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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


双六!【赤の書編】


■オープニング■

「双六をしましょう!」
 その日、突如草間興信所を訪れた少女はそう言った。
 以前とまったく同じ登場に、草間 武彦は盛大な溜息をついた。
 「・・・嫌だ。」
 「実は最近みょうちきりんなものを購入したんです。」
 少女・・紅咲 閏はそう言うと、文庫本サイズほどにたたまれた紙を手渡した。
 ・・双六の紙だ・・・。
 右隅には“ドキドキ☆人生の縮図のようだよ!大双六大会!【赤の書】”と書かれている。
 「前の双六が赤になっただけじゃねぇか!」
 「赤の書って言うのは・・コレが入っていた箱が赤かったからだと思うんですけど・・。」
 閏はそう言うと、すっと赤い箱を取り出した。
 そこにも“ドキドキ☆人生の縮図の・・・(以下略)”と書かれている。
 以前とまったく同じ説明をされて、武彦は更に脱力した。
 前に一度、双六の“青”をやった時に、大変な目にあったのだ。もう、思い出したくも無いほどにおぞましい・・・。
 「絶対やらないからな。」
 「まぁまぁ、そう言わずに、これに手を乗っけてください。」
 「嫌だ。」
 「・・・・こうなれば、実力行使で・・・」
 そう言って詰め寄ろうとした閏だったが、コケっと躓くと、べちゃりと転んだ。
 その拍子に赤の書は武彦にぶつかり・・・ポンと、音を立てて武彦は縮んでいた。
 「な・・・なんだこれはっ!!!」
 「いたた・・・えっと、赤の書はですね、バトル風味の双六と言う事で、人が縮んじゃうんです。ほら、そうすれば周囲に危害が及ばないでしょ〜?」
 まったくもって、そう言う問題ではない。
 「どうやったら元に戻るんだ!?」
 「ゴールすれば元に戻りますよ。」
 「大体、バトル風味って・・・」
 「赤の書の中に、ケムケムと言う生物が封じられてまして、幾つかのマス目毎に登場するんです。あ、もちろん独自に強さを選べますよ〜。」
 「とにかく・・・それは危険なのか?」
 「イージーで登録すれば、全然危険じゃないです。」
 なんだかケムケムと言うのも弱そうな名前だし――閏が危険が無いと言っている以上は危険はないのだろう。
 「それじゃぁ、草間さんはちょーっとそこで大人しくしててくださいね、私が他の参加者さんを集めてきますから〜!」
 「くれぐれも、ちゃんと説明してからな。」
 「はぁ〜い!」
 閏はそう言うと、チビ武彦をテーブルの上に残したまま、赤の書を掴んで興信所から飛び出した。
 「さぁて、手当たり次第に赤の書をぶつけてみよ〜っとw」
 そう言って、にやりと微笑みながら・・・。

□火宮 翔子□

 何だかとっても嫌な予感がする・・・。
 そうは思いつつ、翔子は興信所へと向かっていた。
 どこかねっとりと身体に絡みつく嫌な予感に、思わず眉をしかめる。
 ・・・何かある・・・絶対何かある・・・。
 と言うわけで、興信所の扉に手をかけ、中を見た瞬間に、あー・・・やっぱり・・・と思わず溜息をついてしまったわけであって・・・。
 ちょこりと中に立つ、少女の姿。
 良く知っているこの少女は・・・。
 「閏ちゃ・・・」
 名前を呼ぼうとた瞬間、閏がこちらに走って来て―――ドンと、鈍い音を立てながら翔子と閏は正面衝突をしていた。
 その際、何かが翔子にぶつかり、ぽんと音を立てて・・・・・
 翔子の身体は縮んでいた。
 「まったく・・・一体何なのよもう・・・。いきなり閏ちゃんからぶつかってきたと思ったら、身体が小さくなってるし・・・。」
 と、文句を言うものの、心中は“やっぱり”なわけであって・・・。
 この少女が居るところに、何か事件(それが偶然か必然=故意かは解らないが)がある。そんなのは解りきっていた。
 「さぁ、もう逃げられませんよ〜♪」
 ニコリと微笑みながら閏が腰に手を当てる。
 そもそも笑顔に迫力のある子なだけに、こうも大きさが違うとやたら滅多ら怖い。
 「それで、今日は何なの?また厄介な事?」
 「まぁ、そんなところだな。」
 そんな声がして、ここの所長・・・やけに小さいが・・・が自分の隣に座るように翔子を手招きをした。
 「草間さんも縮んじゃったのね。」
 武彦の隣に座りながら、翔子が苦笑しながらそう言う。
 「それで、これはなに?」
 「まぁ、ゲームってところだな。」
 「ゲームって?」
 「双六だ。」
 「・・・双六・・・?」
 「紅咲が持ってきた・・・な・・・。」
 「そう。双六ねぇ。今日はヒマだったし、やっても良いわね。・・・と言うか、やらないとこの身体も戻らないんでしょ、どうせ。」
 「察しが良いな。ま、そう言う事だ。」
 武彦は苦々しくそう言うと、煙草に手を伸ばそうと・・・・して、手は宙を切った。
 何分煙草の箱が武彦の倍以上あるのだ。吸おうと思っても吸えたものではない。
 「禁煙か・・・?」
 「丁度良かったじゃない。」
 ガクリと項垂れる武彦にそう言うと、翔子はニコリと微笑んだ。

■双六の前に・・・■

 粗方の説明が終わった後で、閏はその場にチンマリと(本当に言葉通りだが・・・)並べられた一同を満足げな顔で見渡した。
 右から順に、桐生 暁、シュライン エマ、深山 揚羽、翔子、武彦と並んでいる。
 サイズがおかしいのは閏だけ。閏だけがガリバーサイズである。
 無論、本当にサイズがおかしいのは一同の方だった。
 ちんまりと、親指姫サイズである。
 「あはは、皆ちっちゃくなってる〜。」
 「暁君・・・笑い事じゃないでしょう・・・。」
 暁のその言葉に、翔子が素早く突っ込みを入れる。
 「でも、ケムケムってどんなのかな〜、名前からすると可愛いっぽいよね♪」
 「そうね。ケムケム・・・名前からすると煙のような魔物なのかしら?」
 シュラインがそう言って閏を見上げるが―――閏は悪戯っぽく微笑んでいるだけだ。
 そして小さな声で、それは会って見てからのお楽しみでぇ〜す☆と付け加える。
 「ケムケム・・・どんな生物なのかしら。会って見るの、楽しみだわ。」
 揚羽がふわりと微笑みながらそう言った。
 艶やかな微笑みはどこか色っぽく、官能的で、思わず魅せられる。
 「ね!本当楽しみ〜vでも、ソレ相手に戦わなくちゃいけないのか・・・ガンバロ・・・。」
 しゅんとしながら、暁が気合を入れる。
 どうやら暁はケムケムを可愛い生物としてインプットしてしまったらしい。
 まだ可愛いかどうかは決まっていないのに・・・と思いつつも、ガンバロの部分には同感である。
 「でも、前みたいに事務所が壊れるような危険性はないみたいだし、その点では安心よね武彦さん。」
 シュラインの言葉に一番最初に食いついてきたのは翔子だった。
 「事務所が壊されそうになった?!」
 「えぇ。うっかり・・・ね?」
 「まぁな。最悪グシャグシャになってたところだ。」
 そう言って武彦が遠い目をする。
 揚羽も苦笑いをしながら視線を閏にそっと向け―――逸らした。
 「閏ちゃん。ほんっとーに危険はないんでしょうね?」
 翔子がジト目で閏を見詰める。
 「ちょっち心配かもね・・・。」
 暁もそれに賛同する。
 前回の参加者であるシュライン、揚羽、武彦もその言葉に思わず閏をじっと見詰める。
 暁と翔子は閏の事をよく知っている分、不安は倍増する一方だ。
 「そんなに見詰めちゃイ・ヤ・で・す☆それじゃぁ、難易度選択なんですけど〜・・・」
 「ちょっと閏ちゃん!話をそらさないで!」
 翔子の厳しい声に、閏は視線をそっぽに向けた。
 「大丈夫ですよ・・・多分・・・。」
 「心配だわ・・・。」
 シュラインがそう言って頭を抱える。 
 「それじゃぁ、暁さん、どーします?」
 「んーじゃぁ、Hで。やるぞっ!ケムケムっ!」
 「はい。ハードっと・・・。」
 閏が双六の右上に何かを書き付ける。
 「シュラインさんはどうします?」
 「そうね・・・音の振動や高さ、機転で何とか出来るのならNを選ぼうかなって思うのだけど、閏ちゃんからみて戦闘力の期待できない私でも対応できそうなレベルかしら?」
 「大丈夫ですよvHでなければ☆それじゃぁ、ノーマルで登録しますねw」
 そう言って先ほどと同じ操作をして・・・。
 「揚羽さんはどーします?」
 「Nね。普通が一番楽しめそうじゃない。」
 そう言って、にっこりと微笑む。
 1つ1つの仕草が本当に滑らかで、美しい。
 「翔子さんはどーしますぅ?」
 「そうね。Hでいいかな。ゲームなんだから、そうそう命の危険はないでしょうし・・・訓練に丁度良いわ。」
 そう言った翔子の顔を、閏が何か言いたそうに見詰めるが―――すぐに視線を外した。

   な に か あ る ・ ・ ・

 直感でそう感じるものの、すでに登録は済ませてしまっているし、双六を終えない限りは元の体に戻れない・・・!
 なんて八方塞なんだ・・・。
 「武彦さんはどーします?」
 「Eで・・・」
 「はーいw」
 力なく武彦はそう言うと、同情の瞳で4人を見詰めた・・・・。
 「それじゃぁ、準備が整いましたので双六のスタート地点に行ってください。スタート地点に立った途端に、周囲に壁が出来ます。マス目ごとに部屋のような形になっております。サイコロを振って、出た目の数だけ進めます。っと、普通の双六と一緒ですね。」
 閏はそう言うと、照れたように微笑んだ。
 「部屋に入ると扉があります。サイコロを振らない限りは次の部屋に行けません。扉には鍵がかかっており、どんな事をしても開かない仕組みになっています。」
 「サイコロは最初から持っているの?」
 揚羽の質問に、閏は軽く首を振った。
 「いいえ。順番が回ってきたら上から落ちてきます。勿論、私が落とすのですが・・・」
 「それって、普通サイズじゃないわよね?」
 「はい。コレです。」
 閏はそう言うと、ピンセットで小さなサイコロを掴んだ。
 “こちら”の普通サイズだ・・・。
 「とりあえず、入ってみれば解りますからw」
 そう言って一同を双六のスタート地点まで連れて行きますと言い、手を差し出した。どうやらその上に乗れというのだ。
 ・・・人の手に乗る経験なんて、一生に一度あるかないかの体験だろう。
 そうそう何度もあって欲しくないが・・・・。
 「あ。そうそう。ケムケムをご紹介しておきますね〜。」
 今思い出しましたと言うように、閏がパチリと指を鳴らした。
 空中に小さなウサギのような生物が作り出される。
 「・・・これがケムケム?」
 ブルブルと震えながら縮こまる生物に、思わず暁が声を上げた。
 「そうです。イージーケムケムです。ノーマルケムケムはこれです。」
 パチリとウサギのような生物=イージーケムケムは姿を消し、今度は狼ほどの大きさの生物が現れた。
 先ほどの真っ白なケムケムとは違い、今度は毛が黒い。
 「なかなか強そうね。」
 「それより、イージーとノーマルの差が激しすぎない?」
 「最後、ハードケムケムはこれです。」
 満面の笑み―――それを見て、ハードを選んだ暁と翔子は思わず後悔した。
 閏の事を良く知っている2人なだけに“その笑顔が何を意味しているのか”十分理解していた。
 パチリとノーマルケムケムが消え、次に出てきたのは巨大な・・・ドラゴンだった。
 めちゃめちゃ悪に汚染されてますと言う瞳で、思い切り攻撃的な咆哮をあげ、すっごく強いですよ〜と言うように、視線をあちこちに向けている。
 「おいおい・・・本当に大丈夫なのか?」
 武彦が心配そうに2人を見詰める。
 「暁さんも翔子さんも、力はあるはずなので大丈夫ですよ・・・ね?」
 とは言え、この現代社会でドラゴンと戦う事になろうとは・・・・大丈夫ですよね?と、こちらの方が訊きたい。
 「あと、鬼と言うものが双六内に出現するかもしれません。それを倒すためのトラップ空間も設けていますが・・・まぁ、こっちで適当に作っちゃいますね。鬼にいたっては、会わない限りは害は無いはずですし・・・会ってしまった場合は、逃げてください☆」
 ふわりと微笑む閏。逃げてください☆じゃない・・・!
 「何はともあれ、さっさと始めましょ〜♪おやつの時間までには帰ってきてくださいね〜☆」
 なんとも自己中心的な発言の後に、閏は5人をぽいっと双六のスタート地点に落とした―――。

□双六!□

 「いたたた・・・。」
 翔子は少しだけ顔をしかめると、したたかに打ったお尻を撫ぜた。
 硬い床は手触りが良く・・・大理石だろうか?そうだとしたら、結構お金がかかっている。
 周囲を見渡してみると、四方全てを壁に囲まれている。
 上を向けば、ぽかりと興信所の天井が見えるが・・・あそこまで上るのは無理だろう。
 目の前にある扉の金色のノブに手を掛けてみるが―――鍵がかかっているらしく、開かない。
 「翔子さん、どうぞです。」
 そんな声が聞こえて、上からサイコロが落ちてきて・・・見上げたソコには巨大な瞳があった。
 「・・・閏ちゃん?」
 「そーでーす。さぁ、サイコロを振ってくーだサイ☆」
 「解ったわ。」
 閏に言われ、翔子はサイコロを転がした。
 コロコロとサイコロは転がって行き―――3が出た。
 目の前の扉が音を立てて開き・・・
 「そうだ、ちょっと質問なんだけど、外から持ち込んだ武器や能力は双六内でも使えるのかしら?」
 「外からですか?」
 「そう。・・・まぁ、いきなりの事だったから、武器もあまり携帯してなかったけど・・・。使えるんだったら、戦闘の時に使いたいのよ。」
 「大丈夫ですよ?」
 閏がニッコリと微笑んだのを、あえて見ないようにした。
 なんだか嫌な予感がするし・・・そもそも、ハードケムケムはあんなんだし・・・。
 「それじゃぁ。」
 「いってらっしゃい♪」
 翔子は良くわけの分からない疲労感に包まれながらも、先へと進んで行った。
 ―――まだ始まってもいないのに大丈夫だろうか・・・。


 ○1回目『3』→4の部屋

 扉が開き、3つマス目を進んだ先は4の部屋だった。
 ガチャリと扉が閉まり、鍵が掛けられる。
 そこにはポツンと真っ白なテーブルが置かれていた。其の上には真っ白なティーカップ・・・そして中には甘い香りを放つ紅茶と、其の隣には縁に薔薇の絵をあしらった真っ白なお皿の上に乗せられた美味しそうなクッキー。
 「・・・休憩が出来るのかしら?」
 まだ始まったばかりなのに・・・と、思わず苦笑をするものの、折角の素敵なお部屋―――ゆっくりして損はないだろう。
 翔子はそう思うと、椅子に座った。
 カップを持ち、そっと口に運ぶとコクリと音を立てて飲む。
 ダージリンだろうか?甘い香りは癒しを生む。
 チョコチップクッキーを1つ、繊細な指で掴むと口に入れた。
 サクリと軽い食感と共に甘いチョコレートとバターの香りが広がる。
 美味しい―――
 ほっと吐く息すらも甘く漂い、空間に霧散する。
 「こう言うのも、中々悪くないわね。」
 ふわりと微笑みながらそう言うと、翔子はそっと目を瞑った。
 ・・・双六赤の書はバトル風シナリオなはずなのに、コレほどまでに和んでしまって良いのだろうかと言う感じもするが・・・如何せん、ここは休憩ポイントなだけあり、こんなまったりとした時間も良いのではないだろうか。
 バトルの合間には休憩を。
 バトルが始まる前ではあるが、早めの休憩を・・・。


 ●2回目『4』→8の部屋

 サイコロの目に従い、4つ進んだ先は8の部屋だった。
 扉を開けてみて、一番最初に飛び込んできたのは見慣れた後姿だった。
 「・・・ここは何の部屋?」
 翔子は目の前に居る2人―――シュラインと揚羽に声をかけた。
 「なんでも、鬼をやっつけるためのトラップポイントなんですって。それで、水溜りに電撃・・・って言うトラップを仕掛けようかって話していたんだけれど。」
 何もないのよね、ここには。と、揚羽が溜息混じりにそう呟く。
 「そう言う時は裏技ね。」
 翔子はそう言うと、天井を見上げた。
 「閏ちゃんっ!」
 声を限りにそう叫ぶと、ひょっこりと閏が現れた。
 「トラップを仕掛けたいんだけれど、何もないの。」
 「はぁいwそれじゃぁ、言ってくだされば用意しますよ〜?」
 「水と電気。」
 「それと、豆もお願いできるかしら?」
 「大丈夫ですよ。」
 シュラインがつけたし、閏はコクリと頷くとすっと消えた。
 しばらくした後、突然下から水が沸いてきた。ボコボコと奇妙な音を立てながら徐々に床を濡らして行く。
 次に布製の袋が降って来て―――シュラインがそれを見事キャッチした。
 「とりあえず、床に撒いてみましょう。本来なら当てたいところだけれど―――まぁ、これに滑って転んでくれればそれなりに良いかしらね?」
 「そうね。」
 揚羽がシュラインの手から豆を受け取り、床に散らす。
 「シュラインさんの番ですよ。」
 そんな声が聞こえて―――シュラインの上にサイコロが落ちてきた。
 其れをシュラインが上手くキャッチすると、転がして・・・・・。
 後は宜しくねとだけ言い残して、部屋から出て行ってしまった。
 「さて、次は電撃ね。」
 翔子がそう呟いた時、上から閏が瞳を覗かせた。
 「鬼が来たら自動的に雷が落ちる仕掛けになってるから大丈夫だよ☆」
 「そうなの?それは良いわね。電気だと、セットする時危ないかなと思っていたから。」
 おっとりと揚羽が呟いた時、閏が上からサイコロを落としてきた。
 「次は揚羽さんの番ですよ。」
 「わかったわ。」
 そう言ってサイコロを振り―――それじゃぁ、また・・・とだけ言い残して揚羽は行ってしまった。
 「それにしても閏ちゃん、本当に鬼が来たら雷が落ちてくるんでしょうね。」
 「・・・やってみましょうか?」
 ケロリと言う閏に、翔子は思わず顔を青くした。
 「あのね、部屋中水浸しなのよ?そんな中で雷なんか落としたりしたら・・・」
 翔子に直撃してしまうではないか・・・。
 「良いじゃないですか。鬼だって足止めを喰らうはずですし。」
 ―――そうじゃないでしょっ!
 と、叫びたい気持ちを心の奥に押し込めた。
 閏に怒るなんて今更だ。
 双六を当てられて身体が縮んでしまった瞬間から、全ては閏の意のままなのだから・・・・・。
 「翔子さんの番ですよ。」
 「解ったわ。」
 今日何度目だか解らない溜息をついた後で、翔子はサイコロを振った。


 ○3回目『2』→10の部屋

 扉が開き、2つマス目を進んだ先は10の部屋だった。
 ガチャリと扉が閉まり、鍵が掛けられる。
 バサバサと、翼が羽ばたく音が聞こえ・・・目の前にケムケムが現れた。
 1つ叫びを上げた後で、大きく息を吸い込む―――炎だ!
 翔子はそう思うと、右に走った。
 その後を追うようにケムケムの炎が追う―――翔子は身軽に炎を避けるようにして身体を捩った。
 炎が壁を撫ぜる。しかし、壁はちっとも焦げ付かない。
 ・・・流石双六とでも言うのかしら?
 とは言え、翔子を直撃していたならば壁のようにはいかないだろう。
 とりあえず、どうやってケムケムを倒すのかを考えるのが先決だ。
 翔子は走りながら拳銃を抜いた。
 威嚇射撃と言う事で―――ケムケムの背に当てる。
 カァンと、鋭い音が響き、なんらダメージを受けた様子の無いケムケムがこちらに向かってくる。
 やっぱり・・・そう簡単には倒させてくれないわけね。
 それじゃぁ、どうしましょうか・・・?
 身体は硬い皮膚に覆われている。もしも柔らかい所があるとしたならばお腹―――しかし、ケムケムの下にもぐりこむ事は不可能に近い。
 下に到達した瞬間、炎をかけられるか潰されるか・・・どちらにせよ、あまり良いやられ方ではないわね。
 そうなれば、考えられる方法は残り少ない。
 確実に柔らかいところを言ったならば―――賭けてみるしかないかしら?
 勝負はほんの一瞬。
 タイミングが早くてもダメ。遅くてもダメ。
 そして、万が一タイミングを外してしまった場合、翔子に後はない。
 一か八か・・・それにしても、なんで双六でこんな生死を賭けた戦いをしなくちゃならないのかしら。
 とは言え、悠長にそんな事を考えている暇もなく・・・翔子はケムケムの前に回りこむと、じっとその時を待った。
 ワンテンポ置いた後に、大きく息を吸い込む―――其の瞬間、開いた口の中に向かって銃を発砲した。
 弾は吸い込まれるかのようにケムケムの体内に入って行き、爆発した。
 ドンと鈍い音を立ててケムケムがその場に力なく倒れ、翔子は思わず安堵の溜息をついた。
 火達磨にならなくて良かった・・・。
 どっと襲う疲れを、持ち前の精神力で意識の外に弾き飛ばす。
 まだまだ双六の終わりは遠い。


 ●4回目『1』→11の部屋

 上から落とされたサイコロを振り、たどり着いた先は11の部屋だった。
 部屋に入った瞬間、どこか遠くでドンと言う不気味な音が響いた。
 今のは何だったのだろうか・・・?それよりも、先ほど同様、上からケムケムが・・・?
 「・・・え・・・?」
 まだ子供なのだろうか?先ほど見たケムケムよりも幾分小さいケムケムが翔子の目の前に降り立った。
 ケムケムがジーーーーッと翔子を見詰める。
 あまりの熱視線に、思わずふいっと瞳をそらす。
 ジーーーーーーっ
 ・・・・・・・・・・・。

 ジーーーーーーーっ
 ・・・・・・・・・・・。

 ジーーーーーーーっ
 「・・・えーっと・・・?」

 あまりの視線に耐え切れなくなった翔子が、思わず視線を合わせる。
 「攻撃・・・しないの?」
 コクコクと頷くケムケム。
 どうやら言葉はしっかりと通じるようだ。
 「敵・・・じゃないの?」
 コクコク
 「それじゃぁ、なに・・・?」
 ・・・ウルウルウル〜
 目を潤めたケムケムに、嫌な予感がする―――なんか、冷や汗が・・・。
 1歩、こちらに近づいてきて・・・翔子が1歩下がる。
 再び1歩こちらに近づいて・・・下がる。
 近づいて・・・下がる、近づいて・・・下がる、近づいて・・・コツンと壁に当たった。
 逃げ場はナシの絶体絶命大ピンチに、翔子は思わず声を張り上げた。
 「う・・・閏ちゃんっ!!!」
 「はぁ〜い??お呼びでぇ〜っすかぁ〜?」
 間延びした声と共に、上空に巨大な瞳が現れる。
 「なんか・・・変なんだけど。」
 「ふぇ?」
 翔子が指差す先、ケムケムを見詰めると、閏は全てを理解したというようにポンと手を打った。
 「あー、どうやらママと思われちゃったみたいですね〜w」
 「どーすれば良いの?」
 「とりあえず、そのまま進みましょうか?お供だと思って・・・ほら、結構力強いじゃないですか☆」
 そうは言われても・・・こんな子供では戦力になりそうもないではないか・・・。
 「途中で敵に変わって大ピンチって言う即死フラグにはならないと思いますので、大丈夫だと思います。」
 “思います”なんて・・・そんな適当な・・・。
 「それじゃぁ、次のお部屋に進んでく〜だサイ☆」
 ・・・こうして翔子は仲間を手に入れたのだった。

  (仲間と言うか、子供と言うか・・・・)


 ○5回目『4』→15の部屋
 
 サイコロを振り、4つ部屋を進み―――そこは草原だった。生暖かい風が何処からともなく吹いて来て・・・なんだかとても嫌な予感がする。
 バサバサと響く羽の音は、どう聞いても1匹分ではない。
 目の前に現れたのは巨大なケムケム3体。
 長い長い咆哮は、空気を揺るがした。
 「・・・とりあえず、下がってて。」
 翔子が子供ケムケムを後ろに下がらせた。
 1人で3体・・・厳しいわね。
 1匹を倒すのにもあれほど手間取った。それを、今度は3体なんて・・・。
 一瞬でも気を抜けば―――
 その先の事を、翔子は考えないようにした。
 子供ケムケムも守りながら戦わなくてはいけない。
 さて、どう戦おうかしら?
 緊張する翔子の背後、扉が音を立てて開き―――中からちょっとボンヤリとした顔が入ってきた。
 「おー、火宮じゃないか・・・って、なんだコレっ!」
 ハードケムケムを指差しながら武彦が凄まじい勢いで翔子の背後に隠れる。
 あー・・・お荷物2つも背負い込んで、どう戦えば良いの・・・?!
 そう叫ぼうとした瞬間だった。
 ケムケム達が音も無く・・・イージーケムケムに様変わりした!
 どうやら武彦効果のようだ。
 ブルブルと震えるイージーケムケムは、なんら怖くも危険でもない。
 「ほら、あっち行った。しっしっ。」
 慣れてますとでも言いたげに、武彦が手を払う。
 ビクン!と、こちらが心痛めてしまいそうになるほどに驚き、潤んだ瞳を見せた後で、イージーケムケムは一目散に何処かへと走り去って行った。
 ・・・四方を壁に囲まれたこの部屋から、イージーケムケムは音も無く姿を消したのだった。
 ある意味ミステリーではあるが、そこは全て双六の謎で片付いてしまう。
 「助かったわ。」
 「まぁ、そうだろうな。んで・・・これはなんだ?」
 武彦が苦笑しながら、子供ケムケムを指差す。
 「なんだかママだと思われちゃってるみたいで・・・。」
 「ママ!?随分厳つい子供だなぁ。」
 そう言って、ケムケムの頭を撫ぜようとした瞬間―――カプン・・・と、手を噛まれた。
 「いぃって〜!!!」
 まるでワニのように、パクリと口を閉じたケムケムは、武彦の手を一向に放す気配が無い。
 「あぁ・・・ちょっ・・・なにやってるの・・・ほら、放しなさい。」
 翔子がケムケムの身体を持った途端に、ケムケムは武彦の手をぺいっと吐き出した。
 そしてベッタリと翔子に抱きつき・・・
 「ママだな。」
 「解ってるんだから言わないでよ。」
 改めてしみじみと言われると、なんだか悲しくなって来るではないか。
 この歳でママ・・・しかも、現代社会には到底いそうにも無いドラゴンのママ。
 とんだゲームの世界だ。
 ・・・勿論、双六だってゲームなのだけれど。
 

 ●6回目『6』→21の部屋
  
 扉を開けた先はあの、真っ白な空間だった。
 またなにかトラップを仕掛ければ良いのかしら?そう思い―――上を向く。
 とは言え、何を仕掛けたら良いのかは解らないけれども・・・・・。
 「閏ちゃん!」
 「ハァイ?」
 閏が顔を覗かせる。・・・今まで寝ていたのだろうか?どこかポヤンとした表情だった。
 もし寝ていたんなら、なんと悠長なことだろうか。
 「ここはトラップを仕掛ければ良いのよね?なにかあるかしら・・・」
 「そうですね・・・」
 自分一人では良い案が浮かばず、翔子は閏に助言を求めた。
 閏が考え込むように視線を彷徨わせ・・・
 「翔子さんって、ナイフ持ってますよね?」
 「えぇ。」
 ・・・そうか、ナイフを下に仕掛けて―――
 などと思った翔子の考えは、次に続く閏の言葉で全て消し去られる。
 元より、打撃系の閏にとってはナイフを仕掛ける・・・なんて頭を使う方法は思いつかないのだろう。
 「ナイフを上から落とせば・・・!」
 「恐らく、柄の方が下になるわね。」
 それに、ナイフではあまりにも小さすぎる。
 万が一外れた場合を考えると、もっと大きなものを落とした方が良い。
 とは言え猪突猛進型の閏にとって、一度良い案だと思った案は永遠に良い案なわけであって―――
 かくしてこの部屋のトラップは上からナイフが落ちてくるとなったわけであった。
 「鬼が来たら落ちる仕組みになっていますから、大丈夫ですよw」
 満面の笑みでそう言うが―――そんな微笑んで言う事ではない。
 大丈夫と言うか、心配と言うか・・・・。
 とは言え、既に事は終わってしまったのだけれど。
 ま、仕方ないかな。
 翔子はそっと心の中で苦笑いを浮かべると、閏が落としたサイコロを振った。


 ●7回目『5』→26の部屋

 サイコロを振り、5つ進むと・・・そこは何も無い空間だった。
 本当に何も無いソコは、壁さえもない。
 どう言う事かしら?
 隣にいる子供ケムケムを見やるものの、どこか虚ろな表情でじっと空間を見詰めている。
 しばらくその場を見詰めていると、突然空間の中央からボコボコと何かが湧き上がってくるのが見えた。
 どろどろとした黒いものを全身に纏いながら、ゆっくりと出現する―――。
 鬼だ・・・!
 翔子は直感でそう悟った。
 そして、閏が逃げてくださいと言った理由も理解した。
 これは逃げる以外に手立てはなさそうだ。
 そう思った瞬間に、翔子はケムケムを掴むと走り出した。
 背後の扉は開いている―――どんどん走って行く。
 先ほど通った部屋を抜け・・・5つ部屋を戻った時、パタンと扉が閉まった。
 警戒するものの、扉の先から鬼が現れる気配は無い。
 とりあえず、コレで良かったのかしら?
 翔子は口の中でそう呟くと、ほっとその場に座り込んだ。

   →21の部屋


 ○8回目『6』→27の部屋

 サイコロを振り、6つ進むと・・・そこは綺麗な花畑だった。
 「なんだか随分と・・・」
 翔子がそう呟いた瞬間に、背後から再び武彦が姿を現した。
 よく一緒になる・・・と思いつつ、翔子が武彦に声をかける。
 「また一緒ね。」
 「あぁ、でも、ここはなんなんだ?」
 キョロキョロと周囲を見渡す。
 綺麗な花が咲き乱れるそこは、まさに地上の楽園だった。
 どこからともなく良い香りが漂って来て・・・これは紅茶の香りだろうか?
 「あら?お客様かしら?」
 そんな声がして、花畑の向こうから一人の女性が姿を現した。
 30代半ばくらいだろうか?長い髪を1つに結び、緑色のエプロンをかけている。エプロンの裾には可愛らしい犬の刺繍がしてある。
 にっこりと、穏やかに微笑む女性。
 「貴方は?」
 「私はここの花園を管理している者。さぁ、双六参加者さん、ここで少し一息しましょう?紅茶にクッキー。ゴールは直ぐソコ。そんな中で、ゆっくりと過ごすのも悪くないんじゃないかしら?勿論、早くゴールしたいでしょうけれども、焦ったってサイコロは落ちてこないのだから。」
 「・・・どうやら休憩所みたいだな。」
 「そうね。」
 翔子は頷くと、女性の導きに従って花畑の中を突っ切っていた。
 丁度花畑の真ん中、シクラメンの咲き乱れる中央に丸いテーブルと椅子が置いてあった。
 「さぁ、あそこに座って。・・・ケムケムちゃんの分がないのは残念だけれど・・・貴方は、クローバーのクッションの上に座ったらどうかしら?」
 そう言って、シクラメンの隣、クローバーが咲き乱れるあたりを指差した。
 翔子が子供ケムケムをクローバーの上にそっと下ろした。
 女性が花畑の向こうに姿を消し、しばらくしてから手にお盆を乗せて戻ってきた。其の上には、仄かに湯気を立てる紅茶と美味しそうなクッキー、そしてミルクと砂糖。
 「さぁ、お好きなだけどうぞ。サイコロが落ちてくるまで、ゆっくりと。」
 「ありがとう。」
 礼を言ってから紅茶に砂糖とミルクを入れる。
 銀のティースプーンでかき混ぜてから、両手でカップを持ち、ふっと息を吹きかける。
 ―――コクリ
 甘い温かさが体中を駆け巡る。
 「美味しい・・・」
 「なんか落ち着くな。」
 「そうね・・・。」
 「ここは、スペシャルポイントなの。ゴール手前の素敵な空間。戦いに疲れた戦士たちの憩いの場。もちろん、1つでもマスを進んでしまえば現実と言う憩いの場に戻るんだけどね。」
 「現実が憩いの場?」
 思わず武彦と目を合わせる。
 「貴方の世界にケムケム・・・ドラゴンは?」
 「いないわ。」
 首を軽く振った後で、翔子は続けた。
 「でも、憩いの場なのかしら。意味は違うかもしれないけれど、戦わなくてはならないものは、沢山あるわ。」
 「依頼書作成とかな。」
 「それは草間さんだけね。」
 翔子が思わず苦笑する。
 そんな2人の姿に、女性は柔らかく微笑みながら言った。
 「戦いに疲れたら、いつでもいらっしゃい?この空間は、疲れた戦士に休息を与える場。望めば何時でも貴方の傍に。」
 「ありがとう。」


 ●9回目『6』→ゴール

 まばゆい光が翔子を包み込み、目を開けた先はいつもの興信所だった。
 身体も元のサイズに戻っている。
 「ふぅ・・・やっと戻ってきたわね。」
 「なんだか今回は楽だったな。」
 「それは草間さんがイージーを選んだからじゃないですか?」
 時を同じくして戻ってきた翔子と武彦。
 なんだか今回は色々と縁があったわね・・・と思いながら武彦を見詰める。
 「草間さん!翔子さん!」
 目の前に居た暁が嬉しそうにそう言って、満面の笑みを向ける。
 暁とも色々と縁のある翔子だったが・・・一々反応が素直で可愛らしい。弟のようだと、思わず思ってしまう。
 「あら、2人とも戻ってきたのね。」
 「無事かしら?」
 奥からシュラインと揚羽が顔を覗かせる。
 どうやら何か作っているらしく、其の手にはパンが握られている。
 サンドイッチでも作ってくれているのかしら?
 確かに、先ほど一休みはしたけれども―――気づくと結構お腹がすいているではないか。
 「お帰りなさい。」
 奥から走ってきた閏がそう言って、翔子に抱きついた―――


■エピローグ■

 辺りが夕日に染められる。
 その中を、翔子はゆっくりとした足取りで歩いていた。
 なんだかいろいろあったけれど・・・悪い経験ではなかったわね。
 そう思いながら、ふっと微笑む。
 あの花畑で会った女性の事を思い出しては、どこか温かい気持ちに浸る。
 それにしても、あの子供ケムケムはどこに行ってしまったのだろうか。
 やはりあれは双六の中だけの生物だったのだろうか・・・?
 「翔子さんっ♪」
 不意に背後から名前を呼ぶ声が聞こえ、翔子は振り返った。
 「閏ちゃん。どうかしたの?」
 「呪いの双六って、翔子さんは知ってます?やるものを死に至らしめる・・・とっても、危険な双六。」
 「呪いの双六・・・?」
 翔子は小首を捻った。
 「6つで1つの呪いの双六・・・マスの魔によって命を奪われたものの数は計り知れない。鬼も、その産物。翔子さんは会いましたよね?あの、世にも禍々しい鬼に。」
 ふっと、閏は微笑んだ。
 それは今まで見てきた表情の中で一番感情らしい感情のない微笑だった。
 普段の閏とは違う・・・・・。
 「私の“対”の存在・・・今はもう“ソレ”に飲まれてしまったけれども。」
 「閏ちゃん?」
 心配になって伸ばした手を、閏がぎゅっと掴んだ。
 小刻みに震える小さな手は、勘違いなどではない。
 「ねぇ。皆を助けたいって言うのはたんなる言い訳で、本当は―――」
 寂しそうに、本当に寂しそうに微笑んだ後で、閏は翔子の手を放した。
 ふわりと、全てを断ち切るかのように明るい微笑を浮かべる。
 「今日は有難う御座いました☆また・・・今度。」
 「え?閏ちゃん・・・?」
 ペコリと頭を下げると、閏はクルリと踵を返して・・・
 「あ、そうだ・・・。ポケット、見てみてください。」
 そう言い残して、人ごみの中に消えて行った。
 ポケットを漁る。そこから出てきた、子供ケムケムの形をした小さな人形・・・。
 刹那、ほんの少しだけ心が温かくなったが、それでも心の中はどこか不思議にザワツいていた・・・・・。



     〈END〉




 ◇★◇★◇★  登場人物  ★◇★◇★◇

 【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】


  4782/桐生 暁/男性/17歳/学生アルバイト・トランスメンバー・劇団員

  0086/シュライン エマ/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員

  4537/深山 揚羽/女性/21歳/香屋「帰蝶」の店主

  3974/火宮 翔子/女性/23歳/ハンター



  NPC/紅咲 閏/女性/13歳/中学生兼夢幻館の現実世界担当

 ◆☆◆☆◆☆  ライター通信  ☆◆☆◆☆◆


 この度は『双六!【赤の書編】』にご参加いただきましてまことに有難う御座いました。
 今回お届けが遅れてしまってまことに申し訳ありませんでした・・・。

 さて、如何でしたでしょうか?
 前回に引き続き今回も長文ですね。すみません・・・(しゅん)
 今回はほぼ個別作成でした。
 個別ですが、他の方のノベルとリンクさせるところはキチンとリンクさせて・・・とやっていた所、パニックに陥りました。
 最初に大まかな流れを作ってから執筆出来れば一番良いのですが、双六!の醍醐味はサイコロを振りながらの執筆ですので、そう言うわけにも行きませんし・・・。
 何はともあれ、少しでも楽しんでいただけたならば嬉しく思います。

 火宮 翔子様

 いつもお世話になっております。
 今回、翔子様のみ鬼と遭遇いたしました・・・。
 双六の染まった部分・・・闇の部分が垣間見えた瞬間でした。
 今回は翔子様と武彦さんが双六の中で会う機会が多かったですね(苦笑)サイコロを振りながら、また一緒のマスに・・・!と、驚きました。
 ケムケムにママ扱いされたりと双六の中では大変でしたが・・・翔子様のカッコ良さと優しさを上手く表現できていればと思います。


  それでは、またどこかでお逢いいたしました時はよろしくお願いいたします。