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<東京怪談・PCゲームノベル>


[ 雪月花2 星の降る街 ]



 遠くの山に、山旗雲を見た。それはとても穏やかな日和――――。


「今晩はまともな宿でも取るかな……」
 たまたま立ち寄った小さな街。そこで洸はポツリと呟いた。その隣で柾葵が嬉しそうに大きく頷く。まともな宿、ということが珍しい。今までは雨風が凌げる場所であれば何処でも寝泊りをした時期もあった。それは――。
「ならば、まだ時間的には少し早いけど宿を探しましょうか」
 そう言った彼――劉月璃が、洸と柾葵の旅に同行してからも暫く続いたことである。ただ、月璃にしてみればまだ耐えられるレベル、そして日数であった。勿論、洸と柾葵にとっては序の口レベルであったわけだが……。
 元々三人には宿に置く程の手荷物がある訳でもないが、日が暮れてからの宿探しも大変だろうと月璃は考え言ったまで。しかしそれには洸も柾葵もすぐに同意した。
 街の入り口から、大通り沿いに道を行けば、何軒かの宿を見つける。夕刻も迫り、それぞれの入り口には灯りがともり、窓からは淡い灯りが漏れていた。
 結局、先行く洸が入っていった宿は、この辺りで一番安価な値段で、それなりのサービスを提供する宿だ。ツインとシングルで部屋を取ろうとするが、それを何故か静止したのは月璃だった。
「ツイン一部屋で良いですよ」
 後ろから掛かる声に、洸は疑問符を浮かべたまま振り返り、月璃の方を見る。
「? でも…そうすると――」
 洸の言いたいことは尤もなものだ。ベッド二つの部屋に三人が泊まるということは、誰かが何らかの形で犠牲になる。簡易ベッドがあるならばまだしも、無ければ悲劇だ。しかし、月璃は洸の疑問と不安に対し、一気に答えを出した。
「勿論、ベッドは二人が使って構わない……俺は大丈夫だから」
 何を根拠にそんなことを言うのか、それは洸には勿論柾葵にも分からなかったが、それは今はまだ――の話である。
「そう、ですか……ならツイン一部屋で。あ、食事は――?」
 思い返せば、初めて月璃と出会った時彼は味覚がないと言っていた。旅に同行してからと言うもの、何かを摂取している姿を見た記憶も無い。どちらかと言えば、洸もそんなに物を食べずとも暫くは動いていられる。けれど洸は、月璃のそれは自分のそれとは違うと考えていた。
 案の定、月璃は食事も要らないと洸に告げ。洸も特に追求することなく、今宵の宿は確保される。
 部屋に案内されるまでの間、各々は狭いロビーをうろつき。やがて通された部屋は、この街を一望できる部屋だった。
 洸と柾葵はそれぞれベッドに座り、月璃はテーブルの前にあったティーセットを目の前に、睨めっこをしている。
「……俺が淹れます。と言うかホットミルク、ですよね?」
 前科があるせいか、苦笑いを浮かべながらベッドから立ち上がった洸が、月璃の前からティーポットを持ち上げ、準備を始めた。
「え?」
 そんな洸の言葉に、月璃は思わず問い返してしまう。すると洸は「違いました?」と問い返すが、月璃は違わなくないと。ゆっくりかぶりを振り言った。
「いえ…好きだけど、どうしてそれを?」
 確かそうであると、直接洸に言った記憶はない。言ったのは味覚が無い――ということくらいだっただろうか。
「あぁ、だってそれしか飲まないみたいだったし…好きそうに飲んでましたから、前に。後で頼んでおきますよ」
 平然と言った洸に、月璃は礼を告げる。
 それは確かに、初めて二人に出会ったときだ。彼はその時のことを覚えてくれていた。短い時間だったし、たいしたやり取りも無かったけれど。
 暫しすればホットミルクを持った従業員が現れ。三人はようやく揃って一息入れることにした。


「丘に、行きませんか?」
 そう月璃が切り出したのは、洸と柾葵が夕食を済ませた後のことだった。
「……丘?」
『丘って?』
 揃って言葉とメモで問い返され、月璃はロビーで待っている間小耳に挟んだ話をする。それが本当かどうかは定かではない。もしかしたら、観光客を呼び寄せるだけの、少し大袈裟な話かも分からない。ただ、小高き丘に囲まれたこの街は、別名を『星の降る街』と言われているらしい。
 その由来はその名の通りというべきか、太古此処は多くの流星着地場所となっていたということらしい。今でこそそんなことは起こらないが、その代わりにその街の丘から見る夜空は格別に綺麗だと言う。
『星の降る街!?てことは、この街とか丘には星が降るのか!?』
 そんな月璃の話に柾葵は椅子から立ち上がり、その視線は彼と洸、そしてドアをぐるぐると回っていた。誰がどう見ても柾葵は行きたそうだ。
「星って言っても昔の話、どうせ今にしたら流れ星でしょう? そんなの今まで嫌でも見てますから、今更って感じですけどね」
 一方の洸は、興味なさげに二人を見ては、窓から外を見る。外はすっかり日が沈み。この場でなくても今宵の空は晴れ渡り、美しいかもしれないと、そんな考えが僅かに洸の頭を過ぎった。
「でも、この街の丘から見る夜空は、きっと今まで見てきたものよりも綺麗だと思いますよ?」
 洸が内心考えていた思いをまるで見透かし後押しするよう、共に見に行こうと月璃は呼びかける。
「……何か確証でも?」
 顔だけ月璃の方を見てそう問うものの、答えが返ってきたところで行く気など起きないと洸は思っていた。けれど――。
「!?」
 気づけば右腕を掴まれていた。相手は勿論柾葵だ。『俺は見に行きたい!』と言わんばかりの彼に、洸は思い切りその手を振り払おうとする。実際一度は振り払うことが出来た。しかし柾葵は一度振り払われたくらいで引きやしない。
「っ、お前しつこい…行くなら二人で行って、俺を巻き込――」
 『巻き込むな』そう言い掛けた洸の口を今度は無理矢理掌で塞ぎ、彼を捕まえた柾葵は月璃を見た。その目が『早く行こう』と告げている気がする。それに対し「本当に良いんですか?」とでも言いたそうな月璃に、柾葵は洸の腕は掴んだまま、器用にもメモに短く肯定の言葉を書き記す。
『良いんだ。洸も連れて早く行こう?』
「…ぃ……っ、ふざけ――――っ!?」
 最後まで抵抗を繰り返す洸も、やがてその術を無くし大人しくなった。この街に着いた頃は、少し疲れの色を見せていたはずの柾葵の何処から出てくるのかも分からない力と、目の輝きにも負け……。



    ★☆☆



「良かった……星も月も綺麗ですね」
 洸が窓の外から見た空以上に、この丘から見る夜空は見る者に言葉を与えず、ただ心を動かす情景だった。実際、安堵の息を漏らした月璃とは別に、柾葵は言葉無く、洸に声も無い。無関心なわけではない、ただ眼前に広がる空を呆然と仰ぎ続けていた。
 目の前を流れゆく星たちは止めどなく、どうしてもこの状況に現実味が起きないが、頬を撫ぜる風の感触や、辺りの木々がざわめく音。その一つ一つを考えれば、どうしてもこれが夢とは思えない。ただ、万一これが夢だとしても構わない、そう考え月璃はその星に願いをかける。これだけの流れ星、一つくらいはきっと願いを叶えてくれると信じ。
 瞼を閉じた向こう側、眼前に広がる闇の先にまで星が流れている錯覚に陥る。その間二人に動きはなく。短かったかもしれない。けれど長かったかもしれない…そんな時間の流れの中、月璃は目を開けると同時に二人を見て言った。覚悟は決めた――もう、逃げない為にと、彼は言う。
「――二人とも、少し良いですか?」
 穏やかな声色とは裏腹、その表情はやけに真剣なものだと柾葵は察し。洸も唐突に変わった辺りの空気に、唖然とさせていた表情を普段のものへと戻した。
「話したい事が……そして見てもらいたいものがあるのです」
 二人からの返事はない。けれど、それは無言の肯定と取れるものだった。二人の表情を見ればそれは分かる。
「とりあえず、まずは見てもらったほうが早いかもしれないですね」
 そう言い月璃は二人から一歩後退した。
「………………」
「――――」
 何をするのだろうか?と言う二人を目の前に、月璃は昔の――元の姿へと、意識的に体を変化させる。遠い昔、想い願い手に入れた人間の姿も、今では確かに大切だ。けれど、この旅を続けていくためにも……この、本当の姿を二人の明かすことは大切なことだと思っていた。そう、この旅を止めたいわけでなく……先へ先へと、進み続けるために。
「…………やっぱり、人じゃ――」
 まるであえて、洸はその言葉の先を続けやしないけれど。紡いだ言葉の殆どは、その先に繋がる単語を連想させる。
 柾葵からの言葉はない。けれど、彼が月璃に向け続ける視線は軽蔑や嫌悪、非難の類ではない。
 洸の後に言葉も声もなく、ただ二人を見据える緑の瞳だけが、変わらずそこにはあった。もう、先ほどまで二人が目の前にしていた月璃の姿は無い。風で揺れていた金色の髪の毛は、今ではセピアアグーティの美しい毛並みへと変化を遂げ。今にも鳴きそうな顔で二人をジッと見つめている。その姿はそう、猫そのものだ。
 ただずっと、月璃は考えていた。もしかしたら洸は、自分が普通の人間ではないと薄々気づいているのかもしれないと。人間でなければそれが何なのかは別として。それは初対面のときの洸の言葉に対した自分自身の疑問にある。そして、これから旅を続けていく上で柾葵にも、いつかは気づかれるかもしれない。否、思い返せばついこの間、彼の前で特殊な能力は使った。彼はそれを興味津々で見ていたが、何かしら気づかれていてもおかしくないとも思う。
「これが俺の、本当の姿です」
 様々な思いを巡らせては、やがて人の姿へと戻った月璃に、すぐさま言葉を向けたのは柾葵だった。
『俺は、拒まない。月璃さんが何であろうが。俺には拒む理由もないし、二度助けられてるのは紛れも無い事実だ。
 それに、元がそういう姿だろうが、人間の姿にだって偽りはないんだろ?なら問題もないしな。
 此処まで来といて今更、そんなことで突っぱねやしない。』
「――……柾葵君」
 まるで全てを見透かされているような答えだった。そこには、月璃が欲しかった答えの全てがあったからだ。思わず彼の名を呟いては、淡い笑みを浮かべる。
「ええ、人間の姿ももう長いので。確かに実態は猫ですが……今では人の姿にも偽りはありません」
 どちらの姿も月璃にとっては大切なものであった。猫であった過去、そして人間になってから――大切な思い出が、どちらの姿のときにも沢山ある。
 そう話す月璃の言葉に続き、洸が口を開いた。
「俺も多分、そいつと同じ意見ですよ」
 メモに書かれた柾葵の言葉は分からないが、おおよそを月璃の言葉から推測したのかもしれない。
「あなたの本当の姿がそうだからどう――と、いう問題じゃないんですよ。ただ、俺の中では初めて会ったときから靄がかっていた事なんで、教えてもらえたことは感謝するべきかもしれませんが。猫、なんですよね?」
 ジッと月璃の方を見たまま、洸は問う。勿論月璃は肯定の言葉を口にするが、その言葉声色に、洸は苦笑いを浮かべるよう言った。
「俺に害がなければ俺は別に構いませんよ? その馬鹿はもう、最初からあなたに心許してる面もあったんで、それがこの先変わることも無いでしょうし。だから、最初からそんな思い詰める必要ないんですよ」
 その言葉が、実際どれだけ月璃の心を落ち着かせたかなど、洸はもとより柾葵も知る由は無い。
『俺達は今まで互いに詮索してこなかった。だから月璃さんについても詮索はしないと、思う。
 勿論そうやって話してくれるなら聞くけどな?
 今回、俺個人の感想では良いなって‥羨ましいなって、やっぱりそう思う。ぁ、でも欲を言うなら俺は犬派だ……』
 柾葵から手渡されたメモに、思わず月璃の頬が緩んだ。言うならば、目の前の犬を目の目にして。ならば…洸が猫だろうか。そんなことを考えながら、目の前の二人を交互に見た。
 きっとこうして良かったのだろう。それは自分自身の気持ちの問題も勿論あるけれど。真実を打ち明けても尚、二人は変わらず。旅を続けられることの、ついていけることの喜びを知り。


 昔は何もしなかったからダメだった。ただ、彼女の元から逃げ出し――。
 でも今は違う。真っ直ぐ二人と向き合い。それに対し、恐らく嘘偽り無い答えをサラリと返してくれる二人。
 そんな二人に対し、月璃は小さな笑みを浮かべた。これからも、どうぞよろしくと。




  『二人との微妙な距離が少しでも縮まればいい』


  願いは一つ 叶えられた――――。



    ☆★☆



『にしても、猫になれるから二人部屋だったのか?』
「ええ、まぁ……でも今回は、二人にこの話をきちんとできるようにと言う意味でも、そうしたのですけどね」
 ゆっくりと、流れる星を仰ぎながら帰る三人の足取りは、軽やかながらものんびりとしていた。
「おまけに食べないんじゃ…宿代全般掛からなくて良いですね」
 三人横一直線に並び、その足は宿を目指している。ただその目の前に、一人の人物が現れるまでは。


「――――こんにちは。いえ、こんばんは…ですね」
 足を止めたのは洸と柾葵。二人より数歩先に進み月璃も足を止め。二人を振り返ると同時、もう一度声のした方向を見た。
 闇に浮かぶ白。それが服の色の一部だと気づいたのは、その人物が三人の方へと近づいてきてからのこと。もう少し良く見れば、服は黒と白に統一されている。表情は大人びているものの、小柄な事と見た目が中世的な面もあり、見た目よりも幼く見えた。しゃらんと揺れるは時計の鎖。
 何がそうさせたのか分からない。ただ、それまで比較的穏やかだった洸の表情が無表情へと変わり、柾葵の表情が明らかに曇った。
 口を開いた洸から発される声は冷たく、刺々しい。
「あれからずっとコソコソとしていたと思えば……今更何しに姿を現してんです?」
「……あの方は?」
 一体どうしたのかと、思わず月璃が柾葵へと近づき問うと、答えの書かれたメモがすぐ返ってきた。
『俺達が月璃さんに助けられるもっと前‥初めて俺達を助けた奴だ。ただ‥得体が知れないから俺も好きじゃない。』
 拒絶の言葉はあまりにも素直に書かれている。
 思わず息を呑む。柾葵も、と言うことは勿論洸も好きでない。けれど今、洸はその人物と無言のまま向かいあっていた。ただその異様な雰囲気を、相手の一言があっさりと打ち砕く。
「何しにって、酷いですね。お二人にとって良い知らせですよ?」
「二人って……俺と、柾葵に?」
 洸の表情に疑問の色が浮かび上がる。
「まずは洸くん。君が捜していてる人からの伝言です」
 瞬間、洸の顔色が変わった。それは誰が見ても、決して良くない変化だ。
「『十八回目の冬は無い。次の冬が終わった時、俺とお前は会うことも無く、その一生も終わるだろう』――と、承っています」
 月璃にその言葉の意味など分からず、勿論隣の柾葵も不思議そうな顔でそのやり取りを見ていた。ただ『捜している』その一言が、洸の目的を表している気がした。
「それを……あの人が? な、んだよ……それはっ!?」
 そしてそれは、今まで見たことも無い取り乱し方だった。声を荒げ、左耳を抑えて蹲る洸に、思わず月璃が一歩近づく。
「洸く――っ…」
 しかし、触れようとした手は洸に触れることはない。触れようとした瞬間、静電気のような物がパチッと、まるでそれを邪魔したせいだ。思わず自分自身の手を見返していると、相手は洸の言葉は無視したまま今度は柾葵へと語りかける。
「次に柾葵くん。あなたが追いかけている人物からの――手紙です」
「!?」
 そう差し出された封筒を奪い取り、柾葵は中身を見た。入っていたのは一枚の紙。今月璃が居る場所からその内容は見えないが、長い手紙と言う風には見受けられなかった。それを見た柾葵が、あまりにも早くそれを丸めたせいもあるのかもしれない。紙から顔を上げたその目は、すぐさま相手を強く見た。
「二人ともどうして、って顔ですね。ただボクは、洸くんの捜し人には協力していて、柾葵くんの追い人には雇われています。不思議な偶然ですよね、ホント」
「そんなわけないだろ!? っ……良いから連れてけ、あの人の所へ!!」
 未だ蹲ったまま、けれど顔を上げ相手を見据えると、洸は声を荒げ言った。それを相手はやんわりと拒否する。
「自力で行く約束…でしょう? 勿論柾葵くんも」
「――――っ!!」
 唐突にその視線を洸から柾葵へと向け、当の本人はビクリと肩を上下させた。同時、拳を強く握り締める。考えを見透かされていた、それだけが悔しくてしょうがない――そう思い。
「二人が、それぞれの目的に辿り着く時。その時ボクは勿論……あなたも一緒、なのかもしれませんね」
 その視線が最後に向けられたのは月璃だ。一瞬向けられた笑み。けれどそれはすぐ消え失せ。ゆっくりと三人に対し背を向けた。
「いずれ…又会いましょう」
 ただ一言そう残し。チェーンの音と共に、忽然とその姿を晦ました。まるで闇に溶けるよう――その身を溶かす様。
 後に残ったのは――ただ、たった一瞬ともいえるこの時間の間に起きたことをそれぞれ頭の中で整理する、三人の姿。
 星は頭上を流れ続け、月はただ優しく地上を照らしていた。



    ☆☆★



 全てが必然だったとでも言うのだろうか。
 結局その夜、三人が同じ部屋で眠ることはなかった。確かに同じ部屋に帰ってきたはずなのに……気づけばそれぞれは離れ、ただ同じ月を違う場所から眺めていた。
「良かった……洸君、柾葵君」
 朝は宿の入り口でそれぞれ合流。それは最早言わずとも、と言うようなものだった。洸と柾葵はそれぞれのサイクルがあり、月璃は占いでそれを垣間見た。実際こうして会えるまでは、多少の不安もあったが、会えてよかったと今は思う。
「――それじゃ、行きますよ」
 そうして、洸のたった一言で旅は続く。
 まるで昨日のことなどなかったように、あるいはあの丘で起きた出来事全てが夢だったかのように。
 唯一つ。昨日のことが確かな物だったのではないのかと思う三人の距離。けれど何かが縮まる一方で、何かがゆっくりと離れていく…そんな気もした。

 ただ、確実に近づいている。
 それぞれが目指し、追い求めるものへと。叶えようとしていたことへと。
 それはまだ、月璃にも見えないヴィジョン。
 まだその果ては見えぬほど遠く、けれど多分、近い未来の話――――。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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→PC
 [4748/劉・月璃/男性/351歳/占い師]

→NPC
 [  洸・男性・16歳・放浪者 ]
 [ 柾葵・男性・21歳・大学生 ]

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、お久しぶりのご参加有難うございます。亀ライターの李月です。
 二人を誘ってのお話で!その事実に柾葵は前回と似たような反応、洸は謎が解けたことが良かったと、共に拒絶はしていません。元々洸は味覚関連(笑)の性格を抜けば嫌いじゃないというのもありますし、柾葵はもうはじめからあんな調子なので今更猫でも――「だから?」と、思っているようです。
 そういえばはやり猫の姿のままでも人の言葉喋れるのでしょうかね…。
 一方で、二人も願いに一歩近づいたようで、何かしらの情報を得ています。その現場を見事目の当たりにしていますので、今回得た情報を今後生かすも殺すも月璃さん次第です。
 物語は複雑な方向へと向かい始めていますが、マイナス方向ではなく、今は確実にプラス方向へと向かっていますので、この先も二人と共に旅を進めてもらえれば嬉しい限りですっ。
 と、最後になりましたが何か問題ありましたらご連絡くださいませ。

 それでは又のご縁がありましたら…‥
 李月蒼