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English tea party
「何か雨ばっかで憂鬱ですね」
蒼月亭のカウンターの中でゼリーを作りながら、立花香里亜（たちばなかりあ）が急にこんな事を言い出した。マスターのナイトホークは、客用のコーヒーを丁寧に挽きながらそれに耳を傾ける。
「この時期は大抵雨だよ」
「そうなんですか？私北海道にいたから、梅雨って初めてなんですよ」
「ふーん…」
窓から見える空は曇天で、しとしとと雨が降り続いている。店の中は除湿されているが、外に出たら湿気でうんざりするのだろう。そう思うと店から出るのが億劫だ。ついコーヒー一杯で長居をしてしまう。
そんな時だった。
「じゃあ、何か変わったことしましょうか。英国式のティーパーティーとか」
「はい？何をいきなり…」
コーヒーを挽く音が止まった。すると香里亜はカウンターに座っている皆に向かってこう言った。
「今日突然は無理ですけど、来週ここで英国式のティーパーティーしませんか？私、スコーンとか焼きますから。ダメですか…」
今度はくるりとナイトホークの方を見る。まあ確かに雨降りで客の出足も鈍いし、たまには変わったことをするのもいいだろう。ナイトホークは溜息をついた。
「分かった分かった。ただし、ある程度料金は取って香里亜が全部仕切れよ。俺は紅茶に関してはそこまで詳しくねぇし、商売にならんのも困るから」
その言葉にぱぁっと香里亜の顔が明るくなる。
「分かりました。皆さんにも招待状をお送りします、来週この時間にまた来てくださいね」
「うーん、楽しみ。いいパーティーになるといいな」
そう言いながら蒼月亭に向かっていたのは樋口・真帆（ひぐち・まほ）だった。たまたまあの日蒼月亭に行っていて、「英国式ティーパーティー」の事で香里亜と意気投合したのだった。真帆自体紅茶が好きで、美味しい紅茶には自信がある。そんなところに英国式ティーパーティーの誘いだなんて、断る理由は全くない。
真帆は招待状を見ながら思わずにっこりする。
「『いつもより少しおめかししてきて下さい』…か」
今日は紅茶や持って行くお菓子以上に、服装に気合いが入っていた。白い長袖のフリル付きブラウス。胸元にはアイボリーのリボン。ローズブラウンにバラブーケ柄で裾にフリルのついたジャンパースカートに黒リボン付きのオーバーニーソックス。持ってきた荷物の中にはオーバーエプロンも入っている。準備は完璧だ。
「さて、急いで向かわなきゃ」
真帆は足取りも軽く蒼月亭へと向かった。
今日は梅雨の合間の晴れ空だ。きっといい紅茶日和になるだろう。
「英国式ティーパーティーですか…」
夏用のスーツにアイロンを掛けながら、デュナス・ベルファーは考えていた。ティーパーティーに誘われたのはいいが、何を持って行くかを考えていなかった。お菓子やお茶はきっと香里亜が用意するだろうし、買っていった物よりもきっと彼女が作った物の方が美味しいだろう。かといって、何か気の利いた物を持って行けるほど財布事情が潤っている訳でなく…。
「ああ、そうだ。この子達を連れて行ってあげましょうか。ここに飾っていても使う機会がないですからね」
デュナスは事務所の茶箪笥の奥からアンティークのティーカップセットを取り出した。
いつの時代の物なのかも分からないし、元は六客だったと思われるカップがが今は四客しかない。それでも自分が東京に来る時に持ってきた数少ない物の一つだ。
金彩でバラが描かれているそのカップは、外に出すとその装いが一層鮮やかに見える。
まあ、その鮮やかな装いのせいで事務所の雰囲気と合わず、今まで茶箪笥の飾りになっていたのだが。
「これで美味しい紅茶を飲んだら、きっとカップも皆さんも幸せな気分になるでしょうね」
デュナスはアイロンのスイッチを止め、それを手頃な箱にそっと収める。そしてアイロンのかかったスーツに袖を通した。
「今日はいい一日になりそうですね」
「あら、ちょっと早かったでしょうか」
「いらっしゃいませ。まだ皆揃ってないけどゆっくりしていって下さいね」
黒榊・魅月姫（くろさかき・みづき）は、蒼月亭に入り、テーブルに白いクロスを掛けている香里亜を見て微笑んだ。普段から無表情気味なのだが、今日の魅月姫はいつもより上機嫌だった。
元よりコーヒーより紅茶が好きというのもあるが、古より欧州を渡り歩いてきた魔女でもある魅月姫にとって、ティーパーティーには相当詳しい。だが、堅苦しいのも何なので、大きく逸脱しない限りは香里亜をフォローしようと思っていた。
真っ白いテーブルクロスに銀器。そしてこれからテーブルに並べられるであろうスコーンが焼ける香り。魅月姫は香里亜に持参してきた紙袋を手渡す。
「これ、クロテッドクリームとベリー系のジャムよ。今日はお招きいただいてありがとう」
「ようこそいらっしゃいました。今日はゆっくりお茶を楽しんで下さいね」
香里亜はふわっとしているが動きやすいワンピース姿にエプロンをしている。それは本場のティーパーティーは、主人が心を込めてティーサーブすることを知っているからなのだろう。白いエプロンも清潔的だ。ティーコジーも濃くなりすぎた紅茶を薄めるためのポットもちゃんと用意されている。
「魅月姫さんのドレス素敵です。いつも素敵ですけど、今日は一段と華やかですね」
香里亜は手渡された紙袋を持ちながら、魅月姫のドレスをニコニコと見つめた。いつものように黒を基調としたゴシック調のドレスだが、所々華やかさを感じさせるようなレース使いをしている。それに魅月姫は優雅にお辞儀をした。
「褒めていただいて光栄だわ。お客様が来るまでまだ時間がありそうだから手伝わせていただくわね」
皿に用意されているスモークサーモンやキュウリのサンドウィッチ。これは本格的なティーパーティーだ。それを見て魅月姫の機嫌はさらに良くなった。
「何だか少し緊張しますね…」
劉・月璃（らう・ゆえりー）はいつもの服ではなく、以前仕立てたグレーのスーツを着て蒼月亭に向かっていた。この服は香里亜やナイトホークには見てもらったことがあるが、他の皆に見せるのは初めてだ。
ショーウインドーの前を通ると、ネクタイが曲がっていないかなどつい気にしてしまう。すれ違って自分を振り返る人たちが、それを指摘しているのではないだろうかという気になる。
実のところ通行人が振り返る理由は、容姿端麗な月璃がピンクと白のバラの花束を持っている姿が様になっているからだ。グレーのスーツに薄い緑のネクタイにベスト…それはまさに英国紳士という風貌だ。
「喜んでいただけるといいですね…」
月璃がバラを選んだのには理由がある。今はバラが綺麗に咲く季節だし、英国風ティーパーティーに合っているような気がしたからだ。それに香里亜は「花が好き」と言っていた。だから香里亜のイメージでピンクと白にし、ティーパーティーに招待してくれたお礼の気持ちを花に込めたのだ。
皆はどんな物を持ってくるのだろう。そう思いながら月璃は蒼月亭のドアを開けた。
「今日は、ティーパーティーに来ていただいてありがとうございました」
今日招待された客は真帆とデュナス、魅月姫に月璃というメンバーだった。ナイトホークもいつもと違う白いシャツにベストという格好をして椅子に座っている。
「私がホステスなので色々至らない所もあると思いますが、今日はゆっくり紅茶を楽しんでいって下さいね」
そう言ってぺこりと香里亜が頭を下げ、皆の間から拍手が上がった。
「じゃあお茶を。真帆ちゃんがお気に入りのポットと春摘みのアールグレイを持ってきてくれたので、最初はそれにしますね。他にも真帆ちゃんから紅茶のシフォンケーキを頂きました」
そう言われると真帆はにっこりと微笑みながらお辞儀をする。
「えへ、最初のティーサーブは香里亜さんにお任せしますね。紅茶のシフォン、自信作なんで一緒に頂いて下さい」
真帆が作ってきたシフォンケーキは、ほんのりと紅茶の香りがした。真帆はそれを皆の皿に取り分ける。だが、月璃だけは少し困ったように手を振った。
「あ、ケーキ嫌いでした？」
「いえ、ちょっと訳があって固形物が食べられないんです。俺のことは気にしないで皆さん頂いて下さい」
「じゃあアールグレイを飲んでください。春摘みの葉っぱですごく美味しいですよ」
真帆がそう言うと、香里亜が紅茶のポットをワゴンに乗せてやってきた。それを見て月璃は持ってきたバラの花束を香里亜に手渡す。
「今日は招待してくれてありがとうございます」
「わぁ…ありがとうございます。今日は楽しんで下さいね。紅茶、ストレートとミルクティーどっちにします？」
香里亜がそう言いながら持ったカップは、デュナスが持ってきたアンティークのティーセットだ。紅茶が冷めないようにカップ自体も暖められている。それを見ながら月璃は微笑んだ。
「ミルクティーを…俺は紅茶には詳しくないのでお任せします」
「はい。今日はいつもと違うミルクなんですよ」
ワゴンに乗せられていた瓶入りのミルクは普段見る牛乳とは違い、上の方に層が出来ていた。それを見てナイトホークがふっと笑う。
「クリームラインって言うんだ、あの層。あれが出る牛乳は痛みやすいからその辺で売ってねぇんだけど、わざわざ買いに行かされた」
「でもナイトホークさんが買いに行ってくれたおかげで、いつもより美味しいミルクティーがごちそうできます。はい、月璃さん」
渡されたミルクティーはアールグレイのベルガモットと、ミルクの香りがした。月璃はそれを一口飲んだ。温度もちょうど良く、優しい香りが辺りに立ち上る。
「ありがとうございます、とても美味しいです」
月璃の持ってきたバラが花瓶に生けられ、皆それぞれティーパーティーを楽しんでいた。魅月姫が持ってきたクロテッドクリームやジャムも小さな容器に入れられ、焼きたてのスコーンの隣に並べられている。
魅月姫はデュナスの持ってきたティーセットに興味があるらしく、デュナスに話を聞いていた。
「これはリモージュのティーセットね。大事に使われてきたみたい…」
「そうなんですか？私はアンティークに詳しくなくて…六客あったのが今では四客しかないんです」
その話を聞きながら魅月姫はスコーンにクロテッドクリームを塗った。自分が持ってきたジャムだけでなく、香里亜が手作りしたらしいイチゴのジャムもある。それを魅月姫はデュナスに勧めた。
「仕方ないわ、物はいつか壊れるものだもの。でも、懐かしい…」
きっとデュナスはこのカップについて詳しいことは知らないだろう。だが、魅月姫はこのカップに出会ったのは初めてではなかった。貴族階級が英国でのステータスだった頃、同じ器で紅茶を飲んだことがあったのだ。
でもその時は社交界のつきあいの一つで、こんなに安らいではいなかったような気がする。社交界の退屈な話を聞き、誰がどの貴族と結婚するかなど、そんなことを話していたティーパーティー…。そこに香里亜と真帆がポットを持ちながらやって来る。
「お味はいかがですか？」
「ええ、とても美味しいわ」
日の差し込むテーブルで、魅月姫はそう言って優雅に微笑んだ。
「つまらなくないか？」
ナイトホークがそう言いながら皿に取ったスモークサーモンのサンドウィッチを口に入れた。月璃はそれが自分に言われたことだとしばらく分からず、きょとんとした顔をする。
「なにがですか？」
「いや、せっかくいろいろあるのに食えないから」
テーブルの上には確かに色々な物が乗っていた。スコーンだけでなく、香里亜が作ったリンゴのケーキやサンドウィッチも乗っている。それを見て月璃はナイトホークに向かって微笑んだ。
「人が食べているのを見るのは羨ましくもあるけれど面白いです。皆、ものを食べている時って幸せそうな顔しますよね」
「ならいいんだけどな」
そう呟くとナイトホークはダージリンのストレートティーを飲む。紅茶の味も月璃にとってはあまり分からないのだが、その代わり香りの違いはよく分かった。ミルクが入ると柔らかくなるアールグレイの香り、スッキリとしたダージリンの香り。それだけでも楽しい気持ちになる。
そこにカクテルグラスを持った香里亜がやってきた。香里亜は月璃を見るとにっこり笑い、そのグラスをそっと差し出す。
「これ、イチゴのジャムを作るときの果汁で作ったルビーゼリーなんです。月璃さん、固形の物がダメって聞いてたから…」
「えっ…？」
「もし良かったら食べて下さい。緩く作ってあるから口で溶けますよ」
そう言うと香里亜はまた真帆やデュナスのいる方に戻っていった。
よく見るとそのゼリーはテーブルには並べられてなく、自分のために作ったのもらしい。月璃はそれをスプーンですくって口に入れた。イチゴの甘酸っぱい香りが口いっぱいに広がり、その後で紅茶を飲むとまた違った香りになる。
「味はどうよ？俺も味見してないんだわ、それ」
ナイトホークは胸のポケットから煙草を出そうとしてそれをやめた。代わりにまた紅茶に口を付ける。
なによりもその心遣いが月璃にとって一番嬉しかった。
いつの間にかテーブルの周りに皆が集まっていた。ナイトホークだけが空いた皿を片づけにカウンターの中に入っている。
「香里亜さんって紅茶詳しいんですか？」
真帆はアールグレイをお気に入りのポットで入れながら、香里亜にそんな話をする。
「うーん、まだまだ勉強中。ナイトホークさんがコーヒーに詳しいから、紅茶も充実させるといいかなーって。お菓子作るのは好きなんだけど」
そう言いながら紅茶を飲む香里亜に、魅月姫がリンゴのケーキを手に取り、デュナスもサンドウィッチを皿に取った。
「堅苦しく考えなくても、美味しい物をご馳走したいって気持ちがあれば、きっとあなたならすぐ身に付くわ」
「そうですね。今日出して下さった紅茶もお菓子もとても美味しかったです…余ったら持って帰りたいぐらいです」
デュナスの言葉に皆が笑い、月璃がそっとスコーンをデュナスの皿に乗せる。
「じゃあ、俺が食べられないぶんはデュナス君が持って行って下さい」
「あはは…そう言えば、今日の月璃さんのスーツよく似合ってますね。いつもと違いますけど、そういうのもいいですね」
唐突にスーツを褒められたことに月璃は少し戸惑う。
「そんなに似合いますか？」
すると魅月姫と真帆ががカップを持ちながら頷いた。
「ええ、そのスーツもネクタイピンも素敵だわ」
「私、月璃さんの他の格好見たことないんですけど、格好いいなーと思いました。そうだ、デュナスさんと月璃さんがウェイターで、私と香里亜さんで紅茶の専門店やったら、きっとお客さんいっぱい入りますよー、私が紅茶担当で香里亜さんがお菓子担当とか」
「それはいい考えね」
くすっと魅月姫が笑うと、デュナスが慌てて手を振った
「い、いや、私はウェイターに向いてないと思いますよ。ねえ…」
「どうでしょう、やってみないと分かりませんよ」
「月璃さんまで…」
皆の楽しげな笑い声が響き、デュナスが困ったように赤くなった。
「今日は皆様ありがとうございました」
残った菓子などを丁寧に包み、一人一人に渡しながら香里亜はぺこりとお辞儀をした。
「今日は楽しかったですー、また招待して下さいね」
真帆はお気に入りのティーポットを手に持ちながら香里亜にぎゅっと抱きついた。香里亜も同じように抱きつきながら礼を言う。
「真帆ちゃん、紅茶のことまた教えてね」
「はい」
魅月姫は来たときと同じように優雅に礼をする。
「お招き頂きありがとう。紅茶とても美味しかったわ」
「どういたしまして。また機会があったらいらして下さいね」
デュナスはティーセットを蒼月亭に置いていく事にした。自分の事務所の茶箪笥で飾りになっているよりも、ここで使ってもらった方がきっと喜んでもらえるだろうと思ったからだ。
「いいんですか？大事なものじゃ…」
戸惑う香里亜にデュナスは笑いながら首を振る。
「いいんです。その代わり今度紅茶を頂くときにあれで出して下さい…その方がきっとカップも喜ぶと思います」
月璃は「お友達にあげて下さい」と渡された菓子を持ちながら、香里亜と握手をした。
「今日はありがとうございました。また来ますね」
「はい、またいらして下さい。今日はありがとうございました」
蒼月亭を離れる皆の背中が小さくなるまで、香里亜はずっと外で見送っていた。
「楽しかったですね」
「そうね。昔テムズ川沿いでした、ティーピクニックを思い出したわ」
途中の道まで同じ道を歩きながら、四人はさっきまでの出来事を話していた。魅月姫の「ティーピクニック」という言葉に真帆が反応する。
「それ楽しそうですね。またこういうのやらないかなぁ」
「きっと香里亜さんに言ったら、楽しそうって言ってくれますよ」
くすっと笑う月璃にデュナスが同意する。
「そうですね。ティーピクニックじゃなくても、皆で出かけるのも楽しそうですよね」
「じゃ、今度香里亜さん達に提案してみようっと。何か楽しみが増えちゃった…あ、お月様」
真帆の声に皆が空を見上げると、空には細い月が浮かんでいる。
明日もいい天気になりそうだ。四人は幸せの重さを手に感じながら、それぞれの家路へと向かっていった。
fin
◆登場人物（この物語に登場した人物の一覧）◆
【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
4682 ／黒榊・魅月姫／女性／999歳／吸血鬼（真祖）／深淵の魔女
6392／デュナス・ベルファー／男性／24歳／探偵
6458／樋口・真帆／女性／16歳／高校生／見習い魔女
4748／劉・月璃／男性／351歳／占い師
◆ライター通信◆
こんにちは、水月小織です。
今回は香里亜式の『英国風ティーパーティー』と言うことで、皆様に紅茶や会話を楽しんで頂くほのぼのとしたお話になりました。部分部分にスポットをあてて皆様平等に出番があるように気をつけましたがいかがだったでしょうか？
リテイクなどがありましたら遠慮なくお願いします。
香里亜のことなので、また変わったことをやったりするでしょうが、その時も興味がありましたら、是非参加してくださいませ。
真帆さんへ
初参加ありがとうございます。ブログで見て頂いていたそうで、とても嬉しいです。
家庭的なティーパーティーで、皆でわいわいとおしゃべりしながら紅茶を楽しむという話になりましたがいかがだったでしょうか？いつか二人に乗っ取られて、蒼月亭が紅茶の専門店に変わってしまいそうです。
また機会がありましたらご参加下さい。
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