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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


住宅街の魔

 取材の帰り、麗香は駅へ向かうために暗い住宅街を歩いていた。遠い間隔にしか街灯がない。彼女からしてみれば久しぶりの取材であった。いつもは三下や他の編集部員などに任せているため、彼女が編集部の外へ出ることはそう多くない。
 東京都下、多摩地区の丘陵地帯に位置するベッドタウンである。
 この街では数ヶ月前から女性が狙われる通り魔が多発していた。それも、ただ狙われるのではない。通り魔に襲われた女性は、そのまま忽然と姿を消してしまうのだ。襲われる女性にも共通するものはない。
 そして、小学生からもたらされた唯一の目撃情報が、ピエロを見たというものだった。麗香は直感的に怪異的なものを感じ取り、取材に出たのだが、今日は空振りだった。
「お嬢サン」
 その時、背後から声がかけられた。足を止め、麗香は背後を振り返った。そして思わず息を呑んだ。そこにはピエロが立っていた。サーカスで見るような道化師の格好をしている。顔にも派手なペインティングが施され、男なのか女なのかすらわからない。
「こんなトコロを、ヒトリでアるいたラ、危なイよ」
 奇妙な声音で話し、ピエロはなにが面白いのか1人でケタケタと笑った。
 直感的に危険を感じた麗香は、素早く踵を返して逃げ出した。なんともいえない恐怖心が彼女の胸中に広がっていた。背後からピエロが追ってきているような気配を感じた。しかし、麗香は1度も振り返ることなく、駅まで駆けた。
 気がつくと改札口の前で息を切らしている自分に驚いた。どこをどう走り、どのようにしてピエロから逃げたのかも覚えていなかった。
 ただ、心臓が早鐘のように打っているのだけは理解できた。

 翌日。編集部のデスクで仕事をしていた麗香は、部屋に知った顔が何人かいるのを見て声をかけた。
「誰か。わたしと一緒に取材へ行ってくれないかしら?」
 普段は三下などの編集部員に取材を任せることが多い麗香が、自ら取材に出るというのは珍しいことだ。何人かの編集部員が驚きで目を丸くしている。
「おや? 珍しいですね。麗香さんが自ら取材に行くのですか?」
 部屋の隅に置かれた来客用の応接セットのほうから声がした。麗香が目を向けると、カップを片手に数名とティータイムを楽しんでいるジェームズ・ブラックマンがいた。最近、ジェームズが編集部でお茶を飲んでいる姿がやたらと目に付く。
「ええ。そうよ」
「それならば、私が同行しましょう」
 空になったティーカップをテーブルに置き、ジェームズが立ち上がった。
「それで、どこへ取材に行くのですか?」
 ジェームズの問いに答えようと麗香が口を開きかけた時、編集部のドアが開いて1人の青年が入ってきた。
「こんにちは」
 青年は麗香の姿を見つけて会釈した。
「あら、三葉くんじゃない」
 編集部に入ってきたのは三葉トヨミチであった。
「今日はどうしたの?」
「はい。今日は取材で」
 トヨミチはHAPPY−1という劇団の段表でもある。白王社には演劇雑誌の編集部もあり、その雑誌の取材のために訪れたのだという。
「でも、麗香さん。大きな声を出して、どうかしたんですか?」
「そんなに大きな声だったかしら?」
 少し恥ずかしそうに言う麗香であったが、編集部員の何名かは「いつもそうです」と胸中でこっそりと漏らしたのだった。
「これから取材に行くのよ」
「取材、ですか?」
 麗香は多摩地区のとある街で、女性が行方不明になる事件が頻発していること。そして、その犯人とおぼしきピエロ姿の人物が小学生によって目撃されていること。さらには、問題のピエロを麗香自身も見たことをジェームズとトヨミチに告げた。
 失踪、誘拐、殺人。様々な憶測が流れ、警察も捜査に乗り出しているはずだ。だが、誘拐にしては犯人からの要求はなく、殺人にしても死体が1体も発見されていない。警察は自主的な失踪である可能性が高いと見ている、と書いた新聞もあった。
 それにしても、これまでに行方不明になった女性の数は膨大なものになる。すべてを自発的な失踪で片づけるわけにはいかないだろう。低俗な記事を扱うスポーツ新聞などでは神隠しなどと書かれているが、どことなく怪異的な臭いを感じさせないでもない。
(しかし、そのピエロが犯人だとしたら、なぜ麗香さんは逃げられたのでしょうね?)
 話を聞いたジェームズは疑問に思った。そのピエロが麗香の感じているように人外のものだとすれば、なんの能力も持たない麗香が無事で済むはずがない。
 奇妙な違和感があった。そもそも、この取材に限って麗香が自ら危険に身をさらそうとすること自体がジェームズには引っかかった。
「道化師の役割は、狂言回しと権力者への讒言だよ。女性を誘拐するなんて許せないね」
 話を聞き終えたところでトヨミチが言った。1人の人間としての怒り、そしてピエロを悪者へされた役者としての怒りを感じ取ることができた。
 麗香を先頭にして編集部を後にした3人は、白王社のビルから出ようとしたところで1人の女性とすれ違った。その女性にジェームズが気づいて声をかける。
「おや? 陸玖ではありませんか?」
「ジェームズ。それに麗香も。どうしたんですか、みんなで?」
「ちょうどいいところにきてくれましたね」
 長い黒髪をした女性――陸玖翠へ向かってジェームズがにっこりと微笑みかけた。その笑顔を見た翠の口から思わず嘆息が漏れた。ジェームズがこんな顔をする時は大抵、ロクなことにならないことを知っているからだ。
「ちょっと、私たちに付き合いませんか?」
「どういうこと?」
 ジェームズに怪訝そうな表情を向ける翠へ麗香が説明する。
「なんだ。また、危ないことに首を突っ込もうとしているのですか」
 どこか咎めるような視線を麗香へ向け、翠はやれやれといった様子で首を振った。
「まあ、ジェームズがついているから平気だとは思いますが、心配だからわたしもついて行きましょう」
 そうして翠は麗香の護衛を買って出た。4人は白王社の社用車を駆り、多摩地区の丘陵地帯へと向かった。

「行方不明? いつからだ?」
 薄暗い空間に男の声が響いた。真行寺恭介。とある企業で極秘の研究を行う傍ら、企業にとっての不利益に対処するダーティーな仕事も行っている。
「1週間ほど前からだ」
 恭介の隣に座った男が答えた。黒系のスーツを着た30代前半の男だ。男は恭介が指揮するチームの人間ではなかったが、似たような部署に所属する同僚であった。
 2人の周囲に人はいなかった。ただ、店のマスターがカウンターの内側でグラスを磨いているだけだ。話が聞こえているとは思えない素振りで作業に没頭している。
「生きているかもわからん」
 そう言って男はグラスの中身を呷った。
「なぜ、そう思う?」
「最近、メディアを賑わせている連続失踪事件を知っているか?」
 その事件は新聞やテレビで見たことがあった。多摩地区の住宅街で女性が行方不明になるという事件が頻発しているというやつだ。
 失踪、誘拐、殺人。様々な憶測が流れ、警察も捜査に乗り出しているはずだ。だが、誘拐にしては犯人からの要求はなく、殺人にしても死体が1体も発見されていない。警察は自主的な失踪である可能性が高いと見ている、と書いた新聞もあった。
 それにしても、これまでに行方不明になった女性の数は膨大なものになる。すべてを自発的な失踪で片づけるわけにはいかないだろう。低俗な記事を扱うスポーツ新聞などでは神隠しなどと書かれているが、どことなく怪異的な臭いを感じさせないでもない。
「あいつは、その街に住んでいるんだ」
 行方不明になったのは男の恋人であった。
「もちろん、俺に愛想をつかしたということも考えられる。だが、それにしたって話せば済むことだ。姿を消す必要はないだろう?」
「そうだな」
「生きているかはわからんが、探してやってくれないか?」
「なぜ、俺に頼む? 自分ではやらないのか?」
「そうしたいのは山々だが、明日から北海道へ飛ばなければならないんだ」
 苦々しい表情をしながら男は言った。確かに出張ならば自分でやりたくてもできないだろう。恭介は男の頼みを引き受けることにした。
「いいだろう。だが、結果がどうなろうと、知らないぞ」
「ああ、わかっている」
 我ながらお人好しだ。そんなことを思いながら恭介はスコッチを飲み干した。

 麗香たち4人は昼過ぎに問題の住宅街へと着いた。都心から主要幹線道路で1本。1時間ほどでこられる。社用車を駅前のコインパーキングに止め、そこからは歩いた。
「さて、どうしましょうか?」
 閑静な住宅街を前にしてジェームズが言った。この辺りを中心にして女性の連続失踪事件が発生し、奇妙なピエロが目撃されてもいる。
「まずは聞き込みかな?」
 トヨミチが答える。
「だが、聞き込みにしても、手分けをするのは不安ですね。いつ、そのピエロが現れるかはわからないんですから」
 翠が意義を唱えた。いや、正確には4人が分かれることに反対なのだ。
 4人で纏まっていても効率が悪いことは理解しているが、そのピエロが本当に人外の存在であった場合、どのような能力を持っているかわからないため、少人数では不安が残るのは確かだ。特に麗香を1人にするわけにはいかない。
「しかし、纏まっていても効率は落ちますから、とりあえず2人1組ということでどうでしょう?」
 話し合いの結果、ジェームズとトヨミチ、翠と麗香という組み合わせになった。
「本当は女性と一緒が良かったのですが」
 どこか不満そうにジェームズは呟いたが、翠が麗香の護衛は自分がすると強硬に主張したため、このような組み合わせとならざるを得なかったのだ。
「それじゃあ、お互いになにかわかったら携帯電話に連絡しましょう。3時間後に、この場所に集合ということでどうかしら?」
 麗香の提案には誰も異論がなかった。そうして2組は別れた。

 恭介は警察署にいた。これまでに警察がどのような捜査を行っているのかが気になったのだ。警察署は市を南北に貫く国道の東側に建っている。フリーのルポライターと身分を偽り、公開が可能な範囲だけだが警察から情報を得ることができた。
 しかし、開示されたマスコミ用の情報を見た恭介は、若干の落胆を感じた。なにも捜査が進んでいない。だが、それも仕方のないことなのかもしれないとも思った。なにせ事件性が立証できていないのだ。これでは警察も手の出しようがないといえた。
 死体の1つ、脅迫電話の1本でもあれば、直ちに事件として本格的な捜査に乗り出すことができるだろう。なにも見つからない現状では、単に失踪としてしか扱うことはできない。警察は事件が起きてからしか行動しない、できない組織である。
 だが、それでもここ数ヶ月の失踪者の異常なまでの増加から事件性を立証しようと、何人かの警察官を動かしているようではあった。
(やはり、自分の足で調べるしかないか)
 胸中で独りごちると恭介は警察署を後にした。

「あら?」
 警察署へ入るなり、麗香が声を漏らした。
「どうしました?」
「いえ。今、知り合いに似た人間を見かけたものだから……」
「知り合い?」
「きっと、見間違いだわ」
 そう答えて麗香は廊下を進み、広報課に出向いた。
 オカルト雑誌の編集長とはいえ、マスコミ関係者である麗香は、今回の連続失踪事件に関する警察の公式発表を大体は掴んでいた。それでも、こうして警察署を訪れたのは、なにか捜査に進展はないかと考えてのことである。
 広報課の受付に名刺を渡し、事件に関する開示可能な資料の提出を求める。名刺はアトラス編集部のものではない。かつて麗香が在籍していたことのある、白王社でも社会情勢や政治関係などのオカタイ雑誌を製作している編集部のものだ。
 提出された情報には目新しいものがなかった。捜査はたいして進んでいないようだ。だが、それも仕方のないことなのかもしれないとも思った。なにせ事件性が立証できていないのだ。これでは警察も手の出しようがない。それでもここ数ヶ月の失踪者の異常なまでの増加から事件性を立証しようと、何人かの警察官を動かしているようではあった。
 死体の1つ、脅迫電話の1本でもあれば、直ちに事件として本格的な捜査に乗り出すことができるだろう。なにも見つからない現状では、単に失踪としてしか扱うことはできない。警察は事件が起きてからしか行動しない、できない組織である。
「たいした情報はありませんね」
「そうね。こればかりは仕方がないわ」
 翠の言葉に麗香がうなずいた。
「次はどうしますか?」
「そうね。最後に行方不明になった女性の足取りを追ってみましょう」
(保険のため、七夜を飛ばしておきますか)
 印を結び、翠は式神を放った。

「ちょっと、お兄さんに話を聞かせてほしいんだけど」
 トヨミチが言うと、その小学生たちは明らかに警戒の色を示した。当然である。失踪事件が頻発する街では、単なる失踪ではなく誘拐事件かもしれないと考える人間は決して少なくない。その対象が女性から子供にならないとも限らない。親たちは子供に見知らぬ人間には絶対について行かないよう厳命しているのだろう。
 だが、トヨミチはカバンの中から猫のハンドパペットを取り出すと、それを右手にはめて器用に動かした。一瞬にして、ただの人形に命が吹き込まれる。
「お願いだよ。僕の話を聞いてくれないかな?」
 腹話術を用いてパペットを動かすと、それはまるで本当に猫が喋っているかのように感じられた。子供騙しと思いながらも、小学生たちはそのあまりの巧みさに思わず引き寄せられた。まずトヨミチは子供たちの警戒心を解かせることに専念した。
「僕の名前はケット・シー。君の名前は?」
 子供たちはそれぞれに名前を言った。
「ねえ、ここらへんでピエロを見た子がいるって聞いたんだけど、知ってる?」
 パペットを動かしながら訊ねると、子供たちは顔を見合わせた。
「みんな、知ってるよ」
 女の子が答えた。
「みんな?」
「うん。みんな、そのピエロ知ってるよ」
「じゃあ、みんなも知ってるの?」
 トヨミチの言葉に子供たちがうなずいた。
「知ってるよ。ピエロは悪い人を連れてっちゃうんだ」
「だから、イイ子にしてないとダメなんだよ」
 子供たちの話は要領を得ないものばかりだった。だが、彼らの間ではピエロは有名な存在であるようだ。今回の失踪事件が起きる少し前から、誰が噂を流したのか、この辺りではピエロに関する噂話が実しやかに流れたいたそうだ。
 子供たちの話で、ジェームズとトヨミチに理解できたのは、ピエロは悪い人間をどこかへ連れて行ってしまうということ。そして連れ去られた人間は2度と帰ってこないということだけだった。それ以外は子供たちの憶測や空想でしかなかった。
 気をつけて帰るように言い、2人は子供たちと別れた。
「それにしても、上手いものですね」
 右手からパペットを外そうとしているトヨミチを見てジェームズが言った。
「小学校とかに行くこともあるからね。最近は、これをやるとウケがいいんだ」
「なるほど」
 トヨミチの劇団はそう大きくない。だからこそ、小学校などに招かれて演じることもあった。これは子供たちの気を惹きつけるために覚えたものだ。
「まるで、秋田のなまはげか、ハーメルンの笛吹き男のような話でしたね」
「そうだね」
 子供たちの話から連想されたのはその2つであった。
 有名なのはハーメルンの笛吹き男だろうか。この話は史実を元に、グリム兄弟を始めとする複数の作家によって書かれた民話だ。
 1284年、ネズミの被害で困っていたハーメルンの街に1人の男がやってきた。男は鼠捕りを申し出、街の人々は男にネズミ退治の報酬を約束した。男は笛を取り出し、その音でネズミの群れを惹きつけて川までおびき寄せ、ネズミを溺れさせた。だが、ネズミ退治が成功したにも関わらず、街の人々は約束を破り、男に報酬を支払わなかった。
 男は怒りを抱いたまま街を去ったが、数週間後に再び戻ってくると、笛を吹き鳴らして街の子供たちを街から連れ去った。日本では約束を破ると酷い目に遭いますよ、という教訓とともに語り継がれている童話だ。
 また、秋田県男鹿半島に伝わる風習なまはげの元となった話にも、女性がさらわれるという内容がある。漢の武帝は不老不死の薬草を求めて男鹿に渡ってきた。武帝は5匹の鬼を従え、酷使していた。そこで武帝は鬼どもに1年のうち1日だけ自由な振る舞いを許したので、鬼は村里に下りて悪態の限りを尽くし、娘をさらったりもした。
 困り果てた村人は一計を案じ、鬼どもに賭けを申し入れ、鬼が勝ったならば毎年、娘を差し出すと約束した。賭けは1晩のうちに1000の石段を積むことであった。怪力自慢の鬼どもは夜明け前に石段を積み終わりそうになる。慌てた村人たちは夜明けを告げる鶏の声を真似て、999段目にて鬼どもを騙して決着をつけた。
 鬼どもは賭けに負けた悔しさに近くにあった千年杉を引き抜き、逆さまに地面へ突き刺して山へ戻ったという。その後、騙した鬼どもの祟りを恐れた村人は、年に1度、若者たちが鬼に扮して村を訪れ、それを充分にもてなして山へ帰ってもらうということを始めるようになった。それが男鹿に伝わる「なまはげ」風習であるとされている。

 翠と麗香は住宅街を基点に現時点でわかっている最後の行方不明者の足取りを調べていた。その行方不明者は1週間ほど前に忽然と姿を消している。前回、麗香がこの街に来て調べた範囲では、駅からバスに乗り、自宅近くで降りたところまでは目撃されていた。
 バス停から自宅までのわずか5分間で女性は消えた。そこで2人は付近の住人に女性が消えた当日、なにか不審なものを見なかったかを聞いて回った。その不審なものとは例のピエロばかりではない。車や人間なども含めるすべてだ。今回の事件がピエロによる犯行の可能性は非常に高いと麗香は考えていたが、そればかりに固執するわけにはいかない。怪異的な犯行に見えるだけで、実際には人間の仕業である公算も否めないからだ。
「ん?」
 それに気がついたのは翠であった。不意に足を止めて背後を振り返った。麗香が怪訝そうな表情をして翠を見る。
「どうかした?」
「いや、誰かに尾行されているような気がしたのですけど」
 尾行している人間は素人ではないと翠は思った。上手く気配を殺している。彼女が尾行に気づいたのは僥倖でしかない。翠は情報収集に当たらせていた式神を呼び戻し、上空から自分たちの周辺を監視しているように命令した。
 2人は再び歩き出した。すると、2人から少し離れた後方で人間が動くのを翠は式神の目を通して見た。黒服の男が1人で後をついてきている。彼女らを尾行しているようにも見えるし、単に訪問販売を行っているセールスマンのようにも見える。
「麗香、つけられています」
「え?」
 翠の言葉に麗香が少し驚いたように背後を振り返ろうとした。
「振り返らないで。相手に気づかれます」
 自分たちを尾行している相手の正体を知るべきだろう、と翠は考えた。もしかしたら、今回の失踪事件に関係している人物かもしれない。女性2人が歩いているのを見て、格好の獲物だと判断した可能性も考えられた。
「麗香。ちょっと、お願いがあるのですが」
 並んで歩きながら翠は麗香にしか聞こえない声で、いくつかの提案をした。たいした危険はないと翠は判断していた。
「わかったわ」
 翠の提案を麗香は承諾した。次の十字路で2人は左右に分かれた。式神には麗香を上空から監視させる。男は十字路で立ち止まり、左右を見た。そして麗香のほうへ足を向けた。男の足が速まる。徐々に麗香との距離が詰って行くのを翠は式神の目線から見ていた。
 次の瞬間、翠の体が消え去った。全身を包む一瞬の違和感。だが、気がついた時には翠は男の背後に立っていた。空間転移。翠の持つ特殊能力の1つだ。
「動かないでください」
 突然、背後からかけられた声に男の動きが止まった。自分が尾行されている気配など感じなかった。それゆえに、ありえないと思っていた。
「下手な真似をすれば、容赦はしません」
 言いながら翠は符を男の首筋に当てた。紙であるはずの符は、まるで鋼鉄の刃のような鋭さを持っていた。
「あなたは何者ですか?」
「ただのサラリーマンだ」
「そのサラリーマンが、なぜ、わたしたちを付け回すのです?」
「それは……」
 男が答えようとした時、声を聞きつけた麗香が戻ってきた。
「あら? 真行寺くんじゃないの」
 男の顔を見て麗香が驚いたように言った。

 それは、またこの辺りが村と呼ばれていた頃の話だ。村には醜女だが、非常に器量の良い女がいた。女は大変な働き者で、村の男たちにも負けない働きをしていた。
 そんな女を嫁にもらいたいという男は村に何人かいた。その中には女が恋焦がれていた男もおり、幸いなことに2人は結ばれた。しかし、幸せな時間は長く続かなかった。
 ある日、村に1人の女がやってきた。女は大層な美人で、村の男たちはたちまち女に魅了された。美女はかなり長い期間、村の外れにある小屋に居座った。やがて、美女がいなくなると同時に、村の男も何人かいなくなった。そこには醜女の夫も含まれていた。
 愛していた夫に裏切られたと女は感じた。そして、その心は憎しみで埋まり、いつしか暗い感情に取りつかれた女は鬼となった。鬼となった女は、自分より美しい女性を殺して回るようになった。村人は鬼と化した女を恐れ、化物と呼んだ。
 だが、そんな鬼も退治される日がやってきた。村を通りかかった修験者が、村の惨状を見るに見かねて鬼の退治を申し出たのだ。しかし、鬼の憎しみはあまりにも強く、退治を断念した修験者は、鬼をどうにか山奥に封じ込め、そこから這い出してこないように鎮魂の祠を建てた。それ以降、鬼が村へ現れることはなくなった。

「なるほど」
 本を読んだジェームズは誰ともなく呟いた。その本は、この付近に伝わる民話を集めたものであった。著名な民俗学者が書いたもので、鬼女の話は江戸末期から明治初期頃に起きた事件が元になっていると注意書きがされていた。
 子供たちへの聞き込みではたいした情報が得られないと判断したジェームズとトヨミチは、図書館で過去の新聞や書籍などを漁っていた。麗香の携帯電話へ連絡をした際、彼女たちが最後の行方不明者の足取りを調べると言っていたため、別の視点から今回の事件を調べたほうが良いだろうと考えたのだ。
「なにか、ありました?」
 本を抱えて席へ戻ってきたトヨミチが訊ねた。ジェームズは鬼女のページを開いたままトヨミチに見せた。
「これって……」
 ざっと内容を読んだトヨミチは眉をひそめた。今回の失踪事件に共通するものがあると彼も感じたのだ。当然、違う箇所のほうが多い。今回の事件では鬼女ではなく、ピエロが目撃されている。過去の化物が現れているのなら、ピエロの格好をしているのは不自然だ。
「この話を参考にした、ということは充分に考えられますね」
 そう言ってジェームズは嘆息した。
「でも、誰が?」
 トヨミチの疑問はもっともであった。つまり、民話を参考にしたのはピエロということになるのだろうが、そのピエロの正体がわからない。人間なのか、化物なのかすら。
「これは、いよいよもって、囮捜査しかありませんかね?」
 ピエロに会うことができれば、ジェームズはそれが人間なのか、人外の存在なのかを感知することができる。
 誰かを危険にさらすことは不本意だが仕方あるまい、とジェームズは思った。

「つまり、わたしたちを囮にしたというわけね?」
 住宅街を歩きながら、どこか咎めるような口調で麗香が言った。
「申し訳ありません」
 恭介は素直に謝った。警察署を後にした恭介は、麗香らと同じように行方不明者が失踪する直前の足取りを調べようとした。女性たちが消え去った住宅街を中心に聞き込みなどを行っていたところ、偶然にも麗香と翠を見つけ、尾行したというわけだ。
 最初は声をかけるつもりであったが、このまま放っておけば、麗香たちが被害者になるかもしれないと考え、囮に利用しようとしたのは確かだった。だが、なにかが起きる前に翠が恭介の尾行に気づいてしまった。
「やはり、警察署で見かけたのは、あなただったのね」
 納得したように麗香がうなずいた。
「碇さんも、今回の事件を調べているんですか?」
「ええ、そうよ」
「ということは、今回の事件にはなにか怪異的なものが関わっていると?」
 麗香が取材に乗り出すということは、つまりオカルト絡みなのだろうと恭介は思った。
「そうね。その可能性は否定できないと思うわ。女性の悲鳴が聞こえるという点から、今回の事件は通り魔の犯行とも言われているけれど、実際には目撃者もいない」
 唯一の目撃者が小学生。しかも、その証言内容がピエロでは警察も動きづらいというのが本音だろう。
「でも、わたしが取材を始めたのは、別の理由があるからよ」
「と、いうと?」
「大学時代の友人が1人、行方不明になっているのよ」
 その言葉には翠も恭介も驚きを禁じえなかった。今まで、麗香はそんな素振りを見せなかったからだ。まるで通常の取材のように進め、自分の知人が事件に関係しているかもしれないなどということは、おくびにも出さなかった。
「麗香」
 翠が気遣うように声をかける。だが、麗香は笑みを返しただけだった。
「生きていると、願うしかないわね」
 麗香の呟きが聞こえた瞬間、3人の視界に見慣れた男たちの姿が入ってきた。

「おやおや。あなたが、こんなところにいるとはね。仕事ですか?」
「そんなところだ」
 恭介の姿を認めたジェームズが大げさに驚いた様子を見せながら言うと、恭介は愛想なく答えた。その反応にジェームズはやれやれと肩をすくめて見せる。
「相変わらずですね」
 公園にジェームズの呟きが漏れた。たいして広い公園ではない。ブランコにジャングルジム、そして申し訳程度の砂場があるだけで、十数人も入れば一杯になってしまうような公園だ。それに今は子供たちの姿が1人も見えない。
 時刻は午後4時になっていない。普段ならば遊ぶ子供たちの姿を見ることができるだろう。それがないということは、やはり失踪事件の影響なのかもしれない。そんな無人の公園に5人の男女がいた。麗香、ジェームズ、トヨミチ、翠、恭介だ。彼らはそれぞれに集めた情報を交換し、今後のことを話し合っていた。
「警察は動いていないわ。通り魔の犯行と言われているけど、それは状況的なものであって、証拠はなにもないから警察が動かないのは仕方がないのかもしれないわね」
 麗香が言った。
「行方不明者の足取りに関しては、本当に忽然と消え去っています。駅から自宅まで歩いている途中、あるいはバス停から歩いている途中に、まるで神隠しにでも遭ったかのように存在そのものが消失してしまっていますね」
 まるで理解できない、とでも言いたげに翠がため息混じりに告げた。翠らは何人かの行方不明者の足取りを調べたのだが、たいした情報は得られずに終わった。彼女たちにわかったことは、まるで煙のように人間が消えてしまったということだけだ。
「例のピエロに関してだけど……」
 トヨミチが口を開いた。
「なぜか小学生たちの間では有名なようだね。悪い人を連れ去ってしまう、って小学生たちは言ってたよ」
 これに関してもトヨミチとジェームズは複数の小学生グループに話を聞いていた。とはいえ、主に小学生への聞き込みを行ったのはトヨミチであったが。
「まるでハーメルンの笛吹き男みたいだな、って思ったから、ちょっと気になって近くの図書館に行って調べてみたんだ。そうしたら――」
「この辺りにある面白い民話を発見しました」
 トヨミチの言葉を引き継ぐようにジェームズが言い、図書館から借りてきた本を麗香へ手渡した。しおりが挟まれたページを開き、その内容を読むと麗香は眉をひそめた。
「これって……」
「今回の事件とは関係ないかもしれませんが、それでも気になりますよね?」
 どこか面白そうな口調でジェームズが言った。麗香から本を受け取り、翠と恭介も内容に目を通した。
「昔、この辺りであった鬼女の話。女性ばかりを狙う今回の事件。不思議と共通することがあるんですよね」
 確かに鬼女の話が事実なのだとしたら、封印を解かれた鬼女が再び世に現れ、女性たちをさらっているとも考えられる。しかし、そうだとしたら、なぜピエロが目撃されているのだろうか。それとも今回の事件とピエロは関係ないのか。
 仮に今回の事件にピエロが関わっているとしたら、それは鬼女の民話と関係があるとは考えにくい。こうした人外の存在が別の存在に変質することはないからだ。化物、幽霊、そうした人外の存在は強い念に囚われており、その姿が彼らの念そのものであるからだ。
「さて、どうしましょうか? 今日は、もう打ち切りにしますか?」
 ジェームズの問いに麗香は沈黙した。
「あと、やれることといったら、囮捜査ぐらいしかありませんが?」
「ジェームズ!?」
 ジェームズの言葉に翠が驚いたような、咎めるような視線を向ける。だが、5人に残された手段がそれしかないのも事実であった。当然、時間をかければ手がかりを得ることはできるだろう。この事件を今日中にどうにかしなくてはならないというわけではない。しかし、日を置けば新たな失踪者が出る可能性は否めない。
 情報が少なすぎた。犯人がピエロなのか鬼女なのか、それとも人間なのか。あるいは単に自発的な失踪なのか。いくつもの可能性が思い浮かぶが、すべて推測の域を出ていない。
「そうね。やりましょう」
 決意を秘めた麗香の声が公園に響いた。

 薄暗くなった住宅街を1人の女性が歩いている。麗香だ。一見、周囲には誰もいないように見える。だが、麗香からは絶対に見えない位置に4人がいることは明らかだった。どこから犯人が現れ、麗香に接触してきても良いように4人は周囲への警戒を怠らない。
 囮は麗香自身が買って出た。翠とトヨミチは危険だと反対したが、麗香は「昨日、自分の前にピエロが現れたのだから、また現れる可能性がある」と言って譲らなかった。
 囮捜査を開始してから、すでに1時間が過ぎていた。今のところ、なにも起きる気配はない。閑静な住宅街を麗香が歩き、その周囲を4人の男女が取り囲むように移動しているのだから、近くの住民は彼らを不審に感じたことだろう。
「お嬢サン」
 その時、麗香は背後から声がかけられた。足を止めて背後を振り返ると、そこには昨日と同じ姿をしたピエロが立っていた。
「コんなトこロを、ヒトリでアるいてたラ、アブないヨ」
 非常に聞き取りづらい奇妙な声音で話し、ピエロはなにが面白いのかやはり1人でケタケタと笑った。その声を聞いた麗香は異常な笑いだと改めて思った。
「ソれトモ、危ナクなりタいノカな?」
 ケタケタと笑いながらピエロは言う。
「ようやく現れましたね!」
 空間を飛び越え、翠が麗香の前に現れた。ピエロから麗香を守るように立ち、両手に符を持って構える。
「これまでの女性をどうしたんですか!?」
 翠は強い口調で問うが、ピエロは笑うだけで答えようとはしない。
「無駄だろう。まともに話ができる相手とは思えない」
 恭介が言った。すでにピエロを包囲するような形で4人が立っている。しかし、ピエロは驚いた様子すら見せず、薄ら笑いを浮かべながら4人を見回す。
「なに? ナニ? ドうしタノ?」
「これは、人ではありませんね」
 ピエロを眺めていたジェームズが言った。それにトヨミチがうなずく。
「そうだね。でも、なんだろ。この異様な感じ」
 トヨミチには死者や人外の存在の想いを感じ取ることができる。それは彼の持つ共感能力に由来するものだが、目の前にいるピエロからはなにも感じない。
 まるで空っぽのオートマタだ、とトヨミチは思った。怒りも、憎しみも、恨みも、喜びも、悲しみも、なにも目の前のピエロからは感じない。ただ、そこには衝動のようなものがあるだけだ。女性を殺せ、という本能に刻み込まれたような衝動だけを感じる。
「犯人はこいつで間違いないと思うんだけど……」
 殺人衝動を見る限り、今まで女性たちを拉致してきたのは、このピエロに間違いないとトヨミチは判断していた。しかし、その動機は不明だ。
「どうする? 生かしたまま捕らえるか?」
「それが可能なら、そのほうがいいでしょう。これまでに行方不明になった女性たちをどうしたのか、訊かなくてはなりませんから」
 恭介の言葉にジェームズが答えた。
「ナニ? なに? みんナ遊ンデくレるの?」
 ケタケタとピエロが笑った。
「木剋土! 木気をもって土気を剋す!」
 まず仕掛けたのは翠であった。符が宙を舞い、ピエロに襲いかかる。だが、ピエロは尋常ならざる速度で符をかわすと、どこからか取り出した鞭で符を叩き落とした。
「ムダ。むだ」
 嘲るようにピエロが言った。
 鈍い音が響いた。消音器を装着した拳銃を恭介が発砲したのだ。2発の銃弾はピエロの両膝を正確に撃ち抜いた。
 膝が砕け、普通の人間ならば立っていられないだろう。しかし、ピエロは何事もなかったかのように立ち、攻撃を繰り出してきた。
 鞭が恭介の両足を払った。まるで強烈な蹴りを喰らったかのような衝撃に、恭介は耐えることができず地面に転がった。
「けっケっケッけ」
 倒れた恭介に鞭が襲いかかる。
「危ない!」
 翠の口から悲鳴が上がった。
 だが次の瞬間、ピエロはジェームズの横蹴りを受けて吹き飛んだ。
「油断は禁物ですよ」
 ジェームズが恭介に告げた。
「わかっている」
 恭介は素早く立ち上がり、拳銃の弾倉を交換した。
「俺が動きを止める!」
 トヨミチが叫ぶように言った。直後、ピエロの動きが不意に止まった。共感能力でピエロの心に自分のイメージを送り込んだのだ。しかし、ピエロのうちにあるものを心と、精神と呼んでよいのかはわからなかった。あまりにも虚ろすぎる。
「ダメだ! 長くはもたないよッ」
 悲鳴にも似た声がトヨミチから漏れる。
 鈍い銃声が響いた。4発の銃弾がピエロの四肢に突き刺さり、着弾と同時に両手両足が吹き飛んだ。いわゆるエクスプローダーと呼ばれる炸裂弾だ。弾頭内部に設けられた空洞に炸裂火薬が詰め込まれており、弾頭前面にある発火薬が衝突の衝撃で作動するようになっている。装薬を増せば人間そのものを吹き飛ばすことも可能だ。
「やった!」
 トヨミチから歓喜の声が上がった。
「まだ安心するのは早いですよ」
 麗香を背後にかばいながら翠がトヨミチへ言った。
 その瞬間、ピエロが立ち上がった。いつの間にか吹き飛んだ四肢も元通りになっていた。
「不死身か!?」
 恭介が思わず驚きを漏らした。
「まダだよ。マだダヨ」
 ケタケタとピエロが麗香へ近づこうとする。
「木剋土!」
 翠の手から飛んだ符がピエロの胴体に張りついた。直後、音もなく爆発してピエロの胴体が吹き飛んだ。血も臓腑も飛び散らず、ただピエロの断片だけが周囲に散乱した。
「さようなら」
 ジェームズがピエロの頭部を踏み潰した。今にも復活しそうだったピエロの頭は、瞬時に闇へと消えた。それに呼応するかのように、周囲へ散乱していたピエロの肉片も闇に溶け、跡形もなく消え去った。
 静寂が舞い降りた。直前までの戦闘が嘘であるかのように、辺りはいつもの閑静な住宅街へと戻っていた。
「残念。殺してしまいましたか」
 言うほど残念そうな様子ではなくジェームズは肩をすくめた。
「仕方ないよ。こうでもしなきゃ、俺たちがやられてた」
 額に浮き出た汗を拭い、トヨミチが言った。
「しかし、行方不明の女性たちは、本当にこいつがさらったのか?」
「それは間違いないと思う。こいつの心を覗いたとき、女性に対する殺人衝動みたいなものを感じたからね」
 恭介の疑問にトヨミチが答えた。
「けれど、なにも証拠はないわね」
 それまで沈黙を保っていた麗香が不意に言葉を発した。
「残念だけど、行方不明の女性たちが無事かどうかもわからないままね」
 そこで麗香は息を漏らした。
「帰りましょう」
 その言葉に反対する者はいなかった。この場にいてもなにもすることがないことを全員が理解していた。

 その後、通り魔事件の話は聞かなくなった。
 後日、麗香たちはいくつか気になることがあって街を訪れたが、子供たちの間で交わされていたピエロの噂も、まるで最初からなかったかのようになくなってしまった。
 そして、行方不明の女性たちは誰も帰ってきていない。どこかで生きているのか、それとも死んでしまったのかすら判明しなかった。ただ、5人は街の北側にある鬱蒼とした森の中で、小さな祠を発見した。石造りのそれは破壊され、無残な姿をさらしていた。

 完


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
 2512/真行寺恭介/男性/25歳/会社員
 5128/ジェームズ・ブラックマン/男性/666歳/交渉人&??
 6118/陸玖翠/女性/23歳/(表)ゲームセンター店員(裏)陰陽師
 6205/三葉トヨミチ/男性/27歳/脚本・演出家+たまに役者

 NPC/碇麗香/女性/28歳/白王社・月刊アトラス編集部編集長

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■         ライター通信          ■
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 はじめましての皆様。九流翔と申します。
 そして毎度、ご依頼くださる皆様。今回もご依頼いただきありがとうございます。
 遅くなりまして申し訳ありません。長々となってしまいましたが、このような結果となりました。
 リテイクなどございましたら、遠慮なく申し付けください。
 では、またの機会によろしくお願いいたします。