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<東京怪談・PCゲームノベル>


神隠しの庭



■ 序 ■

 のんびりとした、とある夏の日の午後のこと。
 居間で新聞を読みながらお茶をすすっていた綜月漣の目の前に、金色の瞳を持った紫の髪の少年がいきなり姿を現した。
「漣。あんたの家の庭、いつから『神隠しの庭』とかいう異名が付いたのさ?」
「……なんですかそれは?」
 漣は少しも驚いた様子を見せずに新聞から目を離すと、微かに怪訝そうな顔を見せる。
「さぁ。ユーリが言ってた。で、後輩が調査に行くから適当に相手よろしくとも言ってたよ」
「全く、あの礼儀知らずのお坊ちゃんは……まぁ、言い得て妙ではありますがねぇ」
 神隠しの庭ですか……と一人呟きながら、手にしていた新聞を綺麗に畳んで座卓の上に置くと、漣はのんびりと立ち上がって、縁側へと足を運ぶ。
「基本的に、僕は面倒くさい事は嫌いなんですがねぇ」
「その割には随分楽しそうじゃない」
「それは君もでしょう? 破魔」
 漣が満面の笑みを浮かべて振り返れば、破魔も悪戯をしかけた子供のような顔をしてそれに答える。
「まぁ、お茶を飲む場所が何時も僕の家ばかりだと、少々趣に欠けますからねぇ。いっそ神社にでも……」
「待ちなよ。何でそこで神社が出てくるのさ。僕のところに来るのは嫌だからね。神域を穢されるのは御免だ」
「晩夏と神社。素敵な組み合わせじゃないですか」
「意味わかんないし!」
「あはは」
 後ろでわめき散らしている破魔を笑顔でかわすと、漣は庭先で遊んでいた女の子に声をかけた。
「雪ちゃん」
 雪は「なぁに?」と笑顔を向けて、とてとてと走ってくる。
 白い着物に赤い帯を締めた五歳位の女の子で、手には鈴の付いた鞠を持っている。
 雪が縁側まで来ると、漣は膝を折って視線を落とし、笑顔を見せた。
「もう少ししたら、この家にお客様がみえるそうですから、破魔のいる場所まで案内を頼んでも良いですか?」
 僕達は一足お先に某所へ行っていますので、と告げると、雪は大きな瞳を輝かせながら頷いた。



■ 時間交差 ■

「綜月漣って人を知っていますか!?」
 と、藤宮永が書道教室の生徒の一人、青江珠樹から、藁にもすがるような様子で問われたのは、夏休みも終わりに差し掛かった頃だった。
 日頃滅多に顔を出さない万年サボり魔の生徒ゆえ、永は珠樹の存在自体を忘れかけていたのだが。
「日本画と書は全く関係のないものでもないですし、綜月先生のお名前は存じておりますが」
 と、うっかり答えてしまったのが運の尽きだった。


 午後の一番暑い最中。永は珠樹に無理矢理連れ出され、何故か綜月邸の玄関へと続く小道の前にいた。
 小道の両脇は手入れの施された植込みで囲まれ、奥には竹林が真っ直ぐに伸びている。
 植込みに阻まれて、ここから綜月邸を見る事は出来ないが、日本画を描いている人間がいかにも好みそうな、和風の屋敷がこの先に在るのだろうと容易に想像がついた。

「それにしても、青江さんは友達が居ないのですか?」
「居るに決まってるじゃないですか! あの我侭部長の取材命令なんて、誰も手伝ってくれないんですっ!」
 それなら自分も取材拒否すればええやん! と永は、逆切れしている珠樹に心の中で突っ込みを入れるも、表面上は至って穏やかな笑顔を見せる。
「大変ですね、部活動も」
「ついでに先生文字書くの上手だから、悪霊退散の御札とか、さらさらっと書けちゃいそうだし」
「無理ですから」
 珠樹が永を連れて来た最大の理由は、どうやらそこらしい。
 文字が上手いというだけで悪霊退散ができるのなら、世の中の書家は全員霊媒師にでもなっているだろう。
 尤も、永の場合それなりのことは出来るが、今ここで告げる必要はない。
 珠樹の言葉を軽く受け流すと、永は長い小道へ視線を向けた。
「綜月先生のご自宅の庭が心霊スポットとは。夏は涼しそうで良いですね」
「ぜんっぜん良くありませんっ。幽霊画家なんですよ!? きっと家の中なんて薄暗くてじめ〜っとしてて、本人も青白〜い顔してるに決まってるんだから」
「会った事もない方をそんな風に言うのはよくありません……と言いたいところですが、いつまでもここに居ると、私達の方が変質者か何かに間違われてしまうような気がしませんか?」
 今までの威勢はどこへやら。永に言われた途端、珠樹の顔色がサッと青ざめる。
「えっ、や、でも……」
 珠樹は極度の超常現象嫌いだとここへ来る道すがら聞いた。
 足が竦んでいるのは明らかで、一向に歩き出しそうにない珠樹に、永は軽い苦笑と溜息を零したのだった。


*


 その日、嘉神真輝は、保冷バックに入れた特製水羊羹を片手に、綜月漣の自宅へと向かっていた。
 数ヶ月前、ふとした拍子に夏の王と漣がのんびりお茶を飲んでいる処へ出くわして、一緒に団欒するという夢を見た。
 それは驚くほど鮮明で、普段であればさらりと流してしまうところをそれとなく妹に話してみれば、なんと「綜月漣」という人物は実際に存在しているという。
 さらに一体どこから入手したのか、妹は漣の簡単なプロフィールと現住所まで、しっかりバッチリ教えてくれた。
「『綜月漣』って名前で素性があっさり判明とは……流石記憶力だけは抜群の我が妹。下手な検索サイトより確実」
 感心したように呟きながら、真輝は妹から貰ったメモを取り出すと、綜月邸の住所を確認する。

 プロフィールとは言っても、生年月日等は一切不明。都心から離れた一角に住んでいる画家で、座右の銘が「人生適当」というなんともふざけた内容ではあったが、あののほほんさ加減を思い出せば、すんなり納得が行くと、真輝は思ったりする。
「ま、行ってみる価値はあるかもな。菓子もご馳走になったし♪ 何よりあいつの傍、何か暑さも楽だったし」


 そんな事を考えながら、真輝が通りを曲がった時だった。
 綜月邸へと続く小道の入り口に、なにやら怪しげな二人組が立っている。
 一人は、この暑い最中に和服を来た背の高い眼鏡の男。もう一人は、小道の前を落ち着きなく行ったりきたりしている制服姿の女子高生だ。
「なんだ、あの和服男と挙動不審娘は? あの家に入りたいのか違うのか、どっちだよ?」
 束の間立ち止まって二人を眺めていた真輝だったが、つかつかと歩み寄ると、惑うことなく二人にズバッと声をかけた。
「あんたら傍から見てるとかなり怪しいんだけど、この家に用でもあるのか?」
 小道の向こうを指差しながら、真輝が問う。
 すると、突然声を掛けられた事に驚いたのか、女子高生が慌てて真輝の方を振り返った。
 シャギーの入ったやや長めの茶髪に意志の強そうな瞳……ではあるが、何故か怯えたように真輝を見つめて来る。隣に佇む凛と涼しげな風体の青年は、一度真輝を見た後で茶髪の女子高生へ視線を向けると、
「ほら、やっぱり怪しまれているじゃないですか青江さん。ここは意を決して正面からお邪魔するべきですよ」
 穏やかな笑顔を向けながら、青江と呼んだ子にそんな事を言っている。
「だ、だって、入った途端に神隠しとかにあったら嫌ですもん」
「そんな事を言っていたら、いつまで経っても取材が出来ませんよ?」

 生ぬるい。
 こんなやり取りをしていたのでは、いつまで経っても家へ入る事が出来ない。
 真輝は怖がる青江の右手をむんずと掴むと、
「俺もここに用があるんだが、一緒に行くか?」
「え”!?」
「行くよな?」
「ちょっ」
「ほい行くぞ」
「なっ!! 藤宮せんせーーーっ!!!」
 こういう時は強行突破に限ると言わんばかりに、真輝は珠樹をずるずると引きずるようにして、綜月邸へと続く小道を歩き出す。
「若い子は元気があって良いですね。青江さん、これも一つのご縁だと思って、綜月先生の家に参りましょう」
 これ幸いとばかりに、永は鉄壁スマイルを見せるだけで、決して珠樹を助ようとはしない。
「こんなご縁嫌ですぅうううっ!!」
 二人に半ば強制連行される形で、綜月邸へ踏み込むことになってしまった珠樹の叫び声が、静かな竹林の中に木霊していた。


*


 同日先刻。
 普段であれば、きちんと前置きをしてから人様の家を訪ねるのだが、その日は些か事を急いてしまった。
「やはり予め連絡をしてから来るべきだったかな……漣さんもお忙しい方だから」
 思いがけず漣と知り合うきっかけを作ってくれた仕事の依頼人から、美味しそうな水蜜桃が一通の手紙と共に届いたのだ。
『私は綜月さんのご自宅を存じませんで、もし烏丸先生さえよろしければ、無礼とは思いましたが、綜月さんとご一緒に召し上がって頂きたいと……』
 その文面を読んで、思わず連絡無しで漣を訪ねたのだが、何度呼び鈴を押しても誰も出てきてはくれず、玄関前で烏丸織は溜息をつきながら肩を落とした。

 留守では仕方がないと、一度は踵を返したのだが。ふと耳に届いた小鳥の鳴き声に、織は足を止めた。
 見上げれば、漣の自宅を囲む竹林が風に揺れて涼しげな音を立てており、木々を飛び交う小鳥が清々しい鳴き声を響かせている。
 織は以前ここへ赴いた時にも感じた、穏やかで優しいこの空気がとても好きだった。
「……少し、待ってみようか」
 もしかしたらすぐに帰ってくるかもしれない、とそんな事を思う。
 ふと、傍近くに植えられている樹へと手を伸ばすと、瑞々しく心地のよい幹の感触が伝わってきて、織は穏やかに微笑みながら静かに瞳を閉じた。


 リン。


 不意に、澄んだ鈴の音が周囲に響いた。
 漣が出先から戻ってきたのか、それとも他に来訪者が居るのか。
 穏やかな世界に身を任せていた織は、鈴の音に閉じていた瞳を開くと、周囲を見渡した。

 誰も居ない。
 織の瞳に映るのは、先ほどと変わらぬ凪いだ世界だけだ。
「……気のせいかな」
 思い、織が首をかしげた丁度その時。

 リン。

 再び透き通った音が聞こえて、織は瞬時に音がした方へ視線を走らせる。
 と、漣の自宅の脇を白い着物を着た女の子が通り抜けるのを、目の端に捉えた。

――誰か居るのかな。

 先日訪れた時は、漣の自宅に子供の姿は見えなかったし、漣が子持ちだという話も聞いたことが無い。
 いっそ後を追ってみようか、と微かな好奇心を抱いて織が一歩足を踏み出そうとした時。
「すみません」
 後ろから誰かに呼び止められて思わず織が振返ると、そこには一人の少年が立っていた。


*


 その日を選んで榊遠夜が綜月漣の自宅を訪れたのは、全くの偶然だった。
 先般、遠夜の双子の妹が夢の中で漣と夏の神に会い、穏やかな一時を過ごしたと聞いた。楽しそうに話す妹の笑顔を見て、遠夜は一度礼を述べに行こうかと、神室川に所用があったついでに、近くに在るという漣の自宅を訪ねたのだ。

「ここは不思議な場所だね」
 漣の自宅付近まで来ると、空気が清涼感に包まれているような気がして、思わず遠夜は独り言を零した。
 周囲を見渡せば、坂の多いその場所には、氏神を祀る神社や寺などが、あちらこちらに点在している。
「……綜月漣って、どんな人だと思う?」
 遠夜は、己の足元を歩く使い魔の猫、響を抱き上げながらそんな事を問いかけてみる。
 絵を描く人だという事は、妹から聞いて知っていた。
 絵を具象化して現実にあるもののように見せることが出来る人だと。使役をする訳ではないらしいが、それは符からものを作り出して使役させる自分と少し似ているなと、漠然と遠夜は思った。


 漣の自宅へ続く小道へ入った時。人の気配を前方に感じて、遠夜は一度足を止めた。
 先客かな? と首を傾げて眺めると、抱いていた響が遠夜の腕をすり抜けて、軽やかな足取りで前を進みだす。
 響の後に従うようにして、遠夜が綜月邸の玄関先まで歩みを進めると、案の定そこには先客が佇んでいた。

 後ろに居る遠夜の存在にはまるで気づかず、男は漣の自宅の中庭に繋がる生垣の向こうを眺めている。
 誰か他に居るのだろうか、と遠夜も一度視線をそちらへ向けるが、男が歩き出そうとするのに気が付いて、思わず声を掛けた。
「すみません」
 遠夜が呼び止めると、男は驚いたように瞳を瞬かせて振り返る。
 遠夜は遠夜で、何となく呼び止めたのは良いけれど二の句が出て来ず、二人の間にしばしの沈黙が流れた。
 その気まずさに、遠夜の口をついて出た言葉は、
「綜月漣さんのご自宅は、こちらでいいのでしょうか」
 という、何ともありきたりな台詞。
 けれど男は、遠夜の言葉に穏やかな笑顔を浮かべて答えた。
「はい。ですが今は不在のようでどなたも居ない、と思うのですが……」
「どうかしましたか?」
「先程、女の子がその端からこちらを覗いていたような気がするんです」
「女の子、ですか」
「ええ。まだ幼稚園くらいの、白い着物を着た子なのですが」
 遠夜は男の傍まで近づくと、ついと男が指差した先を見遣る。

 その場所に、既に女の子の姿は無かった。だが。
 気のせいでしょうかと笑う男に、遠夜は首を横に振った。
「いえ、誰か居るんじゃないかな。微弱だけど、誰か……何かが居た気配が残っている」
「……え?」
 遠夜に言われ、二人同時に女の子が居たと思われる場所へ視線を向けた時だった。

「ほれ、もうすぐ着くぞ〜」
「ちょっともう! 離してくださいってば!」
「有難うございます真輝さん。私一人ではずっと立ち尽くしたままでしたから」
 二人の背後から、妙に騒がしい団体が近づいてくるのが解った。
 何事かと、遠夜と隣に佇む男が思わず振返ると、一人の女子高生を引きずるようにして歩いてくる背の低い青年と、その後ろから穏やかな笑顔で歩いてくる和服の男の姿が見えた。

 偶然なのか必然なのか。
 かくして真夏の綜月邸に、五人はこのようにして集ったのだった。



■ 神隠しの庭 ■

「神隠しの庭ぁ?」
「はぁ、部長からはそう聞きましたけど……」
「そりゃまた愉快な名称だな、オイ」
 烏丸織、嘉神真輝、藤宮永、榊遠夜は、青江珠樹から、綜月邸の庭の別名と、ここへ来るに至った詳細を聞いていた。
 それぞれがそれぞれの理由で漣の自宅へ遊びに来ただけに、珠樹から聞いた意外な怪談話は、ある種の新鮮さと興味を伴って四人の耳に届いた。


「神隠しとは、永き時を生きる神が寂しさ故に人を傍らに置く為に起こるとか、霊力のある者が贄にされるのだとか諸説ありますが――実際に何方か神隠しに合われた方がいらっしゃるのでしょうか。勿論、事前調査はなさってますよね、青江さん」
 永の言葉に、今更ながらそれに気づいたといわんばかりに、珠樹が引きつった笑顔を見せる。
「……スミマセン。シテマセン」
「事前調査は大前提ですよ、青江さん」
「ごめんなさい」
 微笑みながら諭されているのに、そのポーカーフェイスゆえに永の思考が全く読めず、怒られていると感じてしまうのは気のせいだろうか。凍りついている珠樹を、まぁまぁと穏やかな笑顔で織が宥める。


 と、今まで静かに四人の話を聞いていた遠夜が、響を抱きながらポツリと呟いた。
「神隠しの庭かぁ……かくれんぼをするには良さそうだけれどね。怖がる必要も無いと思うよ。何か害を成すわけでもないし……意識しなければ空気と変わりない」
 気にしないのが一番だよと告げると、それを肯定するかのように響も可愛い鳴き声をあげた。


「そうですね、私もここに在る木々からは穏やかな気配しか感じません。草木が優しいと、風にも大気にも悪いものはないのだと感じるのですよ」
 穏やかに話すのは織。以前綜月邸へ通された時に見た中庭を思い出し、さらに先ほど己が手に触れた木々の優しさを思えば、「神隠しの庭」という不可思議な名称には、何かもっと他の意味合いがあるのではないかと考え込む。


「つーか、ストレートに本人に聞けばいいじゃん『何故神隠しの庭って呼ばれるのか』ってさ」
 と、真輝があっけらかんとして言えば、怖がる様子を微塵も見せない男性四人を、珠樹は複雑な心境で見渡した。
「……何で皆フツーに平気そうなんですか?」
「まぁ不思議現象なぞ自分で慣れたというか、世の中色々説明つかないもんはあるんだと悟った」
「はい?」
「や、こっちの話」
 真輝の言葉に首を傾げている珠樹の横で、永が何かを思いついたように両手を軽く鳴らす。
「いっそ思い切り神様に呼びかけてみるのはどうでしょう」
「却下ですっ! それでホントに得体の知れないモノが出てきちゃったらどうするんですかっ!」
「本当に神様が現れたら、是非お知り合いになりたいですね。今まで知人に居ないタイプですし、人脈は広いに越したことはありませんから♪」
「…………」
「おっ、それ同感! 知り合いが神とかって自慢出来そうだよなー」
「信じてくれるか否かは別として、ですがね」
 何故か意気投合している永と真輝の言葉を聞いて、この人を連れてきた&出会ってしまった私が間違っていたのかもしれない、と珠樹は思わず遠い目をした。


 そんな珠樹を見て、遠夜が何を思いついたのか、ふと声をかける。
「怖がると逆に面白がってよくないんだ。平常心だよ青江さん……そうだな、おまじないでもしておこうか」
「ふぇ?」
 今にも泣きそうな顔をして見上げてくる珠樹に、遠夜は持参していた何某かを取り出して手渡す。
 見れば複雑な文様が施された符のようだった。
「持っていると良いよ。悪いものが寄って来ないから」
「あ……ありがとう」
 少しほっとしたような表情で、手渡された符を握り締める珠樹を見て、遠夜は小さく微笑んだ。
 傍から見れば正真正銘の符に見えるが、実のところ、それは何の呪力も無いただの紙切れだった。それでも「怖い」と潜在的に思い込んでいる相手を落ち着かせるには、十分な効力を持つ。
 と、その時。


「お客さん、みんな来た?」


 不意に子供の声が聞こえて、全員がそちらへ視線を向けた。
 白い着物を着た女の子が、玄関脇から中庭へと続く場所に佇んで、楽しそうにこちらを見渡している。
「あ、先ほどの……」
「あの子?」
「ええ」
 織と遠夜が言葉を交わす。先程織が見た女の子だ。
 女の子は、全員の視線が自分に注がれた事を知ると、
「こっち、こっち。漣が待ってるよ」
 言いながら中庭の方へと消えて行く。
「まっ、やっぱ現場検証がセオリーだよな♪ つー訳で庭にGO!」
「で、でも勝手に入ったら住居不法侵入……」
「来いと言われたのですから、不法侵入という言葉は適切ではないですよ、青江さん」
 戸惑う珠樹を前に、我先にと庭へ走り出したのは真輝と遠夜だった。その後ろを永が続く。

 織は、未だ足が竦んで動こうとしない珠樹の背を軽くポンポンと叩いて優しく宥める。
「大丈夫ですよ。漣さんはお茶目なだけで怖い事はしないと思います。それに……」
「……それに?」
「ここは、神に隠されると言うよりは神を隠している庭、とも思うんです」
「神を隠している庭……」
 そう思えば、少しは怖さも減りませんか? と微笑む織に、珠樹はそういう考えもあるんだなと感心する。
 織は大丈夫、大丈夫と穏やかに笑いかけると、珠樹の歩調に合わせて3人の後を追ったのだった。


*


 女の子を追って入り込んだ綜月邸の中庭には、夏の残滓を匂わせる草木が茂っていた。まだ暑さは残るが、秋も近い所為か萩の低木が微かに綻び始めている。
 全員が中庭を見渡すが、そこに在るのは不気味というよりはむしろ、柔らかい空気だけだった。
「別に、何もないようですが」
「んー……確かに不思議な感じはするけど、俺も別に嫌な感じはないぞ」
 永と真輝が庭を眺めながら、その場に異変が無いことを確認する。
「いや……」
 その傍で無表情のまま佇んでいた遠夜が、二人の言葉を遮って前方を指差す。
 二人がそれにつられて前方を見れば、先程の女の子がその場に佇んでいた。
「破魔の居るところ、案内するね」
「破魔? 誰だそいつ」
「神様」
「……は?」
 真輝が女の子から目を離さないまま呟いた瞬間。
 女の子は、手に抱いていた赤い手毬を前方に掲げた。

 リン。

 手毬に結び付けられた鈴が澄んだ音を奏でると、綜月邸を囲んでいる竹林がさわりと揺れる。
 いつしか、庭に霊妙な気配が漂い始めた。



 三人より少し遅れて中庭に辿り着いた織が、ふと目の前の光景を己の視界に入れると、思わず立ち止まって珠樹へと声をかけた。
「……青江さん、見ない方が良いかもしれません」
「へ? 何??」
 見るなと言われれば、無意識にでも見てしまうのが人間の悲しい性だ。
 突然立ち止まった相手に、何事かと一度織を見上げ、視線を追うと、目の前で起こっている光景に珠樹は思わず凍りついた。



 女の子が抱いていた鞠から、青白い炎が舞い上がった。
 女の子は一度炎を見上げると、燃え盛る手毬へ己の顔を近づけて軽く息を吹きかける。
――瞬間。
 青白い炎が鞠から弧を描くように二手に分かれて女の子の両脇へ落ちると、大地を燃やし、勢いを増して火柱を作った。
 火柱は螺旋を描くように天に向かって燃え上がり、その姿を二本の巨大な杉の樹へと変貌させてゆく。


 それは束の間の出来事だった。
 手毬から立ち昇っていた炎が消えると、再び元の静寂が周囲を支配し始める。
 全員が我に返って前方へ意識を向けると、ただの庭であったその場所には、二本の杉の樹が忽然と姿を現し、その向こう側には、和風の庭ではなく緑深い森が広がっていた。

「来て」

 女の子は杉の向こうを確認すると、何事も無かったかのようにそう告げて森の中へと消えていった。

「……来いっつってるけど、どーするよ?」
「少し乱暴な招き方だけれど、別に悪い気配はしないよ」
「取材をするのでしたら、ここは綜月先生の元へ行くべきと思いますが?」
 目の前に出来た異界への扉を前に、三人がとりあえず行ってみようかと決断し、真輝が後ろに居た織と珠樹に声をかけるべく振り返った。
「んじゃ行くか、って……あー、倒れてるし」
「え?……ああっ! 青江さんしっかりして下さい!!」
 真輝の言葉に織が何気なく横を見ると、やや斜め後ろでパッタリと倒れこんでいる珠樹の姿が見えた。

「やれやれ、これで本当に取材なんて出来るのでしょうか」
「でもここに放っておくわけにもいかないし、一緒に運んだ方が良いよね」
 永と遠夜は互いに顔を見合わせると、溜息と苦笑を同時に零して、気絶している珠樹を起こしに向かったのだった。



■ 真相 ■

 二本の杉の木を越えた向こうは、深い緑に包まれていた。
 夏であるにも拘らず、その空間を吹き抜けてゆく風はひんやりとしていて、晩秋を思わせる肌寒さだ。
 その場の空気は澄みきっており、不浄なものを一切受け入れない鋭さを含んでいるようにも感じられる。


「何処でしょうね、ここは」
 ひとしきり周囲を見渡した永が、傍らに居た真輝へ問えば、
「さぁ。けど確実に漣の家の庭じゃないよな……つーかどうでも良いけど、涼しい♪」
 そんな言葉が返ってくる。
 ここがどこかと聞かれても判らないが、とにかく涼しいのはラッキーだと、真輝は生き返ったように深呼吸をした。


 そんな二人のやり取りを見ていた遠夜が、前方に何某かの気配を感じて視線を向ける。
「あ……」
「え?」
 遠夜の呟きに、その場に居た全員が顔を上げると、ここへ導いた女の子が、丁度和服を着た男に抱きついたところだった。

 いまだ意識を取り戻さず、くったりとしている珠樹を地へ降ろして支えながら、織がその和服の青年を見れば、相手ものほほん笑顔を湛えてこちらを見返してきた。
「あ、漣さんだ」
 織の言葉に促されるようにして真輝もそちらを見ると、漣の姿を認識して思わずスチャッと片手を挙げた。
「ああ本当だ。おーい!」
 漣は自分の足元に抱きついていた女の子を抱えあげると、挨拶に笑顔で答えながら近づいてくる。
「やぁ、いらっしゃい。これはまた、部長さんの話とは違って大人数ですねぇ」
「えへへ。雪もがんばったよ?」
「有難うございます。雪っちゃん」
 客人をちゃんと案内出来たことを自慢げに話す雪の頭を、漣は軽く撫でて礼を述べる。


「綜月漣さん……ですね。初めまして、藤宮永と申します」
「藤宮……ああ書家の。存じておりますよ。僕の名前をお心に留めて下さっているとは光栄ですねぇ」
「私も綜月先生のご自宅の庭が、このような場所に繋がっているとは思いもよりませんでしたよ」
 穏やかに微笑みあう二人ではあるのだが、お互い不気味なほど腹の底が窺い知れず、何故か胡散臭さが周囲に充満している。
「噂では神隠しの庭と呼ばれているとか」
「まぁ、その話はおいおいご説明いたしますが……『神隠し』、といえば神様の居る場所と思いましてねぇ。つい皆さんをここへお呼び立てしてしまったのですよ」

「という事は、ここに神様が居るんだ」
 無表情ながらも微かに興味を抱いたように遠夜が左右を見渡すと、織も楽しそうに漣へ問いかける。
「どちらにいるのですか?」
「ええ。ですからこちらに」
 雪を抱きかかえ、にこにこと微笑みながら自分の斜め後ろに居た少年を漣が指し示す。
 今まで一言も口を開く事がなかった所為もあり、誰一人として彼に気を留めなかったのだが。示されたそこには不機嫌そうな表情をした、金の瞳に紫の髪を持つ14歳ほどの少年が立っていた。


 一瞬の沈黙が、全員の間に流れた。
「……は? これが?」
「何、その意外そうな顔」
 真輝に「これ」呼ばわりをされて、神だという少年がピクリと青筋を立てた。
 それを見て、永は一度コホンと咳払いをすると、フォローを入れるべく鉄壁スマイルを見せる。
「いえ、神というものは、もっと威厳の漂う神々しい方だと思っておりましたので、このように幼い子供の姿をとっているというのは些か想定外だったのですよ」
 如何せんフォローになっていない。沸点が低い少年は、その言葉にむきになって返して来た。
「勝手な想像押し付けないでくれるかな!」
「いやでも、ちまっこいけど可愛いじゃん。あんまり怒るなよ、血圧高いのか?」
 喚き立てる生徒をあやすように、真輝が笑いながら少年の頭をぽんぽんと軽く。
「良かったですねぇ破魔。可愛がってもらえて」
 破魔は漣のその言葉にキッと鋭い視線を向けて、後で覚えていろよと無言の圧力をかけた。


 そんなやり取りをしている傍で、遠夜が思い出したかのように漣へ近づくと、一枚の絵を差し出した。
「先日妹がお世話になったみたいだから、その礼を言いに来ました」
 さて何だろう? と、漣が差し出された絵を受け取って眺めると、そこには先日会った一人の少女が描かれていた。
 漣はそれを認識すると、優しい笑顔を遠夜に見せる。
「ああ、君はあの時の子のお兄さんですか」
「はい。妹から聞いて、一度貴方に会ってみたくて」
「そうですか。……君達はよく似ていますね」
「双子だから」
 漣が懐かしそうに笑顔を向けながら、妹さんはお元気ですか? と問うと、遠夜は一瞬間を置いた後で静かに微笑んだ。


「それはそうと。青江さんが倒れたままですので、どこかへ運んで寝かせた方が良いと思うのですが」
 織の声に漣が振り返ると、意識を失ったままの「部長の後輩」と思しき子が、織の横で寝込んでいた。
 漣は苦笑しながら、
「特別何かした訳でもないのですが……臆病な方には少々悪戯が過ぎましたかねぇ」
 と呟いて、とりあえず珠樹を運びましょうかと、全員を案内するようにのんびり歩き出す。

 ふと見れば、漣と破魔が行くその先には、いつの間に現れたのだろうか。木造の巨大な鳥居と荘厳な本殿が、忽然と姿を現していた。


*


 ふわり、ふわり。
 一定の間隔で涼しい風が頬を掠めていく心地よさに、珠樹はふっと瞳を開いた。
 最初に瞳に入ってきたのは見知らぬ天井。
「……う”〜?」
「あ、気がつきましたか?」
 頭上からやんわりと投げかけられた言葉に、珠樹がぼんやりとした頭を動かすと、団扇で自分を扇いでいる織の笑顔が視界に入り込んだ。
 次いで耳に届いたのは遠夜の声。
「気分どう? 起きられるのならスポーツドリンクでも飲む?」
 何故心配されているのか考えあぐねていると、次に見知らぬ男の声が降り注ぐ。
「ああ、ユーリィ君の後輩と言うのはこちらのお嬢さんですか」
「……ユーリ……」
 嫌と言うほど知っているその名前を聞きつけて、それまでぼんやりとしていた珠樹の頭が一気に覚めた。
 がばっと起き上がって周囲を見渡すと、真輝が持ってきた特製水羊羹と、織が持参した水蜜桃を囲んで、大所帯が楽しげに団欒している様子が目に飛び込んでくる。
 珠樹はそれを見て、自分が気絶している間に一体何があったのだろう、と複雑な表情を浮かべたのだった。



「簡単に言ってしまえば、青江さんは部長さんの嘘に引っかかってしまったようですよ」
「はぃ?」
 居住まいを正して珠樹に向き直ると、永はこれまであった事をかいつまんで珠樹に話し出す。
「綜月先生自身、自宅の庭にそんな愉快な名が付いていると聞いたのは、今日が初めてだそうですから」
 つまり神隠しの庭というのは単なるでっちあげで、青江を怖がらせたいがために部長がついた嘘だったらしい。
「……あ、あんの自己中部長!! 信じらんない!!」
 青筋を立てて怒る珠樹を宥めるように、織が慌ててフォローを入れる。
「まぁまぁ。騙されやすいという事は、それだけ青江さんが素直なのですよ」
「違いますっ。あの部長が捻くれているだけです」
 憤慨している珠樹の横へ水羊羹と水蜜桃置くと、漣はのんびりとした動作でその場へ腰を下ろした。
「まぁ、そういう異名が付いても、あながち嘘ではありませんがねぇ」
「…………え」
 ぽつりと呟いた漣の言葉に、珠樹がびくりと肩を震わせる。それを察した遠夜は、再び珠樹がぶっ倒れないようにと、すかさず視線を漣と珠樹へ走らせた。
「家の建っている場所が良いのか悪いのか、近くに在る神社仏閣からそういう方々が良く遊びに来ましてねぇ。懐かれ易い体質らしいのですよ」
「な、何にデスカ?」
 解っていても問いかけてしまうのは、珠樹の悪い癖かもしれない。漣は珠樹の言葉に、それはもう満面の笑顔を浮かべて答えた。
「霊とか、神とかそういうものに♪」
「あ、僕は懐いている訳じゃないからね!」
 古ぼけた部屋の中央で、何故か皆と一緒になって水羊羹と水蜜桃を食べている、破魔が横槍を入れる。と、その横で破魔と語り合っていたと思われる真輝が、漣に向かって問いかけた。
「なぁ、それって憑依されたりとかしねーの?」
「無いですねぇ。まぁ僕としては来るもの拒まずですので、賑やかなのは大歓迎なのですが。ねぇ雪ちゃん」
 漣の傍をぴったりと離れない雪は、漣の言葉に笑顔で頷いた。
「ふーん。ま、敵意持たれるよりは懐かれる方が良いけどな」

「中庭を通してそういった方々の場所へ赴く事は可能ですから、そうですねぇ。神に隠されると言うと聞こえが悪いですので、どちらかと言えば……」
 漣が何某か考えながら最後の言葉を告げようとした時、織が漣の言葉を続けるような形で、
「神に隠されると言うより、神を隠している庭、ですか?」
 と穏やかな笑顔で聞いてみる。

 すると漣と破魔は互いに顔を見合わせて瞳を瞬かせると、楽しげに笑った。
「御明察。やっぱり織君は敏いですねぇ」
「ま、僕は隠されているって認識は無いけどね」
 つんとした口調で、桃を口に運びながら悉く破魔が意地っ張りなことを言う。
 すると、今まで皆の話に耳を傾けていた遠夜が、ぽつりと一言爆弾発言をした。
「破魔さんって、もしかして天邪鬼?」
 ピシリと、破魔の眉間に怒りマークが走る。
「……言うじゃないのさ」
「まぁまぁ。驚かせてしまったお詫びに、折角ですから今日はのんびりしていって下さいな。人も多いことですし、花火でもしたら楽しいかもしれませんねぇ」
「……絶対に境内は汚さないって誓うなら、僕も今日は大目に見てあげるよ」

 破魔がつんとした表情でOKをだせば、漣は全員を見渡してニッコリと微笑んだ。



■ 結 ■

 帰り道。
「一人の夜道は怖いでしょうから帰りはお送りしますよ」
 と織に言われ、あまりの嬉しさに泣きながら「お願いします〜!」とすがり付いた珠樹を、全員で自宅まで送ろうという事になった。

「なんかもぉ、一日で色んなことがあり過ぎて、訳が解んなくなっちゃった」
 当分というか、もう二度とあの綜月邸には行きたくないと、ぐったりしている珠樹を慰めるように、織が珠樹の頭を撫でる。
「夢と仕舞うには些か勿体無いですし、真夏の幻燈会にでも紛れ込んだと思えば良い思い出になりませんか?」
「……うう、そうだと良いんですけど」


 その傍らで、思い出したかのように遠夜が今更ながらの事を口にする。
「で、結局学校新聞の取材はどうなったの?」
「つーか部長の嘘だったんだろ? なら書く必要って無いんじゃねーの?」
「ですが、嘘だったとしても庭先からあちらの神社へ辿り着けた事は事実ですし、部長さんがそれを知らないはずが無いと思うのですが」
 真輝と永が言葉を交わして珠樹の方を見遣れば、珠樹はあんな怖い思いをしてまで、何故記事を書かなければならないんだと項垂れている。
「多分、何らかの形で記事は書かないと駄目だと思うんですよね。夏休み明けの記事予告も出しちゃったし……」

 それを聞くと、遠夜はうーんと考え込んで今日あった出来事を思い出す。
「でも、青江さんはずっと気絶していたから、記事を書くといっても倒れていた間の事って全く覚えていないんじゃ……」
 珠樹がどの時点で倒れて、どの時点で目を覚ましたのか。
 思い起こせば、一番肝心な部分はぶっ倒れたままで何一つ見ていないような気がして、遠夜はそんな事をぽつりと呟く。


 束の間、全員の間に沈黙が流れた。
「…………あの、みなさま大変申し訳ないのですが」
「まさか、全員で記事を書くのを手伝ってくれ、なんて事を、編集者になりたいと思っている人がいいませんよね、青江さん」
 永が鉄壁スマイルで、見事なまでに珠樹の思考回路を解読する。
 言葉にする前にズバリ言い当てられてしまった珠樹は、二の句を告げられずに、思わずその場でフリーズした。

「……ジュース代だけでも労ってくれるんだったら、協力しようか?」
「まっ、基本的に宿題は自分でするもんだと相場は決まってるけどさ。誰だって苦手なものの一つや二つあるもんな。俺はケーキでいいぞ♪」
「えっ? いいんですか!?」
「では今度、皆さんの都合のつく日に、何処かの喫茶店で待ち合わせでもしましょうか」
 織が笑顔でそう言うと、永も仕方がないですねと溜息をつきながら肯定した。
「有難うございます〜!! もう何でも奢りますからよろしくお願いしますっ」
 両手を祈るように組んで、珠樹が全員に頭を下げる。
「それでは、私はサーロインステーキでも」
「そんな大金はありませんから! 藤宮先生!!」

 永の冗談に珠樹が真面目に突っ込みを入れると、全員が軽く噴出した。
 夕闇に包まれた穏やかな空気の中で、初秋の虫たちが静かに楽を奏でていた。




<了>



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号/PC名/性別/年齢/職業】

【0642/榊・遠夜 (さかき・とおや)/男性/16歳/高校生・陰陽師】
【2227/嘉神・真輝 (かがみ・まさき)/男性/24歳/神聖都学園高等部教師(家庭科)】
【6390/烏丸・織 (からすま・しき)/男性/23歳/染織師】
【6638/藤宮・永 (ふじみや・えい)/男性/25歳/書家】

*

【NPC/青江・珠樹(あおえ・たまき)/女性/16歳/高校生】
【NPC/雪(せつ)/女性/452歳/座敷童】
【NPC/破魔(はま)/男性/?歳/傍系神社の神様】
【NPC/綜月・漣(そうげつ・れん)/男性/25歳/幽霊画家・時間放浪者】

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■         ライター通信          ■
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 初めまして&いつもお世話になっております、綾塚です。
 この度は『神隠しの庭』に御投入下さいまして、本当にありがとうございました。そして、長文になってしまいまして、もうもう本当に申し訳ございませんっ(平伏)
 今回の話は、きちんとした筋道を立てて書き始めたにもかかわらず、何故か横道に逸れまくり……軌道修正と文章推敲に多大な時間を費やしてしまいました。何かございましたら、もう遠慮なさらずズバッとお知らせ頂ければ対応致しますので、どうぞ宜しくお願い致します。


榊・遠夜 様
 初めましてです!この度は御投入ありがとうございました♪
 書き始める前に、色々と既存のノベルを拝見させて頂いたのですが、ご兄妹のお話で私的な琴線に触れてしまいまして、本当に小さい部分ではありますが所々で妹さんを絡めてしまいました。そして少しでも遠夜様らしさを出せていたら幸いです!
 ではでは、またご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたしますね。