ弾が空気を切り裂き、クミノ中佐の頭上すれすれを掠めて危うく難を逃れました。すでに警官達も応戦するようにピストルを構えて、銃撃戦!クミノ中佐は覆い被さったハワードを退けて、しかしクミノ中佐は脳震盪でも起こしたのでしょうか、虚ろな瞳。ハワードはクミノ中佐を抱きかかえて無事を目視します。

『大丈夫でしたか?中佐』

 おやおや、クミノ中佐とハワードの視線が交わったまま離れません。するとどうでしょう、ややあってクミノ中佐の目に光が戻った途端、ハワードの顎に黒光りするものが当てられました。

『取締局でも捜査局でも陸軍本部でもいいから早く連絡して応援を寄越しなさい。今すぐに』

 ピストルを突き付けられたハワードははっと息を呑んで―――。
 また発破!さすがに屈強な警官達もノーベル氏の偉大さにたじろぎ身じろぎ、撤退せざるを得ません。ダイナマイトによって持たされた爆発は地と人々の腹を揺るがす振動に変わり、第二撃で脆くなった銀行を崩し、一瞬にして廃墟寸前と化しました。
 顔面に吹き付ける爆風、続いて湯気立つ熱風。燻った炎は生き物のようにたちまち辺りを包み込み、蛍のような火の粉が薄暗く棚引く雲に向かって舞い上がっていきます。
 黒煙が上がり、火の手が上がり、火の粉が上がり、命知らずの新聞記者達もついに身の危険を感じて退避していきます。
 さて、このミスギャングの正体は一体誰でしょう?それはまた別の、危険な男達が織り成す物語で説明しましょう。今はこの顛末を見守るだけです。
ええいままよと手を離す不運、ギルバート。ジャングルの王者のように――しかし、お尻を繋がれたまま―――炎に包まれた銀行の二階へと消えていきます。その奥でガラスの爆ぜる音!

『まぁ、ギルバート!』

 手塩をかけて面倒を見ていたギルバートの最後を目撃してしまった仕立屋のシオン婦人。みるみる顔が真っ青になった婦人は彼の名を叫び、やがて手を翳してもんどり打ち、倒れてしまいました。
 ミスギャングは、銀行の裏手に待ち構えていた青黒いパッカードに手信号で合図を送ると、箱型のオートモービルは急発進で表通りに乗り付け、車内にいる犯罪仲間達――中折り帽とトレンチコートに身を包んだ三人の男達―――が車窓から上体を乗り出し、銃を次々と撃ち放ち始めました。
 ミスギャングはアパートメントの外付け階段へ降り立つと、別に待機していたオートモービル、黒塗りのリンカーンへと飛び乗り、天蓋の淵を掴んで素早く車内に潜り込み、炎の化身と化した銀行へ両の指を銜えひゅうっと鳴らしました。

『ロッソ、早くして!』

 空恐ろしい高温に耐えられなくなったガラスがまた一枚弾け、その奥で―――。巨大な人の影が揺らめいています。すると、二階部分――先ほどギルバートが煉獄への仲間入りを果たした――のガラス破片が飛び散り、人程の大きさの荷を抱えながら、禿頭の大男が宙を舞いました!どん、と路面へ着地すると、手足をばたつかせる荷物を後部座席へ放り投げ、ミスギャングのリンカーンに乗り込みます。

『男は無事よね?』

 ロッソは全身水を被ったのか、ずぶ濡れのコートを脱ぎ捨て、傷痕だらけの頭を縦に振り寡黙に頷きました。それを確認するとミスギャングは仲間の乗ったバッカードへ合図の音を鳴らし、発進させました。
 さてさて、これはどういった事態なのでしょう?
 クミノ中佐はギルバートという男を捕まえる目前で自殺未遂を決行され、彼の身を案じたシオン婦人が駆けつけた所時すでに遅し、そして謎の女性とその仲間、大犯罪集団達の乱入、そのままギルバートを拉致して行くではありませんか!
 大変、大変―――さあ大変!
 ただの映画好きであったその青年がとんでもない秘密を持っていたのです!この滑稽でヒステリックなネズミ捕り劇は一体どう決着が付くのでしょう。
 
 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

 クミノ中佐達が乗っていたラサールは奇跡にも無事でした。クミノ中佐が兵卒のハワードを煽り立て、自動車を出すように指示しました。やや掠れた音を出した後、エンジンがフル回転、ギャング団を追いかけるように、オープンモービルは路上を滑り出しました。

『見失ったらただじゃ済まさないから』

 ハワードは脅されて瞠るようにフロントに食い入り、必死にハンドルを切ります。しかし――――。

『中佐!先ほどの婦人が……』

 それは、天地がひっくり返るような形相でした。
 何と、ついさっき失神していた筈のシオン婦人が、裾を持ち上げ、クミノ中佐達が乗るラサールを神速の如く追いかけてきてるではありませんか。膝を腹の鳩尾辺りまで振り上げ、跳ねるように地を蹴り、脚を機関車ピストンよろしく、振り回しています。その表情と言ったら!流石にこれには恐怖を感じたのか、クミノ中佐でさえ顔を引きつらせ、強ばらせ、ピカソの幾何学絵画のようになってしまいました。

『待てぇええい!おのれら逃がさへんでぇぇえ!』

 すでに厚化粧の化けの皮は剥がれ落ち、汗と油にまみれた顔で肉が千切れんばかりに唇を食いしばり、猪突猛進!疾走し続けるラサールに一っ走りして追いつこうとします。もはや人間の為せる業ではありません。
 クミノ中佐は、やや冷静さを欠いて、ピストルを後方へ撃ち放ちました――――しかし、シオン婦人は山岳を駆ける野馬や野鹿の如く飛び跳ね、器用にも被弾を免れました!この世の生き物とは思えません!さあさあ、いよいよ、奇怪シオン婦人はラサールに追いつき、そのままラサールの後部トランクに飛びつきしがみつき、振り落とされまいと剛力で掴みかかりました!
 クミノ中佐とハワードは後ろを振り向くともはや貴婦人の貞淑さの欠片もない、世にもおぞましい怪物が居座っていました。クミノ中佐はハワードに怒鳴り、ハンドルを切るようにああしろ、こうしろと詰り倒しました。
 というもの、いずれの策も不発に終わり、シオン婦人は一向に振り落とされる気配すら見せません。車体は左右に大きく揺れ、それに波打つようにシオン婦人の身体も路上の空中で、流れに任せて泳ぐ魚のように身をくねらせていました。
 路面に轍を響かせながら頭を走るギャングの一団は、追跡を逃れようと角を曲がり裏道に入り、あらゆる物をなぎ倒して突き進んでいきます。次に続きますのはミスギャングとギルバートが乗ったリンカーン、それを追跡するクミノ中佐達のラサール、そして宙づりのシオン婦人――――その後に政府直属のギャング狩り専門新鋭集団BOIの男達が駆けつけ、警察の車が続くのでした。
 金融街を抜け、銃声!ホンキートンクを抜け、銃声!ホテルの連なる建物の群れを抜け、銃声!靴磨きの横を抜け、銃声!棺桶屋の傍を抜け、銃声!ブディックやオープンカフェを抜け、銃声!教会を抜け、銃声!――――珈琲を引っかけ、借金を追い立てる守銭奴のトップハットを泥だらけにして、女性のロングスカートを煽り、散歩する老婆の腰を抜かせ、失業者が片手にしていた新聞を空へ吹き飛ばし、干された衣類を無茶苦茶に掻き回して、御者の鞭打つ馬車馬を怯えさせ、それでも走ることを止めない都会のカウボーイ達。
 やがて……。

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

 かつて……。
 古き良き世界があった。
 いつの間にかそれは過去になってしまった。
 時は緩やかに流れ、変化する。
 ホモ・サピエンス―――或いは考える猿―――と名付けられた赤子は白黒の夢を見た。地上に往来する馬、世界を旅する紙、天まで届く塔、大空を飛び回る鉄、声を真似る機関、夢を映し出す箱、夜空に駆け上り、ついに天の彼岸に辿り着く鳥。
 そのモノクロームの幻影は万物流転を見せてくれる。焚き火を囲う人影、甲冑を纏う群衆、女王の首を落とす市民、荒野を陽気に駆ける男達、機関車は走り、都市は改築を重ね、世紀の墓標であるかのように楼閣は天蓋へと頂を伸ばし、草原はコンクリートに変わり、道は触手を伸ばし、動物は鉄のジャングルに幽閉された民となった。その日暮らしの毎日はやってきて、陽は昇り、雲は翳り、雨は降り、やがて深い深い、睡臥の時を迎える。
 しかし、怒濤の変化はあのモノクロの夢を見せてくれる変わりに、心というゴミ箱に記憶と歴史を捨てることを要求する。誰だってそうである。忘却こそ人間であるところの幸福の本質だからだ。それ故、記憶を詰め込んだポケットには必ず忘却の穴一つか二つ空いていて、そこから大事な物がすっぽり抜け落ちていく。
 例えばイデアの比喩のように、我々は鎖に繋がれた奴隷かもしれない。ただ、地上から投影される揺蕩う影を現実だと小さな誤解をしているかもしれない。我々の一人がそのモノクロの世界の向こうに広がるモノを見てみたいという欲求に駆られたとしたら、そして、鎖を引きちぎり、やがて小さな渡り鳥が旅立ったとしたら、我々は笑って彼を見守っていようじゃないか。彼と新しい時代の人々はきっと我々を滑稽に映し出してくれるだろう。きっと彼らはこうやって我々と同じように笑っているに違いない。
「ああ、そんな時代もあったな」と。

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

 クミノ。
 ササキビ・クミノ。

「クミノ」

 クミノは瞼を開いた。
 目映い散光が開かれた瞳に侵入して、思わず手を翳す。顔に温かい真っ白な光当たって視界が滲む。光は広がる世界を阻み、輝かしい陽光が網膜を刺激して、白いモノクロームを作り出した。クミノは目覚めの不安を捜し当てるように手探りでシーツを掴む。全身が凝り固まって、ゆっくり臥していたベッドの中で背伸びをした。
 肺で息を吸い込むと、冷たい空気が全身を駆けめぐる。
 ニワトリの声が聞こえる。薄いカーテンが揺れるような衣擦れの音。どこからか冷たい風を運んで頬を撫でる。遠い、漣と砂が混じり合う音が耳を擽る。食器がかちゃかちゃと擦れ合うような音。焼き立てのパンと卵、珈琲の匂い。意に反してベッドにくるまる身体、干し立てのシーツの匂い。

「ここは何所?」

 クミノは白濁した、目覚めの心地よさに似た意識を起こすように、上体を反り起こして自分の名前を呼んだ女性に話しかけた。

「クミノ」

 女性の声はもう一度、クミノの名前を呼んだ。

「何?」

 スリッパを引きずるような、ウッドフロアを歩む音。ゆったりとした溜息に似た息づかい。身構えようにも身体が思うように動かない。身体が弛緩して、どんなに強い意志も清々しい朝の雰囲気に負けて、心の中で消えていく。まだ目は半開きのまま。自然に自分の手が目の辺りを擦る。

「夢を見ていたのね」

 ベッドが軋んだ後、びっくりするほど冷たい手が額に当たる。それは悲しい冷たさでも、恐怖の冷たさで、孤独の冷たさでもない。食器を洗ったばかりの、水に濡れて間もない優しい冷たさの手だった。清潔に切りそろえられた爪が、額を撫でて、小さな自分の頭を抱きかかえた。
 その瞬間、クミノは悟った。
 その女性が誰なのか。
 香ばしい匂いが染みついたエプロンの。
 
「………お母さん」

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

「その男を渡せ、クミノ中佐。捜査局長官の命令だ」

 夕間暮れの丘。
 麦畑が広がり、古めかしい自動車がいくつか横転している。廃退的な人工物がそこに倒れているにも関わらず、辺りはひっそりと静まりかえり、風が麦の穂を揺らせて、オレンジ色に染まった空へ飛んでいく。
広大な畑に、ぽつんと幾人かの影が取り囲んでいる。中折り帽を被った政府のエイジェントらしき男がもう一度、渡せとクミノに冷たく命令した。黒光りするピストルを向けながら。その横でかつて自分の部下であった、長面のエドワードという男が血だらけになって麦畑に臥している。

「そのギルバートという男はドイツ人の工作員だ。お前に上手く取り入って情報を敵国にリークしていたんだぞ」

 隣には、トレンチコートを着た蒼い髪の少女と、化粧が殆ど落ち、沈痛な面持ちでクミノを見守る、ドレスを着た黒髪の背の高い男が立っていた。
 クミノの後ろに、その青年の気配を感じる。金髪で眼鏡をかけた青年。表向きには映画作りに生涯をかけた、しかし、裏では国に潜伏するスパイ。振り返ろうとして、止まる。
 クミノは思い出す。それは自分のものではない、偽の記憶だった。
 ギルバートという青年と通りのカフェで知り合った陸軍の女兵士。
 蘇る幻影。
 クミノの記憶にはくっきりと、自分を象る別人間の人生が描かれていた。
 共に映画を見に行き、劇場を後にし、密かな夜を共に明かしたことを。その夜、様々なことを語り合った、愛、人生、哲学、思い出について。その青年はクミノの他に婚約していた女性がいた。だから、お互い割り切った関係だと考えていた。しかし、ある日ギルバートの恋人と呼ばれていた女姓は殺された。代議士の娘である婚約者を。その頃すでに、政府の捜査局から軍上部へと情報漏洩の通達が入る。それを知った女中佐はギルバートに問い質そうとして、当の本人は恋人の死を苦に自殺をしようとして―――結局政府の捜査局に捕まり永遠に闇の中へ葬り去られる。
 真実かは定かではない。
 それは映画の作り話であるかもしれない。或いは悪戯な映画監督の死が見せる幻影なのかも知れない。ただ、分かったのはこの青年をここで渡せば、また同じ茶番が続く。延々とモノクロの世界で彷徨い続けることになる。

「さあ、わた―――」「ダメよ!クミノさん」

 蒼い髪の少女、ギャングの格好をした灯藤・かぐや(びとう・かぐや)はGメンの言葉を遮って叫んだ。

「今ギルバートを渡してしまったら、また同じことの繰り返しよ!」

 クミノは唇を噛み締める。
 同じことを何度も繰り返されていたのだ。記憶を消され、フィルムのように巻き戻され、ここで青年を引き渡し、顛末がないまま最初へ戻る。ギルバートという青年の魂を解放しない限り、時間の流れがないこの世界で、フィルムの世界で幽囚の身となる……。

「いい加減にしろ!これは国家の危機に関わる問題だ。渡せなければ、暴力の行使もやむを得んのだぞ」

 幾人の男達がどこか空々しい台詞を吐いてクミノ達に歩み寄ろうとする。

「ここは私のお箸拳で……」

派手なドレスを着たシオン・レ・ハイが、二本の棒を持ち構える――――その瞬間ひゅっ、と風切り音に似た衝撃が彼を襲う。不思議な力が、彼の身を吹き飛ばした。

「な、何故……」

 麦畑の絨毯に倒れ込んだシオンが苦悶の表情を浮かべ、顔を上げる。

「夢を終わらせたくないようね、ギルバート」

 クミノは後ろを振り向く。
 そこに端正な輪郭の、美青年を思わせる青年が俯き加減に立っていた。橙色の夕陽に照らされた眼鏡に反射し、黄金色の畑で佇立したまま、今置かれている運命の時をひたすら享受しているようだった。麦畑に吹き込む風がまた重い空気をかき混ぜて、クミノの髪の毛を絡ませて空へ飛び立っていく。

「貴方はエンドロールを迎えたくないようだけど―――」

 クミノは掌をギルバートに向ける。それは、子供の時からずっと自分という存在を形作る壁。自分を守るだけの壁であったものが、いつの間にか他人を拒む障壁となったもの。

「―――私は元の世界に帰りたいの」

 ギルバートの眼鏡にヒビが入る。

「そうだね。そろそろ潮時かな」

 ギルバートは初めて口を開いた。途端に、オレンジ色の夕景も穂の群れも、滑稽な映画の登場人物も消えて、白黒の世界になった。

 カタカタ。
 カタカタ。
 カタカタ。

 白と黒。
 夢と現実の境。
 ギルバートはモノクロの世界の、灰色の舗装路とベンチの前で、映写機を傍らに立っていた。それ以外は何もない。紗を重ねたよな縦糸と横糸の模様を描いた路面が、ギルバートから遠く離れていく程、真っ白の世界へと溶けていく。
 ギルバートはカメラの調整をしてから、リールを巻き戻し、深い溜息を付く。心なしか肩が下がり、落胆しているようにも見えた。やがて壊れた眼鏡を外して、クミノに目を遣り、微笑んだ。

「いいんだよ、夢を見たままでも。君の大事な思い出は見つかったんだろう?」

 クミノはギルバートから視線を逸らして、彼の映写機が映し出す向こうの世界を見つめた。そこには、クミノがいた現実世界の、名前さえ知られていない―――都市に埋もれていく―――古びた映画館がスクリーンに切り取られて、観客席を映し出していた。そこにはクミノ自身がクミノを見ていた。観客席に座り、口を開けたまま、呆けるように自分がこちらを食い入って見つめている。

「思い出は―――」

 クミノは呟いた。

「―――歩き続ける足を止めさせて、過去に振り向かせようとする。でも、そこには何もない。ただ、未来からやってくる明るい、白い光が私の影を映し出すだけ」

 ギルバートはもう一度ふうと嘆息して、クミノに向かって慇懃に礼をする。

「大丈夫。君の目には光が見えるんだろう?新しい時代の光が」

 クミノは静かに頷いた。

「それも夢かもね。誰かさんが作った」

 ギルバートは顔を綻ばせて、肩を竦めた。

「その誰かさんに宜しく言っておいてくれよ。『君の時代の映画館で人生を変えることができるのかい?』ってね」

 クミノは答えなかった。
 やがてギルバートの映写機が映し出す世界へと歩き出した。一歩一歩、何の情もない時計がただ刻むだけのように、向こう側へ歩いた。
 白と黒。現実と幻影の境。その後ろで、誰かが笑っているように感じた。それはクミノを形作る影なのか、それとも影が映し出すクミノの記憶なのか、或いは遠い誰かの幻影なのか―――分からなかった。

 カタ…カタ…。
 カ…タ………カ……タ。
 ……………カタ。

 映写機の規則的な音が止まった。生きる者の心臓の音のように、誰かが過去という映像に生きた証のように、同時に白黒の世界が消え去った。
 クミノは観客席を暫く見渡して、映画館の出口へと踵を返した。
 ふと後ろを振り返ると、誰一人として過去を省みる者はいなかった。
 唯一クミノの影を残して。


□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
□■■■■■■□■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
1536/灯藤・かぐや/女性/18歳/魔導学生
1166/ササキビ・クミノ/女性/13歳/殺し屋じゃない、殺し屋では断じてない。
3356/シオン・レ・ハイ/男性/42歳/びんぼーにん+高校生?+α

□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□
■         ライター通信          ■
□■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□

遅延して大変申し訳御座いませんでした。
無声映画ということで、ト書きが少々弁士風になっております。
実は当初、各々のPC様を視点にしたサブストーリからメインへ合流していく予定でした(ギャングのお話や仕立屋のお話)が、時間の都合で完成に至りませんでした。
それは一概に僕の技術不足に起因すると思われます。暫く勉強して、初心から立ち直ろうと考えてます。また機会がありましたら、よろしくお願い致します。

NPC:ギャング仲間のロッソ 映画監督のギルバート 兵士ハワード 他