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<東京怪談・PCゲームノベル>


温泉旅行に行こう!

 温泉旅行の張り紙の明後日。
 銀屋の前に集まったのは桐生暁と九竜啓。
「おっはよー! あきらも参加なんだなー俺たっのしみ」
「おはよぉー……一緒なの……うれしい。んっと、お風呂の……おっきーヤツに行くんだよね」
「俺も! あったかくて楽しい、気持ち良過ぎて寝ちゃうかも。秘湯ってトコがなんかいいよね!」
「お、外が賑やかだと思ったらもう来ていたのか」
 からから、と店の扉が開く。そこから優しげに笑みを浮かべて顔をだしたのは藍ノ介だ。
「おっはよーございます!」
「おはよぉー」
「うん、良い朝だな。もうすぐ迎えも来るしここで待っておるか」
 きっと無意識なんだろう、藍ノ介は暁とあきらの頭を撫でる。
「ん、暁は何を持ってきたんだ?」
「あ、これ?」
 それはお楽しみです、と暁はにこっと笑う。中身は手作りお弁当だが、まだ内緒だ。
 と、低いエンジン音がしてそちらを向くと一台の車がやってくる。真白い、車高の低いオープンカー。車体にはペイントで赤い焔模様と車輪。
 しかも無人。
「お、来たか。奈津、早くしろ」
 藍ノ介は店の中に呼びかけて、そして二人を向くと乗れと言う。
「じゃあ俺運転席ー」
「暁、そこは奈津だ。一応免許持ってるからな」
「藍ノ介さんは……もってないの?」
「うむ、ない」
「ちなみに車酔いしますしね、おはようございます、あきらさん、暁さん」
 いつの間にでてきたのか後ろから奈津ノ介がくすりと笑いながら言う。
 おはようと挨拶もそこそこ。奈津ノ介の後ろには要もいて、お重をよいしょと助手席に置く。そしてその足下には色々と荷物が大小とある。。
「いっぱい作っておきましたから食べてくださいね、私はここでお見送り」
「はい、じゃあ皆さん後ろに乗ってくださいね、広いから三人いけるでしょう」
 早く、と奈津ノ介につめられるように三人乗せられる。思ったより広くて余裕だ。
「暁、あきら……」
「何ですかー?」
「何ー?」
 藍ノ介は二人、ささやくように呼びかける。その表情は硬い。というか青い。
「奈津は、飛ばすぞ、覚悟しておけ」
「じゃあ行ってきます、シートベルトはいいですか?」
 そう言うと同時に奈津ノ介は思い切りアクセルを踏み込む。
 一瞬にて暁とあきらは、藍ノ介の言葉の意味を理解した。
 奈津ノ介は、スピード狂。



 奈津ノ介の荒いハンドルさばきに耐えること約三時間。
 気分すっきりな奈津ノ介とテンションがた落ちの三人はとある山の麓にいた。
 視界には山、畑といったものばかり、周りにいるのも現地に住んでいる人くらいだ。
 最初は楽しんでいたものの、さすがに三時間もあの運転が続くと誰でも参ってしまうらしい。
「相変わらずの運転だな……朧車に任せてもいいだろうに」
「え、いやぁ折角だったので。若い頃の血が騒ぎましたし。でもすみません、暁さんとあきらさんに悪いことしましたね。帰りは安全運転しますね」
 是非ともそうしていただきたいと力なく笑む。
「あ……猫……」
 と、あきらが視線をのばした先、黒猫がちょこんと座っている。
「小判君」
 奈津ノ介もそれに気がつき名を呼ぶ。そうするとたたっとその猫は走り彼の腕の中におさまった。
「あきらさんは初めまして、でしたね。小判君です」
 小判が奈津ノ介の腕の中でぺこ、と頭を下げて一鳴き。あきらがそれに律儀にはじめましてと返す姿は微笑ましい。
「親父殿、荷物お願いしますね、大きい方。親父殿が持って行くって言ったものが入ってますからね、それ」
「……増えてないか、色々と」
「文句あるんですか? 昼抜きますよ、働かざるもの……」
「わかった、わかったから」
 主導権は満面の微笑みを浮かべた奈津ノ介だ。父は子に弱い。
「俺も……てつだう?」
 あきらが控え目に言うと奈津ノ介はでは小判君をお願いします、と渡した。あきらの腕の中で小判は丸くなる。
「あ、俺も手伝うよー」
「じゃあ暁さんにはこれお願いしようかな」
 そう言って渡されたのは小さな籠。その中には紙コップや箸といったものが入っている。
「おっけー、まかせて!」
 そして奈津ノ介はお重をもつと、乗ってきた車に夕刻またここに、と告げる。
 道は一本、山まで続いている。その途中で一人立っている、というか待っている様子だった。のんきに地元の人と話しながら。
 後姿、緋色の着物をだらしなく羽織って七分丈のズボンと下駄。少しくるっとした青い、長い髪。
 心当たりがあるようで奈津ノ介は嬉しそうな顔、藍ノ介は少し困った顔をした。
「あの馬鹿も来てるのか」
「南々さん――南々夜さんという方なんです、あの人は」
 奈津ノ介が暁とあきらにそう微笑んで言う。表情が、会えて嬉しい。そんな感じだ。
「どんな人かな? 俺仲良くなれるかな?」
「なれるだろうな。あれは……まぁ、会ったらわかる」
 そうやって言ってるうちにその南々夜の傍だ。向こうも気がついたらしく手を振っている。
「なっつー! あーいちゃん!」
 人懐こい笑み。明るく屈託無い。
「あはーなっつー変わらないね、藍ちゃんも」
「汝もな」
「それで、この二人は? 初めまして、だよね」
 ニヒっと目尻を下げて彼は笑う。なんとなく安心できるような、そんな雰囲気。
「桐生暁さんと、九竜啓さんです」
 奈津ノ介から名前を聞いてふんふんと南々夜は頷く。
 顔と名前と覚えているといった感じだ。
「ボクは南々夜。気軽にななやんでもなやでも、好きに呼ぶといいよ、ボクも好きに呼ぶからね」
「南々夜、汝また変な呼び名をつける気か……」
 呆れたように言って藍ノ介は笑う。もう慣れっこらしい。
「うん、決めたよ。キミがあっきーで」
 暁を最初に指差す。そして次にあきら。
「キミはあきちゃん。もうこれでばっちりだね!」
「うっわーなんかアイドルみたいな呼び方つけてもらっちゃった!」
「嫌なら今のうちに言わないと定着するぞ、暁」
「ううん、いいや! あっきーでいいよ!」
 よろしく、と暁は嬉しそうに笑う。
「あはーあいちゃん、自分がずっとあいちゃんて呼ばれてるの嫌がってるもんね、でもあいちゃんだから」
「わかっとるわ、もう諦めた」
「あいちゃんか……」
 じっと暁は藍ノ介を見上げる。
「な、なんだ、まさか汝もそう呼びたいとか思うておるのか?」
 暁はにこっと笑って、一回だけ、と言う。
「……一回だけだ、ぞ?」
「マジ? やった! じゃあ……」
 暁はどきどきわくわく、そんな表情で藍ノ介を見上げる。藍ノ介はしょうがないな、と苦笑しながらただ待つ。
「あい……ってやっぱ駄目だ! 俺にとっては藍ノ介さんだし」
 一瞬困ったような、どうしたらいいのかという風な表情を藍ノ介は浮かべた。
 それが見れただけでも十分だ。
 と、奈津ノ介が行きますよ、と言っているのが聞こえる。
 向かうのは山の中。



 獣道、と表現するのが一番しっくりくる。
 道は整備されていない、荒い、歩きにくい。
 その道中、今日は灰色の着物に身を包んだ者が待っていた。
 千両だ。
 あきらの手から小判は離れ、彼のもとに戻る。
「小判たん……! 偉かったね、パパ立派に仕事を果たした子を自慢に思うよ……!」
 小判は千両の腕の中で嬉しそうに鳴く。背中を撫ぜられるのがそうやら好きらしい。
「よく来たな、温泉はこっちだ」
 嬉しげに、千両は言ってついて来いと先に進む。
 獣道から外れた獣道。そんなところを少し歩いたところ。
 あたたかい空気と湯気が見えてくる。
「うっわすっげー!」
「温泉……温泉だぁ……」
 山の中、ちょっと急な斜面にごろごろと大きな石をどこからか持ってきてちゃんと温泉の形にしてある。
「一ヶ月前に掘り当てて形にした」
「千ちゃんすごいねー」
「温泉入るぞ……と言いたいが」
 そこで言葉を一区切り。藍ノ介は奈津ノ介のもつお重をじっと見る。
「……お腹が空いた、ですね」
「お昼ご飯……オムライス……あるかな? わっ」
「わーお昼だー!」
「お昼だよーあはー」
 後ろから南々夜が暁とあきらの肩をがしっと掴んで楽しそうに笑う。
 人懐こすぎる、というか警戒心が無い、というか遠慮が無いのか。
 奈津ノ介は藍ノ介に持たせていた荷物から色々と用意する。
 レジャーシートやら他にも色々と、準備が良い。
 あっという間に昼食準備終了。
「さぁどうぞ」
 千両の膝の上に小判、藍ノ介、暁、南々夜、あきら、奈津ノ介と一周。
 そしてお重をあける。
 一段目は御握りなどが、二段目に玉子焼きやたこさんウィンナー、そして三段目には濃い味付けの角煮などが入っている。
「なっつーが作ったのこれ?」
「いいえ、要さんが」
「なるほど、ボクも納得」
 ということで、いただきます。
 各々好みの物を選んで昼食開始。
 と、ごそごそと暁は自分の荷物からお弁当箱を取り出す。
「じゃーん」
「お、お楽しみと言っておった中身は弁当か」
「そうそう、藍ノ介さんへ特製弁当! 前好きそうかなって思ったヤツ詰めてきました!」
 お弁当箱の蓋を開けるとそこにから揚げとグラタンなどなどが入っている。
「おお、汝は料理も出来て……いい子だなぁ……」
「えっへへー、俺も喜んでもらえて嬉しいな」
 ありがとうな、と藍ノ介は言ってそれを受け取る。一つ食べてはちゃんとおいしいぞ、と笑いかけて、それが暁には嬉しい。
「汝も昼、食べろ。今日のもうまいぞ」
「うん、食べる!」
 暁もお重から好きな物を色々ととる。そしてもぐもぐと味わう。
「……まじウマ! 食材の旨みが生かされてるって感じでホント美味しい。甘いのは勿論ダケドこういうのも好きなんだよね」
「そうかそうか」
 と、奈津ノ介が動きを止める。
「あれ、どうしたの? 奈津さん固まってるー」
「暁さん……動かないで、くださいね」
 奈津ノ介はにこっと笑ってそう言う。
 え、と不思議に思うと同時に奈津ノ介――よりも早く南々夜が動く。
 何があったのかわからないうちに後ろでバキッと鈍い音と何か、巨大な物が倒れる音だ。
 一撃必殺というのか。
 そこには熊が倒れている。
「く、熊!? あれ俺の後ろにいたワケ!? うっわ、ちょっとビビったー!」
「いました、兄さんありがとう」
「うん、あっきーは大事なお友達だからねー」
「気がつけよ藍ノ介」
「そうだよあいちゃん」
「そうですね、親父殿」
 小判までにゃーと鳴いて、藍ノ介に反論の余地は無い。
「あ、なんかわし……苛められてる気分」
「藍ノ介さん……がんばって……」
 あきらに言われ藍ノ介は頑張るぞと言う。
 楽しんでからかわれている、そんな雰囲気。
 と、衝撃が足りなかったのか熊がのそりと起き上がり、そして意識をしっかりさせようと首を振っている。
「わー熊、起きたけどどうすんのこれ?」
「熊……逃げる?」
「どうしましょうかね。もしかしてお弁当の匂いに惹かれてきたとか……」
「じゃあボクが熊と話してみるねー」
 へらへらと笑って南々夜は言う。視線を熊の高さに合わせてじっと見つめあい。
「大丈夫……なの?」
 あきらの少し不安気な声に奈津ノ介は笑う。
「大丈夫ですよ」
「南々夜だしな」
「そう、南々夜だからな」
 奈津ノ介、千両、藍ノ介は心配ない、と言う。昔からよく知っているからそう言えるのだろう、緊張した感じは何も無い。
「信頼、してるんですね」
「腐れ縁だな、暁にもきっとそうゆうやつはできるよ」
 そうかな、と暁は笑う。そうだったらいいなと。
 暫く双方動かずにいた熊と南々夜。先に動いたのは熊だ。南々夜の方にゆっくり近づいてきて、そして彼に撫でられるのを受け入れる。
「あはーさっきはごめんね、一緒にお弁当食べようね。あきちゃんもあっきーもちょっと空けてー」
 南々夜は振り向くとそう言って、熊と一緒に座る。ちょっとした威圧感があった。
「すっげー熊と仲良くなれるなんて!」
「さわっても……大丈夫?」
 熊の興味を抱きつつ、触れ合いつつ、いつの間にかお重はすべて空だ。
「美味でした、ゴチ! 美味しかったって言ってたって伝えといてー」
「うん……オムライスの……おいしかった」
「はい、ちゃんと伝えておきますね」
「あ、チョコレートあるんだよね」
 思い出したかのように、チョコレートを南々夜は出してはい、と全員に渡す。もちろん熊にも。
「あ、これお酒はいってるやつだねー」
「お酒……俺、お酒弱い……」
「あきちゃん弱いの? 大丈夫だよーちょっとだし、えい!」
 あきらの口にぽい、とチョコレートを南々夜は放り込む。あきらも、ちょっとなら大丈夫かな、と深く考えてはいない。
 その刹那。
 あきらの雰囲気が、変わる。
「……れ?」
「あきちゃんだいじょうぶー? どうかした?」
「あきちゃん……? 俺?」
 露骨に眉を顰めて彼は周りを見る。
「あきらさん?」
「俺は……啓だ、あきらじゃない」
 その言葉に、各々顔を見合わせる。
「……結局あきちゃんだよね、ならいいよ!」
 そう言って南々夜は啓をがしっと捕まえると温泉へと放り込み、自分も飛び込む。もちろん服のままだ。
「うっわ何するんだって、ちょっ!」
「おりゃー!」
 湯の中に沈められ、あからさまに遊ばれている。
「楽しそう! 俺も行ってくる!」
 暁もうずうずしてそのまま温泉へと飛び込む。
「俺も混ぜてー! あははっ」
「スキンシップスキンシップ!」
「うわーもう……あはは、わっ」
 湯の中で掛け合ったり沈めあったり、三人楽しそうにする。
 それを奈津ノ介は見ながら、服乾かさなくちゃいけませんねと笑う。



 温泉での沈めあい、湯の掛け合いも一段落し、今はゆっくりとその湯に使っている。
 先に飛び込んだ三人の服は現在乾かし中だ。
 無理矢理に近いスキンシップで今はもう啓も馴染んでいる。
「生き返るぞ……」
「あいちゃんじじくさーい」
「黙れ」
「あれ、奈津クンは入らないのか? 気持ちいいのに」
 じゃばじゃばと湯の中を移動して啓は奈津ノ介の方へと近づく。
「ええ、皆さんの服飛ばされるといけないし」
「違うぞ、啓よ」
 そこに藍ノ介が口を挟む。にやりと意地の悪い笑みを浮かべてだ。
「奈津はいわゆるでべそでそれを見られたくないのだ」
「えー!? 奈津さんそうなの?」
 暁もそれに食いついて奈津ノ介を見る。彼は穏やかに笑んでいる。
「そんなわけないじゃないですか、もう親父殿は嘘なんかついて」
「何を……!? 汝はそうやっていつもわしに……」
 反論しようとする藍ノ介に奈津ノ介は満面の笑みを称えて口を開く。
「黙れ親父」
 その一言ですべて凍りつく。これ以上この話題は駄目だと直感が言う。
 そしてその雰囲気から抜けるのを助けてくれるのは南々夜だ。
「あはーあいちゃん怒られてるー」
「まぁまぁ、俺が背中流してあげるからさ!」
「暁はやさしいなぁ……どこぞの誰かとは大違いだ」
 まぁまぁ、と持参した桶で湯をすくってざばーとかける。それが楽しい。
 そしてよくよく見ると、藍ノ介の身体には無数の傷があることに気がつく。それは大小色々だが一番気になるのは左肩にある傷だ。
「藍ノ介さん、身体鍛えてるんだね」
「うん、まぁそれなりにな」
「でも無理して怪我しちゃ駄目ですよ、そんなことになったら俺泣いちゃう」
 軽い言葉だけれども、そう本心から思う。
 それに笑みで返された。大丈夫だと。
「そんなことにはならんように気をつける。さて交代だ、わしが汝の背を流してやろう」
「え、本当? わーい!」
 背から掛けられる湯の温かさと、そして一緒にいるこの気持ちのあたたかさが、なんだかとても嬉しい。
 甘えていられるものならば、ずっと甘えていたいと思う。



 そして楽しい時間は終るものでもある。
 乾いた服を着て、そして山を降りる準備。行きよりも帰りは荷物も軽い。
「忘れ物はないですね?」
「大丈夫!!」
「熊さん……ばいばい……」
「そうだ、熊!」
 名残惜しい、今のうちにさわっとけ、とばかりに暁とあきらは抱きつく。
 そしていつまでくっついている、と藍ノ介に引き剥がされた。
「あはは……あ、あそこ果物っぽいのなってる! 藍ノ介さん肩車、肩車!!」
 暁は目ざとく気になっている果物を見つけて肩車をせがんだ。
「お、うん、ほれ」
「じゃああきちゃんはボクがしてあげる」
「わっ」
 あきらがちょっと羨ましそうにしていたのを見て南々夜はあきらを肩車する。
 暁とあきらはちょっとした収穫祭を行っている。
「いっちばんいい感じの藍ノ介さんにあげるね」
「それは嬉しいな」
「俺も、南々夜さんに……あげる」
 とん、と肩から二人とも下ろされて嬉しそうだ。
 腕に抱えた果物から一番いい具合のものを渡す。
 もらった方もあげた方も嬉しそうだ。
「あと……熊にも……」
「そうだな!」
 暁とあきらは熊にも一個、渡す。
「さて帰るか、南々夜はどうするんだ?」
「ボクは千ちゃんたちともう一泊かな、皆気をつけて帰ってね。てか千ちゃんたちどこ行ったのかな?」
 そういえば姿が見えないな、と思うがどうやらいつもの事のようで藍ノ介も南々夜もそんなには気にしていないようだ。
「兄さんも、また遊びに来てくださいね」
「うん、行く行く。あっきーもあきちゃんもまたねー」
 両手をぶんぶんふりながらの南々夜のお見送りを受けて四人は山を降りていく。
 楽しかったな、と話をしつつ。
 そして山の麓へ出て、行きと同じ車を見て思い出す。
「奈津」
「奈津さん」
「奈津クン」
 何ですか、と振り向く表情は笑顔だ。
 三人は声を合わせて言う。

 帰りは安全運転でお願いします。
 

<END>


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号/PC名/性別/年齢/職業】

【4782/桐生・暁/男性/17歳/学生アルバイト/トランスメンバー/劇団員】
【5201/九竜・啓/男性/17歳/高校生&陰陽師】
(整理番号順)


【NPC/奈津ノ介/男性/332歳/雑貨屋店主】
【NPC/藍ノ介/男性/897歳/雑貨屋居候】
【NPC/南々夜/男性/799歳/なんでも屋】
【NPC/千両/無性別/789歳/流れ猫】
【NPC/小判/男性/10歳/猫】
【NPC/音原要/女性/15歳/学生アルバイト】


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■         ライター通信          ■
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 温泉旅行いかがでしたか? ライターの志摩です。温泉いいですよね、私も行きたいです。ゆっくりとちゃぷんとつかって……万年肩こりに効く湯を切実に…!
 今回もまったーりとして雰囲気でお送りできたと思っております。思い立ったかのように南々夜投入ということになりまして……思い立ったかのように熊がでてきたりと……熊がアクシデントだったらしいです、自分の中で。行き当たりばったり丸出しです(自分で言っちゃった

 桐生・暁さま
 いつもありがとうございます!
 今回は肩車を…!そしてお背中流しを…!熊の被害者に…!(なってません)いつもウフフと怪しい笑みを浮かべながら書いております。あっきーという愛称を南々夜につけられてしまいましたが、微妙だよ!と思えば次回きっと変わります。何事もなかったかのように…!(…
 それでは、またどこかでお会いできれば嬉しく思います!