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<東京怪談・PCゲームノベル>


特別任務「子守り」!?

 あやかし荘の近くの商店街にあるタコ焼き屋「四たこ」。

 とうに閉店時間を過ぎたその店に、今日はまだ二人ほど客が残っていた。
 いや、「残っていた」という表現は、この場合あまりふさわしくないかもしれない。
 なぜなら、その二人が来たのは、すでに店を閉めた後だったからである。

「……とまぁ、こんなとこです。状況は決してよくないですね」
 今日何杯めかの焼酎を飲み干して、鷺沼譲次(さぎぬま・じょうじ)は大きくため息をついた。
 傍目にはただの酔っ払いにしか見えないこの男、実はIO2のエージェント、それも「A」対策班の班長である。
「というわけで、もう一杯お願いします」
 話の脈絡と関係なく、グラスを掲げる鷺沼。
 そんな彼を、隣にいた金髪の女性が制した。
「隊長、何が『というわけ』なんですか!?」
 彼女はMINA。鷺沼の部下の一人で、過去の任務により重傷を負って、今では「パワードナイト」と呼ばれるサイボーグとなっている。
「だいたい、どうして部下のあたしが隊長におごらなきゃいけないんです?」
「るせぇ。お前のせいで書かされた始末書、今月だけで何枚になると思ってんだ」
 そんな二人の様子を、店主の室崎修(むろさき・しゅう)はただ黙って見守っていた。
 鷺沼が部下を連れてくるのもいつものことなら、その部下となんだかんだと言い合うのもいつものことである。
 つまり、これもこの店では見慣れた風景……の、はずだった。

 二人のいるテーブルの隣に、いつの間にか赤ん坊がいるのが目に入りさえしなければ。

「おい、あの子は誰だ?」
 室崎の声に、鷺沼たちも言い合いを止めてその赤ん坊の方を見る。
 三人が見つめる中、その子は隣のテーブルの上にちょこんと座ったまま、きょとんとした顔で三人を見返し、やがて鷺沼に目をとめてぽつりとこう言った。
「ぱぁぱ……?」

「譲次、お前いつの間に?」
「隊長、いつの間に結婚したんですかっ?」
 全員の視線が、鷺沼に集中する。
 ……が、もちろん彼にとっては覚えのないことのようだった。
「あのなぁ……ンなワケねぇだろ。
 だいたい、ついさっきまではいなかったじゃねぇか」
 そう答えながらも、「ぱぁぱ」と呼ばれたことを「懐かれている」と解釈してか、鷺沼は苦笑いを浮かべて赤ん坊に歩み寄り、その子の目を見てこう尋ねた。
「で、お前は一体どこの子だ?」
 その問いに、赤ん坊は二、三度目を瞬かせ、それからにっこり笑った。
「きらはねぇ、みらいからきたのぉ」

 予期せぬ答えに、再び凍りつく大人三人。
「隊長、私には『未来から来た』って聞こえたんですが」
「ああ、俺にもそう聞こえた」
 顔を見合わせる鷺沼とMINAに、室崎はふと思ったことを言ってみる。
「じゃ、やっぱり譲次の子か」
「いや、それはわかりませんって!」
 混乱しつつもそれだけは即座に否定する辺りは、さすが鷺沼というべきだろうか。

 だが、誰の子であろうと、この赤ん坊――「煌」という名前らしい――をこのまま放っておくわけにもいくまい。
 室崎がどうしたものかと考えていると、今度はMINAが赤ん坊の方に向かった。
「でも、かわいいですねぇ。
 やっぱり子供っていいなぁ……あたしもいつか……」

 MINAにもまだ生身の部分は残っているとのことだが、それがどこなのかまでは室崎も聞いていない。
 少なくとも手足でないことだけは確定しているのだが……あんなことを言うところをみると……ひょっとして?

「……産めるのか?」

 それは、当然と言えば、当然の疑問。
 しかし、室崎はすんでのところでそれを自重した。年長者の落ち着きというものである。
 ところが、鷺沼はほんの少しだけそれが足りなかったらしく、うっかりそれを口に出してしまい……答えのかわりに、文字通りの鉄拳による一撃を受けるハメになった。
「隊長、それはセクハラですよ?」
 たまらずその場にひっくり返った鷺沼を見下ろしながら、MINAが引きつった笑みを浮かべる。
 そんな二人の様子を見て、煌はきゃっきゃっと無邪気に笑った。





 ともあれ。
 このような予期せぬ乱入者があっては、何事もなかったかのように飲み続けることなどできるはずもない。
 早々に切り上げて家路につこうとする鷺沼に、室崎はもう一度こう聞いてみた。
「で、一体どうするんだ、この子」
「ったって、俺も仕事があるからなぁ。
 修さん、面倒見てやってくれませんか?」
 確かに、鷺沼の仕事は「休みます」と言って休めるものでもないし、赤ん坊連れでこなせるような仕事でもない。
 とはいえ、室崎としても、この手の厄介事はできればごめん被りたかった。
「バカ言うな。
 俺だって店があるし、正直赤ん坊の扱い方なんかわからんよ」
「それは俺も同じですよ。
 それに、この子もある意味では怪奇現象である以上、俺たち以外のIO2の連中のいるところに連れていくわけにはいかんでしょうが」
 さすがは言い訳歴ン十年の鷺沼、まともに言い合っては室崎も分が悪い。
 やむなく、室崎が煌の世話をすることを覚悟し始めた時。
 助け船は、意外なところから出された。
「あの〜……あたしに任せてもらうわけにはいきませんか?」
 MINAである。
 どうやら彼女は煌のことがすっかり気に入ったらしく、先ほどからずっと幸せそうな笑顔で煌のことを見つめている。
 ……にも関わらず、二人が「MINAに預けよう」という結論に達しなかったのは、一言で言えば彼女がそう言ったことに向くとはあまり思われなかったからなのだが……この際、背に腹は代えられない。
 鷺沼と室崎は一度頷き合うと、隊長である鷺沼の口からMINAにこんな「指令」が下された。
「……なるほど、その手があったか。
 よし、それじゃMINAに特別任務だ。
 この子の落ち着き先が決まるまで、責任を持ってこの子の世話をすること」
「はいっ! がんばりますっ!」
 嬉しそうな笑顔で一度敬礼してから、MINAが危なっかしい手つきで煌を抱き上げる。
「さ、行きましょうね〜、煌ちゃん」
「ぅ〜」

 その様子に、室崎たちは言いようのない不安に襲われるのであった。
「……なあ……本当に大丈夫か?」
「いや……不安と言えば、不安なんですけどね」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 そして、それから十数分後。

「……で、どうして俺の家に来るんだよ」
 予想外の事態に、鷺沼は文句を言わずにはいられなかった。
 MINAが煌を伴ってきたのは、なんと鷺沼の部屋だったのである。
「だって、よく考えたらあたしの家って基地の寮じゃないですか」
 サイボーグであるMINAは、いざというときのメンテナンスなどのことを考えて、基地内に設けられている隊員用の寮に住んでいる。
 当然、そんなところに赤ん坊を連れて行けば人目につかないはずもなく……煌が「未来から来た」ということを計算に入れなくても、間違いなくトラブルになる。
 それは鷺沼もわかってはいるが、それとこれとは別問題である。
「でも、だからってどうして『俺の』家なんだよ? 他のヤツの所の方が……」

 ……と、そこまで言って、鷺沼はあることに気がついた。
「A」対策班の他の連中の家に、はたして赤ん坊を連れて行けるような所があっただろうか?

 副班長の山脇の家はどこもかしこも猫だらけで、とても赤ん坊を預けられる状況ではない。
 眠り姫こと苗村は十二時間は寝ないと頭がうまく働かず、安眠を妨害されるとそれだけで怒り狂って大暴れするので論外。
 歩く銃刀法違反・野辺の家は「犬も歩けばナイフで流血」と言われる刃物ハウスだし、マッド一歩手前サイエンティストの橋崎には、この子の存在を知らせることがすでに危険だ。

 さすがはフキダマリ部隊、見事にロクな輩がいない。

 ことここに至っては、鷺沼も二人を部屋に置くことを認めないわけにはいかなかった。
「しゃあねぇ、当分の間ここに置いてやるけど、俺は基本的には手伝わないからな?」
「わかってます。任せて下さい!」
 念を押す鷺沼に、両手で小さくガッツポーズをしてみせるMINA……ということは?
「ガッツポーズはいいが、お前、煌はどこ行った?」
「あっ!?」
 さっそくお約束のボケをかまし、大慌てであちこちを見回すMINA。
 彼女が煌を見つけるのと、煌が床に置きっぱなしになっていた灰皿に手を伸ばそうとしたのは、ほとんど同時だった。
「ダメっ!!」
 煌が灰皿の中に手を突っ込むより一瞬早く、MINAが灰皿を明後日の方向に弾き飛ばす。
 当然、中にたっぷり入っていた灰と吸い殻は景気よく床にまき散らされる。
「お、おい、MINAっ!」
 たまらず鷺沼は声を上げようとしたが、MINAは逆にそんな鷺沼をじろりと睨みつけてこう言った。
「隊長っ! 赤ちゃんの手の届くような所に灰皿なんか置いちゃダメじゃないですか!」
「しょうがねぇだろ!
 俺だって、まさか赤ん坊が転がり込んでくるなんて思ってもみなかったんだから!」
「盗人にも三分の理」という諺を考えれば、鷺沼の言い分にも四分くらいは理があってもよさそうなものなのだが、当然そんな理屈が今のMINAに通じるはずもない。
「しょうがないじゃありませんよ!
 煌ちゃんが間違って吸い殻なんか飲み込んだらどうするんですか!?
 わかったら、さっさと掃除して下さいっ!」
 MINAに怖い顔でそう怒鳴られて、鷺沼は仕方なく一帯に散乱した灰と吸い殻の後かたづけを始めるのであった。

 さらに、トラブルはこの程度では終わらない。
 片づけが終わるか終わらないかと言ったところで、またMINAが煌を抱きかかえたまま険しい表情でこちらに向かってくる。
「ビールの王冠なんか転がしておいて、煌ちゃんが怪我でもしたらどうするんですかっ!」
「男やもめにウジがわく」の言葉通り、鷺沼に言わせれば男の一人暮らしの部屋などこんなものなのだが、それを理解してくれるほどMINAは物わかりのいい相手ではない。
「なんなんだ一体! お前は俺にビールも飲むなっつーのか!?」
「缶ビールにすればいいじゃないですか! なんでいまだに瓶なんです!?」
「人の趣味にまで口出しするな!
 缶で飲むよりも瓶からグラスに注いで飲んだ方がうまいんだっ!」
 本来の争点とは全然関係ない理由で言い争いを始める二人。

 その言い争いを中断させたのは、煌の泣き声だった。

「だあっ! なんだなんだっ!?」
 驚いてつい大声を出す鷺沼。
 すると、その声にびっくりしたのか、煌はますますひどく泣き出した。
「隊長! おどかしてどうするんですか!?」
 MINAのその大声がますます煌をおどかしているのだが、そんなことには気づかず、彼女は鷺沼の方を睨みつけたまま煌を抱き上げると、うってかわって優しい笑顔を見せた。
「よしよしよしよし、いい子だから泣きやんでね〜」
 ところが、煌はいっこうに泣きやむ様子がない。
「こりゃアレだ、お腹が空いてるのか、おむつが汚れてるのか、そんなとこだろ」
 鷺沼は、つい何となくそんなことを口走ったが、次の瞬間、すぐにそのことを後悔するハメになった。
「隊長、ひとっ走り買ってきて下さい!」
 そんなことを言われても、時刻はすでに夜の十時を過ぎている。
「俺か!? ってか、この時間店開いてるのか!?
 コンビニで買えるのか!? 俺知らないぞ!?」
「あたしだって知りませんよ! とにかく大至急調達してきて下さい!
 ミルクとおむつだけじゃなく、ちゃんとほ乳瓶も買ってきて下さいねっ!?」
 困惑する鷺沼だが、飛んでくるのは指示と檄ばかりで、答えなどどこにも見あたりはしない。

 結局、ロクに当てもないまま鷺沼は部屋を飛び出すハメになり……午前〇時まで営業のドラッグストアを探し出し、買い物を終えて戻ってくるまでには、三十分以上の時間を要した。





「……あ、あったぞ」
 すっかり疲れ果てて戻ってきた鷺沼。
 そんな彼を迎えたのは、もちろんねぎらいの言葉……で、あるはずがない。
「隊長、遅すぎます! 一体どこで油を売ってたんですか!?」
「何言ってんだ! 俺が一体どれだけ走り回って探したと思って」
「大声出さないで下さい! 煌ちゃんが怖がります!!」
 売り言葉に買い言葉……が終わる間もなく再び売り言葉。
 多少なりと筋の通った論戦ならともかく、このレベルの言い合いではとても敵いそうもない。
「あー、わかったわかった、俺が悪かった。
 そういうことにしといてやるから、早く何とかしろ」
 白旗を揚げて強引に話を終わらせ、買ってきたミルクや紙おむつを押しつける。
 最初に「基本的には手伝わない」と宣言してあるのだから、これ以上は一切手を貸すまいと心に誓う鷺沼であったが、そうは問屋が卸さない。
「た、隊長! ちょっと煌ちゃん抱っこしてて下さい!」
「はぁ!?」
「降ろそうとするとますますひどく泣くんですよ!
 少しくらい手を貸してくれてもいいじゃないですか!」
 そんなこと、正直知ったことではないのだが。
 いきなり転がり込んでこられて迷惑しているとはいえ、赤ん坊の煌に罪はない。
「ちっ、しゃあねぇな」
 鷺沼もついに観念して、手を貸すことに決め……煌がMINAの胸元にしっかりとしがみついているのを見て、小さくため息をついた。
「あー、じゃしばらくお前が抱いてろ。ミルクくらい俺が作る」
「……え? あ、すいません、お願いします」
 MINAのきょとんとした顔を見る限り、素直に鷺沼が手伝うとは思っていなかったらしい。
(ったく、失礼なヤツだ)
 呆気にとられているMINAを押しのけ、説明書きを見ながらどうにかこうにかミルクを作る。
「隊長、まだですか?」
「まだだ。冷ますにも時間がかかるんだよ」
 MINAの言葉や煌の泣き声に急かされても、決して慌てることなく、落ち着いて作業を完了させる。
 やったことのないことでもそれなりにうまくこなす能力というのが、彼の仕事では非常に重要なのだ。

「ほら、できたぞ」
 ミルクがちゃんと人肌まで冷めたのを確認して、ほ乳瓶をMINAに手渡す。
「あ、ありがとうございます。
 はい、煌ちゃんミルクですよ〜」
 さっきまで泣いていたことも忘れたかのように一心不乱にミルクを飲んでいる煌と、その様子を嬉しそうに見守るMINA。
 そんな二人を見て、鷺沼もなんだかほっとした気持ちになった……が、それも長くは続かなかった。
 ミルクを飲み終えるや、煌が再び泣き出したのである。
「た、隊長!?」
「あー、多分これはオムツじゃないか? それくらいはお前が何とかしろ」
 心底ぐったりした鷺沼は、とりあえずそれだけ言うとさっさと寝室へ向かい、何もなかったことにしてとっとと寝てしまうことに決めた。

 もっとも、居間から聞こえてくる二人の声や、断続的な破壊音のせいで、とても眠れる状態ではなかったのだが……。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 そんなこんなで、あっという間に三日が過ぎた。

 最初はどうなることかと思われたが、MINAも確実にコツを掴んできており、鷺沼がいちいち関与する必要もなくなった。
 煌のものと思しきおもちゃもいつの間にか増え、目を離した隙に辺りのものをぐちゃぐちゃにされることも――まぁ、ぐちゃぐちゃにされるようなものなどもともとそうはなかったのだが――確実に減ってきていた。

 なんだかんだで、二人が煌がいることに慣れ始めた三日目の夜。
「きら、おうちかえりゅの」
 突然、煌がそんなことを言い出した。

「お家って……未来でしょ? 帰れるの?」
 きょとんとした顔で尋ねるMINA。
 それに答えるかわりに、煌は部屋の片隅を指さしてなにやら声を上げた。
 見ると、いつの間にか部屋の片隅にぽっかりと穴のようなものが開いている。
「参ったな。ワームホールか?」
 鷺沼は軽く頭を掻くと、そっと煌を抱き上げた。
 そんな彼を、MINAが未練がましい目でじっと見上げる。
「隊長……やっぱり、煌ちゃんを帰しちゃうんですか?」
 たった三日ではあったが、彼女は煌のことが非常に気に入ったらしい。
 その気持ちは理解できなくもないが、やはり、ここは断固たる態度で臨まねばなるまい。
「本人が帰りたがってるんだし、煌だって本当の家族といた方が幸せだろう」
「……それは……」
 彼女とて、どちらに理があるかわからないわけではないだろう。
「さ、煌。バイバイ、だ」
「ばいばい」
 鷺沼が煌に手を振らせると、MINAは目に涙をいっぱいためたまま、笑顔を作って手を振った。
「バイバイ、煌ちゃん」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 その次の夜。

「はっはっは。それは災難だったな、譲次」
 二人の話を聞いて、室崎は冗談交じりにそう言った。
「全くですよ」
 そう答えながらも、時折少し寂しそうな顔をする鷺沼。
 そんな気分を吹き飛ばそうとするかのように、彼はにやりと笑った。
「しかし、『母は強し』とはよく言ったモンですね。
 普段はまだまだヒヨッコなのに、煌がいる間だけ急に強くなりやがって。
 結局、すっかり手伝わされちまいましたよ」
「ま、これで隊長もいつ結婚しても大丈夫ですね。相手がいれば、ですけど」
 まだその強さが残っているのか、あっさりと切り返すMINA。
 それに対する鷺沼の答えは……。

「お前の方こそ、とっとと子供の一人でも産んで、常にあのパワーを発揮してくれよ」

 ものの見事に、MINAの逆鱗に触れた。
「たぁいちょおぉ……それはセクハラだって言いませんでしたっけぇ?」
 引きつった笑みを浮かべて、ゆらりと立ち上がるMINA。
「ちょっ、待っ、お、おいっ!
 しゅ、修さん、修さんも何とか言って下さいよ!」
 そのただならぬ様子に気づいた鷺沼が助けを求めてきたが、もちろん彼の自業自得である以上、助ける義理などない。
「店の備品は壊すな。以上」
 室崎の言葉に、MINAも心得たというように小さく頷く。
「わかりました。じゃ、殴るかわりに絞め落とします」
「ろ、ロープロープロープロープ!」
「ロープなんてどこにあるんですかぁ〜?」

 どたばたと暴れる二人を見ながら、室崎はふとこんなことを考えた。

(あれだけ気にするということは……やっぱり、子供は無理なんだろうか?)

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

 4528 / 月見里・煌 / 男性 / 1 / 赤ん坊

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■         ライター通信          ■
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 撓場秀武です。
 この度は私のゲームノベルにご参加下さいましてありがとうございました。

 というわけで、「A」対策班の二人の所に出現させてみました。
 煌ちゃんがMINAを振り回し、MINAが鷺沼を振り回すという構図になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
 他にも「室崎にそのまま押しつける」とか「『スフィア』の所に出してみる」とかも考えたのですが、やっぱりこれが一番面白そうでしたので。
 ちなみに、鷺沼は「ぱぁぱ」認定するには少々年上過ぎるので、あくまで「ぱぁぱ?」です、念のため。

 ともあれ、もし何かありましたら、ご遠慮なくお知らせいただけると幸いです。