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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


双六!【赤の書編】


■オープニング■

「双六をしましょう!」
 その日、突如草間興信所を訪れた少女はそう言った。
 以前とまったく同じ登場に、草間 武彦は盛大な溜息をついた。
 「・・・嫌だ。」
 「実は最近みょうちきりんなものを購入したんです。」
 少女・・紅咲 閏はそう言うと、文庫本サイズほどにたたまれた紙を手渡した。
 ・・双六の紙だ・・・。
 右隅には“ドキドキ☆人生の縮図のようだよ!大双六大会!【赤の書】”と書かれている。
 「前の双六が赤になっただけじゃねぇか!」
 「赤の書って言うのは・・コレが入っていた箱が赤かったからだと思うんですけど・・。」
 閏はそう言うと、すっと赤い箱を取り出した。
 そこにも“ドキドキ☆人生の縮図の・・・(以下略)”と書かれている。
 以前とまったく同じ説明をされて、武彦は更に脱力した。
 前に一度、双六の“青”をやった時に、大変な目にあったのだ。もう、思い出したくも無いほどにおぞましい・・・。
 「絶対やらないからな。」
 「まぁまぁ、そう言わずに、これに手を乗っけてください。」
 「嫌だ。」
 「・・・・こうなれば、実力行使で・・・」
 そう言って詰め寄ろうとした閏だったが、コケっと躓くと、べちゃりと転んだ。
 その拍子に赤の書は武彦にぶつかり・・・ポンと、音を立てて武彦は縮んでいた。
 「な・・・なんだこれはっ!!!」
 「いたた・・・えっと、赤の書はですね、バトル風味の双六と言う事で、人が縮んじゃうんです。ほら、そうすれば周囲に危害が及ばないでしょ〜?」
 まったくもって、そう言う問題ではない。
 「どうやったら元に戻るんだ!?」
 「ゴールすれば元に戻りますよ。」
 「大体、バトル風味って・・・」
 「赤の書の中に、ケムケムと言う生物が封じられてまして、幾つかのマス目毎に登場するんです。あ、もちろん独自に強さを選べますよ〜。」
 「とにかく・・・それは危険なのか?」
 「イージーで登録すれば、全然危険じゃないです。」
 なんだかケムケムと言うのも弱そうな名前だし――閏が危険が無いと言っている以上は危険はないのだろう。
 「それじゃぁ、草間さんはちょーっとそこで大人しくしててくださいね、私が他の参加者さんを集めてきますから〜!」
 「くれぐれも、ちゃんと説明してからな。」
 「はぁ〜い!」
 閏はそう言うと、チビ武彦をテーブルの上に残したまま、赤の書を掴んで興信所から飛び出した。
 「さぁて、手当たり次第に赤の書をぶつけてみよ〜っとw」
 そう言って、にやりと微笑みながら・・・。

□桐生 暁□

 本日はお日柄も良い。
 とても気分が良い。
 故に興信所へ遊びに行く絶好の日和なのだ。
 ・・・なんて、よく分からない衝動に駆られて暁は草間興信所を訪れていた。
 「くーさまっさーん、あーそーびーましょ〜。本日はお日柄も良く〜んん〜♪」
 などどルンルン気分で扉を開けて・・・
 「・・・さんの懐と気候が今まさにお見合いし合った感じで〜」
 ガチャリ、扉が押し開けられる。
 中に見慣れた人物が立っており・・・
 「あれ?閏ちゃん?」
 その人物の名を口にしたが最後、気がついた時には暁に何かが当たり・・・ポンと音を立てて・・・
 「・・・って何で俺小さくなっちゃってんの!?」
 暁の体は縮んでいた。
 「さぁ、もう逃げられませんよ〜♪」
 ニコリと微笑みながら閏が腰に手を当てる。
 そもそも笑顔に迫力のある子なだけに、こうも大きさが違うとやたら滅多ら怖い。
 「え・・・。ってか、コレなに?」
 「まぁ、ゲームってところだな。」
 そんな声がして、ここの所長・・・やけに小さいが・・・が自分の隣に座るように暁を手招きをした。
 「ゲームって?」
 武彦の隣に座りながら、暁が首を捻る。
 「双六だ。」
 「・・・双六・・・?」
 「紅咲が持ってきた・・・な・・・。」
 何かあるのだろう。武彦は苦々しくそう言うと、煙草に手を伸ばそうと・・・・して、手は宙を切った。
 何分煙草の箱が武彦の倍以上あるのだ。吸おうと思っても吸えたものではない。
 「禁煙か・・・?」
 「体に良いじゃん。」
 ガクリと項垂れる武彦にそう言うと、暁はニコリと微笑んだ。

■双六の前に・・・■

 粗方の説明が終わった後で、閏はその場にチンマリと(本当に言葉通りだが・・・)並べられた一同を満足げな顔で見渡した。
 右から順に、暁、シュライン エマ、深山 揚羽、火宮 翔子、武彦と並んでいる。
 サイズがおかしいのは閏だけ。閏だけがガリバーサイズである。
 無論、本当にサイズがおかしいのは一同の方だった。
 ちんまりと、親指姫サイズである。
 「あはは、皆ちっちゃくなってる〜。」
 「暁君・・・笑い事じゃないでしょう・・・。」
 暁のその言葉に、翔子が素早く突っ込みを入れる。
 「でも、ケムケムってどんなのかな〜、名前からすると可愛いっぽいよね♪」
 「そうね。ケムケム・・・名前からすると煙のような魔物なのかしら?」
 シュラインがそう言って閏を見上げるが―――閏は悪戯っぽく微笑んでいるだけだ。
 そして小さな声で、それは会って見てからのお楽しみでぇ〜す☆と付け加える。
 「ケムケム・・・どんな生物なのかしら。会って見るの、楽しみだわ。」
 揚羽がふわりと微笑みながらそう言った。
 艶やかな微笑みはどこか色っぽく、官能的で、思わず魅せられる。
 「ね!本当楽しみ〜vでも、ソレ相手に戦わなくちゃいけないのか・・・ガンバロ・・・。」
 しゅんとしながら、暁が気合を入れる。
 どうやら暁はケムケムを可愛い生物としてインプットしてしまったらしい。
 まだ可愛いかどうかは決まっていないのに・・・と思いつつも、ガンバロの部分には同感である。
 「でも、前みたいに事務所が壊れるような危険性はないみたいだし、その点では安心よね武彦さん。」
 シュラインの言葉に一番最初に食いついてきたのは翔子だった。
 「事務所が壊されそうになった?!」
 「えぇ。うっかり・・・ね?」
 「まぁな。最悪グシャグシャになってたところだ。」
 そう言って武彦が遠い目をする。
 揚羽も苦笑いをしながら視線を閏にそっと向け―――逸らした。
 「閏ちゃん。ほんっとーに危険はないんでしょうね?」
 翔子がジト目で閏を見詰める。
 「ちょっち心配かもね・・・。」
 暁もそれに賛同する。
 前回の参加者であるシュライン、揚羽、武彦もその言葉に思わず閏をじっと見詰める。
 暁と翔子は閏の事をよく知っている分、不安は倍増する一方だ。
 「そんなに見詰めちゃイ・ヤ・で・す☆それじゃぁ、難易度選択なんですけど〜・・・」
 「ちょっと閏ちゃん!話をそらさないで!」
 翔子の厳しい声に、閏は視線をそっぽに向けた。
 「大丈夫ですよ・・・多分・・・。」
 「心配だわ・・・。」
 シュラインがそう言って頭を抱える。 
 「それじゃぁ、暁さん、どーします?」
 「んーじゃぁ、Hで。やるぞっ!ケムケムっ!」
 「はい。ハードっと・・・。」
 閏が双六の右上に何かを書き付ける。
 「シュラインさんはどうします?」
 「そうね・・・音の振動や高さ、機転で何とか出来るのならNを選ぼうかなって思うのだけど、閏ちゃんからみて戦闘力の期待できない私でも対応できそうなレベルかしら?」
 「大丈夫ですよvHでなければ☆それじゃぁ、ノーマルで登録しますねw」
 そう言って先ほどと同じ操作をして・・・。
 「揚羽さんはどーします?」
 「Nね。普通が一番楽しめそうじゃない。」
 そう言って、にっこりと微笑む。
 1つ1つの仕草が本当に滑らかで、美しい。
 「翔子さんはどーしますぅ?」
 「そうね。Hでいいかな。ゲームなんだから、そうそう命の危険はないでしょうし・・・訓練に丁度良いわ。」
 そう言った翔子の顔を、閏が何か言いたそうに見詰めるが―――すぐに視線を外した。

   な に か あ る ・ ・ ・

 直感でそう感じるものの、すでに登録は済ませてしまっているし、双六を終えない限りは元の体に戻れない・・・!
 なんて八方塞なんだ・・・。
 「武彦さんはどーします?」
 「Eで・・・」
 「はーいw」
 力なく武彦はそう言うと、同情の瞳で4人を見詰めた・・・・。
 「それじゃぁ、準備が整いましたので双六のスタート地点に行ってください。スタート地点に立った途端に、周囲に壁が出来ます。マス目ごとに部屋のような形になっております。サイコロを振って、出た目の数だけ進めます。っと、普通の双六と一緒ですね。」
 閏はそう言うと、照れたように微笑んだ。
 「部屋に入ると扉があります。サイコロを振らない限りは次の部屋に行けません。扉には鍵がかかっており、どんな事をしても開かない仕組みになっています。」
 「サイコロは最初から持っているの?」
 揚羽の質問に、閏は軽く首を振った。
 「いいえ。順番が回ってきたら上から落ちてきます。勿論、私が落とすのですが・・・」
 「それって、普通サイズじゃないわよね?」
 「はい。コレです。」
 閏はそう言うと、ピンセットで小さなサイコロを掴んだ。
 “こちら”の普通サイズだ・・・。
 「とりあえず、入ってみれば解りますからw」
 そう言って一同を双六のスタート地点まで連れて行きますと言い、手を差し出した。どうやらその上に乗れというのだ。
 ・・・人の手に乗る経験なんて、一生に一度あるかないかの体験だろう。
 そうそう何度もあって欲しくないが・・・・。
 「あ。そうそう。ケムケムをご紹介しておきますね〜。」
 今思い出しましたと言うように、閏がパチリと指を鳴らした。
 空中に小さなウサギのような生物が作り出される。
 「・・・これがケムケム?」
 ブルブルと震えながら縮こまる生物に、思わず暁が声を上げた。
 「そうです。イージーケムケムです。ノーマルケムケムはこれです。」
 パチリとウサギのような生物=イージーケムケムは姿を消し、今度は狼ほどの大きさの生物が現れた。
 先ほどの真っ白なケムケムとは違い、今度は毛が黒い。
 「なかなか強そうね。」
 「それより、イージーとノーマルの差が激しすぎない?」
 「最後、ハードケムケムはこれです。」
 満面の笑み―――それを見て、ハードを選んだ暁と翔子は思わず後悔した。
 閏の事を良く知っている2人なだけに“その笑顔が何を意味しているのか”十分理解していた。
 パチリとノーマルケムケムが消え、次に出てきたのは巨大な・・・ドラゴンだった。
 めちゃめちゃ悪に汚染されてますと言う瞳で、思い切り攻撃的な咆哮をあげ、すっごく強いですよ〜と言うように、視線をあちこちに向けている。
 「おいおい・・・本当に大丈夫なのか?」
 武彦が心配そうに2人を見詰める。
 「暁さんも翔子さんも、力はあるはずなので大丈夫ですよ・・・ね?」
 とは言え、この現代社会でドラゴンと戦う事になろうとは・・・・大丈夫ですよね?と、こちらの方が訊きたい。
 「あと、鬼と言うものが双六内に出現するかもしれません。それを倒すためのトラップ空間も設けていますが・・・まぁ、こっちで適当に作っちゃいますね。鬼にいたっては、会わない限りは害は無いはずですし・・・会ってしまった場合は、逃げてください☆」
 ふわりと微笑む閏。逃げてください☆じゃない・・・!
 「何はともあれ、さっさと始めましょ〜♪おやつの時間までには帰ってきてくださいね〜☆」
 なんとも自己中心的な発言の後に、閏は5人をぽいっと双六のスタート地点に落とした―――。

□双六!□

 「いったたた・・・。」
 暁は思い切り顔をしかめると、したたかに打ったお尻を撫ぜた。
 硬い床は手触りが良く・・・大理石だろうか?そうだとしたら、結構お金がかかっている。
 周囲を見渡してみると、四方全てを壁に囲まれている。
 上を向けば、ぽかりと興信所の天井が見えるが・・・あそこまで上るのは無理だろう。
 目の前にある扉の金色のノブに手をかけてみるが―――鍵がかかっているらしく、開かない。
 「暁さん。暁さんからどうぞです。」
 そんな声が聞こえて、上からサイコロが落ちてきて・・・見上げたソコには巨大な瞳があった。
 「う・・・うわっ!」
 「驚いてないで、早くサイコロを振ってください。」
 「ハーイ。」
 閏に言われ、暁はサイコロを転がした。
 コロコロとサイコロは転がって行き―――2が出た。


 ○1回目『2』→3の部屋

 扉が開き、2つマス目を進んだ先は3の部屋だった。
 ガチャリと扉が閉まり、鍵が掛けられる。
 バサバサと、翼が羽ばたく音が聞こえ・・・目の前にケムケムが現れた。
 1つ叫びを上げた後で、大きく息を吸い込む―――炎だ!
 暁はそう思うと、右に走った。
 その後を追うようにケムケムの炎が追う―――壁に足をつき、軽い跳躍の後、暁は綺麗な弧を描いてケムケムに飛び移った。
 その背にしがみ付き・・・ってか、今って現代社会ですよね?なんで俺ってばドラゴンの背中に乗っちゃってるわけ?なんて、考えたりして・・・。
 ケムケムが嫌がるように身体をねじる。
 「わ・・・わっ・・・!危ないってば!モー!落ち着いてヨー!」
 そんな文句を言っても、ケムケムは落ち着いてはくれない。
 それどころか、一層強い力で羽をばたつかせ、身体を捩る。
 「くそっ・・・ケムケムのくせに・・・っ!」
 しばらくもんどりうっていたケムケムだったが、暁が落ちない事を悟ったのか、動きが緩くなって来た。
 今がチャンスとばかりに、暁はケムケムの背中を走り―――頭に飛びついた。
 「ケムケムに負けてたまるかっ!」
 そうは言うものの、ケムケムも人間に負けてはたまったものではない。
 ケムケムが高く高く飛び立つ―――これは落とされたらヤバイな・・・と思い、ケムケムの頭にナイフを突き刺そうと・・・カチンと、硬い音が響き、ナイフは戻ってきた。
 「かったぁ〜!!」
 暁はそう叫ぶと、まじまじとナイフを見詰めた。
 ナイフがケムケムの頭に弾かれたのだ。石か何かで出来ているのだろうか?ナイフくらいではケムケムを倒す事はおろか、傷つける事も出来ない。
 「こりゃ、そーとーヤバイかも・・・。」
 とりあえず、一旦逃げなくては・・・!
 ケムケムの頭から身軽に飛び降りると、ある程度離れる。
 「ってか、ケムケムってなんか可愛いぞ、こんちくしょう!」
 無論、外見がではない。
 「うわ、もうケムケムっていうこの音?なんつーの、響き?が、好きっ。」
 そんな暁のラブコールにも答えてくれそうにないこの外見は、ちょっぴし寂しいが・・・。
 「大好きなのに戦わなくちゃいけないなんて、私達まるで現代のロミジュリねっ。」
 その言葉からいくと、おそらく暁がジュリエット、ケムケムがロミオだろう。
 ・・・凄く似合わない構図なのは言うまでもない。
 そもそも、ジュリエットを丸呑みしてしまいそうなロミオなだけに、見ている人はある意味“ハラハラ”するだろうが・・・。
 「ああ、なんて運命は残酷なの・・・っ!」
 運命と言うよりは、閏が残酷なのだろう。
 よろよろと、暁が目頭を押さえてその場に崩れ落ち―――チャンス!とばかりにロミ・・・じゃない・・・ケムケムが襲い掛かってきた!
 丁度ジュリ・・・暁の真上に来た時に、暁は口元だけの笑みを浮かべた。
 顔を上げ、ふわりと微笑み―――
 「モー、ロミオ様ったら、せっかちサンなんだからぁ〜☆」
 そう言って、持っていたナイフを突き刺した。
 ―――長い長い断末魔の声が響く。
 暁の真上で、ケムケムは霧のように溶け消えて行った・・・。
 「やぁっぱ、お腹は柔らかいわけね〜。ま、鱗だなんだってついてないし・・・っつーか、お腹まで硬かったら・・・アノ状況ちょっちヤバかったかもなぁ。」
 立ち上がり、服を叩きながらそう言う。
 「つか、俺ってば結構危険な状況だった??」
 ・・・そう訊いても、誰も答えてはくれないけれど・・・。


 ●2回目『4』→7の部屋

 上から落とされたサイコロを振り、たどり着いた先は7の部屋だった。
 先ほど同様、上からケムケムが・・・?
 「・・・女の子・・・?」
 頭に大きなショッキングピンクのリボンをつけたケムケムが暁の目の前に降り立った。
 ケムケムがジーーーーッと暁を見詰める。
 あまりの熱視線に、思わずふいっと瞳をそらす。
 ジーーーーーーっ
 ・・・・・・・・・・・。

 ジーーーーーーーっ
 ・・・・・・・・・・・。

 ジーーーーーーーっ
 「・・・な・・・なにか・・・?」

 あまりの視線に耐え切れなくなった暁が、思わずそう尋ねる。
 訊いたってどうしようもないのにな〜と思いつつも、訊かずにはいられない。それほどまでに、視線は痛かったのだ!
 「ってか、もしかして攻撃する隙を窺ってるとか?」
 ふるふると、頭を振るケムケム。
 どうやら言葉は辛うじて通じるようだ。
 「へ?攻撃しないの?」
 コクコク
 「だって、敵っしょ?」
 フルフル
 「んじゃ、なに?」
 ・・・ポッ
 顔を赤らめたケムケムに、嫌な予感がする―――なんか、冷や汗が・・・。
 1歩、こちらに近づいてきて・・・暁が1歩下がる。
 再び1歩こちらに近づいて・・・下がる。
 近づいて・・・下がる、近づいて・・・下がる、近づいて・・・コツンと壁に当たった。
 逃げ場はナシの絶体絶命大ピンチに、暁は思わず声を張り上げた。
 「う・・・閏ちゃんっ!!!」
 「はぁ〜い??お呼びでぇ〜っすかぁ〜?」
 間延びした声と共に、上空に巨大な瞳が現れる。
 「なんか・・・変なんだけど。」
 「ふぇ?」
 暁が指差す先、ケムケムを見詰めると、閏は全てを理解したというようにポンと手を打った。
 「どうやら好かれちゃったみたいですねw一目惚れってヤツですね?」
 「どーすれば良いの?」
 「とりあえず、そのまま進みましょうか?お供だと思って・・・ほら、結構力強いじゃないですか☆」
 そうは言われても・・・いや、戦力的に凄く力になりそうだと言う事は分かるのだが・・・。
 「途中で敵に変わって大ピンチって言う即死フラグにはならないと思いますので、大丈夫だと思います。」
 “思います”なんて・・・そんな適当な・・・。
 そもそも、別の即死フラグも有しているではないか・・・!
 頭から丸呑みにされそうな勢いなんですケド・・・。
 好き=愛と言うよりは、好き=食べ物の好きのような気が・・・。
 「それじゃぁ、次のお部屋に進んでく〜だサイ☆」
 ・・・こうして暁は仲間を手に入れたのだった。

  (それが幸か不幸かは定かではないが・・・)


 ○3回目『6』→13の部屋

 「とりあえず、名前がないと不便だよね〜。」
 サイコロを転がしながら暁はそう言った。
 ケムケムがコクリと頷き―――サイコロが6の面を上にして止る。
 サイコロの目の数だけ部屋を進み・・・。
 「ケム子とか?」
 小首を傾げながら言った暁の顔を、ケムケムがじーっと見詰める。
 ・・・ココロの声が聞こえる。
 『えー!センスなっ!ネーミングセンス皆無だねっ!』
 「でもさ、ケムケムって響きが可愛いわけだから、そこを生かしたような名前にして―――」
 『だからって、ケム子って何さ・・・』
 「えーじゃぁ、ケム美?」
 『・・・ぺっ!』
 言い争いをする2人の前に、ケムケムが降り立つ!
 「ほら!考えてもみなよ!“ケムケムと暁の前にケムケムが降り立った!ケムケムは敵か味方か・・・。どうやら敵のようだ!ケムケムがケムケムに襲い掛かり、ケムケムがケムケムに炎の息を吐き出す!それをケムケムが避けようとするが、羽を火傷してしまう!ケムケム絶体絶命のピンチだ!”とか言われても、どっちのケムケム?って言う事になりかねないジャン!」
 『そう言う場合は(敵)とか(味方)とかつければ良いじゃん!』
 ケムケム(敵)が暁とケムケム(味方)の様子を窺っている・・・話に夢中な2人は気がつかない!絶体絶命のピンチだ!!
 「そんなの大変ジャン!書く人も、読む人も!」
 『誰よ書く人って!読む人って!』
 ケムケム(敵)がケムケム(味方)の背後に回りこむ。其の時、羽がピシャリとケムケム(味方)を叩いた。
 「それじゃぁケムケム(味方)はどんな名前が・・・」
 『あーもー!なによっ!』
 羽がピシャリとあたり、怒ったケムケム(味方)が炎のブレスを吐き―――

  ―――ゴゥ

 ケムケム(敵)を見事倒しました。
 「・・・あれ?」
 何時の間にいたの?と言うような顔で、暁は燃えるケムケム(敵)を見やった。
 もしかして、かなり危険な状況だったわけ?と、ケムケム(味方)と視線を合わせる。
 「ってかそもそも、俺達意思疎通が出来てる!?」
 ―――進歩を遂げたケムケム(味方)と暁の運命やいかに・・・?
 「あら?」
 顔を見合わせる2人(?)の背後から、聞きなれた声が響いた。
 「シュラインさん!」
 久々に会ったまともな人間に、暁が喜びの色を見せる。
 「敵は・・・」
 スーっとシュラインの視線がケムケムに伸びて行き、ピタリと止る。
 「あ、これは敵じゃないんだ〜。なんか懐かれちゃって・・・」
 「あら、そうなの?これはハードケムケムよね?」
 「うん。そーそー。それで、名前を決めようって話になってて―――」
 「名前?」
 「ないと不便ジャン。ケムケム(敵)とかケムケム(味方)とか・・・」
 そう言って溜息をつく。
 「何か考えた名前はあるの?」
 「ケム子とケム美。」
 其の瞬間のシュラインの顔は、きっと生涯忘れられないだろう・・・・。


 ●4回目『6』→19の部屋

 シュラインに別れを告げた後で、サイコロを振り、6つ部屋を進む。
 そこには大きなソファーが中央にデンと置かれていた。
 先ほどまでの部屋とは明らかに違うその部屋に、ほんの少し不安を感じる。
 部屋に入った途端に閉まる鍵・・・・・。
 その時、どこか遠くでドンと言う不気味な音が響いた。
 今のはなんだったのだろうか?顔を見合わせる2人(?)の上空に、不吉な影が―――それは閏だった。
 「あ、ここに来ちゃいましたか?」
 「うん。ってか、ここってなに?」
 「1回休みです。」
 「そんなのもあるんだ?」
 「ちゃんとありますよ〜♪アレですよ。ケムケムの名前をちゃんと考えてあげてくださいねって、神様がくれた素敵空間ですよ☆」
 この空間を作ったのは、神ではなく双六の作者だと思うのだが・・・まぁ、この部屋に止ったのは神の力といわれれば神の力なのかも知れない。
 「んー・・・やっぱ名前考えなくちゃダメかぁ。」
 1回休みは1回休みだ。それならば、ゆっくりと考え事でもしようではないか。
 暁とケムケム(味方)はソファーに腰を下ろした。


 ○5回目『休み』

 「ケムケムはさ、何が良いの?」
 『ダイヤモンドとか・・・』
 「や、それはないっしょ?」
 『エメラルドとか・・・』
 「同じ感じジャン。」
 『そう言えば、なんて名前なの?』
 「俺?桐生 暁って言うんだ〜」
 『それじゃぁ、私は桐生・・・』
 「え!?苗字までいるの!?」
 『そんな驚かなくても良いじゃない。』
 「そもそもケムケムって本名がケムケムなわけ!?」
 『私は、ケムリーナ・アルデケムルドって言う名前なの。』
 「んじゃ、ケムリーナでいーじゃん。ってか、ちゃんと名前あるジャン!」
 『そこはやっぱり、暁がつけてくれた名前がいーなぁ・・・なんて・・・きゃっ♪』
 「ケム子?」
 『ちゃんと考えんかいっ!』
 「・・・んじゃ、ケム美?」
 『さっきと同じやないかいっ!』
 「んー・・・ケム・・・」
 『ってか、ケムに拘んなやっ!』
 「だってさ、ケムって響きが可愛いんじゃん!ケムケムって・・・なんつーの?この、キュンとする響き・・・!」
 『やぁだ、暁ったら、可愛いなんて・・・きゃっ☆恥ずかしい〜♪』
 「名前がね。」
 『そこだけかいっ!』
 「だからさ、ケムリーナで良いじゃん。ケムリーナって結構呼びやすいし。」
 『まぁ・・・暁がそう言うんならそれで・・・』
 「ケム子のが呼びやすいけど。」
 『いい加減そっから離れろやっ!』

  こうして、ケムケムの名前を考えよう大会は、ケムケムの本名を採用と言う結果に終わった。

 ―――そもそも大会じゃないし!
 ―――ってか、本名を採用って、名前考えてないじゃん!

 などと言うツッコミは、全て無視の方向で・・・・・。


 ●6回目『4』→23の部屋

 1回休みを経て、暁とケムリーナは晴れて先に進む事が出来た。
 サイコロを振り、4つ部屋を進み―――そこは草原だった。生暖かい風が何処からともなく吹いて来て・・・なんだかとても嫌な予感がする。
 バサバサと響く羽の音は、どう聞いても1匹分ではない。
 目の前に現れたのは巨大なケムケム3体。
 長い長い咆哮は、空気を揺るがした。
 「・・・うぅわ・・・なんか、超大ピンチ?」
 ケムリーナが1匹に向かって突進し、跳ね飛ばす。
 「ま、1匹はケムリーナに任せておいて・・・っつーか、俺1人で2体?!ずるくない!?」
 何コレ、いじめ!?などと叫んでみるものの、ケムケム達は些かも気にする素振りは見せない。
 1匹がこちらに向かって飛び掛ってくるのを、暁は軽く避けた。
 「つーかさ、1対1でヤローよ!こんなか弱い俺に、2匹がかりってさぁ、ちょっと酷くない?」
 目尻を指で拭う暁とは対照的に、ケムケムは攻撃的だった。
 鋭く伸びた爪で暁に襲い掛かる―――それをなんら危なげない動きでかわすと、暁はベルトからナイフを取り出した。
 折りたたまれていたそれを、パチリと音を立てて開ける。
 ケムケムの弱点はお腹・・・つまりは、下に回り込めれば何とかなる。
 けれど、1匹のケムケムの下に潜り込んで倒せたとしても、まだ1匹いる。つまり、不意を狙われる可能性がある。そもそも、1匹の下に潜り込んだ瞬間にもう1匹が炎を吐かないとは限らない。
 一瞬でも隙を見せれば、暁の命はない。
 クルリと、手の中でナイフを回す。
 感覚を研ぎ澄ませながらも、暁の表情はいたって穏やかだった。
 「そもそもさぁ。この現代にドラゴンがいるって言う事自体どーよ?ゲームの世界じゃないんだからさぁ〜。」
 1匹が動く気配を感じ、暁はトンと軽く、しかし高く跳躍した。
 ニヤリと不敵な笑みを浮かべ―――
 「あ、ゲームかぁ〜。そーだよねぇ、双六だもん。」
 ケムケムの背を1つ、軽く蹴ってから着地した。
 その背後から、もう1匹のケムケムが近づく音を感じ、暁は呼吸を整えた。そっと、心の中でカウントする。
 3・・・2・・・1・・・
 ふっとしゃがみ込み、仰向けになると、右手を高々と突き上げた。
 目標を失ったケムケムが、加速したスピードを止められずに地面と平行に飛行する。無防備なお腹を暁の真上に見せながら―――。
 暁が力を入れなくても、ナイフはケムケムのお腹をすーっと滑った。
 ナイフを引っ込める。それは、本当に一瞬だった。
 ケムケムが通り過ぎたのを見ると、暁は立ち上がった。
 ボサリと背後で何か重たいものが倒れこむ音がして・・・暁はそちらを振り返らなかった。まだ、ケムケムが1匹こちらを睨みつけていたから・・・。
 さぁて、どうする?
 自分にそう問う。
 今と同じ方法ではケムケムを倒せない。ケムケムだって、馬鹿ではない・・・はずだ。仲間と同じ過ちは繰り返さないだろう。
 ピっと、ナイフについた血を払う。そしてクルリと刃先を1回転させて、再び元の位置に戻す。
 ケムケムが軽く息を吸い込み―――来る・・・!
 暁はそう思うと、地面を蹴って右に・・・『暁!今助けるわぁぁぁ〜〜〜っ!』・・・そんな声が聞こえた瞬間に、目の前が真っ赤に染まった。高温の炎が目の前に居たケムケムを飲み込み、燃え上がらせる。
 思わず顔を腕で庇う。薄い布越しに感じる熱さに、思わず顔をしかめる。
 しばらく後に、何の前触れもなく炎は掻き消えた。其の後に残ったのは、黒い物体だけ・・・。
 『ふぅ、危ないところだったわね暁!』
 「本当だよ。危うく俺もああなるところだった・・・」
 『それは危なかったわね!』
 いや、あんたの炎でね?とは、あえて言わなかった―――と言うか、言えなかった・・・・。


 ○7回目『6』→29の部屋

 サイコロを振り、6つ進むと・・・そこは綺麗な花畑だった。
 「あれ?なんか、他の部屋と様子が違くない?」
 暁の呟きに、ケムリーナがキョロキョロと辺りを見渡す。
 綺麗な花が咲き乱れるそこは、まさに地上の楽園だった。
 どこからともなく良い香りが漂って来て・・・これは紅茶の香りだろうか?
 「あら?お客様かしら?」
 そんな声がして、花畑の向こうから一人の女性が姿を現した。
 30代半ばくらいだろうか?長い髪を1つに結び、緑色のエプロンをかけている。エプロンの裾には可愛らしい犬の刺繍がしてある。
 にっこりと、穏やかに微笑む女性。
 「あんたは?」
 「私はここの花園を管理している者。さぁ、双六参加者さん、ここで少し一息しましょう?紅茶にクッキー。ゴールは直ぐソコ。そんな中で、ゆっくりと過ごすのも悪くないんじゃないかしら?勿論、早くゴールしたいでしょうけれども、焦ったってサイコロは落ちてこないのだから。」
 「・・・そうだね。」
 暁は頷くと、女性の導きに従って花畑の中を突っ切っていた。
 丁度花畑の真ん中、シクラメンの咲き乱れる中央に丸いテーブルと椅子が置いてあった。
 「さぁ、あそこに座って。・・・ケムケムちゃんの分がないのは残念だけれど・・・貴方は、クローバーのクッションの上に座ったらどうかしら?」
 そう言って、シクラメンの隣、クローバーが咲き乱れるあたりを指差した。
 ケムリーナが一つだけ頷いて、そちらに向かう。
 女性が花畑の向こうに姿を消し、しばらくしてから手にお盆を乗せて戻ってきた。其の上には、仄かに湯気を立てる紅茶と美味しそうなクッキー、そしてミルクと砂糖。
 「さぁ、お好きなだけどうぞ。サイコロが落ちてくるまで、ゆっくりと。」
 「ありがとう。」
 礼を言ってから紅茶に砂糖とミルクを入れる。
 銀のティースプーンでかき混ぜてから、両手でカップを持ち、ふっと息を吹きかける。
 ―――コクリ
 甘い温かさが体中を駆け巡る。
 「ここは、スペシャルポイントなの。ゴール手前の素敵な空間。戦いに疲れた戦士たちの憩いの場。もちろん、1つでもマスを進んでしまえば現実と言う憩いの場に戻るんだけどね。」
 「現実が憩いの場?」
 「貴方の世界にケムケム・・・ドラゴンは?」
 「いないよ?」
 あっさりとそう言った後で、暁は続けた。
 「でも、憩いの場ではないよ。ドラゴンじゃなくても、戦わなきゃいけないものは沢山あるから。」
 そう紡いだ暁に、寂しげな視線を向けた後で女性は優しく頭を撫ぜた。
 「戦いに疲れたら、いつでもいらっしゃい?この空間は、疲れた戦士に休息を与える場。望めば何時でも貴方の傍に。」
 「ありがと。」


 ●8回目『2』→ゴール

 まばゆい光が暁を包み込み、目を開けた先はいつもの興信所だった。
 身体も元のサイズに戻っている。
 「帰ってきたのね。」
 その声に振り向くと、そこには揚羽の姿があった。
 どうやら時を同じくして戻ってきたらしい・・・・・。
 「あぁ、良かった。あと戻って来てないのは武彦さんと翔子さんだけね?」
 興信所の奥からシュラインが顔を見せる。その隣には、事の発端・・・つまり、事の元凶である閏の姿があった。
 「お帰りなさい☆」
 満面の笑みで走って来て、暁に抱きつき、次に揚羽に抱きつく。
 あまりにも無邪気な微笑みに、思わずほっと和む―――。
 「シュラインさんが、軽食を作ってくれてるんですよ〜w」
 「あら、それじゃぁ私もお手伝いしようかしら。」
 そう言って揚羽がシュラインの方へと向かう。
 「あ・・・そう言えば、ケムリーナは・・・。」
 辺りを見渡してみるものの、ケムリーナの姿はない。
 やはり双六の中にしか生きられないのだろうか?
 ・・・なんだか、寂しいな。
 お別れも言えないままだった・・・。
 「暁さん、暁さん。ポケット。」
 閏がチョイチョイと暁の袖を引っ張る。
 ポケット・・・?
 手を入れてみると、なにか硬いものが指先に触った。それを引っ張り出してみる。
 頭に大きなショッキングピンクのリボンをつけたドラゴン―――
 「これ・・・!」
 「いつまでも、大切にしてあげてくださいね?」
 唇に人差し指を当てながら、閏が悪戯っぽい笑顔を見せる。
 「ふぅ・・・やっと戻ってきたわね。」
 「なんだか今回は楽だったな。」
 「それは草間さんがイージーを選んだからじゃないですか?」
 「草間さん!翔子さん!」
 背後から聞こえてきた声に振り返ると、そこには武彦と翔子の姿があった。
 「あら、2人とも戻ってきたのね。」
 「無事かしら?」
 シュラインと揚羽が顔を覗かせる。
 「お帰りなさい。」
 閏がそう言って、翔子に抱きついた―――


■エピローグ■

 辺りが夕日に染められる。
 其の中を、暁はゆっくりとした足取りで歩いていた。
 ポケットからケムリーナを出して、じっと見詰める・・・・・。
 「あ〜き〜さんっ♪」
 不意に背後から名前を呼ぶ声が聞こえ、暁は振り返った。
 「閏ちゃん。どしたの?」
 「呪いの双六って、暁さんは知ってます?やるものを死に至らしめる・・・とっても、危険な双六。」
 「呪いの双六・・・?」
 暁は小首を捻った。
 「6つで1つの呪いの双六・・・マスの魔によって命を奪われたものの数は計り知れない。」
 ふっと、閏は微笑んだ。
 それは今まで見てきた表情の中で一番感情らしい感情のない微笑だった。
 普段の閏とは違う・・・・・。
 「私の“対”の存在・・・今はもう“ソレ”に飲まれてしまったけれども。」
 「閏ちゃん?」
 心配になって伸ばした手を、閏がぎゅっと掴んだ。
 小刻みに震える小さな手は、勘違いなどではない。
 「ねぇ。皆を助けたいって言うのはたんなる言い訳で、本当は―――」
 寂しそうに、本当に寂しそうに微笑んだ後で、閏は暁の手を放した。
 ふわりと、全てを断ち切るかのように明るい微笑を浮かべる。
 「今日は有難う御座いました☆また・・・今度。」
 「え?閏ちゃん・・・?」
 ペコリと頭を下げると、閏はクルリと踵を返して人ごみの中に消えて行った。
 不思議にザワツク気持ちを残して・・・・・。



     〈END〉



 ◇★◇★◇★  登場人物  ★◇★◇★◇

 【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】


  4782/桐生 暁/男性/17歳/学生アルバイト・トランスメンバー・劇団員

  0086/シュライン エマ/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員

  4537/深山 揚羽/女性/21歳/香屋「帰蝶」の店主

  3974/火宮 翔子/女性/23歳/ハンター



  NPC/紅咲 閏/女性/13歳/中学生兼夢幻館の現実世界担当

 ◆☆◆☆◆☆  ライター通信  ☆◆☆◆☆◆

 この度は『双六!【赤の書編】』にご参加いただきましてまことに有難う御座いました。
 今回お届けが遅れてしまってまことに申し訳ありませんでした・・・。

 さて、如何でしたでしょうか?
 前回に引き続き今回も長文ですね。すみません・・・(しゅん)
 今回はほぼ個別作成でした。
 個別ですが、他の方のノベルとリンクさせるところはキチンとリンクさせて・・・とやっていた所、パニックに陥りました。
 最初に大まかな流れを作ってから執筆出来れば一番良いのですが、双六!の醍醐味はサイコロを振りながらの執筆ですので、そう言うわけにも行きませんし・・・。
 何はともあれ、少しでも楽しんでいただけたならば嬉しく思います。

 桐生 暁様

 いつもお世話になっております。
 今回はケムケム・・・ケムリーナを登場させてみました。
 また濃いキャラですが・・・。
 華麗な攻撃と、軽い口調。暁様らしい戦闘スタイルが綺麗に描けていればと思います。


  それでは、またどこかでお逢いいたしました時はよろしくお願いいたします。