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<東京怪談・PCゲームノベル>


|Д゚) 護衛という名のお泊まり

 神崎美桜。見た目普通の女子高生。
|Д゚) 清純派まっしぐらの女の子なり
|Д゚*) かわいーのー!
 家族構成、従兄弟。
 過去、何度か能力暴走をする。
 能力を狙う存在がつきまとって居る事もあるが、その能力を何か使えないかと日々生きている少女だ。


 神崎美桜は買い物が終わった頃には日が暮れていた。冬の日暮れは早いもので、時間感覚が狂うときがある。今年は大寒波の為にそれほど陽の光が差し込む事はない。
「遅くなってしまいました……」
 神崎美桜は買い物袋を持って、いそいそと家に帰ろうとする。
 自分の足音に合わせる様に、後ろから足音がする。アスファルトに乾いた靴音が響く。
「……?」
 美桜は振り返るが、闇は遠くまで見渡せない。気のせいかと思うのだが、不安になる。再び歩き出すと、乾いた靴音が聞こえてくるのだ。
 早足になれば其れも早足に。
 止まると、同じように止まる。
 美桜は後ろを振り返らずに、家にたどり着いた。
 しかし、不安はぬぐい去れない。
 恐怖で息が荒くなる。
 家には結界が張られているとしても、視線を感じるのだ。其れも夜に限って。
「この頃、悲しい事件が多いですし……困りました……」
 彼女は悩んだ。
 その心を感じたのか、温室に飾られている草花の元気がない。
 友だちに相談する事にしても、友だちを危険にさらしたくはないし、従兄弟を心配させる事は出来ない。
 そんな中、こういった事に対して適任者が居る事を思い出した。早速、電話をする美桜だった。
「もしもし、草間さんですか? 神崎美桜です……はい、実は……」


 草間興信所。
 美桜が殺人ブザーを鳴らす前に、ドアがゆっくり開いた。
「買い物言ってきますね。お兄さん」
「こんにちは、零さん」
「あら、美桜さん。こんにちは」
 気付いた零が、お辞儀する。
「お兄さん、かわうそ?さんと遊んでないで下さい。お仕事ですよ」
「お、そんな時間か?」
 草間は、どうやらかわうそ?と遊んでいたらしい。
「あの、お邪魔します……」
「ああ、一寸待ってくれ。この小麦色に引導を……」
|Д゚)ノ みおー うはー
|Д゚) たけぴー いじめる。
|Д゚) へるぷー
「お前が変なコトしなければいいだろう!」
|ДT) いやー
 遊んでいると言うより、草間が小麦色を雑巾絞りしている、としか見えなかったがが、零には“遊んでいる”と見えた様だ。
「で、なんだ? 仕事の依頼だったな?」
 いつになく、草間は嬉しいらしい。
 不謹慎だが、彼の今までの人生から納得がいくものである。今回珍しく、普通の探偵仕事が出来るのだから、彼にとって嬉しい事はないのだ

「不振人物に付け狙われているのか」
 話を聞く草間。メモもとっているのでやる気満々の様だ。
「できれば、草間さん達に私の家で泊まって頂けないでしょうか?」
「仕事というなら其れはOKだ」
 草間は仕事の顔で対応している。
「まあ、独り暮らしは何かと不便だろうな。で、なんだ? その付きまといは、あのデカい城みたいな家に侵入するって言うのか?」
「その可能性はありますので、どうすればいいか……」
「実際何を目的としているかが今のところ分からないからな。お前の能力じゃなく、人間として狙っている事を祈るよ。それか家の金など怪奇事件以外ならな」
 曲がりなりとも、草間武彦は探偵である。彼女の経歴過去なども大体のところ把握して居るものだ。
|Д゚) お泊まり……
|Д゚) ……零、良いとして
|Д゚) たけぴー、男
 何かしらナマモノが口を挟む。
「何が言いたい?」
「?」
|Д゚) 男はおおか……
|Д`)・゚・。 いた〜い!
 草間がナマモノの頭を思いっきり殴った。
「あのなー! 仕事と割り切っている!」
「大丈夫ですか? かわうそ?さん」
 美桜が心配するが。
「そいつは放っておけ。俺たちで暫くボディーガードと言う事だな」
 草間は、煙草をくわえて、確認する。
「はい。お願いします」
 お辞儀する美桜。
|Д゚) むう…… 
「もちろんかわうそ?さんもです」
|Д゚)ノ やったー!
「なに! こいつもか!?」
 驚く草間だった。




 探偵の仕事というのは色々ある。一日中見える範囲でのボディーガードというのもあって不思議ではない。今回は泊まり込みという事だから特殊さあるものの、それほど気にする事はないだろう。
|Д゚) 見た目……少女の拐かし
 草間と美桜だけならそう見えなくはないのだが、
「いちいち、うるさいぞ」
 草間がまた、かわうそ?を殴った。
|Д゚) いたい……
「草間さん、かわうそ?さんが可哀想です」
 と、美桜がこの本当にかわうそ?なのか、ネズミなのか、もしかしたらプレーリードッグカモしれない謎生物を抱き寄せた。
|Д゚)ノ 動物虐待反対
「このときだけ動物になるな、ナマモノ」
 イライラしながら草間は言う。
 見た目は、何かしらお泊まり会のような気分になる。かわうそ?自体は何も考えてなさそうなので、其れがかえって良い意味で役になっているのだろうか? 心和ませる状況になっているのだろうか?
「……美桜、そこのナマモノ共と遊んでおけ。俺は周りを見てみる」
 と、草間は煙草をくわえ出かけていった。
「お願いします」
 この日は通りに人が多かったか、草間と動物たちというボディーガードが居る為に、他に気配は感じ取れない。

「流石に、この城みたいなところから泳いでくる様なヤツは居ないだろう……」
 草間は窓から外を見て呟く。
「かわうそ?さんなら」
「アレは、肉体が泳げる動物カワウソだ!」
 草間が溜息をつきながら言う。
 因みに、獺は地方によると狸や狐と同じように人を化かす妖怪らしい。もっとも、今美桜に抱っこされているかわうそ?は、そのものではない。妖怪などを超越しているというのか、全く(神秘関係に於ける)何に分別すればいいか分からない不思議生命体である。
|Д゚) ……
「泳げるのですか?」
|Д゚)ノ 身体、獺、泳げる
「見てみたいです」
 にっこり微笑む美桜に
|Д゚) おけー
 かわうそ?は快諾している様だ。
「お楽しみは身の安全が確立してからだ」
「はい」
 と、電話がかかってきた。
「あ、まってください……。もしもし……。 ……!?」
 美桜が受話器を取ると、暫くして其れを落としてしまった。
「!?」
 聞こえるのは電話が切れた音。
「無言電話か……っち。……コレは良くあるストーカーの線が濃くなったな」
 受話器を戻して舌打ちする草間。
 かわうそ?を強く抱きしめて怖がる美桜だが。
|Д゚) ……大丈夫
「か、かわうそ?さん」
|Д゚)ノ たけぴーや零、みおみお守る
 と、かわうそ?が言った。
「ありがとうございます」
 零がやって来たのはそれから1時間後の事である。

「お兄さん、しっかり戸締まりしてきました」
「おう、ご苦労。何か気配はあったか?」
「誰かがいる様でしたが、ココまで来る事はなかったようです」
「そうか」
 と、しっかりこの家に扉を閉める草間兄妹。



 応接間。
「かわうそ?さん。一緒に寝ませんか?」
 美桜は、かわうそ?と焔と五月がゲームをしているところで呼びかける。
|Д゚) うぃ〜
「わーい! おとまりだー! でも、私と焔ちゃんはお仕事〜」
 五月達は万歳をしてから、キリリと表情を変えた。
「にゃ〜」
「見張りはまかせるの〜♪」
 と、五月と猫は何処かに向かった。
|Д゚*) ←面食いナマモノ
|Д゚) みおみおー安心する
「はい、かわうそ? さん」
 不振な電話があっただけで今日は終わった。


 朝は、美桜の朝食を食べ、草間が遠くで美桜を守り、焔と零、五月が交代で美桜を守っている。かわうそ?は常に美桜のそばにいるので、それほど問題はなさそうである。
「おじちゃん」
「おじちゃん言おうな。仕事の場合は所長だ 五月」
「そんな事どうでもいいのー。他の人には普通見えないし」
「……」
 と、五月と草間が話をしている。交代の時間のようだ。
「向こうで、あやしいひとみっけた」
「そうか……何か証拠掴むまで見ておこう」
「うん。んじゃ、私は寝るね」
 妖怪でも寝る事は必要らしい。


 数日後の事だ。
「かわうそ?さ〜ん」
 美桜は学校の外で待っている小麦色を見つけた。
|Д゚)ノ にゃー がっこうおつ
 そして一緒に帰る美桜と小麦色。
 その後ろには草間が付いている。
 因みに零や五月も各地点で隠れているのだ。
 猫たちが心なしか多いのは、焔の寄るところらしい。
 端から見れば、ぬいぐるみかラジコンか分からないかわうそ?だが、役に立っている様だ。雑談をしながらも、周りを気にしている。
「本当に平和出ればいいのに」
|Д゚) にゃー
|Д゚) 其れだとみおみおとでーとできる
「そうですねぇ」
 と、家路につく頃に……角から人影が襲ってきた!
「きゃあ!」
 美桜が叫んだ! 動けない! 思わず目を閉じた。
 時間が止まった様に思える。
 しかし、
「うわああ!」
 と、男の声……がする。
 にゃあ! にゃあ! ふー! と言う鳴き声と、いつも聞いていた男の声や女性の声がする。
 目を開けてみると、
 黒いジャンバーでデニムパンツの男が赤い猫に引っ掻かれおり、座敷童子の足跡も顔にくっきり付いている。そして、草間がその男を抑え込んでいたのだ。
「危なかったな。危機一髪だ」
 と、草間が苦笑する。
「あ、ありがとうございます」
 その場にへたり込む美桜。
「離せー! 離せー!」
「無理だな。事情を聞いてから、行くべきところに行って貰おう」
 と、草間が男を締め上げる。
「あ、あの……かわうそ?さんは?」
「それは……なんだ。お前が強く抱きしめてしまったから、伸びてるぞ?」
 と、草間が顎で其れを指した。
 小麦色はその場で青ざめており、フラフラしていた。
|Д×) きゅう〜
「ああ! か、かわうそ?さん! しっかり〜!」



 付きまとっていたのは、只の(怪奇現象と比較すれば只かもしれない)ストーカーだった。誓約書を書かせて、あるべきところに突き出す可動かは、美桜の一存という事になった。二度とやってはならない為に、警察に突き出す事が懸命だろうか? 強制呪が使えるなら、其れは其れでこした事はないが、難しいところである(むやみに神秘を使うのは問題なのである。彼女は蘇生術を持つ為狙われやすいのだ)。
「さて、仕事は一段落したな」
 と、仕事の後のビールで浮かれている草間が言った。
|Д゚)ノ 鯛の酒蒸し〜♪
「でも、焔さんや五月さんはスゴイですね」
「にゃ〜」
「えへへ〜♪」
 照れる座敷童子と猫。
「零さん、かわうそ?さん、五月さん、焔さん。今度はお友達として遊びに来て下さいね」
|Д゚)ノ うぃ〜
「はい、喜んで」
「わーい、お泊まり会ダー!」
 と、女の子同士(?)のお泊まり会という楽しみが増えた、美桜だった。


 草間は思った。
 女の子同士?
――まて、あのナマモノはどう見ても……オスだ……
|Д゚) かわうそ? 性別不明
|Д゚) 無問題
――違う、断じて違う……お前はどう見ても……


End

■登場人物
【0413 神崎・美桜 17 女 高校生】

【NPC 草間・武彦】
【NPC 草間・零】
【NPC かわうそ?】
【NPC 草間・五月】
【NPC すぴ】

■|Д゚)通信
|Д゚)ノ こんちくわ
|Д゚) 否、あけましておめでとうなり
|Д゚)ノ 「護衛の言う名のお泊まり」どうだった?
|Д゚*) みおみお可愛い

 あけましておめでとうございます。ライターの滝照です。この度は「かわうそ?と愉快な仲間達2」に発注して頂きありがとうございます。かわうそ?と一緒にお泊まりというシチュを書けて楽しかったです。神秘関係がらみの付け狙い出なく、普通の(というのは語弊があるかも知れませんが)付け狙いとして描写しました。
|Д゚*) ←気に入った模様のナマモノ
 又機会が有れば、お会いしましょう。

20060112