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|Дﾟ) きになる こむぎいろ
「ああ、義明さんと又遊びたいなぁ」
と、彼は教室で呟いていた。
ちなみに授業中。春のほんわかした空気が眠気と、勉強したくない病に拍車をかける。
ひょんな事から知り合って、或る程度親しくなった織田義明と、遊びに行きたい。もっと友人になりたいと思っている。そんな彼は陸・誠司。道士。仙人になるための見習いである。仙人を目指す彼と、神を目指す彼には何か通じるモノがあるのだろう。何かつかみ所のない青年だ。
まあ、あの天然剣客が、先を追い越しすぎて神になっているなんて、彼は知るよしもない。現象化が“なくなった”事なんて尚更である。
春うららかで、桜も緑になっている学校の景色を見ていると、やっぱりどこか遊びに行きたいなと思うわけで。
義明がアウトドアを楽しむのかとか、ライブ行っているのかなぁ？ とか思うのだ。
親友になりたいというのは本当の気持ち。義明が自分をそう思っているというと実のところ自信ない。
「大丈夫かなぁ。彼、ゆったりしていてきつそうだし」
悄気る。
山に入って遭難したことを根にもってはしないかと不安である。
――もっとも、義明がそんなことで根を持つわけはないが。生きていたし。
彼が、どんなことで楽しめるか考えていると、彼頭の中で。
|Дﾟ) いよう
|Дﾟ) げんきーせっちゃん
とか、何か訳の分からないものがハッキリとしたビジョンとして浮かんできた。視認ではない。念のため。
「ぎゃあああ！！？」
誠司は驚く。
「こら、何寝ているんだ！」
「ああ！ 済みません！ ごめんなさい」
すっかり忘れていた。授業中だったのだ。
|Дﾟ) 集中できない。だめぽ
まだ脳内に“奴”がいた。
こっぴどく教師に怒られて、落ち込む誠司だが、友人達に笑われたり、慰められたりして授業は終わった。
遊びに誘おうとして、神聖都学園大学部に向かう。既に義明は大学生なのだ。まあ、そう見えないことも多々あるが、そういうことで。
広大なキャンパスに圧倒されながらも彼を捜す。彼は確か民俗学を習っているからそっちにいるのではと誠司は道案内の看板を頼りに進んだ。
気になるのは、先ほどのこと。気になるというか
|Дﾟ) ……
頭に寄生しているんじゃないかと思うほどハッキリとアレが見ている。
脳は様々な指令を下す、認識するための器官。重要な役割をする。しかしながら、外部に出力するまではあやふやなモノだ。脳内に“目”という器官が在ると仮定しよう。そう、外部を見るための器官である目。それと同じぐらいにはっきりと……
|Дﾟ)
見えるのだ。
目の前にはいない。
「義明さん以上に……気になる……かわうそ？が」
と、呟いた。
|Дﾟ) いやだから
|Дﾟ) 居るんだけど？
初対面でからかわれたし。
運動会では恥ずかしい目にあったし。
無視しても……
|Дﾟ) 無視真最中
|Дﾟ) つか、気が付いてない？
|Дﾟ) それがせいちゃんくおりてぃ？
「ぎゃあああ！」
ハッキリと声がするので又驚く誠司であった。
「い、何時の間に！ あ、頭の……の中に！」
|Дﾟ) 西暦２００６年４月某日２時３１分５６秒
|Дﾟ) 授業の真っ最中
「いや！ つーか、それはないでしょ！ 時間を正確にはきいてないよ！」
大声を上げる誠司。
周りに人がいることを忘れています。はい、変な人扱いされます。携帯を耳に当ててなければ（叫び声でも難易度は高いが）。つまり、ずっと脳みその中で俺の記憶とか閲覧か弄っていたのか……。
|Дﾟ) いや、まったりしていただけ
|Дﾟ) なんか、よばれたし
|Дﾟ) あー、想い人、さがした
|Дﾟ) あと、へちな本の隠し場所とか
「そんなのみてどーすんだよ！」
真っ赤になる誠司。
既に、これを思い出してすぐにからかわれていたとは、想定外であった。
実際、二度ほどしか遭遇していないぶん、行動を読めないから仕方ないといえば仕方ないかと……。
「おや、陸か、久しぶり。頭に小麦色を飼っているのか？」
と、出会った矢先に義明こと影斬が一言。
「お久しぶりです……って、何故分かるんですか、義明さんは」
「何となく。アレはそんな奴だし」
そう、とりあえず、影斬は誠司の頭に居ることを本当に何となくしっていた。
「冗談として、小麦色出てこい」
|Дﾟ) あーい
耳の名からから出てくる小麦色。
「怖い！」
|Дﾟ) 失敬な
「なんかさ、俺で遊んでない？」
６０ｃｍなので、誠司は屈んで尋ねる。
|Дﾟ) どーだろ？ ね？ よっしー
「私に振るな。」
しれっと返す影斬。
「義明さん雰囲気変わりましたね。あのときの事件みたいだ」
「ああ、既に影斬だからな」
と、今までの少年の明るさはなく、落ち着いた雰囲気だ。
「でも、気にするな。私は織田義明だから。単に口調が変わっただけ。師匠譲りみたいなモノだ」
と、笑う。
「趣味などは変わって？」
「変わってないぞ？ 何なら、今日手に入れたカカオ９９％のチョコを甘い飲料なしで食べるか？」
「いや、其れは苦いから結構です」
|Дﾟ) アレ 不味い 美味い 越えている
|Дﾟ) 恐怖
変わってない。義明はそのままだ。と誠司は感じた。
「どうやら、かわうそ？は陸のことを気に入ったようだけど？」
「え？ そ、そうなんですか？」
「ああ、おもちゃとして。いぢめて属性持っている感じだ」
すっぱり言う義明。その声は笑っている。
「だろうなぁ。そうだろうなぁ。ああ、何故なんだろうな？」
「まだおまえはましだと思うぞ？ ナマモノ認定証貰うほどだと、先がナマモノ扱いされる運命だ」
「ええ！ そんなモノもあるんでんすか！？」
驚くことばかりだ。
というか、義明さん、良くこの小麦色と一緒にいられて、冷静でいられます。其れがもっと不思議です。
「あ、今日はどうした？ そのために来たのではないのか？」
義明は尋ねる。
「あ、はい。遊びに行きませんか？」
「そうだな、今日の受講も終わったし、大きな用事もない。何人か誘ってぶらぶらするか？」
「はい！」
|Дﾟ) かわうそ？ナビ
と、誠司と義明、小麦色は何人か友人数人で、繁華街に出かけていった。
誠司としては、まだ義明とかわうそ？のことが分からない。色々体験して、分かるだろう。義明と影斬について、そして、彼らの取り巻く仲間達など。
もっとも、彼外一番気にするものはといえば。かわうそ？だ。まあ、実際、これの存在が気になるのはいつものことであるのだろう。
|Дﾟ) うにゃー
「人気者だな、かわうそ？」
|Дﾟ) お褒めにあずかり恐悦至極
END
■登場人物
【5096 陸・誠司 18 男 学生兼道士】
【NPC かわうそ？ ？ ？ かわうそ？】
【NPC 織田義明／影斬 18 男 学生・天空剣継承者・装填抑止】
■|Дﾟ)つうしん
|Дﾟ) いよう
|Дﾟ) げんきしてるー？
|Дﾟ) あたまのなかからこんちくわなの
|Дﾟ) 気に入ってくれると幸いなりよ
|Дﾟ) そんなせっちゃんの心にこむぎいろを（意味不明）
|Дﾟ) 再見
滝照直樹です。かわうそ？と愉快な仲間達に参加して頂きありがとうございます。
かわうそ？登場の場面等をどうするかは、本当にアレらしくするために頭におじゃましてみました。
影斬（織田義明）が言っているように陸さまが“いぢめて属性”を持っているかかどうかはともかく、かわうそ？にからかわれたいと思うと、小麦色はとことんからかってきますので。
では、また機会があれば、お会いしましょう。
滝照直樹
20060419
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