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<PCシチュエーションノベル(グループ3)>


「ささやかな悪戯」



「ホテルでゲーム……ですか?」
豪華な彫り物の施された白磁のテーブルを挟みセレスティ・カーニンガム(1883)とモーリス・ラジアル(2318)が向かい合って座っている。一年中快適に保たれた気温と、日本である事を疑ってしまいそうなほど西洋風に作られた豪奢な内装が此処がセレスティ邸である事を示していた。
モーリスはセレスティの突然の誘いに少し戸惑い気味に瞳を揺らめかせ、思考を巡らせる。セレスティは艶然と微笑んでその様を見つめていた。
「ええ、昨日の夜面白いことを思い付きまして。是非モーリスにも参加して頂きたいのですが」
テーブルの上に置かれた硝子ポットの中では薄い飴色の液体が湯気を昇らせている。その上を塗ったように赤い薔薇の花弁がゆらゆらと踊っていた。
モーリス特製のローズティーだ。セレスティが其の香りを惜しみながらカップをティーソーサーの上に置くと、カップを掌の中に抱き込んだままのモーリスが若干表情を曇らせながら口を開いた。
「申し訳ありません。今日は庭の植物達の健康診断を行う日でして…伺いたいのは山々なんですが」
「……そうですか」
セレスティの残念そうな呟きにモーリスの良心が痛む。だが、自分の仕事は庭園の管理をする事であり、幾ら雇い主の誘いだからといって其れを放棄するわけにはいかない。
モーリスはもう一度謝罪の言葉を繰り返して、カップを置いた。然し、断られた筈のセレスティの顔は思ったより明るく、新しい遊びを思いついた子供のように輝いていた。
「其れでは別のお友達を誘う事にしましょう。お待ちしてますのでモーリスも身体が空き次第、是非来て下さい」
「解りました。有難う御座います」
丁寧に礼を言う。だが、余りにも楽しそうなセレスティの笑みにモーリスは背筋を走る嫌な予感を無視せずにはいられなかった。


リンスター財閥が日本に所有するホテルの中でも五本の指に入るほどの高級ホテルは、都内の一等地に堂々と聳え立っていた。
アドニス・キャロル(4480)はセレスティから大まかな場所しか伝えられなかったのだが、其れでも簡単に見つかってしまう所にリンスター財閥の…いや、セレスティ・カーニンガムの底知れない実力を感じる。
アドニスはホテルの前に車を停めるとホテルマンにキーを預け、大きなエントランスを潜った。刹那、馨しい花の香りが仄かに香る。エントランスホールには至る所に何故だか花瓶ではなく鉢植えや観葉植物が飾られていた。広々としたエントランスは人で溢れているのに、それ程の騒々しさを感じないのは其処に集まっているのが皆上流階級のマナーを弁えた人間だからであろう。
何気無く天井を見上げると中央を真四角に切り取られたフロアの天井一面に大きな硝子が嵌め込まれている。天井までは凡そ六十階ものフロアを挟んでいるのに余りにも鮮明に広がった夜空はまるで何処かの高原に寝転がって空を眺めているような雄大さを感じさせた。
灰色の雲に隠れて行く三日月を見送ってアドニスは自分を呼び出した人物の姿を探した。エントランスホールを軽く見渡しただけなのに自分とはまた違う銀髪の、青銀色の髪をした麗人はすぐに見つける事が出来た。相手も此方に気付いたようでお供の男性に車椅子を押されながらアドニスの方へとやって来る。
「今晩は、アドニスさん。すみません。お忙しい中お呼びだてしてしまって…」
「忙しいなんてとんでもない。寧ろ誘って頂けて光栄ですよ。…其れにしても立派なホテルですね」
「有難う御座います。そうそう。このエントランスホール、随分と沢山の植物があるでしょう。此れらは全てモーリスのお見立てなんですよ」
「そう、なんですか」
出来るだけさり気無く返したつもりだったが、もしかしたら声が上擦ってしまっていたかも知れない。幾ら会話の相手が恋人の雇い主とはいえ、突然名前を出されればドキリとするのは当然だ。
其れを知ってか知らずかセレスティは随分とご機嫌な笑顔を浮かべていた。セレスティは少し困惑気味に小さく息を吐き出すと、改めてエントランスを見渡した。
飾られている植物達が全て鉢植えに植えられている所に、恋人の表立って見せない優しさを垣間見たようで少しだけ心の中が暖かくなる。
―――――――マズイ。
思わず顔がにやけてしまう。頑張って頬に力を込めると宛らマフィアのような強面になってしまい、通り過ぎるご婦人達の顔色が蒼くなるのにアドニスは気付かなかった。


セレスティに誘われて向かった先は最上階から一階下の五十九階。バー…然も、世界中のワインを集めたまさに鉄壁の品揃えを誇るセレスティご自慢のワインバーだ。
店内はワインを意識してか黒と赤を基調にし、隅の方では白い間接照明が淡く光っていた。カウンター席には数人だが、ボックス席は殆ど埋め尽くされていた。
洒落た場所名だけに矢張りカップルや夫婦で訪れる人間が多いようだ。
座れる場所があるのだろうかと気遣うアドニスを他所にセレスティは奥へと進んで行く。突き当たると其処には大きな扉が存在した。
セレスティに付き添っていた男性が開き戸の錠に鍵を差込み二人を中へと通す。アドニスは思わず息を呑んだ。
広さは先程通ってきたバーの半分以上ありそうなのに中央には白い絹のテーブルクロスを掛けられた丸テーブルが一脚と椅子が二脚あるだけで其れ以外に腰掛けられそうなスペースは無い。
つまり、この部屋は元々二人用に作られたか、若しくはアドニスを招く為に改装されたのだろう。床には一面赤い絨毯が敷き詰められ、壁には棚形のワインセラーがずらりと並んでいる。
ワインセラーには赤、白、ロゼ、スパークリングワインまでワイン好きなら絶対に目を引く膨大な数のワインが保存されている。アドニスもまた例外ではなかった。
「ワインがお好きと聞きましたので」
正確に言うと聞いた、のではない。
元はといえばセレスティが急にこんな事を思い立ったのは昨夜何気無く読んでいた身辺報告書の中にアドニスのデータが載っていたからだった。人の事をこそこそ嗅ぎ回る趣味は無いのだが、立場上そういう噂や情報は勝手に耳に入って来る。今回の報告書も頼んでもいないのにセレスティの交友関係を心配した財閥の人間から念の為と届けられたものだった。
そして、その中にアドニスがワイン好きという情報が書き示されていたのだ。
「実は私もワインには少々煩い方でして……どうでしょう?宜しければブラインドテイスティングで勝負してみませんか?」
「勝負?俺とセレスティさんが?」
「ええ、私では役不足でしょうか」
まさか、と苦笑しながらアドニスはセレスティの言葉を否定した。只、どうしてもセレスティと勝負という言葉が結び付かない。
穏やかな眼差しで此方を見つめる麗人は更に驚くべき言葉を口にした。
「其れは良かった。そうだ、折角ですから何か賭けましょうか」
セレスティは僅かに悩む仕草を見せただけでいとも容易く言い放った。
「私が勝ったら貴方はモーリスと別れる、というのはどうでしょう?」
「なっ……」
「勿論私が負けたら貴方とモーリスの関係には今後一切口出ししません。素敵な商品も差し上げます」
どうですか?と問い掛けるセレスティの眼差しが何時に無く挑戦的に輝いている。選択肢を与えられた筈なのに、アドニスは絶対に拒絶を許されない立場に立っている気がした。
何故セレスティがそんな事を望むのだろう?自分とモーリスが付き合う事が彼にとって不都合とでも?幾ら考えても明確な答えは浮かばない。
あくまでも余裕を崩さないセレスティを厳しい瞳で見つめながら、アドニスは小さく息を吐き出した。そして、口を開く。
「いいでしょう」
「………決まりですね」
相手の本意を探るため、もう後には引けない。


一方、その頃モーリスは何も知らず自分の業務に励んでいた。庭の植物達の健康状態を細かくチェックし、診断書の束に書き込んで行く。
栄養は足りているか、害虫はついていないか、根腐れはしていないか……十以上の項目を全て確認しするのは骨の折れる作業だ。
セレスティ邸の庭園は兎に角広い。その中に数えられない品種の花々や植物が植えられているのだ。庭園の設計者であるモーリスでなければ出来ない、代役の利かない仕事だった。
「お疲れ様です、モーリス様」
モーリスが業務を始めて既に十時間が経過している。心配したメイドの一人が軽食と紅茶を乗せたプレートを持っていそいそと近付いて来た。
モーリスは診断書の最後の項目にチェックを入れると一息ついて、プレートの上の紅茶を受け取った。
「有難う御座います。健康診断は今終了した所です」
「そうですか。ご苦労様です。……そういえばモーリス様、先程セレスティ様より連絡が御座いまして『仕事が終わり、疲れていないようであれば朝に言っていたホテルまで来て欲しい』と伝言を預かっております」
「セレスティ様が……?」
紅茶を嚥下したモーリスの顔が曇る。熱かったですか、と心配するメイドの言葉を柔らかく否定しながらも思案に耽る。
セレスティは一度断られたら何度もしつこく誘って来る人間ではない。朝方は大した用事でもないと思って断ったのだが、もしかして重大な用件だったのだろうか。
モーリスは紅茶をプレートの上に戻すと、疲れた体に鞭打ってホテルに行く事を決めた。
「すみませんが、私の車を屋敷の前まで回しておいて下さい」
「畏まりました」
「ああ、其れと良ければそのサンドイッチを軽く包んで貰えませんか?何せ夜も昼も抜いてたものですから……」
「……はい!」
モーリスの思わぬ頼みに屋敷内へ帰って行くメイドの足も軽くなる。其れに気付かずモーリスが夜空を見上げるとチャシャ猫の瞳が下界を見下ろし、笑っていた。


「モンテス・アルファMの1999年物」
「正解です」
ボトルを隠して注がれるワインをアドニスは言い淀む事無く的確に言い当てる。だが、勝負がまだ続いているということはセレスティも一度も外していないという証拠だ。
空いたボトルが一人だけで約三十本。それぞれグラス一杯分しか飲んでないとはいえ、其れだけ飲めば大体一人三本は飲み干したと言ってもいいだろう。
質の良いワインが続いたおかげで悪酔いこそしないが、次第にアルコールの齎す影響で瞼が重くなり、判断力が低下して行く。
このままじゃどちらかが潰れるまで勝負は続けられる事になるだろう。
アドニスがセレスティの顔を盗み見ると、いつもは生白い彼の顔が仄かに朱を含み瞳は潤み始めている。その表情が余りにも扇情的で、アドニスは慌てて視線を逸らし自分の動揺を隠すために苦し紛れに言葉を吐き出した。
「此れじゃ何時までたっても勝負がつきませんね」
其の時だった。失礼します、という言葉と共に部屋の中に入って来た一人のホテルマンが何やらセレスティに耳打ちをする。
セレスティは其れを聞いて薄く笑みを浮かべると、用事を済ませ部屋から出て行くホテルマンを目で追った後、アドニスへと再び向き直った。
「其れではこうしませんか?次で貴方がワインの銘柄を見事言い当てる事が出来れば貴方の勝ち。言い当てる事が出来なければ私の勝ち」
「構いませんよ。このままじゃ只の飲み比べですから」
「但し、使って頂くグラスは変えさせて頂きます」
セレスティが指を鳴らすとお供の男性がグラスの並んでいる棚から一つの黒い箱を取り出してテーブルの上に置く。徐ろに蓋を開けた箱の中に入っていたのは一つの、真っ黒なグラスだった。プロのソムリエが使う本格的なテイスティンググラスだ。
「これを使う事でテイスティングの三つの重要項目の一つ、視覚は全く役立たなくなる…つまり正解率は大幅に落ちます」
「…其処までして俺とモーリスを別れさせたいんですね」
「彼は、私にとっても大事な存在です。彼を傷つける可能性のある人間と何時までも一緒に居させておく事は不安以外の何者でもありません」
返す言葉が無かった。許しを貰ったとはいえ、自分は一度モーリスを殺しているのだ。何と罵倒されようと文句は言えない。
だが、モーリスから引き離される痛みは想像さえつかない。自らの半身とも言える彼を失えば、自分は―――――身も心も引き裂かれ息絶えてしまうかもしれない。
アドニスは自らの薬指に輝くリングを一瞥して静かにワイングラスを自分の元へと引き寄せた。
其れを合図に黒い布を巻かれた一本のボトルがコルクを引き抜かれる。黒いグラスの中に注がれるワインをじっと見つめながらアドニスは息を呑んだ。
此れを外せばモーリスとは、………。柄でもない手の震えを隠してアドニスはグラスを持ち上げた。
普通なら最初に色合いを見るのだが、このグラスでは其れは適わない。
アドニスは一度目はグラスを揺らさず香りを嗅ぎ、二度目はグラスを小さく回しながら大きく息を吸うようにして香りを嗅いだ。
上品で質の良い、スパイシーな中に完熟したドライフルーツのような甘い香りが眠っている。次はワインを実際に一口飲んでみる。
すると、香りを嗅いだ時には控えめだった甘い香りが口へ、喉へと流れ込んで来る。強い酸味も角も無く、絹のような舌触りを持つ柔らかな味わい。
アドニスはワインが喉を通り抜けるのを確認しながら訝るような表情を浮かべ、セレスティを見据えた。彼は相変わらず穏やかな笑みで此方を見つめている。
セレスティとグラスの中のワインを見比べた後、アドニスはグラスを置いて静かに口を開いた。
「シャトー・マルゴーの1848年物」
迷い無く言い放たれた言葉が室内に妙な余韻を残す中で、二人は黙って見つめ合った。セレスティの口角がふっと持ち上がる。だが、アドニスの顔に動揺は見受けられない。
ボトルを持っていた男性が、静かにボトルをテーブルの上に立て布を巻き取る。黒布の下から現れたのは少しだけ文字の滲んだ、薄汚れたワインラベルだった。
其れには確かに『Chateau Margaux』『1848年』と記載されている。
「お見事。貴方の勝ちですよ、アドニスさん」
三人だけの部屋に拍手の音が奇妙に響く。だが、アドニスはその拍手に疑問を持たずにはいられなかった。
「だが、これは……、」
「キャロル?」
セレスティでは無い、別の誰かがアドニスの名前を呼ぶ。その声も、その呼び方も間違いなく恋人のものだった。
暗い室内でささやかな光に照らされ浮かび上がる金糸の髪と、珍しく動揺した秀麗な顔立ち。アドニスもモーリスに負けず劣らず目を見開いた。
「どうして貴方が此処に……ッ」
「モーリスこそ」
二人は同時にセレスティの顔を見る。疑いの視線を一身に受けながらも、セレスティは今日一番の笑みで二人の方を見つめていた。


二人を驚かせた事に十分に満足したのだろう。屋敷へ戻るとセレスティはそそくさと二人に背を向け、自室へと戻ろうと背中を向けた。
だが、ふと何かを思い出したかのように二人の元へ戻り、お供の男性に持たせていた茶色の木箱を手にしてアドニスへと差し出した。
「忘れる所でした。どうぞ。これは私に勝った賞品です。…付き合って下さったお礼と、お詫びも含めて」
続けてセレスティはアドニスを手招き引き寄せると、何やら小さく耳打ちした。するとアドニスの頬が明らかに酔いとは違う朱色を示し、モーリスの眉尻が釣り上がる。
セレスティは他人事とばかりに後はお二人でどうぞごゆっくり、と言い残すと木箱をアドニスに半ば押し付けるように渡し、満足して部屋へと戻って行った。
おかげでアドニスはモーリスの部屋に向かう途中も、部屋の中でも、果てはベッドに座ってまでしつこく問い詰められた。
「何貰ったんですか?何言われたんですか?どうして二人でホテルに居たんですか?」
「だから、それは……」
最愛の恋人の前では色男も形無しである。モーリスの断る隙を与えない強引な追求にアドニスは溜息混じりに事の経緯を説明した。当然、賭けの事は伏せて。
「で、その賞品でこれを貰ったってワケ」
説明を聞いたモーリスから尚も疑いの眼差しを受けるのに耐えられず、アドニスは話題を貰った木箱の方へと逸らす。年代物の木箱の中身は何と無く予想がついていた。
モーリスが見守る中、アドニスが木箱の中から取り出したのはフランス生まれの勝利の女神だった。
「ワイン……?」
「ああ、フランス産のシャトー・マルゴー。ワインの女王と呼ばれる一級品のワインだよ。特にこの1848年は彼の文豪ヘミングウェイが幸せとは?と問われて『シャトーマルゴー1848年』と答えた逸話で知られる良品中の良品」
「へぇ、随分と詳しいんですね」
「ワイン通なら誰でも知ってるさ」
そう、これは最後の問題にしては余りにも簡単過ぎる。大昔からイギリス人はフランスワインを好んで飲む。当時シャトー・マルゴーを生んだボルドー地方のワインには『クラレット』という愛称が付けられイギリス人の舌にはこれがとても馴染んだ。アドニスもまた、フランス産のワインを数多く飲んで来た。
この事をセレスティが知らないわけが無い。勝ちを狙うつもりならばもっと相応しい選択があった筈なのに、彼はそうしなかった。
つまり、セレスティは最初から賭けに勝つつもりなど無かったのだ。
「一枚喰わされたな…」
からかわれたと改めて認識したアドニスが皮肉めいた笑みを浮かべ、忌々しそうに呟きを零す。モーリスはその横顔をじっと見つめると相手の両頬を強く掴んで自分の方へと無理矢理向かせた。
「モーリス、痛い」
「それでさっき何て言われてたんですか?」
「ああ、また二人っきりで一緒にお酒を飲みましょうって…違っ、冗談だから…ッ…モーリス!」
ぐいぐいと強く首を引っ張られて筋が痙攣する。余りの激痛にアドニスは慌ててモーリスの手を引き剥がし、座っていたベッドの上にモーリスを押し倒した。
その反動で紙を結んでいた紐が解け、金色の髪が白いシーツの上に幻想的に散らばる。アドニスはそのうちの一房を愛しむようにそっと掴み、口付ける。
「本当は…」
「本当は?」
「内緒」
甘い雰囲気に呑まれ始めていたモーリスの瞳が一気に不満気に細まる。文句を言われないうちにアドニスは素早く己の唇でモーリスの唇を塞いだ。
ずるい、とそう言いたかったのだろうか。モーリスの言いたかった言葉は生憎発音される機会を持たず、飲み込まれてしまった。
戯れ合うように絡まる指。ふと、セレスティの言葉が蘇る。

『モーリスを宜しくお願いします』

言われなくても。
深まるキス、腰の辺りを妖しく彷徨う手、濡れた瞳。―――――夜は、これから。










セレスティ・カーニンガム様、モーリス・ラジアル様、アドニス・キャロル様。
今回はシチュエーションノベル(グループ3)をご依頼頂きまして誠に有難う御座います。度々の納品が遅くなり申し訳御座いません。
再びお三人様の作品に関わる事が出来まして、とても嬉しく思います。
豪華な庭園やホテルなど、余り私自体が縁の無い場所ですのでおかしい所が御座いましたらどうぞお気軽に仰って下さい。特にワインに関しては全く知識がなかったものですから、資料探しに四苦八苦しておりました。
私的にはセレスティ様のゴージャスさ、モーリス様とアドニスさんの愛(?)をもっと追求したかったのですが、力量不足も甚だしく自分の未熟さを改めて思い知りました。
こんな未熟者でも宜しければまたのご依頼お待ちしております。本当に有難う御座いました。