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<東京怪談・PCゲームノベル>


魔女の家に遊びに行こう〜肝冷し編〜








「まぁ」
 そうおっとりした優雅な様子で、鹿沼デルフェスは口に手をあてた。
夜の帳が落ち、とっぷりと日が落ちた深夜。
連日続く猛暑の気休めに、アイスをワールズエンドの面々に届けようと路地を曲がったところで、
見知らぬ小学生の男女に引き止められたのである。
 事情を聞いたデルフェスの第一声が先ほどのものだった。
(最近の小学生は夜歩きを頻繁になさるのですね…。それは少し戴けませんわ)
 デルフェスには用事があったが、特に急ぐわけでもない。
ならば少しだけ、と寄り道をする感覚で、デルフェスは頷いた。
「わたくしで良ければ。お守り致しますわ」
「やったぁ! おばさん、ありがとう!」
「……」
 あかりと名乗る小学生の少女は、嬉しそうに飛跳ねる。
(…小学生から見ると、わたくしもおばさんなのでしょうか…)
 生来おっとりしているデルフェスは、腹を立てるということを知らない。
怒る代わりに、そんな年齢に見えるのか、と自問してしまう。
「あかりっ、ダメだよそんなこといっちゃぁ!」
 デルフェスのかわりに、傍にいたあかりと良く似た顔立ちのあきらという少年が、慌ててあかりの袖を引いている。
「なによぅ。何がダメなの?」
「何がって、初対面の人におばさんなんて言っちゃ怒られるよ!」
「あっ、そっかあ。ごめんなさい、おねーさん!」
「…いえ、お気になさらず」
 そう優雅にデルフェスは微笑んで見せたが、その心中は複雑だった。
 だが勿論一介の小学生がデルフェスの心中を察することなど出来ず、まあそれは置いといて、と
無情にもあかりは話題を強引に切り替える。
「あのねー、他にも手伝ってくれる人がいるの。ちょっと待っててね!」
「はい、分かりました」
 デルフェスはそう頷きながら考えた。…そんなに大所帯な肝試しなのか。
ならば少々厄介な”館”なのかもしれない。ほんの寄り道程度で済むだろうか―…。
 そうぼんやりと考えていたデルフェスの思考は、あかりの甲高い声で遮られた。
「きたきたーっ! わぁい、よろしくぅ!」
 肝試しの前とは考えられないほど場違いに明るく、あかりは手をぶんぶん振っている。
路地の向かいから現れたのは、がっしりしたシルエットを持つ男性のようだった。
両手で何かを抱えている。
 その影がずんずん、と近づくにつれ、デルフェスはその奇妙な格好に驚かざるを得なかった。
「…中々個性的な同行者ですわね」
 デルフェスは思わずそう呟いていた。
 男性が羽織っているものは、魔法使いが着るような、やけに丈の長いローブ。
首に下げているのは、銀鎖で繋がれたグルグル眼鏡。中途半端な長さの前髪は半分ほど目を隠し、
茶色く長い髪をざっくりを編んで後ろに流している。
今時見かけない、どこからどう見ても”怪しい”青年だ。
さらに言うならば、その両手には闇に溶け込むような真っ黒のダンボールが抱えられている。
「はっはっは、お招きありがとう」
 怪しい男性は爽やかな笑みを浮かべてデルフェスたちに言った。
そしてよいしょ、と黒いダンボール箱を地面に下ろし、
「僕は東雲緑田。さっきそこで拾っちゃいまして」
 やはり爽やかにそう告げる。
拾ったということは猫か犬だろうか。だがこれから肝試しに行くというのに?
 デルフェスが怪訝そうにそのダンボール箱を見下ろしていると、ふいにぴょこん、と黒い何かが生えた。
「ううっ、拾われたですぅ…」
 しくしく、と中から可愛らしい声で嘆いているのが聞こえる。
デルフェスは思わずぎょっとするが、双子の小学生は何ら動揺しておらず、
逆にしゃがみこんでダンボール箱に語りかけていた。
「夜闇ちゃん、来てくれてありがとーっ」
「ごめんなさい、大丈夫でしたか?」
 …ということは、だ。
(…このダンボール箱も同行者、なのでしょうか…)
 一時は驚いたデルフェスだが、彼女も曰くつきの品物を扱っている店の店員である。
まあたまにはこういうこともあるだろう、と納得した。
 挨拶はそこそこに、と言わんばかりに、緑田が再度ダンボール箱を持ち上げて抱えた。
「さぁて、集まったのなら行きましょうか。オバケは待っててくれませんよー!」
「…そうですわね」
 さっさと済ませたい気分のデルフェスは、訝しく思いつつも緑田に賛同した。
だがその心の中ではこう呟いていたが。
(…オバケって逃げるものなのでしょうか?)









「ええと、ここ…です」
 双子の小学生に案内され、住宅街を抜け、一軒の民家の前に立つ一行。
道中二人から聞かされたおどろおどろしい話とあわせ、月明かりに照らされてそびえたつ一軒家は、
それだけで不気味に見えた。…だが。
(…まあ。ワールズエンドでは御座いませんの)
 デルフェスは一人、呆気に取られて建物を見上げた。
何てことはない、目の前の一軒家は、デルフェスが先ほど向かおうとしていた雑貨屋なのだった。
(ワールズエンドをオバケ屋敷と思うなんて。…ルーリィ様たちが、また何かやっておられるのでしょうか)
 この店とは縁が深いデルフェスは、あかりたちの思い違いではなく、
店主一同が何か企んでいるのでは、と思った。
だがどんな企みをしているにしろ、肝試し先がワールズエンドなら安心だ。
何が待っているか分からないが、直接的被害はないだろう。
 だが万一ということもあるし、あかりたちはルーリィが魔女ということを知らない。
あかりたちが悪戯しないよう、そして魔女の道具で怪我をしないよう、見守ってやろう、とデルフェスは決めた。


 そんなデルフェスをよそに、黒いダンボールに隠れている少女、伊吹夜闇は、目の前にそびえる一軒家に慄いていた。
夜闇もデルフェスと同様、ワールズエンドには訪れたことがある。しかも何度も。
だが昼と夜というロケーションの違いと、そして事前にたっぷり聞かされた”オバケ屋敷”の話で、
夜闇は目の前の建物がワールズエンドである、ということがわからなかった。
 故に彼女はおろおろしていた。元は闇から生まれた闇の子である夜闇だが、無類の怖がりでもある。
”オバケ”や”探検”という言葉に心はときめかない。
(…うぅ…怖いですぅ)
 ダンボールの中から半分顔を出して震えていると、ぴょこんと相棒の人形が飛び出してきた。
夜闇自身を模倣して作られた夜闇人形である。
その右手には白い旗、夜闇と同じような黒いドレスと漆黒のたゆたう長い髪を持つが、その目は黒ゴマのような丸い点。
夜闇の恐怖を察したのか、人形は何かの言葉が書いてある旗をふりふり、アピールしていた。
(…よやみ、にんぎょう。じぶん、にんげん、なる)
(……?)
 その旗に書かれた文字を見、夜闇は首をかしげた。
夜闇を人形にして、代わりに夜闇人形が人間サイズになる、ということなのだろうか。
ふむ、と考えた夜闇は、ジッと夜闇人形を見つめて呟いた。
「…わかりました。がんばってみるです」
 自分を人形に変えるのは簡単だ。いつもやっていることでもある。
だが夜闇人形を人間サイズにするというのは―…。
「なにごとも、挑戦あるのみです」
 そして何よりも自分の足で”オバケ屋敷”を歩きたくない夜闇は、拳を握り気合を入れた。


 そして東雲緑田は。
いざ”オバケ屋敷”を目の前にして緊張の面持ちを見せている小学生二人の間に爽やかに割り込み、
爽やかにニッと笑って白い歯を見せていた。
「どうしました、体が堅いですよ」
「あっ、変なオッサン」
 あかりが緑田を示してそういうと、横に居るあきらが慌てて彼女を抑えにかかる。
どうやらあかりという少女、歯に衣を着せるということを知らないようだ。
 だがオッサン呼ばわりされても緑田は全く動じず、代わりにハッハッハ、と笑って見せた。
そんな緑田を冷ややかな目で見、あかりは肩をすくめる。
「だってさぁ、あきらってばずーっとブルブル震えてんだもん。頼りなくて!」
 少年が頼りないのと、少女が緊張するのに因果関係はないのだが、
子供特有の強引さでそう結びつけたらしい。あきら自身は「そんなぁ」と涙目だ。
 緑田はそんな二人を交互に見、チッチッと指を振って見せた。
「あかりさん。今時の乙女なら、逆にオバケなんて殲滅して、あきらくんを守ってあげる。
―…貴女なら、そんな甲斐性があるはずです」
「は? 殲滅? 甲斐性? なにそれ」
 ぽかん、としているあかりと、おまけにあきら。
だが緑田は聞く耳持たず、という風にあかりの手にそっと自分の手を重ね、薄紅色の石を握らせる。
眉を潜めあかりが見上げると、緑田は全てを見通した笑みを浮かべた。
…だがあかりの内心までは見えていないようだったが。
 そして緑田は、朗々とした声で叫ぶ。
「さあ、唱えるのです! レイジングブレイカーと!」
「………」
 小学生二人は、揃って不審者を見るような目で緑田を見ていた。
緑田は笑顔でポージングをしている。明らかに今この瞬間、彼は”別世界の人間”だった。
 だが。
「あらまぁ、綺麗な石ですわね」
 内省を終えたデルフェスが、その場に近寄る。
あかりの握っている石を見、まぁまぁと手を顔の横で組む。
「これはどうなさったのでしょうか?」
「…あそこのオッサンがくれた」
「まぁ」
 ぶすっとしてあかりが緑田を指差す。
「緑田様、これはどういった謂れのものなのです?」
「はっはっは、良くぞ聞いてくれました。とにかく全ては百閧ノ如かず、あかりさん、唱えてみるのです!」
「………」
 あかりは”げんなり”とし、自分の片割れと顔を見合わせた。
あきらは目で、”さっさとやりなよ”と言っている。
あかりは仕方なく、薄紅色の石を握ったまま、ぽつりと呟いた。
「れ…レイジングブレイカー?」
 少女が呟くと同時に、石はぱぁっと光を放つ。
その光に思わず目を閉じ、恐る恐る目を開けると、手の中に石はなく、
かわりに同じような色の指輪となって、あかりの細い指に収まっていた。
「な、なにこれっ」
「ふふふ、それは古今東西の大きいお友達の憧れ、変身アイテムです!
それをつければ貴女は今日から魔女少女レイジングアリー!」
「ぎゃー! ダサいー!」
 突然魔女少女に仕立て上げられてしまったあかりは、慌てて右往左往する。
「あきらっ、取って、取ってーっ!」
「ええ!? …取れないよ、この指輪」
 あかりの指から外そうと試みるものの、それは当然のごとくびくともしない。
「オッサンー! 何考えてんのよーっ」
「いやぁ」
 何故か褒められたと勘違いした緑田は、照れ笑いを浮かべて後頭部を掻いている。
そしてデルフェスは。
「まぁまぁまぁ。とても素晴らしいですわ! 是非変身後をお目にかかってみたいですわね」
 魔法少女と聞き、期待に胸を弾ませたりなんかしていた。
頼みにしていた大人二人の弾けっぷりに、小学生コンビは思わず唖然とした。
文句の一つもつけてやろうとあかりが口を開きかけたそのとき、すぐ横から気配を感じて振り向く。
そしてぎょっと目を剥いた。
「……っ!?」
 たった今までそこには何もいなかった―…否、黒いダンボール箱に入った少女しかいなかったはずなのだが、
いつの間に現れたのか、大人ほどもある大きな人形が、でん、と突っ立っていた。
何故かサイズは横に大きく、デフォルメされた人形がそのまま巨大化したようだ。
「あらあら。まん丸なお目めが可愛らしいですわね」
「やあ、これはとんでもなくビッグドールですねえ。きっとこの中には愛や夢がたっぷり詰まってるに違いありません!」
 ピントが180度ほどずれたコメントをしてくれるデルフェスに緑田。
唐突に魔法少女に任命され、おまけに突然目の前に巨大なお姫様のような人形が出現し、
あかりは思わず頭痛を感じたくなった。
その傍らのあきらは、諦めたようにあかりの肩を叩き、
「…だから巻き込まないほうがいいって言ったのに」
「うるさいっ!」
 無性に腹が立ち、あかりはあきらの頭をべしんと叩く。
「もういいっ! さっさと突入しましょ! これだけ変な人がいてたら、オバケのほうが逃げちゃうわ」
「ははは、大丈夫。オバケなんてレイジングアリーが殲滅してくれます!」
「だからっ、その呼び方やめーっ!」
 あくまで好青年を気取る緑田に、むきーっと頭から湯気を立てるあかり。
そして巨大人形と貸した夜闇人形の肩にひょい、と乗っけられる夜闇。
そんな夜闇を見上げ、デルフェスはのほほん、とした声で言う。
「まあ夜闇様。やはりこのお人形は夜闇様のものなのでしょうか?」
「そ、そうなのです。なんとか成功したのです…」
 夜闇人形を巨大化したかわりに、自らをミニチュアサイズに変えた夜闇が弱々しく答える。
本来は”美しい人間サイズに”とのことだったのだが、少しばかり失敗してしまい、
顔の造作や体型などはそのまま巨大化してしまったので、夜闇は少々気落ちしていた。
「うぅ。ごめんなさいなのです」
 夜闇人形にそう謝ると、夜闇人形は身体に合わせて巨大化した旗を振る。
その旗には、『よやみ のーぷろ。とつげき あるのみ!』とある。
 やる気満々の夜闇人形に、いくばくかの不安を感じる夜闇だった。
「さーっ! 行くわよー!」
 ということで、あかりの号令でいざ”魔女の館”へ突入することになった一行であった。
















 あかりがドアのノブに手をかけると、深夜にも関わらず何の抵抗も無くドアは開いた。
そのことが一同に一抹の不安を感じさせるが、
「きっとオバケが歓迎してくれてるんです」
 との緑田の言葉に、一同の気分は再び盛り上がった。
だがこの建物の本性を知っているデルフェスだけは、内心で、
(…やはりルーリィ様方が何か仕掛けてらっしゃるのでは…)
 と考えていたのだったが。

 一同は玄関を開けると、滑り込むように中に入った。
今夜は新月、月明かりの助けも無い。玄関を入った先は察するにただ広い部屋があるのみだった。
「…変なの…玄関はいっていきなり部屋?」
 あかりが不審そうにそう呟く。
この家の仕組みを熟知しているデルフェスは、このただ広い部屋が雑貨屋の店舗であることを知っていた。
見慣れた棚の中には商品が並び、中央付近の横の壁には現在使われていない暖炉がある。
暖炉の前には、普段店主が客を接待するためのテーブルと椅子があった。
真っ暗ではっきりとした様子は分からないが、まごうことなき『ワールズエンド』である。
だがこの静寂は一体。
「…皆様。お気をつけ下さいまし。何が起こるか―…」
 分かりませんゆえ。
そう続けようとしたデルフェスは、皆が息を呑んでいるのを感じ、ハッと前を向いた。
 いつの間に現れたのか、前方からよたよたと頼りない足取りで、ぼさっとした体毛に覆われた何かがやってくる。
背丈はあかりたちと同じ程度だろうか、だがそのシルエットは明らかに人間ではない。
 その何者かが闇の向こうからやってくるのを察し、あかりとあきら、そして夜闇人形に抱えられているミニチュアサイズの夜闇は、
恐怖で硬直していた。声も出ないようだ。
”オバケ屋敷探検”と称していても、実際ホントのオバケが出てくるとは思わなかったのだろう。
(…これ以上恐怖が伝わるようでしたら、石化しなければ―…)
 デルフェスはそう考えた。自分の石化の術は、一瞬で効果が現れる。
危険な精神状態になる前に即座に石化し、すぐに生身に戻せば悪影響はない。
(となると、術の心構えをしておいたほうが良さそうですわね)
 全く、この店の店主は何を考えているのだろう。
場合によっては一言二言、忠告しなければ。デルフェスがそう考えているうちにも、
闇の向こうからやってきた”何か”は彼らの前に全貌を現していた。
 その体躯はやはり小さく、だが毛むくじゃらの体からにゅっと伸びた手足は細長く、いびつだ。
顔も毛に覆われていたが、まるでゴブリンのようににゅっと伸びた耳や、くぼんだ目が、異形の者であることを語っている。
「っ!」
 あかりが言葉にならない悲鳴をあげ、デルフェスは咄嗟に術をかけようとした。
だがその前に、緑田が動いた。
「さあ、あかりさん! 今ここで唱えるのです!」
「えっ、なんだっけ!?」
「レイジングブレイカーだよ」
 横からあきらまでちゃっかり言い添える。どうやらどうなっても変身するのは自分ではない、と高を括っているようだ。
何気にあかりよりも、土壇場での度胸は強いのかもしれない。
 あかりは恐怖や混乱もプラスし、何も考えずに叫んだ。
「れっ、レイジングブレイカー!」
 彼女が叫ぶと同時に、指輪となっていた石がまばゆい光を放つ。
その光のなかで指輪は楕円形の石の嵌った、指だし手袋に変形してあかりの手に収まった。
女の子向けの可愛らしいデザインである。
 変形はそれだけでは収まらない。
石の後ろから、羽のような弓が伸びたかと思うと、あかりが来ていた極普通の服は
フリルが異様に散りばめられたエプロンドレスへと変わっていた。
 光が収まると、あかりは皆の視線が自分に集中していることに気がついた。
そして自分の格好を見下ろし、ゲッと声をあげる。
「なにこれ!?」
 緑田は満面の笑みを浮かべ、あかりの肩に手を置く。
「さあっ、レイジングアリー! なまはげ退治です!」
「まぁまぁ、とっても可愛らしいですわ!」
 魔法少女レイジングアリーに変身したあかりを見て、デルフェスはぱぁっと顔を輝かせた。
「すごいのですぅ」
 何故か夜闇まで、ぽうっとした顔で見下ろしている。
あかりはそんな現状に、半ばやけくそになって叫んだ。
「もーっ、あたし知らない! どーすればいいの!?」
「ささ、なまはげに向けて、ばっしゅーんと弓を放てばいいのです」
「ええ、なまはげってあれ? もー、どうなってもしらないから!」
 あかりは手袋をはめた手を伸ばし、もう片方の手で弓の弦を引く。
そしてえいやっと弦を勢い良く弾いた。
 すると矢のような光が毛むくじゃらの異形に届き、目の前で炸裂する。
「うわっ」
「まあ、素晴らしいですわ! まるで魔法少女のようですわよ」
「はっはっは、これぞ緑田特製、即席魔法少女の術です!」
 デルフェスは歓喜の声をあげ、緑田は得意げに胸を張る。
そして光を放った当のあかりは、ボーゼンとしていた。
「あっ、なまはげが消えたよ」
 ある意味冷静にその場を中継するあきら。
その声におお、と一同は闇を見つめる。確かについさっきまでそこにいた毛むくじゃらは、光とともに消え去っていた。
「うむ! 一件落着!」
 緑田は某将軍並みに爽やかに朗々と言って見せた。バッと開く扇子が欲しいところだ。
だが、無論これで終わったわけでもなく。
「……な、何かが来ますです…!」
 怯えたような夜闇の声に、一同はハッと前方の闇を見つめた。
するとどしん、どしんという地響きとともに、巨大な白い何かがやってくる。
「うわーっ! もう一回っ」
 その白い何かに向けて、あかりは弦を引こうとする。だが何も反応しない。
眉をしかめて緑田を見ると、彼は困ったように肩をすくめてみせた。
「やれやれ、道具が不調のようです」
「おっさーん!!」
 魔法少女レイジングアリーは、思わず緑田の喉を絞めたくなった。
「だ…だいじょうぶなのです。おおきなものには、おおきなもので対抗…なのです」
 そのとき、上のほうから弱々しく、だがはっきりとした声が響いた。夜闇である。
等身大夜闇人形に抱えられた夜闇は、辛うじて笑みを一同に向けた。
「…私も、頑張るのです」
「夜闇様!」
 デルフェスは心配そうに声をあげる。
だが夜闇人形はゆっくりと足を前に向け、目の前の巨大な白い物体を対峙した。
 その白い物体は、俗にいう”うさぎのぬいぐるみ”だった。
全身真っ白で、アクセントとして黒いリボンを首元に結んでいる。
極普通のサイズとしてみれば、大変可愛らしいぬいぐるみだった。
だがその全長が、部屋の天井に届くぐらいとなれば、可愛いだけでは終わらない。
「うぅ…こわいのです」
 大見得切ったものの、やはり正体不明なものと対峙すれば怖いことは怖い。
ぷるぷると震える夜闇に見せるように、夜闇人形は旗を振る。
その旗には、『むかしのひとは いいました。 じょしゅどうとは しぬことと みつけたり』と、あった。
その堂々とした言葉に頷きかけた夜闇は、ぎょっとした。
「し、しぬのですか?!」
 だが夜闇人形は何も答えず。
代わりに旗に新しい文字が浮かんだ。
『とつげき〜!』
「はぅ、答えてくださいなのです〜!」
 夜闇がそう叫ぶが、夜闇人形は構わずどしん、どしんと足音を響かせる。
やけにその足音が大きくなったと思っていたら、気がつくと夜闇人形もまた、何故か
頭のてっぺんが天井へと届くほどに巨大化していた。
「た、高いのです…!」
 あわわ、とその高さに、夜闇はぎゅっと夜闇人形にしがみつく。
かくして、『ワールズエンド』店内で、怪獣映画さながらの格闘がはじま―…らなかった。
「ちょっ、ちょっとまってーっ。乱闘はダメよっ、店が壊れちゃう!」
 そう叫びながら飛び出してきた少女がいた。
真っ黒なローブに身を包み、頭には黒い三角帽子を載せている。
どこかで見たような、レトロな魔女スタイルの、まだ若い少女だった。
「あらまぁ」
 デルフェスは驚いて口に手をあてた。
見たことのない顔である。少なくとも、この店の従業員ではない。
(…ルーリィ様は、外部にまで手を回したのでしょうか…?)
 思わずそう勘ぐった。ならば、事態は少々複雑だ。
 だがデルフェスが事態の解明を行う前に、緑田が颯爽と少女の前に立ちはだかった。
「ややっ! あそこにおわすのは悪しき魔女! さあレイジングアリー、やっつけてしまいなさい!」
 緑田的には”敵の魔女”であるらしい。
あくまで自分は手を出さず、明らかに嫌そうな顔をしている魔法少女レイジングアリーの背をぐいぐいと押す。
「ええー、まだやるの!? ていうか不調だったじゃん」
「大丈夫です、今度こそきっといけるはず! さあ、やっておしまいです!」
 緑田は朗々と叫び、レイジングアリーは渋々弓の弦を引いた。
今度は先ほどのなまはげのときのように、光の矢が炸裂した。
 ホッと胸を撫で下ろし、目の前の光が収まるのを待つ。
すると光が収まったあとには、あの巨大白うさぎも消え、魔女スタイルの少女も床に伸びていた。
「まぁ。大丈夫でしょうか?」
 心配そうな顔でデルフェスが駆け寄る。
対峙していた白ウサギが消え、夜闇人形も元の等身大へとしゅるるっと戻った。
「ごめんね、おねーさん! 大丈夫?」
 ぱたぱた、とレイジングアリー改め、あかりをはじめとする一行が少女と、
その傍で少女の様子を見ているデルフェスに駆け寄った。
デルフェスは顔を上げ、
「少し驚いて気を失ってしまったようです。外傷もありませんし」
「よかったぁ。もーオッサン、変なモン持たせないでよ!」
「ははは、しかしまだまだ敵はいます。レイジングアリー、これからも愛と平和を振りまくのです!」
「やなこったーっ!」
 一方的な魔法少女の押し売りをする緑田と、それに怒鳴りつけるあかり。
そんな二人を放っておいて部屋の奥を調べにいっていたあきらが戻ってきた。
「あの皆さん、この部屋の奥に、階段があるんですけど」
「階段?」
(…上はルーリィ様たちの自室ですわ。許可もなく上がって良いものかしら)
 デルフェスはそう考えたが、元々許可無く深夜に大人数で進入している時点で、
失礼だとかの範囲を超えているような気もする。
(…あとでお詫び致しましょう。アイスもあることですし)
 デルフェスはそう結論を下し、皆に向かって言った。
「この家は二階立てのようですわ。折角ですので、二階も探索してみませんか?」















 デルフェスの一言で、皆は二階への階段をあがりはじめた。
ぎしぎし、と鳴る階段を楽しむように緑田が言う。
「それにしてもあかりさんの魔法少女っぷりはお見事でした。
どうです、これからもレイジングアリーとしてご近所に夢と希望を…」
「振りまくわけないでしょーっ! こんなことしてるって知れたら、学校中の笑いもんだよ」
「でもなかなかいい線いってると思うよ? 大きいお兄さんに受けるかも」
「ええ、とっても可愛らしいですし。フリルが素敵ですわ」
 また余計なことを言うあきらをブン殴ろうとしたあかりは、
デルフェスが同意したので、渋々拳を引っ込めた。
 そうして階段の中ほどまで着たあたりで、しんがりを努めていた夜闇人形、および夜闇が、
前方を指差した。
「…何かいるです…!」
「え?」
 皆は夜闇の声に従い、前方を振り向いた。小学生コンビが、ぎくっと身を強張らせる。
階段の上がり口のあたりに、何かがふよふよと浮いていた。
あれは何だろう。青白く、まるで炎のように燃え、上から吊っているわけでもないのに浮かんでいる。
―…これは、まさか。
「…っ!」
 そしてどこからともなく、冷気が漂い始める。
どこでクーラーをつけているわけでもないのに、首筋が冷たい。
ひゅ〜どろどろ… というお馴染みのBGMは、自分の幻聴なのだろうか。
 あかりとあきらは、叫びたいが声にならなかった。
そんな二人に追い討ちをかけるように、階段の上がり口に、先ほどの火の玉を無数に舞わせた女性が一人、現れる。
女性は和服を纏い、透けるような白い肌を持った、妙齢の美女だった。
髪の毛を一房、紅を指した唇で挿み、目を半ば伏せ、斜に力無げに立っている。
その様子は、ここが建物の二階ではなく、まるで墓場なのではないかと思わせる雰囲気を持っていた。
 一同が言葉も無く見つめていると、女性はふいに口をゆっくりと開いた。
「…主の許しも無く、この地に足を踏み入れるとは…」
 その言葉は確かに女性の声だが重く響き、身体にまとわりつくようだった。
さすがに小学生コンビはこれには耐えられず。
「…っ、きゃ――っ!!!」
 あかりがそう叫んだところで、騒動になる―…かと思いきや。
あかりの絹を裂くような叫び声が響くと同時に、その場はしん、と止んだ。
理由は簡単。デルフェスが咄嗟に、石化の術を使用したからである。
 術をかけたままのポーズで息を吐くデルフェス。
あかりとあきらは、階段に足をかけたままで石になっていた。
すぐさま石化を解けば、身体に支障はでない。
だが恐怖が収まらないのならば、意味は無い。さあどうするか。
そうデルフェスが思いをめぐらせたとき、場違いな「あら」という女性の声が聞こえた。
デルフェスは首をかしげ、背後の夜闇人形を見上げる。夜闇は首を振る。彼女ではない。
無論、未だに爽やかな笑みを浮かべている緑田でもない。
となると、だ。
「……この場はこれで幕引き、ということで宜しいでしょうか?
わたくし、あかり様たちの石化を早く解かなくてはなりませんの」
 ”幽霊”から生身の人間の表情へと変えた廊下の女性に、デルフェスは語りかけた。
先ほどの呟きがこの女性からならば、もうこの場の”幽霊ごっこ”は終わりなのだろう。
 そんなデルフェスの言葉に、女性は、
「ええ、どうぞ。私の出番は終わりましたから」
 と優雅に微笑んで見せた。
デルフェスは安堵の息を付き、術をかけたとき同様、瞬時にあかりとあきらを生身に戻す。
わけが分からず右往左往している二人に近寄り、その身体と意識を確かめる。
特に不祥は残っていないようだ。
「…さっきのは、ちょっと…こわかったのです」
 そんなデルフェスの背後で、巨大夜闇人形にしがみつき、未だ緊張しながら夜闇が呟いた。
夜闇の呟きを聞きつけ、緑田が好青年の仮面を被って言う。
「オバケではなく幽霊のほうが恐ろしいのかもしれませんね。
祟られてはかないませんから。やはり最も怖いのは人間、ということで」
 ハッハッハ、と全く実感の篭らないように言う緑田。
夜闇は緑田の言う言葉を暫し考えてみたが、あまり分からなかった。
なので首を傾げつつ、
「…むずかしいのです」
「難しいのも人間、ということです」
 と、緑田はウィンクをして返した。


 そんなやり取りをしている間に、どうやらこの場の騒動は一通り済んだらしい。
デルフェスと旧知の間柄であったらしい”元幽霊”の女性は亜真知と名乗り、
二階の端を指差した。あそこに行け、ということなのだろうか。
 デルフェスは一行を振り向き、
「もう一度、”おばけ”がいらっしゃるようです。気を抜かず、頑張りましょうね」
 その言葉に、緑田以外の全員が”げんなり”とした。















 亜真知に指されたとおり、二階の突き当たりへと向かうと、
若い少女が二人、背を向けて震わせていた。泣いているようだ。
 一同は顔を見合わせ、あかりがおずおずと声をかけた。
「ど…どうしたの?」
 そう問いかけると、青い髪の少女が、不安げに眉を寄せている顔を振り向かせた。
「ああ、よかった…。普通の人たちで…。
私たち、この館の魔女に囚われて、やっとのことで逃げ出してきたんです」
 およよ、と泣き崩れる美少女。
あかりは困惑げに眉をよせ、皆に振り返る。
(え、何? そういう設定だったの?)
(はっは、こういうときに設定とか持ち出すのはタブーだよ、レイジングアリー)
(だからねー、それ…)
「…あ」
 そのとき、唐突に夜闇が声をあげた。
「…リースさん、なのです」
「あら」
 デルフェスは夜闇の声に、青い髪ではなく、傍らの赤い髪の女性に目をむけた。
こそこそと身をかがめているが、その赤い髪は見間違えるはずもない。
「夜闇様。あまりおおっぴらに言っては…」
 何らかのたくらみがあるのだろう、と察していたデルフェスは、唇に人差し指をあててみせた。
だが夜闇には何のことかわからない。
そもそも夜闇は、ここが『ワールズエンド』である、と未だに気がついていないのだ。
 夜闇は夜闇人形の肩から下ろしてもらい、自分の身体を元の子供の姿へをかえる。
そしてたたっとリースに駆け寄り、その顔を覗き込む。
何故かリースと、傍らの青い髪の少女は、丈が長いマントを羽織っていた。
「…リースさん、です? 何でリースさんがここにいるですか?」
 そう首を傾げて尋ねると、リースはたはぁ、と額を叩いた。
「もう…夜闇ちゃんがいるならいるって言ってよね」
 やれやれ、と肩をすくめて見せる。
その様子を見て、デルフェスは思った。
(リース様が正体を現した―…ということは、これで終わり、でしょうか)
(最後に何をされるつもりだったのでしょう?)
 それが疑問に残ったが、とにかく全ては終わったのだ。
あとはこの突き当りの部屋にいるであろうルーリィの挨拶をして、アイスを差し入れるだけだ。
(そうそう。一言二言、添えなければ)
 デルフェスがそう考えている間に、青い髪の少女のほうが、オバケごっこは終わりだと宣言していた。
確かめているあかりに苦笑を向け、
「ええ、もうこれで終わりです。こっちの部屋にこの店の店主がいるので―…」
 そういいかける。
だがその言葉の途中で、少女のマントがばさ、と床に落ちた。
それを見計って、リースのマントも床に落とされる。
デルフェスははっきりと見た。―…リースがマントを落としながら、口元にニヤリ、と笑みを浮かべていたのを。

 …少女の下半身には、獰猛な犬の頭が6つ、足が12本。リースの下半身には、巨大な蛇が。
 それぞれ生えていたのである。


 そういうわけで、あかりとあきらの小学生コンビ、そして夜闇は、
絶叫を上げて二階の反対側の隅まで逃走し。
緑田とデルフェスは、思わずその絶叫に鼓膜が破れそうになったのであった。











                          ■■■











「あははー。ごめんなさいね! 実はねー、今度魔女の村でホラーパーティを行うことになって。
その予行演習をしてたの」
 文字通り”全て”が終わり。
脅かし役の樋口真帆、榊船亜真知、海原みなも。
そして”脅かされ”役の伊吹夜闇、東雲緑田、鹿沼デルフェスの6人は、
少々手狭に感じつつ、ルーリィの作業室で深夜のお茶をご馳走になっていた。
お茶請けとして、デルフェスが差し入れたアイスクリーム、亜真知が持参したレアチーズケーキをはさんで。
ちなみに小学生コンビはラストの半人半獣で気を失い、今現在は部屋の隅で、
ルーリィの使い魔である銀埜とリックの介抱を受けていた。
「…ということで! まず真帆さんから、感想をどうぞ」
 ルーリィは意気揚々とメモ用紙を抱え、ペンを構える。
その様子に、驚かされ役の三人は、事の次第をすべて察した。
「要は実験台ってわけですねえ」
「…ルーリィ様…」
「うぅ、怖かったですぅ」
「ごめんなさい! でも、私だって怖かったんですよー」
 真帆は頬を膨らませつつ、店内での出来事を語った。
それを聞き、ルーリィは目を丸くする。
「へ? 魔法少女に撃退されて? そんでもってうさぎと人形の怪獣合戦?」
 愕然としつつ、我に返ったように、ちぃっと舌打ちをする。
「…ビデオ設置しとけばよかった…!」
 無論、その言葉のすぐあとに、四方八方から冷たい視線が注がれたことは言うまでもない。
「じ、じゃあ、亜真知さん!どーだった?」
 気を取り直して、今度は亜真知にペンを向ける。
「そうですわね。やはりオーソドックスな幽霊モノというのは効くのだな、と思いましたわ」
 優雅に分析をしてくれる亜真知様なのであった。
「ふぅん、なるほど」
「ただ…」
 ぽつり、と亜真知は付け加える。
「やはりお顔が分かっている分、緊張感は薄れてしまいますわね」
「ふんふん。じゃあ変装しなきゃいけないわね。
みなもさん…は、多分一番の成果だったんじゃない?」
 みなもにペンを向け、ルーリィは思わず笑った。
みなもの下半身では、未だに6匹の犬の頭と12本の足がくっついていたのである。
リースの変化術が解けるのは、最低でも6時間は待たなくてはならない。
明るい部屋の中で見た半人半獣―…スキュラの姿はなんとも間抜けであり、
そしてその犬の頭が6頭とも全て、大人しく寝息を立てているからなおさらだ。
 ちなみにリースもいまだに蛇の下半身をもてあましている。
「…何だか、作戦とは大分違っちゃって…。
上手くいったんだか、いかなかったんだか、って感じです」
 とほほ、とみなもはため息を洩らした。
でも結局は三人に絶叫をあげさせることに成功したのだから、由とするべきなのだろうか。
「まあでも、私の勉強にはなったわ! 油断させて近づかせて、そして驚かせるっていうのは有効なのね」
 といいつつメモするルーリィ。
あくまで研究のためと言い張っているが、その実はどうなのか、それは誰にも分からない。
「あ、そうだ。私、皆さんにお土産があるんですよー」
 そうパン、と手を叩いたのは真帆である。
作業室においてあった自分の鞄から、ピンクと赤の二種類のリボンで包まれたクッキーを取り出す。
「はい、どうぞ!」
 ピンクは同じく驚かし役の亜真知とみなもへ、
そして赤色は驚かされ役の夜闇、デルフェス、緑田へ。
「へえ。開けてもいいですか、お嬢さん?」
 そう緑田が尋ねると、真帆は笑顔で首を振った。
「だめですよー。絶対、おうちで開けてくださいね。あと、それから―…」
 真帆は首をかしげ、にっこりと笑って付け加えた。
「ちょおっとばかり、お水が欲しくなるかもしれませんけど」
「?」
 無論、ハテナマークを浮かべた彼らに、説明はしない。
…赤色のリボンで包まれたクッキーが、真帆特製激辛クッキーであることは言うまでもない。
「あはは、まあとりあえず、皆さんお疲れ様! ねえ、どーだった?」
 ルーリィが立ち上がって、驚かされた三人に尋ねる。
三人は顔を見合わせ、三者三様でこう言った。
「…こ、怖かったですぅ…」
「ルーリィ様、何事も程ほどに、ですわよ」
「ハッハッハ、なかなか楽しかったですねえ」
 そんな三人の言葉を聞き、ルーリィは暫くきょとん、と首を傾げていた。





 この日以降、暫くの間、『ワールズエンド』から、
夜になると絶叫が響くという噂が立ったのも―…ほぼ全ての参加者が予想したとおりであったという。











                        おわり。









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▼ 登場人物 * この物語に登場した人物の一覧
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【整理番号|PC名|性別|年齢|職業】

【5655|伊吹・夜闇|女性|467歳|闇の子】
【2181|鹿沼・デルフェス|女性|463歳|アンティークショップ・レンの店員】
【6591|東雲・緑田|男性|22歳|魔法の斡旋業兼ラーメン屋台の情報屋さん】


【1593|榊船・亜真知|女性|999歳|超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
【6458|樋口・真帆|女性|17歳|高校生/見習い魔女】
【1252|海原・みなも|女性|13歳|中学生】


■NPC■

・あかり/あきら(小学生)
・ルーリィ/リース/リネア(『ワールズエンド』店長+店員)

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▼ ライター通信
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 こんにちは、このたびは「肝冷し編」へのご参加、誠にありがとうございました!
そしてお届けが遅くなってしまい、誠に申し訳ありません;

 楽しいプレイングを数多く頂き、楽しみながら書かせて頂きました。
如何だったでしょうか。
少しでも楽しんで頂ければ、幸いです。

 もしお時間おありでしたが、「肝晒し編」も合わせてお読み頂くと、
背景も良くお分かりになるのではないか、と思います。


 それでは、またどこかでお会いできることを祈って。