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<東京怪談・PCゲームノベル>


『幻想風華伝 ― 夢の章 ― 哀しい白き花 』


 守れた。
 あなたは守れたのね。
 ジゼル。アルベルトを。
 うらやましい。
 愛を貫き通したあなたが。
 でもあなたは、知っている?
 本当ならあなたはアルベルトと結ばれていても良かったことを。
 勝手な話。
 酷い話。
 どうしてあなたは死んで、ウィリとなって、だけどアルベルトを守れたというの?
 何故あなただけが?
 私は私。
 私はの物語は?
 私は気づけばウィリだった。
 ウィリとしてこのお話の中にあって、そしてウィリのまま。
 哀しい亡霊のまま。
 私たちはただ、物語の悲劇性を演出するためだけに用意された存在。
 なら、私は復讐をしましょう。
 この物語に。


 白き花は哀しき花………


 私には役割以外には物語は無い。
 でもジゼル、あなたにはあるわ。だから私はあなたを使って復讐をするの、この物語に………



 ―――――――――――――――――『幻想風華伝 ― 夢の章 ― 哀しい白き花 』



【第一幕 物語の世界からの使者】


 東京某所にあるリンスター財閥総帥セレスティ・カーニンガムの屋敷。
 その屋敷のダンスホールでは盛大なパーティーが開かれていた。
 政財界の有力者、一流芸能人が集い、そしてダンスホールに流れる音楽は鹿島交響楽団によって奏でられている。
 このパーティーの主役たるディアナ・セス バレー劇団が公演したジゼルで使われた音楽をアレンジした曲だ。
 とても静かに緩やかに流れるその音楽を耳にしながら今パーティーの主催者たるリンスター財閥総帥セレスティ・カーニンガムは穏やかにディアナ・セスの功績を、彼女の率いるバレー劇団公演の大成功をねぎらっていた。
「ありがとうございます、総帥。ですが今回の成功はリンスター財閥の支援が本当にとても大きかったと思いますの。我々の力だけではあそこまで成功することはできなかったでしょう。本当に良い花道をご用意してくださり、感謝しております」
 セレスティの知己であるディアナは高齢を理由に劇団の経営からは引退し、故郷の田舎街でバレー教室を開く事になっている。それを彼女から手紙で知らされたセレスティが今回の公演をリンスター財閥主催のバレーの公演とし、彼女の劇団にそれを要請したのだ。
 紅いワインが入ったグラスを軽くぶつけ合い、セレスティは彼女の子どもたち、と言っても良いまだ若すぎる劇団の面々を見据えた。
「私をそこまでお人よしの甘い人間だと思いますか、ディアナ? あなたが最高のバレリーナであり、そして指導者としても有能である事を私はちゃんと知っているから、あなたの劇団に公演を要請したのです。間違い無く今回の成功はディアナ、あなたの功績です」
 ディアナは花が咲きほころぶようにたおやかに微笑む。
「総帥、あなたにそこまで誉められるなんて、少し後が怖いですわね。ひょっとしてまだこの老体を動かそうなんて、考えているんじゃなくって?」
 気心の知れた知己、それを感じさせるディアナの屈託の無い態度にセレスティは微苦笑し、それから軽く肩を竦めた。
「悟られましたか。ええ、あなたを引退させるには早すぎる、そう想いましてね。どうですか、もう少し私のお手伝いをしてくれませんか、ディアナ?」
「ごめんなさい、総帥。いえ、セレスティ。でも私の孫娘をお願い。私のバレー劇団は彼女が立派に受け継いでくれるわ。私はそれを見つめ続けたいの。そして期待したいのよ。次の風に。風は命の源だわ。風が吹くから、世界に花の種は届けられるのだから」
 そう言って笑うディアナの深い皺を刻んだ顔をセレスティは素直に美しいと想った。
 歳をとることは悪くは無い。
 若い時には見えなかった物が見えるようになるし、思量も深くなる。それは積み重ねてきた年齢の分だけの経験に裏打ちされた生きる為の法則を掴むテクニックを手にするという事に等しいからだ。
 そして人はやはり歳を重ねるだけ変わるものだ………
「少し寂しい感じがしますね」
 ワインを一口飲んで湿らせた唇を動かしてセレスティが言葉に紡いだ心にディアナは小首を傾げる。それはどこか彼女を年齢よりも幼く見せた。
「若い頃のあなたはとても野心に満ち溢れたアグレッシブな女性だったですから。そのあなたが随分と穏やかになったものだ」
 これだから昔を知る者は厄介だ、そうありありと感情を読み取れるような苦虫を噛み潰したような表情をディアナはした。
 セレスティは悪戯っぽく笑う。
「覚えていますよ。あなたが私の部屋に忍び込んできて、まとっていたバスローブを脱ぎ捨てて、私を夜這いしてきたことは」
 ディアナは初心な生娘のように頬を赤らめた。
「言わないで。若かったのよ、あの頃は。あなたを私の美貌と肉体で虜にできる、そう信じて疑わなかったのだから」
「そうですね」
「でも」
「はい?」
「あの時はあなたに拒絶されて私、とても傷ついたのよ? 19歳の乙女の身体にあなたったら少しも興味を示さなかったんですもの。据え膳食わぬは男の恥とか、って言うのに。本気であなたは女に興味が無いんじゃ、とも思ったわね」
 恨めしそうなディアナの視線にセレスティはとても美しく微笑む。
「でもだからあなたとはこうして友達になれました」
「そうね」
 二人は穏やかに微笑みあいながらワイングラスを軽くぶつけあった。
 そしてセレスティの元にパーティーのスタッフが来て、耳打ちをする。
「ディアナ、あなたにスピーチしてもらいたいそうです」
「ええ。これが本当に私の最後の花道ね」
 通りかかったウェイターにディアナは空のワイングラスを渡して、マイクの方へと歩いていった。
 それを見送って、それから彼は黒のイブニングドレスを着た少女に視線を向ける。
「セレスティさん、ワイン、飲みますか?」
 両手にワイングラスを持ってやってきた綾瀬まあやにセレスティは頷き、それから彼女が両手に持つグラスを受け取った。、そう、両手の。
 少し不満そうにするまあやにセレスティは肩を竦め、視線でウェイターを呼ぶと、彼に左手のワイングラスを渡し、代わりにグレープジュースを受け取って、それをまあやに差し出す。
「果汁百パーセントのグレープジュースですよ、まあや嬢」
 まあやは小さくため息を吐くと、そのグラスを受け取る。
「はーい」
 未成年者はお酒は飲んではダメなのだ。
 軽くグラスをぶつけあい、一口それを口にしあう。
「美味しい」
「でしょう?」
 どこかあどけない顔をしたまあやにセレスティは悪戯っぽく笑った。
「ところでスノーは? 先ほどから姿が見えませんが」
 そう口にしたセレスティにまあやは肩を竦め、ポシェットからハンカチで簀巻きにしてやったスノードロップを取り出した。
 思わずセレスティは目を瞬かせて、その後にくすくすと笑う。
「わ、笑ってないで助けてくださいでしぃ〜」
 ようやく口を塞ぐさるぐつわを口からはずして、スノードロップが助けを求めて、セレスティはまあやにわずかに傾げた顔に悪戯っぽい笑みを浮かべてみせる。
「だそうですよ?」
 まあやは肩を竦めて、スノードロップを開放する。
「だってあんまりにもテーブルマナーが悪かったですもの」
 初めて逢った時は感情らしい感情などまるで見せなかった彼女だが、最近はそれでも年頃の少女のそれにふさわしい表情を見せるようになってきたと想う。それを素直にセレスティは喜びたいと想った。蕾が花開いていくように感情を凍てつかせた温度を温かくしていく彼女を見守りたい。
「正解だったようですね。今夜のパーティーに呼んだのも」
 小さく呟いたセレスティにまあやは小首を傾げるが、しかしセレスティは何でも無い、と、首を横にふった。
 そしてそうならそれ以上は触れない、というのもまあやだった。
 ただ代わりに彼女はひとつ質問をする。
「それであの、セレスティさん。ジゼル、ってどんなお話なんですか?」
「おや、まあや嬢は知りませんでしたか」
「ええ」
「わたしも知らないでし!」
 セレスティはひとつ頷いた。
「ジゼルというのは有名なバレーの演目で、ジゼルという貧しい村娘が、アルベルトという若者に恋をするのですが、しかしその彼が貴族であり、そして彼には婚約者が居ることを知ってしまうのです。そしてジゼルはそのショックで死んでしまい、ウィリという亡霊の仲間入りをしてしまいます。ウィリというのは嫁入りする前に死んでしまった処女の少女たちの亡霊で、夜の森、ウィリたちが支配するその死の世界に迷い込んだ者を踊らせて、殺してしまうのです。そしてそこにジゼルを探しにきたアルベルトが入り込んでしまう。彼はウィリたちに殺されそうになりますが、しかしジゼルは彼と踊り、アルベルトを救い、夜明けと共に死者の世界へと戻っていく。それがこのジゼルのお話なのですよ」
 言い終えたセレスティにスノードロップはどんぐり眼からぼろぼろと涙を流した。
「悲しいお話でしね〜」
「そうですね」
 それから彼はまあやを見据える。彼女はひょいっと肩を竦める。
「毒舌、しか出ませんけど?」
 苦笑しながらセレスティは肩を竦めた。
 それから彼はディアナのスピーチが終わり、天井から降りてきたスクリーンを指差した。
「これからそのジゼルが流れます。今回のパーティーの主役である劇団が公演しましたね」
 そしてオーケストラの音楽が途切れ、ダンスホールの壁のスピーカーから音楽が流れ出す。
 映像が始まる。
 約3ヶ月間公演されたジゼルの中でも一番の公演だったと賞される回を、DVDとして商品化した物をここで流そうというのだ。
 ジゼル。第一幕。愛らしく無邪気に花占いをするジゼルを若く魅力溢れるバレリーナが演じている。
 だがその映像が歪む。波紋が浮かぶようにスクリーンの中心から外へと、それが広がっていき………
「ふむ。この波動は映像の中から?」
 セレスティが興味深そうにスクリーンを見据える。
 周りには色は無い。次元の書き換え、もはやこのダンスホールは異界となり、力無い者の存在は掻き消えている(つまり石などと同じような存在として世界に認識されてしまっているので、姿が無くなっている。が、魂はあるはずだ。)。
 そのスクリーンから果たして飛び出してきたのは、兎耳の男。
 そいつは慇懃無礼に会釈をした。
「お初にお目にかかります、セレスティ・カーニンガム殿」
 セレスティはその突然の訪問者に鷹揚に頷いた。
「いかにも。して、あなたは?」
 そう言う彼の声は静かで穏やかですらあった。この目の前の兎耳の男が自分に対して敵意を持ってはいない事は気配でわかったし、そしてたとえそれを一瞬で切り替えて攻撃してきたとしても、それを余裕で迎え撃つ事のできる力は持っていた。それゆえの余裕。
 しかし兎耳の男もまたそれを気にせずにマイペースで事を進ませようとする。
「私としてもものすごく面倒くさくってしょうがなかったりするのですが、そうもいかずにあなたを迎えに来ました。あいにく物語から物語へと旅する旅人たる私はたとえ変えられてしまったとはいえ、物語に手を出すのは禁止されていましてね。故に毎回あの迷惑な二人組みが物語を書き換えてしまう度に力ある者を物語へと招き入れているのですが、今回はこの物語は少々話が込み入っているので、ですからこのジゼルの物語を誰よりも理解している能力者を迎えに来た次第でしてね」
「ほぉ」、と、セレスティは目を細めた。
 それから隣でまあやとスノードロップが肩を竦める。
「冥府と白亜の事はご存知よ、セレスティさんは」
「これは闇の調律師。居たのかね」
「白々しい」
「セレスティさんはこの兎さんは、兎渡(うと)さんと言うでし♪」
 スノードロップの紹介に兎渡はほやっと笑う。
「これは失礼を。そう言えば私はまだ名乗ってはおりませんでした。私は兎渡と申します。冥府と白亜、物語から物語へと逃避行する彼女らを捕まえるために動いております」
「なるほど。私も以前白亜と冥府には出会っています」
 セレスティは静かに微笑むが、その横顔はどこかこの皮肉な運命を憂いているようにも見えた。
「それで白亜と冥府は今回はジゼルの中に?」
「ええ。見事に物語の世界を壊してくれました。ただ………」
「ただ?」
「今回白亜が誰の願いを叶えたのかがわからないのです」
「それはどういう事ですか?」
「ええ。私が見たジゼルの世界は既に違う世界。ジゼルが死んでしまう原因は愛するアルベルトが貴族である事を知ってしまうからですが、それを彼女に知らせる役割を担うヒラリオンが殺されたのです。犯人は誰だかわかりません」
「ふむ。なるほど」セレスティは形の良い顎を触った。
「しかしそれならそれはジゼルなんじゃないの?」
 まあやが割って入る。どこかその声は不機嫌そうだ。だがそれを訂正したのはセレスティだった。
「そうでしょうか? もしもジゼルが白亜の力を得たのなら、彼女はその力で自分は死なないように、そしてアルベルトと逃避行するのではないですか? 彼女はウィリとなっても彼を守り抜いたのです。その愛は無償。それほどまでにジゼルはアルベルトに恋をしていた」
「馬鹿ですよね」
 切って捨てるまあやにセレスティは優しく微笑んだ。優しい父親が頑なな娘を愛おしく見つめるように。
「推理力と戦闘力。それが伴なう私には相応しい物語かな?」
 セレスティは微笑み、兎渡は慇懃無礼に頭を下げた。
「やってくれますか、セレスティさま。それでは、あなたをジゼルの世界へとご招待しましょう。して、闇の調律師よ、キミは今回はどうするかね? 随分とジゼルの世界がお気に召さないようだが」
 そう言う兎渡をまあやは睨みつけた。
「あたしはやめておく。すみません、セレスティさん」
「いえ」
 優しくセレスティは微笑み、そんな彼の右肩でスノードロップが元気良く手を上げる。
「わたしがしっかりとセレスティさんのサポートをするでし♪」
「はい」
 そうしてセレスティはジゼルへと誘われた。



【第二幕 夜の森】


 兎渡は次元を渡る。
 そして人を次元へと導く。
 ジゼルの物語の中。
 そして入り込んだその場面は、暗い夜が支配する世界。
 ウィリたちの踊りのシーン。
「これはわざとですか?」
 わかっていてたおやかな笑みを浮かべながらそう問うセレスティに兎渡は肩を竦めた。
「警告、でしょう。これは敵の」
「でしょうね。ですが、私は楽しんでおりますね。見て御覧なさい、あのウィリたちの美しい舞いを。これまで幾度もジゼルを見てきましたが、これほどまでの美しくも儚いウィリの舞いは見た事はありませんよ」
 感心したような顔でウィリたちの踊りを愛でるセレスティに兎渡はため息を吐いた。
「あなたという人は。しかしだから心強い。ですがここに居る事は危険です。移動しますよ」
 兎渡が目を細めて、その能力を発動しようとした瞬間、しかしそれをセレスティが軽く上げた手で制した。
「待ってください。あれは…」
 セレスティの見ている方向を見て、兎渡も目を細める。
「ヒラリオン。あれはヒラリオンです。ヒラリオンの霊」
 ウィリの女王ミルタとヒラリオンの舞いが演じられる。
 儚くも美しい、そして、恐ろしい………



 ウィリ―――
 結婚する前に死んでしまった処女の少女たちの亡霊。
 そのウィリたちの女王ミルタ。



 ウィリたちは踊る。美しい舞いを。踊り続ける。
「ぞっとする光景ですね。ウィリに魅入られた者は死ぬまで踊り続ける」
「ええ。ですからこれ以上長居は無用です。移動しますよ」
「ええ」
 兎渡がその能力を発動し、そしてセレスティたちは渡り(物語を移動する事)に入る。
 その能力によって今しも移動しよう、とした瞬間、セレスティは自分を見る凍てついた視線を感じた。それは美しくも儚い踊りを演じるウィリたちの方から確かに感じていた。



【第三幕 バチルド】


 そこは貧相だが、しかし村の人々の笑顔が満ち溢れた場所。
 まだジゼルが幸せに笑えているシーン。
 アルベルトと共に。
 まるでそれは永遠に続くような幸せ………
「皆さん、楽しそうでしねー。ジゼルさんも楽しそうでし♪ 幸せになれるといいでしねー♪」
 周りを見まわしながらスノードロップがのんきそうな顔をするが、しかしそれに兎渡が顔をしかめた。
「そうだね。しかしそれではダメです。これはジゼル。正しき物語に直さないとね。たとえそれがジゼルの悲劇であろうと。人の見る夢とは違うのですから。ひとつの物語の乱れを許せば、すべての物語が壊れてしまう」
 ぴしゃりと言い捨てる兎渡にスノードロップはあっかんべーをした。
 セレスティはくすりと笑う。
「ですがジゼルに恋するが故に、貴族だという身分を偽りジゼルと恋をするアルベルトのその嘘を暴き、彼の婚約者をここへと呼ぶヒラリオンはもういない。だからこの物語はこのまま続く。無論、ですが、アルベルトが貴族である限り、そして彼に婚約者が居る限りは、その幸せは続かない。では、そうならないためにはどうすればいいでしょうか、スノー?」
 微笑みかけるセレスティにスノードロップは自分の顔を指差して、それから小首を傾げた。
「かけおち?」
「そうですね。その手もある。ですが、この敵はジゼルが幸せになる、そのためにこの修正を行っているのです。確かにかけおちすれば二人はずっと一緒に居られる。そこに愛があれば、どのような困難も乗り越えられるでしょう。でもね、スノー。もっとジゼルが幸せになれて、彼女がアルベルトとずっと一緒に居られる方法があるでしょう?」
「ほえ?」
 さらに小首を傾げるスノードロップにセレスティは悪戯っぽく微笑んだ。
「玉の輿。ちなみにこれはお玉という大根売りの娘が大奥に入って、将軍となった子を産んで、実権を掴んだことから生まれた言葉なのですよ」
「ほぇー」
 ぱちぱちとスノードロップは無邪気に手を叩く。
「つまり、次に敵が狙うのは、アルベルトの婚約者であるバチルド姫、という事です。彼女を殺せば、ジゼルにとっての邪魔者は居なくなる」
「ほぇ」
 セレスティは兎渡を見ようと視線を動かすが、しかし彼は居なくなっていた。
「兎渡さんは物語の中に人を連れてくる事しかできないんでし」
「ふむ。では、私たちが自分で彼女の元へ行かねばならないという訳ですか」
 場所がわからない。この土地での勘など無いのだから。
 そうしたらそこに一台の馬車が通り掛かり、そしてその荷台の扉が開き、タラップが降りる。
「ごきげんよう」
 そしてその荷台にいる人物がにんまりと微笑む。
 その彼女を見て、スノードロップはセレスティに抱きついた。
「ひょえー。紫陽花の君でしぃ」
「紫陽花の君? キミがそうですか」
 彼女は無邪気に微笑む。
「あら、あたしの事をご存知なのね。嬉しいわ」
「それで紫陽花の花の如くうつろぎなあなたは今回はどのようなおつもりでここに?」
「今は、あなたとご一緒したいと想って。どうかしら? 名探偵さん」
 差し出された手は無視をし、しかしセレスティは荷台へと乗った。
 馬車はゆったりとしたスピードで走り、そしてやがてその場所は花畑の横を通りかかる。
 その花畑ではジゼルが無邪気に花占いをしている。それを見て紫陽花の君は鼻を鳴らした。
「馬鹿よね。マーガレットなんかで花占いをしてさ」
「ほぇ?」
 わからない、小首を傾げたスノードロップにセレスティは優しい教師のような穏やかな声音で説明してやった。
「マーガレットの花びらは偶数なのです。ですから好き、から始めてしまえば、どうしても終わりは嫌いになってしまう。ジゼルの物語ではアルベルトが貴族であり、そのうえ彼に婚約者まで居ることを知ってしまったジゼルはショックのあまりに何も考えられなくなり、そしてこの場所で何度も花占いをして死んでしまう。マーガレットの花で」
「ふぅわ」
 馬車の荷台の窓の向こうでジゼルは鼻歌を歌いながら何度も花占いをしている。本当にアルベルトを恋しく想いながら。
「やっぱりこのままじゃダメなんでしか?」
 上目遣いで自分を見てくるスノードロップにセレスティは顔を横に降った。
「残念ながら」
「ふぅえ」
 泣きそうになるスノードロップにしかし紫陽花の君が酷薄に笑う。
「ならばあなたも敵側につく?」



 +++


 馬車はバチルドの屋敷に到着した。
 そしてセレスティとスノードロップはその屋敷の門を叩き、良き客人として主に招き入れられる。
 もてなしは立派であった。
 高級なお茶に、料理。
 高級な部屋。
 この物語ではセレスティは貴族であり、バチルドの父親の良き友人という役がついていた。
 屋敷についてからの時間の過ごし方は、客間での雑談。
 それをするのはバチルド、その父親、そしてアルベルトであった。
 スノードロップはアルベルトを睨み続け、セレスティは軽やかに彼らとの雑談に興じた。
 紫陽花の君はずっと甘やかに微笑んでいる。
 ………何かが起ころうとしているのは、明らかだった。
 そして夜、豪華な夕食を食し、温かなハチミツ酒を飲んで、セレスティを除く誰もが深い眠りにつこうとした、その時にそれは起こった。


「キャァァァァ――――」


 甲高いバチルドの悲鳴。
 それは恐怖に満ちていた。
 ベッドに腰を下ろし、まるで彫刻家のように瞼を閉じて、静かに黙していたセレスティは杖を持つ手に力を込めて、立ちあがった。
「セレスティさん?」
 服にしがみつくスノードロップを丁寧に剥がして、枕の上に寝かせる。
「すぐに済みます。だからスノーはここで寝ていなさい」
 そう微笑み、血流操作によってセレスティはスノードロップを眠らせた。
 それから彼はやれやれ、というようなそんな苦笑の表情を浮かべるのだ。
「今回の敵をキミに見せるのは忍びないのでね」
 そしてセレスティは部屋を出る。
 館の中ではウィリたちが飛びまわっていた。自分を見た者すべてを踊らせて、死へと招き入れる彼女らだが、しかし何故か今は彼女らはただ踊っているだけだ。
 ただその姿を見せる事で皆を恐怖させ、自分たちの邪魔をさせないようにするために。
 セレスティはバチルドの部屋へと向かう。
 だがその廊下で出会ったのは紫陽花の君。
 彼女はふふんと笑う。
 セレスティは肩を竦めた。
「紫陽花のようにうつろぎなキミが、今度は何を企みますか?」
 彼女も肩を竦める。
「心外だな。まるであたしが悪い子のような言い方。あたしだって、良い子だよ? ほら、その証拠に、この子のお願いを聞いてあげている」
 ぱちんと指を鳴らすと、その紫陽花の君の横にカーテンが現れて、そしてそのカーテンがゆっくりと開いていくと、そこに現れたのは綾瀬まあやだった。
「驚かないんですね?」
 そう言うまあやにセレスティは静かに微笑む。
「紫陽花の君がスノーに、あなたも、と言いましたからね。それでわかっていました。キミは今回の敵の手助けをするのですね、まあや嬢」
 その静かな問いかけに、しかしまあやは迷う事無く頷いた。そしてヴァイオリンによく似た、彼女独自の弦楽器を構える。
「ジゼルがかわいそう。だからあたしは彼女に幸せになってもらいたい」
 彼女が奏で出したメロディーにあわせてセレスティも言葉を紡ぐ。
「これは幸せだと?」
「ええ。だって彼女はウィリにならずとも済むもの」
「ヒラリオン、バチルダ、この二人をそのためなら殺しても良いと?」
 容赦の無いセレスティの言葉にまあやはびくりと肩を小さく震わせる。
「でも本当の物語ではこの二人のせいで、ジゼルは死んでしまうわ」
 奏でられる旋律は攻撃の音階だが、しかしそれはセレスティの動きを止めるだけでしかない。
 どこか頑なな幼い少女が自分の気持ちに意固地になって、我を貫き通そうとするそんな表情を浮かべるまあやに、だけどセレスティは優しく微笑む。慈父が大切な友達と喧嘩して、もうどうすれば良いかわからない、そう泣いている娘に優しく諭すように。
「ジゼルを演じたとある有名なバレリーナはジゼルがウィリたちからアルベルトを守り抜くその気持ちがわからなかった、と発言しています。確かにそうですね。そうかもしれない。貴族である事が知れてしまったアルベルトが選んだのはバチルドだった。彼はジゼルを二度裏切ったのだから。しかし、まあや嬢。ジゼルのその気持ちをあなたは考えましたか?」
 下唇を噛むまあやにセレスティは微笑み、そして音階攻撃によって動きを封じられているにもかかわらずに足を前に動かす。
「ウィリとなったジゼルが手に持っているのは白い百合の花。それが何故だかわかりますか? 白い百合の花はキリスト教では聖母マリアの象徴とされています。それが意味するのは処女性、純潔、そして深い愛。ジゼルは確かにアルベルトに裏切られて、死んでしまうぐらいに悲しみますが、でも彼女はそれでもアルベルトを守り、愛し、それを誇りに想いながら死者の世界へと行くのです。白い百合の花はジゼルのアルベルトへの無償の愛を意味する花。そこまで人を愛する事を知っている彼女が果たして他人を犠牲にし、その果てにアルベルトと共に幸せになっても、それを喜ぶと想いますか?」
 セレスティは静かに語りかけながらまあやへと近づいていき、そして音楽を奏でるその手を握り、引き寄せて、優しく抱きしめた。
「まあや嬢。あなたは見たくは無かったのでしょう? 嘘と裏切りによってジゼルを死に追いやったアルベルトが、なのにジゼルの愛によって救われる様を」
 セレスティの腕の中でまあやが今度は大きく震える。
「それを自分に重ねてしまったのでしょう? かつてその能力の制御が出来ずにとても大切な人たちを殺してしまった事を。キミはだからそれへの許しを欲しがらない。まあや嬢、キミはそんなにも自分が許せないのですか? そんなにも自分の存在が、今を生きる事が罪だと想うのですか? 馬鹿ですねー。だからこそキミは今を笑って生きねばならないのです。きっとそれをキミの大切な人たちも望んでいる。キミは、キミがそうする事で、キミが死なせてしまったと想っている人たちが逆に悲しんでいる事がわかりませんか? 思い出しなさい。彼らが最後にキミに何を望んでいたのかを。まあや嬢。キミは悪くは無い。だからもう、過去から開放されてもいいのですよ」



 過去から開放されてもいいのですよ―――



 セレスティは心からそれを伝え、そう願い、だからまあやは心の奥底から悲鳴のような泣き声をあげて、泣いた。幼い子どものようにただ感情のままに泣いて、
 そしてセレスティはただ、優しい父親のように娘を抱き続け、優しく頭を撫でてあげた。



 +++


 硝子の割れる音。
 甲高いバチルドの悲鳴。
 まあやはわずかに足を動かして、自分から後ろに下がり、セレスティに道を開いた。
「ありがとう、まあや嬢」
 そしてセレスティは杖をついて、バチルドの部屋へと入った。
 そこではウィリたちが踊っており、そしてバチルドもまたウィリたちと共に死の踊りをしていた。
 アルベルトはジゼルのおかげでその死の踊りから逃れられた。しかし………
 彼女に逃れられる術は無い。 
「ならば力づくでやるまでです」
 セレスティは大気中の水分子を操作し、そして彼を取り囲むようにして水珠が現れる。それはまるでひとつひとつが意思を持つようにウィリたちを襲う。
 だがウィリたちも最高の踊り手だ。それを軽やかな美しい舞いでかわし続けていくではないか。
 朝を迎えねば、バチルドは救えないというのか?
 だがしかし…、
 いや、待て。
 セレスティの目の前に輝きが現れた。
 その輝きは朝日にも似た輝きで、そしてその光りが収まり、そこに一冊の本が現れる。
 それは………
「【fairy tale】」
 そう、それはかつて彼が白やスノードロップたちと共に解決した花の妖精たちの想いが記されている書。
 それはただ、出会う花の妖精の花物語が記されるだけの書であると想っていた。
 だけど、それは違う。
「これは…」
 セレスティの目の前に現れた【fairy tale】、それが開かれたページに記されているのは、桜の精の物語。
 そしてそのページに記されている物語が輝き、そのページから契約によって使役されるために桜の精が現れる。美しい薄紅の着物を身にまとったたおやかな少女。
 彼女はセレスティに優雅に微笑み、
 そして彼も微笑んだ。
「お願いできますか?」
 こくりと頷く。
 そうして桜の精は詩を詠うのだ。それは静めの詩。
 桜の精は魔を鎮める。人の想いを花に変える、そう実しやかに囁かれているように。
 清らかな澄んだ声が詩を詠うと共にウィリたちはその場から掻き消え、そしてバチルドはその場に意識を失って倒れた。
 屋敷からもウィリたちの気配は消えている。
「バチルド」
 バチルドの部屋にアルベルトが飛びこんできた。
 そしてそれと立ち代るようにセレスティは部屋から出ようとする。その彼にアルベルトは問うた。
「どういう事なのですか、セレスティ様ぁ? これは、これは何が起こっているのですかぁ? どうしてウィリたちがここに」
 うめくようなその声にセレスティは振り返り、ただ静かに教えてやった。
「ジゼルを救うために」
 アルベルトの顔に衝撃が走った。
「それは、どういう………」
「ヒラリオン。ジゼルに恋をしていた若者が亡くなったのは知っていますね? それもまた、ジゼルとキミを結びつけるために。ウィリたちは、それをしたいのですよ。だからバチルド、彼女を殺そうとした」
「そんな………それでは…では、ジゼルが?」
「いえ、彼女は何も知りませんよ。何も知らないままただ偶数の花びらしか持たぬマーガレットで花占いをしているだけです」
 それだけ言い捨てて、セレスティは今度こそ身を翻し、バチルドの部屋から出ていった。



【第四幕 ジゼル】


 そこはウィリたちの世界。夜の森。死者の世界。
 ヒラリオンはウィリたちと踊っている。
 そしてその中へセレスティは入っていくのだ。
 ウィリの女王ミルタと出会うために。
「やはりあなたが犯人だったのですね、ウィリの女王ミルタよ」
 セレスティはただ静かに言葉を紡いだ。そこには問いただす響きも、責める響きも無い。ただただ本当に静かに言葉を紡ぐ、ただそれだけなのだ。
 それがセレスティが見せるこの夜が統べる死者の世界、ウィリたちの女王であるミルタへの礼節であった。
 ミルタはその雪のように白く美しい美貌に甘やかな笑みを浮かべた。
「その通りです。私は知ってしまったのです。私が存在するこの世界が、人が作った物語の世界であると。そして人はその純愛を、限りない優しさを見たいばかりにジゼルを不幸に、殺した。あの娘は死なずとも済んだはずなのです。なのに…。ですから私は復讐をする事にしたのです。ジゼルをアルベルトと共に幸せにすると」
「愚かな。そのためにヒラリオンを殺し、バチルダを亡き者にしようとしたのですか?」
「ええ、そうです。そしてジゼルをバチルダの父親に命じて養女にさせるつもりでした。ですがそれをあなたが邪魔をした。その報い、ここで受けてもらいますよ、セレスティ・カーニンガム」
 夜の空気の質が変わった。
 それまではただ、死者以外は阻む冷たく鋭いだけだった夜気が、今は明確にセレスティに対して、牙を剥いた。
 そこにいるウィリたちが、一斉にセレスティに襲い掛かる。
 牙を剥き。
 それを冷ややかに細めた目で見据え、ただセレスティは鉛筆を手で折るような感じでただただ当然の如く【fairy tale】を開き、桜の精をその契約の元に償還する。
「馬鹿な。私のかわいいウィリたちが」
「さあ、あなたの牙は無くなりました。降参なさい」
 静かに言葉を紡ぐセレスティにミルタは怒りの表情をその顔に刻んだ。
「想いあがるな、小僧が」
 そう。ミルタはウィリの女王。その力ははるかにそれをしのぐ。
 ミルタは氷の薙刀を手に構え、そしてセレスティに襲い掛かるではないか。
 桜の精は簡単にその薙刀で切り裂く。
 だが顔色一つ変えずにセレスティは【fairy tale】の具現化を止め、代わりに大気中の水分子を操り、それを凝縮させ、無数の水珠を作り上げた。
 それを一斉にミルタへと向かって放つ。
「ふざけるなー」
 叫ぶミルタはその軽やかな舞いで水珠の攻撃をすべて紙一重でかわした。浮かべた酷薄な笑みはセレスティの最後を幻視したからか。
 水で作り上げた剣をセレスティは肉薄するミルタへと放った。
 横薙ぎの一閃をしかしミルタはかわす。もはや疑ってはいない。己が勝利を。
「死ね、セレスティぃぃぃぃぃぃー」
 薙刀の一閃。それによって飛んだセレスティの首。だがそれが胴体から離れたというのに、甘やかに微笑む。
 ミルタの瞳が大きく見開かれたのは、その首も胴体も次の瞬間には水へと戻っているからだ。
「水分身です」
 遥か前方、白い霧の中から声が聞こえた。
 そしてミルタの薄い腹に灼熱の衝撃が走る。
 ゆっくりと顔を下げる。視線を向ける。
 水の槍が深深と刺さっていた。
 そうしてその先に目を向ければ、晴れていく霧の中にセレスティが居る。
「私はただ、この物語に復讐を………ジゼルを幸せに…………」
 昇る太陽の光がまるで図ったかのようにウィリの女王ミルタを照らし、そうしてそれは日の光の中に溶け込むようにして、消え去ってしまった。



【終幕】


 朝の光りが空から零れる森の中でセレスティ・カーニンガムはただひとり佇んでいた。
 その彼の前に水色の日傘を差した紫陽花の君が現れる。
「彼女は自分の役割が恨めしかったのでしょうね。ジゼルの言葉も聞き入れずにアルベルトを殺そうとする冷酷無比なウィリの女王。その役割のために白亜や冥府のように逃げる事も叶わない。そして彼女はジゼルとは違い、最初からウィリだったのだから」
「そうですね。だからミルタはこの物語に復讐しようとした。ジゼルを幸せにする事で」
 ―――そう口にし、そして最後の言葉は、ただ口の中だけで紡ぐ。「ですがきっと、大切な女性に巡り逢えずに愛を知らぬままであった私ならば、今回のこの物語を解決しようとは思わなかったかもしれない」
 そしてセレスティは空を見上げ、語り掛ける。
「白亜よ。私の想いをこの世界へと、届けさせてください」
 そう言った瞬間に、セレスティの想いが、空間に書き綴られて、そしてそれは蝶となってこの世界の隅々まで飛んでいき、溶け込んでいく。
「何を願ったの?」
「ジゼルの幸せですよ。それでもヒラルドによってアルベルトが貴族だと知る前までは彼女が幸せであるように、と」
 紫陽花の君は肩を竦める。
 それからどこか悪戯っぽい顔でセレスティに語り掛けるのだ。
「ねえ、人魚姫もやっぱり不幸ではなかったと想う?」
「ええ。彼女もきっと泡となって消えるその最後まで、王子を想い続けたのでしょう。彼を守れた事を誇りに想いながら」
 ただその優しい言葉がその場に流れ、セレスティは兎渡によって現実世界へと帰り、そして彼が去った後のこの世界に残されたのは、必ずジゼルが手にするように書き換えられた奇数の花びらのマーガレット。
 そう、ただそれぐらいは許されるはずだとセレスティは想うから。



 ― Fin ―



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】


【1883 / セレスティ・カーニンガム / 男性 / 725歳 / 財閥総帥・占い師・水霊使い 】


【NPC / 綾瀬まあや】


【NPC / スノードロップ】


【NPC / 兎渡】


【NPC / 紫陽花の君】


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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、セレスティ・カーニンガムさま。
 いつもありがとうございます。
 このたび担当させていただいたライターの草摩一護です。


 このたびはご依頼、ありがとうございました。
 夜に相応しい物語を、との事で、今回のこのお話を書かせていただきました。
 このお話は実はずっと書きたかったお話だったので、それをセレスティさんで紡げて本当に良かったと想います。(^^


 しかもさすがだなー、と想ったのは自分は物語の登場人物だ、と気づいてしまった者が事件を起こす物語、という事だ想いました。^^
 プレイングを拝見した時は本当に舌を巻いてしまい、それで、あっ、そうならばこのお話こそセレスティさんのプレイングに相応しいと想い、それで今回のお話を書かせていただきました。^^
 本当にものすごく書くのが楽しくって、一気に書き上げてしまったのですよ。^^


 後はセレスティさんのお話では、綾瀬まあやのお話もちょろちょろっと書きこませて頂いていて、彼女がセレスティさんに優しくしてもらったり、色んな事をセレスティさんから学び取ったりして、少しずつ過去から開放されて、そして次第に生きる力を取り戻す、というのがあったりしたのですが、今回はそれの見せ場、セレスティさんがまあやを過去の闇から助け出す、というシーンも本当にとても納得できる形で書ききる事ができて、本当に良かったなー、と想います。^^
 それによってセレスティさんの凄さを書けた事も本当に嬉しかったですし。^^
 二人の関係もすごく嬉しいですし。^^

 本当にすごく楽しんで書く事ができました。ありがとうございます。^^


 そして前回ノベルへの感想もありがとうございました。^^
 そう言ってもらえて本当に救われました。
 本当に本当にいつもありがとうございます。^^


 それでは今回はこの辺で失礼させていただきますね。
 ご依頼、本当にありがとうございました。
 失礼します。