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想いの数だけある物語ver1.5
瓦曾猖巣は町を散策していた。
茶の短髪を後ろに流している精悍な風貌の男は、着物姿に太い腕を組み、人込みの中へ紛れてゆき、彼の視界に様々な人々が行き交う。商人風の出で立ちの者もいれば、腰に刀をさした浪人風の者もおり、町娘が小走りに駆け、着飾った着物の女がしゃなりしゃなりと歩いている。
「旦那、注文は無しですぜ」
「手掛かりは無い」
「ごめんなさい☆」
「今宵は雨だねぇ」
猖巣の脇を通り過ぎながら、町民は小声で彼に伝えてゆく。壮年の男は無反応のまま、人込みから抜けた。訝しげな表情のまま、顎に手を運ぶと空を見上げる。
「手掛かりは無しか‥‥スッキリしないな。何が起ころうとしているんだ‥‥」
■斬激仕事屋稼業! 闇斬りの蓮――激闘の果て編
「行きなッ!」
長い緑髪を端で結んで纏めている猫のような瞳の女は、着崩した深紅の着物の振袖を薙ぐと共に、幾多の刃を召喚させた。彼女の放った刃へ向けて、一気に駆け出すのは妖美な風貌の青年だ。漆黒の衣が切り裂かれ、鮮血に真っ赤に彩られようとも、彼の突進は止まらなかった。水平に構えた刀身が遂に肉迫し、振るわれた残像が敵と交差する。刹那、互いの身体から鮮血が噴き出し、青年は地に膝を着く中、霧の中に浮かび上がったのは、血に染まった女を抱えた男の姿だ。優麗な銀髪の端整な風貌は、銀色の瞳で青年を見下ろす。
「ここで止めを刺すことも出来るが‥‥まだまだ楽しませてくれないとな」
「待てッ、待ちやがれッ!! チッ、身体が動かねぇ! おまえが、黒幕かよッ!」
――待ちやがれッ!!
銀色の瞳を大きく見開き、相澤蓮は夢から覚めた。そんな彼の視界に映ったのは、瞳を閉じて顔を近づける少女の姿だ。肩で切り揃えられた黒髪をサラリと揺らし、蕾のような愛らしい唇が迫る。花のような甘い香りが漂い、静かな息遣いまで感じられる距離まで迫った娘の「ような」風貌に、蓮は落ち着いた声で口を開く。
「‥‥おい」
パチクリと開いた瞳を瞬かせ、少女に見紛う風貌の少年は寸での距離で硬直した。暫らく静寂が経過すると、慌てて紀平隆美は身を退く。
「わあぁぁぁッ! 蓮の兄貴ィ、いつから起きて‥‥」
「‥‥いつからってなぁ。おまえはいつから俺の寝込みを襲ってたんだよ」
じっとりとした視線が少年を射抜く。呆れているのは明白だ。
「な、なに言うんだよ! 僕は熱でもないかなって、額を合わせようとしただけだよぅ」
動揺に両手をパタつかせながら、隆美は頬を染めて弁解した。改めて少女のような風貌の少年を見つめると、桜色の衣がはだけており、危うい色香を漂わせている。蓮は頬に冷たい汗を流した。
「おまえ‥‥」
青年は自分の身体に視線を落とす。細身ながら引き締った肉体の肢体は、あらゆる所に包帯が巻かれており、白い筈の物は既に赤く滲んでいた。一目で重傷だと気付く痛々しい様態だ。茶の長髪を揺らし、視線を横に流すと、タライに水が汲まれており、幾つも交換した真っ赤な包帯と、汗を拭いたと思われる布切れが散乱していた。再び視線を隆美に向ける。
「看病してくれてたのか‥‥すまねぇな」
「‥‥心配したんだよ。もう何日も起きなくて‥‥僕、兄貴が死んじゃうんじゃないかって‥‥」
眉を悩ましく歪めて、少年は上目遣いで青年を見つめた。円らな瞳は潤んでおり、本当に娘だったら抱き締めてやりたい衝動に駆られる。‥‥尤も、動ける状態では無いのだが。
「そうか。それで身動きの取れない俺の寝込みを襲っていた訳かぁ」
「お、襲ってなんか未だないよ! あ、お腹空いてるよね? 僕、何か作って来るね」
わざと蓮がおどけて見せると、少年は再び顔を真っ赤に染めて両手をパタつかせながら、腰をあげる。向かうは直ぐ隣の炊事場だ。お世辞にも大きな長屋と言えない蓮の宿に、せっせと用意する隆美の背中がクラリと揺れた。
「おいッ、大丈夫かよ?」
「うん、ちょっと目眩がしただけだよ。あ、水汲んで来るね。まだ、動けないんだから、勝手に外に出たら駄目だからね!」
両手を腰に当て、腰を稍曲げて忠告すると、少年は柔らかそうな黒髪を揺らして外へ飛び出して行った。残された蓮の長屋を静寂が包み込む。
「あいつ‥‥眠っていないんじゃねーのか?」
――蓮の兄貴ぃ☆
悩ましく肩から衣をはだけさせた少女の姿が記憶を過ぎる。桜色の着物の中から白い柔肌が覗き、甘い誘惑を湛えた濡れる瞳と唇が魅惑的だ。ゆっくりとした秒間の中、するりと衣服が滑り落ち、柔らかい肉の谷間が‥‥浮かばなかった。
「‥‥なんでまた女物なんか着やがって‥‥眠ったら夢に出そうだぜ」
静かだ。井戸は遠いし、隆美なら普通に娘と解け込んでいるに違いない。蓮は半身を起こそうと試してみたが、身体が軋むような痛いを覚え、再び床に伏せた。激痛が身体中を疾り、妖美な風貌に珠のような汗が滴り、荒い息遣いが響き渡る。刹那、明かり取りの障子越しに、一枚の和紙が飛び込んで来た。風に揺れてフワリフワリと落ちて来た小さな一枚の紙切れに、青年は視線を向ける。
「誰だよ、人の家に塵なんか放り込みやがって‥‥ッ!?」
何か文字が書かれているようだ。蓮は軋む腕を伸ばし、和紙を掴むと、仰向けのまま視線を走らす。赤い文字で書かれた文面はお世辞にも綺麗とは言えなかった。何より漢字が殆ど使われておらず、知識の低さが容易に見て取れる。‥‥が、この赤黒い文字は――――。
「血文字かよ‥‥ッ!! じゅんだと!? 木田唐じゅんか!?」
――木田唐じゅん。
大怪我を負う羽目になった張本人であり、蓮と生死を賭けた闘いを繰り広げた女だ。
『けがのぐあいはどうだい色おとこさん あたいとのけっちゃくはまだついちゃいないよ 二人きりでたいせんをきぼうするよ おもうぞんぶんじゃまのはいらないところでたたかおうじゃないさ』
「‥‥読み難いぜ、じゅんさんよ。おまえは幼女かよ」
呆れながら挑戦状を畳に落とすと、次第に銀色の瞳を研ぎ澄ます。
「やってやろうじゃねぇか‥‥」
●闘いの中で
草木も眠る丑三つ時。
夜風が漆黒の着流しを舞い揺らす中、蓮はじゅんに指定された場所に姿を見せた。未だ完治していないのか、青年の足取りは重い。包帯の尾を棚引かせる長い茶髪から銀の瞳を研ぎ澄ませ、周囲を見渡す。
「朽ち果てた村落とはな。‥‥打って付けの場所を指名してくれるじゃん」
そこは既に人が住んでいる気配すら消えて長い年月が経過した小さな村だった。あばら家には幾つも矢の痕跡が残っており、ここで何が起きたのか想像は難しくない。
『来てくれたようだねぇ』
風に流るる女の声に、青年は視線を疾らす。位置が掴めない。ここであの術を使われたら――――。
「安心おし★ 決着に汚い手は使わないよ」
一件の民家と思われる傍から、じゅんは姿を見せた。深紅の着物は下半身を覆うのみで、上半身は血の滲む包帯をサラシのように巻いたのみだ。魅惑的な格好に、青年は軽く口笛を鳴らす。
「随分と刺激的な出で立ちじゃないかよ♪」
「覚悟ってやつさね。あたいはね、敗れる時は故郷でと決めてんのさ」
「‥‥故郷だと? この朽ち果てた村がおまえの?」
女は哀しい笑みを浮かべ、緑色の瞳をギラつかせる。
「いいかい? どちらかが倒れるまでヤルよ! 覚悟はいいだろうねぇ?」
「いいのかよ? おまえの弱点は見抜いてんだぜ?」
蓮は漆黒の衣から半身を晒し、互いに条件を同じくした。双方とも裸体に白かった包帯を巻いた者同士。一瞬、女は戸惑いの色を見せたが、直ぐに戦意を取り戻す。
「笑止ッ!!」
じゅんは腕を振り上げ、幾つもの刃を召喚させた。青年は歩幅を大きく開き、腰に挿した刀の柄を握り身構える。対峙する二人の間を突風が吹き抜けてゆく。
(‥‥同じ手で来るとは思えねぇ。あの刃を一気に擦り抜けて太刀を浴びせるが先か‥‥ッ!)
蓮は痛みを覚え、視線を流す。未だ完治していない傷口から、じんわりと血が滲んでいた。頬に汗が滴り、妖艶な風貌が苦悶に歪む。
(長引くだけ不利になる。否、それは女とて同じ事か‥‥)
「そそる表情だねぇ♪ 色男さんッ! ‥‥くぅッ」
じゅんの腕が蓮を翳すと共に、幾多の刃が横殴りの豪雨の如く解き放たれた。迫る刃の中、傷口を押さえて体勢を崩す女を捉える。青年の口元が僅かに微笑みを浮かべると、刀身を抜かぬまま一気に駆け出す。紙一重で刃の洗礼を僅かな重心移動で捌き、止まる事を忘れた猪の如く肉迫する。
「じゅんよぅ、集中力が弱いんじゃねーの!」
「あんただって、辛そうだよ!」
じゅんは二ヤリと不敵な笑みを浮かべると、両手を腰の後ろへ廻した。握る得物は腰帯に備えてあった二本の短刀だ。つまり、この術は蓮を誘い出す罠という事か? 夥しい刃を躱してゆく青年へ向けて、女が跳び込む。確かに召喚された刃は直進しか出来ない。だが、術とは違う生身による攻撃は、その弱点を補うに十分だ。
「抜くしかねぇかッ!」
鍔に指を押し込み、風を巻いて月明かりに反射する刀身を引き抜く蓮。刀の重さが痛んだ身体に激痛を伴わせた。しかし、今は堪えるしかない。僅かな動作で刃の群れを弾き、眼光は鋭く女を射抜く。じゅんは躊躇い無く切先を薙ぎ振るった。
「そっりゃあッ! えぇいッ! たぁッ!」
薙ぎ振るわれる切先を弾けば、体勢を変えた所に刃の洗礼が強襲し、蓮の身体に鮮血が舞い散った。だが、飛び道具による戦術に頼って来た女の太刀筋は巧いとはいえない。青年が隙を突いて拳を叩き込めば、癒えぬ身体は鮮血を滲ませた。結果的に互角の闘いは続き、刃が消えた頃、ようやく互いに傷口を押さえて対峙し、荒い息を弾ませる。
「ハァハァ‥‥やってくれるじゃ、ないさ」
「クッ‥‥おまえも、な。‥‥よぉ、そんなに必死になって、おまえは何をしようってんだよ? こんなボロボロの身体でよ」
「‥‥黙りなッ! この世は腐ってんのさ。だからあたいはあの方の、世直しの為に手を貸すんだ、よッ!」
再び跳び込むじゅん。互いに剣戟を響かせ、火花と鮮血が迸る中、再び蓮は言葉を紡ぐ。
「世直しだと? 随分と大層な野望じゃねーか! 魔物使ってまでする事かよッ」
「あぁ、それだけの価値はあるさねッ! だから邪魔するアンタが許せないんだよッ! 行けッ」
至近距離で女は夥しい刃の群れを頭上高くに召喚した。このまま剣戟を続けながら、頭上から降り注ぐ刃を切り抜けるのは至難! しかし、この距離で放たれた刃は‥‥。じゅんは脂汗を全身に滴らせて、微笑んで見せた。
「賭け事は好きかい?」
「おまえッ!?」
蓮は疾風の如く太刀を薙ぎ振るうと、がら空きになった女の懐目掛けて刀の柄を叩き込んだ。完治していない腹部に強打を受け、じゅんが宙を舞って吹き飛ぶ。刹那、術の制御を失った刃の雨が青年へと降り注いだ。銀色の瞳が紫に染まり、残像を描きながら刀身が刃を叩き落とす。だが、彼とて無傷という訳ではない。洗礼に鮮血が舞い、傷口が開いて赤い飛沫を吹き上げた。動揺したのは女だ。
「アンタ‥‥」
「女を、犠牲にする、賭け事は、嫌いなんで、ね」
ガクリと膝を着き、血塗れの青年が妖艶な笑みを向ける。痛々しいながらも、どこか妖美に見える蓮の姿に、じゅんは猫のような瞳を見開き、動揺の色を浮かばせる――が、やがて高く笑い声を短く響かせた。
「バカじゃないのかい? 敵を庇って、この様、かい? 呆れた、ね」
「‥‥なら、冥土の土産くらいはくれよ」
「なんだい? 口付けでも、してあげようか?」
「それも悪くねぇが、よ‥‥反って死に、切れねぇ。‥‥大層な世直しに、何故惨殺死体が、必要なのか? 黒幕は、誰なんだよ?」
もはや瀕死の重傷に変わりない。まがりなりとも、じゅんは命を救われたと言っても過言ではないだろう。鮮血を零しながら女は近付き、優しげな微笑みを浮かべると口を開く。
「あれは‥‥魔方陣ってやつさ。生贄の血と肉を、線で結べるように、置き、魔界の扉を、開くのよ。だから、配置は、変えられない。邪魔な奴は、誘い出して、殺すしか、成就の道は、ないって訳さ」
「なるほ、ど‥‥つまり、再び、魔方陣とやらを、結ぶには、始めから、って訳かよ。おまえの主も、ご苦労だな‥‥あいつが、主だろ? 銀髪銀眼の、野郎、が、よ‥‥」
「‥‥へぇ、知って、いたのかい? あの方は、異国の、妖術を、学んだ方さ。アンタ達が敵う相手じゃない。‥‥もう、いいかい?」
じゅんは逆手に握った短刀をゆっくりと蓮へと向けた。青年は片膝を着いたまま項垂れ、長い茶髪がサラリと揺れて彼の目元を覆い隠す。
「あぁ‥‥スッキリしたぜ」
「ねぇ‥‥アンタさえ、良ければ、あたいの仲間に」
「断わる!」
じゅんの憐れみを断って顔を向けた蓮の瞳は未だ鋭い。一瞬、振り上げた腕が躊躇し、女は動揺の色を浮かべた。この男は生より死を選ぶというのか?
「‥‥残念だよ。バカは、死ななきゃ、直らないってのは、本当だね‥‥おやすみ★」
女の短刀が振り降ろされた。刹那、赤い半透明の障壁が切先を弾く。強烈な衝撃に刀身は砕け、じゅんは弾かれたように体勢を崩して尻を着いた。
「‥‥っぅ、な、なんだって言うのさ‥‥ッ!! アンタは‥‥」
瞳に映ったのは蓮を庇い、防御壁を展開させた少年の姿だ。両手を翳した隆美は不敵な笑みを浮かべて女を睨む。決闘の現場を捉え、寸での瞬間に滑り込んだのだ。
「地図が分かり難かったけど、間に合ったようだね♪」
「助かった、ぜ‥‥」
腰を落とし、青年は安堵の色を浮かべた後、視線をじゅんへと流す。彼女とて得物を失い、術を行使する力も使い果たした身だ。これ以上の続行は互いに望めないだろう。女はヨロヨロと立ち上がり、微笑んで見せる。
「闘いの続きは、また、今度だねぇ」
「なぁ、そんな組織、辞めないか? おまえに、何の徳が、あるってんだ、よ。いい女じゃないか、俺と、遣り直そう、ぜ」
(蓮の兄貴?)
我が耳を疑い、少年は黒髪を揺らして青年を見つめた。僅かな沈黙が過ぎった後、女は震える声を響かせる。
「な、なにを‥‥ッ、そんなことできるわけがないっ」
じゅんが背中を向ける一瞬、動揺と共に赤く染まる顔色を捉え、蓮は「かわいいとこあるじゃん」と微笑んで見せたものだ。これなら仲間になる日も遠くないだろう。
『勿論です、木田唐さん』
刹那、闇の中に落ち着いた女の声が響き渡った。闇から姿を見せたのは、茶髪を纏め上げた厳格そうな雰囲気を醸し出す眼鏡を掛けた女だ。齢は20代後半だろうか。手に持った細い鞭が、冷たい印象を更に際立たせる。じゅんはヨロヨロと身体を引き摺って彼女に近付いてゆく。
「‥‥麻蔑、明実、違うんだよ、あたいは‥‥」
「はい、承知しておりますとも。ですが、どうやら話しすぎたようですね♪」
明実のレンズ越しに浮かぶ冷たい眼差しに、女は戦慄を覚えた。手を差し伸べようとする中、冷たい視線を向ける女の口元が微笑みを模る。
「‥‥ッ! 待っッ!!」
ひゅんッと風を切り、横薙ぎに振るわれた鞭は、じゅんの身体を真っ二つに分けた。鮮血と肉片が舞い散る中、崩れ落ちる女の瞳は蓮を映し出しながら、涙を散らせてゆく。
「おまえッ! 仲間をッ!!」
「駄目だよ兄貴ぃ‥‥今は、どうする事もできないんだからッ」
怒りを露に見せる蓮を必死に抑える隆美。明実は二人に向き直り、丁寧に一礼する。
「麻蔑明実と申します。誘惑に負けたり、敵に情けを掛けられる女は排除させて頂きました。洩らした情報は、命の代償という事で★」
「‥‥待ちやがれッ! 命の代償だと? これっぽっちの情報が彼女の命と同等ってのかよッ!」
地面に拳を叩き込む蓮に背中を向けると、明実は闇に解け込み、姿を消した。
――麻蔑明実‥‥俺はおまえを絶対に許さねぇッ!!
「‥‥はい、蓮さん☆」
カタリーナは瞳を開くと、胸元に当てた一枚のカードを蓮に差し出した。
「蓮さんの履歴を更新いたしました。『武士道が盛んな日本。重傷の中、看病を受けて回復に努める蓮。そんな或る日、好敵手の女から挑戦状が。激闘の末、何とか勝利し、情報を聞き出したものの、好敵手は仲間に制裁を受けてしまう‥‥』って感じです☆」
相変わらずな履歴だな‥‥。
「あぁ、貰っておくぜ‥‥」
流石に三度目となると、慣れて来たが、釈然としない展開に表情は複雑な色を浮かべていた。
「それでは、蓮さん、ごきげんよう☆」
カタリーナが微笑む中、次第に大きくなる眩い閃光に、蓮は瞳を閉じた――――。
<闇の仕事人を続ける> <目を覚ます>
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号/PC名/性別/年齢/職業】
【2295/相澤・蓮/男性/29歳/しがないサラリーマン】
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■ ライター通信 ■
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この度は継続発注ありがとうございました☆
お久し振りです♪ 切磋巧実です。
値上がりしたにも拘らず発注して頂き、誠に有り難うございます。
ファンレターのお返事のお返事はOKなんだろうか? と、お返事できずにおりました。ともあれ、発注頂き、嬉しさと共にホッとしております。
さて、いかがでしたでしょうか? 今回はじゅんとの決着を中心に描かせて頂きました。敵の女すら魅了してしまう蓮さんの魅力。恐ろし過ぎです(笑)。今回は隆美との妖しい関係は一寸だけ☆ きっと何もされていないと思います。‥‥多分。
流れ的に非常に後味悪い結果となっていますが、この怒りを胸に完全回復して復讐(?)に挑んで下さい。切磋的には死んだか否か分からず、次の展開で復活とか好みのシチュですが、流石に『止めを刺す』と明記されれば相手の強さ演出も伴い、あのようにさせて頂きました。やはり被害があったのだから悪事は裁かれねばなりませんからね。
尚、じゅんが話した情報は、あくまで彼が彼女に伝えて言葉に過ぎません。真実か否かは自由にしちゃって構いません。
お気に召しましたら是非、続編をカタリーナにお聞かせ下さい。次回があるとすれば、新たな刺客の明実との闘いでしょうか。勿論、別の世界で物語を綴るのも自由です。
楽しんで頂ければ幸いです。よかったら感想お聞かせ下さいね。
今年はお世話になりました♪ また出会える事を祈って☆
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