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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


文月堂奇譚 〜狂いし宝玉〜

●夜
 休日の夜の文月堂。
 そこの和室に一人の青年がひかれた布団に寝かされていた。
 つい一時間ほど前までは、数人の姿があったのだが今は音も無くしんとしていた。
「看病までさせてしまい……すみません」
 寝かされた青年、アトラス編集部のアルバイトの桂(けい)は看病している黒髪の落ち着いた雰囲気の女性、佐伯・隆美(さえき・たかみ)に謝る。
「いいのよ……、桂さんは紗霧の犠牲になったようなものだし……」
 いつもはもっと元気な雰囲気がある隆美であったが、今日はその声は沈んでいた。
 その声が沈んでいるのには理由があった。
 今日の昼間、街の資料館に取材に行った際に正体不明の桂と同じ姿をした人物と一緒にどこかへ去って行ってしまったからであった。
 その一緒にいた面々が少し前までいたのだったが、今はどうしようもないということもあり、一旦皆帰途へとついていた。

「桂、今回の事について何か知っている事は……ありますか?」
 すっと隆美の後ろから声がかかる。
 その場に唯一残った今回の取材に紗霧の事を誘い、なすすべなく紗霧を見送る事になってしまったフリーライターの冬月・司(ふゆつき・つかさ)であった
 隆美が今は話を聞きにくいだろうと思い、今まで黙っていたがその言葉を司は切り出す。
「……僕にもよく……判らないんですけど……ただその僕の姿をしたのが僕を襲った相手だというのは間違いないと思います」
 まだ痛む体を抑えながら、桂はゆっくりと体を起こす。
「それはどういう事?」
 隆美が桂に聞き返す。
「僕を襲って僕が意識を失う直前に僕は見たんです、金髪に赤い眼を持った青年が僕の姿に変わるのを……。でもそこで僕の意識はなくなってしまったんですけどね」
 思わず苦笑を浮かべる桂を見て、隆美は桂の事を抱き支える。
「どうやら、桂君を襲った人物を探すのが一番みたいですね」
 司がそう呟く。
「けど、金髪に赤眼なんて……まさか、ね……?」
 隆美は自分が抱いた想像を振り払おうとするが、その想像は隆美の頭から離れなかった。

●朝
 その翌日、朝早くから司は文月堂を出ようとして準備していた。
「僕は今日一日ちょっと気になる事があるので一旦秋篠神社に戻ってから、もう一度資料館に行ったり調べものをしていると思う。一応今日また皆にここに集まって貰えるようには話しておいたから、何かあったら皆に相談するといいと思うよ」
 司のその言葉に隆美は決意を秘めた眼で答える。
「私もこの一晩考えたの。私は私で紗霧の事を見つけようと、だから皆と協力して探そうと思うわ」
 その言葉を聞き司はやっぱりという表情を浮かべ小さくため息をつく。
「そう言うと思ったよ。無理はしないでな?でも桂君はどうするんだ?」
「桂君は多分この一件には巻き込まれただけだと思う……。だからこれ以上危ない目にあうことは無いと思うの。それに一応おばさんに看病を頼んでいるから大丈夫だと思うわ」
 文月堂の店主であるおばにその件は頼んでるから大丈夫だと隆美は言った。
「まぁ、みつさんに頼んであるなら問題ないかな?まぁ、僕が気になるのは、自分で力を引き出せないはずの紗霧ちゃんがあれだけ強力な力を出すことができたって事なんだよね……、その辺りに何か解決する道がありそうなんだが……」
 そう言って司は考え込む。
「とにかく紗霧を探しだす事が先決だと思う。司兄さんも調べて何かわかったらすぐ教えてね」
 決意のこもった瞳で司にそう話す。
「とりあえず、まずは紗霧ちゃんがどこにいるかを探すのと、誰が今回の事件を起こしたのかを調べないとね。あの宝玉に関する事は僕が調べてみるよ」
 そう言って司は玄関で靴を履き扉を開けて,朝日のまぶしい中を出て行く。
「しかしまぁ、紗霧ちゃんが『どういう状態なのか』は心配だから早く動いたほうが良いよね」
「そんな司兄さんまで怖くなる事は言わないでよ……」
 隆美がそう言ってゆっくり歩き出した司を見送った。
「私は皆と協力して紗霧の居場所を突き止めないとね……。待っててね紗霧今お姉ちゃんが行くからね」

●洋館にて
 街外れの古びた洋館。
 東京でありながらも、人が近寄りにくい雰囲気を持った館の仲、一組の男女が会話を交わしていた。
 いや交わしているというのはおかしいだろうか?
 それは一人の青年が、少女に向かって独り言をつぶやくかのように、返答がこないのに喋り続けていたからだ。
「銀の姫よ……貴女の力はまだまだあんなものではないはず、私がかの宝玉の力を持ってそれを引き出して差し上げます、そのときこそ貴女は……」
 そう言って青年は物言わぬ彫像のように座る少女を愛しそうに見つめた。
 少女のうつろな瞳の下の胸元には紅い輝きを持つ宝玉が怪しい光を輝かせていた。

●夜の闇
 佐伯・紗霧(さえき・さぎり)の行方がわからなくなり、一同が一度一旦解散しようと決めた直後の事である。
 ひょんな事から同行する事になった、どこか幼げな雰囲気を持った長い黒髪を持った少女の上月・美笑(こうずき・みえみ)は自らの持つ携帯から連絡を入れていた。
 それは本来彼女が請けた仕事である、宝玉の護衛についての報告であった。
 仕事その物は失敗に終わり、その事についてと現状についての報告をしていた。
「申し訳ありません、ただ今回の一軒で協力してくださる人たちもいますし、もう少しこの事件を追おうと思います」
 自らの失敗談を話すのは誰しもが苦手としている。
 だが美笑はその自らの生い立ちゆえか、自らの失敗も客観的に話していた。
「それでその事について、少し協力してほしいことがあるんです」
 そう言って美笑は話そうと思っていた本題を切り出す。
「本家で調べて欲しい事があるんですが……」
 美笑が本家に頼んだのは、宝玉の護衛という自らの護衛していたものの正体を調べることであった。
「あまりに今回の事件はわからないことが多すぎるんです。あの宝玉が何なのか調べてみて貰えませんか?」
 そしてその了承の言葉を聴くと、美笑は電話を切る。
「今から鎌倉に戻っていたんでは動きが取れないよね。今日はこっちで泊まる所を探さないと……」
 美笑は再び携帯に手を伸ばすと、都内にいる親戚の番号を探した。

 美笑が携帯で電話をかけている頃、もう一人実家へと連絡をつけている者がいた。
「本家の人間は動かさない方がいい、ですか?」
 自らの提案を断られた、青年は不審そうな声をあげた。
「それはどういうことか説明をお願いできませんか?」
 そのもの静かそうに見える青年、宮小路・皇騎(みやこうじ・こうき)は自分の要請が断られた事に憤りを覚えた。
「いえ、協力できない、と言っているわけではないのです。ただ皇騎様の話した内容だと逆に大規模に動きをとるのが危険なのではないか?と思われたので……」
 そう言われて皇騎は初めて自らの考えの甘さに気が付く。
『確かに大きく動くのは、かえってこちらの動きを相手に教える事にもなりかねない……か……』
 皇騎は心の中で一度整理をつけると電話の相手と再び対話を開始した。
「それじゃあ、あの宝玉について調べられるだけ調べてみてもらえないですか?それと宝玉もですが、今回の事件と思われる犯人とおぼしきあの男について、より詳しい情報を調べて欲しいんです、むしろこちらのほうを優先して欲しい」
「判りました、こちらでも調べて見ます。くれぐれも皇騎様もお気をつけて」
「判った」
 電話を切り思わず皇騎は苦笑してしまう。
 何時もそうやって心配されている、だが今心配されるべきは自分ではなく、行方不明になってしまった少女なのだ、と。

 そしてちょうどその頃、一行と入れ違いでひとりの女性が文月堂を訪れていた。
 幼馴染である皇騎から今回の文月堂での一件の連絡を受けて慌ててやってきた天薙・撫子(あまなぎ・なでしこ)であった。
「あの隆美様、紗霧様が大変な事になったって皇騎様からお聞きしてまいったのですが……」
 文月堂にて一休みして落ち着こうとしていた佐伯・隆美(さえき・たかみ)に撫子はそう声を掛けた。
「皇騎様から簡単な話は聞いて参りましたが、詳しい事はわたくしにはまだ判っていないので、良ければ教えていただけませんか?」
 撫子はそう言って、隆美に今どうなってるのかを聞こうとする。
「本来なら今日の取材にもわたくしもご一緒したかったのですが、都合がつかず来れなかった事を今はそれを非常に後悔しております……」
 撫子はそう隆美に言った。
 そして隆美は、一つ大きく息を吐くとゆっくりと話し始める。
「今日あったのは……」
 そう言って隆美は撫子にあった事を話はじめる。
 ひとしきり話し終わると隆美に撫子は疑問を述べる。
「あらかたの自体はわかりました……。でもなぜ紗霧様が狙われたのでしょうか?わたくしにはそこがわからないのです」
 そう言って撫子は隆美を見つめる。
 しばらく二人は見詰め合った。
「ごめんなさい、それについては話すべきか正直迷っているの……。もし話せると思ったらちゃんと話すから今は聞かないでもらえますか?」
 隆美のその言葉に撫子は頷いた。
「わかりました、今日はゆっくりと考えてみるのがいいと思います。わたくしもできる事があればできるだけ協力いたしますから気を落とさぬように……」
 そう言って撫子は隆美の事を励ますと文月堂を後にしようと立ち上がった。

●調査
 そしてその翌日、朝も早くから都立の図書館で一人の女性がその日は休館日だというのに図書館にやってきていた。
「昨日は大変な事になってしまったわね……。ここに何か手がかりになるような資料があればいいんだけど……」
 その眼鏡をかけた知的な女性、綾和泉・汐耶(あやいずみ・せきや)は小さくため息をつきながら封印された一室の本を眺める。
 司書である汐耶は普段であれば閲覧禁止の一室も入る事ができるからだ。
「まずは郷土資料からかしらね……。あの宝玉について何かわかればいいんだけど……」
 汐耶はそういいながら本棚に手をかける。
 そして手に取った本を一冊一冊、汐耶は眼を通していく。
「今私にできる事をした後、皆と今後の方策を考えた方がいいわよね」
 そう言って次々と汐耶はページをめくっていった。
 普段であれば興味を引かれ、じっくりと読んで見たい内容の事が山済みであったが、今はそうも言っていられない。
 要点だけを見るようにして手早くページをめくる。
 しばらく無音の部屋の中には汐耶が本のページをめくる音だけが響く
 そして汐耶は本をめくる手を一旦止め、一人呟く。
 「それにしても今回の一件は今までだましだましにしていた紗霧ちゃん自身について向き合うときが来たのかもしれないわね……」
 汐耶の呟きは誰に聞かれるでもなく、部屋の中に吸い込まれていった。

 そしてその日の午後、神聖都学園の昼休みとある教室にて一人の少年が一冊の古い本を片手に隣の教室へと足を運んでいた。
 そしてその少年、結城・二三矢(ゆうき・ふみや)はその教室に目当てにしてきた少女の姿がない事に気が付く。
「あれ?紗霧さん今日は休みなのかな?」
 そう言って二三矢は教室を見渡し、紗霧の普段座っている席に目をやった。
 その席は今日一日誰かが座ったという様子はなく、ただそこにあるだけであった。
「参ったな……。今日頼みたい事があったんだけど……」
 しばらく二三矢は考え込んでいると、そのクラスの女子から声を掛けられる。
「あの、隣のクラスの二三矢君よね?何かこの教室に用ですか?」
 普段違うクラスの男子がやってくる事はあまりない。
 その女生徒はその事で不思議に思った為に聞いてきたのだった。
「あ、今日紗霧さんはお休みですか?」
 そう言って二三矢はその女生徒に話を聞こうとする。
「あ、二三矢君ってひょっとして紗霧の彼氏さんかなんかなんですか?」
 紗霧の名前がでた事で、不信感より興味の方が先にたったのだろう。
 女生徒はそう言って嬉々として二三矢に話しかけた。
「あ、い……いや彼氏って訳じゃないんだけど……、その紗霧さんにちょっと頼みたい事があってきたんだけど……」
 自分でも気が付かないまま赤面しつつ、でもどこかそう聞かれた事がまんざらでもないといった様子で二三矢は答える。
 その二三矢の言葉に女生徒はあからさまにがっかりした表情を浮かべる。
「なんだー違うんだ。折角、紗霧がきたらからかってあげようと思ったのに」
 その女生徒の言葉に二三矢は聞き返す。
「来たらって事は今日紗霧さんは来てないの?」
「ええ、なんだか知らないけど今日は紗霧は来てないですよ。いつもまじめに来てるし病気かなんかなのかなぁ?って話してたところなんですよ」
「そうなんだ、ありがとう」
 そう言って二三矢はその女生徒に礼を述べると教室を後にした。
「紗霧さん病気なのか、それじゃ仕方ないな、返してきてもらおうと思ったこの本は自分で返しに行くか」
 二三矢はそう呟くと、自分の教室へと帰っていった。

 そして時間は戻り、その日の午前中。
 文月堂には昨日も集まっていた三人が来ていた。
 隆美に出されたお茶請けのクッキーを美味しそうに頬張っている、クラウレス・フィアートと沢辺・朋宏(さわべ・ともひろ)とその双子の妹である沢辺・麗奈(さわべ・れいな)である。
「隆美はん、それで紗霧はんの事で何かわかった事はあるんか?」
 麗奈が隆美に湯飲みを口につけながらそう聞いた。
 その麗奈の問いに隆美は悲しそうに首を横に振った。
「そうか……。特に収穫は無し、か」
 朋宏のその言葉に隆美は小さくため息を付く事で答える。
 そしてその場を重い空気が包み込んだ。
「とりあえずげんばひゃっぺんというでち、さぎりさんのいなくなったしりょうかんにもういちどいってみませんでちか?」
 クラウレスは皆にそう提案する。
「そうね、まずはその現場に行って見るのがいいのかもしれないわね、そのときの状況をもっと詳しく知りたいし……」
 隆美のその言葉に麗奈が立ち上がる。
「そういう事なら、とっとと動かなあかんな。善は急げってな」
 その麗奈の言葉に朋宏は苦笑する。
「急がば回れとか急いては事を仕損じるとも言うがな」
「何もそんな風にいう事あらへんやんか」
 麗奈と朋宏二人の息のあった会話を見てると隆美も思わず笑みがこぼれてくる。
「そうね、とにかく動きましょう。話はそれからのがいいわよね」
「ではしゅっぱつでち」
 クラウレスのその言葉で一行は動き始めた。

 そして一行は資料館にやってきたが、中に入る事はできなかった。
「何で入れへんのよ、あたし達は関係者だっての」
 思わず麗奈が毒付く。
 昨日の今日の騒ぎで、今日は資料館は休館、関係者以外は出入り禁止となっていた為だ。
「入れないのは仕方ないわよ、それよりもここからでいいから、紗霧が連れて行かれたその時どういう状況だったか詳しく話してもらえませんか?」
 隆美のその真剣な言葉に朋宏が答える。
「そうだな、昨日の事は場所を見ながら話した方がいいよな」
「じゃあまずは、じけんがあったへやのほうにいくでちよ」
 朋宏に続いてクラウレスはそう言って、隆美の腕を取って事件があった部屋の外へと向かった。

 事件があった部屋の外まで来ると割れた窓が一行の視界に入ってきた。
「あそこや、あそこから紗霧はんは連れて行かれたんや……」
 来る途中でもう一度説明はしていたが、再び現場に来て同じ説明をすると昨日の悔しさが麗奈にまざまざとよみがえってきた。
 指差した窓を見ながら麗奈は悔しそうに声をあげた。
「そしてあっちの方向に飛び去った、と……」
 朋宏が麗奈の言葉を補足するように続けた。
「ともあれこのままじゃらちもあかへん。折角人手もおるんやし聞き込みから入ってみるいいとおもうんやけど、どうかな?」
 捜査の基本だ、とでも云う様に麗奈が皆に聞く。
「そうね、それがいいかもしれないわね」
 動く事で不安を紛らわそうとしているのか、隆美がそれに同意する。
「麗奈にしては良い事を言うな。俺もその案に賛成だ。ただ四人バラバラに動くよりはペアで動いた方がいいと思うな、俺は麗奈と隆美さんはクラウレスと動くのがいいと思う」
 皮肉を言いつつも朋宏もそれに同意をする。
「わたちもそれがいいとおもうでち。うごくならはやいほうがいいとおもうでちよ」
「それじゃ一時間後にここにまた集合って事でええかな?」
 麗奈の言葉に一同は頷いた、そしてクラウレスと隆美、朋宏と麗奈の二組に分かれて聞き込みを開始したのだった。

 そして一時間後、一同は先ほど別れた資料館の前に再び集まっていた。
「あかんわー。やっぱり光が飛んでいった方向くらいを聞くのが精一杯やったわ、そっちは?」
「こっちもにたようなものでち」
「そっか……。やっぱりか……」
 クラウレスの言葉に麗奈も肩を落とす。
「でもちょっと気になる情報はあったのよ」
「気になる情報?どんなんだ?」
 朋宏が隆美に聞き返す。
「直接は関係ないのかもしれないけど、光が飛んでいった方向に古いお屋敷があるって話を聞いたの」
「古い屋敷、か……。確かに少し引っかかるな」
 朋宏が考え込もうとしたその時、麗奈のドツキがその頭にはいる。
「一人で考え込んでもしゃあないわ。そろそろ皆が集まる時間やろ?文月堂に戻ってから考えようや」
「痛いな、まったく。でも麗奈の言う通りだな、ここで一人で考え込んでも仕方ないか」
「それじゃふみつきどうにもどるでちよー」
 その二人を尻目にクラウレスは歩き出し、一行はそれに続くのだった。

●少女は……
 隆美達一行が文月堂に戻ってくると、そこには汐耶と撫子の二人がすでに待っていた。
「汐耶さん撫子さん……」
 隆美が二人に声をかける。
「昨日の件調べていたのですか?」
 撫子が隆美に声をかけると、隆美は頷く。
「何かわかった事はあったのかしら?とにかくゆっくり話を聞かせてもらえると助かるわ」
 汐耶の言葉に隆美は了承の笑みを浮かべながら皆を中へと案内する。
 ちょうどその時であった。
 文月堂に新たな来訪者がやってきたのは。
「こんにちわ、借りていた本を返しに来たんですけど……、それから紗霧さんのお見舞いに……」
 そう言ってやってきたのは学校帰りの二三矢であった。
 二三矢は入ってくるなり、どこかいつもと違う雰囲気の文月堂に違和感を感じる。
「あれ……、皆今日はどうしたんですか?」
 何があったのかわからない二三矢は思わず呆然としその場に立ち尽くす。
「何って……」
 言うべきかどうか明らかに迷っている隆美の姿がそこにあった。
 そこへ汐耶の助け舟が入る。
「二三矢君なら話しても問題ないと思うわよ、全く何も知らない、というわけでもないわけだし……」
 汐耶のその言葉に隆美はしばし考え込む。
「そうね、今ここで何も無いと言っても信じてくれそうにないしね……」
「と、言う事は何かあったんですね?ひょっとして紗霧さんに関係することですか?」
「なんだ、紗霧ちゃんがらみだってあんさん知ってるんか」
 横から麗奈が口を挟む。
「やっぱりそうなんですね?今日学校休んでいたし……、ひょっとしたら?って思ったんですが……」
 今にも食いついて来そうな二三矢の様子を見て隆美が観念したようにため息をつく。
「それじゃ二三矢君にも話すけど、あまり楽しい話じゃないからね?」
「判りました」
 そう前置きし話始めた隆美の事を二三矢はじっと見つめ返した。

 しばらく隆美が今までの事件の事を二三矢に話す。
 話を聞いている内に二三矢は気持ちを抑える事ができなくなっていた。
「なんで……、なんで紗霧さんばかりそういう目にあうんですか!?」
 二三矢は先日同じように紗霧が事件に巻き込まれたときにも関わっていた。
 思わず自分の気持ちを二三矢は激しく吐露する。
「たしかにそうでちね。わたちもさぎりさんとつきあってからでもこういうじけんにまきこまれるりつがたかいきがするでち。これにはなにかわけがあるのではないでちか?」
 クラウレスも日ごろ疑問に思っていた事を口に出す。
 隆美は二人に聞かれ、昨晩撫子にも聞かれた事を思い出しどうしようか考え始める。
 そして考えあぐねた末に汐耶のほうを見る。
 ここにいる中で唯一詳しく知っている汐耶もしばらく考えた様子だったが答えを口に出す。
「隆美さん、そろそろ皆に話してもいい頃なのでは無いですか?皆ならきっと紗霧さんの事を知っても受け入れてくれると思いますし……」
 汐耶のその言葉に隆美も力の無い笑みを浮かべ答える。
「そうね、確かにそうかもしれないわね。どうせずっと話さずにっていうのは無理だとは思っていたし」
 そう言って隆美は一同と向き合う。
「これから話す事は驚かずに聞いて欲しいの。撫子さん、昨晩聞かれた事の答え、今日話すわね」
 ゆっくりとそう切り出し隆美は話し始める。
「実は皆も薄々感じてはいたかもしれないけれど、紗霧は普通の人間ではないのよ……。人を本来ならば超えた存在、皆も良く知る言葉を使うと『吸血鬼』という言葉が一番近い存在なの」
 隆美の話し始めたそれは紗霧とであったときの話、紗霧の正体についての事であった。
 紗霧の正体が、本来ならば吸血鬼であるいう事、そして今はとであったときの事件の後とある人の力によって、吸血鬼としての『属性』を封印し今は普通の人となんら変わらないという事。
 本来封印した者の事も言うべきか隆美は迷ったが、それはあえて言わなかった。
「そ、そんな……」
 隆美の言葉を聴いて二三矢の顔色が悪くなる。
「ごめんね、騙すつもりじゃなかったんだけど……」
 隆美がそう言って二三矢に謝る。
「つまり……紗霧さんはそんな力の為にこんな事件に巻き込まれたって事ですか?」
 顔色は蒼白になりながらも二三矢は食いつくように隆美に迫る。
 隆美は自分が予想していたのとは逆の対応をとられ、しばし驚く。
「そ、そういう事になるわ……」
「それで紗霧さんが浚われた場所の目星は付いているんですか?」
 二三矢が隆美にそう激しく詰め寄る。
「そ、それは、まだ確定じゃないけど、街外れにある古い屋敷が怪しいんじゃないかととは……」
 思わず隆美はそう答えてしまう。
「あの古屋敷ですね?判りました!?」
 二三矢はそれを聞くといてもたってもいられないという風に急に立ち上がる。
 そしてそのまま文月堂の事を走りだした。
『紗霧さん……君に伝えたい事がある……。そんな事、そんな力の事なんて俺達は……いや俺は全く気にしないって事を……』
 心の中でそうつぶやいて二三矢は走って行く。
「あちゃあちょっと先走りすぎやね、仕方ないあたしが一緒に行ってサポートしてくるわ」
「じゃあ俺も一緒に」
 麗奈が二三矢の後を追おうとしたのを見て朋宏も後に続こうとする。
「朋宏は皆と一緒に残っておいてくれな?まだなにがあるか判らんやん?だから二三矢君を止めるのはあたしに任せておき」
「わ……わかった」
 こうと決めたら頑として動かない麗奈にそう言われ、朋宏はそれに従うしかなかった。
 そして麗奈は二三矢の事を追いかけて文月堂を走り出て行った。

●推測……それは現実?
 ちょうど二三矢と麗奈と入れ替わりになるように皇騎と美笑が文月堂にやってきた。
「ごめん、遅くなりました」
「ちょっと調べものが少し手間取ったもので……」
 皇騎と美笑は皆に一言謝る。
「それで、何かわかりましたか?」
 皇騎が皆に聞く。
 そこで隆美は今までの経緯をまず皇騎と美笑に説明をした。
 紗霧の正体についてのことなども含めて話す。
 そして二三矢のことにまで話が及ぶと美笑が心配そうな表情を浮かべる。
「私はその二三矢さんという方を知りませんが、大丈夫なのでしょうか?」
「それは大丈夫だと思いますよ。私は何回か一緒になっていますが血気にはやって自爆をするという感じでもないですし、少し危なっかしい所はありますが」
 皇騎がそうフォローを入れると美笑は少し安心したという表情を浮かべる。
「それならいいのですが……」
 美笑の表情を見た後に皇騎は今説明を受けたことについて顎に手を当ててしばらく考え込む。
「その話なら……私の考えていた仮説もあながち的外れではなさそうですね……」
「仮説?」
「ええ、紗霧さんがどういう状態か?というのを私なりに考えて見たんです」
「どういう結論に達したのか話していただけますか?」
 美笑が皇騎に問う。
「それはかまいませんよ。と、いうか皆さんには聞いて欲しいと思っていたので丁度いいです」
「それでそのかせつというのはどういうことなのでちか?」
 クラウレスが待ちきれないといった様子で皇騎に聞いた。
「紗霧さんが、吸血鬼の力を持っているというならばという前提の元なのですが、彼女は
今その力を自分とは違う力で使われているんでは無いかと思うんです」
「自分とは違う力?」
 汐耶の問いに皇騎は頷く。
「汐耶さんの調べてくれた資料によると、あの宝玉は何かしらの力を集めるためのものだったらしいという事だったという事ですが、間違いないですか?」
「え、ええ、そうよ。それは間違いないと思うわ」
 汐耶の言葉に皇騎は満足する。
「汐耶さんの言う通りあの宝玉が力を集める為の物だとしたらどこから集めているか?という話になるんです」
「あ………」
 何かようやく繋がったというように隆美が声を上げる。
「隆美さんは気が付かれましたか?そうです、紗霧さんが今は使うことのできないその体の奥に眠っている力を無理やり引き出しているのではないか?と思うのです。そしてその力を紗霧さんを何らかの手段で操るかして使っているのではないかと……」
 皇騎はそこまで説明をしたあと一同の顔を見る。
「一つ確認させてもらうが、それは紗霧さんの意思とは関係ない所で行われている、と言いたいと思っていいんだな?」
 朋宏が皇騎に質問をする。
「ええ、それは間違いないと思います。私を含めて紗霧さんを知っている人なら彼女がそういう事をしたがる人ではないのは良く判っているでしょうから……」
「そうね、確かに彼女は人を進んで傷つけるような人じゃないのは私も保証するわ」
 汐耶が皇騎のその言葉を後押しする。
「そういう事なら、あの二人を先に生かせたのは失敗じゃないのか?紗霧さんが自分の意思で動いていない事が前提になるなら急いで俺達も動いた方が良いと思う」
「でもそのやしきがほんとうにあたりかどうかまだわからないでちよ?」
 どこかあせりの混じった言葉で話す朋宏をクラウレスがなだめる。
「でもそれを言ったら私達は全く動けなくなるわよ?」
 汐耶もどうしたものかと言葉に迷いが見えた。
「その事なら私に提案があるんですが」
 今まで黙っていた美笑が口を開く。
「私が式を飛ばして先にその屋敷のことを見てこようと思います。それで怪しいとなったら皆で移動すればいいのでは無いでしょうか?」
「なるほど、その手なら時間をギリギリまで節約できるな」
 皇騎もその提案に賛成をした。
「特に反対もないし美笑さんお願いできる?」
「わかりました」
 隆美にそう頼まれ、美笑は式を飛ばす準備を始めるのだった。

●先走り
「確か……こっちの方でよかったと思うんだけど……」
 二三矢は走っていた足を止め、周囲を見渡す。
 少し遅れて走ってきた麗奈が二三矢に追いつき同じように足を止める。
「はぁはぁ……、この辺りなんか?その屋敷って……」
 息を切らしながら麗奈が二三矢に聞いた。
「そのはずだよ。確か高い搭みたいな建物が特徴的だったはず……」
 二三矢はそう言って建物の屋根の上を見る。
「ああいう感じ?」
 麗奈が一軒の建物を指差す。
 一見すると教会にも見えるその建物を見て二三矢は思わず歯軋りをする。
「ああ、あれだ。急ごう」
 二三矢はそう言って再び走り出したのだった。

 問題の建物の前までやってきた二人だったが、その建物の門は硬く閉ざされていた。
「ここで間違いないはずだな、でもおかしいな?前に来た時はここはもっとなんていうか荒れ放題って感じだったのに……」
 まるで今までとは違い来る人を拒絶するような雰囲気を持ったその建物に二三矢は違和感を覚える。
「で、どうするん?ここで様子見する?」
 麗奈が二三矢に問う。
「ただこうしてても埒が明かないし、中に誰かいるなら答えてもらうよ」
 そう言って二三矢は門を開け、ゆっくりとその敷地へと入っていった。
 麗奈は仕方ない、といった様子でその後に続いていった。
 入り口の扉の前まで歩いてきた二人だったが、整然として整っているわりにどこか人が住んでるとは思えないどこか違うという違和感にとらわれていた。
「なんだかおかしい感じ……。どこがとは言えへんけど……」
 麗奈はその思いを思わず口にする。
「そうだね……、なんだろう?どこがとは言えないけど余所余所しい違和感を感じる気がする」
 二三矢も麗奈と同じ事を思っていた事をポツリと呟く。
 そして二人は門から少し離れた所にある玄関にあたる扉の前までやってきた。
「とりあえず俺は中に人がいるなら反応があるだろうから、呼びかけてみようと思うんだけど……」
「そうやね……。でもそれやとダンマリを決め込まれたらしゃあないんちゃう?」
「まぁ、そうなんだけど……」
 二人がそうやって話し合っていると突然その扉が音を立てて開いた。
 二三矢は急なその変化にびくっとして思わず後ずさる。
 だがその開いた扉の先には誰も人一人としていなかった。
「これは……どういう事かな?」
 二三矢がどうしたもんかと麗奈に話しかける。
「入って来いって事か、それともただ偶然開いただけなのか……」
 麗奈もどうしたものか考え込む。
 しばらく考えていた二人だったが、二三矢が意を決して中へとゆっくりと歩を進めた。
「ちょ、ちょっと入るんかいな?」
「ああ、こうしてても仕方ないし、虎穴に入らずんば虎児を得ずってね」
「しゃあないあたしも付き合うわ」
 笑顔でそう二三矢に言われた麗奈は自分も同行する事に決める。そして二人が建物に入ると扉は誰も触っていないのにそのまま音を立ててしまった。
 その様子を美笑の飛ばした式がじっと見詰めていたのだった。

 それから数分たった頃であろうか、再び扉が音を立てて開き今度は金髪に紅い瞳を持った青年がゆっくりと姿を見せる。
 そして青年は何か念じると美笑の飛ばした式を焼き払ったのだった。

●今後
「きゃっ!?」
 青年が式を焼き払った直後の事、美笑が文月堂で小さな悲鳴を上げる。
「美笑さん大丈夫ですか?」
 皇騎が弾き飛ばされた美笑を抱きとめながら聞く。
「式がつぶされました……」
「それは……」
「でもどうやら当たりだったようです。あの青年の姿を一瞬だけ見る事ができました、彼に式がつぶされました……」
 一瞬その場が静まり返る。
 そして朋宏が我に帰る。
「麗奈は?麗奈はどうなったんだ?」
「判りません……。ただ二三矢さんと一緒にあの屋敷に入っていった所までは確認しました……」
 美笑がそこまで言うとそこから先は言い難そうに口が淀む。
「つまりあいつにつかまったということでちか?」
 美笑が口よどむと、クラウレスが皆が聞きにくかった事を美笑に聞いた。
「おそらくは……」
 美笑はしばらくクラウレスの事を見つめた後、その言葉を肯定し頷いた。
 そして場が再び沈黙に包まれる。
「ミイラ取りがミイラになってしまったって所かしらね……。紗霧さんだけでなく二人も助けなくてはいけなくなったって事かしらね」
 汐耶が小さくため息をつく。
 現状助け出すのが紗霧だけでなく、二三矢と麗奈の二人も助け出さなくなってしまったのだ。
「あの時ちゃんと止めていれば……」
 隆美が悔しそうに呟く。
「隆美様だけの所為じゃないです、それはわたくしを含めここにいた皆の責任ですし」
 撫子が隆美の方を抱いてそう宥める。
「きっと二人とも無事でいると思うよ。何かあってじゃないけど勘、みたいなものだけどな。麗奈が何かひどい状態になったら、多分俺にはわかると思う、俺達は双子だからな」
 朋宏がそうやって皆の事を励ました。
「とにかくみなをたすけるほうほうをかんがえないといけないでちね……」
 クラウレスの言葉が現状の全てを物語っていた。
 紗霧の宝玉と青年からの開放、二三矢と麗奈の解放その二つの事を同時にやらなければならなくなった事だけは確かであった。
 そして司が文月堂へとやってきたのはクラウレスがその言葉を発した直後の事であった。

●洋館にて
 洋室の一室にて先ほどの金髪の青年が椅子に座った少女に向かって話しかけていた。
「先ほど、君を取り替えそうとした連中がやってきたよ。とりあえずは一室に鍵をかけて閉じ込めてあるけどね、それ以外にも術を使い様子を見ていたのもいたけど、その人には丁重にお帰りを願ったよ」
 青年のその言葉に少女はゆっくりと口を開き答える。
「私は……どこにも行かない。エルシール、貴方と一緒に……」
 だがその言葉はその少女の口から出ているにもかかわらず、どこかその少女のものではないような感じであった。
その言葉に満足したのかエルシールと呼ばれた青年は言葉を続けた。
「そう君はどこにもやらない、その為に捕まえた二人はある部屋に閉じ込めてあるよ、取り返しに来るだろう人間達への餌としてね、部屋には私の魔力でシールドしてあるし、体は動かせても逃げる事はできないからね」
 そして捕まえた二人の事を考える。
 体を縛ったりはしなかったが部屋に閉じ込めてある限り大丈夫だろう、と……。
「そう……なら良かったわ……」
 そして少女はぎこちなく立ち上がりそっとエルシールの胸に体を預ける。
 少女が口を開く度、その胸に下げている宝玉の光が徐々に強くなっているようであった……。


To Be Continued...

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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≪PC≫
■ 上月・美笑
整理番号:3001 性別:女 年齢:14
職業:神室川学園中等部2年生

■ 沢辺・朋宏
整理番号:4976 性別:男 年齢:19
職業:大学生・武道家

■ 宮小路・皇騎
整理番号:0461 性別:男 年齢:20
職業:大学生(財閥御曹司・陰陽師)

■ 沢辺・麗奈
整理番号:4977 性別:女 年齢:19
職業:大学生・召喚士

■ 綾和泉・汐耶
整理番号:1449 性別:女 年齢:23
職業:都立図書館司書

■ 天薙・撫子
整理番号:0328 性別:女 年齢:18
職業:大学生(巫女):天位覚醒者

■ 結城・二三矢
整理番号:1247 性別:男 年齢:15
職業:神聖都学園高等部学生

■ クラウレス・フィアート
整理番号:4984 性別:男 年齢:102
職業:「生業」奇術師 「本業」暗黒騎士

≪NPC≫
■ 佐伯・紗霧
職業:高校生兼古本屋

■ 佐伯・隆美
職業:大学生兼古本屋

■ 冬月・司
職業:フリーライター

■ 桂
職業:アトラス編集部アルバイト

■ エルシール
職業:????

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■         ライター通信          ■
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 どうもこんにちは、ライターの藤杜錬です。
 今回は異界ノベル『文月堂奇譚 〜狂いし宝玉〜』へのご参加ありがとうございました。
 多分終章となる予定の次へのステップにしたつもりですが、如何だったでしょうか?
 私自身もこういった連続物は始めてなので、上手く情報を伝えられているかどきどきものだったりしますが。
 楽しんでいただければ幸いです。

●上月美笑様
 今回は皇騎さんとの役割分担が少し大変でしたがこのようになりました。
 情報については他の人達とある程度同じ位は手に入ったものとして動いてかまいません。

●沢辺朋宏様
 今回はサポート役になりましたが、麗奈さんが捕まってしまいました。
 次回どうするか朋宏さん次第だと思います。

●宮小路皇騎様
 本文中では仮説となっておりますが、皇騎さんの推測はズバリでした。
 実は気が付いてもらえなかったらどうしようか?と考えていた部分もありましたので良かったです。

●沢辺麗奈様
 今回は二三矢さんと一緒に捕まる結果となってしまいました。
 現在の状況の補足をしますと体は縛られてはいませんが、部屋はロックされています。
 どう抜け出すかは自分で考えてみてください。

●綾和泉汐耶様
 今回は情報をまとめるという役回りになりました。
 汐耶さんの集めた情報からヒントがはじき出されるという形になりましたが、如何だったでしょうか?

●天薙撫子様
 今回からご参加ありがとうございます。
 どちらかというとサポート役になりましたが、如何だったでしょうか?
 紗霧の正体については一通り知ったものとして動いてかまいません。

●結城二三矢様
 今回からのご参加ありがとうございます。
 血気にはやったために麗奈さんと一緒に捕まる結果となってしまいました。
 現在の状況の補足をしますと体は縛られてはいませんが、部屋はロックされています。
 どう抜け出すかは自分で考えてみてください。

●クラウレス・フィアート様
 今回は完全に補助に回っていただきました。
 多分クラウレスさんの本格的な動きは救出に入ってからかと思います。
 頑張ってください。

 次回は四月中旬以降を予定しています。
 では次回のプレイングもお待ちしています

2006.03.17.
Written by Ren Fujimori