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<東京怪談・PCゲームノベル>


[ 雪月花2 星の降る街 ]


 都会に居ると、街明かりのせいか、星の姿など見つけることは滅多に無い。例え見つけてもそれは数えられる程の物で。
 否、それ以前に星空を仰ぐことさえも……そうは無いのかもしれない。ただ、今日だけは特別だった。
 数えることなど決して出来ないのではないのかと思う、そんな星空が今目の前には広がっている。そして次々と流れ落ちゆく星達。けれど、夜空の星は尽きることなく輝き続け。それと同時に月が白く輝いていた。まるで、何かを祝福するかのような特別な星空の下。
 響いていたのは小さな声と草の音。虫の声。木々のざわめき。
 だからすぐに気づいた。そこに、見知った人物が居たことに。
「また、出逢えた……」
 発した声は彼女のもの。振り返ったのは旅を続けていた二人。
 共に違う道を歩んだはずなのに。道は再び一つになる。
 それは、無数の星を見上げることの出来る小高い丘での出来事。
 偶然は、二度起きやしない――――。


    ★☆


「あ、れ……崎咲さん?」
 彼女、里美の声に真っ先に反応したのは洸だった。もう、名前を呼ぶのに突っかかる事は無い。続いて柾葵が振り返り、その表情がパッと明るいものに変わった。
『なんか頻繁に逢うな。もしかして又取材か?』
 そしてすぐさま手渡されたメモに、里美はかぶりを振る。
「ううん、今度は仕事じゃなくって。自分のための小旅行、ってところかな」
 そう言いながら。
 相変わらずカメラは持っているし、肩から提げている鞄も前に会った時の物と同じようだが、里美は柾葵にはそう言い後を続けた。
「それにしても本当…凄いね、又こうして会うなんて。ぁ、二人も此処に星を眺めに?」
 その言葉には洸が答える。
「ええ、まぁ。前の町でこの丘の話を耳にして、少し寄ってたんですよ。どうせこの近くの街に宿を取ろうとも思っていたから」
「この丘の話?」
 一体何の事か分からず首を傾げれば、今度は柾葵がメモ帳へと何か書き記していく。
 そうして渡されたメモには、二人が前の町で聞いたであろう話が書かれていた。
『何でも昔此処は流星着地になってて、この丘から見る夜空は格別に綺麗だって聞いてな。でも……』
「でも?」
 言葉は不自然に消えていた。否、最後の『でも……』は半分ペンで塗り潰されている。それでも里美には読み取れてしまったのだが。
「寒いからもう嫌だって。俺はもう少し見ていたかったんだけど……そこにあなたが来て…あぁ、そうだ」
 何か思いついたような洸の声に、里美は再び首を傾げた。
「ちょっとこいつの相手しといてもらえません?」
「…………ぇ?」
 言われた言葉の意味を里美が理解するまでは、そうすぐではない。それを洸も分かっているのか、もう一つ二つの説明を付け足した。
「一人の方が動きやすし、そいつ居るといつも邪魔なんで。宿が取れたらすぐ帰ってくるんで、それまで適当にお願いします」
「っぇえ!?」
 例え理解出来るよう話されたとしても、それはあまりにも突然で。けれど結局、洸は里美の返答は聞かぬまま。彼女と柾葵に背を向けると街の方へと行ってしまった。
 ポツリとその場に残された二人。珍しい場所とは言え、この辺りは特別観光地と言うわけでもないのか、人の姿は全く無い。多分この丘の話はこの付近、極一部にだけ伝承のような形で伝わっているものなのだろう。観光地であるならば、この辺りが草木の手入れもされない荒れ放題な場所なわけも無い。
 ザァッと吹き抜けるような風が吹けば、足元の草もざわめきくすぐったい。
 取りあえずどうするべきか、そう里美が考えていると横から紙が渡された。
『悪いな。俺なら此処でジッとしてられるから。もう寒いし別に行きたい所行って構わないからな』
「あ、ううん。私は全然構わないと言うか……寧ろ嬉しいんだけどね……」
 そっとかぶりを振りながら言うが、最後の方は殆ど声にならない。勿論柾葵にもその言葉は届いていなかったようで、ニコニコとまだ話を聞く体勢の彼に、里美は自分を取り繕うように言葉を足した。
「それにこの場所も、もうしばらくはゆっくり見ていたいと思ってたし。丁度良かったかなって」
 何より、折角又こうして出会えたのだから、ゆっくり話したいと言う思いも里美にはある。
『綺麗、だもんな…この寒ささえなければ俺も好きだろうな。あー、夏とかなら又来たいとも思う。
 でもまぁ、こういう機会って無いからな、久々にゆっくりできて本当は俺も嬉しい』
 本当は、さっきの言葉が全部聞こえていたのではないかと思うような言葉。そして嬉々とした思いが文字に表れている気がした。
「ホントに、ね……」
 それをそっと握り締め、里美は再び空を仰ぐ。
 漆黒とは決していえない、濃い群青色の様な空には、変わらず無数の星が点在していた。
 こうして都会の雑踏から離れ、月明かりだけを頼りにしているようなこの場所で星を眺めていると、なんだか自然と穏やかな気分になる。
「でも……なんだか思い出しちゃうなぁ……」
 そしてポツリ、無意識と言って良いほどの呟きに、柾葵は里美を横目で見た。多分、さっきの声も…聞こえていただろう。ただ、流石の里美も目の動きだけのそれには気づかず。
「……さ、ん――――」
 ただもう一言。それは里美自身も何を呟いたのか、よく分からない物だけれど。不意に隣に立つ柾葵と目が合った時、その言葉は思わず漏れていた。
「初めて会った時、最後にこのカメラ…カッコいいって言ってくれたよね」
 柾葵はそれにはすぐ、大きく頷く。大切なものだと言うことも、彼はちゃんと覚えてくれている。
「これ、ね……大好きだった両親の物なの。だから大切なんだ」
 肩から提げたカメラ、それを見つめながら里美は言う。柾葵は何を言うでもなく、ただそこで里美とカメラを見ていた。その表情は、少し哀しそうで。けれど、その目は優しい物に思えた。それが、なんだか相槌のようにさえ思え、又自然と言葉は生まれる。
「その大切なものを持って私は今、両親と同じ仕事をしてるの……」
 カサリ、渡された紙にはただ一言『よっぽど両親のこと、好きなんだな?』と、そう書かれていた。
「そう、だね。そう…好きなんだよ」
 それが意図的だったのかどうかは分からない。ただ、彼はもう分かっているのかもしれない。分かっているからこそ、それを過去のものにはしないよう、今もそうあり続けているように。
 しかし、次に渡されたメモに里美は思わず柾葵を凝視してしまう。
『洸は知らないけどな、俺も親に弟は…好きだ。親は正直良く分からなかった、鬱陶しいと思ってたからな。
 ただ俺が、失って初めて気づくって言う――その初めての経験のきっかけが人を亡くすって事だった。』
 その時なんとなく、哀しい…笑みの中の優しい目、その意味に気づく。
 抱えているものが似ていたから。それは全く同じとは言えないだろうけれど。多分想いは同じで、きっと同じ表情なのだ。
「…………柾葵さんはもうとっくに分かってたんだね? 私と自分とが同じなんだって」
 少し長い沈黙の後言った里美に、柾葵は大きくかぶりを振る。
『いや…初めて会った後、洸が崎咲さんの雰囲気が俺と似ていてでも違うって言っていたけどその時は気づかなかった。この前会った時も。
 ただ、なんとなく分かったんだ。今、こうして話を切り出してくれたから分かって。同時に驚いた。
 でも聞いてばかりもアレだからな。要らないだろうけど、崎咲さんがしてくれた分だけ…適当に俺の話もしようと思う』
「そっか……私も驚いたけど、ありがとう。でも……」
「?」
 思わず浮かべてしまった苦笑い。けれどその視線の先には、真っ直ぐ里美を見る柾葵と流れていく星達。この景色を見ているとどうしてか、どんな状況であっても穏やかな気持ちになれる気がした。心まで、少し軽くなるようなそんな気持ちに。
「特殊能力――って、言うのかな。生まれた頃には無かった物が、今の私にはある…両親が殺された事がキッカケで目覚めた、とでも言うのかな」
 そっと俯く。けれど言葉はさらりと出る。決して気持ちに反しているわけでもなく。けれど、いつもならばそう簡単に口に出来ることでもないはずなのに。
「先見――いわゆる予知能力に治癒術。それが私の力で……やっぱりこう言う物って気持ち…悪い? こう、普通の人は傷を治したり、未来を予測できたり…しないもんね」
 柾葵から答えは返ってこない。ただその代わり、たった今ペンが紙の上を走る音がした。多分、答えは少しすれば届くだろう。
「力に目覚めたキッカケは最悪だった。でもね、この力が誰かの為になるのなら、私はその人の為に使いたいと思うんだ」
 ただ、その少しと言う時間は思ったよりも長くて。多分普段ならば気にならないような一瞬が、今では永遠に感じる…そんな時間が流れていた。
「んーっ、でもホント不思議……何でだろ? こんなに綺麗な星の下だからかな?」
 この間に、いくつ星は流れ落ち、いくつの言葉が紙に書かれ。
「両親の事も、私自身の力の事も。ここまですんなり話せた事ないよ」
 いくつもの言葉が自分の口から紡がれるのだろう……そう、里美は思わず考えてしまう。
 ただ、里美の声が一度途切れると同時ペンの音も止まり。カサカサと紙の音、それと足元の草が揺れる音がした。気温は大分下がり始め寒いが、気づけば今風は吹いていない。
 やがて訪れた沈黙に思わず顔を上げれば、そこに柾葵の姿は無い。否、里美のすぐ後ろに柾葵はいる。
 そして里美がそれに気づいた時にはふわり、包まれるような感覚にもう、その身は捕らえられていた。
「どっ…‥」
 咄嗟の事に声は上手く出てこない。ただ、鞄はともかくカメラは落とさないようにするのが精一杯で。
 気づけばすっぽりと、里美は柾葵のコートの中に収まっていた。多分、後ろの彼は平気な顔でいるのだろう。それはなんとなく、雰囲気で分かる。
 抱き竦めるまではいかないが、里美の左右から伸びてきた柾葵の手により突如密着したこの状態は心臓に悪い。
 ただそんな柾葵の右手で、僅かな音を立て揺れるシルバーアクセサリー。けれど思わず見つめたその右手にはメモが一枚。里美へ差し出すように握られていた。
「これ?」
 一応確認を取るよう、首だけ少し柾葵を振り返ると、彼は小さく頷く。開いたそこには、少し短めの文章が書かれていた。
『流石に寒いだろ。と言うか俺が滅茶苦茶寒い……あいつもまだ帰って来そうに無いから、んな答えを急ぐな。
 気持ち悪いなんて俺は思わないから。にしても…俺達は何処まで似てんだろな?』
「…?」
 里美が読み終えメモから顔を上げると、一度柾葵の右手は里美から離れ、もう一度彼女の前に現れたと思えば又メモを握っていた。今この瞬間何か書いていた様子は無い。何よりも、次にそこに書かれていた言葉の長さは一瞬で書けるものではない。予め何枚かに分けて書いて溜めていたのだろう。
『ただ似てるっても、俺には無いものを崎咲さんは持ってるし、似たもの同士傷を舐め合うつもりも毛頭無い。
 不幸自慢でもないし、崎咲さんだってそんなつもりは無いってのは…分かってる。けどな、‥
 まず普通の基準なんて何処にも無い。だから、それが変だなんて言わない。何より俺にも…妙な力はあると思うんだ。』
「力って、柾葵さんに…も?」
 半分里美の答えを誘導するような書き方をしているせいもあるのだろう。話が繋がるメモは、またしてもすぐ手渡された。
『よくは分からない…けど俺は そうだな、家族の死で声を失った。ホント馬鹿みたいな話だと思うんだけどな。
 その代わりなんとなく…目の前の人間が何言いたいだとか、何思ってるかが分かるようになった。
 区々だから、いつでも誰でもどんなことでも便利に判るわけじゃないし、コントロールも何も効かない。
 寧ろこんな力あったって良い事でもなんでもない。』
 だから、なのだろう。柾葵が今日、何かを察していたのは。
「柾葵さん…………ぁ?」
 読み終わったメモ、その下にもう一枚のメモがあった。糊しろ部分が付いたままで、彼が意図的にそうしたのか、間違えて二枚破ってしまったのかは分からない。ただ、その二枚目にも短いながら、そして何処か躊躇いながらも言葉が書かれていた。
『ただ鬱陶しくて…時に人と必死で距離を置いたりもして。
 挙句俺の時間は五年前から動かない…らしい。子供の俺のまま  ただ闇雲に探し続けて‥ 馬鹿みたいだ』
「探し――柾葵さんも何か探して?」
 しかし二枚目のメモは里美の言葉と同時、あっという間に彼女の手を離れ。柾葵のコートのポケットへと無造作に押し込められた。その行動から、明らかに本来見せるはずのものではなかったと分かる。
「……えっと、ごめんなさい」
 なんとなく謝ると、後ろで柾葵が思い切りかぶりを振ったのが分かった。
 それと同時、ばさりと何かがどこかに落ちる。月明かりしか無い故、それが何かは良く分からなかったが、里美にはなんとなく……分厚いメモ帳が落ちた音に聞こえた。
「何か落ち、た?」
 足元を見渡し。落ちた何かを取ろうとしゃがみ掛けたところ、それを柾葵の両手で静止させられる。
 そして左手を取られ、その掌に指が当てられ。その指は里美の掌をなぞる様動く。
「っ…ぇ……? ……かま  わな い――――……構わない?」
 最初こそくすぐったいと感じるそれに、やがて言葉が綴られている事に気づき、復唱するよう声に出す。すると、後ろで大きく彼が頷いた。
 慣れない事にすぐの解読は出来ないものの、分かりやすいように平仮名を主体にゆっくりと書かれて行く文字は、次第に解読のコツも掴めてくる。メモ帳を使えば断然早いけれど。今はこの方がいいかもしれない。
 彼がメモ帳に言葉を書き記している間の、そのホンの短い時間でも……ペンの音しかないその時間は、少しだけ寂しい気持ちになってしまう。言葉を返してくれる人が目の前にいるのに言葉を待つという、その間は決して良い時間ではない。
『いや、俺の方が悪いんだ。余計な事書きすぎた。ただ、崎咲さんの力は…きっといつか、誰かの為に使う日が来ると思う。何よりも、強い意志があるから大丈夫だろ。』
「そう、かな? うん、そうだと…いいな」
 そっと微笑むと、もう一言。
『なんなら俺が祈っとく  ん、願っとく?』
「あ、ありが……とっ?」
 そう里美が良い終わる前、柾葵は彼女の右手も取り、まるで御参りのようにパンパンと手を合わせた。
「流れ星の願いは別に叩かなくても、ね」
 思わずそう笑えば、彼は再び左掌に文字を書き綴る。
『手を合わせるには変わりないだろ? 後は星が流れっぱなしの空に三回祈れば絶対叶う』
「……うん」
 合わせた手は柾葵の大きな手に包まれたまま。そっと、目を閉じる。
 目を閉じても、瞼の裏で星が流れて続けているような錯覚に囚われる。まるでプラネタリウムだ。

 星に願いを、月に祈りを――――…‥


    ☆★


 暫くコートに包まり二人、寒さをやり過ごしていた。
 結局洸が帰って来たのは二人と別れた一時間後。元々寒さに弱い柾葵は勿論のこと、里美も小さく震えだしていた。
「ご…ごめん……二人とも」
 コートに包まり自分を見てくる二人に、洸は思わず後ずさりながらも宿は取れたことを柾葵へと告げる。それを聞くと柾葵はようやく暖かい場所へ移動できることが確定し安心したのか、ガクリとその場に座り込んだ。
「だ、大丈夫!?」
 思わず振り返り聞けば、柾葵は苦笑しながらも頷き、足元に落ちていたメモ帳もついでに拾い立ち上がる。
「所で崎咲さんは今晩どこかに宿を?」
「あ、まだ特には。ただやっぱり同じ街に宿取るかなって」
 その言葉に洸は何故かホッとした様だった。
「なら良かった。柾葵の相手してくれたお礼と待たせたお詫びにと思って、もう一つ部屋取ったんで良かったら使ってください」
「……良い、の?」
 そんな礼で宿一部屋はあまりにも条件が良い。
「それ以前に助けてくれたお礼も含めて。俺からはこんなことしか出来ませんから。さ、案内しますよ」
 洸の言葉の後にはペリッとメモを破る音。
『じゃ、宿まで一緒だな』
「…それじゃあ、お言葉に甘えて……」
 洸は相変わらず里美の答えを聞く前に行ってしまったが、結局柾葵の言葉に後押しされ後をついていく。
 丘を離れると、夜空は都心のそれと然程変わりないものに見える。まるであの丘の上空だけが特別だったかのようだ。
 途中、柾葵は里美の隣を離れ、一度だけ洸の方へ向かうと、その掌にやはり何かを書いていた。洸は足早に歩いたまま、それを解読し返答しているように思える。柾葵にとっては多分、一番スムーズに会話できる方法と相手、なのも知れない。
「慣れれば…私にもなんとかなるかな?」
 二人の背を見たままポツリ呟き。踵を返し帰って来た柾葵に思わず「お帰り」を告げる。
『もうすぐ だってさ』
 けれど気づけば不意に左手を取られ、そこに短い言葉が綴られる。
 咄嗟の判断はまだ難しいけれど……紙に残る言葉より、この言葉の方が良いと思う。
 温かいし、直接伝わってくる気がするから。
「…………」
 だから、少し考えた末。今度は里美が柾葵の手を取り。
「!?」

『あ り が と う』



 驚く彼の掌に、ただ一言…けれど、様々な想いを込めた言葉を綴る――――。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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→PC
 [2836/崎咲・里美/女性/19歳/敏腕新聞記者]

→NPC
 [  洸・男性・16歳・放浪者 ]
 [ 柾葵・男性・21歳・大学生 ]←main!

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、亀ライターの李月です。いつも有難うございます!遅くなりましてすみませんでしたっ…。
 ほんわからぶ…なようなお話になりましたが、いかがでしたでしょう…。どこまでやって良いのやら状態ですが、まだ現時点で柾葵に特別何かの感情が――という感じではありません。素で今回色々(いきなり後ろ抱きとか‥)やらかしていますので、現在の好意(この段階で十分親密度は上がってる感じなのですがね)以上の、何か特別な感情を持ったときこの人は崎咲さんに何をするのか言うのか…少し恐ろしいものです。
 何か問題ありましたらメールかレターにてお知らせください。
 最後になりましたが、再会が可能なのは此処が最後のようなものでして……次のお話からは再会にしては少々始まりが唐突ですので、調整も兼ねまして今回特別な終わりになりました。色々説明不足もあると思いますので、分からない点ありましたらご相談ください。

 それでは又のご縁がありましたら…‥
 李月蒼