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<東京怪談ウェブゲーム 神聖都学園>


お願い桜

今年の桜はすこし開花が早く。
 もちろん散り始めるのも早い。
 満開を迎えた桜は風にふかれれば散っていた。
 桜並木は薄紅の世界だった。

 ひらひら舞う
 花びら。
 ゆらゆら舞う。
 それは手を伸ばせばは簡単に掴み取ることができてしまうそれ。
 
 校門近くの桜の樹は満開だった。
 学園の入学式はまだもう少し先。
 風がふけばちらちらと花びらが舞い落ちる。
 入学式までもつかどうか。

 そんな桜の樹の一本を見上げていたのは、音楽教師の響カスミだった。

「できればあと、もう少しもたないかしら。」
 ほうっとため息混じりに彼女は桜の樹を眺めながら呟いた。
「ええで、そのお願い聞いたっても。」
 彼女の足元から声がした、それにつられて彼女は視線を下へとずらせば見たこともないおかっぱ頭の少女が立っていた。
「あらあら、お嬢さん妙なことをいうのね」
「ううん。 うち、この桜の樹やねん。せやし、お願い聞いてあげれんで?」
「まぁ、だめよ。大人をからかっちゃ」
 見た目、10歳前後の少女はなにやら楽しげにニコニコしながら、カスミを見上げた。カスミは何かの冗談だと思って、軽くあしらおうとした。冗談だと思わなければ今にも倒れてしまいそうだったから。
「まぁ、ええわ。でもうちもお願い聞いて欲しいねん」
「どんなお願いなのかしら?」
「あんなぁ。 樹の中に虫がおんねん。それをな何とかして欲しいねん。もう、体がむず痒くてしゃぁないねん」
 カスミの様子などかわずに少女は言葉を続けていく。
 この辺といいながら、少女は自分の小さな背中を一生懸命に掻こうとしていた。その様子が面白いのか、カスミはくすりと笑ってしまった。
「ほんで、虫がおらんようになったら、ちょっとは綺麗に飾ったって?」
 これでも年頃の女の子やねん。と、ドコまで本当なのかわからないような言葉をカスミに投げかけた。
「ほな、ネーサン。よろしう、頼むな。お願い聞いてくれたら、桜は散らんようにするさかい」
 そうしてカスミがなにか言う前に、少女は駄目押ししてぺこーんと頭を下げた。下がった頭はすぐに上がって、カスミを見てにこりと笑うとぺたぺた走って言った。
 その姿をカスミは微笑ましく見守っていた、そう軽い冗談と思い込んで。
―――――――――――が。
 次の瞬間言葉を失った、そうして甲高い悲鳴が学園内に響き渡った。
 
 少女は一本の元気のない桜の木の根元にいくと、ぴょんと飛び上がった。
 こちらを見てるカスミに気がついて、ヒラヒラ手を振りながら溶けるように消えていった。

 さて、桜のお嬢さんの願いは届いたか。
 入学式まで桜はさいていたのか。

 まだ学園はひっそりとしていた。




 静かな校内、そこここ。その全てに響き渡るような、かなぎり声。
 それはきっちりそこまでも聞えていた。
 帰り支度を自分の教室でしていた、不城 鋼のところまできっちりと届いていた。
 教科書をカバンに詰めていた手が止まった。あたりをゆっくりと見渡すが、人影はなかった。
「悲鳴?」
 ゆっくりと首をかしげる。
 少しだけ考えるようなそんな仕草。
 やっぱりあれは悲鳴。そう確信すれば帰り支度を中断して、四次元流歩法による高速移動で悲鳴のした場所のほうへと移動した。
 そこは校門近くの場所だった。
 目に付いたのは満開の桜だった。
 風が吹けば、小さな花弁が舞っていた。
 大きな桜の木の下で座り込んでいる、女性の姿が見えた。更に近づけばそれが音楽教師の響カスミだということが分かった。
 彼女は地面に座りこんで、呆然と桜の花を見上げていた。
 鋼は高速移動から普通に歩き、教師の背後でかるくしゃがみ込み横からその表情を覗き込もうとしながら。
「カスミ先生?どうかされましたか?」
「あ………あぁ。不城くん?」
 青い顔したままのカスミは声のした方向にゆっくりと顔を向けた、そこにこちらの様子を伺っている少年の姿が目に入る。それが教え子のうちのひとりだからか、誰か来てくれたことの安堵なのか、カスミは小さく吐息を吐きだした。
「はぁ………あれは夢だったのかしら?」
「夢?」
「えぇ、変な夢を見たわ。桜の樹だという女の子が、虫がいるから対峙を退治してくれって。退治ができたらキレイしにして欲しい。――……そのお願いを叶えてくれたら、入学式まで桜を散らさないでいてあげる。なんて、話」
 夢みたいだから、きっと夢よ。と続けるカスミの言葉。まるでそれは自分に言い聞かせるように何度か繰り返されて。そのカスミの言葉を横で聞いていた鋼はうーん。と少し考えるような唸るような声を上げた。
「でも、この樹は花がこんなにも満開で、虫などついているのですか?」
 今、自分の目の前にある樹は満開。見事なまでに咲き誇り、薄紅を散らしていた。
「いいえ、これではなくて、あっちの少し小さな樹だと言ってたけれども………夢よ夢」
 鋼の言葉に、カスミは緩く首を左右に振った。それから重そうに腕を上げて、指を指したのは一番端にある小さな樹だった。それはまだ花の蕾さえつけていなかった。
 夢だと言い張るカスミの言葉を聞きながら、鋼は小さなすこしみすぼらしいとさえ感じる樹を見た。本当に夢なのかどうなのか。
 ゆっくりと立ち上がると、小さな樹の方によってみた。樹の幹を舐めるように見てみた、虫がついているのかどうなのか、鋼にはよく分からなかった。
「ここにいても仕方ありませんし、戻りましょうか?その桜のことは俺に任せてもらえませんか?」
「えぇ、そうね。あぁ、私いつまでこんなところに座り込んでいるのかしら」
 樹を一通り見終わってから鋼はまたカスミの方へと歩み寄りながら、言葉をかけた。その言葉に、はっとなったようにカスミはわたわたと立ち上がり、土に汚れた衣服を手ではたいた。それからまた、吐息を吐き出した。
 カスミと鋼はそのままその場所を一端離れることにした。
 何事もなかったように、桜は咲き誇っていた。


 また校内に戻った鋼。
 カスミの話が本当なのだろうか、それとも本当に夢なのだろうか。どちらにしても、園芸には詳しくない。
 自分ひとりでなんとかするのは無理と判断。
 さて、どうしたものか。
 とりあえず帰り支度が途中だったのを思い出して、ゆっくりと廊下を歩いていた。
「あら、鋼さん?」
 不意に掛けられた声。考え込んでいた意識がそちらを向けば、にこりと笑っている女生徒がいた。
「あぁ、こんにちわ」
 なんとなくぎこちない挨拶をした。その女生徒は知っている相手なのか、鋼は食い入るようにその女生徒を見た。
「君、確か………園芸部かなにかだっけ?」
「はい。そうです。…………けど、それが何か?」
 おぼろげな記憶を引き上げながら、女生徒へと尋ねる鋼。その言葉に女生徒は頷きながらでもそれがどうかしたのかという風に首をかしげた。
 鋼の記憶では女生徒は、園芸部に所属している自分のファンクラブの一員だということ。それが正しいのなら、あの桜どうにかできないかと思ったのだった。
「桜につく虫のこととかわかる?」
「え?……どうかしら、あんまり詳しくはないから調べてみればすぐにわかるとは思いますけど…………それがどうかしましたか?」
 続く鋼の言葉に首をかしげたまま、園芸部の女生徒はまた同じ言葉を最後につけて、鋼へと問いかける。
「詳しいことは、後で説明するからさ。そういうのに、詳しい子たち、集めてくれない?」
「え?えぇ、はい」
「じゃぁ、俺。校門の桜の樹のところで待ってるから。よろしく」
 これでどうにか、どうにかする手立てを見つけたと。鋼はひとり納得し後の人員集めは女生徒に任せることにした。自分は先に指定した、校門の近くまでもどることにした。
 また来た道をもどっていくこととなった。

 
 咲き誇る桜の樹の外れの何も花をつけてない樹の元で鋼はただ過ぎ行く時間を持て余していた。
 そんなに時間はかかっていないだろうに、女生徒たちが集まるまでに物凄く時間がかかっているような気がして仕方なかった。
「鋼さーん」
 自分の呼ぶ声が聞こえて、下がっていた視線を上げた。その先に此方に向かって走ってくる数名の女生徒の姿が見えた。
「お待たせしました。で、なんですか?」
「ありがとう………ちょっとカスミ先生から聞いた話なんだけれども」
 軽く走り寄ってきた女生徒たちにまずは説明をしなければと、鋼は先ほど聞いたカスミの話を女生徒にして始めた。
 桜の樹だという少女のお願い。お願いを聞いてくれたらいつも以上に満開の桜を維持させると。
 簡単に説明を終えてから、鋼はゆっくりとまた花のない桜の樹を見上げた。
 一通り話を聞き終えた女生徒達はにわかに信じがたいような表情だった。その女生徒たちの表情を見て、鋼はまぁ仕方ないか。と、思った。自分だってにわかには信じがたいのだから。
「じゃぁ、本当に虫がついているのかどうか見てみましょうか?」
 ひとりの女生徒が一歩、花のついていない桜の樹にちかより葉をみたり、樹を見たりしていた。
 ひとりがそうやって樹の近くによれば、残りの女生徒たちも樹に近寄り、丹念に調べていく。
「あら、これは?」
 一人の女生徒がなにか見つけたのか、視線を止めて言葉を発した。
「アメリカシロヒトリ?」
 その言葉に鋼もその場所を覗き込もうと後ろから背伸びなどしてみたが、一向にみえることはなく。
「なんなのー。そのアメリカさん」
 ちゃんと名前もわからないから、そんな適当な名前だけを口にして問いかけてみた。
「アメリカさんではなくて、アメリカシロヒトリという虫です。桜の樹にはよくつく毛虫ですよ」
「ふーん。なら、殺虫剤でやっつけてしまえばいいじゃん」
「そんな。薬を使うのは簡単ですが、その成長具合によってどう駆除するのか違うのです」
 もう、これだから素人は。なんていうような口調で女生徒に言いくるめられてしまえば、なんだか立場がなくなってくる鋼。そんな鋼を尻目にまるで桜の樹についた毛虫の駆除方法を会議するように、女生徒たちは話し合いをしていく。
「まだ巣網で生活してる段階よね?」
「そうね」
 いくつか葉のついている枝を一斉に見上げる女生徒たち。
「なぁ、毛虫ならさー。樹を蹴飛ばして、おちてきたのを踏み潰すとか?」
「えぇい。鋼さんは黙っていてください。もう、埒が明きません、桜の虫のことは私達がなんとかしますから、おとなしくしていてくださいね?」
 女生徒たちがじろりと一斉に鋼を見た。また余計なことを言う。というような表情を一斉に皆がして、鋼を一瞥する。その後まるでもう余計なことは言うな、するなという風にきつい口調で、皆が一斉にハモって鋼に注意をした。
 鋼はその勢いに、言葉をなくしただ頷くだけしかなかった。
「まだ、薬をつかわなくてもよさそうね」
 女生徒たちの話は纏ったのか、女生徒たちは顔を見合わせて頷いた。それからくるりと鋼の方に向き直った。
「鋼さん。脚立とゴミ袋持ってきてくれませんか?」
「へ?」
「だからぁ。ゴミ袋と脚立」
「ぁ、はい」
 突然なにか言い渡されて、鋼は一瞬きょとんとした。それからまたすぐに女生徒がわかるー?と言いたげに同じ言葉を続けた。その勢いに鋼は素直に返事をすれば、すたすた校舎のほうに駆け出した。
 なんで俺がこうやって脚立をかかえ、片手にはゴミ袋を持ってアノコらの言うことを大人しくきいているんだ。と、ちょっと理不尽にも思ったりもしたけれども、自分が頼んだことだNOとはいえない。仕方ないと、すこし低い背でがちゃがちゃと脚立の音を盛大にたてながら、また校門の方へと戻っていった。
「はい、言われた脚立」
「ありがとうございました。じゃぁ、そこでゴミ袋広げて持っていてください」
 ひとりの女生徒がそういうと、剪定ばさみを片手に立てた脚立に昇っていった。その後すぐにぱちんぱちんと、鋏で枝を切っていく音が響いた。と、思ったら、―――――ばさり。と、ゴミ袋の中になにやら落とされた。どうやら切った枝の端を棄てているようだった。
 ばさり。
 がさり。
 パチン、パチン。と景気のいい甲高い音がしたら、その後すぐにゴミ袋の中に放り込まれていく、枝。鋼はそのゴミ袋の中を覗いて見た。どんなものがくっついているのか興味半分だった。そんな鋼のことなど気にもとめてないように女生徒たちは自分達のするべきことをやっていく。
 鋼がゴミ袋を覗き込んでいるのを分かっているのに態とするように、また、ばさりとゴミ袋に放り込まれた枝。それは葉が絵の頬を掠めていった。一瞬びくりと鋼の身体が緊張した。
「ちょ、何してんだよ」
「さぁ、コレで終わりですね」
 鋼の言葉など聞こえてないというように女生徒は言葉と一緒に吐息を吐き出し、脚立を折り始める。そうして鋼のほうを見て、あら、何か?とでも言うように、首をかしげた。その様子に鋼はただただ、ため息吐き出して顔を横に振っていた。
「これで、桜の樹についていた虫は駆除できたと思います。じゃぁ、私達はこれで」
 自分達の任務が完了すれば、鋼によって集められた女生徒たちはわたわたと戻っていく。
「あ、そうそう。ゴミ袋はちゃんと焼却炉で焼却処分してくださいね」
 去り際に一人の女生徒が、振り返り鋼に最後の仕事をいいつけるとそれじゃぁ、なんて優雅にお辞儀をして去っていった。
 ぽつーん。と、とりのこされたのは、鋼ひとりだった。
 さてどうしたものか。
 ゴミ袋片手に、また桜を見上げてみた。
 なにがどうさっきと変わってしまったのか、全然わからなかった。少しみすぼらしく、花はなく、着いている葉も僅か。全くの素人の鋼には本当にこれで虫が駆除できたのかどうかなどわからなかった。
 けれどもなんとなく、本当になんとなく樹の根元に落ちているごみを拾い集めだした。
「ニーサン」
 不意に少女の声がした。
 自分が呼ばれてるかどうかなんて分からずに、屈めていた身を起こし声のした方向に振り返る。
 振り返った先にはまだ幼い少女が立っていた。
「何、俺のこと?」
「うん、そう。ニーサンのこと」
「何かな」
「虫とってくれておおきに」
「あ?あぁ。いや、虫を取ったのは俺じゃないけどな」
「うん?それにちゃんと綺麗に掃除までしてくれて、ホンマにおおきに」
「あ、あぁ」
「せやし、ちゃんと約束は守るしな。ものすっごくウチ、うれしいから5月終わるまでは桜、咲かしとくわ」
 何気なく会話を交わすものの、なにがどうなのか鋼にはイマイチよくわからなかった。そこでなんとなく思い出したカスミの言葉。
 あ?あぁあぁー!? 
 目の前にいる少女がもしかして、カスミの言っていた自分が桜の樹だという言う少女なのか。心の中の叫びと疑問。それは口から言葉になることはなかった。
「これで、ウチも大きく胸張ってられるわ」
 おおきに。最後にまたお礼の言葉を発した少女は、ぺこーんと、頭を勢いよく下げてまた勢いよく頭を上げた。その顔には満面のこぼれるばかりの笑顔があった。
 その笑顔に鋼もつられて笑っていた。
 少女はそのまますたすた歩けば鋼のすぐ目の前。桜の樹の傍までくる。その歩みはとどまることをなくそのまま歩いていく。
「ぁ」
 お嬢さん、ぶつかるよ。なんて言葉をかけようとした。が、それはそのまま鋼の目の前で起こった。
 少女はまるで桜の樹に吸い込まれるように溶けるようにいなくなった。
 まるで特撮かなにか見てるようなそんな感じだった。
 伸ばしかけた手がどっちつかずで止まってしまった。
「まじかよ」
 鋼はその場でぽつりと呟くしかなかった。


 入学式はそれから1週間後に滞りなく行われ、散るだろうと予想されていた桜は満開のまま咲いていた。
 風が吹けば花弁を散らしているのに何故だか桜は入学式が終わってもまだ咲き誇っていた。
 鋼は何気なくその場所を通った。
 ただの偶然かもしかしたら桜の樹に呼ばれたのか。
 満開の桜の樹を見上げてから、虫がついていた小さな桜の樹を見た。
 何もなかったはずだったその樹。
 それが見事なまでに満開に桜の花を咲かせていた。樹が小柄な分、大きな桜の樹に比べては小ぶりだがそれでも引けをとらないほどに胸

を張って咲き誇っていた。
 その情景に鋼の顔は自然とほころび、誘われるように桜の樹の方に歩み寄ればその樹の幹に手をあてそっとなでた。
「良かったな、綺麗な花咲かせられて」

――――――――ニーサン、おおきに。

 どこともなく聞えていた声。
 あたりを見渡した。なにか見えるわけでもなかった。
 さわさわと柔らかい春の風が吹いていただけだった。

――――――――せやし、少しだけお礼させてな

 そんな小さなお節介の言葉のあと、さわさわと風が吹くだけの中。突然小さな桜の樹から、大量の桜の花弁が舞った。
 くるくるくと踊りながら舞っている。落ちる感じではなく宙に漂っている無数の花弁。
 目の前が一面薄紅の世界だった。
 幻想的な風景。自分の周りを薄紅の花弁が漂っていた。
 桜に囚われたような感じがした。
 鋼はゆっくりと眼を閉じた。
 どれくらいそうしていたのだろう、そんなに長い時間ではなかった。
 閉じていた眼をゆっくりと開けた。
 そこはもう薄紅の世界ではなかった。
 もとあるそのままの風景だった。
 見上げた上の桜はまだまだ散りそうにはなかった。
「不城くん?」
 自分の呼ぶ声がした。
「あぁ、カスミ先生」
 この出来事の切欠となった教師が立っていた。
「桜、まだまだ散りそうにないですよ」
「本当ねぇ、あれはやっぱり夢じゃなかったのかしら?」
「さぁ、夢かもしれませんよ。桜の樹の精が戯れに見せてくれた」
 鋼はそんなことを言いながらまた桜を見上げた。
 なんとなく、誇らしげな気分だった。

 その桜はそのまま少女の言葉どおり5月が終わるまではずっと見事に咲いていたとか。
 6月がきたとたん、昨日までの満開がウソのように葉桜になっていた。
 そんな桜の樹の異変に妙な噂もでたりもしたけれども、真相を知っている鋼はその噂を聞いてはただ笑っていた。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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2239/不城 鋼/男性/17歳/元総番(現在普通の高校生)

NPC
響 カスミ/女性/27歳/音楽教師

その他
不城 鋼ファンクラブの皆さん  
 

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■         ライター通信          ■
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不城 鋼様

この度は【お願い桜】にご参加下さりありがとうございました。
初めてのご参加いただきうれしい限りでございます。

はじめまして。櫻正宗と申します。
かわいらしいのに男ぽい、そんな鋼さんを目指して仕上げたつもりでございます。
桜についた虫の対処方法でお嬢さんたちに翻弄されながらも、きっちり仕事をこなしてしまうそんな、優しさを上手く表現できていたらいいのですが。
BUを拝見しながら話を書いていたのですが、そのかわいらしさにどんどんかわいらしくなりそうで、あかん、あかん。かっこよくここはかっこよく決めたいの。とか
櫻正宗心の中で葛藤していました。

それでは最後に
重ね重ねになりますがご参加ありがとうございました。
またどこかで出会うようなことがあればよろしくお願いいたします。

櫻正宗 拝