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<東京怪談・PCゲームノベル>


■熊とまさかり■



 つばの大きな帽子をかぶった少女が艶のある黒髪を靡かせてこつんと靴音高くそこに。
 日を遮って更に白さを知らしめる顔の中で唇が見事な曲線を描いた。

「クヒッ、楽しそうじゃないの」
 細い手で扉を押し開けて現れたのはウラ・フレンツヒェン。
 特徴的な笑い方に、熊(のぬいぐるみ)と力比べでもしている最中なのか両手を組み合わせて踏ん張る朱春が振り返る。やたらと余裕のある行動だ。
 そして訪問者であるウラはエントランスをぐるりと見回して思案するように目を眇めていた。ややあって「あら」と声が落ちる。
「この間のマンションじゃない。また賑やかなのね」
 その人形のような装いの――朱春はゴスロリを知らない――少女はどうやらマンションに来た事があるらしい。ならば手が離せない現在は好きにして頂こう、そう考えて振り返っていた朱春は言い捨てた。
「誰かに用事なら勝手にどうぞです」
 ぴく、とウラの眉が一瞬厳しい線を描いたのは間違いなくこの発言のせいかと思われる。
「……勝手に?」
「こっちはご覧の通りです。勝手に行ってくれたらいいです」
「…………あたしはお客でしょ。勝手にしろはないんじゃなぁい?」
 手に持っていた日傘の先端をカツンとエントランスの床に叩き付けてウラは朱春の傍に近付いていく。磨き抜かれた靴がコツコツと存在を主張しながら彼女の足に従って動いて。
「お茶と柏餅くらいは出すのがお客に対する礼儀でしょ」
 ウラは側に立つなり、ぎしぎしと軋む関節の音さえ聞こえそうな朱春と熊の力比べを気にも留めず、表情も常のままの様子で言い放ったのである。傍目には、せいぜいが多少ご機嫌斜めな様子だろうか、とその程度だ。
 そして朱春はそんな相手の些細な変化だとか、逆に動じない精神の太さだとかを気に止める人間でもなかった。隣に来たゴスロリ少女を面倒臭いと言いたげにちろりと横目で見るだけ見てから「ふん!」と気合を入れて力も入れる。
 途端ばふばふと相手から立ち上る煙、いやいや埃。
「柏餅ならさっきエマさんがお裾分けに来たです」
 鼻先にまで漂ってきたそれを捉えて発生源を見るウラに話しつつ更に熊を押さえ込む。すでに力負けし始めた熊は前屈寸前だ。あるいは四足歩行に移るだけか。
 ともかくそんな状況の中で、ウラは日傘をステッキの如く軽やかに一振り。
「だったら許してあげるわ。ほら上等のお茶もつけるのよ」
「埃かぶるので柏餅は避難中です」
「避難?あたしに出すよりも避難?」
「この熊が埃凄いですから」
「ふふん。かくも勇猛果敢な端午の節句というわけね」
 日傘を揺らしつつ軽く笑うとウラは頭上を見上げた。先程からどたばたうるさい。
『せめてまさかり!まさかりを!』
『もう人形でいいじゃねぇか!』
『ナマだったら殺人だろ!』
『チクショウやってられるかあ!』
 そして必死だ。声だけで解る程に。
 しばしそれを楽しそうに聴いて咽喉を震わせる。ヒヒ、と引き攣る笑い声。
「でもねぇ」
 しかし一転して滑らされた眼差しは半眼の、奇妙な冷たささえ感じさせるもの。
 向ける先では熊がついに朱春にマウントボジション寸前まで追い詰められている姿があった。
「熊はお嬢さんを追いかけるものであって挑むものじゃないのよ」
 その鼻先に靴音も高く踏み出す。
 見下ろす美少女に気圧されたのか、ぬいぐるみの熊はじりじりと身を引いていく。
「さあ」
 熊がまた身を引く。朱春が追う。ウラがさらに踏み出す。

「イヤリングを出しなさい」

「イヤリング?」
 そこで白く細い指先を揃えて差し出されたその掌を見ながらぽつりと朱春。
 彼女はイヤリングと熊の関係を把握し損ねた。
「こんにちは。何の騒ぎですか」
「――あ!」
「この!いい度胸だわ熊!」
 一瞬の空白。
 その隙に熊は朱春の腕をすり抜けてウラからも距離を取る。
 当然ながら少女達の反応も速かった。
 ウラは日傘を振り翳して歩を進め、転がしていたモップを拾った朱春がそれを振り回す。若い男性の声がしたすぐ後にモップは管理人室の小窓近くを破壊した。
「あたしに追いかけさせるなんて何様のつもりなの!」
「モップが」
 更に逃げる熊をウラは追う。
 モップの歪みを見て朱春は熊から意識を逸らす。
 新たな訪問者である櫻紫桜が再度声をかけ、状況を把握する事に成功したのはこのときだった。

 そしてシュライン・エマが柏餅の避難を終えて管理人室から出て来るまで、この状況に変化は見られない。ウラはひたすらに熊を追っていたのである。


 ** *** *


「もうそろそろ大人しくしたらどうなの熊!」
「絞るのくらいは覚悟するです!」
 エントランスからの声を聞きつつ紫桜は思う。

 楽しそうだなぁ、と。

 少なくともウラは一見するとご機嫌斜めに文句をつけている風にも感じられたが、離れて声だけ聞けば弾んだ調子がよく解る。多分あの少女は状況を、あるいは怯える熊を楽しんでいるのだろう。
「でもこっちはどうかな」
 なんて見る先は正面。

「だぁ――!」
「うわぁシィありがとうもう何回助けられたか良い子だなぁ!」
「くっそメシ食いそびれかよオイ!」
「夕飯も無理だったりしてなー」
「その前に足が限界来るんじゃねえか……っ」
「俺は来る!というかもう来そう!」

 階段を上りきったタイミング。
 それを図っていたかの如くの見事さで男達が疾走していった。
「……余裕はありそうな気もするけど」
 なんともおしゃべりの多い獲物である。
 それより遅れて椎名が駆け抜けたのはきっとさっきの「ありがとう」の分の行動だろう。
 彼も大変だと感心したところで後に続けばすぐに追いついた。呼ばわる前に振り返る椎名。
「しおう、こんにちは」
「こんにちは。でもそういう挨拶は後回しでいいですよ」
「うん」
 もしかしたら本気で余裕満載なのだろうかとふと思ったのは、椎名が標準をはるかに超える速度で走っているにしても、紫桜が標準よりずっと上の速度で並走しているにしても、軽く前方の大人達に追いついてしかも振り返られたからだ。
「ようシオウ身代わりか」
「こんにちは紫桜君。助けてくれると嬉しいなあ」
「いえ椎名君が大変そうなので、手伝いを」
 つまり救助というよりお二人の護衛してる彼の手伝いなんですよ。
 微妙な居心地の悪さを感じつつ男達は紫桜の言葉に頷いた。
「しおう」
「――ええ」
 ふい、と。
 そこで風を切る音が感触を伴ってうなじをかすめ、紫桜は身体をひねりながら振り返り、逆に一歩後方へ踏み込ませる。鼻先から拳一つ分ほどの距離を重量感のある斧が空気を裂いていったかと思えばアルバートとジェラルドは「うっわ!」と頭を下げて避けて。
 ……真面目に対応する気があればなんとか出来るんじゃなかろうか。
 思いつつ斧の行方を追うも、同時に多分あの二人駄目だ、と心の何処かが主張するのを聞く。
 椎名が金髪を揺らして腰を落とし、おかっぱ頭の子供へと駆け出すところへタイミングを重ねて紫桜も駆け出して。
(逃げることしか頭にないみたいだし)
 まずは相手を押さえつつ、と駄目大人二名の護衛を手伝うことにした。

 ちなみに護衛対象が大人二名なのであって、面倒見てやるのは紫桜と椎名であるのだ。
「なかなかハードな子供の日ですね」
「?」
 相手も黒髪おかっぱ前掛けという典型的な例の男の子。
 さてどうやって動きを封じようかと窺いつつ椎名に話しかけると、少年はきょとりと首を傾げるだけだった。

 しかしどうしてこんな「動くぬいぐるみや凶器持った子供と追いかけっこ」という展開になったのやら。
 考える間にも距離は縮み、椎名がまさかりを弾いた隙に上体を屈めて深く踏み込み肘を内から押し出した。


 ** *** *


 さて、そんな風に紫桜がまさにおかっぱ小僧の懐に潜ろうとしていた頃。


「大人しくしてくれて良かったわ」
 常備しているソーイングセットから針と糸を用意したシュラインはちくちくちくちく、裁縫の真っ最中だ。
「ヒヒッ、これ綿を抜いたらどうなるかしらね」
「暴れるようならそれも考えていたの。きっとヘロヘロになるんじゃないかなって」
 覗き込んで指先を熊のぬいぐるみの中へ突っ込むウラの楽しそうな様子に応じながら、彼女の手はそことは別のほつれを繕っている。
 そう、ほつれだ。
 ウラが非常に愉快そうに熊に「イヤリング、イヤリング」と迫っているのを見ていて気付いてしまったのである。熊のぬいぐるみのその背中からポロポロとはみ出す綿の塊に。
 気の毒なことにそれが朱春のモップによるものなのは明らかだった。
「この中にイヤリングが隠れていたりしたら多少はひねりがあるわ」
「流石に無いでしょう」
「つまらない熊ね」
 ふん、と鼻で笑うウラ。
 苦笑しながシュラインはぬいぐるみの背中をひたすら繕い続けている――その背中に乗っかって。そしてウラも実は熊の上に乗っている。朱春だけが歪んだモップを掲げて熊の近くで仁王立ち。
 あ、と呟きが落ちればゴツンとモップの柄が熊の頭の際を掠めて床に突っ込んだ。
「真上から落としなさいよ、クヒッ」
「それはちょっと可哀想ね」
 熊のぬいぐるみに、表情があるならば現在どれだけ怯えていることか。
 熊はエントランスに大の字でうつぶせているのだが、その背中で繕い中のシュラインと見物のウラ、頭の傍で仁王立ちの朱春という見るからに立場最弱な状況だ。よく見ればふかふか綺麗な毛がぷるぷると揺れている。

『ちょっと背中見せてくれるかしら』

 イヤリング!と迫るウラ。モップが、と迫る朱春。
 二人に散々追い立てられ――ウラは面白半分だったが――ぬいぐるみながら力比べを朱春としていたときの気力なぞとうに失ったらしい熊には、針先を光らせて微笑んだシュラインの言葉がトドメになった。迫力に負けてボフンと膝をついてそして今に至る。
 熊の心情は誰にも解らない。
 解るのはただ熊が今、二人の女性のクッション代わりになっているということだけ。

「それにしても上は賑やかねぇ」
「……ねえ、あのまさかり持っているのが子供でしょ」
「です。一緒に出て来たとか」
「ふん。じゃああれがいなきゃ熊も礼儀というものを思い出すかしら」
「うぅん……それはどうかしら」
 紫桜が合流して状況は変わっただろうか。
 ぷるぷる震える熊の上で二人が話す間もエントランスの上からは『俺かよ!』だとか『足が!』だとか聞こえてくるのだが、はてどうなっているのやら。
 思いつつシュラインがウラの微妙に引っ掛かる言葉にほつれを探す手を止めて、それに合わせてウラはパチンと手を叩いた。クヒヒッと魔女に似た笑い声が非常にこの瞬間、際立ってそして。

『ぁ――ってェ!』

 ビシリと屋内で起きた落雷はまさかりと、それを持った子供にばっちり落ちる筈だったのだが、ちゃんと見ていなかった分ずれた。
「…………」
「あれは子供じゃないわね」
「ジェラルドです」
 目を細めて見るウラと朱春のやりとりを聞きながら、シュラインは無言でソーイングセットを片付けた。多分もうほつれはないわよ、という意図でぬいぐるみのふかふか背中を一叩き。
「生きてるわ!しぶといじゃない、ヒヒ」
「ジェラルドですから」
「もう何発かやってみようかしら」
 ウラはなにやら瞳をきらきらと愉しそうに閃かせ始めている。靴先でトントンと床を叩いて節を取るのに合わせてバチバチとどこかで不吉な音。
「……気をつけてね」
 とりあえずシュラインはそれだけ呟いて、頭上の男達の無事を軽く祈ってやることにした。
 座ったままの熊のぬいぐるみがなかなか気持ち良い。
「ほらもう一発」
 ――ピシャン!
「ジェラルドかまさかりか見えないです」
「子供じゃないならもう一発よ。クヒッ」

(背中に乗れないかしら。それか昔話みたいにお相撲風景とか)
 あれこれ考え出した彼女の耳に再び落雷の音が響き渡る。


 ** *** *


 つまり直撃を受けてピクピク痙攣しながら倒れた彼が、いい加減逃げ続ける状況と合わせてブチリといってもおかしくはなかったのだろう。
 と、落ちた沈黙の中で起き上がり、一同の空白をついてエントランス方向に走り出した落雷の的なジェラルドを見送った紫桜は白けた気分で思う。
「誰だ!アァ?」
「元気だ」
「元気ですね」
「げんき」
 見送りつつ口々に言い、それから紫桜は立ち上がった。
 懐から肩を捕らえてもう少しでおかっぱ少年を押さえ込めるところだったのに、落雷のお陰で力が緩んでしまって逃げられた。というか逃げられてそして少年は再びジェラルドを追っている。
「逃げるから余計に追うんだろうか……」
「アルこない」
「年なんでしょうし、そっとしておいてあげましょう」
 もう一人の逃走者が階段の最上段で座り込んで見下ろしている。これ幸いと一抜けた状態らしい。
 椎名が紫桜と並んで走りつつ言うのにそんな、さりげなく厳しい言葉を投げておいて前方の二人を見れば凄まじい勢いで一階に下りたところだった。
 余程に落ちた雷は痛かったのか。
 むしろ元気な時点でおかしいとは考えなかった辺り、状況に慣れている紫桜少年である。

「何発落としゃ気が済むんだつか誰だ!」
「余計なモノ連れて来なくていいのよ!」
「ジェラルドさん無事だったのね」

「――ってガキかよ!」
 その台詞にかぶせて再び落雷の音。
 ちらりと手摺の向こうから更に直撃を食らう男が見えて、あーあ、と言う他ない。
「お前よお前!来なくていいの」
 余計なモノ?と思う間に今度はジェラルドを追う子供に落ちた雷。同時にウラが腕を動かしていたので声と合わせてつまり彼女の仕業なのか。
 シュラインは、と見ると熊の上に座って苦笑している。
「なんの恨みがあって雷落としてんだテメェ!」
「お前じゃないわ、そこの子供よ!巻き込まれたのね――ヒヒッ、ご愁傷様といってあげるわ」
「っだぁ!」
「ほらほらあっちは起きたわよ」
 ウラの至極楽しそうな声に今度はジェラルドの不真面目な悲鳴が重なった。
 慌てて駆け下りていた紫桜が適当な高さだと判断して手摺に手をかけるなり、それを飛び越える。椎名が反射なのか同じように、こちらは両手で捕まって鉄棒もどきだが飛び越えたのを見て慌てるももう遅い。
「どいて下さい!」
「あら紫桜君と椎名君」
 叫びながらおかっぱ少年がふりかぶった、そのまさかりの柄を抑える位置に膝をつく。続いてとなりにぺちゃりと椎名が降って来た。
「大層なご登場だわね、お前達」
「……いえ、ウラさんの雷の方が驚きましたよ」
 第三者が聞けばちょっと驚き具合が足りないよ、と言いそうなトーンで軽く声をかけあうウラと紫桜のそれぞれの身体の下に、子供と熊がいるのだがジタジタともがいている。
「あー……助かったけど痛ェ……」
「ジェラルドさん、まさかり取り上げて貰えますか」
 そして呑気に身体を起こした駄目大人その一に声をかけて、取り押さえた子供の凶器を没収して貰おうとしたところで。
「ちょっと!上に私がいるんだからじっとなさい!」
「うわぁ!」
 ビシリと幾度目かの雷が、今度こそまさかりに一直線に落ちていく。反射的に子供から退いた紫桜は無事だったが、まさかりを掴んだばかりだったジェラルドと元から掴んでいた子供は再び焦げた。
「それにまだこの熊と話は済んでいないんだから」
 ふふん、と手を合わせた体勢のまま言い放つウラだが二人は無論声もない。というかぴくりとも動かない。
「……どうしてこっちなんですか」
「熊にしてどうするの」
「いえ、そうじゃなくて直撃……まあいいか」
 指先でジェラルドをつつく椎名をちらりと見て椎名はそっと息をついた。直撃なんて今更だ。
「そっちの子も大丈夫みたいね」
「もう一度落としてみてもいいわよ」
「そろそろ勘弁してあげて頂戴ウラさん」
 ぷすぷすと煙さえ上げそうな二人を見る間にシュラインの声。
 熊からいつの間にか下りていた彼女は朱春と何事か話していた。
「もう騒ぎも収まりそうなら、柏餅を皆でどうかと思ったんだけど」
「かしわもち」
「ええそうよ椎名君。一緒にお茶も用意するから手伝ってくれるかしら」
 優しげな声にちらりと椎名が紫桜を見る。
 頷けばそれで安心した顔になって、シュラインと一緒に管理人室の方へ。
「そうだウラさん」
「なによ」
 と、向かいざまにシュラインがウラに声をかけた。
 面白そうな表情は、もしかしたら例の所長への土産話として頭の中でまとめ、そして相手の反応を想像しているのかもと思わせる。
「イヤリングって気になってたんだけど」
 ああそういえばそんなこと、ずっと言ってたな。
 整った線の眉を上げて先を促すウラ。隣で唸るジェラルドを尻目に朱春が梱包用ロープを差し出したので受け取りながら、紫桜も初っ端を思い出した。
 縛るべきか悩みつつ話を聞く。

「熊さんが拾ってくれるイヤリングでしょう?」
「そうだったかしら」
「あれは森の中で落とさないと、多分無理じゃないかなと思うの」
「確かにここは森じゃないわね。つまらない」

 つまらない、と言いながら引き攣った笑い声を洩らすウラ。
 それで結局イヤリングってなんだろう、と思ったのか思わなかったのか。ともかく朱春が扉を叩き開ける先に向かうシュラインと椎名を見送り、いまだに椅子状態な熊を見て、それから紫桜は肩を軽く揉み解した。

「それで、この子はどうしたらいいんでしょう」
「縛って捨てておけばいいのよ」
「適当な部屋に、とは思いましたけど」

 そしてジェラルドどうしよう。
 おかっぱの少年と仲良くまさかり掴んで痙攣している、ちょっと焦げ臭い大人を見ながら考える。
 シュラインが草間に話してきっと、彼には面白く聞いて貰えるのだろうけれど当座は起こす方法で。

「もう一発、入れたら起きるわよ」
「でもそろそろヤバそうですよ」



 エントランスの向こうの空はひたすら青い。
 屋内の落雷被害を見ながらちょっと逃避してみたい子供の日。





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0086/シュライン・エマ/女性/26/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【3427/ウラ・フレンツヒェン/女性/14/魔術師見習にして助手】
【5453/櫻紫桜/男性/15/高校生】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは。どたばたしてない気もするライター珠洲です。
 プレイングのままよりも扱い方が少し違う状態が多いかなぁと思います。熊と子供についてどうするかも考えて下さっていました分は、この後の展開として続いていると考えているのですけれども。
 五月の爽快感も何もない出来事ですが、お納め下さいませ。
 ご参加ありがとうございました。

* ウラ・フレンツヒェン 様
 雷がどれだけ落ちたかなぁという流れとなっていますね。ご容赦下さい。
 激励は、どうでしょう。走り回っている合間にかけておられたかもしれませんが、多分男連中には聞こえていなかったと思われます。
 怯える熊のふかふかを堪能されつつ雷に打たれるジェラルドをお笑い下さいませ。